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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227173(P2015-227173A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】蓋付カップ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/22 20060101AFI20151120BHJP
   B65D 17/44 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   B65D51/22
   B65D17/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-112759(P2014-112759)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】早川 茂
【テーマコード(参考)】
3E084
3E093
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084CA01
3E084DA01
3E084FA09
3E084FC01
3E084GB09
3E084JA18
3E084LA25
3E093AA02
3E093AA14
3E093EE08
3E093EE17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロック機構を設けることなく、シール材を破断させた開封部材を開封完了位置に維持することができる蓋付カップ容器を提供する。
【解決手段】有底筒状のカップ体2に被着され、その開口部2aを覆う天壁部33を有する蓋体3と、カップ体2と蓋体3との間に配置され開口部2aを密封するシール材4とを備え、蓋体3は、天壁部33に形成された貫通孔36の上方又は貫通孔36内に配置され、シール材4を破断して開封する開封部材35を備え、開封部材35は、前端がシール材4を破断可能な刃部35aとされ、且つ後端35bが連結部3Aを介して天壁部33に連結され、連結部3Aは、ヒンジ部37と、弾性変形可能に形成された帯体38とを備え、開封部材35と帯体38を通る蓋体3の縦断面視において、開封部材35の後端部35A、及び天壁部33における帯体38との接続部分33Aは、全体がシール材4側に向けて突を呈するように傾斜させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状のカップ体と、
該カップ体に被着され、前記カップ体の開口部を覆う天壁部を有する蓋体と、
前記カップ体と前記蓋体との間に配置され前記開口部を密封するシール材と、
を備え、
前記蓋体は、前記天壁部に形成された貫通孔の上方又は該貫通孔内に配置され、前記シール材を破断して開封する開封部材を備える蓋付カップ容器であって、
前記開封部材は、基端が連結部を介して前記天壁部に連結され、
前記連結部は、ヒンジ部と、弾性変形可能に形成された帯体と、を備え、
前記開封部材と前記帯体を通る前記蓋体の縦断面視において、前記開封部材の基端部、及び前記天壁部における前記帯体との接続部分は、全体が前記シール材側に向けて突を呈するように、傾斜していることを特徴とする蓋付カップ容器。
【請求項2】
前記帯体は、前記シール材側と反対方向に向けて突となるように湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の蓋付カップ容器。
【請求項3】
前記連結部は、前記帯体の両側に前記ヒンジ部が配置されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋付カップ容器。
【請求項4】
前記開封部材及び前記天壁部は、それぞれの全体が前記連結部に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓋付カップ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付カップ容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の蓋付カップ容器として、従来、例えば下記特許文献1に示されるように、有底筒状のカップ体と、該カップ体に被着され、前記カップ体の開口部を覆う天壁部を有する蓋体と、これらの間に配置され前記開口部を密封するシール材と、を備え、前記蓋体は、前記天壁部に形成された貫通孔の上方又は該貫通孔内に配置され、前記シール材を破断して開封する開封部材を備える構成のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の蓋付カップ容器には、開封完了時における開封部材の姿勢をロックするロック機構を備え、ロック機構は嵌合可能なロック用突起とロック用受けとの二部材を有し、前記二部材のうち一方の部材を前記開封部材に形成し、他方の部材を蓋体の天壁部に形成した構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4258603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の蓋付カップ容器では、ロック用突起やロック受け等の複雑なロック機構を設けられているので、構造が複雑化するという問題があった。
