特開2015-226876(P2015-226876A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-226876(P2015-226876A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20060101AFI20151120BHJP
   B65D 47/34 20060101ALN20151120BHJP
【FI】
   B05B11/00 102N
   B65D47/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-113469(P2014-113469)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏太郎
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 茂雄
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084AB05
3E084BA02
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HD01
3E084KB05
3E084KB06
3E084LA18
3E084LB02
3E084LC01
3E084LC06
3E084LD22
3E084LD25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小さな操作力で液体を吐出可能なトリガー式液体噴出器を提供する。
【解決手段】噴出器本体の流路P内に、ポンプの作動に伴う流路P内における液体の流れを容器からノズルに向けた方向に規制する弁部材61を有するトリガー式液体噴出器において、弁部材61に、容器側からポンプ側に向けた液体の流れを許容するとともにポンプ側から容器側に向けた液体の流れを阻止する吸入側逆止弁63と、ポンプ側からノズル側に向けた液体の流れを許容するとともにノズル側からポンプ側に向けた液体の流れを阻止する吐出側逆止弁64と、を設け、吐出側逆止弁64を、径方向に弾性変形自在の傘状に形成し、その外周端において流路Pの内周面に接触させるとともに、該外周端の流路Pの内周面への接触力を周方向で不均一とした構成とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する容器の口部に装着される噴出器本体と、該噴出器本体に設けられた流路の先端に装着されるノズルと、前記流路の途中部分に設けられたポンプ孔に接続され、トリガーの操作により作動するポンプと、前記流路内に設けられ、前記ポンプの作動に伴う前記流路内における液体の流れを前記容器から前記ノズルに向けた方向に規制する弁部材と、を有するトリガー式液体噴出器であって、
前記弁部材は、
前記流路内の前記ポンプ孔よりも上流側に配置されて該容器側から前記ポンプ側に向けた液体の流れを許容するとともに前記ポンプ側から前記容器側に向けた液体の流れを阻止する吸入側逆止弁と、
前記流路内の前記ポンプ孔よりも下流側に配置されて前記ポンプ側から前記ノズル側に向けた液体の流れを許容するとともに前記ノズル側から前記ポンプ側に向けた液体の流れを阻止する吐出側逆止弁と、を有し、
前記吐出側逆止弁は、径方向に弾性変形自在の傘状に形成され、その外周端において前記流路の内周面に接触するとともに、該外周端の前記流路の内周面への接触力が周方向で不均一とされていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記吐出側逆止弁の軸心が、前記流路の軸心からずらされている、請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項3】
前記吐出側逆止弁が、その外周端の中心位置と内周端の中心位置とがずれた形状に形成されている、請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項4】
前記吐出側逆止弁が、その外周端が前記流路の軸方向に垂直な面に対して傾斜した形状に形成されている、請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項5】
