【解決手段】第1の管腔を形成する第1の壁を備えたカニューレと、このカニューレの第1の管腔に挿入可能且つ取り出し可能である套管針30と、を有し、この套管針は、近位端と遠位端との間を延びる第2の管腔を形成する第2の壁を備え、近位端で第2の管腔に挿入される腹腔鏡を受け入れるように構成され、シャフト34の長さに沿って延びる通気路を備え、第2の壁を横切って形成された少なくとも1つのシャフト換気穴36を備えたシャフトと、このシャフトの遠位端に位置し、外科手術器具がシャフトの遠位端を貫かないようにシャフトの遠位端を封入し、腹壁と腹部領域の視認を容易にする透明素材から形成されている先端部32と、この先端部に形成され、加圧流体を噴射して腹部領域を通気する少なくとも1つの換気穴と、を備えている。
更に、前記カニューレと前記套管針との間の前記第1の管腔内で前記カニューレの遠位端に位置決めされる遠位カニューレシールを有する請求項1記載の通気用の外科手術器具。
前記第2の管腔は、挿入された前記腹腔鏡が所定位置にあるときに、前記腹腔鏡の側面に沿って通気流体を移動させて前記少なくとも1つの換気穴に移動させることができるようになっている請求項1記載の通気用の外科手術器具。
前記シャフトは、更に、腹腔鏡がシャフトの中の深すぎる位置まで挿入されないようにするとともに、前記通気路と前記換気穴のうちの少なくとも一方を遮断するようにしたスコープ止め部材を備えている請求項1記載の通気用の外科手術器具。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】先行技術の典型的な腹腔鏡腹部外科手術を例示する図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による通気用の光学套管針を例示する斜視図である。
【
図4A】本発明のまた別な実施形態による通気用の光学套管針を例示する断面図である。
【
図4B】本発明のまた別な実施形態による通気用の光学套管針を例示する断面図である。
【
図5】本発明の通気用の光学套管針と併用するための隔壁シールを例示する斜視図である。
【
図6A】本発明の通気用の光学套管針と併用するための隔壁シールを例示する断面図である。
【
図6B】本発明の通気用の光学套管針と併用するための隔壁シールを例示する断面図である。
【
図6C】本発明の通気用の光学套管針と併用するための隔壁シールを例示する断面図である。
【
図6D】本発明の通気用の光学套管針と併用するための隔壁シールを例示する断面図である。
【
図7A】本発明の通気用の光学套管針およびカニューレを例示する図である。
【
図7B】本発明の通気用の光学套管針およびカニューレを例示する図である。
【
図8A】本発明の換気穴の幾何学的形状とパターンの一例を例示する図である。
【
図8B】本発明の換気穴の幾何学的形状とパターンの一例を例示する図である。
【
図8C】本発明の換気穴の幾何学的形状とパターンの一例を例示する図である。
【
図8D】本発明の換気穴の幾何学的形状とパターンの一例を例示する図である。
【
図8E】本発明の換気穴の幾何学的形状とパターンの一例を例示する図である。
【
図8F】本発明の換気穴の幾何学的形状とパターンの一例を例示する図である。
【
図9】本発明のまた別な実施形態による透明な遠位先端部と通気用換気穴を設けた通気針を例示する図である。
【
図10】本発明のまた別な実施形態による透明遠位先端部と通気用換気穴を設けた通気スコープを例示する図である。
【
図11】本発明の別な実施形態による透明遠位先端部と通気用換気穴を設けた通気スコープスリーブを例示する図である。
【
図12A】本発明のまた別な局面による通気用の光学外科手術器具のまた別な先端部設計を例示する図である。
【
図12B】本発明のまた別な局面による通気用の光学外科手術器具のまた別な先端部設計を例示する図である。
【
図12C】本発明のまた別な局面による通気用の光学外科手術器具のまた別な先端部設計を例示する図である。
【
図12D】本発明のまた別な局面による通気用の光学外科手術器具のまた別な先端部設計を例示する図である。
【
図12E】本発明のまた別な局面による通気用の光学外科手術器具のまた別な先端部設計を例示する図である。
【
図13A】本発明のまた別な実施形態によるコイルを装備した通気用の光学套管針を例示する図である。
【
図13B】本発明のまた別な実施形態によるコイル状先端部を設けた、コイルを装備した通気用の光学套管針を例示する図である。
【
図14A】本発明のまた別な実施形態による通気用の光学外科手術器具の引上げ蓋設計またはフリップ式先端部設計を例示する図である。
【
図14B】本発明のまた別な実施形態による通気用の光学外科手術器具の引上げ蓋設計またはフリップ式先端部設計を例示する図である。
【
図14C】本発明のまた別な実施形態による通気用の光学外科手術器具の引上げ蓋設計またはフリップ式先端部設計を例示する図である。
【
図15A】本発明のまた別な実施形態による通気弁の換気穴を例示する断面図である。
【
図15B】本発明のまた別な実施形態による通気弁の換気穴を例示する断面図である。
【
図15C】本発明のまた別な実施形態による通気弁の換気穴を例示する断面図である。
【
図16】本発明のまた別な実施形態による、前進可能な管腔を設けた鈍先端通気用光学器具を例示する図である。
【
図17A】本発明のまた別な実施形態による、通気用の光学套管針と、套管針に通気ガスを伝達するガス路を設けたカニューレとを備えている通気用の外科手術器具を例示する図である。
【
図17B】本発明のまた別な実施形態による、通気用の光学套管針と、套管針に通気ガスを伝達するガス路を設けたカニューレとを備えている通気用の外科手術器具を例示する図である。
【
図18】本発明のまた別な実施形態による通気用の刃作動光学套管針を得理事する図である。
【
図19A】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19B】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19C】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19D】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19E】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19F】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19G】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19H】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【
