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特開2015-227506白金族金属および早期遷移金属の合金を調製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227506(P2015-227506A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】白金族金属および早期遷移金属の合金を調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 11/02 20060101AFI20151120BHJP
   C22B 5/12 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   C22B11/02
   C22B5/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-108327(P2015-108327)
(22)【出願日】2015年5月28日
(31)【優先権主張番号】62/005,410
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/713,685
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】511095986
【氏名又は名称】ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】アヌソーン・コンカナン
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA08
4K001AA13
4K001AA16
4K001AA17
4K001AA18
4K001AA25
4K001AA27
4K001AA28
4K001AA29
4K001AA31
4K001AA39
4K001AA40
4K001AA41
4K001BA24
4K001DA10
4K001HA09
(57)【要約】
【課題】燃料電池用途の白金族金属(PGM)合金を作成する方法を提供すること。
【解決手段】この方法は、基材を所定の温度に加熱するステップを含む。基材は、PGM含有化合物の蒸気と接触させられ、次いで早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させられる。これらの接触させるステップは複数回繰り返されて、PGM合金層をカーボン粒子上に形成する。本方法によって、PGM合金層は単一層ずつ積み重ねられ、高い空隙率と複雑な形態をもった担体上に一様な被覆が得られる。有利には、本実施形態は、現状の合金触媒より高い活性および耐久性を有する触媒を調製する方法を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基材を所定の温度に加熱するステップと、
b)前記基材を白金族金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される白金族金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、
c)前記基材を早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される早期遷移金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、
d)白金族金属含有化合物の残留物の前記層および早期遷移金属含有化合物の残留物の前記層を水素プラズマに接触させて、白金族金属合金の単一層を形成するステップと、
e)ステップb)およびc)を複数回繰り返して、前記基材上に白金族金属合金層を形成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気と早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に同時に接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気および早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に交互に接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、La、Hf、Ta、W、またはReが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、Y、またはZrが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記早期遷移金属含有化合物がイットリウム含有化合物またはスカンジウム含有化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記白金族金属含有化合物がトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記イットリウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウムまたはトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムであり、前記スカンジウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミディネート]スカンジウム、またはSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記白金族金属含有化合物には、Pt、Pd、Au、Ru、Ir、またはRhが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基材には、TiO担体、NSTF担体、他の金属酸化物担体、金属炭化物担体、カーボンブラック担体、およびカーボンナノチューブ担体から成るグループから選ばれた構成要素が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