前記弁部材が、前記流路内に固定される固定部を備え、前記吸入側逆止弁と前記吐出側逆止弁とが前記固定部と一体に設けられている、請求項1〜4の何れか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項6】
前記吐出側逆止弁の内側に棒状部が設けられ、該棒状部が前記流路の内壁に当接するとともに、前記固定部が前記流路の内周面に形成された段差部に係止されて、前記弁部材が前記流路内に固定される請求項5に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項7】
前記吸入側逆止弁は前記固定部から突出する弾性支持部の先端に設けられ、前記流路に設けられた弁座に当接する請求項5または6に記載のトリガー式液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容する容器の口部に取り付けられて容器内の液体をノズルから霧状または泡状にして噴出させるトリガー式液体噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
カビ取り剤、洗剤、衣料用糊剤、住居用ワックス、整髪剤、芳香剤等の液体を収容する容器では、その口部に取り付けられる噴出器として、トリガーの操作によって作動するポンプにより液体をノズルから霧状または泡状にして噴出させるようにしたトリガー式液体噴出器が多く用いられている。
【0003】
このようなトリガー式液体噴出器は装着キャップ等によって容器の口部に装着される噴出器本体を備えており、この噴出器本体には容器に連通する流路が設けられ、この流路の先端にはノズルが装着されている。ポンプは流路の途中に設けられたポンプ孔に接続され、ポンプが作動すると、容器内の液体が流路に沿って圧送されてノズルから外部に噴出される。
【0004】
このような構成のトリガー式液体噴出器では、ポンプの動作、つまりポンプの吸入動作と吐出動作とに伴って流路内を圧送される液体の流れ方向を、容器側からノズル側に向けた方向に規制する必要がある。そのために、流路内には逆止弁として機能する弁部材が設けられる。
【0005】
このような弁部材としては、例えば特許文献1に示されるように、流路内のポンプ孔よりも容器側に配置され、容器側からポンプ側に向けた液体の流れを許容するとともにポンプ側から容器側に向けた液体の流れを阻止する筒形状の吸入側逆止弁と、流路内のポンプ孔よりもノズル側に配置され、ポンプ側からノズル側に向けた液体の流れを許容するとともにノズル側からポンプ側に向けた液体の流れを阻止する傘形状の吐出側逆止弁とが一体に設けられた構成のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3647583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載される弁部材では、吐出側逆止弁は、軸心を中心として周方向に均一な形状の傘状(円錐台形状)に形成され、円筒状の流路と同軸に配置されてその全周に亘って流路の内周面に均一な当たり代で当接する構成とされており、ポンプの吐出動作により吐出側逆止弁に圧力が加えられても、その全周に亘って均一に変形しようとして高い圧力でなければ開放しないものであった。そのため、ポンプを作動させるために必要なトリガーの操作力が大きくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような点を解決することを課題とするものであり、その目的は、小さな操作力で液体を吐出可能なトリガー式液体噴出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトリガー式液体噴出器は、液体を収容する容器の口部に装着される噴出器本体と、該噴出器本体に設けられた流路の先端に装着されるノズルと、前記流路の途中部分に設けられたポンプ孔に接続され、トリガーの操作により作動するポンプと、前記流路内に設けられ、前記ポンプの作動に伴う前記流路内における液体の流れを前記容器から前記ノズルに向けた方向に規制する弁部材と、を有するトリガー式液体噴出器であって、前記弁部材は、前記流路内の前記ポンプ孔よりも上流側に配置されて該容器側から前記ポンプ側に向けた液体の流れを許容するとともに前記ポンプ側から前記容器側に向けた液体の流れを阻止する吸入側逆止弁と、前記流路内の前記ポンプ孔よりも下流側に配置されて前記ポンプ側から前記ノズル側に向けた液体の流れを許容するとともに前記ノズル側から前記ポンプ側に向けた液体の流れを阻止する吐出側逆止弁と、を有し、前記吐出側逆止弁は、径方向に弾性変形自在の傘状に形成され、その外周端において前記流路の内周面に接触するとともに、該外周端の前記流路の内周面への接触力が周方向で不均一とされていることを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記構成において、前記吐出側逆止弁の軸心が、前記流路の軸心からずらされているのが好ましい。
