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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-226412(P2015-226412A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】非接触給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 17/00 20060101AFI20151117BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20151117BHJP
   H01M 10/46 20060101ALN20151117BHJP
【FI】
   H02J17/00 B
   H01F23/00 B
   H01M10/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-111057(P2014-111057)
(22)【出願日】2014年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村岡 多
【テーマコード(参考)】
5H030
【Fターム(参考)】
5H030AA08
5H030AS14
5H030BB01
5H030BB09
5H030DD18
5H030FF51
(57)【要約】
【課題】受電素子と給電素子の位置合わせが可能であって、給電時に給電効率を低下させることがない非接触給電装置を提供すること。
【解決手段】受電素子を有する給電対象物が載置される給電面と、前記受電素子に給電を行う給電素子と、前記給電素子を第1の領域内で移動可能に支持する第1の駆動部と、第1の領域とは分離した第2の領域内に配置されて前記受電素子の位置を検出する位置検出部と、前記給電面及び前記位置検出部の一方を移動させる第2の駆動部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電素子を有する給電対象物が載置される給電面と、
前記受電素子に給電を行う給電素子と、
前記給電素子を第1の領域内で移動可能に支持する第1の駆動部と、
第1の領域とは分離した第2の領域内に配置されて前記受電素子の位置を検出する位置検出部と、
前記給電面及び前記位置検出部の一方を移動させる第2の駆動部と、
を備える非接触給電装置。
【請求項2】
第1の駆動部による前記給電素子の移動方向と第2の駆動部による前記給電面又は前記位置検出部の移動方向とが異なる方向である請求項1に記載の非接触給電装置。
【請求項3】
第2の駆動部は前記位置検出部と共に前記給電素子を移動させる請求項1又は請求項2に記載の非接触給電装置。
【請求項4】
円形状の前記給電面を有する筐体と、第2の駆動部により前記筐体内で周方向に回転可能に支持された円形状の回転台とを備え、前記回転台は前記給電素子及び前記位置検出部を支持する請求項2に記載の非接触給電装置。
【請求項5】
第1の駆動部は前記給電素子を前記給電面の径方向に移動可能に支持する請求項4に記載の非接触給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触電力伝送に係る非接触給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触給電装置から受電装置(以下、本明細書及び特許請求の範囲において「受電装置」を「給電対象物」と称することがある。)に対して非接触で(物理的な電気的接続を要さずに)電力を伝送するシステムが開発されている。非接触で電力を伝送するための方法として、非接触給電装置及び受電装置にコイルモジュールを設けて電磁結合方式で電力を伝送する方法が採用されることがある。非接触で電力を伝送することで、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等種々の電子機器が受電装置として非接触給電装置から電力を受電することができる。
【0003】
非接触給電は一般的に非接触給電装置が備える給電面に受電装置を載置した状態で行う。高効率で受電装置に対して給電するには、給電面の下に配される給電素子の位置と受電装置が備える受電素子の位置とが合う(給電面を挟んで対向した状態となる)必要がある。そこで例えば特許文献1には、受電素子の位置を特定する位置検出部を備え、位置検出部により受電素子の位置を特定して、給電素子との位置合わせを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−283982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば給電素子と受電素子の位置合わせが可能であるが、位置検出部は給電面と給電素子との間に配されており、給電時において位置検出部は受電素子と給電素子との間に介在することとなる。給電効率は受電素子と給電素子の距離が近いほど高効率であり、位置検出部が介在することにより受電素子と給電素子との距離が遠くなるため、給電効率が低下する。
