特開2015-227153(P2015-227153A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000003
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000004
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000005
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000006
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000007
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000008
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000009
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000010
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000011
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000012
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000013
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000014
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000015
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000016
  • 特開2015227153-シート駆動装置 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227153(P2015-227153A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】シート駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/44 20060101AFI20151120BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20151120BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20151120BHJP
   B60N 2/18 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   B60N2/44
   B60N2/06
   B60N2/22
   B60N2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-209966(P2014-209966)
(22)【出願日】2014年10月14日
(31)【優先権主張番号】特願2014-95977(P2014-95977)
(32)【優先日】2014年5月7日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊東 定夫
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA03
3B087BA02
3B087BA16
3B087BD03
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】操作ハンドルの追従作動禁止のための構造の大型化を抑制することができるシート駆動装置を提供する。
【解決手段】複数の位置調整機構に対応して個別に配設された複数の操作ハンドル53L,53T,53R,53Sと、複数の操作ハンドルのいずれか一つの操作に伴い、該当する位置調整機構と回転モータとを選択的に接続する複数のクラッチ機構と、互いに同一の回転軸の周りに軸支されて複数の操作ハンドルにそれぞれ駆動連結された複数のスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sと、複数のスイッチカム部材とは異なる回転軸の周りに軸支され、径方向に突出する被押圧部75及び該被押圧部75を挟む周方向両側から径方向に突出する一対の規制部76を有するスイッチレバー70と、スイッチレバー70の回動に伴い、回動方向に応じた極性で回転モータに通電するスイッチを含む第1及び第2スイッチ構造体86,87とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転モータと、
複数の位置調整機構に対応して個別に配設された複数の操作部材と、
前記複数の位置調整機構に対応して個別に配設され、前記複数の操作部材のいずれか一つの操作に伴い、該当する前記位置調整機構と前記回転モータとを選択的に接続する複数のクラッチ機構と、
互いに同一の回転軸の周りに軸支されて前記複数の操作部材にそれぞれ駆動連結され、スイッチカム部を有する複数のスイッチカム部材と、
前記複数のスイッチカム部材とは異なる回転軸の周りに軸支され、径方向に突出する被押圧部及び該被押圧部を挟む周方向両側から径方向に突出する一対の規制部を有し、前記複数の操作部材のいずれか一つの操作時に該当の前記スイッチカム部材の前記スイッチカム部に前記被押圧部が押圧されて回動するとともに、該回動時に前記規制部で他の前記スイッチカム部材の前記スイッチカム部の回動軌跡を遮るスイッチレバーと、
前記スイッチレバーの回動に伴い、回動方向に応じた極性で前記回転モータに通電するスイッチとを備えた、シート駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート駆動装置において、
前記スイッチを含むスイッチ構造体は、前記スイッチレバーの回動方向に応じて該スイッチレバーに選択的に押下される一対のボタンを有し、これらボタンのいずれか一方が押下されることで該当の極性で前記回転モータに通電するように構成されており、
前記両ボタンは、前記スイッチレバーの回動軸を中心とする周方向に並設されて該スイッチレバーにより径方向外側に向かって押下される、シート駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート駆動装置において、
前記スイッチ構造体は、前記スイッチレバーの一方向の回動に伴って該スイッチレバーに押下される前記両ボタンの一方を有する第1スイッチ構造体と、前記スイッチレバーの他方向の回動に伴って該スイッチレバーに押下される前記両ボタンの他方を有する前記第1スイッチ構造体とは独立の第2スイッチ構造体とで構成された、シート駆動装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート駆動装置において、
前記複数の操作部材のうちの少なくとも一つは、
係合突部及び該係合突部が移動自在に挿入される係合凹部のいずれか一方を有して一直線上を移動自在に支持された操作ハンドルノブと、
前記係合突部及び前記係合凹部のいずれか他方を有して回動自在に支持され、前記操作ハンドルノブの操作に伴い前記係合凹部内で前記係合突部を移動させつつ前記係合突部及び前記係合凹部間の押圧力で回動して該当の前記クラッチ機構により前記位置調整機構と前記回転モータとを接続させる操作ハンドル回動部とを有した、シート駆動装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート駆動装置において、
前記複数の操作部材のうちの少なくとも一つは、
係合突部及び該係合突部が移動自在に挿入される係合凹部のいずれか一方を有して第1の回動軸周りに回動自在に支持された操作ハンドルノブと、
前記係合突部及び前記係合凹部のいずれか他方を有して前記第1の回動軸とは異なる第2の回動軸周りに回動自在に支持され、前記操作ハンドルノブの操作に伴い前記係合凹部内で前記係合突部を移動させつつ前記係合突部及び前記係合凹部間の押圧力で回動して該当の前記クラッチ機構により前記位置調整機構と前記回転モータとを接続させる操作ハンドル回動部とを有した、シート駆動装置。
【請求項6】
請求項5に記載のシート駆動装置において、
前記操作ハンドルノブは、その操作位置が前記第1の回動軸を挟んで前記係合突部又は前記係合凹部の反対側に配置されており、
前記第2の回動軸が前記第1の回動軸よりも前記係合突部又は前記係合凹部寄りになるように配置された、シート駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転モータにより複数の位置調整機構を選択的に作動させるシート駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シート駆動装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この装置は、複数の操作ハンドルと、これら操作ハンドルにそれぞれ駆動連結された複数のスイッチカム部材と、回転モータに通電するようにスイッチを作動させるスイッチレバーとを備える。そして、複数の操作ハンドルのいずれか一つを操作すると、当該操作ハンドルに対応するいずれか一つのスイッチカム部材が回動してスイッチレバーを押圧する。これにより、スイッチレバーが回動して、その回動方向に応じた極性で回転モータに通電するようにスイッチが作動する。
【0003】
また、複数のスイッチカム部材のいずれか一つの回動時、当該スイッチカム部材により回動させられて他のスイッチカム部材の回動を規制するストップカムを備えている。従って、複数の操作ハンドルのいずれか一つを操作すると、該当のスイッチカム部材が回動することで、ストップカムにより他のスイッチカム部材の回動が規制される。そして、他のスイッチカム部材にそれぞれ駆動連結された他の操作ハンドルが操作不能(以下、「追従作動禁止」ともいう)となる。つまり、最初の操作ハンドルの操作が優先されて、他の操作ハンドルが操作不能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−107624号公報(第12−14図、第40−41図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、操作ハンドルの追従作動禁止のためにストップカムを備える必要があり、追従作動禁止のための構造の大型化を余儀なくされる。