a)基材を所定の温度に加熱するステップであって、前記基材には、TiO担体、NSTF担体、他の金属酸化物担体、金属炭化物担体、カーボンブラック担体、およびカーボンナノチューブ担体から成るグループから選ばれた構成要素が含まれる、ステップ、および前記基材を白金族金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される白金族金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、
b)前記基材を早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される早期遷移金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、
c)白金族金属含有化合物の残留物の前記層および早期遷移金属含有化合物の残留物の前記層を水素プラズマに接触させて、白金族金属合金の単一層を形成するステップであって、前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、Y、またはZrが含まれる、ステップと、
d)ステップb)およびc)を複数回繰り返して、前記基材上に白金族金属合金層を形成するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気と早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に同時に接触させられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気および早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に交互に接触させられる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、La、Hf、Ta、W、またはReが含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記早期遷移金属含有化合物がイットリウム含有化合物またはスカンジウム含有化合物である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記白金族金属含有化合物がトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記イットリウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウムまたはトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記スカンジウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミディネート]スカンジウム、またはSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記白金族金属含有化合物には、Pt、Pd、Au、Ru、Ir、またはRhが含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記基材がNSTF担体、カーボンブラック担体、またはカーボンナノチューブ担体である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2014年5月30日に出願した米国仮出願第62/005,410号の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]少なくとも1つの態様では、本発明は、燃料電池および電池用途のための耐腐食性カーボン担体に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]燃料電池は多くの用途で電源として用いられている。特に、燃料電池は、内燃機関に置き換わるものとして自動車に用いることが提案されている。通常用いられる燃料電池の設計は、固体高分子電解質(SPE:solid polymer electrolyte)膜すなわちプロトン交換膜(PEM:proton exchange membrane)を用いて、アノードとカソードとの間でイオンを輸送する。
【0004】
[0004]プロトン交換膜型燃料電池では、水素は燃料としてアノードに供給され、酸素は酸化剤としてカソードに供給される。酸素は、純粋な形態(O)または空気(OとNの混合物)のどちらでもよい。PEM燃料電池は、固体高分子膜が1つの面にアノード触媒、反対の面にカソード触媒を有する膜電極接合体(MEA:membrane electrode assembly)を有する。典型的なPEM燃料電池のアノード層およびカソード層は、グラファイト織物、グラファイトシート、またはカーボンペーパなどの多孔質導電材料で形成され、それぞれ燃料供給電極および酸化剤供給電極に面する膜の表面上に、燃料および酸化剤を分散することができる。各電極は、カーボン粒子に担持された細かく分割された触媒粒子(例えば、白金粒子)を有して、アノードで水素の酸化を、カソードで酸素の還元を促進する。プロトンは、アノードからイオン伝導性高分子膜を通ってカソードに流れ、カソードで、プロトンは酸素と結合して水を生成し、水は燃料電池から排出される。MEAは、一対の多孔質ガス拡散層(GDL:gas diffusion layer)の間にはさまれ、さらに一対の非多孔質の導電要素または導電板にはさまれる。導電板は、アノードとカソードの集電体として働き、アノード触媒とカソード触媒それぞれの表面にわたって燃料電池の気体反応物を分配するための適切な流路と開口が導電板に形成されて含まれる。電気を効率的に発生させるために、PEM燃料電池の高分子電解質膜は、薄くて、化学的に安定で、プロトン伝導性で、非導電性で、気体が不透過でなければならない。典型的な用途では、高出力の電力を得るために、多数の個々の燃料電池のスタックを並べた形で提供される。