【0011】
または、本発明は、上記構成において、吐出側逆止弁が、その外周端の中心位置と内周端の中心位置とがずれた形状に形成されているのが好ましい。
【0012】
または、本発明は、上記構成において、前記吐出側逆止弁が、その外周端が前記流路の軸方向に垂直な面に対して傾斜した形状に形成されているのが好ましい。
【0013】
本発明は、上記構成において、前記弁部材が、前記流路内に固定される固定部を備え、前記吸入側逆止弁と前記吐出側逆止弁とが前記固定部と一体に設けられているのが好ましい。
【0014】
本発明は、上記構成において、前記吐出側逆止弁の内側に棒状部が設けられ、該棒状部が前記流路の内壁に当接するとともに、前記固定部が前記流路の内周面に形成された段差部に係止されて、前記弁部材が前記流路内に固定されるのが好ましい。
【0015】
本発明は、上記構成において、前記吸入側逆止弁は前記固定部から突出する弾性支持部の先端に設けられ、前記流路に設けられた弁座に当接するのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吐出側逆止弁に変形し易い部分を生じさせ、ポンプを作動させた際における吐出側逆止弁の開放圧力を下げることができるので、ポンプを作動させるために必要なトリガーの操作力を低減させて、トリガー式液体噴出器の操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態であるトリガー式液体噴出器の断面図である。
図2図1に示す弁部材の詳細を示す斜視図である。
図3】(a)は図2に示す弁部材の平面図であり、(b)は同図(a)におけるA−A線に沿う断面図である。
図4】傘状部の流路の内周面に対する接触状態を説明するための断面図である。
図5】(a)、(b)は、それぞれ図4に示す弁部材の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
【0019】
図1に示す本発明の一実施の形態であるトリガー式液体噴出器1は、例えば、カビ取り剤、洗剤、衣料用糊剤、住居用ワックス、整髪剤、芳香剤、忌避剤、農薬、薬品等の液体を収容する容器2の口部2aに取り付けて使用されるものである。このトリガー式液体噴出器1は、容器2の口部2aに装着される樹脂製の噴出器本体11と、この噴出器本体11に装着されたノズル21およびポンプ31を備えている。
【0020】
噴出器本体11は、容器2の口部2aに対応した円筒状の装着筒部12を備え、この装着筒部12を容器2の口部2aに嵌合させた状態で装着キャップ13が容器2の口部2aにねじ結合されることにより、容器2の口部2aに装着されている。なお、符号14は、容器2の口部2aと装着筒部12との間を密封するシール部材である。
【0021】
噴出器本体11は、装着筒部12からその中心軸に沿う方向に向けて延びる起立部15と、この起立部15に対して直交する方向に延びる延出部16とを備えた外形略L字形に形成されている。起立部15の内部には装着筒部12に連通する吸入流路P1が設けられ、この吸入流路P1の下端には容器2の内部に挿入される吸引用のチューブ17が接続されている。一方、延出部16には吸入流路P1に対して直交する方向に延びる送出流路P2が設けられ、この送出流路P2の先端はノズル21に連なる送出口18となっている。このように、噴出器本体11の液体の流路Pは吸入流路P1と送出流路P2とを含んで構成されている。
【0022】
噴出器本体11の延出部16の先端には円筒状の装着筒16aが設けられ、ノズル21は、この装着筒16aに抜け止めされた状態で装着されている。装着筒16aの内側には送出流路P2の送出口18が開口している。このように、ノズル21は送出流路P2の先端に装着され、送出流路P2を通して供給される液体を外部に向けて霧状または泡状として噴出させることができる。
【0023】
