特開2015-226508(P2015-226508A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-226508(P2015-226508A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】育苗箱段積み装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20060101AFI20151120BHJP
【FI】
   A01G9/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-113625(P2014-113625)
(22)【出願日】2014年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】武田 康志
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND03
2B327TC07
2B327TC09
2B327TC19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】育苗箱内の土や種子の偏りを防止しながら、適正に且つ能率良く段積み作業を行う育苗箱段積み装置を提供する。
【解決手段】パレットP上の育苗箱段積み位置へ育苗箱Cを順次供給して段積みする育苗箱段積み装置であって、育苗箱取上位置にある育苗箱Cを取り上げて保持する育苗箱チャック8bと、先端部に設けた前記育苗箱チャック8bを育苗箱取上位置と前記育苗箱段積み位置との間で移動させるロボットアーム8aと、育苗箱チャック8bをロボットアーム8aに対して上下方向の軸を中心に回動させる回動機構97とを設け、育苗箱取上位置から育苗箱段積み位置へロボットアーム8a及び回動機構97の作動により育苗箱Cを回動させながら移動させる構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット(P)、台車(77)又は育苗ベンチ(B)等の段積み基体上の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を順次供給して段積みする育苗箱段積み装置であって、育苗箱取上位置にある育苗箱(C)を取り上げて保持する育苗箱チャック(8b)と、先端部に設けた前記育苗箱チャック(8b)を育苗箱取上位置と前記育苗箱段積み位置との間で移動させるロボットアーム(8a)と、育苗箱チャック(8b)をロボットアーム(8a)に対して上下方向の軸を中心に回動させる回動機構(97)とを設け、育苗箱取上位置から育苗箱段積み位置へロボットアーム(8a)及び回動機構(97)の作動により育苗箱(C)を回動させながら移動させる構成とした育苗箱段積み装置。
【請求項2】
前記段積み基体上の複数の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みする構成とし、複数の育苗箱段積み位置のうち、外側の育苗箱段積み位置に優先して中央の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を段積みする手順で作動する構成とした請求項1に記載の育苗箱段積み装置。
【請求項3】
回動機構(97)により回動する育苗箱チャック(8b)の一部分又は該育苗箱チャック(8b)に付随する構造物を、平面視で育苗箱チャック(8b)が保持する育苗箱(C)に対して一方側に突出させて設けた突出部分とし、回動機構(97)は、育苗箱取上位置の状態から育苗箱チャック(8b)を正方向と逆方向の何れにも回動し得る構成とし、外側の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みするとき、前記突出部分が中央の育苗箱段積み位置とは反対側となる方向に回動機構(97)を回動させる構成とした請求項2に記載の育苗箱段積み装置。
【請求項4】
育苗箱(C)が段積みされていない空の段積み基体を育苗箱段積み位置へ搬送すると共に、育苗箱(C)が段積みされた段積み基体を搬出する育苗箱搬出コンベヤ(4)を設け、搬送される空の段積み基体を育苗箱段積み位置に対応する停止位置で受け止めて停止させるストッパ(18)を設け、ストッパ(18)は、段積み基体上への育苗箱(C)の段積み作業の途中で、育苗箱搬出コンベヤ(4)により段積み基体を搬送可能な状態に退避する構成とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載の育苗箱段積み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パレット、台車又は育苗ベンチ等の段積み基体上に育苗箱を段積みする育苗箱段積み装置の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
育苗箱取上位置にある育苗箱を取り上げて保持する育苗箱チャックと、先端部に設けた前記育苗箱チャックを育苗箱取上位置と段積み基体であるパレット上の育苗箱段積み位置との間で移動させるロボットアームを設け、育苗箱取上位置から育苗箱段積み位置へロボットアームの作動により育苗箱を平行状に移動させる構成とした育苗箱段積み装置がある。この育苗箱段積み装置は、パレット上の複数の育苗箱段積み位置に育苗箱を段積みする構成とし、複数の育苗箱段積み位置のうち、育苗箱取上位置から遠い育苗箱段積み位置から順に育苗箱を段積みする手順で作動する。また、空のパレットを育苗箱段積み位置へ搬送すると共に、育苗箱が段積みされたパレットを搬出する育苗箱搬出コンベヤを設け、搬送される空のパレットを育苗箱段積み位置に対応するパレット停止位置で受け止めて停止させるパレットストッパを設け、パレット上への育苗箱の段積み作業が完了すると、パレットストッパは、育苗箱搬出コンベヤによりパレットを搬送可能な状態に下降して退避する構成としている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−75535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術の育苗箱段積み装置は、育苗箱取上位置から遠い育苗箱段積み位置に育苗箱を段積みするときに育苗箱の移動距離が長くなり、その分、段積み作業能率が低下する要因となる。また、段積み作業能率を向上させるべく、育苗箱取上位置から育苗箱段積み位置への育苗箱の移動速度を速くする方法があるが、育苗箱の移動速度を速くすると、育苗箱内の土や種子が偏る要因となる。
【0005】
本発明は、育苗箱内の土や種子の偏りを防止しながら、適正に且つ能率良く段積み作業を行う育苗箱段積み装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、パレット(P)、台車(77)又は育苗ベンチ(B)等の段積み基体上の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を順次供給して段積みする育苗箱段積み装置であって、育苗箱取上位置にある育苗箱(C)を取り上げて保持する育苗箱チャック(8b)と、先端部に設けた前記育苗箱チャック(8b)を育苗箱取上位置と前記育苗箱段積み位置との間で移動させるロボットアーム(8a)と、育苗箱チャック(8b)をロボットアーム(8a)に対して上下方向の軸を中心に回動させる回動機構(97)とを設け、育苗箱取上位置から育苗箱段積み位置へロボットアーム(8a)及び回動機構(97)の作動により育苗箱(C)を回動させながら移動させる構成とした育苗箱段積み装置とした。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、前記段積み基体上の複数の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みする構成とし、複数の育苗箱段積み位置のうち、外側の育苗箱段積み位置に優先して中央の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を段積みする手順で作動する構成とした請求項1に記載の育苗箱段積み装置とした。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、回動機構(97)により回動する育苗箱チャック(8b)の一部分又は該育苗箱チャック(8b)に付随する構造物を、平面視で育苗箱チャック(8b)が保持する育苗箱(C)に対して一方側に突出させて設けた突出部分とし、回動機構(97)は、育苗箱取上位置の状態から育苗箱チャック(8b)を正方向と逆方向の何れにも回動し得る構成とし、外側の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みするとき、前記突出部分が中央の育苗箱段積み位置とは反対側となる方向に回動機構(97)を回動させる構成とした請求項2に記載の育苗箱段積み装置とした。