本発明の目的は、操作ハンドルの追従作動禁止のための構造の大型化を抑制することができるシート駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するシート駆動装置は、回転モータと、複数の位置調整機構に対応して個別に配設された複数の操作部材と、前記複数の位置調整機構に対応して個別に配設され、前記複数の操作部材のいずれか一つの操作に伴い、該当する前記位置調整機構と前記回転モータとを選択的に接続する複数のクラッチ機構と、互いに同一の回転軸の周りに軸支されて前記複数の操作部材にそれぞれ駆動連結され、スイッチカム部を有する複数のスイッチカム部材と、前記複数のスイッチカム部材とは異なる回転軸の周りに軸支され、径方向に突出する被押圧部及び該被押圧部を挟む周方向両側から径方向に突出する一対の規制部を有し、前記複数の操作部材のいずれか一つの操作時に該当の前記スイッチカム部材の前記スイッチカム部に前記被押圧部が押圧されて回動するとともに、該回動時に前記規制部で他の前記スイッチカム部材の前記スイッチカム部の回動軌跡を遮るスイッチレバーと、前記スイッチレバーの回動に伴い、回動方向に応じた極性で前記回転モータに通電するスイッチとを備える。
【0007】
この構成によれば、前記複数の操作部材のいずれか一つを操作すると、該当の前記スイッチカム部材が回動してそのスイッチカム部が前記スイッチレバーの前記被押圧部を押圧する。これに伴い、前記スイッチレバーが回動することで、その回動方向に応じた極性で前記スイッチが前記回転モータに通電する。また、前記複数の操作部材のいずれか一つを操作すると、該当の前記クラッチ機構が前記位置調整機構と前記回転モータとを接続する。従って、前記複数の操作部材のいずれか一つの操作によって、該当の前記位置調整機構の作動が可能となる。
【0008】
特に、前記スイッチレバーの回動時、その規制部が他の前記スイッチカム部材の前記スイッチカム部の回動軌跡を遮ることで、他の前記スイッチカム部材の回動が規制される。従って、他の前記スイッチカム部材に駆動連結された他の操作ハンドルが操作不能(追従作動禁止)となる。この場合、前記一対の規制部が前記スイッチレバーに設けられていることで、追従作動禁止のための構造の大型化を抑制することができる。
【0009】
上記シート駆動装置について、前記スイッチを含むスイッチ構造体は、前記スイッチレバーの回動方向に応じて該スイッチレバーに選択的に押下される一対のボタンを有し、これらボタンのいずれか一方が押下されることで該当の極性で前記回転モータに通電するように構成されており、前記両ボタンは、前記スイッチレバーの回動軸を中心とする周方向に並設されて該スイッチレバーにより径方向外側に向かって押下されることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、前記両ボタンが前記スイッチレバーの回動軸を中心とする周方向に並設されて該スイッチレバーにより径方向外側に向かって押下されることで、前記スイッチ構造体は、前記スイッチレバーの回動を阻害することなく該スイッチレバーの押下力を前記ボタンで高効率に受けることができる。
【0011】
上記シート駆動装置について、前記スイッチ構造体は、前記スイッチレバーの一方向の回動に伴って該スイッチレバーに押下される前記両ボタンの一方を有する第1スイッチ構造体と、前記スイッチレバーの他方向の回動に伴って該スイッチレバーに押下される前記両ボタンの他方を有する前記第1スイッチ構造体とは独立の第2スイッチ構造体とで構成されることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、前記スイッチが互いに別体の前記第1スイッチ構造体及び前記第2スイッチ構造体の電気回路で構成されることで、簡易な回路構成の組み合わせにできる分、汎用性を向上させることができる。
【0013】
上記シート駆動装置について、前記複数の操作部材のうちの少なくとも一つは、係合突部及び該係合突部が移動自在に挿入される係合凹部のいずれか一方を有して一直線上を移動自在に支持された操作ハンドルノブと、前記係合突部及び前記係合凹部のいずれか他方を有して回動自在に支持され、前記操作ハンドルノブの操作に伴い前記係合凹部内で前記係合突部を移動させつつ前記係合突部及び前記係合凹部間の押圧力で回動して該当の前記クラッチ機構により前記位置調整機構と前記回転モータとを接続させる操作ハンドル回動部とを有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、該当の前記クラッチ機構を動作させる前記操作ハンドル回動部と前記操作ハンドルノブとを別体にして、該操作ハンドルノブを直線運動で操作するようにしたことで、例えば該当の前記位置調整機構の調整が直線運動である場合に感覚的により近い状態で前記操作ハンドルノブを操作することができる。
【0015】
上記シート駆動装置について、前記複数の操作部材のうちの少なくとも一つは、係合突部及び該係合突部が移動自在に挿入される係合凹部のいずれか一方を有して第1の回動軸周りに回動自在に支持された操作ハンドルノブと、前記係合突部及び前記係合凹部のいずれか他方を有して前記第1の回動軸とは異なる第2の回動軸周りに回動自在に支持され、前記操作ハンドルノブの操作に伴い前記係合凹部内で前記係合突部を移動させつつ前記係合突部及び前記係合凹部間の押圧力で回動して該当の前記クラッチ機構により前記位置調整機構と前記回転モータとを接続させる操作ハンドル回動部とを有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、該当の前記クラッチ機構を動作させる前記操作ハンドル回動部と前記操作ハンドルノブとが別体であることで、該操作ハンドルノブをより操作しやすい位置に配置することができ、操作性をより向上させることができる。
【0017】
上記シート駆動装置について、前記操作ハンドルノブは、その操作位置が前記第1の回動軸を挟んで前記係合突部又は前記係合凹部の反対側に配置されており、前記第2の回動軸が前記第1の回動軸よりも前記係合突部又は前記係合凹部寄りになるように配置されることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、前記第2の回動軸が前記第1の回動軸よりも前記係合突部又は前記係合凹部寄りになるように配置されていることで、前記操作ハンドル回動部の回動量に対して前記操作ハンドルノブの回動量をより縮小することができる。これにより、前記操作位置における前記操作ハンドルノブの操作量をより縮小することができ、ひいては周辺部品との干渉を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、操作ハンドルの追従作動禁止のための構造の大型化を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態が適用される8ウェイパワーシートの斜視図。
図2】同実施形態を示す分解斜視図。
図3】同実施形態を示す分解斜視図。
図4】同実施形態を示す断面図。
図5図4の拡大図。
図6図3のA矢視図あって、(a)は操作ハンドルの非操作状態を示し、(b)は操作ハンドルの操作状態を示す。
図7】同実施形態を示す斜視図。
図8】同実施形態を示す平面図。
図9】(a)、(b)は、図6の拡大図。
図10】(a)、(b)は、第1カム部材及び第2カム部材を示す斜視図。
図11】同実施形態の電気的構成を示す等価回路図。
図12】本発明の第2の実施形態を示す分解斜視図。
図13】同実施形態を示す斜視図。
図14】同実施形態の動作を示す図13のB矢視図。
図15】同実施形態の動作を示す図13のB矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、シート駆動装置の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、車両のフロアには、シートの幅方向に並設されて前後方向に延在する対のロアレール1が固定されるとともに、両ロアレール1の各々には、アッパレール2が前後方向に移動可能に装着されている。
【0022】
両アッパレール2の各々には、板材からなるブラケット3が立設されている。そして、両ブラケット3の各々には、前部及び後部に配設されたフロントリンク4及びリアリンク5を介して乗員の着座部を形成するシート6が支持されている。このシート6は、座面を形成するシートクッション7と、該シートクッション7の後端部に傾動(回動)自在に支持されたシートバック8と、該シートバック8の上端部に支持されたヘッドレスト9とを備えて構成される。
【0023】
そして、シート6は、両側のロアレール1及びアッパレール2を相対移動させることでその前後位置が調整可能であるとともに、両側のフロントリンク4及びリアリンク5を昇降させることでその上下位置が調整可能である。また、シート6は、シートクッション7の後部に対する前部の傾斜角度が調整可能であるとともに、シートクッション7に対するシートバック8の傾斜角度が調整可能である。これにより、当該シート6の着座者は、例えばその体格に合わせて目線の位置を調整可能である。
【0024】
シートクッション7の片側(シートの前方に向かって右側)の側部には、駆動装置10が取着されている。図2に示すように、この駆動装置10は、例えばブラシモータからなる回転モータ11の概ねシートの幅方向に軸線の延びる回転軸11aに、該回転軸11aと同軸の入力用トルクケーブル12を介して駆動連結されている。
【0025】
詳述すると、駆動装置10は、回転軸11aの軸線方向に2分された一対の本体ケース16,17を備える。本体ケース16,17は、これらの四隅を回転軸11aの軸線方向と平行に貫通する4本のスクリュ19にて締結されている。
【0026】
回転モータ11側の本体ケース16には、入力用トルクケーブル12(回転軸11a)と同心で略円筒状の保持部16aが突設されている。この保持部16a内には、円環状の軸受21が嵌着されるとともに、有底略円筒状のプラグPLがねじ込まれている。そして、軸受21には、入力用トルクケーブル12と同軸に配置されたウォーム22の基端部が軸支されている。ウォーム22は、その基端部においてプラグPLに挿通された入力用トルクケーブル12に一体回転するように連結されている。ウォーム22の先端部は、回転モータ11から離間する側の本体ケース17に軸支されている。
【0027】
本体ケース16,17には、ウォーム22の上側及び下側で前後方向に軸線の延びる一対のウォームホイール23,24が配設されている。ウォームホイール23,24は、ウォーム22に対して互いに異なるねじれの位置でこれに噛合しており、互いに同等の1以上の減速比に設定されている。
【0028】