【0005】
[0005]Ptを遷移金属(Co、Niなど)と合金にすることは、触媒の活性を向上させるためによく試みられるが、これらの金属を安定化させると活性および性能を損なう。したがって、燃料電池用途のカーボン担持電解触媒を作成するための技法を改良する必要がある。理論的および実験的な研究は、Ptと早期遷移金属、より具体的には、イットリウムおよびスカンジウムとの合金が高い活性と安定性の両方を示す。しかしながら、これらの元素は酸素と強い親和性があるため、触媒を経済的に成り立たせるために小さな分散粒子または十分薄い膜を形成することが非常に困難である。粒子を成長させる非常に高い温度もまた、これらの合金を調製するために必要である。我々の知っている限り、スパッタリング法だけがうまく調製できたが、スパッタリング法はナノ粒子を形成するには、制御不可能な手段である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]したがって、現在利用できるものより高い触媒の活性を有する燃料電池用の触媒を形成する方法を改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明は、少なくとも1つの実施形態において、燃料電池用途の白金合金を作成する方法を提供することによって、従来技術の1つまたは複数の問題を解決する。本方法は基材を所定の温度に加熱するステップを含む。基材は、白金族金属(PGM:platinum group metal)含有化合物の蒸気と接触させられて、基材を覆って配置されるPGM含有化合物前駆体の層を形成する。基材はまた、早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させられて、基材を覆って配置される早期遷移金属含有前駆体の層を形成する。PGM含有化合物残留物の層および早期遷移金属含有前駆体の層は水素プラズマと接触させられて、PGM合金の単一層を形成する。基材をPGM含有化合物および早期遷移金属化合物、ならびに水素プラズマと接触させるステップを複数回繰り返して、所定の厚さの白金合金層を基材上に形成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]白金合金層で被覆された基材を組み込んでいる燃料電池の断面図である。
図2】[0009]白金合金層で被覆された基材を作成するための方法を示す概略的なフローチャートである。
図3】[0010]白金合金層で被覆された基材を作成するための方法を示す概略的なフローチャートである。
図4】[0011]白金合金層で被覆された基材を作成するための方法を示す概略的なフローチャートである。
図5】[0012]原子層堆積システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0013]次に、本発明の現時点で好ましい組成物、実施形態、および方法を詳細に言及する。これらは、本発明者らが現在知っている発明を実施する最良のモードを構成する。図面は必ずしも原寸に比例したものではない。しかし、開示される実施形態は、様々なおよび代替の形態で具現化することができる本発明の単なる例示であることを理解されたい。したがって、本明細書で開示される具体的な詳細は、限定としてではなく、単に本発明の任意の態様の代表的な基礎として、および/または当業者に本発明の様々な使用を教示するための代表的な基礎として解釈されたい。
【0010】
[0014]例を除いて、または他に明示する場合を除いて、材料の量、あるいは反応および/または使用の条件を示す本説明でのすべての数量は、「約」の語で修飾されて、本発明の最も広い範囲を記載するものとして理解されたい。記載される数値の限界内での実施が一般に好ましい。また、反することが明記されなければ:パーセント、「の部分」、および比率の値は、重量に基づくものであり;本発明に関連して、材料の族または類が所与の目的に好適なまたは好ましいものとして説明されるが、これは、この族または類に属する任意の2つ以上の材料の混合物が、等しく好適なまたは好ましいことを含み;化学用語での構成成分の記載は、本説明で特定される任意の組合せに添加する時の構成成分を指し、いったん混合された後の混合物の構成成分間の化学的相互作用を必ずしも排除するものではなく;頭字語または他の略語の最初の定義は、その後に本明細書でその同じ略語を使用するすべての場合に適用され、最初に定義された略語の通常の文法上の変形に必要な変形を加えて適用され;反することが明記されなければ、特性の測定は、同じ特性に関して前にまたは後に言及したのと同じ手法で決定される。
【0011】
[0015]また、特定の構成要素および/または条件は当然変わり得るため、本発明は、以下に説明される特定の実施形態および方法に限定されるものではないことも理解されたい。さらに、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的のためだけに使用され、なんら限定することを意図していない。
【0012】
[0016]また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、文脈が明らかにそうではないと示さない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の指示対象を含むことにも留意すべきである。例えば、単数形の構成要素を指す場合、それは複数の構成要素を含むことを意図する。
【0013】
[0017]本出願では刊行物を参照しているが、本出願全体を通して、これらの刊行物の開示はその内容全体が、本発明が属する最新技術をより完全に説明するために、参照により本出願に組み込まれる。
【0014】
[0018]少なくとも1つの実施形態で用いられる「残留物」という用語は、基材が化学化合物と接触したあとの基材に残る化学化合物の部分を指す。
略語
[0019]「ALD」は原子層堆積(atomic layer deposition)を指す。
【0015】