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、育苗箱(C)が段積みされていない空の段積み基体を育苗箱段積み位置へ搬送すると共に、育苗箱(C)が段積みされた段積み基体を搬出する育苗箱搬出コンベヤ(4)を設け、搬送される空の段積み基体を育苗箱段積み位置に対応する停止位置で受け止めて停止させるストッパ(18)を設け、ストッパ(18)は、段積み基体上への育苗箱(C)の段積み作業の途中で、育苗箱搬出コンベヤ(4)により段積み基体を搬送可能な状態に退避する構成とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載の育苗箱段積み装置とした。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によると、育苗箱段積み位置へロボットアーム(8a)及び回動機構(97)の作動により育苗箱(C)を回動させながら移動させるので、育苗箱を平行状に移動させるのに比較して、育苗箱(C)内の土や種子の偏りを抑えることができると共に、育苗箱(C)の段積み作業能率の向上を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明の効果に加えて、外側の育苗箱段積み位置に優先して中央の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を段積みするので、外側の育苗箱段積み位置へ優先して育苗箱(C)を段積みする構成に比較して、段積み基体上の重量バランスが大きく崩れることを防止でき、ひいては段積み基体上で段積みされた育苗箱群が斜めに傾くようなことを防止でき、段積み基体上で育苗箱(C)を適正な段積み姿勢で段積みできる。
【0012】
請求項3に記載の発明によると、請求項2に記載の発明の効果に加えて、突出部分が中央の育苗箱段積み位置とは反対側となる方向に回動機構(97)を回動させるので、外側の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みするとき、前記突出部分が既に段積みした隣接する育苗箱(C)に干渉することを防止でき、隣接する育苗箱群の段積み姿勢を悪化させることを防止でき、段積み基体上で育苗箱(C)を適正な段積み姿勢で段積みできる。ひいては、隣り合う育苗箱段積み位置どうしを近付けて配置できるので、限られた面積の段積み基体上に多数の育苗箱(C)を段積みすることができ、育苗箱(C)の段積み作業能率の向上を図ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によると、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、段積み基体上への育苗箱(C)の段積み作業が完了し、段積みされた育苗箱群が高くなった状態でストッパ(18)が退避するのに比較して、段積み基体上の育苗箱群は比較的低い状態であるので、ストッパ(18)の退避で段積み基体へ伝わる振動や衝撃等により、段積みされた育苗箱群が斜めに傾くようなことを防止でき、段積み基体上で育苗箱(C)を適正な段積み姿勢で段積みできる。一方、育苗箱(C)の段積みする前の空の段積み基体からストッパ(18)が退避するのに比較して、段積みされた育苗箱(C)により段積み基体にある程度の重量がかかっているので、ストッパ(18)の退避で段積み基体へ伝わる振動や衝撃等により、段積み基体が位置ずれすることを防止でき、段積み基体の位置が不適正であることによる育苗箱(C)の段積み不良の発生を防止でき、育苗箱(C)を適正に段積みできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】段積み設備の平面図
図2】播種育苗箱段積みロボットの斜視図
図3】(a)第一育苗箱積重ね装置の正面図、(b)第一育苗箱積重ね装置の側面図
図4】(a)育苗箱チャックの正面図、(b)育苗箱チャックの側面図
図5】育苗箱チャックの平面図
図6】外面部に段が形成された育苗箱の形態を示す図
図7】外面部に段が形成されていない育苗箱の形態を示す図
図8】種々の段積み設備を示す平面図
図9】台車搬送装置の動作を示す側面図
図10】播種施設のレイアウト図
図11】播種設備の全体側面図
図12】野菜用播種設備の全体側面図
図13】水稲用搬送コンベア部及び野菜用搬送コンベア部を判り易く示した播種設備の全体平面図
図14】育苗ベンチを示す平面図
図15】育苗箱搬出コンベアで育苗ベンチを搬送する状態を示す平面図
図16】メイン供給コンベヤとストックコンベヤとを示す平面図
図17】育苗箱供給装置の一部を判りやすく示した平面図
図18】緑化室内の一部を示す側面図
図19】育苗箱積替装置の側面図
図20】育苗箱積替装置の平面図
図21】育苗箱積替装置の正面図
図22】緑化台車を示す平面図
図23】段積リフト部の要部を示す側面図
図24】把持部の引き離し具の動作手順を判り易く示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。尚、以下の実施の形態は、あくまで実施の一形態であって、特許請求の範囲を拘束するものではない。
【0016】
先ずは、播種施設について説明する。播種施設に設けた段積み設備1は、播種された育苗箱を供給する播種育苗箱供給装置としての播種育苗箱供給コンベヤ2が配置され、該コンベヤ2に隣接して平行に育苗箱搬出コンベヤ4が配置されている。
【0017】
播種育苗箱供給コンベヤ2の始端部には後述する播種設備41の播種コンベヤ42の終端部が接続されており、播種コンベヤ42から播種育苗箱供給コンベヤ2に播種された育苗箱が1枚ずつ供給される。播種育苗箱供給コンベヤ2は、播種された育苗箱をその長手方向が搬送方向を向く状態で搬送する。播種育苗箱供給コンベヤ2の中間部には、水稲種子(籾)を播種した場合に、1枚ずつ搬送されてくる育苗箱を2段に積み重ねる第一育苗箱積重ね装置6と、2段になって搬送されてくる育苗箱を4段に積み重ねる第二育苗箱積重ね装置7とが設けられている。
【0018】
第一育苗箱積重ね装置6は、図3に示すように、播種育苗箱供給コンベヤ2の育苗箱搬送路を挟んで両側に配置された上、下リフトスプロケット6a,6b,6a,bにリフトチエン6c,6cを巻き掛け、このリフトチエン6c,6cに所定間隔でリフト爪6d,…,6d,…を取り付けている。また、育苗箱搬送路の上方には、前、後送出しスプロケット6e,6f,6e,6fに送出しチエン6g,6gを巻き掛け、この送出しチエン6g,6gに所定間隔で送出し爪6h,…,6h,…を取り付けている。
【0019】
1枚目の育苗箱Cが所定位置にくると、リフト爪6d,6dが育苗箱の底部を支持して1ピッチ持ち上げ、次いで2枚目の育苗箱が所定位置にくると、これを次のリフト爪6d,6dが1ピッチ持ち上げ、リフト爪6d,6dで支持した状態で育苗箱を積み重ねる。このようにして育苗箱が2段に積み重ねられると、送出しチエン6g,6gが作動して、送出し爪6h,6hで押して搬送下手側に送り出す。
【0020】
第二育苗箱積重ね装置7も、基本構成は第一育苗箱積重ね装置6と同じであるので、その構成および動作の説明を省略する。しかして、播種育苗箱供給コンベヤ2の終端部には4段重ねになった播種された育苗箱が供給されることとなる。
【0021】
播種育苗箱供給コンベヤ2の終端部には、播種育苗箱取上げ位置A1,A2が設定されている。尚、播種育苗箱取上げ位置A1,A2では、播種育苗箱供給コンベヤ2で連続的に搬送される前後の育苗箱Cを同時に取り上げる。また、育苗箱搬出コンベヤ4には播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B1−4,B2−1,B2−2,B2−3,B2−4が設定されている。そして、播種育苗箱段積み装置である播種育苗箱段積みロボット8によって、播種育苗箱取上げ位置の育苗箱を播種育苗箱段積み位置に段積みする。
【0022】
1組の播種育苗箱取上げ位置A1,A2では、長手方向が前後方向に向く状態の前後各々の育苗箱Cを取り上げる構成であるが、播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B1−4,B2−1,B2−2,B2−3,B2−4は、各々の育苗箱Cの長手方向が左右方向に向く状態で前後4列、左右2列の計8箇所に配置されている。従って、播種育苗箱取上げ位置A1,A2で取り上げた長手方向が前後方向に向く1組の育苗箱Cを、後述する回動機構97により90度回動させて長手方向が左右方向に向く状態として積み上げる構成となっている。つまり、播種育苗箱取上げ位置A1,A2で取り上げた1組の育苗箱Cを、育苗箱搬出コンベヤ4によるパレットPの搬送方向に並ぶ計4列の播種育苗箱段積み位置に各々積み上げる。
