【課題】プリント回路板(PCB)の電気めっきの分野において、基体表面上に均一な金属堆積物を得るため、電気めっき浴中のレベリング剤が重要であり、電気めっき浴の均一電着性を強化しつつ、平滑な銅堆積物が可能で、PCB製造のための金属電気めっき浴において使用するレベリング剤として有用な化合物、及び該化合物を含有する電気めっき浴用組成物の提供。
【解決手段】少なくとも2つの反応性窒素原子を含む1種以上の複素環式窒素化合物であり、但し、前記反応性窒素原子の少なくとも1つは前記1種以上の複素環式窒素化合物の環に存在している1種以上の複素環式窒素化合物と、1種以上のポリエポキシド化合物と、1種以上のポリハロゲン化合物との反応生成物を含む化合物、及び該化合物を含有する電気めっき浴用組成物。該複素環式窒素化合物としては、ピロール類、ピリジン類、イミダゾール類、トリアゾール類、トリアジン類等であることが好ましい。
少なくとも2つの反応性窒素原子を含む1種以上の複素環式窒素化合物であって、ただし、前記反応性窒素原子の少なくとも1つは前記1種以上の複素環式窒素化合物の環に存在している1種以上の複素環式窒素化合物と、1種以上のポリエポキシド化合物と、1種以上のポリハロゲン化合物との反応生成物を含む化合物。
前記1種以上の複素環式窒素化合物が、イミダゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、ピラジン類、ベンゾイミダゾール類、ベンゾトリアゾール類、プリン類、ピペラジン類、ピリダジン類、トリアジン類、テトラジン類およびピリミジン類、ピラゾール類、ピペリジン類、ベンゾオキサゾール類、オキサゾール類、ピリジン類、モルホリン類、ピロリジン類、ピロール類、キノリン類、イソキノリン類およびベンゾチアゾール類から選択される請求項1に記載の化合物。
少なくとも2つの反応性窒素原子を含む1種以上の複素環式窒素化合物であって、ただし、前記反応性窒素原子の少なくとも1つは前記1種以上の複素環式窒素化合物の環に存在している1種以上の複素環式窒素化合物と、1種以上のポリエポキシド化合物と、1種以上のポリハロゲン化合物との反応生成物を含む1種以上の化合物、金属イオンの1種以上のソース、および電解質を含む組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書を通して使用される場合、文脈が明確に他のことを示さない限りは、以下の略語は以下の意味を有するものとする:A=アンペア;A/dm
2=アンペア/平方デシメートル;℃=摂氏度;g=グラム;ppm=100万あたりの部;L=リットル;μm=ミクロン=マイクロメートル;mm=ミリメートル;cm=センチメートル;DI=脱イオン;mL=ミリリットル;mol=モル;Mw=重量平均分子量;およびMn=数平均分子量。全ての数値範囲は包括的であり、このような数値範囲が合計で100%になることに制約されるのが明らかな場合以外は任意に組み合わせ可能である。
【0013】
本明細書を通して使用される場合、「フィーチャ」とは基体上の形状をいう。「開口部」とはスルーホールおよびブラインドバイアをはじめとする凹んだフィーチャをいう。本明細書を通して使用される場合、用語「めっき」とは金属電気めっきをいう。「堆積」および「めっき」は本明細書を通して交換可能に使用される。「レベラー」とは実質的に平滑なまたは平面的な金属層を提供できる有機化合物またはその塩をいう。用語「レベラー」および「レベリング剤」は本明細書を通して交換可能に使用される。「促進剤」とは電気めっき浴のめっき速度を増大させる有機添加剤をいう。「抑制剤」とは、電気めっき中の金属のめっき速度を抑制する有機添加剤をいう。用語「プリント回路板」および「プリント配線板」は本明細書を通して交換可能に使用される。用語「部分」とは、サブ構造(substructure)として官能基全体または官能基の部分を含むことができる、分子またはポリマーの部分を意味する。用語「部分」および「基」は本明細書中を通して交換可能に使用される。化学構造中の破線「−−−」は任意の二重結合を意味する。冠詞「a」および「an」は単数および複数を意味する。
【0014】
化合物は、少なくとも2つの反応性窒素原子を含む1種以上の複素環式窒素化合物であって、ただし、これら反応性窒素原子の少なくとも1つは前記複素環式窒素化合物の環に存在している1種以上の複素環式窒素化合物と、1種以上のポリエポキシド化合物と、1種以上のポリハロゲン化合物との反応生成物である。この反応生成物は、ブラインドバイア、スルーホールまたはこれらの組み合わせを含みうる基体上に金属堆積物をめっきするために、金属電気めっき組成物中に使用されうる。この金属電気めっき組成物は良好な均一電着性を有し、かつこの金属堆積物は熱衝撃応力試験での応答における良好な物理的信頼性を有する。
【0015】