図19I】本発明の別な局面により、肉体組織の刺し通しを容易にする別な先端部設計を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面は、本明細書の一部に含まれるとともにその一部を構成しており、本発明の実施形態を説明とともに例示し、本発明の特徴および原理を説明している。
【0018】
図1を参照すると、典型的な腹腔鏡腹部外科手術が例示されており、ここでは、膨張針10が肉体または腹壁15を通して腹腔25に挿入されている。ガスがニードル10を透されて、腹腔25の内部に空間を設ける。この処置手順は通気と呼ばれる。針10は通気針と呼ばれ、供給ガスは通気ガスと呼ばれる。通気針10は肉体壁15を通してめくら作業で設置される。換言すると、肉体壁15の内側から処置を直接視認化できない。前段で説明したように、現行の処置は、主要血管や腸管などのような肉体壁または腹壁15の下に位置する器官や組織に意図せぬ損傷を与えてしまうことがある。肉体壁15の内側に内部構造体が付着状態になっていることはよくあることである。腹腔25の場合には特にそのことが当てはまる。腸管、結腸、大腸などの各部は腹壁15に付着していることがある。このような付着は癒着と呼ばれる。
【0019】
癒着は、腹腔鏡外科手術では潜在的合併症の恐れを示す。これは特に当てはまるのは、通気針10などのような鋭利で先の尖った器具を使って処置が開始されたような場合である。癒着により付着する恐れのある傷つき易い体内構造は、通気針10の導入によって意図せず刺し通されてしまうことがある。これは非常に深刻な事態になる恐れがあり、場合によっては看破されないままになることもある。
【0020】
図2を参照すると、典型的な通気針10は細長い管状本体部12と、近位接続ハウジング14と、鋭い尖った遠位先端部16と、バネ偏倚式の内部の鈍らな芯材18から構成されており、円錐部材には、伸展された圧縮バネ20の影響で鋭利な遠位先端部16を越えて延びる鈍端24が設けられている。通気針10の典型的な設置では、使用者が鋭利な遠位先端部16を腹壁15に押込んで、こうすることで鈍らな芯材18を近位方向に押し戻させてから、引き続き押すことで、最終的に、遠位端22に肉体壁15を貫通させることが必要である。その時点で、鈍端24は前方に移動し、それにより、傷つき易い構造が針10の鋭利な先端部16によって意図せず穿孔されるのを阻止している。このような装置の安全性はバネ20の設計と保全性に依存するところが大きく、というのも、鋭利な遠位先端部16は確立された内部領域または肉体空洞25の内側に残存するからである。
【0021】
図3を参照すると、本発明の第1の実施形態による通気用の光学器具または套管針30の斜視図が例示されている。通気用の光学套管針30は、肉体壁15を通して挿入中に、組織線維を分断するように設計されている。通気用の光学套管針30は、実質的に近位端と遠位端の間の軸線沿いに管腔が延びているシャフト34と、シャフト34の近位端に配置されているハンドル35と、シャフト34の遠位端に配置されている鈍先端部32とを備えている。通気用の光学套管針30のシャフト34は、「刃を装備しない光学閉塞具(Bladeless Optical Obturator)」という名称の同時係属中の出願に記載されているようなカニューレシステムの作業チャネルの内部に配置するような寸法および形状に設定されているが、上述の出願は引例に挙げることにより本件の一部をなしている。このような配置を利用すると、通気用の光学套管針30は肉体壁または腹壁を刺し通すように機能して、肉体壁15を横断して腹膜または腹腔のような肉体空洞25に入る接近路をカニューレのために準備することができる。
【0022】
本発明の一局面では、シャフト34および先端部32は透明素材から一体成形されて、肉体壁15を通して通気用の光学套管針30を挿入する間、組織を視認化できるようにする。通気用の光学套管針30は、従来の腹腔鏡を挿入することができるような形状に設定されており、腹腔鏡は、通例、画像化素子と光ファイバーから構成されている。先端部32には少なくとも1個の換気穴36が設けられており、2個以上の換気穴が先端部32の両側に設けられているのが好ましいが、通気ガスが套管針30の内部から肉体空洞または腹腔25の中に移動するように図っている。換気穴36は近位側で面取り処理されて、通気用の光学套管針30が肉体壁15を通って進入する際に、換気孔が組織の芯部をくり抜いてしまうことがないようにしている。
【0023】
シャフト34には少なくとも1個のシャフト換気穴38が設けられており、また、近位端と遠位端の間の軸線沿いに複数のシャフト換気穴38が設けられているのが好ましい。
図8Aから
図8Cに例示されているように、換気穴36とシャフト換気穴38の幾何学的形状は、円、楕円、正方形、矩形などのうちいずれの形状を呈していてもよく、
図8Fに例示されているような焼ワッフルパターンのような様々なパターンの形状に設定されてもよいのが分かる。更に、先端部32は、
図8Dおよび
図8Eのそれぞれに例示されているように、開放先端部180またはくり抜き防止先端部182のいずれでもよく、肉体空洞25に通気ガスを移動させることができるように図っている。シャフト換気穴38の利点としては、シャフト34の射出成形プロセス中に複数の芯材ピンを支持して、均一な部分厚さを供与することと、カニューレおよび封鎖ハウジングの内径から通気用の光学套管針30の内径に通気ガスが移動し、その結果、通気ガスが先端部32の換気穴36から外へでることができるようにすることの、2点がある。