【0023】
播種育苗箱段積みロボット8は、中間部で折り曲げ可能なロボットアーム8aの先端部に、回動用モータにより上下方向の回動軸97aを中心に回動する回動機構97を介して、4段重ねした育苗箱の長手方向両端をつかんで保持することのできる2組の育苗箱チャック8b,8bが設けられている。回動機構97により育苗箱Cを回動させながら、ロボットアーム8a全体を上下に回動、及びロボットアーム8aの折り曲げ角度を変更することにより、各育苗箱チャック8b,8bを播種育苗箱取上げ位置と播種育苗段積み位置との間を移動させるとともに上下位置を調節するようになっている。尚、前記回動軸97aは、平面視で育苗箱チャック8b,8bが保持する1組の育苗箱Cの間で且つ該育苗箱Cの短手方向の中央に配置されている。
【0024】
育苗箱チャック8b,8bを作動させるチャック作動用シリンダ98と、該チャック作動用シリンダ98内の圧力を検出する圧力計99とを、育苗箱チャック8b,8bに設けている。従って、チャック作動用シリンダ98及び圧力計99は、回動機構97の作動により育苗箱チャック8b,8bと共に回動する構成となっており、育苗箱チャック8b,8bが播種育苗箱取上げ位置A1,A2にあるとき、播種育苗箱取上げ位置A1,A2よりもロボットアーム8a側(育苗箱搬出コンベヤ4及びパレットPと反対側)に位置する。尚、チャック作動用シリンダ98及び圧力計99が、育苗箱チャック8bに付随する構造物であり、平面視で育苗箱チャック8bが保持する育苗箱に対して一方側に突出させて設けた突出部分となる。尚、育苗箱チャック8bの一部分が、前記突出部分となる構成としてもよい。
【0025】
図4及び図5に示すように、育苗箱チャック8bは、チャック開閉シリンダ30で開閉させられる一対の把持爪31,31を備え、この一対の把持爪で4段重ねになった育苗箱の短辺部を両側から挟み付けて把持する。把持爪31の下端部は鉤状になっていて、把持の際にはこの鉤状部31aが最下段の育苗箱の底部に引っ掛かるようになっている。また、前後駆動手段32で前後方向に移動させられる前後位置規制体33と左右駆動手段34で左右方向に移動させられる左右位置規制体35とが各2対ずつ設けられ、把持爪31,31による把持に先行して育苗箱の前後位置及び左右位置を適正になるよう修正するようになっている。このため、把持爪31,31が育苗箱Cを正確に把持できる。
【0026】
なお、外面部に段Caが形成された育苗箱C(図6参照)については、この段の下側を把持爪31の鉤状下端部で支えるようにするため、一旦把持爪31,31が育苗箱を把持してから把持爪31,31を少しだけ上昇させて、鉤状部31a,31aを段Caの下面に係合させる。これに対し、外面部に段が形成されていない育苗箱C′(図7参照)については、鉤状部31aの水平長を長くし、把持爪31,31が閉じるときに鉤状部31a,31aが育苗箱の底面に差し込まれるように作動させる。制御プログラムを変更するだけで、いずれの育苗箱C,C′にも対応できる。
【0027】
播種育苗箱供給コンベヤ2の前記播種育苗箱取上げ位置A1,A2には、それぞれの位置に育苗箱を停止させる第一、第二育苗箱ストッパ11,12が設けられている。第一育苗箱ストッパ11は固定状態で設けられ、第二育苗箱ストッパ12は播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成されている。
【0028】
育苗箱搬出コンベヤ4は、パレット供給装置16にて供給される育苗箱段積み用のパレットPを一対のベルトの上に載せて搬送するようになっている。パレットPは、短手方向を搬送方向に向けて育苗箱を計8枚並べられるスペースを有している。
【0029】
育苗箱搬出コンベヤ4には、パレットPの各育苗箱を並べる位置が前記播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B1−4,B2−1,B2−2,B2−3,B2−4と合致するパレット停止位置でパレットPを停止させる第一パレットストッパ18と、終端部でパレットPを停止させる第二パレットストッパ20とが設けられている。第一パレットストッパ18は育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成され、第二パレットストッパ20は固定状態に設けられている。
【0030】
この段積み設備1は、育苗箱の有無を検出するフォトセンサPH1〜11が適所に設けられており、その検出結果に基づき各部の作動を制御する。以下、その動作を説明する。
【0031】
後述する播種設備41によって播種された育苗箱Cは、播種設備のコンベヤから播種育苗箱供給コンベヤ2に引き継がれる。1枚目の育苗箱が第一育苗箱積重ね装置6まで搬送されてPH1がONになると、第一育苗箱積重ね装置6のリフトチエンが作動して当該育苗箱を持ち上げる。2枚目の育苗箱が第一育苗箱積重ね装置6の下方まできてPH1が再度ONになると、次のリフト爪が2個目の育苗箱を持ち上げて2枚の育苗箱を積み重ねる。第一育苗箱積重ね装置6は、上記動作を繰り返して育苗箱を2段に積み重ねていく。
【0032】
2段重ねの育苗箱が第二育苗箱積重ね装置7まで搬送されてPH2がONになると、第二育苗箱積重ね装置7のリフトチエンが作動して当該育苗箱を持ち上げる。次の2段重ねの育苗箱が第二育苗箱積重ね装置7の下方まできてPH2が再度ONになると、それを次のリフト爪が持ち上げて2段重ねの育苗箱の上に2段重ねの育苗箱を積み重ねる。第二育苗箱積重ね装置7は、上記動作を繰り返して育苗箱を4段に積み重ねていく。
【0033】
4段重ねの育苗箱は、播種育苗箱取上げ位置A1,A2に向けて搬送される。そして、第一及び第二育苗箱ストッパ11,12への搬送手前側にはそれぞれ減速用センサPH3−1,PH4−1及び停止用センサPH3−2,PH4−2を育苗箱の搬送上手側から順に設けている。初期状態では、第二育苗箱ストッパ12は播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込んだ状態となっており、1組目の育苗箱を第一育苗箱ストッパ11側の減速用センサPH3−1が検出すると播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後第一育苗箱ストッパ11の直前にある停止用センサPH3−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる。そして、2組目の育苗箱を第二育苗箱ストッパ12側の減速用センサPH4−1が検出すると播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後第二育苗箱ストッパ12の直前にある停止用センサPH4−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる。
【0034】
これにより、搬送速度が減速した状態で育苗箱Cが育苗箱ストッパ11,12へ当たるので、育苗箱ストッパ11,12への衝突時の衝撃が抑えられ、育苗箱C内の土寄りや土の飛び出し等を防止すると共に、育苗箱ストッパ11,12による育苗箱Cの停止位置が安定する。また、育苗箱ストッパ11,12の直前位置に設けた停止用センサPH3−2,PH4−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる構成とすることにより、育苗箱ストッパ11,12に当接するまで確実に育苗箱Cを搬送することができ、育苗箱ストッパ11,12による育苗箱Cの停止位置が更に安定する。このように育苗箱Cの停止位置を適正に安定させることにより、播種育苗箱段積みロボット8で適確に育苗箱Cを取上げることができ、取上げ作業のトラブルを防止することができる。
【0035】
上記のようにして各取上げ位置A1,A2に4段重ねの育苗箱が供給されて播種育苗箱供給コンベヤ2が停止すると、段積みロボット8が所定の動作を行い、各取上げ位置の育苗箱を後述する育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置へ段積みする。具体的には、2組の育苗箱チャック8b,8bが開いた状態で取上げ位置へ移動し、そこで育苗箱チャックが閉じて育苗箱をつかみ、次いで育苗箱をつかんだ育苗箱チャックが育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置まで移動し、そこで育苗箱チャック8b,8bが開いて育苗箱を解放するように作動する。
【0036】