複素環式窒素化合物は芳香族系でもよく、または非芳香族系でもよい。複素環式窒素化合物には、イミダゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、ピラジン類、ベンゾイミダゾール類、ベンゾトリアゾール類、プリン類、ピペラジン類、ピリダジン類、ピラゾール類、トリアジン類、テトラジン類、およびピリミジン類が挙げられるが、これらに限定されない。環に反応性窒素原子を1つだけ含む複素環式窒素化合物、例えば、ピペリジン類、ベンゾオキサゾール類、オキサゾール類、ピリジン類、モルホリン類、ピロリジン類、ピロール類、キノリン類、イソキノリン類およびベンゾチアゾール類は反応性窒素原子を含む1以上の置換基で置換されており、この置換基は、これに限定されないが、第一アミノ部分、第二アミノ部分、少なくとも1つの非置換窒素原子を含む芳香族もしくは非芳香族複素環式窒素部分、アミド部分およびシッフ(Schiff)塩基部分から選択される少なくとも一種を含む。反応性窒素原子は、1種以上のポリエポキシド、1種以上のポリハロゲン、または1種以上のポリエポキシドと1種以上のポリハロゲンとの混合物との反応の際に、電子対を供与することができる窒素原子である。
【0016】
複素環式窒素化合物は環に結合した1以上の置換基を有しうる。この置換基には、これに限定されないが、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アルキル、ヒドロキシル、ニトロもしくはニトロアルキル、ニトロソもしくはニトロソアルキル、カルボニル、メルカプトもしくはメルカプトアルキル、線状もしくは分岐ヒドロキシアルキル、カルボキシル、線状もしくは分岐カルボキシアルキル、線状もしくは分岐アルコキシ、置換もしくは非置換アリール、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アリールアルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アミノアルキル、置換もしくは非置換スルホニル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アミンが挙げられる。
【0017】
複素環式窒素化合物は以下の一般構造を有することができる:
【0019】
式中、Q
1〜Q
4は窒素、酸素、炭素もしくは硫黄であってよく、ただし、前記Q
1〜Q
4の少なくとも1つは窒素であり、並びにどの場合においてもQ
1〜Q
4の1つだけが酸素もしくは硫黄であってよい。硫黄もしくは酸素が環に存在する場合には、硫黄もしくは酸素はQ
4に存在する。好ましくは、この環は1〜3個の窒素原子、より好ましくは、1または2個の窒素原子を有する。最も好ましくは、この環はイミダゾールである。炭素原子および窒素原子は置換されていてもよくまたは置換されていなくてもよい。R
1をはじめとする炭素原子および窒素原子上の置換基には、これらに限定されないが、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換(C
1−C
10)アルキル、ヒドロキシル、線状もしくは分岐アルコキシ、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換ヒドロキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アルコキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換カルボキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アミノ(C
1−C
10)アルキル、置換もしくは非置換アリール、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アリール(C
1−C
10)アルキル、置換もしくは非置換スルホニル、並びに置換もしくは非置換アミンが挙げられる。Q
1が炭素である場合には、R
1およびQ
1上の置換基はそれらの原子の全てと一緒になって、構造(I)の環との6員炭素もしくは複素環式芳香族縮合環を形成することができる。Q
1〜Q
4の1つだけが非置換窒素原子である場合には、この環上の少なくとも1つの置換基は1以上の反応性窒素原子を含み、この置換基は、これに限定されないが、第一アミノ部分、第二アミノ部分、少なくとも1つの非置換窒素原子を含む芳香族もしくは非芳香族複素環式窒素部分、アミド部分、またはシッフ塩基部分を含み、好ましくは第一アミノ部分または第二アミノ部分を含む。
【0020】
R
1と、Q
1が炭素である場合のQ
1上の置換基とが一緒になって6員芳香族縮合環を形成している複素環式窒素化合物は、以下の一般構造を有することができる:
【0022】
式中、Q
2〜Q
4は上で定義される通りであり、およびQ
5〜Q
8は炭素もしくは窒素原子であることができ、ただし、ある場合においてはQ
5〜Q
8のうちの2つだけが窒素であってよい。この環の炭素および窒素原子は置換されていても、非置換であってもよい。置換基には、これに限定されないが、ヒドロキシル、線状もしくは分岐アルコキシ、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換ヒドロキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アルコキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換カルボキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アミノ(C