図7及び図8に併せ示すように、一方のウォームホイール23は、ウォーム22の上側でこれに噛合するギヤ部25を有するとともに、該ギヤ部25の後側及び前側に突設されて本体ケース16,17に軸支される一対の軸部26を有し、更に両軸部26の後側及び前側にそれぞれ突設された一対の嵌合部27を有する。各嵌合部27の外形は、円柱形状と該円柱形状から等角度間隔で径方向に延出する3つの円弧柱形状とが組み合わされた略3枚羽根形状を呈している。他方のウォームホイール24も同様であって、そのギヤ部25はウォーム22の下側でこれに噛合する。
【0029】
また、図2に示すように、本体ケース16,17には、ウォームホイール23の後側及び前側で該ウォームホイール23と同軸に、リフタ用シャフト31L及びチルト用シャフト31Tが互いに対称となる姿勢でそれぞれ軸支されている。リフタ用シャフト31Lは、シート6の上下位置を調整する位置調整機構としてのリフタ機構M1に連係されており、チルト用シャフト31Tは、シートクッション7の後部に対する前部の傾斜角度を調整する位置調整機構としてのチルト機構M2に連係されている。
【0030】
さらに、本体ケース16,17には、ウォームホイール24の後側及び前側で該ウォームホイール24と同軸に、リクライナ用シャフト31R及びスライド用シャフト31Sが互いに対称となる姿勢でそれぞれ軸支されている。リクライナ用シャフト31Rはシートクッション7に対するシートバック8の傾斜角度を調整する位置調整機構としてのリクライナ機構M3に連係されており、スライド用シャフト31Sは、シート6の前後位置を調整する位置調整機構としてのスライド機構M4に連係されている。
【0031】
従って、リフタ用シャフト31L、チルト用シャフト31T、リクライナ用シャフト31R及びスライド用シャフト31Sのいずれか一つが回動すると、該当のリフタ機構M1、チルト機構M2、リクライナ機構M3又はスライド機構M4が作動して所要のシート位置が調整される。つまり、本実施形態は、リフタ機構M1、チルト機構M2、リクライナ機構M3及びスライド機構M4の各々における正方向及び逆方向のシート位置の調整が可能な、いわゆる8ウェイパワーシートとなっている。
【0032】
なお、これらリフタ用シャフト31L、チルト用シャフト31T、リクライナ用シャフト31R及びスライド用シャフト31Sは、それらの配置態様等を除けば互いに同一構造を有しているため、以下ではリフタ用シャフト31Lを代表してその周辺構造を説明する。
【0033】
図7及び図8に示すように、リフタ用シャフト31Lは、略円柱形状を呈しており、本体ケース16,17の軸受部からウォームホイール23に対向する側に延伸する先端部は、出力軸側嵌合部32を形成する。また、リフタ用シャフト31Lは、本体ケース16,17の軸受部に隣接する軸線方向中間部に突設された外向きのフランジ33を有する。
【0034】
ウォームホイール23の嵌合部27及びリフタ用シャフト31Lのフランジ33間には、筒部材35が介設されている。筒部材35は、筒部36と、該筒部36のリフタ用シャフト31Lに対向する先端から径方向外側に突設されたフランジ状の押圧片37とを有する。筒部材35には、リフタ用シャフト31Lと一体回転するように、且つ、該リフタ用シャフト31Lに対して軸線方向に移動可能に出力軸側嵌合部32が嵌挿されるとともに、嵌合部27に嵌合可能な嵌合孔38が形成されている。筒部材35は、軸線方向にウォームホイール23側に移動することで、該ウォームホイール23と一体回転するようにその嵌合孔38を嵌合部27と嵌合させる。
【0035】
つまり、ウォームホイール23の回転は、筒部材35の移動に伴い嵌合部27及び嵌合孔38が嵌合することで筒部材35を介してリフタ用シャフト31Lに伝達可能であり、嵌合部27及び嵌合孔38の嵌合が外れることで筒部材35を介したリフタ用シャフト31Lへの伝達が不能になる。リフタ用シャフト31Lが回動することでリフタ機構M1が作動することは既述のとおりである。ウォームホイール23の嵌合部27、リフタ用シャフト31Lの出力軸側嵌合部32及び筒部材35は、ウォームホイール23及びリフタ用シャフト31Lを選択的に接続するクラッチ機構を構成する。
【0036】
リフタ用シャフト31Lの出力軸側嵌合部32は、押圧片37の内周側で筒部材35及びフランジ33間に介装されたコイルばねからなる圧縮ばね39に挿通されている。そして、筒部材35は、圧縮ばね39によりその嵌合孔38がウォームホイール23の嵌合部27に嵌合する側、即ちウォームホイール23の回転をリフタ用シャフト31Lに伝達可能な側に常時付勢されている。換言すれば、ウォームホイール23の回転がリフタ用シャフト31Lに伝達不能な状態では、圧縮ばね39の付勢力に抗して嵌合部27及び嵌合孔38の嵌合が外れる側に筒部材35が移動していることになる。
【0037】
ウォームホイール23及びチルト用シャフト31T間、ウォームホイール24及びリクライナ用シャフト31R間、並びにウォームホイール24及びスライド用シャフト31S間にも、それらを選択的に接続する同様のクラッチ機構が構成されている。
【0038】
各筒部材35の筒部36は、本体ケース16に支持された仲介部材40に遊挿されている。すなわち、図4及び図5に示すように、本体ケース16には、各隣り合う筒部材35の押圧片37及びウォームホイール23(24)間で上下方向(図面に直交する方向)に延在する略半円溝状の軸受溝16bが形成されている。
【0039】
一方、仲介部材40は、軸受溝16bに軸支される略優弧柱状の軸部41を有するとともに、筒部材35の筒部36をその軸線方向に略直交する方向に横切る略四角枠状の本体部42を有する。そして、仲介部材40には、本体部42に形成された略円形の挿通孔42aにおいて筒部36が遊挿されている。従って、仲介部材40は、筒部36に阻害されることなく、軸受溝16b周りの一定範囲の回動が可能である。この回動範囲における周方向は、筒部材35の軸線方向に合致するその移動方向に沿っている。
【0040】
そして、図5において左側に示すように、仲介部材40の本体部42が筒部材35の押圧片37に沿って広がっているとき、筒部材35は、圧縮ばね39に付勢されてその嵌合孔38をウォームホイール23(24)の嵌合部27と嵌合させる。一方、図5において右側に示すように、仲介部材40の本体部42が軸部41を中心にウォームホイール23(24)から離間する方向に回動すると、本体部42に押圧片37の押圧される筒部材35は、圧縮ばね39の付勢力に抗して軸線方向に移動し、その嵌合孔38をウォームホイール23(24)の嵌合部27から外す。
【0041】
図3及び図6に示すように、本体ケース17には、前後方向に並設された一対の支持軸部17a,17bが前記ウォーム22(回転軸11a)の軸線方向と平行に本体ケース16の反対側に向かって突設されている。また、本体ケース17には、支持軸部17aと同心でその上側及び下側に略円弧柱状のガイド部17c,17dが突設されるとともに、支持軸部17bと同心でその上側及び下側に略円弧柱状のガイド部17e,17fが突設されている。また、本体ケース17には、ウォーム22と同心で本体ケース16の反対側に向かってスイッチカム用支持軸部17gが突設されている。このスイッチカム用支持軸部17gの中心は両支持軸部17a,17b間の中心に配置されている。
【0042】
さらに、本体ケース17には、支持軸部17a及びスイッチカム用支持軸部17g間の上側及び下側に略円形の軸受孔17h,17iがそれぞれ形成されている。また、支持軸部17b及びスイッチカム用支持軸部17g間の上側及び下側にも同様の軸受孔17h,17iがそれぞれ形成されている。そして、上側の両軸受孔17hには、一対の第1カム部材51がそれぞれ軸支されており、下側の両軸受孔17iには、一対の第2カム部材52がそれぞれ軸支されている。
【0043】
図10(a)に示すように、第1カム部材51は、軸受孔17hに軸支される略円柱状の大径軸部51aを有するとともに、軸受孔17hから本体ケース17内に突出する略卵形状のカム部51bを有し、更に軸受孔17hから本体ケース17の外側に突出して軸受孔17hの外側周縁部に摺接するフランジ部51cを有する。また、第1カム部材51は、フランジ部51cに隣接して本体ケース17の外側に配置されたギヤ部51dを有するとともに、該ギヤ部51dに隣接して本体ケース17の更に外側に配置された円柱部51eを有し、更に該円柱部51eよりも縮径された略円柱状の小径軸部51fを有する。
【0044】
図7及び図8に示すように、リフタ用シャフト31L側の第1カム部材51は、カム部51bにおいて筒部材35の筒部36の外周面に当接又は近接して軸部41から離間する側の仲介部材40の先端部43に当接可能に配置されている。つまり、当該第1カム部材51は、カム部51bにおいて仲介部材40を介して筒部材35の押圧片37を押圧可能に配置されている。そして、カム部51bの長手方向が筒部材35等の軸線方向に一致する回転位置、即ちウォームホイール23から筒部材35を最も離間させる回転位置(以下、第1カム部材51の「中立位置」ともいう)にあるときに、圧縮ばね39の付勢力に抗してウォームホイール23の嵌合部27から筒部材35の嵌合孔38を外す。
【0045】
また、図5において左側に示すように、第1カム部材51は、回動に伴いカム部51bの長手方向が筒部材35等の軸線方向から外れると、圧縮ばね39に付勢される筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール23の嵌合部27と嵌合するように筒部材35の移動を許容する。一方、第1カム部材51は、中立位置への回動に伴いカム部51bで仲介部材40を介して筒部材35の押圧片37を押圧することで、圧縮ばね39の付勢力に抗して筒部材35を移動させて、ウォームホイール23の嵌合部27から筒部材35の嵌合孔38を外す。なお、チルト用シャフト31T側の第1カム部材51の動作も同様である。
【0046】
一方、図10(b)に示すように、第2カム部材52は、軸受孔17iに軸支される略円柱状の大径軸部52aを有するとともに、軸受孔17iから本体ケース17内に突出する略卵形状のカム部52bを有し、更に軸受孔17iから本体ケース17の外側に突出して軸受孔17iの外側周縁部に摺接するフランジ部52cを有する。また、第2カム部材52は、フランジ部52cに隣接して本体ケース17の外側に配置された円柱部52dを有するとともに、該円柱部52dに隣接して本体ケース17の更に外側に配置されたギヤ部52eを有し、更に円柱部52dよりも縮径された略円柱状の小径軸部52fを有する。つまり、第1及び第2カム部材51,52は、それらのギヤ部51d,52e及び円柱部51e,52dが軸線方向で互い違いになるように配置されていることを除いて互いに同一形状を有している。
