【解決手段】前記交流電源の電源電圧と、電力変換回路を流れる回路電流と、前記直流電源の直流電流とに基づいて、交流電源の低周波成分に高周波成分が混在した電流が電力変換回路を流れるように第1のスイッチと第4のスイッチとの組と、第2のスイッチと第3のスイッチとの組を交互に開閉させるためのパルス信号を第1のスイッチと第4のスイッチとの組と、第2のスイッチと第3のスイッチの組とに供給する。
第1のスイッチと第2のスイッチとを直列に接続するとともに、第3のスイッチと第4のスイッチとを直列に接続し、前記第1のスイッチと前記第3のスイッチ及び第2のスイッチと第4のスイッチとをそれぞれ接続して閉ループを形成し、さらに、交流電源と第1のインダクタと第1のキャパシタとを直列接続してなる閉ループを形成し、前記第1のスイッチと第2のスイッチとの接続点と、前記第3のスイッチと第4のスイッチとの接続点との間に、前記第1のキャパシタ、第2のインダクタ、トランスの1次巻線からなる直列回路を接続し、前記第3のスイッチと第4のスイッチとの両端に直流電源を接続し、前記トランスの2次巻線に負荷または負荷回路を接続する電力変換回路と、
前記交流電源の電圧を検出する手段から得られる電源電圧と、前記電力変換回路を流れる電流を検出する手段から得られる回路電流と、前記直流電源を流れる電流を検出する手段から得られる直流電流とに基づいて、前記交流電源の低周波成分に高周波成分が混在した電流が前記電力変換回路を流れるように前記第1のスイッチと前記第4のスイッチとの組と、前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとの組を交互に開閉させるためのパルス信号を前記第1のスイッチと前記第4のスイッチとの組と前記第2のスイッチと前記第3のスイッチの組とに供給する制御手段と、
を具備したことを特徴とする電力変換装置。
前記直流電源を流れる電流を検出する手段から得られる電流信号と前記直流電源を流れる電流を設定するコントロール信号とにより、前記正側のエンベロープと前記負側のエンベロープとの振幅を調整するための第2の係数を出力する直流電流調整手段、
をさらに備え、
前記エンベロープ生成手段は、前記第2の係数が前記振幅を大きくする方向に調整する値である場合には、前記正側のエンベロープと前記負側のエンベロープとの振幅を大きくし、前記第2の係数が前記振幅を小さくする方向に調整する値である場合には、前記正側のエンベロープと前記負側のエンベロープとの振幅を小さくすることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1に記載の双方向電力変換装置。
【背景技術】
【0002】
交流電圧を直流電圧に変換する方法として、次の2つの方法が一般的に知られている。第一の方法は、ダイオードブリッジ回路と平滑コンデンサとを用いる。ダイオードブリッジ回路は、交流電源からの交流を全波整流する。平滑コンデンサは、全波整流後の直流を平滑する。
【0003】
この第一の方法は、交流電圧が正または負のいずれの場合においても、常に2つのダイオードの直列回路を電流が流れる。このとき、2つのダイオードでは、それぞれダイオードを流れる電流とダイオードの順方向電圧との積に相当する電力損失が発生する。
【0004】
第二の方法は、第一の方法のダイオードブリッジ回路と平滑コンデンサの間に力率改善コンバータ(PFC)を介在させる。力率改善コンバータは、交流電源に流れる電流が正弦波状になるように制御し、なおかつ、交流電源の電圧位相と等しくなるように制御する。
【0005】
この第二の方法も、全波整流の際に2つのダイオードの直列回路を電流が流れるため、電力損失が発生する。それに加えて、力率改善コンバータを構成する電界効果トランジスタ(FET)とダイオードを交互に電流が流れるため、さらなる損失が発生する。
【0006】
また、力率改善コンバータは、入力電流の波形を正弦波にする必要上、出力電圧を入力電圧より高く設定しなければならない。ところが、負荷で必要な電圧は、必ずしも入力電圧より高い電圧であるとは限らない。その場合は、力率改善コンバータの後段に降圧コンバータを接続する。そして、力率改善コンバータで昇圧された電圧を所望の電圧まで降圧する。この降圧の際にも損失が発生する。電力変換装置全体としては、AC−DC変換、DC−DC(昇圧)変換、DC−DC(降圧)変換の3段の構成となり、電力変換効率はこれらの変換効率の積となって現れる。例えば1段あたりの効率を0.95とした場合、3段では0.95×0.95×0.95=0.86となる。つまり効率95%の優れた変換であっても3段接続では86%まで落ちてしまう。このように、個々の変換効率は良くても、多段にすることで変換効率は著しく低下する。
【0007】
昨今、電子機器の省電力化要求が高まっており、同時に、外部環境に悪影響を及ぼさないように電流高調波ノイズを出さないことも必須の条件である。このため、負荷へ電力を供給する電力変換装置の変換効率向上と電流高調波抑制機能の両立とが求められている。