1−C
10)アルキル、置換もしくは非置換アリール、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アリール(C
1−C
10)アルキル、置換もしくは非置換スルホニル、並びに置換もしくは非置換アミンが挙げられる。Q
2〜Q
8の1つだけが非置換窒素原子である場合には、この環上の少なくとも1つの置換基は1以上の反応性窒素原子を含み、この置換基は、これに限定されないが、第一アミノ部分、第二アミノ部分、少なくとも1つの非置換窒素原子を含む芳香族もしくは非芳香族複素環式窒素部分、アミド部分、またはシッフ塩基部分を含み、好ましくは、第一アミノ部分もしくは第二アミノ部分を含む。このような化合物には、これに限定されないが、ベンゾイミダゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンゾオキサゾール類、ベンゾチアゾール類およびプリン類が挙げられる。好ましくは、このような化合物はベンゾイミダゾール類である。
【0023】
複素環式窒素化合物には、下記の一般構造を有するものも挙げられる:
【0025】
式中、Q
9〜Q
14は窒素、炭素もしくは酸素であることができ、ただし、Q
9〜Q
14の少なくとも1つは窒素であり、かつ窒素原子は4個より多くこの環に存在しない。この環における炭素原子および窒素原子は置換されていても、または非置換であってもよい。複数の置換基は同じであっても、または異なっていてもよく、そしてこれに限定されないが、Q
1〜Q
8について上述した置換基が挙げられる。Q
9〜Q
14の1つだけが非置換窒素原子である場合には、この環上の少なくとも1つの置換基は反応性窒素原子を含み、この置換基は、これに限定されないが、第一アミノ部分、第二アミノ部分、少なくとも1つの非置換窒素原子を含む芳香族もしくは非芳香族複素環式窒素部分、アミド部分、またはシッフ塩基部分を含み、好ましくは、第一アミノ部分もしくは第二アミノ部分を含む。この環に酸素が存在する場合には、どの場合においてもQ
9〜Q
14の1つだけが酸素である。構造(III)の複素環式窒素化合物は芳香族もしくは非芳香族複素環式窒素化合物であり得る。
【0026】
使用されうるポリエポキシド化合物は、連結によって一緒にされた2以上のエポキシド部分を有するものであり、典型的には、2〜4個のエポキシド部分が存在する。好ましくは、このようなポリエポキシド化合物には、限定されないが、下記式を有する化合物が挙げられる:
【0027】
【化4】
【化5】
または
【化6】
【0028】
式中、R
2およびR
3は同じであっても、または異なっていてもよく、そして水素および(C
1−C
4)アルキルから選択され、A=OR
4もしくはR
5であり、R
4=((CR
6R
7)
mO)、(アリール−O)
p、CR
6R
7−Z−CR
6CR
7、またはOZ’
tOであり、R
5=(CH
2)
yであり、Bは(C
5−C
12)シクロアルキルであり、Z=5−もしくは6−員環であり、Z’はR
8OArOR
8、(R
9O)
bAr(OR
9)、もしくは(R
9O)
b、Cy(OR
9)であり、Cy=(C
5−C
12)シクロアルキルであり、各R
6およびR
7は独立して水素、メチル、もしくはヒドロキシルから選択され、各R
8は(C
1−C
8)アルキルを表し、各R
9は(C
2−C
6)アルキレンオキシを表し、R
10は水素原子、ホルミル基、または1もしくは2つのグリシジルエーテル基であって、それぞれは場合によっては、C
4−C
8およびC
2−C
4によって構成されるカルボニル基を含み、R
11は水素原子、メチル基もしくはエチル基であり、並びにR
12は水素原子、ホルミル基、または1もしくは2つのグリシジルエーテル基であって、それぞれは場合によっては、C
4−C
8およびC
2−C
4によって構成されるカルボニル基を含み、各b=1〜10、m=1〜6、n=1〜4、p=1〜6、t=1〜4およびy=0〜6である。R
2およびR
3は好ましくは、独立して、水素および(C
1−C
2)アルキルから選択される。R
2およびR
3が一緒にされず環式化合物を形成しない場合には、R
2およびR
3が両方とも水素であるのが好ましい。R
2およびR
3が一緒になって環式化合物を形成する場合には、AがR
5もしくは化学結合であり、かつ(C
8−C
10)炭素環式環が形成されるのが好ましい。m=2〜4であるのが好ましい。R
4についての好ましいアリール−O基は、フェニル−Oである。p=1〜4が好ましく、より好ましくはp=1〜3であり、さらにより好ましくはp=1〜2である。Zは好ましくは5−もしくは6員炭素環式環であり、より好ましくは、Zは6−員炭素環式環である。好ましくは、y=0〜4であり、より好ましくは1〜4である。A=R
5およびy=0である場合には、Aは化学結合である。好ましくは、Z’=R
8OArOR
8または(R
9O)
bAr(OR
9)である。各R
8は好ましくは、(C
1−C
6)アルキルであり、およびより好ましくは(C
1−C
4)アルキルである。各R
9は好ましくは(C
2−C