なお、このノズル21を装着筒16aに回動可能に装着し、ノズル21を回動させることで当該ノズル21を、液体の噴出が可能な開状態と液体の噴出が不能な閉状態とに切り替え可能な構造とすることもできる。また、ノズル21は2ピース構造とすることができ、さらに、ノズル21に開閉自在にノズルカバー21aを設け、このノズルカバー21aをノズル21の前面を覆う閉位置として液体を噴出させることにより、ノズル21から噴出される液体をさらに効果的に泡状化させる構成とすることもできる。
【0024】
ポンプ31は、噴出器本体11に取り付けられたシリンダ32と、このシリンダ32の内部に移動自在に組み付けられたピストン33とを備えている。噴出器本体11の液体の流路Pの途中部分つまり吸入流路P1と送出流路P2との間にはポンプ孔34が設けられ、シリンダ32の内部はこのポンプ孔34を介して流路Pつまり吸入流路P1および送出流路P2に接続されている。
【0025】
噴出器本体11には枢軸41により回動自在にトリガー(操作レバー)Tが装着され、このトリガーTはピン部材42によりピストン33の先端に回動自在に連結されている。また、トリガーTには、一端が噴出器本体11に固定保持された湾曲形状の板ばね43の先端が係止され、この板ばね43により、トリガーTはポンプ31から離れる方向(図中においては枢軸を中心とした時計回り方向)に付勢されている。
【0026】
なお、噴出器本体11にはカバー44が装着され、噴出器本体11とポンプ31はこのカバー44により覆われ、トリガーTがカバー44の下方から突出している。
【0027】
トリガーTを手動で操作し、ポンプ31に向けて引くことにより、ピストン33をシリンダ32内に押し込んでポンプ31を吐出動作させることができる。また、トリガーTの操作を解除することにより、板ばね43の弾性力によりトリガーTを初期位置に復帰させてポンプ31を吸入動作させることができる。このように、トリガーTの引き操作と解除操作とを繰り返すことによりポンプ31を作動させ、容器2内の液体を、吸入流路P1を介してポンプ孔34からポンプ31内に吸入するとともに、ポンプ31に吸入した液体をポンプ孔34から送出流路P2つまりノズル21に向けて吐出することができる。
【0028】
なお、噴出器本体11およびポンプ31としては、上記した構成のものに限らず、トリガーTの操作により作動するポンプ31によって容器2の内部からノズル21に向けて液体を圧送することができる構成のものであれば、種々の構成ないし構造のものを用いることができる。
【0029】
吸入流路P1とチューブ17の間には、このトリガー式液体噴出器1が装着された容器2が正立姿勢および倒立姿勢の何れの姿勢とされても、容器2内の液体をポンプ31に供給することを可能とする正倒立両用機構51が設けられている。
【0030】
この正倒立両用機構51は逆止弁ユニット52を備え、容器2が正立姿勢のときにはボール状の弁体52aにより弁室52bの流出孔52cを閉塞して逆止弁ユニット52を閉状態とし、チューブ17を介して吸入流路P1に液体が導かれるようにする一方、容器2が倒立姿勢となったときには、弁体52aが弁室52b内を流出孔52cから離れる方向に移動して逆止弁ユニット52は開状態となり、装着筒部12の内側に溜まった液体を、逆止弁ユニット52の側壁に設けられた流入孔52dから弁室52b、流出孔52c、倒立時用流路52eを介して吸入流路P1に導くことができる。これにより、正立姿勢、倒立姿勢の何れの姿勢においても容器2内の液体をポンプ31に供給することができる。
【0031】
ポンプ31の作動に伴う流路Pの内部における液体の流れを、容器2側からノズル21側に向けた方向に規制するために、流路Pの内部には弁部材61が設けられている。図2図3に示すように、この弁部材61は、固定部62、吸入側逆止弁63および吐出側逆止弁64を樹脂材料により一体に形成した構成とすることができる。
【0032】
固定部62は円板状に形成され、流路P内のポンプ孔34の下流側(図1中においてポンプ孔34の上側)部分の内周面に設けられた段差部65に上方側から当接するとともにアンダーカット係合して流路P内に固定されている。また、固定部62には円柱状の連接部66が一体に設けられ、この連接部66の上端に同軸かつ一体に設けられた棒状部67が、流路P内の下方側を向く内壁に下方側から当接している。このように、固定部62は、その一端面が段差部65に上方側から当接するとともに、これと一体に設けられた棒状部67が流路Pの内壁に下方側から当接することにより流路P内に流路Pに沿って移動できないように固定されている。