【0047】
そして、リクライナ用シャフト31R側の第2カム部材52は、カム部52bにおいて筒部材35の筒部36の外周面に当接又は近接して軸部41から離間する側の仲介部材40の先端部43に当接可能に配置されている。つまり、当該第2カム部材52は、カム部52bにおいて仲介部材40を介して筒部材35の押圧片37を押圧可能に配置されている。そして、カム部52bの長手方向が筒部材35等の軸線方向に一致する回転位置、即ちウォームホイール24から筒部材35を最も離間させる回転位置(以下、第2カム部材52の「中立位置」ともいう)にあるときに、圧縮ばね39の付勢力に抗してウォームホイール24の嵌合部27から筒部材35の嵌合孔38を外す。
【0048】
また、第2カム部材52は、回動に伴いカム部52bの長手方向が筒部材35等の軸線方向から外れると、圧縮ばね39に付勢される筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール24の嵌合部27と嵌合するように筒部材35の移動を許容する。一方、第2カム部材52は、中立位置への回動に伴いカム部52bで仲介部材40を介して筒部材35の押圧片37を押圧することで、圧縮ばね39の付勢力に抗して筒部材35を移動させて、ウォームホイール24の嵌合部27から筒部材35の嵌合孔38を外す。なお、スライド用シャフト31S側の第2カム部材52の動作も同様である。
【0049】
図3及び図6に示すように、支持軸部17aの基端部には、操作部材としてのリフタ用操作ハンドル53Lが軸支されている。このリフタ用操作ハンドル53Lは、第1カム部材51のギヤ部51dに噛合するとともに第2カム部材52の円柱部52dの位置を空走するギヤ部54Lを有する。従って、例えばリフタ用操作ハンドル53Lを回動操作すると、ギヤ部54L,51d間の回転伝達によって第1カム部材51(カム部51b)が回動する。これにより、筒部材35が前述の態様で軸線方向に移動する。
【0050】
なお、リフタ用操作ハンドル53Lの内周側となる支持軸部17aの周りには、捩りばね55が巻回されている。この捩りばね55の両端のフック部55aの根元部はリフタ用操作ハンドル53Lのストッパ部に接触して回転止めされ、フック部55aの先端部はガイド部17c,17dにて位置決めされる。リフタ用操作ハンドル53Lは、捩りばね55に付勢されることで、支持軸部17aの後方に延在する所定の初期位置に保持されている。このとき、リフタ用操作ハンドル53Lと一体回動する第1カム部材51は、前記中立位置に配置されるように設定されている。そして、リフタ用操作ハンドル53Lを初期位置に保持する捩りばね55の付勢力は、筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール23の嵌合部27と嵌合するように筒部材35を移動させる圧縮ばね39の付勢力よりも大きく設定されている。
【0051】
従って、通常は、リフタ用操作ハンドル53Lは初期位置に保持されており、これに伴って第1カム部材51は中立位置に配置されている。つまり、通常は、筒部材35を介したウォームホイール23及びリフタ用シャフト31L間の回転伝達が不能な状態に保持されている。そして、捩りばね55の付勢力に抗してリフタ用操作ハンドル53Lを回動操作すると、これに伴う第1カム部材51の回動によって該第1カム部材51が中立位置から外れ、圧縮ばね39の付勢力によって筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール23の嵌合部27と嵌合するように筒部材35が移動する。これにより、ウォームホイール23の回転が筒部材35を介してリフタ用シャフト31Lに伝達可能となる。
【0052】
また、支持軸部17aの先端部には、操作部材としてのリクライナ用操作ハンドル53Rが軸支されている。このリクライナ用操作ハンドル53Rは、第2カム部材52のギヤ部52eに噛合するとともに第1カム部材51の円柱部51eの位置を空走するギヤ部54Rを有する。従って、例えばリクライナ用操作ハンドル53Rを回動操作すると、ギヤ部54R,52e間の回転伝達によって第2カム部材52(カム部52b)が回動する。これにより、筒部材35が前述の態様で軸線方向に移動する。
【0053】
なお、リクライナ用操作ハンドル53Rの内周側となる支持軸部17aの周りには、捩りばね56が巻回されている。この捩りばね56の両端のフック部56aの根元部はリクライナ用操作ハンドル53Rのストッパ部に接触して回転止めされ、フック部56aの先端部はガイド部17c,17dにて位置決めされる。リクライナ用操作ハンドル53Rは、捩りばね56に付勢されることで、支持軸部17aの上方に延在する所定の初期位置に保持されている。このとき、リクライナ用操作ハンドル53Rと一体回動する第2カム部材52は、前記中立位置に配置されるように設定されている。そして、リクライナ用操作ハンドル53Rを初期位置に保持する捩りばね56の付勢力は、筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール24の嵌合部27と嵌合するように筒部材35を移動させる圧縮ばね39の付勢力よりも大きく設定されている。
【0054】
従って、通常は、リクライナ用操作ハンドル53Rは初期位置に保持されており、これに伴って第2カム部材52は中立位置に配置されている。つまり、通常は、筒部材35を介したウォームホイール24及びリクライナ用シャフト31R間の回転伝達が不能な状態に保持されている。そして、捩りばね56の付勢力に抗してリクライナ用操作ハンドル53Rを回動操作すると、これに伴う第2カム部材52の回動によって該第2カム部材52が中立位置から外れ、圧縮ばね39の付勢力によって筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール24の嵌合部27と嵌合するように筒部材35が移動する。これにより、ウォームホイール24の回転が筒部材35を介してリクライナ用シャフト31Rに伝達可能となる。
【0055】
一方、支持軸部17bの基端部には、操作部材としてのチルト用操作ハンドル53Tが軸支されている。このチルト用操作ハンドル53Tは、第1カム部材51のギヤ部51dに噛合するとともに第2カム部材52の円柱部52dの位置を空走するギヤ部54Tを有する。このチルト用操作ハンドル53Tの動作は、リフタ用操作ハンドル53Lの動作と同様である。すなわち、通常は、筒部材35を介したウォームホイール23及びチルト用シャフト31T間の回転伝達が不能な状態に保持されている。そして、捩りばね55の付勢力に抗してチルト用操作ハンドル53Tを回動操作すると、これに伴う第1カム部材51の回動によって該第1カム部材51が中立位置から外れ、圧縮ばね39の付勢力によって筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール23の嵌合部27に嵌合するように筒部材35が移動する。これにより、ウォームホイール23の回転が筒部材35を介してチルト用シャフト31Tに伝達可能となる。
【0056】
また、支持軸部17bの先端部には、操作部材としてのスライド用操作ハンドル53Sが軸支されている。このスライド用操作ハンドル53Sは、第2カム部材52のギヤ部52eに噛合するとともに第1カム部材51の円柱部51eの位置を空走するギヤ部54Sを有する。このスライド用操作ハンドル53Sの動作は、リクライナ用操作ハンドル53Rの動作と同様である。すなわち、通常は、筒部材35を介したウォームホイール24及びスライド用シャフト31S間の回転伝達が不能な状態に保持されている。そして、捩りばね56の付勢力に抗してスライド用操作ハンドル53Sを回動操作すると、これに伴う第2カム部材52の回動によって該第2カム部材52が中立位置から外れ、圧縮ばね39の付勢力によって筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール24の嵌合部27と嵌合するように筒部材35が移動する。これにより、ウォームホイール24の回転が筒部材35を介してスライド用シャフト31Sに伝達可能となる。
【0057】
図3に示すように、スイッチカム用支持軸部17gには、基端から先端に向かって順番に、複数のスイッチカム部材としての略円環状のリフタ用スイッチカム部材61L、チルト用スイッチカム部材61T、リクライナ用スイッチカム部材61R及びスライド用スイッチカム部材61Sが軸支されている。
【0058】
リフタ用スイッチカム部材61Lは、リフタ用操作ハンドル53Lのギヤ部54Lに対向する側の外周部に形成されてこれに噛合するギヤ部62Lを有するとともに、チルト用操作ハンドル53Tのギヤ部54Tに対向する側の外周部に形成されてこれを空走する円弧部63Lを有する。従って、例えばリフタ用操作ハンドル53Lを回動操作すると、リフタ用スイッチカム部材61Lは、円弧部63Lにおいてチルト用操作ハンドル53Tのギヤ部54Tを空走しつつ、ギヤ部54L,62L間の回転伝達によって回動する。
【0059】
チルト用スイッチカム部材61Tは、チルト用操作ハンドル53Tのギヤ部54Tに対向する側の外周部に形成されてこれに噛合するギヤ部62Tを有するとともに、リフタ用操作ハンドル53Lのギヤ部54Lに対向する側の外周部に形成されてこれを空走する円弧部63Tを有する。従って、例えばチルト用操作ハンドル53Tを回動操作すると、チルト用スイッチカム部材61Tは、円弧部63Tにおいてリフタ用操作ハンドル53Lのギヤ部54Lを空走しつつ、ギヤ部54T,62T間の回転伝達によって回動する。
【0060】
リクライナ用スイッチカム部材61Rは、リクライナ用操作ハンドル53Rのギヤ部54Rに対向する側の外周部に形成されてこれに噛合するギヤ部62Rを有するとともに、スライド用操作ハンドル53Sのギヤ部54Sに対向する側の外周部に形成されてこれを空走する円弧部63Rを有する。従って、例えばリクライナ用操作ハンドル53Rを回動操作すると、リクライナ用スイッチカム部材61Rは、円弧部63Rにおいてスライド用操作ハンドル53Sのギヤ部54Sを空走しつつ、ギヤ部54R,62R間の回転伝達によって回動する。
【0061】
スライド用スイッチカム部材61Sは、スライド用操作ハンドル53Sのギヤ部54Sに対向する側の外周部に形成されてこれに噛合するギヤ部62Sを有するとともに、リクライナ用操作ハンドル53Rのギヤ部54Rに対向する側の外周部に形成されてこれを空走する円弧部63Sを有する。従って、例えばスライド用操作ハンドル53Sを回動操作すると、スライド用スイッチカム部材61Sは、円弧部63Sにおいてリクライナ用操作ハンドル53Rのギヤ部54Rを空走しつつ、ギヤ部54S,62S間の回転伝達によって回動する。
