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特開2015-226611電子内視鏡システム及びこれに用いる頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-226611(P2015-226611A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】電子内視鏡システム及びこれに用いる頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20151120BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20151120BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   A61B1/00 300B
   G02B23/24 B
   G06F3/01 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-113106(P2014-113106)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】向本 徹
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
5E555
【Fターム(参考)】
2H040DA01
2H040DA21
2H040GA02
2H040GA11
4C161DD03
4C161GG11
4C161HH51
4C161JJ17
5E555AA04
5E555BA22
5E555BB22
5E555BC13
5E555BE10
5E555CA44
5E555CB19
5E555CB66
5E555CC01
5E555EA25
5E555FA01
(57)【要約】
【課題】衛生面に優れるとともに、内視鏡操作者が電子内視鏡用プロセッサから離れており且つその両手が電子内視鏡を操作することで塞がっている場合であっても、内視鏡操作者の意図するタイミングに合わせて電子内視鏡システムに関する所望の操作を実行することができる電子内視鏡システム及びこれに用いる頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置を得る。
【解決手段】頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、内視鏡操作者の頭部に着脱可能であり、内視鏡操作者の頭部に装着した状態で、内視鏡操作者の頭部ジェスチャを検出し、その検出結果に応じて、電子内視鏡、電子内視鏡用プロセッサおよびモニタ装置の少なくとも1つに関する操作を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象部位の画像信号を出力する電子内視鏡と、
前記電子内視鏡から入力した画像信号に画像処理を施して撮影画像を出力する電子内視鏡用プロセッサと、
前記電子内視鏡用プロセッサから入力した撮影画像を表示するモニタ装置と、
内視鏡操作者の頭部に着脱可能であり、前記内視鏡操作者の頭部に装着した状態で、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを検出し、その検出結果に応じて、前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する操作を実行する頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置と、
を有することを特徴とする電子内視鏡システム。
【請求項2】
請求項1記載の電子内視鏡システムにおいて、
前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャと、前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する操作とを一対一の関係で対応付けて割り当てるためのインターフェースをさらに有する電子内視鏡システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の電子内視鏡システムにおいて、
前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを異なる複数種類の運動として検出し、この異なる複数種類の運動としての頭部ジェスチャ毎に、前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する異なる操作が対応付けて割り当てられている電子内視鏡システム。
【請求項4】
請求項3記載の電子内視鏡システムにおいて、
前記内視鏡操作者の異なる複数種類の運動としての頭部ジェスチャは、前記内視鏡操作者の頭部の前後往復運動、前記内視鏡操作者の頭部の左右往復運動および前記内視鏡操作者の頭部の回転運動の3つの運動を含んでおり、
前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する異なる操作は、前記電子内視鏡用プロセッサによる画像信号の画像処理モードの切り替え操作、前記電子内視鏡用プロセッサが出力して前記モニタ装置が表示する撮影画像のフリーズ操作、および前記電子内視鏡用プロセッサから前記電子内視鏡に導かれる照明光の光量調整操作の3つの操作を含んでおり、
前記3つの運動としての頭部ジェスチャと前記3つの操作とがそれぞれ一対一の関係で対応付けて割り当てられている電子内視鏡システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の電子内視鏡システムにおいて、
