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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-226315(P2015-226315A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】番組受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/458 20110101AFI20151117BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20151117BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20151117BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20151117BHJP
   H04N 5/76 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   H04N21/458
   H04N21/433
   H04N5/91 Z
   H04N5/93 Z
   H04N5/76 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-112331(P2014-112331)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸治郎
【テーマコード(参考)】
5C053
5C164
【Fターム(参考)】
5C053FA23
5C053FA27
5C053JA22
5C053LA07
5C164GA06
5C164UB36P
5C164UB41S
5C164UC31P
5C164UD51S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】複数のチャンネルの中から適切なチャンネルを自動的に選択することができる番組受信装置を提供する。
【解決手段】番組受信装置100は、人気番組の開始時刻と当該人気番組を受信するための第1チャンネルとを示す人気番組情報を受信する通信部110を備え、選択部112が人気番組の開始時刻前に第2チャンネルを選択している場合に、(i)第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了する場合、選択部112は、人気番組の開始時刻に第2チャンネルから第1チャンネルに選択を切り替え、(ii)第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了しない場合、(ii−1)録画部114は、人気番組の開始時刻に人気番組のメモリ116への記録を開始し、(ii−2)再生部118は、第2チャンネルの番組の終了時刻にメモリ116に記録された人気番組のタイムシフト再生を開始する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルの番組を受信することができる番組受信装置であって、
前記複数のチャンネルの中から表示部に表示する番組のチャンネルを選択するための選択部と、
前記複数のチャンネルの中の少なくとも1つのチャンネルの番組をメモリに記録するための録画部と、
前記メモリに記録された番組を再生するための再生部と、
人気番組の開始時刻と当該人気番組を受信するための第1チャンネルとを示す人気番組情報を受信する通信部とを備え、
前記選択部が前記人気番組の開始時刻前に第2チャンネルを選択している場合に、
(i)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了する場合、前記選択部は、前記人気番組の開始時刻に、前記第2チャンネルから前記第1チャンネルに選択を切り替え、
(ii)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了しない場合、(ii−1)前記録画部は、前記人気番組の開始時刻に、前記人気番組の前記メモリへの記録を開始し、(ii−2)前記再生部は、前記第2チャンネルの番組の終了時刻に、前記メモリに記録された前記人気番組のタイムシフト再生を開始する
番組受信装置。
【請求項2】
前記人気番組のタイムシフト再生が行われている時にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、前記再生部は、前記人気番組のタイムシフト再生を中止する
請求項1に記載の番組受信装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記人気番組の開始時刻前にザッピングが行われているか否かを判定し、
前記選択部が前記人気番組の開始時刻前に第2チャンネルを選択している場合、かつ、前記ザッピングが行われていないと判定された場合に、
(i)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了する場合、前記選択部は、前記人気番組の開始時刻に、前記第2チャンネルから前記第1チャンネルに選択を切り替え、
(ii)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了しない場合、(ii−1)前記録画部は、前記人気番組の開始時刻に、前記人気番組の前記メモリへの記録を開始し、(ii−2)前記再生部は、前記第2チャンネルの番組の終了時刻に、前記メモリに記録された前記人気番組のタイムシフト再生を開始する
請求項1または2に記載の番組受信装置。
【請求項4】