【0033】
なお、固定部62は、上記構成に限らず、例えば流路P内に圧入や接着等の他の手段により固定される構成とすることもできる。
【0034】
図2図3に示すように、固定部62は連接部66の外周面から径方向外側に突出する略T字形状に形成されている。これにより、流路P内に固定部62が固定されても、ポンプ孔34から送出流路P2へ向けた液体の流路が確保される。
【0035】
固定部62の下面には下方に向けて突出する弾性支持部68が一体に設けられ、この弾性支持部68の先端(下端)に吸入側逆止弁63が一体に設けられている。吸入側逆止弁63は、吸入流路P1の内径よりも外径が小さい円柱状に形成され、その下端は半球形状とされており、また、その下端の軸心には凹部63aが設けられている。一方、弾性支持部68は左右に湾曲する蛇行形状に形成されており、流路Pに沿って上下方向に弾性変形自在となっている。
【0036】
吸入流路P1のポンプ孔34よりも上流側(容器2側)の内周面には、吸入流路P1の下方側に向けて縮径するテーパ面(円錐面)状に形成された弁座69が一体に設けられている。吸入側逆止弁63は、弾性支持部68により付勢された状態で、ポンプ孔34よりも上流側において弁座69にその上方側から当接して吸入流路P1を閉塞している。このような構成により、吸入側逆止弁63は、流路P内のポンプ孔34に対して上流側からの液体の流れ、つまり容器2側からポンプ31側に向けた吸入流路P1内の液体の流れは許容するが、吸入流路P1内のポンプ31側から容器2側に向けた液体の流れを阻止する逆止弁として機能する。
【0037】
一方、吐出側逆止弁64は、アンブレラバルブとも呼ばれるものであり、連接部66の上端から上方に向けて突出するとともに上方ほど外径が大きくなるように拡径する傘状に形成され、流路P内のポンプ孔34よりも下流側(図中上方側)に配置されている。吐出側逆止弁64は径方向に弾性変形自在となっており、その外周端において流路Pの内周面に接触して当該流路Pを閉塞している。なお、棒状部67はその基端側の一部が吐出側逆止弁64の内側に配置されている。吐出側逆止弁64は、その外周端が流路Pの内周面から離れるように縮径変形することにより、流路P内のポンプ孔34から下流側に向けた液体の流れ、つまり送出流路P2内のポンプ31側からノズル21側へ向けた液体の流れを許容するが、その外周端が流路Pの内周面に当接することにより、送出流路P2内のノズル21側からポンプ31側に向けた液体の流れを阻止する逆止弁として機能する。
【0038】
このような弁部材61が流路P内に設けられることにより、ポンプ31の作動時における流路P内の液体の流れ方向が、容器2側からノズル21側に向けた方向に規制される。つまり、トリガーTが操作されてポンプ31が吐出動作すると、ポンプ31内の液体が加圧されてポンプ孔34から流路Pに吐出されるが、このとき、ポンプ孔34から流路P内に液体が吐出されると、この液体の圧力により吐出側逆止弁64が縮径方向に弾性変形して開かれ、液体はポンプ31からノズル21に向けて送出流路P2内を圧送される。一方、吸入側逆止弁63は弾性支持部68により弁座69に押し付けられた状態に維持されるので、ポンプ31側から容器2側に向けた液体の流れは吸入側逆止弁63により阻止される。したがって、ポンプ31の吐出動作により、ポンプ31内の液体を確実に容器2からノズル21に向けて圧送させることができる。
【0039】
反対に、トリガーTの操作が解除されてポンプ31が吸入動作すると、ポンプ31内が負圧となって吸入側逆止弁63が弁座69から離れる方向に移動して開かれ、容器2内の液体が吸入流路P1とポンプ孔34を通してポンプ31(シリンダ32)内に吸入される。このとき、吐出側逆止弁64は閉じた状態に維持され、流路P内におけるノズル21側からポンプ31側に向けた液体の流れは吐出側逆止弁64により阻止される。したがって、ポンプ31の吸入動作により、容器2内の液体を確実にポンプ31に向けて吸入することができる。
【0040】
図4は傘状部の流路の内周面に対する接触状態を説明するための断面図である。
【0041】
本発明では、上記のように、吐出側逆止弁64を、径方向に弾性変形自在の傘状に形成しているが、その最も外径が大きくなる外周端を、その全周に亘って流路Pの内周面に均一の接触圧で接触させるのではなく、当該接触圧が周方向で不均一となるようにアンバランスに接触させるようにしている。