また、ロック機構を設ける構造では、ロックされる開封完了位置まで開封部材を押し込む必要があり、その押し込み量が不十分な場合に開封部材が開封完了位置で固定されないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ロック機構を設けることなく、シール材を破断させた開封部材を開封完了位置に維持することができる蓋付カップ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る蓋付カップ容器は、有底筒状のカップ体と、該カップ体に被着され、前記カップ体の開口部を覆う天壁部を有する蓋体と、前記カップ体と前記蓋体との間に配置され前記開口部を密封するシール材と、を備え、前記蓋体は、前記天壁部に形成された貫通孔の上方又は該貫通孔内に配置され、前記シール材を破断して開封する開封部材を備える蓋付カップ容器であって、前記開封部材は、基端が連結部を介して前記天壁部に連結され、前記連結部は、ヒンジ部と、弾性変形可能に形成された帯体と、を備え、前記開封部材と前記帯体を通る前記蓋体の縦断面視において、前記開封部材の基端部、及び前記天壁部における前記帯体との接続部分は、全体が前記シール材側に向けて突を呈するように、傾斜していることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る蓋付カップ容器では、開封部材を下方に押し込むことで、開封部材のうち、基端部から離れた部分によりシール材を破断するとともに、カップ体内と外部とが連通される。この際、前記縦断面視において、まず、開封部材は、その基端部が、天壁部の前記接続部分と一直線上に延びるような姿勢となり、その後、開封部材の押下を継続することで、開封部材は、開封部材の基端部、及び天壁部における帯体との接続部分の全体が、シール材側と反対に向けて突を呈するような姿勢となる。
この過程において、帯体は、前記縦断面視において、開封部材の基端部と天壁部の前記接続部分とが一直線上に延びるまでは引張変形し、その後、開封部材の基端部、及び天壁部の前記接続部分の全体が、シール材側と反対に向けて突を呈した際に収縮変形する。つまり、前記一直線上を基準として、これを越えることにより帯体の復元力(弾性力)が開封部材に付与される。
すなわち、帯体の復元力によりシール材側に向けた付勢力が付与された開封部材を元の位置に戻すには、帯体を引張変形させる必要があるため、開封部材を開封完了位置に維持することができる。
【0009】
また、本発明に係る蓋付カップ容器では、前記帯体は、前記シール材側と反対方向に向けて突となるように湾曲していることが好ましい。
【0010】
この場合には、帯体の伸び代を確保し易くなり、開封部材を押下する過程で、帯体を少ない力で弾性変形させることが可能になり、優れた操作性を具備させることができる。
【0011】
また、本発明に係る蓋付カップ容器では、前記連結部は、前記帯体の両側に前記ヒンジ部が配置されてなることが好ましい。
【0012】
この場合には、開封部材が帯体の両側のヒンジ部で回動可能に支持されるので、開封部材の回動を安定させることができ、開封時の操作性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る蓋付カップ容器では、前記開封部材及び前記天壁部は、それぞれの全体が前記連結部に向けて傾斜していることが好ましい。
【0014】
この場合には、前記開封部材及び前記天壁部が一様な傾斜面となることから、製造が容易になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る蓋付カップ容器によれば、ロック機構を設けることなく、シール材を破断させた開封部材を開封完了位置に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態による蓋付カップ容器の蓋体を示す上面図である。
図2図1に示す蓋付カップ容器の縦断面図である。
図3】蓋付カップ容器において開封部材を操作してシール材を開封し、該開封部材が最大引張位置に位置した状態を示す縦縦断図である。
図4】蓋付カップ容器において開封部材が開封完了位置に位置した状態を示す縦断面図である。
図5】蓋付カップ容器の蓋体の変形例を示す上面図であって、図1に対応する図である。
図6】蓋付カップ容器の他の変形例を示す縦断面図であって、図2に対応する図である。