[0020]「NSTF」はナノ構造薄膜(nanostructured thin film)を指す。
【0016】
[0021]図1を参照すると、上記の耐腐食性基材を組み込んだ燃料電池の断面図が示される。PEM燃料電池10は、カソード電極触媒層14とアノード電極触媒層16との間に配置されたイオン伝導性高分子膜12を含む。燃料電池10はまた、ガス流路24および26を含む導電性流れ場プレート20、22を含む。流れ場プレート20、22は、バイポーラプレート(図示)、またはユニポーラプレート(すなわち、端部のプレート)のどちらかである。ある改良では、流れ場プレート20、22は、任意に金または白金などの貴金属で被覆された金属プレート(例えば、ステンレス鋼)から形成される。別の改良では、流れ場プレート20、22は、これもまた任意に貴金属で被覆された導電性高分子から形成される。ガス拡散層32および34もまた、流れ場プレートと触媒層との間にはさまれる。カソード電極触媒層14とアノード電極触媒層16は、下記のプロセスによって作成される触媒の白金合金を含む。有利には、白金合金は、カソード電極触媒層に組み込まれたとき、酸素の還元反応の活性を高める。
【0017】
[0022]図2を参照すると、燃料電池用の白金合金触媒の作成の方法が示される。本方法は、基材36が白金族金属含有化合物38および早期遷移金属含有化合物40の蒸気と接触させられて、前駆体層42を形成するステップa)を含む。典型的には、PGM含有化合物には、Pt、Pd、Au、Ru、Ir、Rh、またはOsが含まれる。典型的には、早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、La、Hf、Ta、W、またはReが含まれる。ある改良では、早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、Y、またはZrが含まれる。イットリウム含有およびスカンジウム含有化合物は特に有用である。白金含有化合物の例としては、限定はされないが、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金が含まれる。イットリウム含有化合物の例としては、限定はされないが、トリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウムおよびトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムが含まれる。スカンジウム含有化合物の例としては、限定はされないが、トリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミディネート]スカンジウム、およびSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)が含まれる。本実施形態の方法を実施するには事実上いかなる基材も使うことができるが、適切な例としては、TiO担体、およびNSTF担体、他の金属酸化物担体、金属炭化物担体、カーボンブラック担体、カーボンナノチューブ担体が含まれる。ある改良では、担体には、平均空間寸法が約10から100ナノメートルのカーボン粒子が含まれる。ステップb)では、前駆体層42は水素プラズマに接触させられて、白金族金属合金層44を形成する。これらの接触させるステップは、ループc)で示されるように、複数回繰り返されて、所定の厚さの白金族金属合金層46を基材36に(例えば、表面に接触して)形成する。変形として、接触させるステップは、白金族金属合金層44の所望の厚さに応じて1から数千回の堆積サイクルを繰り返す。ある改良では、接触させるステップは、1から5000回の堆積サイクルを繰り返す。別の改良では、接触させるステップは、10から2000回の堆積サイクルを繰り返す。さらに別の改良では、接触させるステップは、20から1000回の堆積サイクルを繰り返す。
【0018】
[0023]図3を参照すると、原子層堆積(ALD)による白金族金属合金触媒の作成の方法が示される。ステップa)では、基材50はALD反応器内で所定の温度に加熱される。ある改良では、基材50は約80℃から150℃の温度に加熱される。適切な基材の例は上述されている。ステップb)では、基材50は、反応器内で白金族金属含有化合物および早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させられて、白金族金属含有化合物および早期遷移金属含有化合物の残留物を含む層が基材50を覆って個々に配置された基材52を形成する。適切な白金族金属含有化合物および早期遷移金属含有化合物は上述されている。ステップp1)では、反応器は排気される、かつ/または基材52は、ALD反応器をパージすることによって不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップc)では、基材52はHプラズマに接触させられて、基材50(項目符号54はこのステップで形成される被覆された基材を指す)を覆って配置された白金族金属合金の単一層を形成する。ステップp2)では、反応器は排気される、かつ/または基材54は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。
【0019】
[0024]さらに図3を参照すると、ループdで示すように、ステップb、p1、c、p2は複数回繰り返されて、基材50に所定の厚さの白金族金属合金層56を形成する。ある改良では、これらのステップは1から1000回繰り返されて、所望の厚さに達するまで単一層ずつ白金族金属合金層56の厚さを増していく。ある改良では、白金族金属合金層56の厚さは0.2ナノメートルから30ナノメートルである。別の改良では、白金族金属合金層56の厚さは0.2ナノメートルから4ナノメートルである。ステップe)では、白金族金属合金で被覆された基材50は、燃料電池10のカソード触媒層14および/またはアノード触媒層16の中に組み込まれる。
【0020】