4)アルキレンオキシである。t=1〜2であるのが好ましい。好ましくは、b=1〜8であり、より好ましくは1〜6であり、および最も好ましくは1〜4である。各Ar基は1以上の置換基で置換されていてよく、この置換基には、これに限定されないが、(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、またはハロゲンが挙げられる。好ましくは、Arは(C
6−C
15)アリールである。典型的なアリール基はフェニル、メチルフェニル、ナフチル、ピリジニル、ビスフェニルメチル、および2,2−ビスフェニルプロピルである。好ましくは、Cyは(C
6−C
15)シクロアルキルである。Bについての(C
5−C
12)シクロアルキル基は、単環式、スピロ環式、縮合もしくは二環式基であり得る。好ましくは、Bは(C
8−C
10)シクロアルキルであり、より好ましくは、シクロオクチルである。好ましくは、R
10およびR
12は独立して、水素原子、またはグリシジルエーテル基であり、並びにR
11は水素原子もしくはエチル基である。
【0029】
式(IV)の化合物には、これに限定されないが、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、およびポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0030】
式(V)の化合物には、これに限定されないが、ジシクロペンタジエンジオキシド、および1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタンが挙げられる。
【0031】
式(VI)の化合物には、これに限定されないが、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、エリスリトールテトラグリシジルエーテル、アラビノーステトラグリシジルエーテル、トリグリセロールペンタグリシジルエーテル、フルクトースペンタグリシジルエーテル、キシリトールペンタグリシジルエーテル、テトラグリセロールヘキサグリシジルエーテル、およびソルビトールヘキサグリシジルエーテルが挙げられる。
【0032】
ポリハロゲン化合物には、1種以上の複素環式窒素化合物と反応しうる、2個以上のハロゲンを含むハロゲン含有化合物が挙げられる。好ましくは、ポリハロゲン化合物は2〜4個のハロゲンを含む。このようなポリハロゲン化合物には、これに限定されないが、以下の式を有する化合物が挙げられる:
X
1−R
13−X
2 (VII)
式中、X
1およびX
2は同じであってもまたは異なっていても良く、かつ塩素、臭素、フッ素およびヨウ素から選択されるハロゲンである。好ましくは、X
1およびX
2は独立して、塩素、臭素およびヨウ素である。より好ましくは、X
1およびX
2は独立して、塩素および臭素である。R
13は線状もしくは分岐の置換もしくは非置換(C
1−C
20)アルキルであるか、または下記式を有する部分である:
−C(HR
14)−R
15−C(HR
14)− (VIII)
式中、各R
14は独立して、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素から選択されるハロゲン、水素、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換(C
1−C
18)アルキル、置換もしくは非置換(C
6−C
12)シクロアルキル、置換もしくは非置換(C
6−C
15)アリールから選択され、R
15は線状もしくは分岐の置換もしくは非置換(C
1−C
18)アルキル、置換もしくは非置換(C
6−C
12)シクロアルキル、置換もしくは非置換(C
6−C
15)アリール、−CH
2−O−(R
16−O)
d−CH
2− (式中、R
16は置換もしくは非置換の線状もしくは分岐(C
2−C
10)アルキルであり、およびdは1〜10の整数である)である。R
13上の置換基には、これに限定されないが、ヒドロキシル、線状もしくは分岐アルコキシ、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換ヒドロキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アルコキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換カルボキシ(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アミノ(C
1−C
10)アルキル、置換もしくは非置換アリール、線状もしくは分岐の置換もしくは非置換アリール(C
1−C
10)アルキル、置換もしくは非置換スルホニル、および置換もしくは非置換アミンが挙げられる。
【0033】