育苗箱チャック8b,8bを播種育苗箱供給コンベヤ2の取上げ位置から育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置へ移動させるためにロボットアーム8aが作動した時点において、停止用センサPH3−2,PH4−2のいずれかがONである場合は、「異常」として育苗箱段積み装置全体を停止させる。停止用センサPH3−2,PH4−2のいずれもがOFFである場合は、「正常」であると判断し、第二育苗箱ストッパ11を播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込ませる。これにて播種育苗箱供給コンベヤ2は初期状態となり、前記と同様に、各取上げ位置A1,A2に4段重ねの育苗箱がそれぞれ供給される。
【0037】
パレット供給装置16は、フォトセンサPH7がOFFであるとき育苗箱搬出コンベヤ4にパレットPを供給する。そして、搬出用モ−タ17の駆動により育苗箱搬出コンベヤ4を搬送作動させ、そのパレットPがパレット停止位置まで移動すると、育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりも上方に突出した状態にある第一パレットストッパ18によって受け止められる。これにより、フォトセンサPH7,8がONになり、段積みロボット8が播種育苗箱段積み位置にあるパレットPに育苗箱の段積みを開始する。尚、最初のパレットPが供給されたときは、フォトセンサPH7,8がONになると、搬出用モ−タ17の駆動を停止して育苗箱搬出コンベヤ4の作動を停止する構成となっている。段積みロボット8による育苗箱の段積みは、次のように実行される。
【0038】
先ず、1組目の育苗箱は、育苗箱搬出コンベヤ4によるパレットPの搬送方向の中央側で且つ搬送下手側の位置(4列の播種育苗箱段積み位置のうち、搬送下手側から2列目の位置)B1−1,B2−1に載置する。2組目の育苗箱は1組目の育苗箱の上に載置する。以下同様に、所定段数(30段)になるまで育苗箱を段積みする。
【0039】
次に、育苗箱を、パレットPの搬送方向の中央側で且つ搬送上手側の位置(4列の播種育苗箱段積み位置のうち、搬送下手側から3列目の位置)B1−2,B2−2に載置して、前述と同様に、所定段数(30段)になるまで育苗箱を段積みする。このとき、回動機構97は、チャック作動用シリンダ98及び圧力計99からなる突出部分が先に段積みした隣の段積み位置B1−1,B2−1の育苗箱に干渉しないように、播種育苗箱取上げ位置A1,A2から播種育苗箱段積み位置B1−2,B2−2へ移動する間に平面視で右回りに90度回動する。次の育苗箱を取り上げるために、播種育苗箱段積み位置B1−2,B2−2から播種育苗箱取上げ位置A1,A2に戻るとき、回動機構97が平面視で左回りに90度回動して元の姿勢に復帰する。
【0040】
次に、育苗箱を、パレットPの搬送方向の最も搬送下手側の位置(4列の播種育苗箱段積み位置のうち、搬送下手側から1列目の位置)B1−3,B2−3に載置して、前述と同様に、所定段数(30段)になるまで育苗箱を段積みする。このとき、回動機構97は、前記突出部分が先に段積みした隣の段積み位置B1−1,B2−1の育苗箱に干渉しないように、播種育苗箱取上げ位置A1,A2から播種育苗箱段積み位置B1−3,B2−3へ移動する間に平面視で左回りに90度回動する。次の育苗箱を取り上げるために、播種育苗箱段積み位置B1−3,B2−3から播種育苗箱取上げ位置A1,A2に戻るとき、回動機構97が平面視で右回りに90度回動して元の姿勢に復帰する。
【0041】
次に、育苗箱を、パレットPの搬送方向の最も搬送上手側の位置(4列の播種育苗箱段積み位置のうち、搬送下手側から4列目の位置)B1−4,B2−4に載置して、前述と同様に、所定段数(32段)になるまで育苗箱を段積みする。このとき、回動機構97は、前記突出部分が先に段積みした隣の段積み位置B1−2,B2−2の育苗箱に干渉しないように、播種育苗箱取上げ位置A1,A2から播種育苗箱段積み位置B1−4,B2−4へ移動する間に平面視で右回りに90度回動する。次の育苗箱を取り上げるために、播種育苗箱段積み位置B1−4,B2−4から播種育苗箱取上げ位置A1,A2に戻るとき、回動機構97が平面視で左回りに90度回動して元の姿勢に復帰する。
【0042】
尚、上述では、各々の段積み位置での育苗箱の段積みを完了してから次の段積み位置で段積み作業を行う手順について説明したが、各々の段積み位置で設定枚数(例えば、8枚)ずつ順次段積みし、再度各々の段積み位置で設定枚数ずつ順次段積みする、という動作を繰り返す構成としてもよい。また、前記設定枚数は、1枚であってもよい。
【0043】
また、制御装置により、播種育苗箱段積み位置B1−1,B2−1への育苗箱Cの供給動作を開始してから所定時間後(該播種育苗箱段積み位置B1−1,B2−1の段積み枚数が数枚程度になる時)に、第一パレットストッパ18が下降して退避する。尚、育苗箱を設定枚数段積みしたことに起因して、第一パレットストッパ18を下降させて退避させる構成としてもよい。
【0044】
全ての播種育苗箱段積み位置に育苗箱が所定段数ずつ段積みされた時点で、第一パレットストッパ18が下降するとともに、搬出用モ−タ17が駆動して育苗箱搬出コンベヤ4が作動する。
【0045】
育苗箱が所定段数ずつ段積みされたパレットPは、フォトセンサPH11がOFFで育苗箱搬出コンベア4の終端部すなわちパレット取出位置の上にパレットが存在しない場合、パレットPが育苗箱搬出コンベア4の終端部(パレット取出位置)まで送り込まれ第二パレットストッパ20によって停止させられる。上記条件を満たさない場合は、播種育苗箱段積み位置で待機する。このパレットPを育苗箱搬出コンベア4の終端部まで搬送するのに伴って、次のパレットPが育苗箱搬出コンベア4上で共に搬送されるが、フォトセンサPH8がOFFになって前のパレットPが第一パレットストッパ18の位置を完全に通過したことを検出すると、第一パレットストッパ18が上方に突出し、該第一パレットストッパ18が次のパレットPを受け止める。このとき、パレット供給装置16から播種育苗箱段積み位置までの距離より播種育苗箱段積み位置から育苗箱搬出コンベア4の終端部(パレット取出位置)までの距離の方が長いため、次のパレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達した後も前のパレットPが第二パレットストッパ20(パレット取出位置)に到達するまで育苗箱搬出コンベア4が作動し続ける。従って、次のパレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達してフォトセンサPH7,8がONになると、育苗箱搬出コンベア4が作動している状態でも、段積みロボット8が播種育苗箱段積み位置にあるパレットPに育苗箱の段積みを開始する。
【0046】
このとき、育苗箱搬出コンベア4が作動しているため、播種育苗箱段積み位置にあるパレットPは、第一パレットストッパ18で受け止められて育苗箱搬出コンベア4に対して滑りながら停止していても、育苗箱搬出コンベア4から振動を受けやすく、その振動で段積みロボット8によるパレットPへの育苗箱の段積が不適正になるおそれがある。そこで、播種育苗箱段積み位置にパレットを固定できる固定装置19を設けており、該固定装置19により、播種育苗箱段積み位置にあるパレットPを搬送方向に対して左右両側から挟んで押圧して固定し、該パレットPの振動を低減するようにしている。この固定装置19は、パレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達してフォトセンサPH7,8がONの状態で、且つ搬出用モ−タ17が駆動して育苗箱搬出コンベア4が作動している状態のときだけ作動するようになっている。これにより、パレットPへの育苗箱の段積を適正に行えると共に、育苗箱搬出コンベア4により前のパレットPをパレット取出位置へ搬送している状態でもパレットPへの育苗箱の段積を行うことができるので、育苗箱の段積作業の作業能率が向上する。また、図8に示すように、施設のレイアウトに応じて育苗箱搬出コンベア4を伸長する等してパレット取出位置を所望の位置に設定することにより、たとえ播種育苗箱段積み位置からパレット取出位置までの距離が極端に長くなっても、段積作業の作業能率を低下させることがない。例えば、図8の(2)、(3)に示すように、施設の建造物の支柱hが育苗箱搬出コンベア4からパレットPを取り出す作業で邪魔にならないようにパレット取出位置を前記支柱hから離したり、育苗箱搬出コンベア4の左右両側(段積みロボット8側)からパレットPが取り出せるようにパレット取出位置を段積みロボット8から離したりして、パレット取出位置を所望の位置に設定することができる。従来は、作業能率を考慮して播種育苗箱段積み位置からパレット取出位置までの距離を短くしなければならないので、パレット取出位置の設定の自由度が低かった。あるいは、育苗箱搬出コンベアが作動する間は段積作業を停止する必要があり、育苗箱の段積作業の作業能率が低下するおそれがあった。あるいは、育苗箱搬出コンベアを播種育苗箱段積み位置までの部分とパレット取出位置までの部分とに分割して別々に作動させる必要があり、装置全体が大がかりなものとなってコストアップを招くおそれがあった。
