【解決手段】 本発明の座席装置1は、開口に並べられて張り渡される複数本のばね13と、複数本のばね13上に載置される、着座に起因した前記クッションパッドにおける上下方向の変位に連動して動かない部材12と、磁石31及び磁気センサ32とを備える。磁石31及び磁気センサ32の一方は、ばね13又はクッションパッド20に固定され、磁石31及び磁気センサ32の他方は、磁石31及び磁気センサ32の一方よりも下方において部材12に支持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1における検出部を構成する上部フィルムはクッションパッドの下面に接触しているため、例えばクッションパッドに物が置かれた場合にも接点同士が接触し易く誤検出する傾向が高いという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、適切に着座を検出し得る座席装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特許文献1の着座センサが適切に着座を検出できない別の原因を明らかにした。すなわち、着座センサがばねに支持されている場合、当該着座センサがクッションパッドによって押圧されたとしても、クッションパッドと着座センサとの相対的位置が殆ど変わらないことが原因で、着座センサの接点同士が接触せず、適切に着座を検出できていなかった。特に、特許文献1の着座センサのように、接点の物理的接触により着座が検出する場合には、当該接点間の変位が小さく設計が難しいため、誤検知の傾向が大きかった。
【0009】
そこで、本発明者は更に鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決し得る本発明に至った。
【0010】
本発明は、開口に並べられて張り渡される複数本のばねと、前記複数本のばね上に載置されるクッションパッドと、着座に起因した前記クッションパッドにおける上下方向の変位に連動して動かない部材と、磁石及び磁気センサを有する着座センサとを備え、前記磁石及び前記磁気センサの一方は、前記ばね又は前記クッションパッドに固定され、前記磁石及び前記磁気センサの他方は、前記磁石及び磁気センサの前記一方よりも下方において前記部材に支持されることを特徴とする。
【0011】
このような座席装置では、ばねに載置されるクッションパッドに人が着座した場合、当該クッションパッド及びばねが鉛直方向へ落ち込むように変位する。このため、磁石及び磁気センサの一方が他方に近づいて、当該磁気センサにおける磁場が強くなる。したがって、磁気センサが、磁場の変化を検出することで着座を検出することが可能となる。
このように、着座に起因したクッションパッドにおける上下方向の変位に連動して動くばねに磁石及び磁気センサの一方が固定され、当該変位に連動して動かない部材に他方が支持されることで、磁石と磁気センサとの間の距離が感圧スイッチのような物理的接点間の距離より大きい場合であっても、クッションパッドの変位を磁場の変化として捉えることができる。
こうして、適切に着座を検出することができる。
また、クッションパッドの変位に応じた磁場の変化により着座が検出されるため、感圧スイッチのように物理的接触により着座を検出する場合に比べて、着座の検出感度を維持しながらも、磁石及び磁気センサにおける配置位置の制約を緩和することもできる。
【0012】
また、前記部材は、前記クッションパッドとともに前記クッションパッドの前後方向及び左右方向の少なくとも一方へ移動可能な部材であることが好ましい。
【0013】
クッションパッドが前後方向又は左右方向に移動する場合、クッションパッドが載置されるばね、及び、そのばねに固定される磁石又は磁気センサの一方は、当該クッションパッドとともにクッションパッドの前後方向又は左右方向へ相対的に移動する。
したがって、磁石又は磁気センサの他方が、クッションパッドとともにクッションパッドの前後方向及び左右方向の少なくとも一方へ移動可能な部材に支持された場合、クッションパッドが移動したとしても、当該磁石と磁気センサとの相対的な位置関係は変わらない。このため、クッションパッドが前後方向又は左右方向へ移動することに起因して磁気センサにおける検出感度が変化することを防止することができる。
【0014】
また、前記磁石と前記磁気センサとは鉛直方向において互いに重なり合う配置関係とされることが好ましい。
【0015】
このような配置関係とされる場合、当該配置関係とされない場合に比べて、クッションパッドの変位を磁場の変化としてより鋭敏に捉えることができ、この結果、着座の検出感度を高めることができる。
【0016】