【0006】
本発明は上述した問題点に鑑み、受電素子と給電素子の位置合わせが可能であって、給電時に給電効率を低下させることがない非接触給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の非接触給電装置は、受電素子を有する給電対象物が載置される給電面と、前記受電素子に給電を行う給電素子と、前記給電素子を第1の領域内で移動可能に支持する第1の駆動部と、第1の領域とは分離した第2の領域内に配置されて前記受電素子の位置を検出する位置検出部と、前記給電面及び前記位置検出部の一方を移動させる第2の駆動部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また上記構成の非接触給電装置において、第1の駆動部による前記給電素子の移動方向と第2の駆動部による前記給電面又は前記位置検出部の移動方向とが異なる方向であることが望ましい。
【0009】
また上記構成の非接触給電装置において、第2の駆動部は前記位置検出部と共に前記給電素子を移動させることが望ましい。
【0010】
また上記構成の非接触給電装置において、円形状の前記給電面を有する筐体と、第2の駆動部により前記筐体内で周方向に回転可能に支持された円形状の回転台とを備え、前記回転台は前記給電素子及び前記位置検出部を支持することが望ましい。
【0011】
また上記構成の非接触給電装置において、第1の駆動部は前記給電素子を前記給電面の径方向に移動可能に支持することが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受電素子の位置を検出する位置検出部を備えているので給電素子と受電素子の位置合わせが可能である。加えて、給電素子が移動する第1の領域と位置検出部が配される第2の領域とが互いに分離しており、重複していない。従って、給電素子と給電面との間に位置検出部が介在せず、給電素子と給電面上の受電素子との距離が近く給電効率を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】非接触給電システムの一例を示す第1の斜視図
図2】非接触給電システムの一例を示す第1の平面透視図
図3図2の100−100線に沿った断面図
図4】非接触給電システムの一例を示すブロック図
図5】第1実施形態において非接触給電装置の制御部が実行する処理の流れを示すフローチャート
図6】非接触給電システムの一例を示す第2の平面透視図
図7図6の200−200線に沿った断面図
図8】第2実施形態において非接触給電装置の制御部が実行する処理の流れを示すフローチャート
図9】非接触給電システムの一例を示す第2の斜視図
図10】非接触給電システムの一例を示す第3の平面透視図
図11図10の300−300線に沿った断面図
図12】第3実施形態において非接触給電装置の制御部が実行する処理の流れを示すフローチャート
図13】非接触給電システムの一例を示す第4の平面透視図
図14図13の400−400線に沿った断面図
図15】第4実施形態において非接触給電装置の制御部が実行する処理の流れを示すフローチャート
図16】非接触給電システムの一例を示す第5の平面透視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本実施形態では本発明の非接触給電装置について図面を参照して説明する。図1は本実施形態の非接触給電システムの一例を示す斜視図である。図2は本実施形態の非接触給電システムの一例を示す平面透視図である。図3図2の100−100線に沿った断面図である。図4は本実施形態の非接触給電システムの一例を示すブロック図である。本実施形態の非接触給電システム1は、非接触給電装置2と受電装置(携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン等の電子機器)3を備える。非接触給電装置2は受電装置3が有する受電素子31に対して給電するための各種構成を内部に備える筐体2aと、筐体2aの上方に配されて受電装置3が載置される給電面2bと、筐体2aの略中心に設けられ給電面2bを支持する中心軸2cとを備える。また、給電面2bの略中央部には突起部Pが設けられ、突起部P上に受電装置3が載置されないように構成される。突起部P下に後述する給電素子24が移動不能であるためである。
【0015】