【0008】
一方、直流電圧を交流電圧に変換する方法として、パルス幅変調(PWM)インバータ回路を用いた方法がある。この方法は、パルス幅に応じた電流を交流電源側に流すことができる。このため、交流電源側の交流電圧に同期させてパルス幅を制御することで、交流電源側の電圧波形と同じ交流電流波形を生成することができる。しかしながらこの方法は、パルス幅を生成する過程でインバータを構成するスイッチ素子において損失が発生し、電力変換効率が低下する。また、この方法は、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ機能しか持ち合わせていない。このため、逆方向の交流電圧から直流電圧への変換機能を兼ね備えるためには、交流電圧を直流電圧に変換するための別回路を用意しなければならない。
【0009】
このように、交流電源と直流電源との間で双方向の電力変換を実現するには、交流電圧から直流電圧へ変換する回路と直流電圧から交流電圧へ変換する回路とを別々に設ける必要がある。しかも、2つの回路のうちいずれか一方を動かし、他方を停止させるという制御が必要である。このため、回路が冗長となり、電力変換装置のコストが高くなる。また、電力変換装置の電力変換効率が悪い上、装置が大型化、重量化する傾向にある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電力変換装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、電力変換装置100の回路構成図である。電力変換装置100は、交流電源Vacと直流電源Vdcとを、双方向電力変換の入力または出力として接続する。また電力変換装置100は、交流電源Vacまたは直流電源Vdcの電力の一部を、絶縁された直流電圧に変換し、負荷5へ出力する。
【0015】
電力変換装置100は、第1〜第4の半導体スイッチ(以下、単にスイッチと称する)S1,S2,S3,S4と、第1,第2のインダクタL1,L2と、第1,第2のキャパシタC1,C2と、トランスT1と、第1,第2のダイオードD1,D2とを含む。スイッチS1〜S4は、いずれもN型電界効果型FET、あるいは同等の特性を持つGaN、SiC素子等を用いる。
【0016】
電力変換装置100は、第1〜第4の4つのスイッチS1,S2,S3,S4を、ブリッジと称される方式で接続する。すなわち、第1のスイッチS1のドレイン端子は、第3のスイッチS3のドレイン端子と接続する。第1のスイッチS1のソース端子は、第2のスイッチS2のドレイン端子と接続する。第3のスイッチS3のソース端子は、第4のスイッチS4のドレイン端子と接続する。第2のスイッチS2のソース端子は、第4のスイッチS4のソース端子と接続する。ここで、説明の便宜上、第1のスイッチS1のソース端子と第2のスイッチS2のドレイン端子との接続点のノード名称をM1端子と称する。第3のスイッチS3のソース端子と第4のスイッチS4のドレイン端子との接続点のノード名称をM2端子と称する。
【0017】
電力変換装置100は、MI端子とM2端子との間に、第1のキャパシタC1と、第2のインダクタL2と、トランスT1の1次巻線Lpとを直列に接続する。電力変換装置100は、第1のキャパシタC1の両端に、第1のインダクタL1を介して交流電源Vacを接続する。電力変換装置100は、第3のスイッチS3のソース端子と、第4のスイッチS4のドレイン端子との間に、直流電源Vdcを接続する。
【0018】
電力変換装置100は、トランスT1の2つの2次巻線Ls1、Ls2を直列に接続する。電力変換装置100は、直列に接続された2次巻線Ls1、Ls2の一端(2次巻線Ls1側)に第1のダイオードD1のアノード端子を接続し、他端(2次巻線Ls2側)に第2のダイオードD2のアノード端子を接続する。電力変換装置100は、第1のダイオードD1のカソード端子を第2のダイオードD2のカソード端子と接続する。電力変換装置100は、2次巻線Ls1と2次巻線Ls2とが直列に接続された中点と、第1及び第2のダイオードD1,D2のカソード端子同士の接続点との間に、第2のキャパシタC3と負荷5とを並列に接続する。
【0019】
第1及び第2のダイオードD1,D2と第2のキャパシタC3とは、整流平滑回路を構成する。例えば第2のインダクタL2に、第1のインダクタL1と第1のキャパシタC1との接続点の側からトランスT1の一次巻線Lpの側へ電流が流れているときに、第1のダイオードD1に電流が流れるようにトランスT1の巻線を設定したとする。そうすると、第2のインダクタL2に流れる電流が逆向きになった場合、第2のダイオードD2側に電流が流れる。その結果として、回路電流Is1の向きに係らず、第2のキャパシタC2には第1のダイオードD1側または第2のダイオードD2側から電流が供給される。すなわち、回路電流Is1が正負いずれの場合であっても、回路電流Is1の一部がトランスT1を介して第2のキャパシタC2に流れ込み、第2のキャパシタC2に電荷として蓄積される。