図7】蓋付カップ容器のさらに他の変形例を示す縦断面図であって、図2に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る蓋付カップ容器の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施形態の蓋付カップ容器1は、内容物が収容されるカップ体2と、カップ体2に被着され、カップ体2の開口部2aを覆う天壁部33を有する蓋体3と、カップ体2と蓋体3との間に配置され開口部2aを密封するシール材4と、蓋体3に被着され、蓋体3を覆うオーバーキャップ5と、を備えている。
【0019】
カップ体2は、底部21及び胴部22を有しており、横断面視で円形状の有底筒状に形成されている。
ここで、カップ体2及び蓋体3の各中心軸線は、共通軸上に位置している。本明細書では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向(容器軸O方向)のうち、カップ体2の底部21側を下方(下側)といい、蓋体3側を上方(上側)といい、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
カップ体2の底部21は、円板状をなしており、胴部22の下端部内に配設されていて、該下端部の開口を塞いでいる。図示の例では、底部21は、胴部22の下端よりも若干上方に離間して配置されている。
カップ体2の胴部22は、上側から下側に向かうに従い漸次縮径している。また、カップ体2の開口部2aには、その径方向の外側に向けて突出するフランジ部23が全周にわたって設けられている。このフランジ部23の上面には前記シール材4が貼着されて、前記開口部2aが封止されている。
【0021】
シール材4は、例えば合成樹脂や金属箔等の単層或いは積層シート、又は金属薄膜層と合成樹脂層とが積層された積層シート等で形成されている。また、フランジ部23の上面にシール材4を固着する方法としては、例えば貼着、圧着、熱溶着、高周波溶着や接着等が挙げられる。
【0022】
蓋体3は、内側にカップ体2のフランジ部23が嵌合される装着筒部31と、装着筒部31よりも小径に形成されかつ装着筒部31よりも上方に配置された周壁部32と、前記径方向に延在しかつ周壁部32の内側を閉塞する上面視円形状の天壁部33と、を備えている。
【0023】
周壁部32は、内筒32A、外筒32Bおよびこれらの両筒32A、32Bの上端部同士を連結する円環状の連結板32Cを備え、内筒32Aの下端内周面に前記天壁部33の外周面が連結されている。
外筒32Bは、下方から上端に向かうに従い漸次縮径するように形成されている。外筒32Bの下端は、連結壁34を介して装着筒部31の上端に連結されている。
【0024】
装着筒部31の内周面には、全周にわたって径方向内側に向けて突出した係合凸部31aが形成されている。これにより、蓋体3をカップ体2に装着することで、連結壁34の下面がシール材4を介してフランジ部23に上側から当接するとともに係合凸部31aがフランジ部23にアンダーカット嵌合し、蓋体3がカップ体2に装着される。なお、フランジ部3に対する装着筒部31の装着(固定)方法については、前記アンダーカット嵌合に限定されない。
【0025】
また、蓋体3は、天壁部33に形成された貫通孔36の上方又は貫通孔36内に配置され、シール材4を破断して開封する開封部材35を備えている。図2において、本実施形態では開封部材35の後述する刃部35aの一部が、貫通孔36内に位置している。
貫通孔36は、天壁部33の平面視で前記径方向に延びる矩形状に形成されている。貫通孔36のうち前記径方向の一端部は、天壁部33における前記径方向の中央部に位置し、前記径方向の他端部は、天壁部33における外周縁部に位置している。以下、前記径方向のうち貫通孔36の一端部側をカップ後方といい、貫通孔36の他端部側をカップ前方という。また、カップ前後方向に直交する方向をカップ幅方向(図1における上下方向)という。
貫通孔36は、開封部材35を後述する連結部3A回りに回動させたときに通過させてシール材4に到達させるように設けられている。
【0026】
天壁部33のうち、貫通孔36からカップ後方に向けて延びる傾斜部分33Bは、カップ後方に向かうに従い漸次上方に向けて延びている。
また、天壁部33のうち、貫通孔36の前側部分からカップ幅方向の両外側に向けて延びる飲み口部分33aは、カップ前方からカップ後方に向かうに従い漸次上方に向けて延びている。そして、天壁部33のうち、飲み口部分33aからカップ後方に向けて延びる部分(以下、本体部分33bという)は、カップ後方に向かうに従い漸次上方に向けて延びている。
本体部分33bは、カップ幅方向の外側から内側に向かうに従い漸次下方に向けて延びていて、傾斜部分33Bのカップ幅方向の外端縁に連結されている。
【0027】
開封部材35は、前端(先端)がシール材4を破断可能な刃部35aとされ、且つ後端(基端)35bが連結部3Aを介して天壁部33に連結され、この連結部3A回りに回動可能に設けられている。開封部材35は、カップ前後方向に延びており、カップ前方に向かうに従い漸次上向きに傾斜して配置され、開封部材35の前端から下方に向けて刃部35aが突出して設けられている。刃部35aは、容器軸Oから径方向の外側に離れて位置し、シール材4の上方に対向するように開封部材35に配設されている。