【0024】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、本発明の別な実施形態による通気用の光学套管針40の側面断面図が例示されている。通気用の光学套管針40は、管腔が実質的に近位端と遠位端の間の軸線沿いに延びているシャフト34bと、遠位端に配置された鈍先端部32bとを備えている。通気用の光学套管針40は、シャフト34bの長尺部沿いに延びる少なくとも1本のガス路42を更に備えており、上記内径の内部にスコープが設置されると、通気用の光学套管針40を通して迅速にガスを移動させることができるように図っている。シャフトの長尺部沿いに2本以上のガスチャネル42が延びて、套管針40を通して迅速なガス移動を行えるようにしてもよいことが分かる。ガス路42は別個のチャネルとして形成されてもよいし、或いは、スコープ挿入用のものと同じチャネルとして形成されてもよいが、そのやり方として、シャフト34bの内径をスコープの直径よりも大きくなるように増大させる方法があることが更に分かる。より詳細に述べると、スコープとガスが同じチャネルを共用する場合でも、スコープが適所に設置されている時には、ガス路42はガスがスコープの脇に沿って移動して換気穴(単数または複数)36bまで達するのに十分な断面積があることを確実にしている。
【0025】
先端部32bは、可視基準点として使用されるマーカー46を更に備えていてもよい。マーカー46は、
図4Aに例示されているような参照番号44で示される領域と一緒に、套管針40のガス路42から先端部32bの換気穴36bにガスを移動させる通気用の光学套管針40の排気を物語る。例えば、套管針40が腹壁15を通して設置されている場合、或る点で、套管針40の先端部32bは腹膜を刺し通す。腹膜が先端部32bを通してみることができるようになると、また、腹膜が可視マーカー46より上の位置に来ると、通気ガスがオン状態に切り替わり、通気が開始される。このように、これは、換気穴36bが腹腔の内側にある地点を標識化する。通気ガスが腹壁と器官床の間に十分な空間を設定してしまうと、カニューレシステムを備えている通気用の光学套管針40の残余の部分が術位置まで十分に挿入される。
【0026】
通気用の光学套管針40は
図4Bに例示されているようにスコープ止め部材を更に備えており、スコープが套管針40の内径の先細り部に挿入されたままに保たれるように図っている。スコープ止め部材48は棚部材を更に備えており、これにより、スコープが套管針の中の深すぎる位置まで挿入された結果としてガス路42の遠位部を遮断してしまう可能性をなくしている。
【0027】
図5を参照すると、本発明の通気用の光学套管針と併用される隔壁シール50の斜視図が例示されている。隔壁シール50は、管状本体部52、隔壁リング53、および、スリット56により形成された複数の葉状片54から構成されており、通気用の光学套管針にスコープが挿入されると器具封鎖を施し、套管針からスコープが引出されるとゼロ封鎖を施す。更に、葉状片54の厚さは、圧力解放機構が設けられた結果として、患者の腹部圧が突然急騰した場合に葉状片54が反転して圧力を解放することが出来るように制御される。
図6Aから
図6Dを参照すると、
図5の隔壁シール50の断面図が例示されている。隔壁シール50は保持棚58を更に備えており、これにより、隔壁シール50を通気用の光学套管針のキャップまたはハンドル35に装着することができるようにし、また、保持棚は封鎖面として作用する。参照番号59は、隔壁シール50と通気用の光学套管針のキャップまたはハンドルとの間の封鎖面を例示している。隔壁シール50は、葉状片54より遠位に設置されてガスまたは流体の漏出を制限するダックビル弁または二重ダックビル弁を更に備えていてもよい。
【0028】
使用中は、通気用の光学套管針30がまず、
図7Aに例示されているように、封鎖ハウジング84とカニューレ70に挿入される。次に、従来の腹腔鏡72が通気用の光学套管針30の近位端に挿入され、套管針30の遠位端まで前進させられる。内視鏡ビデオカメラが腹腔鏡72の近位端に装着される。次に、套管針30が肉体壁15を通して医者によって軸線方向に前進させられる。医者が肉体壁15を通してカニューレ70および套管針30を前進させるにつれて、肉体壁15の組織が分断されているのをビデオ監視装置により医者は目で観察することができ、このようなビデオ監視装置は内視鏡ビデオカメラに接続されている。套管針30が肉体壁15を完全に縦断しきったことも、医者は容易に判断することができる。套管針30が肉体壁15を縦断してしまうと、套管針30と腹腔鏡72が取り出され、これにより、カニューレ70は肉体壁15を横断して配置された状態に取り残され、腹腔鏡器具を挿入するための肉体空洞25に入る接近路を設けることができる。
【0029】
図7Aに例示されているように、通気用の光学套管針30は封鎖ハウジング84とカニューレ70と併用するように設計されている。先端部32は鈍らで、鋭利な端縁や、刺し通し尖点、または、刃が全く設けられていない。本発明のこのような局面については、刃を装備していない通気用の光学套管針30の先端部32は透明で、概ね中空である。これにより、通気用の光学套管針30の遠位先端部を通してはっきりと視認することができるようになり、また、遠位先端部が縦断中の組織の視認性が増す。一体型先端部32を設けた閉塞具シャフト34は、ポリカーボネートのような透明素材から形成されていてもよい。隔壁シール50は、クラトンやシリコーンなどのような素材から形成することができるが、塞栓具シャフト34の近位端上にスナップ式に喰付き嵌合するようにしてもよい。封鎖ハウジング84には、カニューレシールを含むハンドル取付け具材35が更に設けられており、これは、ポリカーボネートなどのプラスチック材から形成されて、挿入中に軸線位置を維持するように、套管針30をカニューレ70に取り付けるように作用する。シャフト34の直径は約2 mmから50 mmの範囲であり、封鎖ハウジング84とカニューレ70の内側に嵌合するような設計になっている。
【0030】
図7Bを参照すると、カニューレ70は、カニューレシール80a、80bを介して封鎖ハウジング84に解放自在に装着するような設計になっている。シャフト34が封鎖ハウジング84とカニューレ70に挿入されると、カニューレシール80a、80bは封鎖ハウジング84に受動的に係合し、シャフト34を封鎖ハウジング84およびカニューレ70に軸線方向にロックするように働く。シャフト34を封鎖ハウジング84およびカニューレ70から解放するために、シャフト34上の外付けタブが内向きに降下させられて、シャフト34は滑動自在に取り外し自由となる。シャフト34は、封鎖ハウジング84上の軸線方向キー溝と嵌合するように設計されている近位端の軸線方向キー部材37(