また、前記磁石及び前記磁気センサの前記一方は、ばね底の下側に位置する状態で前記ばねに固定されることが好ましい。
【0017】
このように固定した場合、永久磁石と磁気センサとの間にばねが介在することを避けることができる。したがって、ばねが金属であっても、永久磁石が発する磁場に対する影響を、永久磁石と磁気センサとの間にばねが介在する場合に比べて小さくして、着座の検出感度を高めることができる。
【0018】
なお、前記磁石は、前記ばね又は前記クッションパッドに固定され、前記磁気センサは、前記磁石よりも下方において前記部材に支持されるようにすることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、適切に着座を検出し得る座席装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1)第1実施形態
本発明に好適となる第1実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。
【0022】
<座席装置について>
図1は、第1実施形態の座席装置1を斜め方向から見た様子を示す図であり、
図2は、
図1のX−X線に沿った断面の様子を示す図である。
【0023】
図1に示すように、座席装置1は、クッション載置ユニット10と、クッションパッド20と、着座センサユニット30とを主な構成要素として備える。
【0024】
<クッション載置ユニットについて>
クッション載置ユニット10は、
図1及び
図2に示すように、架台11、支持フレーム12及び複数本のばね13を主な構成要素として備える。
【0025】
架台11は、クッションパッド20を支える基盤となる土台部材であり、人の着座に起因してクッションパッド20に加わる圧力によって変形しない程度以上の剛性を有する。
【0026】
本実施形態の場合、互いに平行に配設される左基礎脚部11A及び右基礎脚部11Bと、左基礎脚部11Aに立設される左前脚部11C及び左後脚部11Dと、右基礎脚部11Bに立設される右前脚部11E及び右後脚部11Fにより架台11が構成される。これら脚部11A〜11Fの材料としては、例えば金属あるいはセラミック等を挙げることができる。
【0027】
支持フレーム12は、複数本のばね13を支持するフレーム部材であり、架台11に固定される。また、支持フレーム12は、架台11と同様に、人の着座に起因してクッションパッド20に加わる圧力によって変形しない程度以上の剛性を有する。
【0028】
本実施形態の場合、前フレーム12A、後フレーム12B、左フレーム12C及び右フレーム12Dにより支持フレーム12が構成され、これらフレーム12A〜12Dは左前脚部11C、左後脚部11D、右前脚部11E及び右後脚部11Fそれぞれの上端に固定される。
【0029】
各フレーム12A〜12Dの材料としては、例えば金属あるいはセラミック等を挙げることができる。なお、各フレーム12A〜12Dの材料は、脚部11A〜11Fの材料と同じであっても異なっていても良い。また、各フレーム12A〜12Dは、脚部11A〜11Fと一体に成形されていても良い。
【0030】
複数本のばね13は、クッションパッド20を載置する部材であり、支持フレーム12の開口に並べられて張り渡される。
【0031】
本実施形態の場合、各ばね13は、同一面上でS字状に繰り返し屈曲する金属製の線材とされ、その断面形状は例えば円形とされる。これらばね13の前端は前フレーム12Aに取り付けられ、後端は後フレーム12Bに取り付けられる。こうして、複数本のばね13は、クッションパッド20の前後方向に沿って、支持フレーム12により囲まれる開口に所定間隔を隔てて張り渡され、クッションパッド20のマットとして構成される。
【0032】
<クッションパッドについて>
クッションパッド20は、着座対象となる部材であり、圧力が加わると潰れるように変形する弾性部材とされる。このような弾性部材の材料としては、発泡ウレタン等を挙げることができる。
【0033】
本実施形態の場合、
図1に示すように、このクッションパッド20の後端部には背もたれ部材21が連結される。
【0034】
<着座センサユニットについて>
着座センサユニット30は、
図1及び
図2に示すように、着座センサとしての永久磁石31及び磁気センサ32と、センサ支持部33とを主な構成要素として備える。なお、
図1におけるX−X線は、座席装置1の最も外側にある1本のばね13を座席装置1の前後方向に通る線である。
【0035】
永久磁石31は、外部から磁場や電流等の供給を受けることなく長期にわたって磁場を発するものであり、具体例として、フェライト磁石、金属磁石又はボンド磁石などが挙げられる。