【0020】
本実施形態では、これら第1,第2のダイオードD1,D2と第2のキャパシタC2とからなる整流平滑回路とその平滑電圧出力に接続する負荷5に至るまでの構成を、負荷回路10と称する。なお、ここで定義する負荷回路10とは、上記実施態様に限定されるものではない。負荷回路10は、上述の2次巻線Ls1,Ls2から負荷5までの間に配置され、両者を電気的に接続する回路構成を総称するものである。
【0021】
電力変換装置100は、電圧検出部1、4と、電流検出部2、3とを備える。詳しくは、電力変換装置100は、交流電源Vacの両端子間に電圧検出部1を接続する。電圧検出部1は、交流電源Vacから電力変換装置100に印加される電圧、いわゆる交流電源電圧を検出し、その検出信号(電圧信号)Vs1を出力する。
【0022】
電力変換装置100は、直流電源Vdcの負端子と第2のスイッチS2のソース端子との間に電流検出部2を接続する。電流検出部2は、直流電源Vdcを流れる電流、いわゆる直流電源電流を検出し、その検出信号(電流信号)Is2を出力する。なお、電流検出部2の位置は、上記実施態様に限定されるものではない。例えば、直流電源Vdcの正端子と第1のスイッチS2のドレイン端子との間に電流検出部2を接続しても、直流電源Vdcを流れる電流を検出できる。
【0023】
電力変換装置100は、第2のインダクタL2とトランスT1の1次巻線Lpとの間に電流検出部3を接続する。電流検出部3は、第2のインダクタL2を流れる電流、いわゆる回路電流を検出し、その検出信号(電流信号)Is1を出力する。
【0024】
電力変換装置100は、第2のキャパシタC2の両端子間に電圧検出部4を接続する。電圧検出部4は、第2のキャパシタC2から負荷5に印加される電圧、いわゆる出力電圧を検出し、その検出信号(電圧信号)Vs2を出力する。
【0025】
電力変換装置100は、制御部6を備える。制御部6は、電圧検出部1、4及び電流検出部2、3からそれぞれ出力される検出信号Vs1,Vs2,Is1,Is2とコントロール信号CTLとを入力とする。コントロール信号CTLは、図示しないコントロールスイッチの切り替えによって動的にレベルが調整される信号である。
【0026】
制御部6は、これらの入力信号Vs1,Vs2,Is1,Is2及びCTLに基づいて、ブリッジを構成する第1乃至第4のスイッチS1〜S4のゲート駆動信号P1,P2,P3,P4を生成し、そのゲート駆動信号P1,P2,P3,P4を各スイッチS1〜S4のゲート端子にそれぞれ出力する。各スイッチS1,S2,S3,S4は、それぞれゲート端子にゲート駆動信号P1,P2,P3,P4が供給されている間、導通する。
【0027】
電力変換装置100は、第1のインダクタL1と第1のキャパシタC1とにより、ローパスフィルタを形成する。このため、第1のインダクタL1を経由して交流電源Vac側に流れる電流、いわゆる交流電源電流は、例えば50Hzの低周波成分のみとなる。一方、電力変換装置100は、第1〜第4の4つのスイッチS1,S2,S3,S4のスイッチングにより、例えば100[kHz:キロヘルツ]の高周波電流を得ることができる。
【0028】
この高周波電流を得るために、電力変換装置100は、回路電流Is1のピークを規定する正負一対のエンベロープを使用する。エンベロープは、正弦波状である。電力変換装置100は、一対のエンベロープの間で電流の向きが切り替わるように、第1のスイッチS1と第4のスイッチS4との対と、第2のスイッチS2と第3のスイッチS3との対とを、適当なタイミングで交互にスイッチングさせる。このスイッチングにより、例えば100[kHz]の高周波電流が発生する。
【0029】
100[kHz]の高周波電流が生成されると、第1のキャパシタC1を経由して第1のスイッチS1または第2のスイッチS2に流れる電流は、50[Hz:ヘルツ]の低周波成分の電流と100[kHz]の高周波成分の電流となる。したがって、電流検出部3で検出される回路電流(検出信号Is1)は、50[Hz]の低周波成分と100[kHz]の高周波成分とが混在した電流となる。その結果、電力変換装置100全体では、これら2種類の周波数が異なる交流が混在して動作する。
【0030】
次に、電力変換装置100の動作モードについて説明する。なお、ここでは、交流電源Vacとして100[V:ボルト]で50[Hz]の商用電源を使用し、直流電源Vdcとして400[V]の直流電源を使用して、負荷5に200[W:ワット]の電力を供給する場合を想定する。
【0031】
はじめに、交流電源Vacの電力を全て負荷5へ伝える動作モード(以下、交流入力モードと称する)について説明する。因みに、交流電圧は100[V]であるから、200[W]の電力を得るためには2[A:アンペア]の電流が必要になる。つまり、最終的に第1のインダクタL1を経由して交流電源Vacに流れ込む電流が2[A]であれば、200[W]の電力を負荷5に供給できる。
【0032】