[0025]図4を参照すると、原子層堆積(ALD)による白金族金属合金触媒の作成の方法が示される。ステップa)では、基材50は原子層堆積反応器内で所定の温度に加熱される。ある改良では、基材50は約80℃から150℃の温度に加熱される。基材50の例は上述されている。ステップb)では、基材50は白金族金属含有化合物の蒸気と接触させられて、白金族金属含有化合物の残留物の層が基材50を覆って配置された基材62を形成する。適切な白金族金属含有化合物は上述されている。ステップp1)では、反応器は排気される、かつ/または基材62は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップc)では、基材62は水素プラズマに接触させられて、白金族金属含有化合物の残留物が白金族金属に変換された基材64を形成する。ステップp2)では、反応器は排気される、かつ/または基材64は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップd)では、基材64は早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させられて、早期遷移金属含有化合物の残留物の層が基材50を覆って配置された基材66を形成する。ステップp3)では、反応器は排気される、かつ/または基材66は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップe)では、基材66は水素プラズマに接触させられて、早期遷移金属含有化合物の残留物が早期遷移金属の単一層に変換された基材68を形成する。ステップp4)では、反応器は排気される、かつ/または基材68は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。
【0021】
[0026]さらに図4を参照すると、ループfで示すように、ステップb、p1、c、p2、d、p3、e、およびp4は複数回繰り返されて、基材50を覆って配置された所定の厚さの白金族金属合金層70を形成する。ある改良では、これらのステップは1から1000回繰り返されて、所望の厚さに達するまで単一層ずつ白金族金属合金層70の単一層の厚さを増していく。ある改良では、白金族金属合金層70の厚さは0.2ナノメートルから30ナノメートルである。別の改良では、白金族金属合金層70の厚さは0.2ナノメートルから4ナノメートルである。ステップg)では、白金族金属合金で被覆された基材50は、燃料電池10のカソード触媒層14および/またはアノード触媒層16の中に組み込まれる。
【0022】
[0027]図5を参照すると、上記の方法を実施するための原子層堆積装置の概略図が示される。反応器78は、付属のパルスバルブ84を有する白金族金属含有化合物源82と、付属のパルスバルブ88を有する早期遷移金属含有化合物源86と、付属のパルスバルブ92を有するパージガス源90とを有する真空槽80を含む。反応器78はまた、水素ガス源96と、付属するパルスバルブ98と、付属する電源102を有するRFコイル100とを有する水素プラズマ源94を含む。RFコイルは、水素含有ガスが導管102を通るとき、Hプラズマを生成させる。それぞれの場合、パルスバルブを所定のパルス時間開けて各気体状反応物は導入される。同様に、パージのステップでは、パルスバルブ92を所定のパージ時間開けて不活性ガスは導入される。1つの改良では、パルス時間とパージ時間はそれぞれ独立に、約0.0001から200秒である。別の改良では、パルス時間とパージ時間はそれぞれ独立に、約0.1から約10秒である。
【0023】
[0028]被覆中、基材50は加熱器104によって、化学前駆体(複数可)および形成される被覆の特性に適する温度に加熱される。本方法の別の改良では、基材の温度は約80〜150℃である。同様に、膜形成時の圧力は、化学前駆体および形成される被覆の特性に適する値に設定される。真空システム106は、反応圧力を確立し反応物およびパージガスを取り除くために用いられる。1つの改良では、圧力は約1.3×10−4Pa(10−6Torr)から約1.0×10Pa(760Torr)である。別の改良では、圧力は約1.3×10−2Pa(0.1millitorr)から約1.3×10Pa(10Torr)である。さらに別の改良では、圧力は約1.3×10Pa(1Torr)から約6.7×10Pa(5Torr)である。
【0024】
[0029]次の例は本発明の様々な実施形態を示す。当業者であれば、本発明の精神および特許請求の範囲内にある多くの変形を認識するであろう。
【0025】
[0030]3MのNSTF担体は基材としての触媒として用いられる。NSTF担体は、有機化合物のペリレンレッド染料の自己組織体から作られる高配向性のラフト形状(laft−shape)の基材である。幅に対する長さの縦横比は約15であり、そのため、任意の金属、特に白金などの表面エネルギーの高い金属で被覆するには非常に困難である。従来のスパッタリング法で白金合金の堆積を行うと、基材の先端で大量の白金が無駄になることに留意されたい。(W前駆体として)WFと(反応物として)Siを交互に14サイクル行って、2nmの厚さのタングステン層をまず堆積させる。Ptおよび早期遷移金属は、Hプラズマを用いて接着層の上に同時堆積または交互堆積される。したがって、150サイクルの120℃でのPtとYのALDおよび100ワットのHプラズマによって、約3nmの厚さの膜が得られる。金属前駆体の例としては、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金、トリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウム、トリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウム、トリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミジナート]スカンジウム、およびSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)が含まれる。