前記録画部が前記人気番組を前記メモリへ記録している時にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、前記録画部は、前記人気番組の前記メモリへの記録を中止する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の番組受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のチャンネルの番組を受信することができる番組受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、テレビ受像機(television set)は、複数チャンネルのテレビ番組を受信し、選択されたチャンネルのテレビ番組を表示する。チャンネルの選択は、例えば、リモコン(remote control)を用いてユーザによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−081178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビ受像機は、公共の場に設置される場合がある。公共の場とは、例えば、空港の待合ラウンジ、病院の待合室などである。このような公共の場にテレビ受像機が設置された場合、多くの視聴者がテレビ番組を視聴するので、ある1人の視聴者がテレビ受像機で選択されるチャンネルを変更することが難しい。また、視聴者がチャンネルを変更することを禁止している場合もある。
【0005】
その結果、多くの視聴者にとって魅力的ではないテレビ番組がテレビ受像機に表示され続ける場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、複数のチャンネルの中から適切なチャンネルを自動的に選択することができる番組受信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る番組受信装置は、複数のチャンネルの番組を受信することができる番組受信装置であって、前記複数のチャンネルの中から表示部に表示する番組のチャンネルを選択するための選択部と、前記複数のチャンネルの中の少なくとも1つのチャンネルの番組をメモリに記録するための録画部と、前記メモリに記録された番組を再生するための再生部と、人気番組の開始時刻と当該人気番組を受信するための第1チャンネルとを示す人気番組情報を受信する通信部とを備え、前記選択部が前記人気番組の開始時刻前に第2チャンネルを選択している場合に、(i)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了する場合、前記選択部は、前記人気番組の開始時刻に、前記第2チャンネルから前記第1チャンネルに選択を切り替え、(ii)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了しない場合、(ii−1)前記録画部は、前記人気番組の開始時刻に、前記人気番組の前記メモリへの記録を開始し、(ii−2)前記再生部は、前記第2チャンネルの番組の終了時刻に、前記メモリに記録された前記人気番組のタイムシフト再生を開始する。
【0008】
この構成によれば、第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了する場合、選択部は、人気番組の開始時刻に第2チャンネルから第1チャンネルに選択を切り替えることができる。したがって、自動的に人気番組に表示を切り替えることができ、多くの視聴者にとって魅力的ではない番組が表示されることを抑制することができる。つまり、複数のチャンネルの中から適切なチャンネルを自動的に選択することができる。
【0009】
さらに、この構成によれば、第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了しない場合、録画部は、人気番組の開始時刻に人気番組のメモリへの記録を開始し、再生部は、第2チャンネルの番組の終了時刻に人気番組のタイムシフト再生を開始することができる。したがって、視聴中の第2チャンネルの番組の終了前に当該番組から人気番組に突然切り替わることを防ぐことができ、視聴者に不快感を与えることを防ぐことができる。また、第2チャンネルの番組が終了したときに、人気番組のタイムシフト再生が開始されるので、視聴者が人気番組の一部を見逃すことを防ぐこともできる。
【0010】
例えば、前記人気番組のタイムシフト再生が行われている時にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、前記再生部は、前記人気番組のタイムシフト再生を中止してもよい。
【0011】
この構成によれば、人気番組のタイムシフト再生が行われている時にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、再生部は、人気番組のタイムシフト再生を中止することができる。したがって、ユーザが積極的に視聴したい番組を選択する場合には、人気番組のタイムシフト再生を中止することができる。つまり、ユーザの意図的なチャンネル選択を妨げることがないように、人気番組の表示を制御することができる。
【0012】
例えば、前記選択部は、前記人気番組の開始時刻前にザッピングが行われているか否かを判定し、前記選択部が前記人気番組の開始時刻前に第2チャンネルを選択している場合、かつ、前記ザッピングが行われていないと判定された場合に、(i)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了する場合、前記選択部は、前記人気番組の開始時刻に、前記第2チャンネルから前記第1チャンネルに選択を切り替え、(ii)前記第2チャンネルの番組が前記人気番組の開始時刻に終了しない場合、(ii−1)前記録画部は、前記人気番組の開始時刻に、前記人気番組の前記メモリへの記録を開始し、(ii−2)前記再生部は、前記第2チャンネルの番組の終了時刻に、前記メモリに記録された前記人気番組のタイムシフト再生を開始してもよい。
【0013】
この構成によれば、人気番組の開始時刻前にザッピングが行われていない場合に、人気番組に関する処理が行われる。つまり、ユーザが積極的にチャンネルの選択を行っている場合に、人気番組が強制的に表示されることを防ぐことができ、ユーザに不快感を与えることを抑制することができる。