交流入力モードの場合、直流電源Vdcにはどちら向きにも電流が流れない。すなわち、直流電源Vdcからの電力供給はなく、直流電源Vdcからの電力出力もない。交流入力モードにおける各信号Vs1,Is1,Iac,env1,env2及びIs2の波形を
図2に示す。信号Iacは、交流電源電流の検出信号である。信号env1,env2は、回路電流を規定する正負一対のエンベロープ信号である。
【0033】
図2に示すように交流入力モードでは、電力変換装置100は、交流電源電圧の検出信号Vs1と振幅,位相とも相似形をなすように、正負一対のエンベロープ信号env1,env2を生成する。そして、これらエンベロープ信号env1,env2の間で折り返すように回路電流(検出信号Is1)を流す。そうすると、回路電流の平均値は、検出信号Iacで表される交流電源電流と等しくなる。
【0034】
このように、交流電源Vacと位相及び振幅が同じとなるようにエンベロープ信号env1,env2を設定すると、交流電源電流は交流電源Vacと同相になる。この事象は、交流電源Vacから負荷回路10に電力が供給されていることを意味する。すなわち交流電源Vacは、負荷5への電力供給元として作用する。
【0035】
その一方で、直流電源Vdcに流れる電流は、検出信号Is2で示されるように、交流電源Vacの1周期内で増減はあるものの、平均すると電流ゼロの状態である。この電流ゼロの状態は、直流電源Vdcから電流が発生していないことを意味する。すなわち直流電源Vdcは、負荷5への電力供給元として作用しない。また直流電源Vdcは、双方向電力変換の電力供給先としても作用しない。
【0036】
次に、交流電源Vacの電力と直流電源Vdcの電力とを負荷5へ伝える動作モード(以下、交流入力・直流入力モードと称する)について説明する。
【0037】
交流入力・直流入力モードにおける各信号Vs1,Is1,Iac,env1,env2及びIs2の波形を
図3に示す。
図3に示すように交流入力・直流入力モードでは、電力変換装置100は、交流入力モードのときよりもエンベロープ信号env1、env2の振幅を小さくする。エンベロープ信号env1、env2の位相は、交流電源Vacと同じとする。例えばエンベロープ信号env1、env2の振幅を交流入力モードのときの半分とした場合、検出信号Iacで表される交流電源電流も交流入力モードのときの半分となる。この事象は、交流電源Vacから負荷回路10へ供給される電力が半分になったことを意味する。
【0038】
その一方で、正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅は交流入力モードのときと変わらない。このため、負荷5に供給される電力は、交流入力モードのときと同じである。したがって、交流電源Vacからの電力供給が不足する。電力変換装置100は、この不足分を直流電源Vdcからの電力供給によって補完する。
【0039】
交流入力・直流入力モードのとき、検出信号Is2で表される直流電源電流の波形は、全体的にマイナス側(
図3においてゼロレベルよりも下側)へシフトする。その結果、直流電源電流が正(+:プラス)の値をとる区間の面積よりも負の値をとる区間の面積の方が大きくなる。この事象は、平均化すると直流電源電流は負の値となるため、負荷回路10が直流電源Vdcから電力の供給を受けていることを意味する。すなわち交流電源Vacと直流電源Vdcとは、いずれも負荷5への電力供給元として作用する。
【0040】
次に、直流電源Vdcの電力を全て負荷5へ伝える動作モード(以下、直流入力モードと称する)について説明する。
【0041】
直流入力モードにおける各信号Vs1,Is1,Iac,env1,env2及びIs2の波形を
図4に示す。
図4に示すように直流入力モードでは、電力変換装置100は、エンベロープ信号env1、env2の振幅をゼロとする。振幅がゼロになると、エンベロープ信号env1、env2は直線状になる。したがって、これらエンベロープ信号env1,env2の間で折り返すように回路電流(検出信号Is1)を流しても、検出信号Iacで表される交流電源電流はゼロとなる。この電流ゼロの状態は、交流電源Vacから電流が発生していないことを意味する。すなわち交流電源Vacは、負荷5への電力供給元として作用しない。また交流電源Vacは、双方向電力変換の電力供給先としても作用しない。
【0042】
その一方で、正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅は交流入力モードのときと変わらない。このため、負荷5に供給される電力は、交流入力モードのときと同じである。したがって、電力変換装置100は、交流電源Vacからの電力供給がない分を直流電源Vdcからの電力供給によって補完する。
【0043】
直流入力モードのとき、検出信号Is2で表される直流電源電流の波形は、全てマイナス側(
図4においてゼロレベルよりも下側)へシフトする。この事象は、負荷回路10が直流電源Vdcから電力の供給を受けていることを意味する。すなわち直流電源Vdcは、負荷5への電力供給元として作用する。