このようなポリハロゲンの例は、2,4−ビス(クロロメチル)−1,3,5−トリメチルベンゼン、アルファ,アルファ’−ジクロロ−p−キシレン、アルファ,アルファ’−ジクロロ−m−キシレン、アルファ,アルファ’−ジクロロ−o−キシレン、アルファ,アルファ,アルファ’,アルファ’−テトラブロモ−o−キシレン、アルファ,アルファ,アルファ’,アルファ’−テトラブロモ−m−キシレン、アルファ,アルファ,アルファ’,アルファ’−テトラブロモ−p−キシレン、アルファ,アルファ’−ジクロロトルエン、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジブロモプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジブロモブタン、1,4−ジクロロブタン、1,4−ジヨードブタン、1,5−ジブロモペンタン、1,5−ジクロロペンタン、1,5−ジヨードペンタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,6−ジクロロヘキサン、1,6−ジヨードヘキサン、1,7−ジブロモヘプタン、1,7−ジクロロヘプタン、1,7−ジヨードヘプタン、1,8−ジブロモオクタン、1,8−ジクロロオクタン、1,8−ジヨードオクタン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−ジクロロ−2,3ブタンジオール、1−ブロモ−3−クロロエタン、1−クロロ−3−ヨードエタン、1,2,3−トリクロロプロパン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−クロロ−3−ヨードプロパン、1,4−ジクロロ−2−ブタノール、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、1,4−ジクロロシクロヘキサン、1−ブロモ−3−クロロ−2−メチルプロパン、1,5−ジクロロ[3−(2−クロロエチル)]ペンタン、1,10−ジクロロデカン、1,18−ジクロロオクタデカン、2,2’−ジクロロエチルエーテル、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン、ジエチレングリコールビス(2−クロロエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(2−クロロエチル)エーテル、2,2’−ジクロロプロピルエーテル、2,2’−ジクロロブチルエーテル、テトラエチレングリコールビス(2−ブロモエチル)エーテル、およびヘプタエチレングリコールビス(2−クロロエチル)エーテルである。
【0034】
反応容器へのモノマーの添加の順序は変動してよいが、好ましくは、1種以上のポリエポキシドの滴下添加を行いつつ、1種以上の複素環式窒素化合物がイソプロパノールに80℃で溶解される。次いで、この加熱浴の温度が80℃から95℃に上げられる。攪拌を伴った加熱が2時間〜4時間にわたって行われる。次いで、この反応フラスコに1種以上のポリハロゲンが添加され、そして1時間〜3時間にわたって加熱が続けられる。次いで、攪拌しつつ、12時間〜24時間にわたって、この加熱浴の温度が室温まで下げられる。各成分の量は変動してよいが、一般的には、複素環式窒素化合物からの部分:ポリエポキシドからの部分:ポリハロゲンからの部分のモル比がモノマーモル比に基づいて0.5〜1:0.1〜1:0.01〜0.5の範囲となる生成物を提供するのに充分な量の各反応物質が添加される。
【0035】
1種以上のこの反応生成物を含むめっき組成物および方法は、プリント回路板または半導体チップのような基体上に実質的に平滑なめっき金属層を提供するのに有用である。また、このめっき組成物および方法は基体における開口部を金属で満たすのに有用である。金属堆積物は良好な均一電着性および熱衝撃応力試験での応答における良好な物理的信頼性を有する。
【0036】
基体上に金属が電気めっきされうるあらゆる基体が、基体として、この反応生成物を含む金属めっき組成物と共に使用されうる。このような基体には、これに限定されないが、プリント回路板、集積回路、半導体パッケージ、リードフレームおよびインターコネクトが挙げられる。集積回路基体はデュアルダマシン製造プロセスで使用されるウェハであり得る。このような基体は、典型的には、様々なサイズを有する、多くのフィーチャ、特に、開口部を含む。PCBにおけるスルーホールは様々な直径、例えば、直径50μm〜350μmを有することができる。このようなスルーホールは深さが、例えば、0.8mm〜10mmで変化してよい。PCBは様々なサイズ、例えば、直径200μm以下で深さ150μm以上を有するブラインドバイアを有していてもよい。
【0037】
従来の金属めっき組成物が使用されうる。金属めっき組成物は金属イオンのソース、電解質、およびレベリング剤を含み、このレベリング剤は少なくとも2つの反応性窒素原子を含む1種以上の複素環式窒素化合物であって、ただし、これら反応性窒素原子の少なくとも1つはこの1種以上の複素環式窒素化合物の環に存在している1種以上の複素環式窒素化合物と、1種以上のポリエポキシド化合物と、1種以上のポリハロゲン化合物との反応生成物である。金属めっき組成物はハロゲン化物イオンのソース、促進剤および抑制剤を含むことができる。この組成物から電気めっきされうる金属には、これに限定されないが、銅、スズおよびスズ/銅合金が挙げられる。
【0038】