前記電子内視鏡と前記電子内視鏡用プロセッサの少なくとも一方には、前記内視鏡操作者の操作により、前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置の作動状態と非作動状態を切り替えるための切り替えスイッチが設けられている電子内視鏡システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の電子内視鏡システムにおいて、
前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置に加わる加速度に基づいて、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを検出する電子内視鏡システム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項記載の電子内視鏡システムにおいて、
前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、前記内視鏡操作者の額に巻き付けて固定するタイプと前記内視鏡操作者の耳に引っ掛けて固定するタイプのいずれかである電子内視鏡システム。
【請求項8】
観察対象部位の画像信号を出力する電子内視鏡と、前記電子内視鏡から入力した画像信号に画像処理を施して撮影画像を出力する電子内視鏡用プロセッサと、前記電子内視鏡用プロセッサから入力した撮影画像を表示するモニタ装置と、を有する電子内視鏡システムと組み合わせて使用され、
内視鏡操作者の頭部に着脱可能であり、前記内視鏡操作者の頭部に装着した状態で、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを検出し、その検出結果に応じた前記電子内視鏡システムに関する少なくとも1つの処理を前記電子内視鏡用プロセッサに実行させる、ことを特徴とする頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡システム及びこれに用いる頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡システムは、その基本構成として、観察対象部位の画像信号を出力する電子内視鏡と、この電子内視鏡から入力した画像信号に画像処理を施して撮影画像を出力する電子内視鏡用プロセッサと、この電子内視鏡用プロセッサから入力した撮影画像を表示するモニタ装置と、を有している。
【0003】
電子内視鏡システムに関する各種操作には、例えば、電子内視鏡用プロセッサが出力してモニタ装置が表示する撮影画像のフリーズ操作、電子内視鏡用プロセッサによる画像信号の画像処理モードの切り替え操作、電子内視鏡用プロセッサから電子内視鏡に導かれる照明光の光量調整操作、ポンプ駆動による電子内視鏡からの送気送水量の調整操作等が含まれる。
【0004】
従来、電子内視鏡システムに関する各種操作は、例えば、電子内視鏡用プロセッサに接続されたキーボードを用いた入力操作あるいは電子内視鏡用プロセッサの筐体に設けられたタッチパネルを用いた入力操作によって実行していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−185541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子内視鏡システムによる観察中は、医師(内視鏡操作者)が電子内視鏡用プロセッサから離れており且つその両手が電子内視鏡を操作することで塞がっているため、医師が自らキーボードやタッチパネルによる入力操作を実行するのは難しい。仮に、医師がこれらの入力操作を実行出来たとしても、内視鏡手術中には医師の手が汚れることが多く、その汚れた手でキーボードやタッチパネルを触る行為は、衛生面の観点から好ましくない。
【0007】
一方、医師ではなく看護師等の補助者がキーボードやタッチパネルによる入力操作を代替的に実行することも考えられるが、看護師等の補助者が医師(内視鏡操作者)の意図するタイミングに合わせてこれらの入力操作を実行するのは非常に困難である。
【0008】
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、衛生面に優れるとともに、内視鏡操作者が電子内視鏡用プロセッサから離れており且つその両手が電子内視鏡を操作することで塞がっている場合であっても、内視鏡操作者の意図するタイミングに合わせて電子内視鏡システムに関する所望の操作を実行することができる電子内視鏡システム及びこれに用いる頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、内視鏡手術中に医師(内視鏡操作者)がモニタ装置を注視していてその頭部が安定状態にある(特定の意図なく動くことが少ない)ことに着目し、医師の頭部に、医師の意図するタイミングに合わせて電子内視鏡システムに関する所望の操作を実行するための頭部ジェスチャ(頭部の動き)を検出する頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置を装着するという知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明の電子内視鏡システムは、観察対象部位の画像信号を出力する電子内視鏡と、前記電子内視鏡から入力した画像信号に画像処理を施して撮影画像を出力する電子内視鏡用プロセッサと、前記電子内視鏡用プロセッサから入力した撮影画像を表示するモニタ装置と、内視鏡操作者の頭部に着脱可能であり、前記内視鏡操作者の頭部に装着した状態で、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを検出し、その検出結果に応じて、前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する操作を実行する頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置と、を有することを特徴としている。