【0014】
例えば、前記録画部が前記人気番組を前記メモリへ記録している時にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、前記録画部は、前記人気番組の前記メモリへの記録を中止してもよい。
【0015】
この構成によれば、人気番組の録画中にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、録画部は、人気番組のメモリへの記録を中止する。つまり、ユーザが積極的にチャンネルの選択を行っている場合には、人気番組を自動的に表示する必要がないので、人気番組の録画を中止することができる。つまり、無駄に人気番組が記録されることを防ぐことができる。
【0016】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える番組受信装置として実現することができるだけでなく、番組受信装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする番組受信方法として実現することができる。また、番組受信装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラムまたは番組受信方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る番組受信装置は、複数のチャンネルの番組の中から適切なチャンネルの番組を自動的に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態に係る番組受信装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る番組受信装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態に係る番組受信装置の処理動作を説明するための図である。
図5】実施の形態に係る番組受信装置の処理動作を説明するための図である。
図6】実施の形態の変形例1に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。
図7】実施の形態の変形例2に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。
図8】実施の形態の変形例3に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。
図9】実施の形態の他の変形例に係る番組受信装置に表示されるメッセージの一例を示す図である。
図10】実施の形態の他の変形例に係る番組受信装置に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0021】
(実施の形態)
以下に、実施の形態に係る番組受信装置について説明する。本実施の形態に係る番組受信装置は、人気番組情報に基づいて、人気番組が送信されるチャンネルを自動的に選択する。その際、番組受信装置は、視聴中の番組の視聴が中断されないように、人気番組に表示を切り替えるタイミングを制御する。
【0022】
[番組受信装置の構成]
まず、番組受信装置の構成について図1および図2を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、実施の形態に係る番組受信装置の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る番組受信装置の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
番組受信装置100は、複数のチャンネルの番組を同時に受信することができる。番組とは、予め定められた開始時刻から終了時刻まで送信される映像コンテンツである。番組は、例えば、地上波放送、衛星放送およびケーブルテレビを介して放送されるテレビ番組である。また例えば、番組は、インターネットを介して配信される番組であってもよい。
【0025】
図2に示すように、番組受信装置100は、第1チューナ102と、第1信号処理部104と、第2チューナ106と、第2信号処理部108と、通信部110と、選択部112と、録画部114と、メモリ116と、再生部118と、表示部120とを備える。以下に、番組受信装置100が備える複数の構成要素の各々について説明する。
【0026】
第1チューナ102は、入力信号の中から、複数のチャンネルのうちの1つのチャンネルの信号を抽出する。第1チューナ102によって抽出された信号は、第1信号処理部104に出力される。
【0027】
第1信号処理部104は、第1チューナ102から出力された信号を処理することにより、映像信号を生成する。例えば、第1信号処理部104は、第1チューナ102から出力された信号に復調処理を行う。生成された映像信号は、表示部120に出力される。
【0028】
第2チューナ106は、入力信号の中から、複数のチャンネルのうちの1つのチャンネルの信号を抽出する。第2チューナ106によって抽出された信号は、第2信号処理部108に出力される。
【0029】
第2信号処理部108は、第2チューナ106から出力された信号を処理することにより、映像信号を生成する。例えば、第2信号処理部108は、第2チューナ106から出力された信号に復調処理を行う。生成された映像信号は、録画部114に出力される。
【0030】
通信部110は、予め定められた人気番組の開始時刻と当該人気番組を受信するための第1チャンネルとを示す人気番組情報を受信する。例えば、通信部110は、人気番組情報を配信するためのサーバからインターネットを介して人気番組情報を受信する。
【0031】
ここで、人気番組とは、予め定められた方法に基づいて決定された番組である。予め定められた方法は、例えば、視聴率、インターネットにおける検索ランキング、アンケート調査結果などに基づく方法である。
【0032】