【0036】
本実施形態の場合、永久磁石31は、磁石固定具40によって、ばね底の下側に位置する状態で、最も外側に位置する1本のばね13に固定される。
図3は、ばね13の長さ方向に直交する方向における磁石固定具40の断面の様子を示す図である。
【0037】
図3に示すように、磁石固定具40は、プレート41と、プレート41の一方の面に設けられる磁石挟持部42と、当該プレート41の他方の面に設けられるばね挟持部43とを有する。このプレート41の材料は例えば金属又は樹脂を挙げることができ、磁石挟持部42及びばね挟持部43の材料は例えば樹脂等の可撓性を有するものを挙げることができる。
【0038】
ばね挟持部43は1本のばね部位を下側から挟持してプレート41をばね部位に固定し、当該プレート41におけるばね挟持部43の設置面とは逆の面に設けられる磁石挟持部42によって、ばね底の直下において永久磁石31が挟持される。
【0039】
磁気センサ32は、永久磁石31が発する磁場に基づいて、当該永久磁石31が接近したことを検出するものであり、具体例として、リードスイッチ、コイル、ホール素子又はMR(Magnetism Resistance)素子を用いた磁気センサが挙げられる。
【0040】
センサ支持部33は、永久磁石31よりも下方において磁気センサ32を支持する部材である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態のセンサ支持部33は例えば薄厚金属製や樹脂製のプレートでなり、当該センサ支持部33における一端が例えばはんだ付けにより前フレーム12Aに固定される。
【0041】
このようなセンサ支持部33の上面に磁気センサ32が例えば接着剤により固定されおり、これにより磁気センサ32がばね底よりも下方において支持される。なお、本実施形態の場合、センサ支持部33によって支持される磁気センサ32の支持位置は、永久磁石31の鉛直方向において永久磁石31と重なる位置とされる。
【0042】
<着座検出について>
図4は、座席装置1に人が着座したときの様子を
図2と同じ視点で示す図である。
図4に示すように、クッションパッド20に人が着座した場合、当該クッションパッド20の座面から圧力が加わる。
【0043】
この場合、クッションパッド20と、そのクッションパッド20が載置される複数本のばね13とは鉛直方向へ落ち込むように変位し、当該クッションパッド下面及びばね底は、着座していないときの位置(破線で示す)から低くなる。
【0044】
このため、ばね部位に固定される永久磁石31は、当該永久磁石31の鉛直方向において永久磁石31と重なる位置に配置される磁気センサ32に近づき、当該磁気センサ32における磁場が強くなる。
【0045】
磁気センサ32では、磁場の大きさに対して閾値が設定されており、当該磁気センサ32は、閾値よりも大きいレベルの磁場を検出しているときには、着座状態にあることを表す信号を後段の回路に出力する。
【0046】
このように本実施形態の座席装置1では、磁気センサ32に対する永久磁石31の距離に応じて着座が検出される。
【0047】
なお、クッションパッド20及び複数本のばね13は、全体として、鉛直方向へ落ち込むように変位するため、座席装置1の端部におけるクッションパッド下面及びばね底の変位量については中央部と同程度であることが確認されている。
【0048】
したがって、本実施形態のように座席装置1の端部(支持フレーム12の開口内の端部)に永久磁石31及び磁気センサ32が配置されている場合であっても、当該座席装置1の中央部に配置される場合と同等の検出感度を得ることができる。また、座席装置1の端部に永久磁石31及び磁気センサ32が配置されることで、クッションパッド20の下方に配置すべき電子部品等の配置スペースを確保し易くすることができる。
【0049】
<本実施形態の効果等>
以上のとおり、本実施形態の座席装置1では、
図2に示したように、永久磁石31がばね13に固定され、磁気センサ32が永久磁石31よりも下方において前フレーム12Aに支持されている。
【0050】
このような座席装置1では、ばね13に載置されるクッションパッド20に人が着座した場合、
図4に示したように、当該クッションパッド20及びばね13が鉛直方向へ落ち込むように変位する。このため、前フレーム12Aに支持される磁気センサ32に、ばね13に固定される永久磁石31が近づいて、当該磁気センサ32における磁場が強くなる。したがって、磁気センサ32が、磁場の変化を検出することで着座を検出することが可能となる。
【0051】