このような開封部材35は、図3及び図4に示すように、上方から押圧することにより、刃部35aによってシール材4が破断するとともに、連結部3Aを中心として下側に向けて回動する。
【0028】
連結部3Aは、図1及び図2に示すように、開封部材35の後端35bを前記傾斜部分33Bに接続する第1ヒンジ部37(ヒンジ部)と、弾性変形可能に形成された帯体38と、を備えている。
第1ヒンジ部37は、帯体38のカップ幅方向の両側に配置されている。
帯体38は、縦断面視形状で上方に向けて突となるように湾曲している。帯体38の後端部は、第2ヒンジ部38aを介して傾斜部分33Bに連結され、帯体38の前端部は、第3ヒンジ部38bを介して開封部材35に連結されている。一対の第1ヒンジ部37は、カップ前後方向で第2ヒンジ部38aと第3ヒンジ部38bとの間に位置している。
【0029】
そして、開封部材35と帯体38を通る蓋体3の縦断面視(図1に示すA−A線矢視)において、開封部材35の後端部(基端部)35A、及び天壁部33(傾斜部分33B)における帯体38との接続部分33Aは、全体が下方に向けてV字状に突を呈するように、傾斜している。つまり、開封部材35及び傾斜部分33Bは、前記縦断面視でそれぞれの全体が連結部3Aに向けて傾斜している。
【0030】
ここで、開封部材35の回動前の位置を未開封位置R0とし、開封部材35を回動させた際に、図3に示すように、開封部材35の後端部35Aが傾斜部分33Bの接続部分33Aと一直線上に延びる姿勢となる位置を最大伸張位置R1とし、図4に示すように、さらに最大伸張位置R1を越えて下方に向けて回動させた位置を開封完了位置R2とする。
【0031】
帯体38は、開封部材35が未開封位置R0に位置しているときに弾性変形が生じず、回動することにより最大伸張位置R1に向かうに従い引張変形が生じ、最大伸張位置R1のときに第2ヒンジ部38aと第3ヒンジ部38bとを結ぶ直線距離が最大となるので、引張変形量も最大となる。さらに、帯体38は、開封部材35を最大伸張位置R1を越えて回動させ、開封部材35が開封完了位置R2に位置したときに収縮変形する。
なお、帯体28は、開封部材35が開封完了位置R2に位置したときに、弾性変形が生じていない状態であってもよい。
【0032】
オーバーキャップ5は、図2に示すように、例えば合成樹脂からなる薄肉の成形品であり、蓋体3における天壁部33、周壁部32及び装着筒部31の形状に倣いながら、これらを径方向の外側から覆うように形成された有頂筒状に形成されている。オーバーキャップ5の下端に位置する外装部51は、蓋体3の装着筒部31よりも下方に延びており、径方向の内側に向けて突出した係止部51aを介して装着筒部31に対してアンダーカット嵌合されている。これによりオーバーキャップ5は、蓋体3に対して着脱自在に装着されている。ただし、蓋体3に対する外装部51の装着(固定)方法については、前記アンダーカット嵌合に限定されない。
【0033】
以上説明した本実施形態による蓋付カップ容器によれば、以下の作用効果を奏する。
図2及び図3に示すような蓋付カップ容器1内の内容物を飲む際には、開封部材35を下方に押し込むことで回動させ、その先端の刃部35aでシール材4を破断するとともに、カップ体2内と外部とが連通される。この際、前記縦断面視において、まず、開封部材35は、その後端部35Aが、天壁部33の接続部分33Aと一直線上に延びるような姿勢、すなわち最大伸張位置R1となり、その後、開封部材35の押下を継続することで、図4に示すように、開封部材35は、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aの全体が、上方に向けて突を呈するような姿勢となる。接続部分3Aは、未開封位置R0と開封完了位置R2において上下に反転した状態になる。
【0034】
この過程において、帯体38は、図3に示す前記縦断面視において、開封部材35の後端部35Aと前記接続部分33Aとが一直線上に延びる最大伸張位置R1に位置するまでは引張変形し、その後、図4に示すように、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aの全体が、上方に向けて突を呈した際に収縮変形する。つまり、前記一直線上(最大伸張位置R1)を基準として、これを越えることにより帯体38の復元力(弾性力)が開封部材35に付与される。
すなわち、帯体38の復元力により開封完了位置R2に向けた付勢力が付与された開封部材35を元の位置に戻すには、帯体38を引張変形させる必要があるため、開封部材35を開封完了位置R2に維持することができる。
【0035】
また、本実施形態では、帯体38が上方に向けて突となるように湾曲しているので、帯体38の伸び代を確保し易くなり、開封部材35を押下する過程で、帯体38を少ない力で弾性変形させることが可能になり、優れた操作性を具備させることができる。