【0044】
次に、交流電源Vacの電力を負荷5へ伝えるとともに直流電源Vscにも伝える動作モード(以下、交流入力・直流出力モード)について説明する。
【0045】
交流入力・直流出力モードにおける各信号Vs1,Is1,Iac,env1,env2及びIs2の波形を
図5に示す。
図5に示すように交流入力・直流出力モードでは、電力変換装置100は、正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅を小さくする。エンベロープ信号env1、env2の位相と振幅は、交流入力モードのときと変わらない。この場合、検出信号Iacで表される交流電源電流は、交流電源Vacと同相になる。この事象は、交流電源Vacから負荷回路10に電力が供給されていることを意味する。すなわち交流電源Vacは、負荷5への電力供給元として作用する。
【0046】
その一方で、検出信号Is2で表される直流電源電流の波形は、全体的に正の側(
図5においてゼロレベルよりも上側)へシフトする。その結果、直流電源電流が負の値をとる区間の面積よりも正の値をとる区間の面積の方が小さくなる。この事象は、平均化すると直流電源電流は正の値となるため、直流電源Vdcが交流電源Vacから電力の供給を受けていることを意味する。すなわち交流電源Vacは、負荷5への電力供給元として作用するだけでなく、直流電源Vdcへの電力供給元としても作用する。
【0047】
次に、直流電源Vdcの電力を負荷5へ伝えるとともに交流電源Vacにも伝える動作モード(以下、直流入力・交流出力モード)について説明する。
【0048】
直流入力・交流出力モードにおける各信号Vs1,Is1,Iac,env1,env2及びIs2の波形を
図6に示す。
図6に示すように直流入力・交流出力モードでは、電力変換装置100は、エンベロープ信号env1、env2の位相を交流入力モードのときと逆にするともに、正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅を小さくする。エンベロープ信号env1、env2の振幅は、交流入力モードのときと変わらない。この場合、検出信号Iacで表される交流電源電流は、交流電源Vacと逆相になる。この事象は、交流電源Vacに対して電力が供給されていることを意味する。
【0049】
直流入力・交流出力モードのとき、検出信号Is2で表される直流電源電流の波形は、全てマイナス側(
図6においてゼロレベルよりも下側)へシフトする。この事象は、負荷回路10が直流電源Vdcから電力の供給を受けていることを意味する。すなわち直流電源Vdcは、負荷5への電力供給元として作用するだけでなく、交流電源Vacへの電力供給元としても作用する。
【0050】
上述した各動作モードは、制御部6によって制御される。そこで次に、制御部6について、
図7〜
図9を用いて説明する。
【0051】
図7は、制御部6の構成を示すブロック図である。
図7に示すように制御部6は、ゼロクロス検出部601、正弦波生成部602、エンベロープ生成部603、出力電流調整部604、直流電流調整部605、正側の回路電流判定部606、負側の回路電流判定部607、ラッチ回路608、第1の遅延生成部609及び第2の遅延生成部610を含む。
【0052】
ゼロクロス検出部601は、検出信号Vs1を入力とする。検出信号Vs1は、電圧検出部1で検出される交流電源電圧である。ゼロクロス検出部601は、検出信号Vs1から交流電源電圧の位相の周期を検出する。
【0053】
正弦波生成部602は、ゼロクロス検出部601で検出された位相と周期とを示す信号を入力とする。正弦波生成部602は、ゼロクロス検出部601の信号から、交流電源電圧の位相と周期に同期した正弦波を生成する。
【0054】
エンベロープ生成部603は、正弦波生成部602で生成された正弦波を示す信号を入力とする。またエンベロープ生成部603は、出力電流調整部604から与えられる係数k1と、直流電流調整部605から与えられる係数k2とを入力とする。そしてエンベロープ生成部603は、正弦波生成部602で生成された正弦波の波形をエンベロープの基本波形とし、この基本波形を係数k1,k2で調整して、正負一対のエンベロープ信号env1,env2を生成する。
【0055】
出力電流調整部604は、検出信号Vs2を入力とする。検出信号Vs2は、電圧検出部4で検出される出力電圧である。出力電流調整部604は、出力電圧の変化に応じて係数k1を出力する。係数k1は、正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅の調整に係る。例えば出力電圧が高い場合、出力電流調整部604は、エンベロープ信号env1,env2の幅を狭くする係数k1を出力する。逆に、出力電圧が低い場合には、出力電流調整部604は、エンベロープ信号env1,env2の幅を広くする係数k1を出力する。本実施形態では、係数k1を大きくすればエンベロープ信号env1,env2の幅が広がり、小さくすればエンベロープ信号env1,env2の幅が狭まるものとする。