このように、着座に起因したクッションパッド20における上下方向の変位に連動して動くばね13に永久磁石31が固定され、当該変位に連動して動かない前フレーム12Aに磁気センサ32が支持されている。したがって、永久磁石31と磁気センサ32との間の距離が感圧スイッチのような物理的接点間の距離より大きい場合であっても、クッションパッド20の変位を磁場の変化として捉えることができる。
【0052】
このため、本実施形態の座席装置1では、磁気センサ32が1つであったとしても、また支持フレーム12の開口内の端部に配置されていたとしても、適切に着座を検出することができる。こうして、適切に着座を検出し得る座席装置1が実現される。
【0053】
また、クッションパッド20の変位に応じた磁場の変化により着座が検出されるため、感圧スイッチにおける物理的接触により着座を検出する場合に比べて、着座の検出感度を維持しながらも、永久磁石31及び磁気センサ32における配置位置の制約を緩和することもできる。
【0054】
また、本実施形態の場合、
図2に示したように、永久磁石31と磁気センサ32とは鉛直方向において互いに重なり合う配置関係とされている。
【0055】
このような配置関係とされる場合、当該配置関係とされない場合に比べて、クッションパッド20の変位を磁場の変化としてより鋭敏に捉えることができ、この結果、着座の検出感度を高めることができる。
【0056】
また、本実施形態の場合、
図2に示したように、永久磁石31は、ばね底の下側に位置する状態でばね13に固定されている。
【0057】
このため、永久磁石31と磁気センサ32との間にばね13が介在することを避けることができる。したがって、ばね13が金属であっても、永久磁石31が発する磁場に対する影響を、永久磁石31と磁気センサ32との間にばね13が介在する場合に比べて小さくして、着座の検出感度を高めることができる。
【0058】
(2)第2実施形態
次に、本発明に好適となる第2実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。ただし、第2実施形態における座席装置の構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0059】
図5は、第2実施形態の座席装置2について
図1のY−Y線に沿った断面の一部を示す図である。なお、
図1におけるY−Y線は、座席装置1の前端部を座席装置1の左右方向に通る線である。なお、
図5では、磁気センサー32が浮いているように示されているが、実際には、前フレーム12A(
図1)に固定されるセンサ支持部33(
図1)によって、磁気センサー32の直下に磁気センサー32が配置される。
【0060】
図5に示すように、本実施形態の座席装置2は、永久磁石31の固定位置のみ、第1実施形態の座席装置1と相違している。
【0061】
具体的に第1実施形態では、永久磁石31が磁石固定具40によりばね13に固定されていたのに対し、本実施形態では、永久磁石31が例えば接着剤によりクッションパッド下面に固定されている。
【0062】
なお、本実施形態の場合、クッションパッド下面における永久磁石31の固定位置は、互いに隣り合うばね13間の領域とされる。
【0063】
このようにしても上記第1実施形態と同様に、クッションパッド20の変位を磁場の変化として捉えて、適切に着座を検出することができる。また、永久磁石31と磁気センサ32との間にばね13が介在することが避けられているため、上記第1実施形態と同様に、永久磁石31が発する磁場に対する影響をばね13が金属であっても小さくすることができ、着座の検出感度を高めることができる。
【0064】
(3)他の実施形態
以上、第1実施形態及び第2実施形態が一例として説明された。しかしながら本発明は上記第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。
【0065】
例えば上記第1実施形態では、磁石固定具40によって永久磁石31がばね13に固定された。しかしながら、永久磁石31をばね13に固定する固定具は、例えば接着剤等のように磁石固定具40以外のものを適用することができる。一方、上記第2実施形態では、接着剤によって永久磁石31がクッションパッド下面に固定された。しかしながら、永久磁石31をばね13に固定する固定具は、例えば磁石を貫通するピン等のように接着剤以外のものを適用することができる。要するに、ばね13に固定可能な固定具が適用されれば良い。
【0066】
また上記実施形態では、1つの永久磁石31がばね13に固定された。しかしながら、ばね13に固定すべき永久磁石31の数は1つに限らず、2以上であっても良い。
【0067】