【0047】
更に、パレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達してフォトセンサPH7,8がONの状態で、搬出用モ−タ17が駆動して育苗箱搬出コンベア4が作動している状態のときは、搬出用モ−タ17の駆動速度を超低速に減速して育苗箱搬出コンベア4の作動速度を超低速にし、育苗箱搬出コンベア4からの振動を抑制して、段積作業を開始する構成となっている。これにより、上述と同様にパレットPへの育苗箱の段積を適正に行えると共に、育苗箱の段積作業の作業能率が向上する。尚、この実施の形態は、播種育苗箱段積み位置のパレットPへの振動の伝達を抑制する構成として、固定装置19と育苗箱搬出コンベア4の作動速度の制御とを併用したが、何れか一方のみを採用してもよい。
【0048】
尚、育苗箱群を載せたパレットPが育苗箱搬出コンベア4の終端部(パレット取出位置)に送り込まれると、該パレットPをフォークリフトですくい上げて育苗箱搬出コンベヤ4の延長方向に取り出し、出芽室48まで運搬する。
【0049】
ところで、図9は、上述の育苗箱搬出コンベア4に代えて設けられる台車搬送装置76を示すものである。この台車搬送装置76を設けることにより、上述のパレットPの代わりに出芽台車77に育苗箱を段積していく構成の育苗箱段積装置となる。この台車搬送装置76は、出芽台車77に後側から当接して該出芽台車77を押す台車押し具78を備え、搬出用モ−タ17の駆動で作動する無端帯の搬送用ベルト78aにより台車押し具78を前後方向に移動させて出芽台車77を移動させる構成となっている。尚、搬送用ベルト79の適宜の位置に2個の台車押し具78を取り付けている。また、出芽台車77の前側に当接して該出芽台車77の前進を規制するストッパ(ストッパピン)79,80を出芽台車77の移動経路の左右両側から突出可能に設けており、このストッパ(ストッパピン)79,80は、播種育苗箱段積み位置で出芽台車77の前進を規制する第一ストッパ79と播種育苗箱段積み位置の手前で出芽台車77の前進を規制する第二ストッパ80とで前後2か所に設けられている。尚、出芽台車77の左右の車輪77aを案内して出芽台車77の移動を案内する左右2本の案内レ−ル81を備えている。
【0050】
従って、フォトセンサPH7がOFFで台車搬送装置76の始端部に出芽台車77がないとき、人手により台車搬送装置76の始端部(案内レ−ル81の始端部)に出芽台車77を供給する。そして、搬出用モ−タ17の駆動により搬送用ベルト78aを作動させて台車押し具78を前側へ移動させ、その出芽台車77が第一ストッパ79によって受け止められる。これにより、フォトセンサPH7,8がONになり、段積みロボット8が播種育苗箱段積み位置にある出芽台車77に育苗箱の段積みを開始する。尚、最初の出芽台車77が供給されたときは、フォトセンサPH7,8がONになると、搬出用モ−タ17の駆動を停止して台車押し具78の作動を停止する構成となっている。そして、段積みロボット8による出芽台車77への育苗箱の段積が完了すると、第一ストッパ79が退避すると共に、搬出用モ−タ17が駆動して台車押し具78が作動し、出芽台車77を搬出する。このとき、フォトセンサPH8がOFFになって前の出芽台車77が第一ストッパ79の位置を完全に通過したことを検出すると、第一ストッパ79が突出して次の出芽台車77を受け止める。尚、2個の台車押し具78の離間距離は、出芽台車77の前後長より長く、前の出芽台車77が第一ストッパ79の位置を完全に通過した後に第一ストッパ79の位置に次の出芽台車77が供給される構成としている。尚、第二ストッパ80は、段積みロボット8が段積作業をしているときに突出して作用し、次の出芽台車77が播種育苗箱段積み位置に供給されないようにしている。尚、出芽台車77に育苗箱を段積する場合は、固定装置19により、段積作業の間は常時、播種育苗箱段積み位置にある出芽台車77を左右両側から挟んで押圧して固定し、出芽台車77が段積みロボット8の動作で勝手に移動しないようにしている。
【0051】
これにより、出芽台車77に育苗箱を段積する場合、段積作業中に出芽台車77の位置ずれが発生するおそれがあるが、上述のように出芽台車77を固定できるので、育苗箱の段積作業を適正に行え、出芽台車77へ育苗箱を段積することができる。尚、出芽台車77へ育苗箱を段積することにより、出芽室48内へ出芽台車77ごと育苗箱を供給することができ、育苗箱の運搬が容易になる。
【0052】
図10は上記段積み設備1を設置した播種施設のレイアウト図である。この育苗施設は、2階が育苗箱置場となっており、その育苗箱置場の育苗箱Cが育苗箱供給装置40によって1階に設置した播種設備41に1枚ずつ順次供給される。播種設備41は図11に示す構成で、育苗箱Cを一定方向に搬送する育苗箱搬送コンベヤ42に沿って、育苗箱に床土を入れて鎮圧・均平する床土供給装置43、水稲用の灌水装置44、床土の上に種籾を播種する水稲播種装置45、覆土を施す覆土供給装置46、野菜用の灌水装置47が設けられている。播種設備41によって播種等を施された育苗箱は、段積み設備1によってパレットPの上に所定段数ずつ段積みされるとともに、その上に空の育苗箱が載せられる。そして、それをフォークリフトによって出芽室48に搬入して出芽させる。
【0053】
育苗箱供給装置40は、ラグ付きのエレベータ91により育苗施設2階の育苗箱置場から所定枚数(20枚)ずつ段積された空の育苗箱を下降させて1階へ供給する。育苗施設2階には、段積された空の育苗箱群をエレベータ91近くまで搬送するメイン供給コンベヤ93と、該メイン供給コンベヤ93で搬送された空の育苗箱群をシリンダ92aの作動により前記エレベータ91へ押し出して供給する育苗箱供給具92とを備えている。そして、育苗箱供給具92が作動中でなく且つ該育苗箱供給具92の押し出し位置(メイン供給コンベヤ93の終端部)に育苗箱群がないとき、メイン供給コンベヤ93を作動して育苗箱供給具92の押し出し位置(メイン供給コンベヤ93の終端部)に育苗箱群を供給する。また、空の育苗箱群を載せて前記メイン供給コンベヤ93へ搬送して供給できる複数のストックコンベア94を、メイン供給コンベヤ93の2か所で交差させて接続している。メイン供給コンベヤ93におけるストックコンベア94との2か所の交差部には、それぞれ育苗箱群を検出する光電式の育苗箱群センサ95を設けている。メイン供給コンベヤ93が作動中でなく且つ前記育苗箱群センサ95で前記交差部に育苗箱群がないことを検出すると、ストックコンベア94上の育苗箱群が前記交差部に供給されるまでストックコンベア94を作動させて育苗箱群センサ95による育苗箱群の検出でストックコンベア94を停止させる。
【0054】
メイン供給コンベヤ93は、搬送上手側から順に、長い直線経路の主コンベヤ93a、屈曲経路のカーブコンベヤ93b、直線経路のカウンタコンベヤ93c及び直線経路で育苗箱供給具92の位置まで延びる最終コンベヤ93dから構成され、各々のコンベヤは搬送駆動する。主コンベヤ93aでは、連続する育苗箱群を密着させた状態で一定速度(例えば、1.0m/s)で搬送する。これに続くカーブコンベヤ93bは、主コンベヤ93aよりも速い高速度(例えば、1.2m/s)で搬送し、連続する育苗箱群どうしの間隔をとって育苗箱群を円滑に屈曲経路で搬送させる。次のカウンタコンベヤ93cは、カーブコンベヤ93bに続いて高速度(例えば、1.2m/s)で搬送する。最後の最終コンベヤ93dは、カーブコンベヤ93b及びカウンタコンベヤ93cよりも遅い速度で主コンベヤ93aと同じ速度(例えば、1.0m/s)で搬送し、連続する育苗箱群を密着させ、育苗箱供給具92の押し出し位置へ搬送する。これにより、カーブコンベヤ93b及びカウンタコンベヤ93cでは高速度で育苗箱群どうしの間隔を空けて屈曲経路を円滑に搬送しながら、最終コンベヤ93dで育苗箱群の搬送速度を減速させることにより、育苗箱供給具92の押し出し位置では連続する育苗箱群が密着した状態となるので、育苗箱群が斜めに傾くこと(特に、メイン供給コンベヤ93の搬送上手側に傾くこと)が防止され、育苗箱供給具92により適正に育苗箱群を押し出すことができる。尚、最終コンベヤ93d(主コンベヤ93a)の搬送速度は、カーブコンベヤ93b及びカウンタコンベヤ93cの搬送速度の95%よりも小さく(遅い速度)に設定することが望ましい。
【0055】