なお、予め定められた方法は、特に限定される必要はない。つまり、人気番組は、必ずしも実際に視聴者に人気がある番組である必要はない。例えば、人気番組は、番組受信装置100が設置された公共の場の管理者が選択した番組であってもよい。
【0033】
選択部112は、複数のチャンネルの中から表示部120に出力する番組のチャンネルを選択する。つまり、選択部112は、第1チューナ102を制御することにより1つのチャンネルを選択する。
【0034】
また、選択部112は、リモコン(図示せず)を介して、ユーザからチャンネルの選択操作を受け付ける。そして、選択部112は、ユーザからの選択操作に従ってチャンネルを選択する。
【0035】
ここで、選択部112は、人気番組の開始時刻前に選択されている第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了する場合、人気番組の開始時刻に第2チャンネルから第1チャンネルに選択を切り替える。つまり、視聴中の番組が人気番組の開始時刻に終了する場合に、選択部112は、人気番組の開始時刻の直前に選択されているチャンネルから人気番組のチャンネルに切り替える。
【0036】
録画部114は、複数のチャンネルの中の少なくとも1つのチャンネルの番組をメモリ116に記録する。つまり、録画部114は、第2チューナ106を制御することにより1つのチャンネルを選択する。そして、録画部114は、選択した1つのチャンネルの番組を録画する。
【0037】
ここで、録画部114は、人気番組の開始時刻前に選択されている第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了しない場合、人気番組の開始時刻に人気番組のメモリ116への記録を開始する。つまり、録画部114は、視聴中の番組が人気番組の開始時刻に終了しない場合には人気番組の録画を開始する。
【0038】
メモリ116は、番組を記録するための記録媒体である。例えば、メモリ116は、半導体メモリ、ハードディスクドライブなどである。
【0039】
再生部118は、メモリ116に記録された番組を再生する。例えば、再生部118は、メモリ116に記録された番組の符号化された映像データを復号し、復号して得られた映像信号を表示部120に出力する。
【0040】
ここで、再生部118は、人気番組の開始時刻前に選択されている第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了しない場合、第2チャンネルの番組の終了時刻にメモリ116に記録された人気番組のタイムシフト再生を開始する。つまり、再生部118は、視聴中の番組が終了した時に、人気番組のタイムシフト再生を開始する。
【0041】
タイムシフト再生とは、番組の開始時刻よりも遅れて当該番組の再生を開始することである。つまり、視聴者は、タイムシフト再生によって、番組が送信される時刻よりも遅れた時刻に当該番組を視聴することができる。なお、タイムシフト再生は、番組の録画中に当該番組を追っかけ再生することに加えて、録画済みの番組を再生することを含む。
【0042】
表示部120は、第1信号処理部104から出力された映像信号、または、再生部118から出力された映像信号に基づいて映像を表示する。
【0043】
[番組受信装置の動作]
次に、以上のように構成された番組受信装置100の動作について説明する。図3は、実施の形態に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0044】
まず、通信部110は、例えばインターネットを介して人気番組情報を受信する(S100)。この人気番組情報には、人気番組の開始時刻の情報と、当該人気番組が送信される第1チャンネルの情報とが含まれる。
【0045】
次に、選択部112は、人気番組の開始時刻に視聴中の番組が終了するか否かを判定する(S102)。具体的には、選択部112は、表示部120に表示されている第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了するか否かを判定する。
【0046】
視聴中の番組の終了時刻の情報は、例えば、番組とともに入力信号に含まれる。したがって、選択部112は、人気番組の開始時刻と視聴中の番組の終了時刻とを比較することにより、人気番組の開始時刻に視聴中の番組が終了するか否かを判定することができる。
【0047】
ここで、人気番組の開始時刻に視聴中の番組が終了する場合(S102のYes)、選択部112は、人気番組の開始時刻に、当該人気番組が送信される第1チャンネルを選択する(S104)。つまり、選択部112は、第1チューナ102を制御することにより、第1チャンネルの番組を表示部120に表示させる。
【0048】
例えば、図4に示される放送状況の場合、表示部120に表示されている第1番組202の終了時刻と、人気番組204の開始時刻とは、ともに時刻T1である。したがって、選択部112は、時刻T1に第2チャンネルから第1チャンネルに選択を切り替える。つまり、時刻T1に人気番組204の表示が開始される。
【0049】
一方、人気番組の開始時刻に視聴中の番組が終了しない場合(S102のNo)、録画部114は、人気番組の開始時刻に当該人気番組の録画を開始する(S106)。つまり、録画部114は、第2チューナ106を制御することにより第2チャンネルを選択し、第2チャンネルの人気番組をメモリ116に記録する。
【0050】
再生部118は、視聴中の番組の終了時刻に人気番組のタイムシフト再生を開始する(S108)。つまり、再生部118は、人気番組の録画データの再生を開始する。
【0051】
録画部114は、人気番組の終了時刻に人気番組の録画を終了する(S110)。なお、人気番組の終了時刻が視聴中の番組の終了時刻よりも前である場合、ステップS110は、ステップS108よりも先に実行される。
【0052】
再生部118は、人気番組の再生がすべて終了したか否かを判定する(S112)。ここで、人気番組の再生が少しでも終了していない場合(S112のNo)、そのまま人気番組のタイムシフト再生を継続する。
【0053】