平面視において筐体2a及び給電面2bは円形状であり、本実施形態において給電面2bは筐体2aに対して中心軸2cを中心に回転可能に設けられる。図4を参照して筐体2a内には電源部21、制御部22、給電素子駆動回路23、給電素子24、第1の駆動部25、位置検出部26及び第2の駆動部27が配される。電源部21は図示しない商用電源から交流電力を供給され、電源部21は非接触給電装置2の各構成に対して適した電圧を供給する。
【0016】
制御部22は非接触給電装置2全体を制御する制御手段である。特に本実施形態において制御部22は、後述する第1の駆動部26及び第2の駆動部27を駆動制御する。給電素子駆動回路23はスイッチング回路(不図示)等を含み、受電素子31に給電する際に、電源部21から供給された直流電圧をオンオフすることによって、給電素子24に交流電力を供給する。
【0017】
給電素子24に交流電力が供給されると給電素子24に交流の電流が流れ、給電面2bに垂直な方向に交番磁界が生じる。この交番磁界により給電素子24に近づけられた受電素子31に誘導電流が励起され、電力が伝送される。給電素子24の材質や形状は特に限られるものではないが、例えば上面視で渦巻きの中心に向かって渦を巻く形状を有するコイルモジュールが使用される。
【0018】
第1の駆動部25は、回転モータ25aと、電源部21から供給された電力を制御部22の指令に基づいて回転モータ25aに供給して回転モータ25aを回転させる第1の駆動回路(不図示)と、給電面2bの略中心部(中心軸2cの周縁部外側)から給電面2bの径方向に向かって所定の間隔を有して平行に伸びる2本のガイド軸25bと、2本のガイド軸25b上にガイド軸25bの軸線方向に摺動可能に配されて給電素子24を支持するベース部25cとを備える。回転モータ25aは一方のガイド軸25bに駆動力を与える。ガイド軸25bとベース部25cとは雄ネジ雌ネジ構造により嵌合しており、回転モータ25aが回転すると、その駆動力を伝えられたガイド軸25bが回転し、それに伴ってベース部25cがガイド軸25bに沿って摺動する。第1の駆動部25は給電素子24を第1の領域(給電領域)R1内で移動させものであり、2本のガイド軸25bは第1の領域R1をカバーするように配される。
【0019】
位置検出部26は第1の領域R1とは分離した第2の領域(位置検出領域)R2内に配置され、受電素子31の位置(存在)を検出する検出手段である。検出方法は特に限られるものではなく、例えば、共振周波数のずれに基づいて検出する。具体的には、位置検出部16が複数の位置検出用コイルを含む場合に、位置検出用コイルに対応する位置に受電素子31が存在すると、共振周波数等が変化して位置検出用コイルに印加する電圧と電流との波形が変化する。そして、当該変化を検出することで受電素子31の位置を特定することができる。位置検出部26は取得した受電素子31の位置情報を制御部22に供給する。
【0020】
また、他の検出方法としては、複数のマトリクスコイルを備え、当該マトリクスコイルと受電素子31(導電体)との結合状態を検出して位置を検出する方法や、複数の光電素子を備え、受電装置3が特定の光電素子を覆ったことを検出して受電素子の位置を検出する方法が挙げられる。
【0021】
第2の駆動部27は、筐体2aの内部側面近傍に設けられる回転モータ27aと、電源部21から供給された電力を制御部22の指令に基づいて回転モータ27aに供給して回転モータ27aを回転させる第2の駆動回路(不図示)と、回転モータ27aに取り付けられる第1の歯車27bと、中心軸2cを中心として第1の歯車27bに対して120度及び240度回転させた位置に配される第2の歯車27c及び第3の歯車27dとを備える。各歯車27b〜27dは給電面2bの裏面周縁に設けられた歯車210と嵌合しており、回転モータ27aが回転すると、その駆動力が歯車27b及び歯車210を介して給電面2bに伝えられて給電面2bは中心軸2cを中心に回転する。
【0022】
受電装置3は受電素子31、整流部32、電源部33、制御部34及び充電池35を備える。受電素子31は上述したように給電素子24から伝送された電力を受電する。受電素子31が受電した交流の電力は整流部32に供給される。整流部32は例えばダイオードやコンデンサなどで構成されており、受電素子31から供給された交流の電力を直流の電力に変換する。
【0023】
整流部32によって直流に変換された電力は電源部33に供給される。制御部34は受電装置3全体を制御する制御手段であり、整流部32による受電素子31が受電した交流電力の直流電力への変換や、電源部33による充電池35への蓄電を制御する。
【0024】