また、水稲播種装置45の貯留する種籾の減少に伴って、種籾コンテナ50から自動的に該水稲播種装置45へ種籾を供給する種籾供給コンベア51を設けている。この播種施設には浸種水槽52を複数個設けており、水を張った該浸種水槽52内へ種籾を収容した状態の種籾コンテナ50を沈めて浸種して種子の芽出しを促進した後、その種子を水稲播種装置45へ供給するようになっている。この浸種行程において、浸種水槽52内に電解水や薬液等の消毒液を充填することにより、種子の消毒も行うことができる。
【0056】
ところで、播種設備41は、水稲用の灌水装置44及び水稲播種装置45を含む育苗箱搬送コンベヤ42の中途部に備える水稲用搬送コンベア部60を着脱できる構成となっており、この水稲用搬送コンベア部60に代えてこれと同じ長さの野菜用搬送コンベア部61を装着できるようになっている。野菜用搬送コンベア部61には野菜播種装置62を設けており、この野菜播種装置62は、育苗箱搬送コンベヤ42において育苗箱Cに代えて搬送される苗トレイTの縦横に設けたそれぞれの育苗ポットへ点播する構成となっている。尚、野菜用搬送コンベア部61を装着して野菜の種子を播種するときには、野菜用の灌水装置47を作動させ、覆土供給装置46により覆土した後に灌水するようになっている。また、野菜の種子を播種するときには、野菜播種装置62で適正な点播を行うために播種能率を水稲種子のときより低下させる必要があり、育苗箱搬送コンベヤ42を含む播種設備41全体の作動速度を低速に切り替える。尚、野菜播種においては、前記苗トレイに限らず、個々に構成された育苗ポットを縦横に配置したものを育苗箱搬送コンベヤ42で搬送し、前記個々の育苗ポットに播種を行うこともできる。
【0057】
このように、同じ長さの水稲用搬送コンベア部60と野菜用搬送コンベア部61とを交換することで水稲播種と野菜播種とを切り替えできるので、この切り替えが簡単になり、水稲播種と野菜播種とで床土供給装置43及び覆土供給装置46等は共用できる。また、水稲播種装置45と野菜播種装置62とのうちのいずれか不要なものを装着する必要がないので、播種設備41を短く構成でき、播種設備41の設置スペ−スを小さくすることができる。従来、育苗箱搬送コンベヤ上に水稲播種装置と野菜播種装置とを直列に設け、この両播種装置を選択的に駆動させて水稲播種と野菜播種とを切り替えできるようにしたものが知られているが、前記両播種装置を設けなければならないので播種設備が長くなり、播種設備の設置スペ−スが大きくなる虞がある。
【0058】
また、水稲用搬送コンベア部60において、水稲用の灌水装置44を育苗箱搬送上手側端部に、水稲播種装置45を育苗箱搬送下手側端部に配置し、水稲用の灌水装置44と水稲播種装置45との間隔aを広く構成している。これにより、灌水装置44による灌水が育苗箱に十分浸透してから水稲播種装置45により育苗箱に播種することができ、水が浮いた状態で播種することにより播種した籾が移動して育苗箱において播種むらが生じるようなことを抑制でき、播種の均一化を図ることができる。尚、水稲用搬送コンベア部60を装着したときに水稲播種装置45と覆土供給装置46との間隔bは育苗箱1枚分以上の長さがあり、仮に水稲播種装置45で適正に播種できなかったときは、この間隔b部で育苗箱を育苗箱搬送コンベヤ42から取り出すことができる。
【0059】
また、野菜用搬送コンベア部61において、その搬送上手側端部に野菜播種装置62を配置し、野菜用搬送コンベア部61を装着したときに野菜播種装置62と覆土供給装置46との間隔dが広くなるように構成している。この間隔d部で、作業者が野菜播種装置62により各育苗ポットに適正に点播されているかどうかを確認することができ、適正に点播されていないときはこの間隔d部で苗トレイ又は育苗ポットを育苗箱搬送コンベヤ42から取り出すことができる。
【0060】
尚、播種設備41で野菜の種子を播種する場合は、第一並びに第二育苗箱積重ね装置6,7による段積みは行わず、例えば苗トレイTを一枚づつ播種育苗箱取上げ位置A1,A2まで搬送する。そして、育苗箱搬出コンベア4により育苗ベンチBを供給し、該育苗ベンチBへ播種育苗箱段積みロボット8により平面状に苗トレイを供給する。前記育苗ベンチBは、縦方向に6列、横方向に4列の計24枚の苗トレイTを載置できる構成となっている。育苗箱搬出コンベア4により育苗ベンチBを播種育苗箱取上げ位置A1,A2に対向する位置まで搬送して停止し、育苗箱搬出コンベア4を停止させた状態で播種育苗箱段積みロボット8により育苗ベンチBの該ロボット8とは反対側から順に苗トレイを2枚づつ供給する。播種育苗箱段積みロボット8による2枚づつの苗トレイの供給を4回繰り返して縦2列分(計8枚)の供給が完了すると、押付装置63の押付具64を育苗ベンチBに挿入し、該押付具64により育苗ベンチB内の苗トレイTを育苗ベンチ移動側に押し付け、1列目と2列目との苗トレイの隙間を詰める。水稲用の育苗箱CをパレットPに載せるときには隣接する育苗箱Cの間を開けて載せるため、及び播種育苗箱段積みロボット8の把持爪31が存在するため、播種育苗箱段積みロボット8の2組の育苗箱チャック8a,8bの互いの間隔があるが、前記押付装置63を装着することにより苗トレイTを育苗ベンチBに隙間なく並べることができる。
【0061】
そして、押付装置63の押付具64が元の位置に戻り、育苗箱搬出コンベア4が駆動して苗トレイ2枚分の距離だけ移動して停止し、前述と同様に播種育苗箱段積みロボット8により縦2列分(計8枚)の供給し、押付装置63により苗トレイの隙間を詰める。この動作をもう1回行って、育苗ベンチBの全面に苗トレイTが並べられる。以下同様に、順次搬送される育苗ベンチBへ播種育苗箱段積みロボット8により苗トレイを供給していく構成となっている。このとき、前述の作動を行わせるべく、播種育苗箱段積みロボット8及び育苗箱搬出コンベア4の制御プログラムを切り替えるようになっている。尚、野菜の場合は、一般的に苗トレイTを段積する必要がないので、第一育苗箱積重ね装置6及び第二育苗箱積重ね装置7の作動速度を2倍の速度にして、第一育苗箱積重ね装置6及び第二育苗箱積重ね装置7で苗トレイTを段積しないようにしている。
【0062】
このように播種育苗箱段積みロボット8及び育苗箱搬出コンベア4を共用して、育苗ベンチBへの苗トレイの供給が行えるので、装置を移動させたりするような多大な切替の手間が必要なく、段積み設備1の汎用性が向上する。尚、前述の育苗ベンチBに代えて苗トレイを棚積みできる棚積み台車を育苗箱搬出コンベア4で搬送し、苗トレイの供給高さが棚積み台車の棚の高さと一致するよう播種育苗箱段積みロボット8が自動的に作動するようにすると、播種育苗箱段積みロボット8及び育苗箱搬出コンベア4を共用して苗トレイの棚積み作業も行える。
【0063】
ところで、水稲の育苗において、出芽室48で出芽させた育苗箱は、緑化台車146に棚積みし、該緑化台車146ごと温度管理された緑化室へ搬入して、所定の大きさに苗が成育するまで育苗することができる。緑化室において、緑化台車146は互いに左右間隔を空けて配置され、この間隔部に上方から吊り下げられた灌水パイプ146により緑化台車146の側方から該緑化台車146に収容された育苗箱に灌水する。尚、前記灌水パイプ66は、無数の水噴出孔を備え、緑化台車146の上下全幅にわたって同時に灌水するようになっている。灌水パイプ66は左右に延びる主パイプ67に上部が連結され、この主パイプ67を固定する前後移動ガーター68が前後移動することにより、前後に並ぶ緑化台車146の全てに灌水する構成となっている。
【0064】
出芽室48内で発芽した育苗箱群は、緑化台車146へ積み替えるにあたり、パレットP又は出芽台車77ごと育苗箱積替装置143に供給される。前記育苗箱積替装置143は、段積された育苗箱群を一枚の育苗箱の高さ分づつリフトする段積リフト部144と該段積リフト部144の育苗箱の段積を解除して該育苗箱を搬送する育苗箱搬送部145と該育苗箱搬送部145により搬送された育苗箱を緑化台車146…に棚積みする棚積部147とを備えて構成され、段積みされた育苗箱群を緑化台車146…にそれぞれ棚積していくようになっている。尚、この育苗箱積替装置143は、前記段積リフト部144、前記育苗箱搬送部145及び前記棚積部147により、3列の育苗箱群を同時にリフトし、3列の育苗箱群の段積を同時に解除し、段積が解除された3枚の育苗箱を同時に緑化台車146…に棚積みしていく構成となっている。
【0065】