【0011】
本発明の電子内視鏡システムは、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャと、前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する操作とを一対一の関係で対応付けて割り当てるためのインターフェースをさらに有することができる。
【0012】
前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを異なる複数種類の運動として検出し、この異なる複数種類の運動としての頭部ジェスチャ毎に、前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する異なる操作を対応付けて割り当てることができる。
【0013】
前記内視鏡操作者の異なる複数種類の運動としての頭部ジェスチャは、前記内視鏡操作者の頭部の前後往復運動、前記内視鏡操作者の頭部の左右往復運動および前記内視鏡操作者の頭部の回転運動の3つの運動を含んでおり、前記電子内視鏡、前記電子内視鏡用プロセッサおよび前記モニタ装置の少なくとも1つに関する異なる操作は、前記電子内視鏡用プロセッサによる画像信号の画像処理モードの切り替え操作、前記電子内視鏡用プロセッサが出力して前記モニタ装置が表示する撮影画像のフリーズ操作、および前記電子内視鏡用プロセッサから前記電子内視鏡に導かれる照明光の光量調整操作の3つの操作を含んでおり、前記3つの運動としての頭部ジェスチャと前記3つの操作とをそれぞれ一対一の関係で対応付けて割り当てることができる。
【0014】
前記電子内視鏡と前記電子内視鏡用プロセッサの少なくとも一方には、前記内視鏡操作者の操作により、前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置の作動状態と非作動状態を切り替えるための切り替えスイッチを設けることができる。
【0015】
前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置に加わる加速度に基づいて、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを検出することができる。
【0016】
前記頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、前記内視鏡操作者の額に巻き付けて固定するタイプと前記内視鏡操作者の耳に引っ掛けて固定するタイプのいずれかとすることができる。
【0017】
本発明の頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置は、観察対象部位の画像信号を出力する電子内視鏡と、前記電子内視鏡から入力した画像信号に画像処理を施して撮影画像を出力する電子内視鏡用プロセッサと、前記電子内視鏡用プロセッサから入力した撮影画像を表示するモニタ装置と、を有する電子内視鏡システムと組み合わせて使用され、内視鏡操作者の頭部に着脱可能であり、前記内視鏡操作者の頭部に装着した状態で、前記内視鏡操作者の頭部ジェスチャを検出し、その検出結果に応じた前記電子内視鏡システムに関する少なくとも1つの処理を前記電子内視鏡用プロセッサに実行させる、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、衛生面に優れるとともに、内視鏡操作者が電子内視鏡用プロセッサから離れており且つその両手が電子内視鏡を操作することで塞がっている場合であっても、内視鏡操作者の意図するタイミングに合わせて電子内視鏡システムに関する所望の操作を実行することができる電子内視鏡システム及びこれに用いる頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による電子内視鏡システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2】電子内視鏡の全体構成を示す図である。
図3図3(A)〜図3(E)は、本発明による頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置をそれぞれ異なる方向から見た図である。
図4】本発明による頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置を医師の頭部(額)に装着した状態を示す図である。
図5図5(A)〜図5(C)は、本発明による頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置を装着した医師がそれぞれ異なる複数種類の運動としての頭部ジェスチャを行っている状態を示す図であり、図5(A)は前後(上下)往復運動としての頭部ジェスチャ、図5(B)は左右往復運動としての頭部ジェスチャ、図5(C)は回転運動としての頭部ジェスチャをそれぞれ示している。
図6】電子内視鏡用プロセッサの画像処理部による画像信号の画像処理モードが循環型で切り替わる様子を示す図である。
図7】電子内視鏡用プロセッサが出力してモニタ装置が表示する撮影画像のフリーズ操作を示す図である。
図8】電子内視鏡用プロセッサから電子内視鏡に導かれる照明光の光量が循環型で切り替わる様子を示す図である。