以下、非接触給電装置2の制御部22が実行する処理について図5を参照して説明する。図5は本実施形態の非接触給電装置2の制御部22が実行する処理の流れを示すフローチャートである。ステップS01において制御部22は給電開始指示がなされたか否かを判定する。給電開始指示は例えばユーザにより非接触給電装置2が備える給電開始釦を押下することによってなされるがこれに限られるものではなく、例えば電源部15から電力が供給される限り(電源がON状態であれば)給電開始時がなされたものと判断してもよい。給電開始指示がなされていれば(ステップS01のY)ステップS02に進み、給電開始指示がなされていなければ(ステップS01のN)ステップS01に戻る。
【0025】
ステップS02において制御部22は受電素子31が第2の領域R2上に存在するか否かを判定する。受電素子31が第2の領域R2上に存在するか否かは位置検出部26により検出される受電素子31の位置情報に基づいて判断される。受電素子31が第2の領域R2上に存在していれば(ステップS02のY)ステップS03に進み、受電素子31が第2の領域R2上に存在していなければ(ステップS02のN)ステップS04に進む。なお、ステップS02の初回判定時において受電素子31が第2の領域R2上に存在する場合とは、ユーザが受電装置3を給電面2bに載置した際に、給電面2bを挟んで位置検出部26と受電素子31とが対向している場合である。
【0026】
ステップS03において制御部22は、第1の領域R1と第2の領域R2との補正情報に基づいて第2の駆動部27を制御して、給電面2bを回転させ、受電素子31を第1の領域R1上に移動させる。本実施形態において第2の領域R2は中心軸2cを中心として第1の領域R1に対して時計回りに90度回転した位置である。従って当該位置ずれを補正するために補正情報として、給電面2bが反時計回りに90度回転されるよう第2の駆動部27を制御する情報が含まれる。給電面2bが反時計回りに90度回転されることにより給電面2bを挟んで第1の領域R1内を移動する給電素子24と受電素子32とが対向可能となる。
【0027】
ステップS04において制御部22は第2の駆動部27を制御して給電面2bを所定角度(例えば時計回りに5度)回転させる。位置検出部26により受電素子31が検出されない限り(ステップS02のN)、ステップS04を繰り返して徐々に給電面2bを回転することで受電素子31を第2の領域R2上に移動させる。
【0028】
ステップS05において制御部22は受電素子31の位置情報に基づいて第1の駆動部25を制御して給電素子32を径方向に移動させて、給電素子24と受電素子32の位置合わせ(給電素子24と受電素子32とが給電面2bを挟んで対向する状態となる位置合わせ)を行う。受電素子31の位置情報としては、例えば中心軸2cから径方向に所定距離離れた地点に受電素子31が存在することが含まれ、制御部22は給電素子24の現在位置情報と受電素子31の位置情報とに基づいて両者を位置合わせするための補正値を算出する。そして算出した補正値に基づいて第1の駆動部25を制御する。
【0029】
ステップS05により給電素子24と受電素子32の位置合わせが完了した後、ステップS06において制御部22は給電素子駆動回路33を制御して、給電処理を開始する。ステップS07において制御部22は給電処理が終了したか否かを判定し、給電処理が終了していれば(ステップS07のY)給電処理を終了し、給電処理が終了していなければ(ステップS07のN)給電処理を継続する。例えばユーザによって非接触給電装置2が備える給電停止釦を押下することや、受電装置3の充電が完了した(充電池35のバッテリ残量が100%となった)場合に給電処理が終了したと判定する。
【0030】
本実施形態によれば、受電素子の位置を検出する位置検出部を備えているので給電素子と受電素子の位置合わせが可能である。加えて、給電素子が移動する第1の領域と位置検出部が配される第2の領域とが互いに分離しており、重複していない。従って、給電素子と給電面との間に位置検出部が介在せず、給電素子と給電面上の受電素子との距離が近く給電効率を低下させることがない。また、非接触給電装置の筐体の厚みの増大を抑制することができる。
【0031】
また、第1の駆動部による給電素子の移動方向(径方向)と第2の駆動部による給電面の移動方向(円周方向)とが異なるため、両駆動部を使用することで受電素子と給電素子との位置合わせを確実に行うことができる。
【0032】
<第2実施形態>
第1実施形態において給電面2bは第2の駆動部27によって回転されることとしたが、給電面2bは回転しないこととしてもよく、本実施形態において第2の駆動部27は位置検出部26及び給電素子24を一体的に回転させる。図6は本実施形態の非接触給電システムの一例を示す平面透視図である。図7図6の200−200線に沿った断面図である。
【0033】
本実施形態において給電面2bは筐体2aに対して回転不能に固定されており(給電面2bが筐体2aと一体的に形成されるものであってもよい)、筐体2a内には、中心軸2cを中心として筐体2aに対して回転可能に支持される円形状の回転台2dが設けられる。