前記段積リフト部144は、フォ−ク148によりパレットP又は出芽台車77上の段積みされた育苗箱群をすくってリフト位置149へ供給すると共に、後述する苗検出センサ104からの信号により前記育苗箱群を一枚の育苗箱の高さ分づつリフトする構成となっている。尚、前記フォ−ク148は、フォ−ク昇降用モ−タ(図示せず)の正逆転により昇降する構成となっている。また、前記育苗箱搬送部145は、前記段積リフト部144から前記棚積部147へ育苗箱を搬送するロ−ラコンベア150と前記段積リフト部144のリフト位置149にある育苗箱群の最上の育苗箱を左右2枚ずつ把持して前記ロ−ラコンベア150上へ供給する育苗箱載替装置151とを備えて構成される。前記育苗箱載替装置151は、段積リフト部144のリフト位置149にある最上の育苗箱を押付具152により上方から押し付けながら前後の把持部153により上方へ取り上げると共に、前記育苗箱を後方のロ−ラコンベア150の上方へ横移動させた後、育苗箱を下降させて該ロ−ラコンベア150上へ供給し前記把持部153の把持を解除する構成となっている。尚、把持部153の昇降、横移動及び把持の作動あるいは解除は、それぞれ把持部昇降シリンダ、把持部横移動シリンダ及び把持部153に設けた把持シリンダにより行われる。従って、この育苗箱積替装置143は、前記段積リフト部144にある育苗箱群の段積を解除して育苗箱を前記棚積部147へ搬送するようになっている。尚、前記ロ−ラコンベア150は、育苗箱を搬送するべく常時駆動している。そして、前記段積リフト部144は、段積された育苗箱の残り枚数が所定の枚数となる前記フォ−ク148により所定の高さまで育苗箱群をリフトしたら、前記フォ−ク148から前記育苗箱群を上部の引継ラグ154が引き継いで前記フォ−ク148と同様に全ての育苗箱が育苗箱載替装置143により段積みリフト部144からなくなるまで一枚の育苗箱の高さ分づつリフトするようになっている。従って、前記フォ−ク148は、前記引継ラグ154に育苗箱群を引き継いだ後、引継ラグ154が前記育苗箱群を所定高さづつリフトしている間に次の育苗箱群を段積リフト部144のリフト位置149へ供給すべく作動する構成となっている。尚、前記引継ラグ154は、無端帯の適宜位置に設けられ、引継ラグ作動用モ−タ(図示せず)の作動で上昇する構成となっている。
【0066】
段積リフト部144には育苗箱群の最上の育苗箱の苗を検出する光電式の苗検出センサ104を設けており、該苗検出センサ104により上昇する育苗箱群の最上の育苗箱の苗が苗検出センサ104が配置される所定の高さに到達すると、制御装置を介してフォ−ク昇降用モ−タ又は引継ラグ作動用モ−タの作動を停止して段積リフト部144の上昇作動を停止させると共に、把持部昇降シリンダを作動させ把持部153を下降させて育苗箱載替装置151の作動を開始させる。尚、前記苗検出センサ104は、横方向(水平方向)に光を照射して物体を検出する構成となっている。また、制御装置には、苗検出センサ104の苗の検出から段積リフト部144の作動停止及び育苗箱載替装置151の作動開始を行わせるまでの遅延時間を変更可能なタイミング変更調節ダイヤル(図示せず)を設けている。
【0067】
把持部153には、把持する育苗箱から直ぐ下段の育苗箱を離すための引き離し具100を設けている。引き離し具100は、引き離し用シリンダ100aにより昇降作動する。把持部153が、育苗箱群の最上の育苗箱を把持して該育苗箱を取り上げるべく上昇するとき、この把持部153の上昇に連動して該上昇の速度と同じ速度で引き離し具100が下降して前記下段の育苗箱を上側から押さえ、下段の育苗箱が連れ上がるのを防止する。尚、把持部153が上昇終端に到達すると、引き離し具100も上昇して下段の育苗箱から離れて元の位置に戻る。その後、把持部153により育苗箱を横移動させてロ−ラコンベア150上に供給する。
フォ−ク148の昇降位置を検出する昇降位置センサを設け、該昇降位置センサの検出に基づいて、育苗箱が把持部153で取り上げられて段積された育苗箱の残り枚数が設定枚数以上であれば上述のように引き離し具100を作動させ、前記設定枚数未満であれば、引き離し具100を作動させずに下段の育苗箱の引き離し動作を行わない構成としている。これにより、段積みされた育苗箱群の上段付近でのみ引き離し具100を作動させることにより、根や芽の伸長が旺盛で上下の育苗箱に絡んで育苗箱を引き離し難くなる前記上段付近で、的確に育苗箱を引き離して取り出すことができると共に、前記上段付近以外のさほど根や芽の伸長量がなく引き離しが容易な育苗箱では、引き離し具100を作動させないので、余計な動作を省略できる分、作業能率の向上が図れる。
【0068】
前記ロ−ラコンベア150には搬送上手側と搬送下手側とに育苗箱ストッパ155を設け、該育苗箱ストッパ155に搬送されてくる育苗箱が当接して育苗箱をロ−ラコンベア150上の所定の位置で停止させる構成となっている。前記育苗箱ストッパ155は、前記ロ−ラコンベア150の育苗箱搬送経路に対して出退可能になっており、該育苗箱を通過させるべく上方に退避する構成となっている。そして、前記搬送上手側と搬送下手側との育苗箱ストッパ155により、ローラコンベア150上の2位置で計4枚の育苗箱を同時に停止できるようになっている。
【0069】
前記棚積部147は、前記ロ−ラコンベア150の一側に設けた緑化台車昇降部159と、ロ−ラコンベア150に対して前記緑化台車昇降部159とは反対側に前記育苗箱ストッパ155に対応して搬送上手側と搬送下手側とにそれぞれ設けた押出装置160とを備えて構成される。また、前記緑化台車昇降部159において、緑化台車146の上下に所定間隔ごとに複数設けた育苗箱が載る棚157aのそれぞれがロ−ラコンベア150と同じ高さとなるように緑化台車146を昇降させる構成となっている。従って、この棚積部147は、前記緑化台車昇降部159において緑化台車146を昇降させて前記棚157aとロ−ラコンベア150とを同じ高さにした状態で、前記押出装置160により育苗箱ストッパ155により停止しているロ−ラコンベア150上の育苗箱を前記緑化台車146の棚に押し込んで育苗箱を棚積していく構成となっている。尚、前記押出装置160により、ロ−ラコンベア150で搬送される計4枚の育苗箱を同時に緑化台車146の棚157aに押し込むようになっている。
【0070】
前記緑化台車146は、キャスタ−付きの計4個の車輪157bを備えると共に、同じ高さの棚157aに育苗箱Cが4枚載置される構成となっている。そして、この緑化台車146に育苗箱を棚積みするにあたり、先ず、緑化台車146の最下段の棚157aがローラコンベア150の高さに到達する最上位置まで緑化台車146を上昇させ、前記育苗箱ストッパ155及び前記押出装置160を作用させると共に緑化台車昇降部159において緑化台車146を間欠的に棚157aの上下ピッチごとに下降させ、緑化台車146の最下の棚157aから順に育苗箱を4枚づつ棚積し、最上の棚157aまで棚積されて緑化台車146への棚積が完了する。これにより、1つの棚157aに計4枚の育苗箱を同時に載置することができ、棚積み前の軽量である空の緑化台車146を速い速度で上昇させることができるので、棚積みの能率が向上する。また、棚積みされるごとに緑化台車146が下降するので、棚積みにより重量が増大した緑化台車146が高位から転落することを防止でき、安全性が向上する。
ロ−ラコンベア150上において、押出装置160が押し出す育苗箱Cの位置(育苗箱ストッパ155で受け止められる育苗箱Cの位置)の搬送上手側直前位置に停止用育苗箱センサを設け、該停止用育苗箱センサよりも搬送上手側に減速用育苗箱センサを設けている。押出装置160が押出動作を完了していないにも拘らず、次の育苗箱が到着したことを減速用育苗箱センサが検出すると、ローラコンベア150の搬送速度を減速し、前記育苗箱が到着したことを停止用育苗箱センサが検出すると、ローラコンベア150を停止し、次の育苗箱が先行する育苗箱や動作中の押出装置160に干渉するトラブルを防止している。尚、ローラコンベア150の停止中に押出装置160の動作が完了すると、ローラコンベア150を再始動する構成となっている。また、停止用育苗箱センサの検出によりローラコンベア150が停止したとき、把持部153は、把持する育苗箱をローラコンベア150に移す直前の該ローラコンベア150の上方の離れた位置で待機し、ローラコンベア150を再始動してから所定時間後に把持部153の作動を再開する。これにより、ローラコンベア150上での育苗箱の搬送ピッチが極端に狭くなることを防止し、育苗箱積替作業におけるトラブルを防止している。
【0071】