【0062】
なお、リフタ用スイッチカム部材61L、チルト用スイッチカム部材61T、リクライナ用スイッチカム部材61R及びスライド用スイッチカム部材61Sの各々は、ギヤ部62L,62T,62R,62S及び円弧部63L,63T,63R,63S間に挟まれる外周部の下部にスイッチカム部64L,64T,64R,64Sを形成する。図9(a)に示すように、各スイッチカム部64L,64T,64R,64Sの周方向両端部は、下向きに略爪状に突出する一対の押圧部65,66をそれぞれ形成する。
【0063】
図3に示すように、駆動装置10は、本体ケース16,17と共にその筐体をなすカバー18を備える。このカバー18は、本体ケース17を外側から覆う状態で前記回転軸11aの軸線方向と平行に貫通する2本のスクリュ20が両支持軸部17a,17bにそれぞれ締め付けられることで本体ケース17に締結されている。これにより、操作ハンドル53L,53T,53R,53Sが軸線方向に位置決めされる。また、このとき、スイッチカム用支持軸部17gの先端がカバー18に嵌着されることで、スイッチカム部材61L,61T,61R,61Sが軸線方向に位置決めされる。さらに、第1カム部材51及び第2カム部材52の各々は、小径軸部51f,52fがカバー18に軸支されることで、軸線方向に位置決めされる。
【0064】
カバー18には、スイッチカム用支持軸部17gの下側でその軸線と平行に延びる軸線を有するスイッチ用支持軸部18aが突設されている。このスイッチ用支持軸部18aには、図9(a)に併せ示すように、スイッチカム部64L,64T,64R,64Sの下側に配置されたスイッチレバー70が支持されている。このスイッチレバー70は、左右対称形状を呈しており、スイッチ用支持軸部18aに軸支される略円筒状の軸受部71を有するとともに、該軸受部71のカバー18から離間する側の端部から外向きに延出するフランジ72を有する。このフランジ72には、下方に向かって突出する略扇柱状のスイッチ押圧部73が形成されている。また、フランジ72の下端部には、スイッチ押圧部73の上方で軸受部71と平行にカバー18に向かって略円弧柱状のストッパ片74が突設されている。さらに、フランジ72には、上端を挟む二つの角度位置から回動中心に向かって凹む略U字状の切り欠き72aが形成されている。そして、スイッチレバー70は、両切り欠き72a間に挟まれる上端の角度位置でフランジ72に接続された略四角柱状の被押圧部75を有するとともに、両切り欠き72aに隣接する二つの角度位置でフランジ72にそれぞれ接続された一対の略扇柱状の規制部76を有する。被押圧部75及び両規制部76は、軸受部71よりも外周側に位置しており、軸線方向の長さはスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sを重ねた状態でのそれら全体の軸線方向の長さと同等に設定されている。つまり、被押圧部75及び両規制部76は、全てのスイッチカム部材61L,61T,61R,61S(押圧部65,66)の軸線方向の位置を含むように当該方向に沿って延在する。
【0065】
なお、ストッパ片74等よりも内周側となる軸受部71の周りには、例えば捩りばねからなる復帰ばね77が巻回されている。この復帰ばね77の両端のフック部77aの根元部はストッパ片74に接触して回転止めされ、フック部77aの先端部はカバー18の係止壁(図示略)にて位置決めされる。スイッチレバー70は、復帰ばね77に付勢されることで、被押圧部75が上方に延びる所定の初期回動位置(中立位置)に保持されている。
【0066】
ここで、図6(a)及び図9(a)に示すように、全ての操作ハンドル53L,53T,53R,53Sが操作されておらず、該当の所定の初期位置に配置されているとする。このとき、初期回動位置に配置されているスイッチレバー70の被押圧部75は、全てのスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sの両押圧部65,66のスイッチカム用支持軸部17gの周りの回動軌跡を遮るように配置されている。また、被押圧部75は、全てのスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sの両押圧部65,66間に挟まれる中央部に配置されており、これら押圧部65,66との間にそれぞれスイッチ用支持軸部18aを中心とする周方向の隙間Cを形成する。一方、スイッチレバー70の両規制部76は、先端が全てのスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sの両押圧部65,66の先端にそれぞれ近接する状態で、これら押圧部65,66のスイッチカム用支持軸部17gの周りの回動軌跡を開放するように配置されている。
【0067】
そして、図6(b)及び図9(b)への変化で示すように、例えばスライド用操作ハンドル53Sの時計回りへの回動操作によりスライド用スイッチカム部材61S(スイッチカム部64S)を反時計回りに回動させる。このとき、スライド用スイッチカム部材61Sは図示左側の隙間C分の空走区間を経て該当の押圧部65でスイッチレバー70の被押圧部75を押圧する。これにより、スイッチレバー70がスイッチ用支持軸部18aを中心に図示時計回りに回動すると、被押圧部75がその回動方向において先行する他のスイッチカム部材61R,61T,61L(スイッチカム部64R,64T,64L)の押圧部66との隙間C分の空走区間を経てこれに当接又は近接する。換言すれば、図9(a)において右側に隙間Cがあることで、スライド用スイッチカム部材61Sの図示反時計回りの回動に伴いスイッチレバー70が回動しても、その被押圧部75が他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの押圧部66を押圧してこれを図示反時計回りに回動させることがないようになっている。また、スイッチレバー70の被押圧部75が他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの押圧部66に当接又は近接することに伴い、該押圧部66のスイッチカム用支持軸部17gの周りの回動軌跡を遮ることで、他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの図示反時計回りの回動が規制されている。
【0068】
同時に、スイッチレバー70の回動方向において被押圧部75に追従する一方(図示左側)の規制部76は、他のスイッチカム部材61R,61T,61L(スイッチカム部64R,64T,64L)の当該規制部76に隣接する押圧部65のスイッチカム用支持軸部17gの周りの回動軌跡を遮る。これにより、他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの図示時計回りの回動が規制されている。
【0069】
反対に、スライド用操作ハンドル53Sの反時計回りへの回動操作によりスライド用スイッチカム部材61S(スイッチカム部64S)を図9(a)において時計回りに回動させると、該スライド用スイッチカム部材61Sは図示右側の隙間C分の空走区間を経て該当の押圧部66でスイッチレバー70の被押圧部75を押圧する。これにより、スイッチレバー70がスイッチ用支持軸部18aを中心に図示反時計回りに回動すると、被押圧部75がその回動方向において先行する他のスイッチカム部材61R,61T,61L(スイッチカム部64R,64T,64L)の押圧部65との隙間C分の空走区間を経てこれに当接又は近接する。換言すれば、図9(a)において左側に隙間Cがあることで、スライド用スイッチカム部材61Sの図示時計回りの回動に伴いスイッチレバー70が回動しても、その被押圧部75が他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの押圧部65を押圧してこれを図示時計回りに回動させることがないようになっている。また、スイッチレバー70の被押圧部75が他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの押圧部65に当接又は近接することに伴い、該押圧部65のスイッチカム用支持軸部17gの周りの回動軌跡を遮ることで、他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの図示時計回りの回動が規制されている。
【0070】
同時に、スイッチレバー70の回動方向において被押圧部75に追従する一方(図示右側)の規制部76は、他のスイッチカム部材61R,61T,61L(スイッチカム部64R,64T,64L)の当該規制部76に隣接する押圧部66のスイッチカム用支持軸部17gの周りの回動軌跡を遮る。これにより、他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの図示反時計回りの回動が規制されている。
【0071】
以上により、スライド用操作ハンドル53Sの回動操作に伴いスライド用スイッチカム部材61Sが回動する状態では、被押圧部75及び規制部76の協働により他のスイッチカム部材61R,61T,61Lの回動が両方向で規制される。これらの動作は、他の操作ハンドル53T,53R,53Sを回動操作する場合も同様である。すなわち、いずれか一つの操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの回動操作に伴い該当のスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sが回動する状態では、他のスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sの回動が規制される。そして、他のスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sに駆動連結された他の操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの回動(揺動)も規制される。換言すれば、いずれか一つの操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの回動操作中は、他の操作ハンドル53L,53T,53R,53Sが回動する可能性が低減されている。
【0072】