一方、人気番組の再生がすべて終了した場合(S112のYes)、再生部118は、人気番組のタイムシフト再生を終了する(S114)。つまり、人気番組が最後まで再生された場合に、再生部118は、タイムシフト再生を終了する。
【0054】
例えば、図5に示される放送状況の場合、表示部120に表示されている第1番組212の終了時刻T2は、人気番組214の開始時刻T1よりも後である。したがって、録画部114は、人気番組214の開始時刻T1に人気番組214の録画を開始する。そして、再生部118は、第1番組212の終了時刻T2に人気番組214のタイムシフト再生を開始する。
【0055】
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る番組受信装置によれば、第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了する場合、選択部は、人気番組の開始時刻に第2チャンネルから第1チャンネルに選択を切り替えることができる。したがって、自動的に人気番組に表示を切り替えることができ、多くの視聴者にとって魅力的ではない番組が表示されることを抑制することができる。つまり、複数のチャンネルの中から適切なチャンネルを自動的に選択することができる。
【0056】
さらに、本実施の形態に係る番組受信装置によれば、第2チャンネルの番組が人気番組の開始時刻に終了しない場合、録画部は、人気番組の開始時刻に人気番組のメモリへの記録を開始し、再生部は、第2チャンネルの番組の終了時刻に人気番組のタイムシフト再生を開始することができる。したがって、視聴中の第2チャンネルの番組の終了前に当該番組から人気番組に突然切り替わることを防ぐことができ、視聴者に不快感を与えることを防ぐことができる。また、第2チャンネルの番組が終了したときに、人気番組のタイムシフト再生が開始されるので、視聴者が人気番組の一部を見逃すことを防ぐこともできる。
【0057】
(変形例1)
次に、実施の形態の変形例1について説明する。本変形例では、録画された人気番組のタイムシフト再生中にユーザからチャンネルの選択操作を受け付けた場合に、タイムシフト再生を中止する点が上記実施の形態と異なる。
【0058】
以下に、本変形例に係る番組受信装置について、上記実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0059】
図6は、実施の形態の変形例1に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。なお、図6において、図3と同じ処理を行うステップには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0060】
人気番組のタイムシフト再生が行われている時に、ユーザからチャンネルの選択操作(変更操作)が受け付けられた場合(S200のYes)、再生部118は、人気番組のタイムシフト再生を終了(中止)する(S114)。つまり、タイムシフト再生中にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合は、人気番組が最後まで再生されていなくても、人気番組のタイムシフト再生を終了する。さらに、選択部112は、受け付けられた選択操作に基づいてチャンネルを選択する。
【0061】
一方、チャンネルの選択操作が受け付けられていない場合(S200のNo)、図3と同様に、ステップS112以降の処理が実行される。
【0062】
以上のように、本変形例に係る番組受信装置によれば、人気番組のタイムシフト再生が行われている時にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、再生部は、人気番組のタイムシフト再生を中止することができる。したがって、ユーザが積極的に視聴したい番組を選択する場合には、人気番組のタイムシフト再生を中止することができる。つまり、ユーザの意図的なチャンネル選択を妨げることがないように、人気番組の表示を制御することができる。
【0063】
(変形例2)
次に、実施の形態の変形例2について説明する。本変形例では、人気番組の開始時刻前にザッピングが行われている場合に、人気番組に関する処理が行われない点が上記実施の形態と異なる。
【0064】
以下に、本変形例に係る番組受信装置について、上記実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
図7は、実施の形態の変形例2に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。なお、図7において、図3と同じ処理を行うステップには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0066】
選択部112は、人気番組の開始時刻前にザッピングが行われているか否かを判定する(S300)。具体的には、選択部112は、人気番組の開始時刻前の予め定められた時間内に予め定められた回数以上、ユーザからチャンネルの選択操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、選択部112は、人気番組の開始時刻前の5分間に、リモコンのチャンネルボタンが押下された回数が5回以上であるか否かを判定する。
【0067】
ここで、ザッピングが行われていると判定された場合(S300のYes)、そのまま処理を終了する。具体的には、選択部112は、例えば、人気番組の開始時刻前の予め定められた時間内に予め定められた回数以上、ユーザからチャンネルの選択操作を受け付けた場合、人気番組の視聴のために第1チャンネルを選択しない。また、録画部114は、人気番組を録画しない。
【0068】
一方、ザッピングが行われていないと判定された場合(S300のNo)、図3と同様に、ステップS102以降の処理が行われる。
【0069】