適する銅イオンソースは銅塩であり、そして限定されないが、硫酸銅、ハロゲン化銅、例えば、塩化銅、酢酸銅、硝酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、アルキルスルホン酸銅、アリールスルホン酸銅、スルファミン酸銅、過塩素酸銅およびグルコン酸銅が挙げられる。典型的なアルカンスルホン酸銅には、(C
1−C
6)アルカンスルホン酸銅、およびより好ましくは(C
1−C
3)アルカンスルホン酸銅が挙げられる。好ましいアルカンスルホン酸銅はメタンスルホン酸銅、エタンスルホン酸銅、およびプロパンスルホン酸銅である。典型的なアリールスルホン酸銅には、限定されないが、ベンゼンスルホン酸銅およびp−トルエンスルホン酸銅が挙げられる。銅イオンソースの混合物が使用されうる。銅イオン以外の金属イオンの1種以上の塩が本発明の電気めっき浴に添加されうる。典型的には、銅塩はめっき液の10〜400g/Lの銅金属の量を提供するのに充分な量で存在する。
【0039】
適するスズ化合物には、これに限定されないが、塩、例えば、ハロゲン化スズ、硫酸スズ、アルカンスルホン酸スズ、例えば、メタンスルホン酸スズ、アリールスルホン酸スズ、例えば、ベンゼンスルホン酸スズおよびp−トルエンスルホン酸スズが挙げられる。これら電解質組成物中のスズ化合物の量は典型的には、5〜150g/Lの範囲のスズ含有量を提供する量である。スズ化合物の混合物が上述のような量で使用されてもよい。
【0040】
本発明において有用な電解質はアルカリ性または酸性でありうる。好ましくは、電解質は酸性である。好ましくは、電解質のpHは≦2である。適する酸性電解質には、これに限定されないが、硫酸、酢酸、フルオロホウ酸、アルカンスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルファミン酸、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、クロム酸、並びにリン酸が挙げられる。本発明の金属めっき浴において、酸の混合物が有利に使用されうる。好ましい酸には、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、塩酸およびこれらの混合物が挙げられる。酸は1〜400g/Lの範囲の量で存在しうる。電解質は一般的には、様々な供給源から商業的に入手可能であり、そしてさらなる精製なしに使用されうる。
【0041】
このような電解質は、場合によっては、ハロゲン化物イオンのソースを含んでいてもよい。典型的には塩化物イオンが使用される。典型的な塩化物イオンソースには、塩化銅、塩化スズ、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩酸が挙げられる。広範囲のハロゲン化物イオン濃度が本発明において使用されうる。典型的には、ハロゲン化物イオン濃度はめっき浴を基準にして0〜100ppmの範囲である。このようなハロゲン化物イオンソースは概して、商業的に入手可能であり、そしてさらなる精製なしに使用されうる。
【0042】
めっき組成物は典型的には促進剤を含む。任意の促進剤(光沢剤とも称される)が本発明における使用に適する。このような促進剤は当業者に周知である。促進剤には、これに限定されないが、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル、3−メルカプト−プロピルスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル、3−メルカプト−プロピルスルホン酸ナトリウム塩、炭酸,ジチオ−O−エチルエステルの3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸カリウム塩とのS−エステル(carbonic acid,dithio−O−ethylester−S−ester with 3−mercapto−1−propane sulfonic acid potassium salt)、ビス−スルホプロピルジスルフィド、ビス−(ナトリウムスルホプロピル)−ジスルフィド、3−(ベンゾチアゾリル−S−チオ)プロピルスルホン酸ナトリウム塩、ピリジニウムプロピルスルホベタイン、1−ナトリウム−3−メルカプトプロパン−1−スルホナート、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホエチル)エステル、3−メルカプト−エチルプロピルスルホン酸−(3−スルホエチル)エステル、3−メルカプト−エチルスルホン酸ナトリウム塩、炭酸−ジチオ−O−エチルエステルの3−メルカプト−1−エタンスルホン酸カリウム塩とのS−エステル(carbonic acid−dithio−O−ethylester−S−ester with 3−mercapto−1−ethane sulfonic acid potassium salt)、ビス−スルホエチルジスルフィド、3−(ベンゾチアゾリル−S−チオ)エチルスルホン酸ナトリウム塩、ピリジニウムエチルスルホベタイン、および1−ナトリウム−3−メルカプトエタン−1−スルホナートが挙げられる。促進剤は様々な量で使用されうる。一般に、促進剤は0.1ppm〜1000ppmの範囲の量で使用される。
【0043】