【0042】
例えば、図4に示す本実施の形態の場合では、吐出側逆止弁64の軸心を円筒状に形成された流路Pの軸心からずらすことで、図4中右側における吐出側逆止弁64の外周端の流路Pの内周面への当り代L1を、図4中左側における吐出側逆止弁64の外周端の流路Pの内周面への当り代L2よりも大きくして、吐出側逆止弁64の流路Pの内周面への接触圧を周方向で不均一となるようにしている。
【0043】
吐出側逆止弁64の外周端を、接触圧が周方向で不均一となるように流路Pの内周面に接触させる構成としては、図4に示す構成に限らず、種々変更可能である。
【0044】
例えば、図5(a)に示す変形例のように、吐出側逆止弁64を、その外周端の中心位置と連接部66に連なる最下端部分である内周端の中心位置とがずれた形状、つまり、その軸心が流路Pの軸心に対して傾斜する斜円錐状に形成することができる。この場合、連接部66から吐出側逆止弁64の外周端の周方向の各位置までの距離が相違することになるので、吐出側逆止弁64の外周端を、接触圧が周方向で不均一となるように流路Pの内周面に接触させることができる。なお、吐出側逆止弁64の外周端は、流路Pの軸心に対して垂直に形成されるのが好ましい。この場合、吐出側逆止弁64の外周端の流路Pの内周面への当り代は、全周で均一でも不均一でもよい。
【0045】
また、例えば、図5(b)に示す変形例のように、吐出側逆止弁64を、その外周端が流路Pの軸方向に垂直な面に対して傾斜した形状に形成することもできる。この場合も、連接部66から吐出側逆止弁64の外周端の周方向の各位置までの距離が相違することになるので、吐出側逆止弁64の外周端を、接触圧が周方向で不均一となるように流路Pの内周面に接触させることができる。なお、この場合においても、吐出側逆止弁64の外周端の流路Pの内周面への当り代は、全周で均一でも不均一でもよい。
【0046】
このように、吐出側逆止弁64の外周端を、接触圧が周方向で不均一となるように流路Pの内周面に接触させる構成としたことにより、ポンプ31が吐出動作し、ポンプ31から吐出された液体の圧力が吐出側逆止弁64に加えられたときには、当該圧力により吐出側逆止弁64の全体が均一に縮径変形するのではなく、流路Pの内周面に対する接触圧が小さい部分から先に縮径変形することになる。つまり、吐出側逆止弁64に、変形し易い部分が設けられることになるので、当該変形し易い部分の変形をきっかけに吐出側逆止弁64の全体が、より小さな圧力で開かれることになる。したがって、吐出側逆止弁64の開放圧力が下がることになるので、トリガーTの操作によりポンプ31を作動させ、液体をノズル21から噴出させる際において、ポンプ31を作動させるために必要なトリガーTの操作力を低減させて、このトリガー式液体噴出器1の操作をより軽く、容易なものとすることができる。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0048】
例えば、ポンプ31は、前記実施の形態に示した構造のものに限らず、トリガーTの操作により作動して、ポンプ孔34を通して流路Pとの間で液体を吸入、吐出することができる構造のものであれば、種々の構成のものを用いることができる。
【0049】
また、吸入側逆止弁63も前記実施の形態に示した構造のものに限らず、吸入流路P1を開閉する逆止弁として機能することができるものであれば種々の構成とすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 トリガー式液体噴出器
2 容器
2a 口部
11 噴出器本体
12 装着筒部
13 装着キャップ
14 シール部材
15 起立部
16 延出部
16a 装着筒
17 チューブ
18 送出口
21 ノズル
21a ノズルカバー
31 ポンプ
32 シリンダ
33 ピストン
34 ポンプ孔
41 枢軸
42 ピン部材
43 板ばね
44 カバー
51 正倒立両用機構
52 逆止弁ユニット
52a 弁体
52b 弁室
52c 流出孔
52d 流入孔
52e 倒立時用流路
61 弁部材
62 固定部
63 吸入側逆止弁
63a 凹部
64 吐出側逆止弁
65 段差部
66 連接部
67 棒状部
68 弾性支持部
69 弁座
P1 吸入流路
P2 送出流路
P 流路
T トリガー
L1 当り代
L2 当り代
図1
図2
図3
図4
図5