図9】本発明の別実施形態による頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図8を参照して、本発明による電子内視鏡システム10について説明する。
【0021】
図1に示すように、電子内視鏡システム10は、観察対象部位(例えば患者体内の病変部)の画像信号を出力する電子内視鏡100と、電子内視鏡100から入力した画像信号に画像処理を施して撮影画像を出力する電子内視鏡用プロセッサ200と、電子内視鏡用プロセッサ200から入力した撮影画像を表示するモニタ装置300と、電子内視鏡用プロセッサ200から入力した撮影画像を印刷するプリンタ装置400と、を有している。
【0022】
図2に示すように、電子内視鏡100は、操作者が把持する把持操作部101と、この把持操作部101から延出する可撓性のある挿入部102とを有している。挿入部102は、先端側から順に、先端硬性部103と、湾曲部104と、可撓部105とを有している。湾曲部104は、把持操作部101に設けた湾曲操作レバー106の回転操作に応じて湾曲可能となっている。把持操作部101からはユニバーサルチューブ107が延出されており、このユニバーサルチューブ107の先端にはコネクタ部108が設けられている。図示は省略しているが、電子内視鏡100にはライトガイドファイバが内蔵されており、このライトガイドファイバは、挿入部102(先端硬性部103、湾曲部104、可撓部105)、把持操作部101及びユニバーサルチューブ107を通って、コネクタ部108から突出するライトガイドスリーブ109内まで延びている。コネクタ部108のコネクタ端子108aが電子内視鏡用プロセッサ200のコネクタ端子(図示せず)に接続されると、このライトガイドファイバは、電子内視鏡用プロセッサ200に内蔵された光源ランプ(図示せず)と光学的に接続される。そして、この光源ランプから発せられた照明光は、ライトガイドファイバ内を導かれ、挿入部102の先端硬性部103の前端面に設けられた照明レンズ(図示せず)によって所定の配光で外方に出射される。
【0023】
図1に示すように、電子内視鏡100は、挿入部102の先端硬性部103の内部に位置させて、観察対象部位(例えば患者体内の病変部)の画像信号を取得する撮像素子110を有している。この撮像素子110が取得した画像信号は、信号伝送用ケーブル(図示せず)を介して伝送され、電子内視鏡用プロセッサ200内の画像処理部210に出力される。画像処理部210は、入力した画像信号に所定の画像処理を施してこれを撮影画像とする。画像処理部210により画像処理が施された撮影画像は、モニタ装置300に表示され、プリンタ装置400で印刷され、画像メモリ(図示せず)に記憶される。
【0024】
図1図3図5に示すように、本実施形態の電子内視鏡システム10は、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500を有している。頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500は、医師(内視鏡操作者)Dの頭部に着脱可能なものであり、本実施形態では医師Dの額に巻き付けて固定するタイプを使用している。頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500は、医師Dの額に巻き付けて固定される固定バンド部510と、この固定バンド部510の周方向の一部に設けられた頭部ジェスチャ検出部520とを有している。図示は省略しているが、固定バンド部510は、医師Dの頭部の大きさ(頭囲)に応じてその周方向長さを調整するための調整機構を有している。
【0025】
頭部ジェスチャ検出部520は、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500(固定バンド部510)が医師Dの頭部(額)に装着された状態で、医師Dの意図的な頭部ジェスチャ(頭部の動き)を検出する。
【0026】
頭部ジェスチャ検出部520は、医師Dの頭部ジェスチャを異なる複数種類の運動として検出する。本実施形態では、頭部ジェスチャ検出部520は、図5(A)に示す医師Dの頭部の前後(上下)往復運動としての頭部ジェスチャ(以下では「前後往復ジェスチャ」と呼ぶ)、図5(B)に示す医師Dの頭部の左右往復運動としての頭部ジェスチャ(以下では「左右往復ジェスチャ」と呼ぶ)、及び、図5(C)に示す医師Dの頭部の回転運動としての頭部ジェスチャ(以下では「回転ジェスチャ」と呼ぶ)の異なる3種類の運動としての頭部ジェスチャを検出する。
【0027】
頭部ジェスチャ検出部520は、三軸加速度センサからなり、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500(頭部ジェスチャ検出部520)に加わる加速度に基づいて、医師Dの頭部ジェスチャを検出する。より具体的に、頭部ジェスチャ検出部520は、前後方向に加わる加速度が所定の閾値(例えば1.0m/s)を超えているか否かを判定し、超えていると判定したときにのみ「前後往復ジェスチャ」を検出し、超えていないと判定したときは「前後往復ジェスチャ」を検出しない。同様に、頭部ジェスチャ検出部520は、左右方向に加わる加速度が所定の閾値(例えば1.0m/s)を超えているか否かを判定し、超えていると判定したときにのみ「左右往復ジェスチャ」を検出し、超えていないと判定したときは「左右往復ジェスチャ」を検出しない。同様に、頭部ジェスチャ検出部520は、回転方向に加わる加速度が所定の閾値(例えば1.0m/s)を超えているか否かを判定し、超えていると判定したときにのみ「回転ジェスチャ」を検出し、超えていないと判定したときは「回転ジェスチャ」を検出しない。これにより、医師Dの意図的な頭部の動きだけを頭部ジェスチャとして検出し、医師Dの意図的ではない微細な動きを頭部ジェスチャとして誤検出するのを防止することができる。