図3を参照のこと)を備えている。シャフト34が封鎖ハウジング84およびカニューレ70に挿入されると、シャフト34はわずかに回転させられてキー部材37をキー溝と整列させてから、更に、カニューレシール80a、80bが封鎖ハウジング84に係合するまで前進させられる。キー部材37は封鎖ハウジング84に対して回転式にシャフト34に進むべき道を指示する働きをする。また別な局面では、カニューレ70は、その遠位端に遠位カニューレシール82が形成されて、遠位端とシャフト34を封鎖し、ガスまたは流体の漏出を制限することができる。
【0031】
本発明の別な局面では、通気用の光学套管針30は弾性素子を設けた腹腔鏡ロック86を備えている。弾性素子を付加することで、腹腔鏡72との摩擦係合を向上させる。弾性素子の一例はシリコーンのO字型リングであり、その寸法は内径が腹腔鏡72の外径よりも短くなるように設定されている。腹腔鏡ロック86は自らが自由に回転した結果、腹腔鏡72がシャフト34に対して自由に回転することができるようにしてもよいし、または、腹腔鏡ロック86が回転式に固定された結果、腹腔鏡72がシャフト34に対して回転するのを阻止するようにしてもよい。
【0032】
本発明のまた別な局面では、本発明の通気用の光学套管針を設置および使用するプロセスが説明される。第1に、手術を施される領域周辺の皮膚が、カニューレ70の寸法に合うように適切に切開される。通気ガス線90は封鎖ハウジング84に装着されており、通気用の光学套管針30と腹腔鏡72がカニューレ70に挿入される。この時点で、ガス源はまだオフ状態のままである。次に、直接目で見ながら、組立てが完了した装置が肉体または腹壁15を通して前進させられ、最終的に、装置の先端部32が腹膜を丁度刺し通したことを観察したところまで進入させられる。次に、装置は適所に保持されて、通気ガスの流れが始動される。ガスは先端部32を通って流れて腹腔に入り、最終的に、腹腔がガス圧によって十分に膨張させられるまで流入する。続いて、カニューレ70が適切な位置または所望の位置にきたところで、医者は通気用の光学套管針30の挿入を完了する。次に、通気用の光学套管針30と腹腔鏡72が取り出される。この時点で、封鎖ハウジング84を通して腹腔鏡を挿入し直すことで、腹腔を観察して別な腹腔鏡器具を続けて挿入することができるようにすることを選択してもよい。
【0033】
先に説明したように、
図4Aに例示されているようなインジケータ線またはマーカー46が先端部32に配置されて、装置が肉体管腔の内部の十分な奥まで前進させられたこと示しているのを腹腔鏡72によって視認した結果、通気を開始することができるようにしてもよい。解剖学的特徴がインジケータ線またはマーカー46と合致することで、正確な位置を示し、通気を開始することができる。インジケータ線またはマーカー46は本質的に周方向に置かれており、刺し通しの対象になっているような腹膜層がインジケータ線46と一致する輪になった時に、医者は通気を開始することができる。また別な方法はO字型シール86を採用することである。更に、套管針を使って腹腔鏡72無しでカニューレを設置する場合には、ゼロ封鎖が套管針上に設けられて、ガスの漏出を阻止するのが好ましい。この応用例では、一重ダックビル弁、フラッパ弁、スリット弁などを使った場合にそうなるように、二重ダックビル弁88でも上手く作動する。
【0034】
上述の概念は視認挿入および視認通気を施すのであれば、本発明の次の具体的な実施形態に更に記載されているような流体移動の規模または種類とは無関係に、どの外科手術器具にも適用することができるのが分かる。例えば、
図9は本発明の別な局面による通気針190を例示しており、かかる通気針は、近位端と遠位端の間の軸線沿いに通気チャネルが延びている細長く管状本体部192と、管状本体部192の遠位端に作動可能の装着された透明な遠位先端部194と、遠位先端部192または管状本体部192に形成されて、通気チャネルと連絡状態にある少なくとも1個の通気喚起穴196とを備えている。通気針190は、止水栓のような通気制御装置198と、管状本体部192の近位端の封鎖機構200とを更に備えている。通気用のヴェレスニードルのような通気針190が腹壁を貫いて設置されると、小径のスコープ202が管状本体部192の近位端で挿入されてから、管状本体部192の遠位部まで進入させられる。
図10に例示されているような本発明のまた別な局面では、通気スコープ210は、近位端と遠位端の間の軸線沿いに通気路224が延びている細長い本体部212と、細長い本体部212の遠位端に作動可能に装着されて、通気路224と連絡状態にある少なくとも1個の通気換気穴216が設けられた透明先端部214と、細長い本体部212の近位端に形成されたハンドル218とを備えている。通気スコープ210は、細長い本体部212の近位端付近やハンドル218上の位置に止水栓のような通気制御装置220を更に備えていてもよい。細長い本体部212は、光を先端部214に向ける任意の部材222と、通気ガスを外科手術中の体腔に移動させるための少なくとも1本の通気路224とを有している。
【0035】
図11を参照すると、本発明のまた別な実施形態による通気スコープスリーブ230が例示されている。通気スコープスリーブ230は、近位端と遠位端が設けられた可撓性のスリーブ232と、可撓性スリーブ232の遠位端に作動可能に装着されて、少なくとも1個の通気換気穴236が設けられた透明な先端部234と、可撓性スリーブ232の近位端に装着されたハンドル238とを備えている。通気スリーブ230は、止水栓のような通気制御装置240と、通気スリーブ230の近位端の封鎖機構242とを更に備えていてもよい。通気スコープスリーブ230が腹壁を貫いて設置されると、スコープ244が通気スコープスリーブ230の近位端で挿入されてから、通気スコープスリーブ230の遠位端まで進入させられる。
【0036】
図12Aから
図12Eを参照すると、本発明の別な局面による、体組織の刺し通しを容易にするまた別な先端部設計32oから32sが例示されている。
図12Aは、少なくとも1個の換気穴36oを設けたスプーン型または非対称型先端部32oを例示しており、