【0026】
[0031]例示的な実施形態について上記したが、これらの実施形態で本発明の全ての可能な形態を記述することは意図していない。むしろ、本明細書で使用する語句は限定的ではなく記述的語句であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解される。さらに、様々な実装的な実施形態の特徴を組み合わせて本発明のさらなる実施形態を形成することができる。
【符号の説明】
【0027】
10 燃料電池
12 イオン伝導性高分子膜
14 カソード電極触媒層
16 アノード電極触媒層
20 流れ場プレート
22 流れ場プレート
24 ガス流路
26 ガス流路
32 ガス拡散層
34 ガス拡散層
36 基材
38 白金族金属含有化合物
40 早期遷移金属含有化合物
42 前駆体層
44 白金族金属合金層
46 白金族金属合金層
50 基材
52 基材
54 基材
56 白金族金属合金層
62 基材
64 基材
66 基材
68 基材
70 白金族金属合金層
78 反応器
80 真空槽
82 白金族金属含有化合物源
84 パルスバルブ
86 早期遷移金属含有化合物源
88 パルスバルブ
90 パージガス源
92 パルスバルブ
94 水素プラズマ源
96 水素ガス源
98 パルスバルブ
100 RFコイル
102 電源
102 導管
104 加熱器
106 真空システム
a ステップ
b ステップ
c ステップ
d ステップ
e ステップ
g ステップ
p1 ステップ
p2 ステップ
p3 ステップ
p4 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2015年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2014年5月30日に出願した米国仮出願第62/005,410号の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]少なくとも1つの態様では、本発明は、燃料電池および電池用途のための耐腐食性カーボン担体に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]燃料電池は多くの用途で電源として用いられている。特に、燃料電池は、内燃機関に置き換わるものとして自動車に用いることが提案されている。通常用いられる燃料電池の設計は、固体高分子電解質(SPE:solid polymer electrolyte)膜すなわちプロトン交換膜(PEM:proton exchange membrane)を用いて、アノードとカソードとの間でイオンを輸送する。
【0004】
[0004]プロトン交換膜型燃料電池では、水素は燃料としてアノードに供給され、酸素は酸化剤としてカソードに供給される。酸素は、純粋な形態(O)または空気(OとNの混合物)のどちらでもよい。PEM燃料電池は、固体高分子膜が1つの面にアノード触媒、反対の面にカソード触媒を有する膜電極接合体(MEA:membrane electrode assembly)を有する。典型的なPEM燃料電池のアノード層およびカソード層は、グラファイト織物、グラファイトシート、またはカーボンペーパなどの多孔質導電材料で形成され、それぞれ燃料供給電極および酸化剤供給電極に面する膜の表面上に、燃料および酸化剤を分散することができる。各電極は、カーボン粒子に担持された細かく分割された触媒粒子(例えば、白金粒子)を有して、アノードで水素の酸化を、カソードで酸素の還元を促進する。プロトンは、アノードからイオン伝導性高分子膜を通ってカソードに流れ、カソードで、プロトンは酸素と結合して水を生成し、水は燃料電池から排出される。MEAは、一対の多孔質ガス拡散層(GDL:gas diffusion layer)の間にはさまれ、さらに一対の非多孔質の導電要素または導電板にはさまれる。導電板は、アノードとカソードの集電体として働き、アノード触媒とカソード触媒それぞれの表面にわたって燃料電池の気体反応物を分配するための適切な流路と開口が導電板に形成されて含まれる。電気を効率的に発生させるために、PEM燃料電池の高分子電解質膜は、薄くて、化学的に安定で、プロトン伝導性で、非導電性で、気体が不透過でなければならない。典型的な用途では、高出力の電力を得るために、多数の個々の燃料電池のスタックを並べた形で提供される。
【0005】
[0005]Ptを遷移金属(Co、Niなど)と合金にすることは、触媒の活性を向上させるためによく試みられるが、これらの金属を安定化させると活性および性能を損なう。したがって、燃料電池用途のカーボン担持電解触媒を作成するための技法を改良する必要がある。理論的および実験的な研究は、Ptと早期遷移金属、より具体的には、イットリウムおよびスカンジウムとの合金が高い活性と安定性の両方を示す。しかしながら、これらの元素は酸素と強い親和性があるため、触媒を経済的に成り立たせるために小さな分散粒子または十分薄い膜を形成することが非常に困難である。粒子を成長させる非常に高い温度もまた、これらの合金を調製するために必要である。我々の知っている限り、スパッタリング法だけがうまく調製できたが、スパッタリング法はナノ粒子を形成するには、制御不可能な手段である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]したがって、現在利用できるものより高い触媒の活性を有する燃料電池用の触媒を形成する方法を改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明は、少なくとも1つの実施形態において、燃料電池用途の白金合金を作成する方法を提供することによって、従来技術の1つまたは複数の問題を解決する。本方法は基材を所定の温度に加熱するステップを含む。基材は、白金族金属(PGM:platinum group metal)含有化合物の蒸気と接触させられて、基材を覆って配置されるPGM含有化合物前駆体の層を形成する。基材はまた、早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させられて、基材を覆って配置される早期遷移金属含有前駆体の層を形成する。PGM含有化合物残留物の層および早期遷移金属含有前駆体の層は水素プラズマと接触させられて、PGM合金の単一層を形成する。基材をPGM含有化合物および早期遷移金属化合物、ならびに水素プラズマと接触させるステップを複数回繰り返して、所定の厚さの白金合金層を基材上に形成する。