【0034】
非接触給電装置2を構成する各部は回転台2d上に設けられ、回転台2dが回転するとそれに伴って一体となって回転する。
【0035】
本実施形態の第2の駆動部27は回転台2dを回転させるものであり、回転モータ27aと、電源部21から供給された電力を制御部22の指令に基づいて回転モータ25aに供給して回転モータ25aを回転させる第2の駆動回路(不図示)と、回転モータ27aに取り付けられる第1の歯車27bと、中心軸2cを中心として第1の歯車27bに対して120度及び240度回転させた位置に配される第2の歯車27c及び第3の歯車27dとを備える。第1の歯車27bが取り付けられた回転モータ27a、第2の歯車27c及び第3の歯車27dはいずれも回転台2dの周縁部に設けられ、各歯車27b〜27dが筐体2aの内側面に設けられた歯車210と嵌合することにより、回転台2dは筐体2aに支持される。
【0036】
回転モータ27aが回転すると、その駆動力が歯車27b及び歯車210を介して回転台2dに伝えられて回転台2dは中心軸2cを中心に回転する。
【0037】
以下、非接触給電装置2の制御部22が実行する処理について図8を参照して説明する。図8は本実施形態の非接触給電装置2の制御部22が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図8のステップS11〜S12及びS15〜S17は夫々図5のステップS01〜S02及びS05〜S07と同様である。
【0038】
受電素子31が第2の領域R2上に存在する場合(ステップS12のY)に、制御部22はステップS13において、第1の領域R1と第2の領域R2との補正情報に基づいて第2の駆動部27を制御して、回転台2dを回転させ、第1の領域R1を受電素子31下に移動させる。本実施形態において第2の領域R2は中心軸2cを中心として第1の領域R1に対して時計回りに90度回転した位置である。従って当該位置ずれを補正するために補正情報として、回転台2dが時計回りに90度回転されるよう第2の駆動部27を制御する情報が含まれる。回転台2dが時計回りに90度回転されることにより給電面2bを挟んで第1の領域R1内を移動する給電素子24と受電素子32とが対向可能となる。
【0039】
受電素子31が第2の領域R2上に存在しない場合(ステップS12のN)に、制御部22はステップS14において、第2の駆動部27を制御して回転台2dを所定角度(例えば時計回りに5度)回転させる。位置検出部26により受電素子31が検出されない限り(ステップS12のN)、ステップS14を繰り返して徐々に回転台2dを回転することで第2の領域R2を受電素子31下に移動させる。
【0040】
本実施形態によれば受電素子の位置を検出する位置検出部を備えているので給電素子と受電素子の位置合わせが可能である。加えて、給電素子が移動する第1の領域と位置検出部が配される第2の領域とが互いに分離しており、重複していない。従って、給電素子と給電面との間に位置検出部が介在せず、給電素子と給電面上の受電素子との距離が近く給電効率を低下させることがない。また、非接触給電装置の筐体の厚みの増大を抑制することができる。
【0041】
また、第1の駆動部による給電素子の移動方向(径方向)と第2の駆動部による位置検出部及び給電素子の移動方向(円周方向)とが異なるため、両駆動部を使用することで受電素子と給電素子との位置合わせを確実に行うことができる。
【0042】
また、給電面は回転しないので、受電装置は給電素子と受電素子との位置合わせのために移動することがなく、ユーザにとって給電面上の所望の位置で受電装置を充電し、また、使用することができる。また、給電素子と受電素子の位置合わせのための移動が全て筐体内部で実行されるので、筐体の外側面が設置環境(壁や家具等)と接触することにより給電素子と受電素子の位置合わせが阻害されることがない。
【0043】
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態において給電面2b又は回転台2dは第2の駆動部27によって回転されることとしたが、これに限られるものではなく直線的に移動するものであってもよい。図9は本実施形態の非接触給電システムの一例を示す斜視図である。図10は本実施形態の非接触給電システムの一例を示す平面透視図である。図11図10の300−300線に沿った断面図である。
【0044】