金属めっき速度を抑制できる任意の化合物が、本発明の電気めっき組成物において抑制剤として使用されうる。適する抑制剤には、これに限定されないが、ポリプロピレングリコールコポリマー、およびポリエチレングリコールコポリマー、例えば、エチレンオキシド−プロピレンオキシド(EO/PO)コポリマー、およびブチルアルコール−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーが挙げられる。適するブチルアルコール−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーは、100〜100,000、好ましくは500〜10,000の重量平均分子量を有するものである。このような抑制剤が使用される場合には、抑制剤は典型的には組成物の重量を基準にして1〜10,000ppm、より典型的には5〜10,000ppmの範囲の量で存在する。本発明のレベリング剤は抑制剤として働くことができる機能も有しうる。
【0044】
概して、反応生成物は、200〜100,000、典型的には300〜50,000、好ましくは500〜30,000の数平均分子量(Mn)を有するが、他のMn値を有する反応生成物が使用されてもよい。このような反応生成物は1000〜50,000、典型的には5000〜30,000の範囲の重量平均分子量(Mw)値を有しうるが、他のMw値が使用されてもよい。
【0045】
金属電気めっき組成物に使用される反応生成物(レベリング剤)の量は、選択される具体的なレベリング剤、電気めっき組成物中の金属イオンの濃度、使用される具体的な電解質、電解質の濃度、および適用される電流密度に応じて変化する。概して、電気めっき組成物中のレベリング剤の合計量は、めっき組成物の全重量を基準にして、0.01ppm〜500ppm、好ましくは0.1ppm〜250ppm、最も好ましくは0.5ppm〜100ppmの範囲であるが、より多い、またはより少ない量が使用されてもよい。
【0046】
電気めっき組成物は任意の順に成分を一緒にすることによって調製されうる。無機成分、例えば、金属イオンのソース、水、電解質および任意成分のハロゲン化物イオンソースが最初に浴容器に入れられ、その後で、有機成分、例えば、レベリング剤、促進剤、抑制剤および任意の他の有機成分を入れるのが好ましい。
【0047】
電気めっき組成物は場合によっては、少なくとも一種の追加のレベリング剤を含んでいても良い。このような追加のレベリング剤は、本発明の別のレベリング剤であっても良いし、あるいは任意の従来のレベリング剤であっても良い。本発明のレベリング剤と一緒に使用されうる適する従来のレベリング剤には、限定されないが、Stepらへの米国特許第6,610,192号、Wangらへの米国特許第7,128,822号、Hayashiらへの米国特許第7,374,652号、およびHagiwaraらへの米国特許第6,800,188号に開示されているものが挙げられる。レベリング剤のこのような組み合わせは、レベリング能力および均一電着性をはじめとするめっき浴の特性を調節するために使用されうる。
【0048】
典型的には、めっき組成物は10〜65℃、またはそれより高い任意の温度で使用されうる。好ましくは、めっき組成物の温度は10〜35℃であり、より好ましくは、15〜30℃である。
【0049】
概して、金属電気めっき組成物は使用中に攪拌される。任意の適する攪拌方法が使用されることができ、そしてこのような方法は当該技術分野において周知である。適する攪拌方法には、これに限定されないが、エアスパージング、ワークピース攪拌、およびインピンジメント(impingement)が挙げられる。
【0050】
典型的には、基体をめっき組成物に接触させることによって、基体は電気めっきされる。基体は典型的にはカソードとして機能する。めっき組成物はアノードを収容し、アノードは可溶性でも不溶性でも良い。典型的には電圧が電極に印加される。充分な電流密度が適用され、基体上に所望の厚さを有する金属層を堆積させ、並びにブラインドバイア、トレンチおよびスルーホールを充填し、またはスルーホールを共形的に(conformally)めっきするのに充分な期間にわたってめっきが行われる。電流密度は0.05〜10A/dm
2の範囲であり得るが、より高いおよびより低い電流密度が使用されてもよい。具体的な電流密度は、部分的には、めっきされるべき基体、めっき浴の組成、および望まれる表面金属厚さに応じて決まる。このような電流密度の選択は当業者の能力の範囲内のことである。
【0051】
本発明の利点は、実質的に平滑な金属堆積物がPCB上に得られることである。PCBにおけるスルーホール、ブラインドバイアまたはこれらの組み合わせが実質的に充填されるか、またはスルーホールが所望の均一電着性で共形的にめっきされる。本発明のさらなる利点は、広範囲の開口部および開口部サイズが充填されうるか、または望ましい均一電着性で共形的にめっきされうることである。
【0052】
均一電着性はスルーホールの中央においてめっきされた金属の平均厚さの、PCBサンプルの表面にめっきされた金属の平均厚さに対する比率として定義され、パーセンテージとして報告される。均一電着性がより高くなると、めっき組成物がスルーホールを共形的にめっきできることがより良好になる。本発明の金属めっき組成物は65%以上、好ましくは70%以上の均一電着性を有する。