図3及び図6に示すように、スイッチレバー70の下方には、支持フレーム80が配置されている。この支持フレーム80は、下端部から上方に向かうに従って互いに相反する前後方向に向かう一対の支持片80a,80bを有して略V字形状を呈しており、各支持片80a,80bの上端部には、支持軸部17a,17b等の軸線方向と平行にカバー18に向かって連結突部80cが突設されている。支持フレーム80は、連結突部80c等の軸線方向と平行に下端部を貫通するスクリュ81がカバー18に締結されるとともに、両連結突部80cの先端がカバー18に嵌着されることで該カバー18に支持されている。
【0073】
両支持片80a,80bには、連結突部80cの下方でスイッチ構造体を構成する第1スイッチ構造体86及び第2スイッチ構造体87がそれぞれ支持されている。これら第1スイッチ構造体86及び第2スイッチ構造体87の各々は、両支持片80a,80bの延在方向に延びる略長方形の柱状の本体部86a,87aを有するとともに、該本体部86a,87aの互いに対向する上面から上方に出没可能なボタン86b,87bを有する。図9(a)に併せ示すように、本体部86a,87aは、前記スイッチ押圧部73のスイッチ用支持軸部18aを中心とする回動軌跡を開放するように配置されている。一方、ボタン86b,87bは、通常は本体部86a,87aの上面から上方に突出する状態にあり、スイッチ押圧部73のスイッチ用支持軸部18aを中心とする周方向に並設されている。そして、ボタン86b,87bは、通常はスイッチ押圧部73のスイッチ用支持軸部18aを中心とする回動軌跡を遮るように配置されている。従って、図9(b)への変化で示すように、例えばスイッチレバー70がスイッチ用支持軸部18aを中心に時計回りに回動すると、これに伴ってスイッチ押圧部73に第1スイッチ構造体86のボタン86bが下方(スイッチ用支持軸部18aを中心とする径方向外側)に押下される。反対に、スイッチレバー70が図9(a)においてスイッチ用支持軸部18aを中心に反時計回りに回動すると、これに伴ってスイッチ押圧部73に第2スイッチ構造体87のボタン87bが下方(スイッチ用支持軸部18aを中心とする径方向外側)に押下される。
【0074】
図11に示すように、第1スイッチ構造体86及び第2スイッチ構造体87の各々は、直流電源の高電位+Vに電気的に接続された接点CH1,CH2と、低電位GNDに電気的に接続された接点CL1,CL2と、回転モータ11の互いに異なる端子に接続された可動端子MT1,MT2とで構成される電気回路を含む。そして、両可動端子MT1,MT2は、両ボタン86b,87bとそれぞれ連動しており、通常は低電位GND側の接点CL1,CL2に電気的に接続されている。両可動端子MT1,MT2は、両ボタン86b,87bがそれぞれ押下されることで、高電位+V側の接点CH1,CH2に電気的に接続される。従って、いずれか一つの操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの回動操作に伴い、スイッチレバー70がスイッチ用支持軸部18aを中心に時計回りに回動すると、ボタン86bが押下される第1スイッチ構造体86の可動端子MT1が高電位+V側の接点CH1に電気的に接続されることで、一の極性で回転モータ11に通電される。反対に、スイッチレバー70がスイッチ用支持軸部18aを中心に反時計回りに回動すると、ボタン87bが押下される第2スイッチ構造体87の可動端子MT2が高電位+V側の接点CH2に電気的に接続されることで、逆の極性で回転モータ11に通電される。
【0075】
つまり、第1スイッチ構造体86及び第2スイッチ構造体87(スイッチ構造体)は、いずれか一つの操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの回動操作に伴い、操作方向に応じた極性で回転モータ11に通電するスイッチを含む。換言すれば、回転モータ11の通電に係るスイッチは、両極性にそれぞれ対応して互いに独立の第1スイッチ構造体86及び第2スイッチ構造体87の電気回路で構成されている。
【0076】
次に、本実施形態の作用について説明する。なお、リフタ用操作ハンドル53L、チルト用操作ハンドル53T、リクライナ用操作ハンドル53R及びスライド用操作ハンドル53Sの各々は、その回動操作に係るシャフト31L,31T,31R,31Sへの回転伝達を除けば概ね同等である。そこで、以下ではリフタ用操作ハンドル53Lを代表してその動作を説明する。
【0077】
まず、リフタ用操作ハンドル53Lが操作されておらず、従ってウォームホイール23の回転がリフタ用シャフト31Lに伝達不能な状態にあり、回転モータ11と直流電源との接続が第1及び第2スイッチ構造体86,87を介して遮断されているものとする。この状態で、リフタ用操作ハンドル53Lを捩りばね55の付勢力に抗して時計回り又は反時計回りに回動操作すると、ギヤ部54L,51dにおける回転伝達によって第1カム部材51が回動する。これにより、第1カム部材51が中立位置から外れ、圧縮ばね39の付勢力によって筒部材35の嵌合孔38がウォームホイール23の嵌合部27と嵌合するように筒部材35が移動する。そして、ウォームホイール23の回転が筒部材35を介してスライド用シャフト31Sに伝達可能となる。
【0078】
一方、リフタ用操作ハンドル53Lを時計回り又は反時計回りに回動操作すると、ギヤ部54L,62Lにおける回転伝達によってリフタ用スイッチカム部材61Lがリフタ用操作ハンドル53Lの操作方向に対応して反時計回り又は時計回りに回動する。このとき、スイッチレバー70は、リフタ用スイッチカム部材61Lの回転方向に対応するスイッチカム部64Lのいずれかの押圧部65,66に押圧されることで、スイッチ用支持軸部18aの周りに時計回り又は反時計回りに回動する。そして、スイッチ用支持軸部18aの周りのスイッチレバー70の回動により、スイッチ押圧部73にて該当のボタン86b,87bが押圧される。これにより、押圧されたボタン86b,87b(可動端子MT1,MT2)に対応する極性で回転モータ11と直流電源とが接続され、回転モータ11が正転又は逆転する。つまり、リフタ用操作ハンドル53Lの操作方向によって押されるボタン86b,87bが決まり、回転モータ11の回転方向が決まる。
【0079】
回転モータ11が回転すると、その回転は、入力用トルクケーブル12、ウォーム22、ウォームホイール23及び筒部材35を介してリフタ用シャフト31Lに伝達される。そして、リフタ用シャフト31Lの回転により、その回転方向に応じてシート6が昇降するようにリフタ機構M1が作動する。
【0080】
その後、リフタ用操作ハンドル53Lの操作力を解放すると、該リフタ用操作ハンドル53Lは捩りばね55に付勢されて初期位置に復帰する。これに伴い、ギヤ部54L,51dにおける回転伝達によって第1カム部材51が圧縮ばね39の付勢力に抗して回動し、第1カム部材51が中立位置に復帰する。第1カム部材51と共にリフタ用操作ハンドル53Lを初期位置に復帰させる捩りばね55の付勢力が、筒部材35を移動させる圧縮ばね39の付勢力よりも大きいことは既述のとおりである。これにより、ウォームホイール23の回転が筒部材35を介してリフタ用シャフト31Lに伝達不能となる。
【0081】
一方、リフタ用操作ハンドル53Lの初期位置への復帰に伴い、ギヤ部54L,62Lにおける回転伝達によってリフタ用スイッチカム部材61Lが回動し、該当のボタン86b,87bと共にスイッチレバー70が初期回動位置に復帰し、回転モータ11と電源との接続が遮断される。これにより、回転モータ11の回転が停止する。
【0082】
他の操作ハンドル53T,53R,53Sを操作した場合の動作も同様である。
特に、いずれか一つの操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの回動操作に伴い該当のスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sが回動する状態では、被押圧部75及び規制部76の協働により他のスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sの回動が規制される。そして、他のスイッチカム部材61L,61T,61R,61Sに駆動連結された他の操作ハンドル53L,53T,53R,53Sが操作不能(追従作動禁止)となる。この場合、両規制部76がスイッチレバー70に設けられていることで、追従作動禁止のための構造の大型化が抑制される。
【0083】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの追従作動禁止のための構造の大型化を抑制することができ、ひいては駆動装置10全体としての大型化を抑制することができる。また、従来例のようなストップカムが不要になる分、部品点数を削減することができ、ひいてはコストを削減することができる。
【0084】
(2)本実施形態では、第1及び第2スイッチ構造体86,87の両ボタン86b,87bがスイッチレバー70の回動軸(スイッチ用支持軸部18a)を中心とする周方向に並設されて該スイッチレバー70により径方向外側に向かって押下される。従って、第1及び第2スイッチ構造体86,87は、スイッチレバー70の回動を阻害することなく該スイッチレバー70の押下力をボタン86b,87bで高効率に受けることができる。
【0085】
(3)本実施形態では、回転モータ11の通電に係るスイッチが互いに別体の第1及び第2スイッチ構造体86,87の電気回路で構成されることで、簡易な回路構成の組み合わせにできる分、汎用性を向上させることができる。また、第1及び第2スイッチ構造体86,87をスイッチレバー70の周りに分けて集約配置したことで、駆動装置10全体としての大型化を抑制することができる。
【0086】
(4)本実施形態では、一つの回転モータ11で複数の位置調整機構(M1〜M4)を選択的に作動させることができるため、その電気的構成をより簡易化することができる。また、複数の筒部材35等(クラッチ機構)の各々は、該当する位置調整機構(M1〜M4)への出力軸(リフタ用シャフト31L、チルト用シャフト31T、リクライナ用シャフト31R、スライド用シャフト31S)とウォームホイール23,24とを接続する構造(いわゆる軸継手)である。このため、複数の筒部材35等(クラッチ機構)の各々を出力軸等の周りに集約的に配置することができ、装置全体としてより小型化することができる。さらに、出力軸の本数(4本)分だけシートの位置調整に係る機能数(位置調整機構の個数)を増やすことができるため、該機能数の制約をより緩和することができる。
【0087】
(5)本実施形態では、操作ハンドル53L,53T,53R,53Sを初期位置から回動操作することで、該当のクラッチ機構を接続するとともに、第1及び第2スイッチ構造体86,87により操作方向に応じた極性で回転モータ11に通電できる。従って、操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの操作方向に合わせて回転モータ11を正転又は逆転させることができ、操作ハンドル53L,53T,53R,53Sの操作方向と位置調整機構(M1〜M4)の調整方向とがよりわかりやすい関係になるように設定できる。