図12Bは、シャフトの軸線沿いの可塑材製または金属製の刃33pと少なくとも1個の換気穴36pが設けられた略ドーム状または円錐状の先端部32pを例示しており、
図12Cは、少なくとも1個の換気穴36qが設けられた鈍先端部32qを例示しており、
図12Dは、少なくとも1枚の刃を装備したフィン部材33rと少なくとも1個の換気穴36rが設けられた略ドーム状または円錐状の先端部32rを例示しており、
図12Eは、遠位先端部に少なくとも1個の換気穴36sが設けられた略円錐状の先端部32sを例示している。先端部32o、32p、32r、32sは鋭利な先端部、先の尖った先端部、または、刃が装備された先端部、および/または、そのような端縁を有しており、体組織の刺し通しを容易にしているのが分かる。本発明のまた別な局面では、先端部の表面はその上に、少なくとも1個の組織係合隆起パターンが設けられていてもよい。この表面は、少ない刺し通し力で通気用の外科手術器具または通気用の光学套管針を容易に挿入できるようにするとともに、肉体壁の栓塞口を最小限にするように作用する。この表面は、肉体壁の互いに異なる層の分断を容易にするとともに、層と層の間で先端部を適切に整合させることができる。本発明のまた別な局面では、先端部の外面は鈍尖点に向けて遠位方向に延びており、先端部の1対の側面部は中間部によって分離されており、ここでは、側面部は鈍尖点から放射方向外向きに延びて、複数の連続位置が軸線沿い近位方向に存在する。側面部には鈍尖点より近位の遠位部と管状本体部より近位の近位部とが設けられており、側面部の遠位部は側面部の近位部に関して放射方向に捻られている。
【0037】
図13Aおよび
図13Bは、本発明のまた別な実施形態による、コイルを装備した通気用の光学套管針250と、コイル状先端部260を設けた、コイルを装備した通気用の光学套管針とをそれぞれに例示している。コイルを装備した光学套管針250は、管腔を設けたシャフト34tと、実質的にシャフト34tの長尺部沿いに巻き付けられて肉体空洞内へガスを移動させる、中空のコイル状管材またはガス路42tとを備えている。本発明のこの局面の利点は、コイル状に巻くことでも、套管針が肉体空洞の内部付近を移動することがないようにするのに役立つことである。コイル状に巻かれた通気用の光学套管針250は、コイルを装備した通気用の光学套管針250の近位端に止水栓のような通気制御装置240を更に備えていてもよい。コイルを装備した通気用の光学套管針250が腹壁を貫いて設置されると、スコープが光学套管針250の近位端で挿入されてから、套管針250の遠位端まで前進させられる。
図13Bに例示されているようなコイル状先端部260を設けた、コイルを装備した通気用の光学套管針はコイルを装備した通気用の光学套管針250に類似しているが、先端部32uと、先端部32uの周囲を取り巻いて実質的にシャフト34uの長尺部沿いに位置する中空のコイル状管材またはガス路42uとを更に備えている。
【0038】
図14Aから
図14Cを参照すると、本発明の別な局面によるまた別な先端部設計32vから32xが例示されている。例えば、
図14Aに例示されているような先端部32vは、引上げ蓋272と、肉体壁の縦断が完了した際に、第1の刺し通し位置から第2の刺し通し位置まで移動するように作用する円錐本体部270とを備えている。先端部32vは、引上げ蓋272と円錐本体部270を接続するための維持部材を更に備えていてもよい。維持部材は、バネ、バネワイヤ、オフセット蝶番、一体蝶番などのうちの1個であってもよい。2004年3月22日出願の「外科手術接近ポートおよびその使用方法(Surgical Access Port and Method of Using Same)」という名称の同時係属中の米国特許出願連続番号第10/805,864号であって、引例に挙げることにより本件の一部をなしている出願に記載されているような、上記以外の引上げ蓋またはフリップ式先端部の設計は、本発明の通気の概念と併用することもできる。本発明のまた別な局面では、
図14Bに例示されているような先端部32wは、肉体壁の縦断が完了してしまった時に、第1の刺し通し位置から第2の通気位置まで移動するように作用する2個の部材片からなる引上げ蓋282a、282bから構成されている。特に、先端部32wは少なくとも2個以上の部分または花弁部材片から構成されており、これらはシャフト34wの傍の第2の通気位置へ復位する。
図14Cは本発明のまた別な局面による先端部32xを例示しているが、かかる先端部は、刺し通し位置から通気位置まで移動してから更に器具接近位置へ移動するように作用する2段階式の引上げ蓋290を備えている。特に、2段階式の引上げ蓋290は遠位フリップ部材292と近位フリップ部材294から構成されている。第1段階では、肉体壁の縦断が完了してしまうと、遠位フリップ部材292が刺し通し位置から開いた位置すなわち通気位置へ移動する。通気が達成されてしまうと、第2段階で、近位フリップ部材294が開いた位置すなわち器具接近位置へ移動する。先端部32xは、遠位フリップ部材292と近位フリップ部材294を接続する維持部材と、近位フリップ部材294とシャフト34xを接続する維持部材を更に備えている。
【0039】
図15Aから
図15Cは本発明のまた別な局面による通気喚起穴を例示している。より詳細に述べると、
図15Aは、シャフト34の遠位端に形成されている通気弁喚起部材300を例示している。通気弁換気部材300は弾性材から形成されて、CO
2のようなガスをシャフト34の内側から肉体空洞に導入することができるようにする。ガスが存在していない場合、通気弁換気部材300の弾性材により換気部材を閉鎖させ、気密シールを施すようにしているのが分かる。
図15Bは、通気用の光学套管針の先端部32yに形成された通気用のフラッパ弁310を例示している。通気用のフラッパ弁310は、CO
2のようなガスがシャフト34に導入されると開くように作動する、少なくとも1個のフラッパ弁換気部材312を備えている。ガスが存在しない場合は、フラッパ弁換気部材312が閉じて、気密シールを施すのが分かる。
図15Bと同様に、
図15Cは通気用の光学套管針の先端部32zに形成された通気逆フラッパ弁320を例示している。通気逆フラッパ弁320は、挿入中は組織により閉じたまま、または、遮蔽されたままである少なくとも1個のフラッパ弁換気部材322を備えており、腹膜を通過してしまうと、CO