緑化台車昇降部159には、緑化台車146を載置する緑化台車載置枠161と前記緑化台車載置枠161を昇降させるための昇降用モ−タ162と前記昇降用モ−タ162の駆動により上下に作動する昇降用チェ−ン163とを設けている。前記緑化台車載置枠161は、当該施設のフロア面164より下側に堀り込んだ堀り込み部分165に入り込んで、上面を前記フロア面164と同じ高さにすることができる。よって、人手で緑化台車146を押すことにより車輪157bを回転させ該緑化台車146を移動させて緑化台車載置枠161に載置するとき、緑化台車146を登り傾斜において移動させる必要がなく水平方向に移動させるだけでよいので、緑化台車146の移動が容易に行える。また、前記緑化台車載置枠161は、平面視で中央部分に孔161aが開いた4角枠の形状になっており、平面視で緑化台車146の外周部にある4個の車輪157bの下側に当接して緑化台車146を支持する構成となっている。また、緑化台車昇降部159には、緑化台車載置枠161に載置されて昇降する緑化台車146の外周部に当接して該緑化台車146が前後左右に移動しないようにするための緑化台車ガイドローラ166を計8個設けている。前記緑化台車ガイドローラ166は、緑化台車146が最下降位置にあるとき該緑化台車146の上端より上側で且つ上下方向において該押出装置160に近い押出装置160より下側に設けられ、緑化台車昇降部159における緑化台車146の搬入、搬出時に邪魔にならず、押出装置160による育苗箱の挿入棚の位置決めを精度良く行える。緑化台車載置枠161の前後左右の4隅にはそれぞれ前記昇降用チェ−ン163を設け、この4本の昇降用チェ−ン163により前記緑化台車載置枠161を吊り下げ支持可能な構成となっている。そして、前記昇降用モ−タ162の駆動により、前記昇降用チェ−ン163が駆動して緑化台車載置枠161を昇降するようになっている。
【0072】
育苗箱積替装置143で育苗箱が棚積みされた緑化台車146を緑化室内へ搬送する手段は、人手により緑化台車146を押して搬送する手段の他、緑化用移動台車167により自動的に緑化室内へ搬送することができる。緑化用移動台車167は、左右の遊転輪168と車体左右中央に設けた前後の駆動輪169との計4個の車輪により走行する。この緑化用移動台車167は、車体に対して昇降するリフタ−170と該リフタ−170及び前記駆動輪169の駆動を制御する制御盤171とリフタ−170及び駆動輪169の駆動するためのバッテリ−(図示せず)と車体の前後端それぞれのバンパ−173とを備えて構成され、前記リフタ−170の上昇により該リフタ−170が緑化台車146の左右中央部に下方から当接して前記緑化台車146の車輪157bをフロア面164から浮かせた状態で緑化台車146を支持し、走行することにより緑化台車146を搬送する構成となっている。
【0073】
従って、育苗箱積替装置143の緑化台車昇降部159において空の緑化台車146へ育苗箱を棚積するべく前記緑化用移動台車167により前記緑化台車昇降部159へ前記緑化台車157を搬送するとき、緑化台車157を支持した緑化用移動台車167が前記緑化台車昇降部159の所定の位置まで緑化台車157を搬送して停止し、前記リフタ−170を下降して緑化台車昇降部159の緑化台車載置枠161上に緑化台車157の車輪157bを載せるようになっている。このとき、平面視で前記緑化台車載置枠161の中央部分の孔161a内に前記緑化用移動台車167が納まるようになっているので、緑化台車載置枠161を昇降させても該緑化台車載置枠161と前記緑化用移動台車167とが干渉しない構成となっている。
【0074】
これにより、緑化台車146を搬送した位置で緑化用移動台車167を停止させたまま緑化台車146に育苗箱を棚積していき、緑化台車146への育苗箱の棚積みが完了すると停止している前記緑化用移動台車167により緑化台車146を緑化台車昇降部159から搬出することができる。よって、緑化台車昇降部159からの緑化台車157の搬出において、格別に緑化用移動台車167を緑化台車昇降部159へ移動させる必要がなくなると共に棚積が完了した緑化台車146の搬出を即座に行え、緑化台車146の搬出作業の作業能率の向上を図ることができる。また、緑化用移動台車167により緑化台車昇降部159へ緑化台車146を搬入した状態で緑化台車146への棚積作業ができるので、緑化台車146への棚積作業を緑化台車146を搬入した後に即座に行え、前記棚積み作業の作業能率の向上を図ることができる。
【0075】
以上により、育苗箱段積み装置は、パレット(P)、台車(77)又は育苗ベンチ(B)等の段積み基体上の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を順次供給して段積みする育苗箱段積み装置であって、育苗箱取上位置にある育苗箱(C)を取り上げて保持する育苗箱チャック(8b)と、先端部に設けた前記育苗箱チャック(8b)を育苗箱取上位置と前記育苗箱段積み位置との間で移動させるロボットアーム(8a)と、育苗箱チャック(8b)をロボットアーム(8a)に対して上下方向の軸を中心に回動させる回動機構(97)とを設け、育苗箱取上位置から育苗箱段積み位置へロボットアーム(8a)及び回動機構(97)の作動により育苗箱(C)を回動させながら移動させる構成としている。
【0076】
これにより、育苗箱段積み位置へロボットアーム(8a)及び回動機構(97)の作動により育苗箱(C)を回動させながら移動させるので、育苗箱を平行状に移動させるのに比較して、育苗箱(C)内の土や種子の偏りを抑えることができると共に、育苗箱(C)の段積み作業能率の向上を図ることができる。
【0077】
また、前記段積み基体上の複数の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みする構成とし、複数の育苗箱段積み位置のうち、外側の育苗箱段積み位置に優先して中央の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を段積みする手順、特に段積み基体の中央に対して対称な位置に順次育苗箱(C)を段積みする手順で作動する構成としている。
【0078】
従って、外側の育苗箱段積み位置に優先して中央の育苗箱段積み位置へ育苗箱(C)を段積みするので、外側の育苗箱段積み位置へ優先して育苗箱(C)を段積みする構成に比較して、段積み基体上の重量バランスが大きく崩れることを防止でき、ひいては段積み基体上で段積みされた育苗箱群が斜めに傾くようなことを防止でき、段積み基体上で育苗箱(C)を適正な段積み姿勢で段積みできる。
【0079】
また、回動機構(97)により回動する育苗箱チャック(8b)の一部分又は該育苗箱チャック(8b)に付随する構造物を、平面視で育苗箱チャック(8b)が保持する育苗箱(C)に対して一方側に突出させて設けた突出部分とし、回動機構(97)は、育苗箱取上位置の状態から育苗箱チャック(8b)を正方向と逆方向の何れにも回動し得る構成とし、外側の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みするとき、前記突出部分が中央の育苗箱段積み位置とは反対側となる方向に回動機構(97)を回動させる構成としている。
【0080】
従って、突出部分が中央の育苗箱段積み位置とは反対側となる方向に回動機構(97)を回動させるので、外側の育苗箱段積み位置に育苗箱(C)を段積みするとき、前記突出部分が既に段積みした隣接する育苗箱(C)に干渉することを防止でき、隣接する育苗箱群の段積み姿勢を悪化させることを防止でき、段積み基体上で育苗箱(C)を適正な段積み姿勢で段積みできる。ひいては、隣り合う育苗箱段積み位置どうしを近付けて配置できるので、限られた面積の段積み基体上に多数の育苗箱(C)を段積みすることができ、育苗箱(C)の段積み作業能率の向上を図ることができる。
【0081】
また、育苗箱(C)が段積みされていない空の段積み基体を育苗箱段積み位置へ搬送すると共に、育苗箱(C)が段積みされた段積み基体を搬出する育苗箱搬出コンベヤ(4)を設け、搬送される空の段積み基体を育苗箱段積み位置に対応する停止位置で受け止めて停止させるストッパ(18)を設け、ストッパ(18)は、段積み基体上への育苗箱(C)の段積み作業の途中で、育苗箱搬出コンベヤ(4)により段積み基体を搬送可能な状態に退避する構成としている。
【0082】
従って、段積み基体上への育苗箱(C)の段積み作業が完了し、段積みされた育苗箱群が高くなった状態でストッパ(18)が退避するのに比較して、段積み基体上の育苗箱群は比較的低い状態であるので、ストッパ(18)の退避で段積み基体へ伝わる振動や衝撃等により、段積みされた育苗箱群が斜めに傾くようなことを防止でき、段積み基体上で育苗箱(C)を適正な段積み姿勢で段積みできる。一方、育苗箱(C)の段積みする前の空の段積み基体からストッパ(18)が退避するのに比較して、段積みされた育苗箱(C)により段積み基体にある程度の重量がかかっているので、ストッパ(18)の退避で段積み基体へ伝わる振動や衝撃等により、段積み基体が位置ずれすることを防止でき、段積み基体の位置が不適正であることによる育苗箱(C)の段積み不良の発生を防止でき、育苗箱(C)を適正に段積みできる。
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