【0088】
(第2の実施形態)
以下、シート駆動装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の主にリフタ用操作ハンドル及びスライド用操作ハンドルを変更した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0089】
図12及び図13に示すように、支持軸部17aの基端部には、前記リフタ用操作ハンドル53Lに代えてリフタ用操作ハンドル回動部101Lが軸支されている。このリフタ用操作ハンドル回動部101Lは、支持軸部17aを中心とする所定の径方向(図12において斜め左上方、即ち後方)に延びる延出片102Lを有するとともに、該延出片102Lの先端から支持軸部17aと平行に略円柱状のリフタ用係合突部103Lを突設する。
【0090】
なお、リフタ用操作ハンドル回動部101Lは、前記リフタ用操作ハンドル53Lに準じてギヤ部54Lを有する。また、リフタ用操作ハンドル回動部101Lの内周側となる支持軸部17aの周りには、前記捩りばね55が巻回されている。リフタ用操作ハンドル回動部101Lは、前記リフタ用操作ハンドル53Lに準じて捩りばね55に付勢されることで、延出片102Lが支持軸部17aの後方に延在する所定の初期位置に保持されている。このとき、リフタ用操作ハンドル回動部101Lと一体回動する第1カム部材51が前記中立位置に配置されるように設定されていることはいうまでもない。
【0091】
一方、支持軸部17bの先端部には、前記スライド用操作ハンドル53Sに代えてスライド用操作ハンドル回動部101Sが軸支されている。このスライド用操作ハンドル回動部101Sは、支持軸部17bを中心とする所定の径方向(図12において上方)に延びる延出片102Sを有するとともに、該延出片102Sの先端から支持軸部17bと平行に略円柱状のスライド用係合突部103Sを突設する。
【0092】
なお、このスライド用操作ハンドル回動部101Sは、前記スライド用操作ハンドル53Sに準じてギヤ部54Sを有する。また、スライド用操作ハンドル回動部101Sの内周側となる支持軸部17bの周りには、前記捩りばね56が巻回されている。スライド用操作ハンドル回動部101Sは、前記スライド用操作ハンドル53Sに準じて捩りばね56に付勢されることで、延出片102Sが支持軸部17bの上方に延在する所定の初期位置に保持されている。このとき、スライド用操作ハンドル回動部101Sと一体回動する第2カム部材52が前記中立位置に配置されるように設定されていることはいうまでもない。
【0093】
本体ケース16,17と共にその筐体をなす前記カバー18に準じたカバー110は、本体ケース17を外側から覆う状態で前記両スクリュ20が両支持軸部17a,17bにそれぞれ締め付けられることで本体ケース17に締結されている。これにより、操作ハンドル回動部101L,101Sが前記操作ハンドル53T,53Rと共に軸線方向に位置決めされる。このとき、前記第1の実施形態と同様、スイッチカム用支持軸部17gの先端がカバー110に嵌着されることで、スイッチカム部材61L,61T,61R,61Sが軸線方向に位置決めされる。また、第1カム部材51及び第2カム部材52の各々は、カバー110に軸支されることで、軸線方向に位置決めされる。
【0094】
カバー110には、支持軸部17aの軸線及びスイッチカム用支持軸部17gの軸線同士を結ぶ直線の中間部からそれらの軸線と平行に略円柱状のリフタ用支持軸部111が突設されている。また、カバー110の上端は、フランジ付きで前後方向に真っ直ぐに延びるスライド用ガイド部112を形成する。
【0095】
カバー110には、前後方向に延在する略長尺状のリフタ用操作ハンドルノブ105Lが回動自在に連結されている。すなわち、リフタ用操作ハンドルノブ105Lは、リフタ用支持軸部111に対向して軸受孔106Lが形成されており、該軸受孔106Lにリフタ用支持軸部111が挿入・抜け止めされることで、該リフタ用支持軸部111の周りを回動自在となっている。リフタ用操作ハンドルノブ105Lは、リフタ用操作ハンドル回動部101Lと共にリフタ用操作ハンドル100Lを構成する。
【0096】
リフタ用操作ハンドルノブ105Lの前端部は、カバー110よりも前方に突出している。一方、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの後端には、後方に開口する略U字状のリフタ用係合溝107Lが形成されている。リフタ用操作ハンドルノブ105Lは、リフタ用係合溝107Lにリフタ用操作ハンドル回動部101Lのリフタ用係合突部103Lが係入されることで、リフタ用操作ハンドル回動部101Lとの間で相互に回動伝達可能となっている。例えば、リフタ用操作ハンドルノブ105Lが操作されると、その軸受孔106Lの周りの回動に伴いリフタ用係合溝107Lの内壁面にリフタ用係合突部103Lの押圧されるリフタ用操作ハンドル回動部101Lが支持軸部17aの周りを回動する。
【0097】
なお、リフタ用操作ハンドル回動部101L及びリフタ用操作ハンドルノブ105Lの回動中心は互いに異なるものの、リフタ用係合溝107L内でリフタ用係合突部103Lを前後方向に移動させることでずれが吸収される。この場合、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの回動中心がリフタ用操作ハンドル回動部101Lの回動中心よりも前方寄りに位置していることで、例えばリフタ用操作ハンドルノブ105Lの前端部におけるより少ない操作量でリフタ用操作ハンドル回動部101Lを十分に回動可能である。また、既述のように、リフタ用操作ハンドルノブ105Lは、捩りばね55に付勢されて所定の初期位置に保持されることで、操作力の解放されたリフタ用操作ハンドルノブ105Lもこれに連動して所定の初期位置に保持される。
【0098】
カバー110には、略三角形状のスライド用操作ハンドルノブ105Sが前後方向に移動自在に支持されている。すなわち、スライド用操作ハンドルノブ105Sの下端には、前後方向に延びる断面略L字状のスライド用ガイド溝106Sが形成されており、該スライド用ガイド溝106Sにスライド用ガイド部112が嵌挿されることで前後方向に移動自在となっている。スライド用操作ハンドルノブ105Sは、スライド用操作ハンドル回動部101Sと共にスライド用操作ハンドル100Sを構成する。
【0099】
スライド用操作ハンドルノブ105Sの上端部は、カバー110よりも上方に突出している。そして、スライド用操作ハンドルノブ105Sの上端部には、上下方向に延在する長穴状のスライド用係合溝107Sが形成されている。スライド用操作ハンドルノブ105Sは、スライド用係合溝107Sにスライド用操作ハンドル回動部101Sのスライド用係合突部103Sが係入されることで、例えばスライド用操作ハンドルノブ105Sの直線運動をスライド用操作ハンドル回動部101Sの回動運動に変換する。例えば、リフタ用操作ハンドルノブ105Lが操作されると、スライド用ガイド部112に沿う前後方向の移動に伴いスライド用係合溝107Sの内壁面にスライド用係合突部103Sの押圧されるスライド用操作ハンドル回動部101Sが支持軸部17bの周りを回動する。
【0100】
なお、スライド用操作ハンドル回動部101S及びスライド用操作ハンドルノブ105Sの運動形態は互いに異なるものの、スライド用係合溝107S内でスライド用係合突部103Sを移動させることで上下方向のずれが吸収される。既述のように、スライド用操作ハンドルノブ105Sは、捩りばね56に付勢されて所定の初期位置に保持されることで、操作力の解放されたスライド用操作ハンドルノブ105Sもこれに連動してスライド用ガイド部112上の所定の初期位置に保持される。
【0101】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図14に示すように、例えばリフタ用操作ハンドルノブ105Lの前端部を上方に移動させたとき、即ちリフタ用操作ハンドルノブ105Lをリフタ用支持軸部111の周りに図示反時計回りに回動させたときには、リフタ用係合溝107Lの内壁面にリフタ用係合突部103Lの押圧されるリフタ用操作ハンドル回動部101Lが支持軸部17aの周りに図示反時計回りに回動する。
【0102】
反対に、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの前端部を下方に移動させたとき、即ちリフタ用操作ハンドルノブ105Lがリフタ用支持軸部111の周りに図示時計回りに回動させたときには、上記に準じてリフタ用操作ハンドル回動部101Lが支持軸部17aの周りに図示時計回り(逆向き)に回動する。
【0103】
これらの際、リフタ用係合突部103Lがリフタ用係合溝107L内で前後方向に移動することで、リフタ用操作ハンドル回動部101L及びリフタ用操作ハンドルノブ105Lの両回動中心が異なることに起因するずれが吸収される。リフタ用操作ハンドル回動部101Lの回動方向に合わせてリフタ機構M1が作動することは前記第1の実施形態と同様である。
【0104】
なお、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの操作の違和感を解消するため、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの操作方向とリフタ機構M1によるシート6の上下位置の調整方向とが一致していることが好ましい。具体的には、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの前端部を上方に移動させたときにはリフタ機構M1がシート6の上下位置を上方に移動させ、反対にリフタ用操作ハンドルノブ105Lの前端部を下方に移動させたときにはリフタ機構M1がシート6の上下位置を下方に移動させるように設定することが好ましい。
【0105】
一方、図15に示すように、例えばスライド用操作ハンドルノブ105Sを前方にスライドさせたときには、スライド用係合溝107Sの内壁面により前方にスライド用係合突部103Sの押圧されるスライド用操作ハンドル回動部101Sが支持軸部17bの周りに図示時計回りに回動する。
【0106】
反対に、スライド用操作ハンドルノブ105Sを後方にスライドさせたときには、上記に準じてスライド用操作ハンドル回動部101Sが支持軸部17bの周りに図示反時計回り(逆向き)に回動する。