【0028】
また電子内視鏡100の把持操作部106には、医師Dの操作により、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500の作動状態(作動可能状態)と非作動状態(作動不能状態)を切り替えるための切り替えスイッチ120が設けられている(図1)。すなわち、切り替えスイッチ120が押下されているときは、頭部ジェスチャ検出部520によって医師Dの頭部ジェスチャを検出することができるが、切り替えスイッチ120が押下されていないときは、頭部ジェスチャ検出部520によって医師Dの頭部ジェスチャを検出することができない。つまり、切り替えスイッチ120が押下されているときは、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500による処理を最優先させてこれを有効とし、切り替えスイッチ120が押下されていないときは、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500による処理を受け付けることなくこれを無効とする。これにより、医師Dの意図的な頭部の動きだけを頭部ジェスチャとして検出し、医師Dが頭部ジェスチャの検出を望まない場面での誤検出を防止することができる。
【0029】
頭部ジェスチャ検出部520は電子内視鏡用プロセッサ200に周知の技術により有線または無線によって接続されている。頭部ジェスチャ検出部520が検出した「前後往復ジェスチャ」、「左右往復ジェスチャ」または「回転ジェスチャ」は、頭部ジェスチャ検出信号として、電子内視鏡用プロセッサ200に出力される。
【0030】
ここで、電子内視鏡用プロセッサ200の側では、頭部ジェスチャ検出部520から頭部ジェスチャ検出信号として入力する異なる3種類の運動としての頭部ジェスチャ毎に、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200とモニタ装置300の少なくとも1つに関する操作が一対一の関係で対応付けて割り当てられている。
【0031】
本実施形態では、頭部ジェスチャ検出部520が検出した「前後往復ジェスチャ」が、電子内視鏡用プロセッサ200の画像処理部210による画像信号の画像処理モードの切り替え操作と一対一の関係で対応付けて割り当てられている。すなわち、医師Dが図5(A)に示す「前後往復ジェスチャ」を行って頭部ジェスチャ検出部520がこれを検出する度に、図6に示すように、電子内視鏡用プロセッサ200の画像処理部210による画像信号の画像処理モードが、「通常画像処理モード」、「特殊画像処理モード1」、「特殊画像処理モード2」の順に循環型で切り替わっていく。
【0032】
本実施形態では、頭部ジェスチャ検出部520が検出した「左右往復ジェスチャ」が、電子内視鏡用プロセッサ200が出力してモニタ装置300が表示する撮影画像のフリーズ操作と一対一の関係で対応付けて割り当てられている。すなわち、医師Dが図5(B)に示す「左右往復ジェスチャ」を行って頭部ジェスチャ検出部520がこれを検出する度に、図7に示すように、電子内視鏡用プロセッサ200が出力してモニタ装置300が表示する撮影画像のフリーズ操作が実行される。
【0033】
本実施形態では、頭部ジェスチャ検出部520が検出した「回転ジェスチャ」が、電子内視鏡用プロセッサ200から電子内視鏡100に導かれる照明光の光量調整操作と一対一の関係で対応付けて割り当てられている。すなわち、医師Dが図5(C)に示す「回転ジェスチャ」を行って頭部ジェスチャ検出部520がこれを検出する度に、図8に示すように、電子内視鏡用プロセッサ200から電子内視鏡100に導かれる照明光の光量が「光量:小」、「光量:中」、「光量:大」の順に循環型で切り替わっていく。
【0034】
以上の対応関係は、電子内視鏡用プロセッサ200に設けられた頭部ジェスチャ対応関係記憶部220に記憶されている。頭部ジェスチャ対応関係記憶部220による記憶内容、すなわち、医師(内視鏡操作者)Dの頭部ジェスチャと、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200とモニタ装置300の少なくとも1つに関する操作との一対一の対応関係は、電子内視鏡用プロセッサ200に設けられたユーザーインターフェース230と頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500を協働させることによって設定および更新することができる。ユーザーインターフェース230は、例えば、電子内視鏡用プロセッサ200に接続されたキーボードあるいは電子内視鏡用プロセッサ200の筐体に設けられたタッチパネル等からなる。
【0035】
電子内視鏡用プロセッサ200は、頭部ジェスチャ解析部240と、システム操作実行部250とを有している。頭部ジェスチャ解析部240は、頭部ジェスチャ検出部520から頭部ジェスチャ検出信号として入力した頭部ジェスチャを解析する。システム操作実行部250は、頭部ジェスチャ対応関係記憶部220を参照しながら、頭部ジェスチャ解析部240による頭部ジェスチャの解析結果に応じて、電子内視鏡システム10に関する各種の操作を実行する。例えば、システム操作実行部250は、頭部ジェスチャ検出部520から入力した頭部ジェスチャが「前後往復ジェスチャ」であるときは(図5(A))、電子内視鏡用プロセッサ200の画像処理部210による画像信号の画像処理モードの切り替え操作を実行する(図6)。また、システム操作実行部250は、頭部ジェスチャ検出部520から入力した頭部ジェスチャが「左右往復ジェスチャ」であるときは(図5(B))、電子内視鏡用プロセッサ200が出力してモニタ装置300が表示する撮影画像のフリーズ操作を実行する(図7)。さらに、システム操作実行部250は、頭部ジェスチャ検出部520から入力した頭部ジェスチャが「回転ジェスチャ」であるときは(図5(C))、電子内視鏡用プロセッサ200から電子内視鏡100に導かれる照明光の光量調整操作を実行する(図8)。