また上記第1実施形態では、1本のばね13に永久磁石31が固定され、上記第2実施形態では、クッションパッド下面に永久磁石31が固定された。しかしながら、永久磁石31を固定すべき部位として、例えば2本以上のばね13が適用されても良く、クッションパッド20の側面、上面又は内部が適用されても良い。また、上記第1実施形態では、永久磁石31がばね底の下側に位置する状態でばね13に固定されたが、当該ばね底の上側に位置する状態でばね13に固定されていても良い。要するに、ばね13又はクッションパッド20が固定対象であれば良い。
【0068】
また上記実施形態では、永久磁石31が適用されたが、当該永久磁石31に代えて電磁石が適用されても良い。なお、電磁石を適用した場合、例えば、電磁石の直下に磁気センサがあるときの位置を基準として、当該位置から離れるほど、電磁石に与えるべき電流量を大きくすることができる。このようにすれば、電磁石と磁気センサ32との相対的位置が変化しても、当該磁気センサ32における検出感度を同程度に調整することができる。
【0069】
また上記実施形態では、磁気センサ32が、センサ支持部33を通じて間接的に前フレーム12Aに支持された。しかしながら、例えば、磁気センサ32を接着剤により前フレーム12Aに固定することで、磁気センサ32が直接的に前フレーム12Aに支持されていても良い。また、センサ支持部33を支持フレーム12と一体に成形し、当該成形した支持フレームに磁気センサ32を固定することで磁気センサ32が支持されていても良い。
【0070】
なお、磁気センサ32が直接的又は間接的に支持されるべき部位は、前フレーム12Aに限らず、例えば、後フレーム12B、左フレーム12Cあるいは右フレーム12D、又は架台11を適用することができ、当該例示以外の部位も適用可能である。要するに、着座に起因したクッションパッド20の変位に連動して動かない部材であれば、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
ところで、着座に起因したクッションパッド20の変位に連動して動かない部材のなかには、クッションパッド20とともにクッションパッド20の前後方向及び左右方向の少なくとも一方へ移動可能な部材がある。
具体的には、例えば、クッションパッド20の前後方向にスライドさせる溝に架台11が設けられていた場合、当該架台11及び支持フレーム12は、クッションパッド20とともにクッションパッド20の前後方向へ相対的に移動可能な部材となる。
この場合、クッションパッド20が載置されるばね13、及び、そのばね13に固定される磁石についても、架台11及び支持フレーム12と同様に、当該クッションパッド20とともにクッションパッド20の前後方向へ相対的に移動することになる。
したがって、クッションパッド20とともにクッションパッド20の前後方向へ移動可能な部材に磁気センサ32が直接的又は間接的に支持された場合、クッションパッド20が移動したとしても、当該磁石と磁気センサ32との相対的な位置関係は変わらない。このため、クッションパッド20が前後方向へ移動することに起因して磁気センサ32における検出感度が変化することを防止することができる。
なお、クッションパッド20とともにクッションパッド20の左右方向へ移動可能な部材に磁気センサ32が直接的又は間接的に支持された場合も同様である。
【0072】
また上記実施形態では、磁石がばね13又はクッションパッド20に固定され、磁気センサ32が永久磁石31よりも下方において着座に起因したクッションパッド20の変位に連動して動かない部材に支持された。しかしながら、磁気センサ32がばね13又はクッションパッド20に固定され、磁石が磁気センサ32よりも下側に位置する状態で着座に起因したクッションパッド20の変位に連動して動かない部材に支持されていても良い。
【0073】
また上記実施形態では、ばね13の形状がS字状とされたが、例えばZ字状など、様々な形状を適用することができる。なお、ばね13の屈曲部分の繰り返し間隔は、連続していても良く、所定間隔おきであっても良く、ランダムであっても良い。また、繰り返すべき屈曲部分の形状は、同じであっても良く、例えばS字状とZ字状とを組み合わせる、あるいは、コ字状又はU字状を反転した形状同士を組み合わせるといったように異なっていても良い。さらに、屈曲部分の繰り返し数は、なくても良いが、あったほうが好ましい。なお、複数本のばね13がクッションパッド20の前後方向に張り渡されたが、左右方向あるいは斜め方向にあっても良い。
【0074】
なお、座席装置1又は2における各構成要素は、第1実施形態、第2実施形態及び他の実施形態に示された内容以外に、適宜、本願目的を逸脱しない範囲で組み合わせ、省略、変更、周知技術の付加などをすることができる。