【0053】
本発明の化合物は、小さなフィーチャを有する基体上および様々なフィーチャサイズを有する基体上でさえ、基体にわたって実質的に平滑な表面を有する金属層を提供する。本発明のめっき方法は、金属めっき組成物が良好な均一電着性を有する様にスルーホール内に金属を効果的に堆積させる。
【0054】
本発明の方法は概して、プリント回路板製造を参照して説明されたが、本発明は、本質的に平滑または平らな金属堆積物および充填されたまたは共形的にめっきされた開口部が望まれる、あらゆる電解プロセスにおいて有用であり得ることが認識される。このようなプロセスには、半導体パッケージングおよびインターコネクト製造が挙げられる。
【0055】
以下の実施例は本発明をさらに例示することを意図しており、発明の範囲を限定することを意図していない。
【実施例】
【0056】
実施例1
凝縮器、温度計および攪拌棒を備えた100mLの丸底3つ口フラスコにおいて、80℃で、イミダゾール(6.81g、0.1mol)を20mLのイソプロパノールに溶解させた。この溶液に、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(12.09g、0.06mol)が滴下添加され、そしてこの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルを収容していたバイアルが2mLのイソプロパノールですすがれた。加熱浴温度が95℃に上げられた。得られた混合物が3時間にわたって加熱され、そしてこの反応混合物に、2,4−ビス(クロロメチル)1,3,5−トリメチルベンゼン(0.68g、0.003mol)が固体として添加され、そしてこのフラスコの側面を2mLのイソプロパノールですすぎ流した。油浴温度が95℃で2時間維持され、次いでこの反応は室温で一晩攪拌したままにされた。この反応混合物は貯蔵のためにポリエチレンボトルに水を用いてすすぎ込まれた。モノマーモル比に基づいて、イミダゾール部分:エポキシド部分:ハロゲン化アリールアルキルのモル比は1:0.6:0.03であった。
【0057】
モノマーおよび/またはモノマーのモル比が表1に開示されるように変更させられた以外は上記の方法に実質的に従って、17種の追加の反応生成物が調製された。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
実施例2
硫酸銅五水和物として75g/Lの銅、240g/Lの硫酸、60ppmの塩化物イオン、1ppmの促進剤および1.5g/Lの抑制剤を一緒にすることにより、複数の銅電気めっき浴が調製された。促進剤はビス(ナトリウム−スルホプロピル)ジスルフィドであった。抑制剤は、5,000未満の重量平均分子量および末端ヒドロキシル基を有するEO/POコポリマーであった。各電気めっき浴は、以下の表2に示される様に1〜100ppmの量で実施例1からの反応生成物の一種も含んでいた。反応生成物は精製することなく使用された。
【0063】
実施例3
実施例2の銅電気めっき浴を用いて、1.6mm厚さで、複数のスルーホールを有する両面FR4 PCB(5cm×9.5cm)のサンプルがハーリングセル内で銅で電気めっきされた。この1.6mm厚さのサンプルは0.25mm直径のスルーホールを有していた。各浴の温度は25℃であった。3.24A/dm
2の電流密度がこの1.6mmサンプルに44分間にわたって適用された。銅めっきされたサンプルは、以下の方法に従って、このめっき浴の均一電着性(TP)およびクラッキングパーセントを決定するために分析された。
【0064】
均一電着性はPCBサンプルの表面におけるめっきされた金属の平均厚さと比較した、スルーホールの中央においてめっきされた金属の平均厚さの比率を決定することにより計算された。均一電着性はパーセンテージとして表2に報告される。
【0065】
クラッキングパーセントは業界標準手順IPC−TM−650−2.6.8.熱応力、めっきされたスルーホール(Thermal Stress,Plated−Through Holes)、IPCにより出版(米国、イリノイ州、ノースブルック)2004年5月改訂Eに従って決定された。
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
これらの結果は、均一電着性が70%を超えたことを示し、このことはこの反応生成物についての優れた均一電着性性能を示す。さらに、クラッキングはこの反応生成物を用いてめっきされた43サンプルの銅のうちの7つだけに観察された。クラッキングのパーセンテージがより低ければ、めっき性能がより良好である。好ましくは、クラッキングは10%以下である。
【0069】
実施例4
実施例1に記載された方法に実質的に従って、表3のモノマーが一緒に反応させられる。各成分のモル比は表3に示されるように変動する。
【0070】
【表7】
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
実施例3に開示されたのと同じ方法によって均一電着性およびクラッキングパーセントが決定される。均一電着性およびクラッキングパーセントは実施例3における結果と実質的に同じであると予測される。