以上のように、本変形例に係る番組受信装置によれば、人気番組の開始時刻前にザッピングが行われていない場合に、人気番組に関する処理が行われる。つまり、ユーザが積極的にチャンネルの選択を行っている場合に、人気番組が強制的に表示されることを防ぐことができ、ユーザに不快感を与えることを抑制することができる。
【0070】
(変形例3)
次に、実施の形態の変形例3について説明する。本変形例では、人気番組の録画中にチャンネルの選択操作が受け付けられた場合に人気番組の録画を終了する点が上記実施の形態と異なる。
【0071】
以下に、本変形例に係る番組受信装置について、上記実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0072】
図8は、実施の形態の変形例3に係る番組受信装置の処理動作を示すフローチャートである。なお、図8において、図3と同じ処理を行うステップには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0073】
選択部112は、録画部114が人気番組のメモリ116へ記録している時にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられたか否かを判定する(S400)。例えば、選択部112は、人気番組の録画が開始された後に、所定回数以上のチャンネルの選択操作を受け付けたか否かを判定する。ここで、チャンネルの選択操作が受け付けられた場合(S400のYes)、録画部114は、人気番組の録画を終了し(S402)、処理を終了する。つまり、この場合、タイムシフト再生は行われない。
【0074】
一方、チャンネルの選択操作が受け付けられていない場合(S400のNo)、図3と同様に、ステップS108以降の処理が実行される。
【0075】
以上のように、本変形例に係る番組受信装置によれば、人気番組の録画中にユーザからチャンネルの選択操作が受け付けられた場合、録画部は、人気番組のメモリへの記録を中止する。つまり、ユーザが積極的にチャンネルの選択を行っている場合には、人気番組を自動的に表示する必要がないので、人気番組の録画を中止することができる。つまり、無駄に人気番組が記録されることを防ぐことができる。
【0076】
(他の変形例)
以上、本発明の実施の形態およびその変形例に係る番組受信装置について説明したが、本発明は、この実施の形態および変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態および変形例に施したものや、異なる実施の形態および変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も本発明の範囲内に含まれる。
【0077】
例えば、上記実施の形態および各変形例において、番組受信装置100は、表示部120を備えていたが、必ずしも表示部120を備えなくてもよい。例えば、番組受信装置100は、表示装置に接続されたセットトップボックスであってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態および各変形例において、番組受信装置100は、チューナ等(第1チューナ102、第1信号処理部104、第2チューナ106および第2信号処理部108)を備えていたが、必ずしもチューナ等を備える必要はない。例えば、番組受信装置100は、第1チューナ102、第1信号処理部104、第2チューナ106および第2信号処理部108を備えるチューナ装置とケーブル等を介して接続されてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態および各変形例において、番組受信装置100は、メモリ116を備えていたが、必ずしもメモリ116を備えなくてもよい。例えば、番組受信装置100は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)を介して着脱可能なメモリに人気番組を記録してもよい。また例えば、番組受信装置100は、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)に人気番組を記録してもよい。
【0080】
なお、上記実施の形態および各変形例において、人気番組が表示されている時に、人気番組に関する情報が表示部120に表示されてもよい。例えば、図9に示すように、人気番組のジャンルおよび順位を示す情報が表示部120にオンスクリーンディスプレイ(OSD)で表示されてよい。具体的には、例えば、図3のステップS104またはステップS108において、図9に示す情報が表示されてもよい。これにより、視聴者は、人気番組が表示されていることを視認することができ、視聴者が人気番組を見逃すことを抑制することができる。
【0081】
なお、上記実施の形態の変形例1において、再生部118は、人気番組のタイムシフト再生を途中で終了する前に(図6のS200のYes)、図10に示すように、視聴者にタイムシフト再生の中止を確認するためのメッセージを表示してもよい。これにより、人気番組のタイムシフト再生が誤って中止されることを防ぐことができ、視聴者の利便性を向上させることができる。
【0082】
また、上記実施の形態および各変形例において、第2チューナ106および第2信号処理部108は、録画専用であったが、これに限定されない。例えば、表示部120に2つの番組が同時に表示される場合には、第2チューナ106および第2信号処理部108から出力される映像信号は表示部120に表示されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の一態様に係る番組受信装置は、例えば、テレビジョン受像機、セットトップボックス等として利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 番組受信装置
102 第1チューナ
104 第1信号処理部
106 第2チューナ
108 第2信号処理部
110 通信部
112 選択部
114 録画部
116 メモリ
118 再生部
120 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10