本実施形態の非接触給電システム1は、非接触給電装置2と受電装置3を備える。非接触給電装置2は受電装置3が有する受電素子31に対して給電するための各種構成を内部に備える筐体2aと、筐体2aの上方に配されて受電装置3が載置される給電面2bとを備える。平面視において筐体2a及び給電面2bは矩形状である。給電面2bは筐体2aに対して移動不能に固定されてる(給電面2bが筐体2aと一体的に形成されるものであってもよい)。給電面2bの右端部には突起部Pが設けられ、突起部P上に受電装置3が載置されないように構成される。突起部P下に後述する給電素子24が移動不能であるためである。
【0045】
第1の駆動部25は、回転モータ25aと、電源部21から供給された電力を制御部22の指令に基づいて回転モータ25aに供給して回転モータ25aを回転させる第1の駆動回路(不図示)と、所定の間隔を有して非接触給電装置2の短手方向(図中のX方向)に平行に伸びる2本のガイド軸25bと、2本のガイド軸25b上にガイド軸25bの軸線方向に摺動可能に配されて給電素子24を支持するベース部25cとを備える。回転モータ25aは一方のガイド軸25bに駆動力を与える。ガイド軸25bとベース部25cとは雄ネジ雌ネジ構造により嵌合しており、回転モータ25aが回転すると、その駆動力を伝えられたガイド軸25bが回転し、それに伴ってベース部25cがガイド軸25bに沿って摺動する。第1の駆動部25は給電素子24を第1の領域(給電領域)R1内で移動させものであり、2本のガイド軸25bは第1の領域R1をカバーするように配される。
【0046】
位置検出部26は第1の領域R1とは分離した第2の領域(位置検出領域)R2内に配置されるように後述するベース部27cに搭載され、受電素子31の位置(存在)を検出する検出手段である。位置検出部26は非接触給電装置2の短手方向に伸びて配される。
【0047】
第2の駆動部27は、筐体2aの内部側面近傍に設けられる回転モータ27aと、電源部21から供給された電力を制御部22の指令に基づいて回転モータ27aに供給して回転モータ27aを回転させる第2の駆動回路(不図示)と、所定の間隔を有して非接触給電装置2の長手方向(図中のY方向)に平行に伸びる2本のガイド軸27bと、2本のガイド軸27b上にガイド軸27bの軸線方向に摺動可能に配されて第1の駆動部25及び位置検出部26を支持するベース部27cとを備える。回転モータ27aは一方のガイド軸27bに駆動力を与える。ガイド軸27bとベース部27cとは雄ネジ雌ネジ構造により嵌合しており、回転モータ27aが回転すると、その駆動力を伝えられたガイド軸27bが回転し、それに伴ってベース部27cがガイド軸27bに沿って摺動する。第2の駆動部27は第1の駆動部25及び位置検出部26を給電面2bに沿って移動させものであり、2本のガイド軸27bは給電面2bのほぼ全体をカバーするように配される。
【0048】
以下、非接触給電装置2の制御部22が実行する処理について図12を参照して説明する。図12は本実施形態の非接触給電装置2の制御部22が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図12のステップS21〜S22及びS26〜S27は夫々図5のステップS01〜S02及びS06〜S07と同様である。
【0049】
受電素子31が第2の領域R2上に存在する場合(ステップS22のY)に、制御部22はステップS23において、第1の領域R1と第2の領域R2との補正情報に基づいて第2の駆動部27を制御して、ベース部27cを非接触給電装置2の長手方向(図中のY方向)に移動させる。本実施形態において第2の領域R2は第1の領域R1に対して非接触給電装置2の長手右方向に所定距離XS離間した位置である。従って当該位置ずれを補正するために補正情報として、ベース部27cが長手右方向に所定距離XS移動されるよう第2の駆動部27を制御する情報が含まれる。ベース部27cが所定距離XS長手右方向に移動されることにより、給電面2bを挟んで第1の領域R1内を移動する給電素子24と受電素子32とが対向可能となる。
【0050】
受電素子31が第2の領域R2上に存在しない場合(ステップS22のN)に、制御部22はステップS24において、第2の駆動部27を制御してベース部27cを所定距離(例えば5mm)長手方向に移動させる。例えばベース部27cの初期位置がガイド軸27bの左端部であれば長手右方向に所定距離移動させる。位置検出部26により受電素子31が検出されない限り(ステップS22のN)、ステップS24を繰り返して徐々にベース部27cを長手方向に移動することで第2の領域R2を受電素子31下に移動させる。
【0051】
ステップS25において制御部22は受電素子31の位置情報に基づいて第1の駆動部25を制御して給電素子32を非接触給電装置2の短手方向(図中のX方向)に移動させて、給電素子24と受電素子32の位置合わせ(給電素子24と受電素子32とが給電面2bを挟んで対向する状態となる位置合わせ)を行う。受電素子31の位置情報としては、例えば第2の領域R2の上端から下方に向かって所定距離離れた地点に受電素子31が存在することが含まれ、制御部22は給電素子24の現在位置情報と受電素子31の位置情報とに基づいて両者を位置合わせするための補正値を算出する。そして算出した補正値に基づいて第1の駆動部25を制御する。