【0036】
また、本実施形態の蓋付カップ容器1では、連結部3Aにおいて、帯体38のカップ幅方向の両側にヒンジ部37が配置されており、開封部材35が両ヒンジ部37、37で回動可能に支持されるので、開封部材35の回動を安定させることができ、開封時の操作性を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、開封部材35及び天壁部33は、それぞれの全体が連結部3Aに向けて傾斜し、一様な傾斜面となることから、製造が容易になる。
【0038】
このように蓋付カップ容器1では、ロック機構を設けることなく、シール材4を破断させた開封部材35を開封完了位置R2に維持することができる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0040】
例えば、前述の実施形態では、カップ幅方向で帯体38の両側にヒンジ部37、37が設けられているが、このような配置に限定されるものではない。
図5に示す第1変形例は、前述の実施形態で説明した蓋付カップ容器1の変形例であり、この変形例において蓋体3に形成される連結部3Aは、カップ幅方向の中央にヒンジ部37を備え、そのヒンジ部37の両側に帯体38を設けた構成となっている。この場合、帯体38を引張変形させるためには、前述の実施形態のカップ幅方向の中央に帯体38が設けられる構成よりも大きな力が必要となる。そのため、開封部材35が開封完了位置で維持された状態において、開封部材35を元の位置に戻すために大きな力で帯体38を引張変形させる必要があるため、より確実に開封部材35を開封完了位置に維持することができる。
【0041】
また、前述の実施形態では、前記縦断面視において、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aは、全体が下方に向けて突を呈するように傾斜し、開封部材35がカップ後方からカップ前方に向けて漸次上方に傾斜する構成としているが、これに限定されることはない。
例えば、図6に示す第2変形例による蓋付カップ容器1Aは、未開封位置R0にある開封部材35が、カップ前後方向に沿って水平に配置された構成となっている。なお、本第2変形例では、開封部材35の板面の前端部が刃部35aをなしている。第2変形例の場合においても、前記縦断面視において、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aは、全体が下方に向けて突を呈するように形成されている。このように、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aのうち、少なくとも一方が傾斜していれば、下方に向けて突を呈する形状となることから、前述の実施形態と同様に、開封部材35を元の位置に戻すには、帯体38を引張変形させる必要があるため、開封部材35を開封完了位置に維持することができる。
【0042】
また、例えば、図7に示す第3変形例による蓋付カップ容器1Bは、未開封位置R0において、開封部材35のうちカップ前方側の前方部35cがカップ前後方向に沿って水平に配置されている。本第3変形例の場合においても、前記縦断面視において、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aは、全体が下方に向けて突を呈するように傾斜している。したがって、第3変形例では、前述の実施形態と同様に、開封部材35を元の位置に戻すには、帯体38を引張変形させる必要があるため、開封部材35を開封完了位置に維持することができる。
【0043】
また、前述の実施形態では、帯体38が上方に突となるように湾曲しているが、これに限定されることはない。例えば、図2に示す実施形態で、開封部材35が未開封位置R0にある状態において、第2ヒンジ部38aと第3ヒンジ部38bを結ぶ直線に沿って水平方向に延びる帯体とすることも可能である。この場合には、上方に突となる帯体38に比べて引張変形時の伸び代は小さいものの、開封部材35が最大伸張位置R2にあるときに引張変形による変位が最大になるので、前述の実施形態と同様の効果を奏する。
【0044】
また、前述の実施形態では、オーバーキャップ5を設けた構成としているが、オーバーキャップ5を省略することも可能である。
さらに、カップ体2や、蓋体3の周壁部32、天壁部33などの形状も適宜変更することが可能である。
【0045】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1、1A、1B 蓋付カップ容器
2 カップ体
2a 開口部
3 蓋体
3A 連結部
4 シール材
31 装着筒部
32 周壁部
33 天壁部
33A 接続部分
33B 傾斜部分
35 開封部材
35A 基端部
35a 刃部
35b 基端
36 貫通孔
37 ヒンジ部
38 帯体
O 容器軸
R0 未開封位置
R1 最大伸張位置
R2 開封完了位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7