2のようなガスによる圧力が逆フラッパ弁320を開き、ガスが肉体空洞内へ移動することができるようにする。上記のようなフラッパ弁換気部材は各々にバネが装填されて、ヴェレスニードルのように作動するようにしてもよいことが分かる。
【0040】
図16は、本発明の別な実施形態による鈍先端通気用光学器具400を例示している。鈍先端通気用光学器具400は、近位端と遠位端の間の軸線沿いに延びた細長い管状本体部410と、管状本体部410を通して肉体空洞に挿入される鈍先端光学閉塞部材または分離部材420と、管状本体部410の長尺部沿いに延びて肉体空洞内へと延びる前進可能な通気路430とを備えている。通気路430を腹膜を通して前進させて、十分な空間が達成されるまで肉体空洞にガスおよび/または生理食塩水を供与する際に、鈍先端光学閉塞部材または分離部材420は腹膜までずっと視認してゆけるように作動する。ガスおよび/または生理食塩水が十分に導入されてしまうと、鈍先端光学閉塞部材420と管状本体部410を肉体空洞内に進入させることができる。本発明のこの局面の特徴は、通気路430を鈍先端光学閉塞部材または分離部材420の先まで前進させて、腹膜に穿孔して、CO
2のようなガスを肉体空洞移動させることができる点である。
【0041】
図17Aおよび
図17Bを参照すると、本発明の別な実施形態による通気用の外科手術器具500が例示されている。通気用の外科手術器具500は、通気用の光学套管針502とカニューレ520を備えている。通気用の光学套管針502は、近位端と遠位端の間の軸線沿いに管腔が延びるシャフト504と、シャフトの遠位端に配置された先端部506と、後で説明されるような、カニューレ520から肉体空洞または腹腔内にガスを導入するための少なくとも1個の換気穴508と、シャフト504か先端部506のいずれかに形成され、少なくとも1個の換気穴508に作動可能に接続されてカニューレ520から通気用の光学套管針502までガスを移動させることができるようにしたガス路510とを備えている。カニューレ520は、その長軸線沿いに延びる少なくとも1個のカニューレガス路522を備えているが、かかるガス路は、通気用の光学套管針502をカニューレ520に挿入した後にガスを套管針ガス路510に移動させるようにしたものである。換言すると、カニューレガス路522は、カニューレ壁内の管腔として包囲されている。手術中は、
図17Aおよび
図17Bに例示されているように、カニューレガス路522と套管針ガス路510の間が整列状態になっている場合にしか、ガスの移動は起こらない。通気用の套管針502が腹壁を貫いて設置されると、スコープ525が光学套管針502の近位端で挿入されてから、套管針502の遠位端まで前進させられる。
【0042】
本発明のまた別な局面では、
図18は、本発明のまた別な実施形態による通気用の刃作動式光学器具600を例示している。通気用の刃作動式光学器具600は、近位端と遠位端の間の長軸線沿いに延びる細長い管状部材602と、細長い部材602の遠位端に作動可能に装着された光学部材604と、配備位置と非配備位置の間で長軸線方向に移動可能である少なくとも1枚の刃部材606と、管状部材602の近位端に作動可能に装着されて、配備位置と非配備位置の間で刃部材606を移動させるようにした作動機構608と、光学部材604に形成されて、肉体空洞の外側から肉体空洞の内側まで通気ガスを移動させるようにした少なくとも1個の通気換気穴610とを備えている。通気用の刃作動式光学器具600が腹壁を貫いて設置されると、スコープは、通気用の刃作動式光学器具600の近位端で挿入されてから、器具600の遠位端まで前進させられる。
【0043】
図19Aから
図19Iを参照すると、本発明の別な局面による、体組織の刺し通しを容易にするためのまた別な先端部設計32aaから32iiが例示されている。このような先端部設計は各々の遠位先端部に少なくとも1個の換気穴(36aaから36ii)が設けられて、肉体空洞に通気ガスを導入するようになっている。このような先端部の幾つかは、鋭利な先端部、先の尖った先端部、または、刃を装備した先端部、および/または、そのような端縁を有しており、体組織の刺し通しを容易にしているのが分かる。
【0044】
上述の外科手術器具および外科手術装置は腹腔に接近するためにのみ使われるわけではなく、腹膜前ヘルニア修復、背部手術や腎臓手術などの腹膜後手術、経皮腎臓手術、胸部外科手術、関節鏡接近術を目的として使用することもできることが分かる。本発明の技術を利用すれば、二酸化炭素のようなガスに加えて、空気、水、生理食塩水などのような上記以外の流体も導入することができるのが分かる。手術スコープは、通気用流体を導入するために管腔を使用することができるように修正を施されてもよいことが分かる。従って、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、開示された多様な実施形態に上記以外の多くの修正を行うことができることが分かる。このような理由から、上述の説明は本発明を制限するものと見なすべきではなく、単なる具体的な実施形態にすぎないと解釈するべきである。
【0045】
本発明に関連する好ましい態様として、例えば、以下のものを挙げることができる。
〔態様1〕腹壁を横断して移動し、患者の腹部領域を通気するのに適した通気用の外科手術器具であって、該器具は、
近位端と遠位端の間の軸線沿いに延びた通気路を設けたシャフトであって、通気路が近位端で圧力下にある流体源に接続されるようになっている、シャフトと、
シャフトの遠位端に設けられた先端部と、
先端部に形成された、または、シャフトに沿って形成された少なくとも1個の換気穴とを備えており、換気穴は通気路と連絡状態にあるとともに、加圧流体を噴射して腹部領域を通気するようになっている、通気用の外科手術器具。