【0052】
本実施形態では第1の駆動部25による給電素子24の移動方向(X方向)と第2の駆動部27による給電素子24及び位置検出部26の移動方向(Y方向)が直交することにより、給電素子24を給電面2b下の任意の位置に移動させることができる。
【0053】
本実施形態によれば、受電素子の位置を検出する位置検出部を備えているので給電素子と受電素子の位置合わせが可能である。加えて、給電素子が移動する第1の領域と位置検出部が配される第2の領域とが互いに分離しており、重複していない。従って、給電素子と給電面との間に位置検出部が介在せず、給電素子と給電面上の受電素子との距離が近く給電効率を低下させることがない。また、非接触給電装置の筐体の厚みの増大を抑制することができる。
【0054】
また、第1の駆動部による給電素子の移動方向と第2の駆動部による位置検出部及び給電素子の移動方向とが直交するため、両駆動部を使用することで受電素子と給電素子との位置合わせを確実に行うことができる。
【0055】
また、給電面は移動しないので、受電装置は給電素子と受電素子との位置合わせのために移動することがなく、ユーザにとって給電面上の所望の位置で受電装置を充電し、また、使用することができる。また、給電素子と受電素子の位置合わせのための移動が全て筐体内部で実行されるので、筐体の外側面が設置環境(壁や家具等)と接触することにより給電素子と受電素子の位置合わせが阻害されることがない。
【0056】
<第4実施形態>
第3実施形態において給電面2bは移動せず移動検出部26が移動することとしたが、第1実施形態と同様に移動検出部26は移動せず、給電面2bが移動するものであってもよい。図13は本実施形態の非接触給電システムの一例を示す平面透視図である。図14図13の400−400線に沿った断面図である。
【0057】
本実施形態の非接触給電システム1は、非接触給電装置2と受電装置3を備える。非接触給電装置2は受電装置3が有する受電素子31に対して給電するための各種構成を内部に備える筐体2aと、筐体2aの上方に配されて受電装置3が載置される給電面2bとを備える。平面視において筐体2a及び給電面2bは矩形状である。給電面2bは筐体2aに対して移動可能に設けられる(詳細は後述)。
【0058】
第1の駆動部25は、回転モータ25aと、電源部21から供給された電力を制御部22の指令に基づいて回転モータ25aに供給して回転モータ25aを回転させる第1の駆動回路(不図示)と、所定の間隔を有して非接触給電装置2の短手方向(図中のX方向)に平行に伸びる2本のガイド軸25bと、2本のガイド軸25b上にガイド軸25bの軸線方向に摺動可能に配されて給電素子24を支持するベース部25cとを備える。回転モータ25aは一方のガイド軸25bに駆動力を与える。ガイド軸25bとベース部25cとは雄ネジ雌ネジ構造により嵌合しており、回転モータ25aが回転すると、その駆動力を伝えられたガイド軸25bが回転し、それに伴ってベース部25cがガイド軸25bに沿って摺動する。第1の駆動部25は給電素子24を第1の領域(給電領域)R1内で移動させものであり、2本のガイド軸25bは第1の領域R1をカバーするように配される。
【0059】
第2の駆動部27は、筐体2aの内部一側面近傍に設けられる回転モータ27aと、電源部21から供給された電力を制御部22の指令に基づいて回転モータ27aに供給して回転モータ27aを回転させる第2の駆動回路(不図示)と、筐体2aの内部一側面近傍に設けられ非接触給電装置2の短手方向(図中のX方向)に平行に伸びる2本のローラ27bとを備える。回転モータ27aは一方のローラに駆動力を与える。
【0060】
給電面2bは両端が両ローラ27bに巻きつけられるシート部材(ベルトコンベア)を有する。そして、回転モータ27aが回転すると、その駆動力を伝えられたローラ27bが回転し、それに伴って給電面2bが非接触給電装置2の長手方向(図中のY方向)に移動する。
【0061】
筐体2aはその上端にストッパー211を備える。当該ストッパー211は側面視が略コ字状に形成されて、給電面2bに対して所定の間隙を有する。当該間隔は受電装置3が通り抜け不可な間隙に設定され、給電面2bが移動することにより、受電装置3が給電面2bから脱落することを防止する。
【0062】
以下、非接触給電装置2の制御部22が実行する処理について図15を参照して説明する。図15は本実施形態の非接触給電装置2の制御部22が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図15のステップS31〜S32及びS35〜S37は夫々図12のステップS21〜S22及びS25〜S27と同様である。