本明細書には、以下の態様が記載されている。
(第1の態様)
第1の態様の方法は、a)基材を所定の温度に加熱するステップと、b)前記基材を白金族金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される白金族金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、c)前記基材を早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される早期遷移金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、d)白金族金属含有化合物の残留物の前記層および早期遷移金属含有化合物の残留物の前記層を水素プラズマに接触させて、白金族金属合金の単一層を形成するステップと、e)ステップb)およびc)を複数回繰り返して、前記基材上に白金族金属合金層を形成するステップとを含む。
(第2の態様)
第1の態様の前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気と早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に同時に接触させられる。
(第3の態様)
第1の態様の前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気および早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に交互に接触させられる。
(第4の態様)
第1の態様の前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、La、Hf、Ta、W、またはReが含まれる。
(第5の態様)
第1の態様の前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、Y、またはZrが含まれる。
(第6の態様)
第1の態様の前記早期遷移金属含有化合物がイットリウム含有化合物またはスカンジウム含有化合物である。
(第7の態様)
第6の態様の前記白金族金属含有化合物がトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金である。
(第8の態様)
第6の態様の前記イットリウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウムまたはトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムであり、前記スカンジウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミディネート]スカンジウム、またはSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)である。
(第9の態様)
第1の態様の前記白金族金属含有化合物には、Pt、Pd、Au、Ru、Ir、またはRhが含まれる。
(第10の態様)
第1の態様の前記基材には、TiO担体、NSTF担体、他の金属酸化物担体、金属炭化物担体、カーボンブラック担体、およびカーボンナノチューブ担体から成るグループから選ばれた構成要素が含まれる。
(第11の態様)
第11の態様の方法は、a)基材を所定の温度に加熱するステップであって、前記基材には、TiO担体、NSTF担体、他の金属酸化物担体、金属炭化物担体、カーボンブラック担体、およびカーボンナノチューブ担体から成るグループから選ばれた構成要素が含まれる、ステップ、および前記基材を白金族金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される白金族金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、b)前記基材を早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される早期遷移金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、c)白金族金属含有化合物の残留物の前記層および早期遷移金属含有化合物の残留物の前記層を水素プラズマに接触させて、白金族金属合金の単一層を形成するステップであって、前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、Y、またはZrが含まれる、ステップと、d)ステップb)およびc)を複数回繰り返して、前記基材上に白金族金属合金層を形成するステップとを含む。
(第12の態様)
第11の態様の前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気と早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に同時に接触させられる。
(第13の態様)
第11の態様の前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気および早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に交互に接触させられる。
(第14の態様)
第11の態様の前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、La、Hf、Ta、W、またはReが含まれる。
(第15の態様)
第11の態様の前記早期遷移金属含有化合物がイットリウム含有化合物またはスカンジウム含有化合物である。