【0056】
直流電流調整部605は、検出信号Is2とコントロール信号CTLとを入力とする。検出信号Is2は、電流検出部2で検出される直流電源電流である。直流電流調整部605は、直流電源電流Is2とコントロール信号CTLのレベルとに応じて係数のk2を出力する。係数k2は、エンベロープ信号env1、env2における振幅の調整に係る。例えば、コントロール信号CTLに対して直流電源電流が大きい場合、直流電流調整部605は、エンベロープ信号env1、env2の振幅を大きくする係数k2を出力する。エンベロープ信号env1、env2の振幅が大きくなると、直流電源電流が減少する。逆に、コントロール信号CTLに対して直流電源電流が小さい場合には、直流電流調整部605は、エンベロープ信号env1、env2の振幅を小さくする係数k2を出力する。エンベロープ信号env1、env2の振幅が小さくなると、直流電源電流が増加する。本実施形態では、係数k2を小さくすればエンベロープ信号env1、env2の振幅が大きくなり、係数k2を大きくすればエンベロープ信号env1、env2の振幅が小さくなるものとする。このような振幅の大小は、正弦波信号に対する増幅率を増減することで実現できる。
【0057】
回路電流判定部606は、正側のエンベロープ信号env1と検出信号Is1とを入力とする。検出信号Is1は、電流検出部3で検出される回路電流である。回路電流判定部606は、回路電流がエンベロープ信号env1よりも小さい状態では、何も出力しない。回路電流がエンベロープ信号env1に達するか超えると、回路電流判定部606は、パルス信号SETを出力する。
【0058】
回路電流判定部607は、負側のエンベロープ信号env1と検出信号Is1とを入力とする。検出信号Is1は、電流検出部3で検出される回路電流である。回路電流判定部607は、回路電流がエンベロープ信号env2よりも大きい状態では、何も出力しない。回路電流がエンベロープ信号env2に達するか下回ると、回路電流判定部607は、パルス信号RESETを出力する。
【0059】
ラッチ回路608は、回路電流判定部606からのパルス信号SETをセット端子に入力し、回路電流判定部607からのパルス信号RESETをリセット端子に入力する。ラッチ回路608は、セット端子にパルス信号SETが入力されると、正転出力Qを“H”状態とし、同時に反転出力Qberを“L”状態として、これらの状態を維持する。ラッチ回路608は、リセット端子にパルス信号RESETが入力されると、正転出力Qを“L”状態とし、同時に反転出力Qberを“H”状態として、これらの状態を維持する。
【0060】
第1の遅延生成部609は、ラッチ回路608の正転出力Qを入力とする。第1の遅延生成部609は、正転出力Qの状態が“L”状態から“H”状態に切り替わる際に所定の遅延時間d1を生成し、この遅延時間d1だけ遅延させた正転出力Qの信号Qdを出力する。この信号Qdは、第1のスイッチS1と第4のスイッチS4とのゲート駆動信号P1,P4として、制御部6から出力される。
【0061】
第2の遅延生成部610は、ラッチ回路608の反転出力Qberを入力とする。第2の遅延生成部610は、反転出力Qberの状態が“L”状態から“H”状態に切り替わる際に所定の遅延時間d2を生成し、この遅延時間d2だけ遅延させた反転出力Qbarの信号Qbardを出力する。この信号Qbardは、第2のスイッチS2と第3のスイッチS3とのゲート駆動信号P2,P3として、制御部6から出力される。
【0062】
図8は、制御部6に入力される検出信号Is1,Iacの波形と、制御部6で生成される各種信号env1,env2,SET,RESET,P1〜P4の波形と、M1端子及びM2端子に印加される電圧信号の波形とを示す波形図である。
【0063】
図8において、時点t0,t2,t4は、検出信号Is1で表される回路電流が負側のエンベロープ信号env2に達した時点(負側到達点q2)である。一方、時点t1,t3,t5は、検出信号Is1で表される回路電流が正側のエンベロープ信号env1に達した時点(正側到達点q1)である。
【0064】
回路電流が正のエンベロープ信号env1に達すると、回路電流判定部606の作用により、パルス信号SETが出力される。そうすると、ラッチ回路608及び第1,第2の遅延生成部609,610の作用により、パルス信号SETに同期してゲート駆動信号P1,P4が“L”となる。また、遅延時間d2が経過した後にゲート駆動信号P2,P3が“H”となる。
【0065】
ゲート駆動信号P1,P4が“L”となると、第1のスイッチS1と第4のスイッチS4とが開放する。ゲート駆動信号P2,P3が“H”となると、第2のスイッチS2と第3のスイッチS3とが通電する。第1のスイッチS1と第4のスイッチS4とが開放すると、M1端子の電圧がゼロレベルとなり、M2端子の電圧が直流電源Vdcの電圧となる。
【0066】