【0036】
このように、本実施形態の電子内視鏡システム10及びこれに用いる頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500によれば、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500が、医師(内視鏡操作者)Dの頭部に装着された状態で、医師(内視鏡操作者)Dの意図的な頭部ジェスチャ(頭部の動き)を検出し、その検出結果に応じて、電子内視鏡100、電子内視鏡用プロセッサ200およびモニタ装置300の少なくとも1つに関する操作を実行する。これにより、衛生面に優れるとともに、医師(内視鏡操作者)Dが電子内視鏡用プロセッサ200から離れており且つその両手が電子内視鏡100を操作することで塞がっている場合であっても、医師(内視鏡操作者)Dの意図するタイミングに合わせて電子内視鏡システム10に関する所望の操作を実行することができる。
【0037】
以上の実施形態では、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置500として、医師Dの額に巻き付けて固定するタイプを使用した場合を例示して説明したが、医師Dの頭部の意図的な動きを検出できる限りにおいて、頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置の態様については種々の設計変更が可能である。例えば、図9に示すように、医師(内視鏡操作者)Dの耳に引っ掛けて固定するタイプの頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置600も使用可能である。この頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置600は、医師Dの耳に引っ掛けて固定されるフレーム部610と、このフレーム部610に設けられた頭部ジェスチャ検出部(加速度センサ)620とを有している。
【0038】
以上の実施形態では、医師(内視鏡操作者)Dの異なる複数種類の運動としての頭部ジェスチャが「前後往復ジェスチャ」、「左右往復ジェスチャ」または「回転ジェスチャ」である場合を例示して説明した。しかし、医師(内視鏡操作者)Dの異なる複数種類の運動としての頭部ジェスチャは、これらに限定されるものではなく、その数も限定されない。
【0039】
以上の実施形態では、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200とモニタ装置300の少なくとも1つに関する操作として、電子内視鏡用プロセッサ200による画像信号の画像処理モードの切り替え操作、電子内視鏡用プロセッサ200が出力してモニタ装置300が表示する撮影画像のフリーズ操作、および電子内視鏡用プロセッサ200から電子内視鏡100に導かれる照明光の光量調整操作の3つの操作を例示して説明した。しかし、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200とモニタ装置300の少なくとも1つに関する操作は、これらに限定されるものではなく、その数も限定されない。例えば、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200とモニタ装置300の少なくとも1つに関する操作は、ポンプ駆動による電子内視鏡100からの送気送水量の調整操作等を含むことができる。すなわち、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200とモニタ装置300の少なくとも1つに関する操作は、電子内視鏡用プロセッサ200に接続されたキーボードを用いた入力操作、電子内視鏡用プロセッサ200の筐体に設けられたタッチパネルを用いた入力操作、あるいは電子内視鏡100の把持操作部101に設けられた操作ボタンを用いた入力操作によって実行可能なあらゆる操作を含むことができる。
【0040】
以上の実施形態では、電子内視鏡100の把持操作部101に切り替えスイッチ120を設けた場合を例示して説明したが、切り替えスイッチ120を電子内視鏡用プロセッサ200のフロント操作パネル等に設ける態様も可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 電子内視鏡システム
100 電子内視鏡
101 把持操作部
102 挿入部
103 先端硬性部
104 湾曲部
105 可撓部
106 湾曲操作レバー
107 ユニバーサルチューブ
108 コネクタ部
108a コネクタ端子
109 ライトガイドスリーブ
110 撮像素子
120 切り替えスイッチ
200 電子内視鏡用プロセッサ
210 画像処理部
220 頭部ジェスチャ対応関係記憶部
230 ユーザーインターフェース
240 頭部ジェスチャ解析部
250 システム操作実行部
300 モニタ装置
400 プリンタ装置
500 頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置
510 固定バンド部
520 頭部ジェスチャ検出部(加速度センサ)
600 頭部ジェスチャ検出型遠隔操作装置
610 フレーム部
620 頭部ジェスチャ検出部(加速度センサ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9