〔態様2〕前記先端部と前記シャフトの少なくとも一方は透明素材から形成されて、腹壁と腹部領域の視認を容易にしたことを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様3〕前記シャフトおよび前記先端部は腹腔鏡を挿入できるようにする形状に設定されていることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様4〕前記シャフトは近位端と遠位端の間の軸線沿いに延びた管腔を有して、腹腔鏡を挿入することができるようにしたことを特徴とする、前記態様3に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様5〕前記管腔および前記通気路は分離されていることを特徴とする、前記態様4に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様6〕前記管腔および前記通気路は1本のチャネルとして兼用されることを特徴とする、前記態様4に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様7〕前記通気路と連絡状態にあって、前記シャフトに沿って形成された第2換気穴を更に備えている、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様8〕前記先端部は鈍らであることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様9〕前記シャフトおよび前記先端部は一体成形されていることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様10〕前記換気穴の幾何学的形状は、円形、楕円形、正方形、矩形などのうちのいずれであってもよいことを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様11〕前記鈍先端部は、前記換気穴が通気のために位置決めできたことを示すマーカーを有していることを特徴とする、前記態様8に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様12〕前記マーカーは、前記換気穴が腹壁を刺し通した点を示すことを特徴とする、前記態様11に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様13〕前記シャフトにはスコープ止め部材が設けられて、腹腔鏡がシャフトの中の深すぎる位置まで挿入されないようにするとともに、前記通気路と前記換気穴のうちの少なくとも一方を遮断するようにしたことを特徴とする、前記態様3に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様14〕前記シャフトの前記近位端に配置されている封鎖ハウジングを更に備えている、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様15〕前記封鎖ハウジングは、隔壁シールと、腹腔鏡が存在している場合には器具封鎖を形成し、器具が存在していない場合にはゼロ封鎖を設ける複数の葉状片とを有していることを特徴とする、前記態様14に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様16〕前記葉状片はその厚さが、患者の体内の腹部圧が突然の急騰を受けた場合に、反転して圧力を解放する圧力解放機構を設けるのに望ましい寸法になるように形成されていることを特徴とする、前記態様15に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様17〕前記鈍先端は中空であることを特徴とする、前記態様8に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様18〕前記先端部および前記シャフトのうち少なくとも一方は透光性の素材から形成されていることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様19〕前記透光性素材または透明素材はポリカーボネートであることを特徴とする、前記態様2または前記態様18に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様20〕前記隔壁シールは、クラトン、シリコーンなどのような弾性材料から形成されていることを特徴とする、前記態様15に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様21〕前記シャフトはその直径の範囲が約2 mmから約5 mmであることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様22〕前記先端部は鋭利であり、先が尖っており、または、刃が装備されており、体組織の刺し通しを容易にしていることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様23〕前記先端部は非対称的であることを特徴とする、前記態様22に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様24〕前記先端部はその形状が略ドーム状か、または、略円錐状であることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様25〕前記シャフトまたは前記先端部に形成された少なくとも1枚の刃を更に備えている、前記態様24に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様26〕前記シャフトの内径部に設置されて、腹腔鏡をロックするようにしたエラストマーロックを更に備えている、前記態様3に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様27〕前記腹腔鏡のロックはシリコーンのO字型リングであり、その寸法と形状は、自らが自由に回転した結果、腹腔鏡を前記シャフトに対して自由に回転させることができるように設定されることを特徴とする、前記態様26に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様28〕前記腹腔鏡のロックは回転式に固定されて、腹腔鏡が前記シャフトに対して回転することができないようにしたことを特徴とする、前記態様26に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様29〕前記シャフトは可撓性のスリーブから形成されていることを特徴とする、前記態様1に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様30〕腹壁を刺し通して患者の腹部領域を通気するのに適した通気用の外科手術器具であって、該器具は、