回路電流が負のエンベロープ信号env2に達すると、回路電流判定部607の作用により、パルス信号RESETが出力される。そうすると、ラッチ回路608及び第1,第2の遅延生成部609,610の作用により、パルス信号RESETに同期してゲート駆動信号P2,P3が“L”となる。また、遅延時間d1が経過した後にゲート駆動信号P1,P4が“H”となる。
【0067】
ゲート駆動信号P2,P3が“L”となると、第2のスイッチS2と第3のスイッチS3とが開放する。ゲート駆動信号P1,P4が“H”となると、第1のスイッチS1と第4のスイッチS4とが通電する。第2のスイッチS2と第3のスイッチS3とが開放すると、M2端子の電圧がゼロレベルとなり、M1端子の電圧が直流電源Vdcの電圧となる。
【0068】
このように、M1端子とM2端子とには、電圧がゼロレベルの状態と直流電源Vdcの電圧が印加される状態とが交互に繰り返される。ここで、M1端子とM2端子との間には、第1のキャパシタC1と第2のインダクタL2とトランスT1との直列回路が接続されている。したがって、この直列回路に、各スイッチS1〜S4のオン,オフ切替タイミングに同期した高周波の交流電流が流れることになる。
【0069】
図9は、コントロール信号CTLと各検出信号Vs1,Iac,Is2,Is1との関係を示す波形図である。
図9において、横軸は時間を示す。そして、時点aのときのコントロール信号CTLのレベルをn(n>0)と仮定する。また、時点bのときのコントロール信号CTLのレベルをn/2と仮定し、時点cのときのコントロール信号CTLのレベルを0と仮定し、時点xcのときのコントロール信号CTLのレベルを−(n/2)と仮定し、時点xaのときのコントロール信号CTLのレベルを3n/2と仮定する。
【0070】
はじめに、時点aにおける動作を説明する。時点aにおいては、検出信号Vs1と検出信号Iacとから明らかなように、交流電源Vacの電圧位相と同相の交流電源電流が流れる。このとき、検出信号Is2で示される直流電源電流は交流電源Vacの位相に応じて正負の値をとるが、平均化すると電流はゼロである。すなわち、直流電源Vdc側から負荷回路10側への電力供給を行っておらず、また直流電源Vdcへの電力供給もない。したがって、負荷5に供給される電力は交流電源Vacからの電力のみとなる。
【0071】
このような時点aの動作は、交流入力モードの動作と一致する。すなわち、コントロール端子CTLのレベルをnとすることで、制御部6は、電力変換装置の動作モードを交流入力モードに設定できる。因みに、交流入力モードの際には、交流電源Vacから負荷回路10側へ電力を供給しているため、交流電源Vacから供給される電流は最大となる。
【0072】
次に、時点bの動作を説明する。時点bにおいては、時点aよりもエンベロープ信号env1、env2の振幅が小さくなる。それに伴って、交流電源電流が減少する。その一方で、直流電源電流は、全体的に負の方向にシフトして負の値となる。
【0073】
正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅は、時点aと変わらない。したがって、負荷5に供給される電力に変化はない。すなわち時点bにおいては、交流電源Vacから負荷回路10へ供給される電力が減少し、その減少分を直流電源Vdcからの電力供給によって補完している。
【0074】
このような時点bの動作は、交流入力・直流入力モードと一致する。すなわちコントロール端子CTLのレベルをnより小さい正の値とすることで、制御部6は、電力変換装置の動作モードを交流入力・直流入力モードに設定できる。
【0075】
次に、時点cの動作を説明する。時点cにおいては、時点bよりもエンベロープ信号env1、env2の振幅がさらに小さくなり、交流電源電流がゼロとなる。その一方で、直流電源電流は、負の値が時点bよりもさらに大きくなる。
【0076】
正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅は、時点a及び時点bと変わらない。したがって、負荷5に供給される電力に変化はない。すなわち時点cにおいては、交流電源Vacからは負荷回路10へ電力が供給されず、直流電源Vdcからの電力供給によって全て賄っている。
【0077】
このような時点cの動作は、直流入力モードと一致する。すなわちコントロール端子CTLのレベルを時点cのレベル0とすることで、制御部6は、電力変換装置の動作モードを直流入力モードに設定できる。
【0078】
次に、時点xcの動作を説明する。時点xcにおいては、時点a,b,cと比べて交流電源電流の位相が逆相となる。このことは、交流電源Vacに電力が供給されていることを意味する。その一方で、直流電源電流は、負の値が時点cよりもさらに大きくなる。
【0079】
正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅は、時点a,b,cと変わらない。したがって、負荷5に供給される電力に変化はない。すなわち時点xcにおいては、直流電源Vdcからの電力が負荷回路10だけでなく交流電源Vacにも供給される。