【0107】
これらの際、スライド用係合突部103Sがスライド用係合溝107S内で上下方向に移動することで、スライド用操作ハンドル回動部101S及びスライド用操作ハンドルノブ105Sの両運動形態が異なることに起因する上下方向のずれが吸収される。スライド用操作ハンドル回動部101Sの回動方向に合わせてスライド機構M4が作動することは前記第1の実施形態と同様である。
【0108】
なお、スライド用操作ハンドルノブ105Sの操作の違和感を解消するため、その操作方向とスライド機構M4によるシート6の前後位置の調整方向とが一致していることが好ましい。具体的には、スライド用操作ハンドルノブ105Sを前方に移動させたときにはスライド機構M4がシート6の前後位置を前方に移動させ、反対にスライド用操作ハンドルノブ105Sを後方に移動させたときにはスライド機構M4がシート6の前後位置を後方に移動させるように設定することが好ましい。
【0109】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、スライド機構M4に該当の筒部材35(クラッチ機構)を動作させるスライド用操作ハンドル回動部101Sとスライド用操作ハンドルノブ105Sとを別体にして、該スライド用操作ハンドルノブ105Sを前後方向の直線運動で操作するようにした。従って、調整が前後方向の直線運動であるスライド機構M4に感覚的により近い状態でスライド用操作ハンドルノブ105Sを操作することができる。
【0110】
(2)本実施形態では、リフタ機構M1に該当の筒部材35(クラッチ機構)を動作させるリフタ用操作ハンドル回動部101Lとリフタ用操作ハンドルノブ105Lとが別体であることで、該リフタ用操作ハンドルノブ105Lをより操作しやすい位置に配置することができ、操作性をより向上させることができる。具体的には、リフタ用操作ハンドルノブ105Lをその前端で操作することができ、例えば駆動装置の後方で操作する場合に比べて特に大柄な人や車内空間の狭い小型車両の乗員が受ける窮屈感を軽減することができる。このような窮屈感は、例えばシートバック8との距離が小さくなって自身の腕と肩とが邪魔をし、腕を縮めたような窮屈な姿勢になることに起因する。
【0111】
(3)本実施形態では、支持軸部17a(第2の回動軸)がリフタ用支持軸部111等(第1の回動軸)よりもリフタ用係合突部103L又はリフタ用係合溝107L寄りになるように配置されていることで、リフタ用操作ハンドル回動部101Lの回動量に対してリフタ用操作ハンドルノブ105Lの回動量をより縮小することができる。これにより、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの操作位置である前端におけるリフタ用操作ハンドルノブ105Lの操作量をより縮小することができ、ひいては周辺部品との干渉を抑制することができる。
【0112】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第1の実施形態において、操作ハンドル53L,53T,53R,53Sは、全てが互いに異なる回転軸周りに回動するように軸支されていてもよい。
【0113】
・前記第1の実施形態において、全ての操作ハンドル53L,53T,53R,53Sは、互いに同軸に配置されていてもよい。
・前記第1の実施形態において、スイッチカム部材61L,61T,61R,61Sに一体化した操作ハンドル53L,53T,53R,53Sを採用してもよい。すなわち、互いに同軸に配置されたスイッチカム部材としての操作ハンドル53L,53T,53R,53Sにスイッチカム部64L,64T,64R,64S(押圧部65,66)を設けてもよい。
【0114】
・前記第2の実施形態において、リフタ用係合溝107Lは、リフタ用係合突部103Lのずれを吸収できるのであれば、後方が閉じていてもよい。また、リフタ用係合溝107Lは、リフタ用操作ハンドルノブ105Lの板厚方向に非貫通の凹部であってもよい。
【0115】
・前記第2の実施形態において、スライド用係合溝107Sは、スライド用係合突部103Sのずれを吸収できるのであれば、上方が開いていてもよい。また、スライド用係合溝107Sは、スライド用操作ハンドルノブ105Sの板厚方向に貫通していてもよい。
【0116】
・前記第2の実施形態において、リフタ用操作ハンドル回動部101L及びリフタ用操作ハンドルノブ105Lと、リフタ用係合突部103L及びリフタ用係合溝107Lの配置関係は互いに逆であってもよい。すなわち、リフタ用操作ハンドル回動部にリフタ用係合溝を形成するとともに、リフタ用操作ハンドルノブにリフタ用係合突部を突設してもよい。
【0117】
・前記第2の実施形態において、スライド用操作ハンドル回動部101S及びスライド用操作ハンドルノブ105Sと、スライド用係合突部103S及びスライド用係合溝107Sの配置関係は互いに逆であってもよい。すなわち、スライド用操作ハンドル回動部にスライド用係合溝を形成するとともに、スライド用操作ハンドルノブにスライド用係合突部を突設してもよい。
【0118】
・前記第2の実施形態において、スライド用操作ハンドルノブ105Sに準じて上下方向の直線運動で操作するリフタ用操作ハンドルノブを採用してもよい。この場合、調整が上下方向の直線運動であるリフタ機構M1に感覚的により近い状態でスライド用操作ハンドルノブを操作することができる。
【0119】
・前記第2の実施形態において、リフタ用操作ハンドルノブ105Lに準じてより操作しやすい位置に配置されるスライド用操作ハンドルノブを採用してもよい。
・前記第2の実施形態において、チルト用操作ハンドル53T又はリクライナ用操作ハンドル53Rを操作ハンドル回動部及び操作ハンドルノブに分離して、同様に直線運動で操作される操作ハンドルノブにしたり、より操作しやすい位置に配置される操作ハンドルノブにしたりしてもよい。
【0120】
・前記各実施形態において、ウォーム22及びウォームホイール23,24に代えて、互いに噛合するハスバ歯車を採用してもよい。この場合、両ハスバ歯車間で減速して回転伝達してもよいし、等速で回転伝達してもよい。
【0121】
・前記実施形態において、仲介部材40を省略して、第1及び第2カム部材51,52のカム部51b,52bで筒部材35の押圧片37を直に押圧させてもよい。
・前記各実施形態において、操作ハンドル53L,53T,53R,53Sは、その軸線を中心とする径方向に延在していなくてもよい。
【0122】
・前記実施形態において、第1及び第2スイッチ構造体86,87を一体化した一部品で構成されるスイッチ構造体を採用してもよい。
・前記各実施形態において、可動端子MT1,MT2と連動するボタン86b,87bは、スイッチ用支持軸部18aを中心とする周方向に並設されていなくてもよい。例えば、前後方向に並設されてスイッチレバー70の回動に伴い下方に押下されるボタンであってもよい。
【0123】
・前記各実施形態において、ウォームホイール23,24の一方を省略して、2系統の出力(即ち2つの位置調整機構)としてもよい。あるいは、ウォームホイール23,24の一方に接続可能な出力を1系統として、3系統の出力(即ち3つの位置調整機構)としてもよい。
【0124】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)上記シート駆動装置において、前記複数の操作部材の全ての非操作時、前記複数のスイッチカム部材の全てにおいて、前記スイッチカム部が前記被押圧部を押圧可能な両押圧部と、前記被押圧部との間に、前記スイッチレバーの回転軸を中心とする周方向の隙間がそれぞれ形成されるシート駆動装置。
【0125】
この構成によれば、前記複数の操作部材の全ての非操作時、前記スイッチカム部の前記両押圧部と、前記スイッチレバーの前記被押圧部との間に前記隙間がそれぞれ形成されていることで、前記複数の操作部材のいずれか一つの操作時には、該当の前記スイッチカム部の一方の前記押圧部が前記隙間分の空走区間を経て前記スイッチレバーの前記被押圧部を押圧する。これにより、前記スイッチレバーは、その回転軸の周りに回動する。この場合、前記スイッチレバーの前記被押圧部と、非操作である他の前記操作部材に対応する前記スイッチカム部材(スイッチカム部)の他方の前記押圧部との間に前記隙間が形成されていることで、前記スイッチレバーの前記被押圧部が他の前記スイッチカム部材の他方の前記押圧部を押圧してこれを一体的に回動させてしまうことを抑制できる。
【0126】
また、前記スイッチレバーの回動時、前記被押圧部は、他の前記操作部材に対応する前記スイッチカム部材(スイッチカム部)の他方の前記押圧部との間の前記隙間分の空走区間を経て当該押圧部に当接又は近接する。従って、前記スイッチレバーの前記被押圧部により、他の前記スイッチカム部材(スイッチカム部)の回動を規制することができる。
【0127】
(ロ)上記シート駆動装置において、
前記各クラッチ機構は、該当する前記位置調整機構への出力軸と前記回転モータに回転駆動される入力軸とを選択的に接続する軸継手である、シート駆動装置。
【0128】
この構成によれば、前記各クラッチ機構は、前記出力軸と前記入力軸とを選択的に接続する軸継手であるため、前記出力軸等の周りに集約的に配置することができ、装置全体としてより小型化することができる。
【符号の説明】
【0129】
C…隙間、M1…リフタ機構(位置調整機構)、M2…チルト機構(位置調整機構)、M3…リクライナ機構(位置調整機構)、M4…スライド機構(位置調整機構)、11…回転モータ、11a…回転軸、17a…支持軸部(第2の回動軸)、22…ウォーム、23,24…ウォームホイール、53L,53T,53R,53S…操作ハンドル(操作部材)、61L,61R,61S,61T…スイッチカム部材、64L,64R,64S,64T…スイッチカム部、70…スイッチレバー、75…被押圧部、76…規制部、86…第1スイッチ構造体(スイッチ構造体、スイッチ)、86b,87b…ボタン、87…第2スイッチ構造体(スイッチ構造体、スイッチ)、101L…リフト用操作ハンドル回動部(操作ハンドル回動部)、101S…スライド用操作ハンドル回動部、103L…リフト用係合突部(係合突部)、103S…スライド用係合突部(係合突部)、105L…リフト用操作ハンドルノブ(操作ハンドルノブ)、105S…スライド用操作ハンドルノブ(操作ハンドルノブ)、106L…軸受孔(第1の回動軸)、106S…スライド用ガイド溝、107L…リフト用係合溝(係合凹部)、107S…スライド用係合溝(係合凹部)、111…リフタ用支持軸部111(第1の回動軸)、112…スライド用ガイド部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15