近位端と遠位端の間で軸線沿いに延びる通気路を設けたシャフトであって、通気路が近位端で圧力下にある流体源に接続されるようになっているシャフトと、
シャフトの遠位端に設けられた先端部とを備えており、先端部は、腹壁を刺し通している最中に閉鎖された第1位置と、腹壁を刺し通した後で腹部領域の通気を行うように加圧流体を噴出するために開放された第2位置とを有していることを特徴とする、通気用の外科手術器具。
〔態様31〕前記先端部は引上げ蓋になっており、腹壁を縦断する際に自動的に開くようになっていることを特徴とする、前記態様30に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様32〕前記シャフトおよび前記引上げ蓋を接続する維持部材を更に備えている、前記態様31に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様33〕前記先端部はフラッパ弁になっており、ガスまたは流体が流体源に導入されて通気路に入ると、第2位置まで開くようにしたことを特徴とする、前記態様30に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様34〕前記フラッパ弁は逆フラッパ弁であることを特徴とする、前記態様33に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様35〕前記フラッパ弁はバネ偏倚フラッパ弁であることを特徴とする、前記態様33に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様36〕前記維持部材はバネ、バネワイヤ、オフセット蝶番、一体蝶番のいずれか1つであることを特徴とする、前記態様32に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様37〕前記引上げ蓋は2部材片の引上げ蓋であることを特徴とする、前記態様31に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様38〕前記先端部は少なくとも2枚の花弁状片から構成されており、前記シャフトの側面に向けて前記第2の通気位置へ復位することを特徴とする、前記態様31に記載の通気用の外科手術器具。
〔態様39〕患者の腹部領域を通気するために腹壁を横切って移動するのに適した腹腔鏡通気用外科手術器具であって、該器具は、
遠位先端部を設けた細長い管と、
細長い管の遠位端に配置されて患者の腹壁と腹部領域の視認を容易にする光学素子と、
近位端と遠位端が設けられて、細長い管の近位端と遠位端に沿って延びている通気路とを備えており、通気路は近位端で圧力下の流体源に接続されるようになっているとともに、加圧流体を噴出して遠位端で腹部領域を通気するようにした、腹腔鏡通気用外科手術器具。
〔態様40〕前記通気路は前記細長い管の周囲でコイル状に形成されていることを特徴とする、前記態様39に記載の腹腔鏡通気用外科手術器具。
〔態様41〕前記細長い管の前記遠位端は先細りになり、略円錐形先端を設けた端部を形成していることを特徴とする、前記態様40に記載の腹腔鏡通気用外科手術器具。
〔態様42〕腹壁を横切って移動して患者の腹部領域を通気するのに適した通気用の外科手術器具であって、該器具は、
近位端と遠位端の間の軸線沿いに延びている第1管腔を形成している壁と、近位端と遠位端の間の軸線沿いに延びている壁に形成されて、近位端で圧力下にある流体源に接続されるようになっている第1通気路とを設けた通気カニューレと、
近位端と遠位端の間で軸線沿いに延びている第2の管腔を設けたシャフトと、遠位端に形成され、カニューレの第1通気路と整列状態になって加圧流体を噴出して腹部領域を通気するようになっている第2通気路と、シャフトの遠位端に設けられた先端部とを有している通器用の套管針と、
套管針の先端部に形成されて、套管針の第2通気路と連絡状態になっている少なくとも1個の換気穴とを備えている、通気用の外科手術器具。
〔態様43〕前記套管針の近位端で挿入するようになっているとともに、套管針が腹壁を貫いて設置されると、遠位端まで前進させられる腹腔鏡を更に備えている、前記態様42に記載の通気用の外科手術器具。
更に、前記套管針の先端部又は前記シャフトに形成されて、前記第1通気路と連通する少なくとも1つの換気穴と、前記第1通気路と連通して前記シャフトに沿って形成された他の換気穴と、を有する請求項1記載の通気用の外科手術器具。
更に、前記套管針の先端部に形成された少なくとも1つの換気穴を有し、この少なくとも1つの換気穴は、前記第1通気路と連通し且つ前記圧力下の流体を噴射して前記腹部領域を通気するようになっている請求項1記載の通気用の外科手術器具。
更に、前記シャフトの近位端に配置されている封鎖ハウジングを有し、この封鎖ハウジングは、隔壁シールと、ゼロ封鎖と、を備えている請求項1記載の通気用の外科手術器具。
前記シャフトの遠位端の前記套管針の先端部は、前記套管針の内径が先細る先細り部を備え、前記スコープ止め部材は、前記腹腔鏡が前記套管針の内径の先細り部に挿入されたままに保たれるようにする請求項11記載の通気用の外科手術器具。
更に、前記カニューレの近位端と遠位端との間に延びる通気路を有し、この通気路は、前記近位端の圧力下の流体源に接続されるなっており、前記先端部は、先細りになっており、この先細り部分に形成された少なくとも1つの換気穴を備え、前記スコープ止め部材は、腹腔鏡が前記シャフトの中の深すぎる位置まで挿入されないようにし、前記通気路及び前記換気穴の少なくとも一方を遮断する請求項11記載の通気用の外科手術器具。
更に、前記通気路と前記套管針との間の前記第1管腔内の通気用のカニューレの遠位端に位置決めされた遠位カニューレシールを有する請求項11記載の通気用の外科手術器具。
更に、前記カニューレの遠位端と近位端との間に延びる通気路を有し、前記先端部又は前記シャフトに形成されて、前記通気路と連通する少なくとも1つの換気穴を有する請求項11記載の通気用の外科手術器具。
更に、前記カニューレの遠位端と近位端との間に延びる通気路を有し、更に、前記先端部又は前記シャフトに形成されて、前記通気路と連通する少なくとも1つの換気穴と、前記通気路と連通すると共に前記シャフトに沿って形成された他の換気穴と、を有する請求項11記載の通気用の外科手術器具。