【0080】
このような時点xcの動作は、直流入力・交流出力モードと一致する。すなわちコントロール端子CTLのレベルを負の値とすることで、制御部6は、電力変換装置の動作モードを直流入力・交流出力モードに設定できる。
【0081】
次に、時点xaの動作を説明する。時点xaにおいては、時点aよりもエンベロープ信号env1、env2の振幅が大きくなる。それに伴って、交流電源電流が増加する。その一方で、直流電源電流は、全体的に正の方向にシフトして正の値となる。直流電源電流が正ということは、直流電源Vdcに電力が供給されていることを意味する。
【0082】
正のエンベロープ信号env1と負のエンベロープ信号env2とによって挟まれる幅は、時点a,b,c,xcと変わらない。したがって、負荷5に供給される電力に変化はない。すなわち時点xaにおいては、交流電源Vacからの電力が負荷回路10だけでなく直流電源Vdcにも供給される。
【0083】
このような時点xaの動作は、交流入力・直流出力モードの動作と一致する。すなわちコントロール端子CTLのレベルを時点aのレベルnよりさらに大きくすることで、制御部6は、電力変換装置の動作モードを交流入力・直流出力モードに設定できる。
【0084】
このように電力変換装置100は、コントロール信号CTLのレベルを調整することによって、交流入力モード、交流入力・直流入力モード、直流入力モード、交流入力・直流出力モード及び直流入力・交流出力モードの5つの動作モードを選択的に切り替えて使用することができる。
【0085】
交流入力モード及び交流入力・直流出力モードを選択した場合には、交流電源Vacを負荷回路10または負荷5への100%の電力供給源として活用することができる。同様に、直流入力モードまたは直流入力・交流出力モードを選択した場合には、直流電源Vdcを負荷回路10または負荷5への100%の電力供給源として活用することができる。一方、交流入力・直流入力モードを選択した場合には、交流電源Vacと直流電源Vdcとを負荷回路10または負荷5への電力供給源とするとともに、その供給比率を任意に設定することができる。しかも、いずれの動作モードにおいても、負荷5への電力供給量に変動はないので、安定した動作を保証できる。
【0086】
また、交流入力・直流出力モードを選択した場合には、負荷5だけでなく、直流電源Vdcにも交流電源Vacから電力を供給できる。したがって、直流電源Vdcを充電式のバッテリとした場合、例えば負荷5を駆動しながら直流電源Vdcを充電することができる。
【0087】
また、直流入力・交流出力モードを選択した場合には、負荷5だけでなく、交流電源Vacにも直流電源Vdcから電力を供給できる。したがって、交流電源Vacが商用電源であり、この商用電源に停電が発生した場合でも、負荷5への電力供給を継続しつつ直流電源Vdcの電力を使って交流電源Vacの系統へ電力供給ができ、停電であっても交流電源Vacを利用できる利点が生じる。
【0088】
このように、負荷5に電力を供給する仕組みとして非常にバリエーションの高い機能を実現できる。例えば、通常は商用電源の交流電源Vacを使用しており、停電が発生した場合には速やかにバッテリの直流電源Vdcに切り替えるなど、電力を有効に利用できる。また、停電による負荷の動作停止を防止することができ、産業上の幅広い分野で2系統電源として利用価値がある。したがって、不安定な電力源であっても交流と直流の電力源で補完し合って動作させることができ、信頼性の高い電源システムを提供できる。
【0089】
また、電力変換装置100は、ZVS(ゼロボルテージスイッチング)の条件で動作する。したがって、スイッチング損失が極めて少なく、効率の良い電力変換を実現できる。このことから省エネ効果を期待するあらゆる産業分野で利用効果は大きい。
【0090】
なお、前記実施形態では、外部からコントロール信号CTLのレベルを線形に調整することで、5つの動作モードを切り替える場合を例示した。コントロール信号CTLは、レベルを線形に調整するものに限定されるものではない。レベルを段階的に調整するコントロール信号CTLを適用してもよい。この場合、コントロール信号CTLのレベルと各動作モードとを1対1で対応付けたデータテーブルを備え、外部から入力されるコントロール信号CTLのレベルでデータテーブルを参照して、制御部6が動作モードを決定してもよい。
【0091】
また、
図10に示すように、直流電流調整部605の代わりに係数k2の設定部611を設け、固定化された係数k2をエンベロープ生成部603に出力するように構成してもよい。このような構成であれば、設定部611で設定される係数k2の値により、電力変換装置100をいずれかの動作モードの専用機として活用することができる。
【0092】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。