【0063】
受電素子31が第2の領域R2上に存在する場合(ステップS32のY)に、制御部22はステップS33において、第1の領域R1と第2の領域R2との補正情報に基づいて第2の駆動部27を制御して、給電面2bを非接触給電装置2の長手方向(図中のY方向)に移動させる。本実施形態において第2の領域R2は第1の領域R1に対して非接触給電装置2の長手右方向に所定距離XS離間した位置である。従って当該位置ずれを補正するために補正情報として、給電面2bが長手左方向に所定距離XS移動されるよう第2の駆動部27を制御する情報が含まれる。給電面2bが所定距離XS長手左方向に移動されることにより、給電面2bを挟んで第1の領域R1内を移動する給電素子24と受電素子32とが対向可能となる。
【0064】
受電素子31が第2の領域R2上に存在しない場合(ステップS32のN)に、制御部22はステップS34において、第2の駆動部27を制御して給電面2bを所定距離(例えば5mm)Y方向に移動させる。位置検出部26により受電素子31が検出されない限り(ステップS32のN)、ステップS34を繰り返して徐々に給電面2bを長手方向に移動することで第2の領域R2を受電素子31下に移動させる。
【0065】
給電面2bの移動制御方法について以下説明する。例えば位置検出部26が非接触給電装置2の長手方向略中央部に配されている場合、位置検出部26が受電素子31を検出するまで給電面2bを非接触給電装置2の長手左方向に移動させる。その際、給電面2bの一方向への最大移動距離Aが設定され、本例では非接触給電装置2の長手方向の長さの半分の長さに設定される。給電面2bを長手左方向に距離A移動させても位置検出部26が受電素子31を検出しない場合には、受電装置3が載置された位置が第2の領域R2よりも左側であったと考えられ、受電装置3は非接触給電装置2の左端に設けられたストッパー211の位置に存在する。従って、非接触給電装置2の長手左方向に給電面2bを距離A移動させた後は、給電面2bを長手右方向に距離A移動させることで、受電素子31を第2の領域R2上に移動させることができる。
【0066】
また、例えば位置検出部26が非接触給電装置2の長手方向左端部又は右端部に配されている場合、位置検出部26が受電素子31を検出するまで給電面2bを非接触給電装置2の長手左方向又は右方向に移動させる。これにより受電素子31を第2の領域R2上に移動させることができる。
【0067】
本実施形態によれば、受電素子の位置を検出する位置検出部を備えているので給電素子と受電素子の位置合わせが可能である。加えて、給電素子が移動する第1の領域と位置検出部が配される第2の領域とが互いに分離しており、重複していない。従って、給電素子と給電面との間に位置検出部が介在せず、給電素子と給電面上の受電素子との距離が近く給電効率を低下させることがない。また、非接触給電装置の筐体の厚みの増大を抑制することができる。
【0068】
また、第1の駆動部による給電素子の移動方向と第2の駆動部による給電面の移動方向とが直交するため、両駆動部を使用することで受電素子と給電素子との位置合わせを確実に行うことができる。
【0069】
<補足>
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれる。
【0070】
例えば、上記第1実施形態〜第4実施形態において非接触給電装置2は単一の位置検出部26を備える構成としているが、図16に示すように複数の位置検出部26を備えていてもよい(図16は第1実施形態の変形例であるが他の実施形態にも適用可能である)。各位置検出部26の間隔は一定であることが望ましく、特に、図16に示すように中心軸2cを中心に配する場合には各位置検出部26の間隔は360度/位置検出部26の個数(図16では180度)間隔で配することが望ましい。当該構成によれば、位置検出部26又は給電面2bを最大で(360度/位置検出部26の個数)度回転させることでいずれかの位置検出部26により受電素子31が検出される。
【0071】
各位置検出部26を個別或いは同時に駆動し、いずれかの位置検出部26により受電素子31の位置を検出した場合には、各実施形態において説明したように、第1の領域R1と第2の領域R2との補正情報及び受電素子31の位置情報に基づいて給電素子24と受電素子31の位置合わせを行い、給電処理を開始する。
【符号の説明】
【0072】
1 非接触給電システム
2 非接触給電装置
3 受電装置(給電対象物)
21 電源部
22 制御部
23 給電素子駆動回路
24 給電素子
25 第1の駆動部
26 位置検出部
27 第2の駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16