(第16の態様)
第15の態様の前記白金族金属含有化合物がトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金である。
(第17の態様)
第15の態様の前記イットリウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウムまたはトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムである。
(第18の態様)
第15の態様の前記スカンジウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミディネート]スカンジウム、またはSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)である。
(第19の態様)
第11の態様の前記白金族金属含有化合物には、Pt、Pd、Au、Ru、Ir、またはRhが含まれる。
(第20の態様)
第11の態様の前記基材がNSTF担体、カーボンブラック担体、またはカーボンナノチューブ担体である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]白金合金層で被覆された基材を組み込んでいる燃料電池の断面図である。
図2】[0009]白金合金層で被覆された基材を作成するための方法を示す概略的なフローチャートである。
図3】[0010]白金合金層で被覆された基材を作成するための方法を示す概略的なフローチャートである。
図4】[0011]白金合金層で被覆された基材を作成するための方法を示す概略的なフローチャートである。
図5】[0012]原子層堆積システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0013]次に、本発明の現時点で好ましい組成物、実施形態、および方法を詳細に言及する。これらは、本発明者らが現在知っている発明を実施する最良のモードを構成する。図面は必ずしも原寸に比例したものではない。しかし、開示される実施形態は、様々なおよび代替の形態で具現化することができる本発明の単なる例示であることを理解されたい。したがって、本明細書で開示される具体的な詳細は、限定としてではなく、単に本発明の任意の態様の代表的な基礎として、および/または当業者に本発明の様々な使用を教示するための代表的な基礎として解釈されたい。
【0010】
[0014]例を除いて、または他に明示する場合を除いて、材料の量、あるいは反応および/または使用の条件を示す本説明でのすべての数量は、「約」の語で修飾されて、本発明の最も広い範囲を記載するものとして理解されたい。記載される数値の限界内での実施が一般に好ましい。また、反することが明記されなければ:パーセント、「の部分」、および比率の値は、重量に基づくものであり;本発明に関連して、材料の族または類が所与の目的に好適なまたは好ましいものとして説明されるが、これは、この族または類に属する任意の2つ以上の材料の混合物が、等しく好適なまたは好ましいことを含み;化学用語での構成成分の記載は、本説明で特定される任意の組合せに添加する時の構成成分を指し、いったん混合された後の混合物の構成成分間の化学的相互作用を必ずしも排除するものではなく;頭字語または他の略語の最初の定義は、その後に本明細書でその同じ略語を使用するすべての場合に適用され、最初に定義された略語の通常の文法上の変形に必要な変形を加えて適用され;反することが明記されなければ、特性の測定は、同じ特性に関して前にまたは後に言及したのと同じ手法で決定される。
【0011】
[0015]また、特定の構成要素および/または条件は当然変わり得るため、本発明は、以下に説明される特定の実施形態および方法に限定されるものではないことも理解されたい。さらに、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的のためだけに使用され、なんら限定することを意図していない。
【0012】
[0016]また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、文脈が明らかにそうではないと示さない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の指示対象を含むことにも留意すべきである。例えば、単数形の構成要素を指す場合、それは複数の構成要素を含むことを意図する。
【0013】
[0017]本出願では刊行物を参照しているが、本出願全体を通して、これらの刊行物の開示はその内容全体が、本発明が属する最新技術をより完全に説明するために、参照により本出願に組み込まれる。
【0014】
[0018]少なくとも1つの実施形態で用いられる「残留物」という用語は、基材が化学化合物と接触したあとの基材に残る化学化合物の部分を指す。
略語
[0019]「ALD」は原子層堆積(atomic layer deposition)を指す。
【0015】
[0020]「NSTF」はナノ構造薄膜(nanostructured thin film)を指す。
【0016】
[0021]図1を参照すると、上記の耐腐食性基材を組み込んだ燃料電池の断面図が示される。PEM燃料電池10は、カソード電極触媒層14とアノード電極触媒層16との間に配置されたイオン伝導性高分子膜12を含む。燃料電池10はまた、ガス流路24および26を含む導電性流れ場プレート20、22を含む。流れ場プレート20、22は、バイポーラプレート(図示)、またはユニポーラプレート(すなわち、端部のプレート)のどちらかである。ある改良では、流れ場プレート20、22は、任意に金または白金などの貴金属で被覆された金属プレート(例えば、ステンレス鋼)から形成される。別の改良では、流れ場プレート20、22は、これもまた任意に貴金属で被覆された導電性高分子から形成される。ガス拡散層32および34もまた、流れ場プレートと触媒層との間にはさまれる。カソード電極触媒層14とアノード電極触媒層16は、下記のプロセスによって作成される触媒の白金合金を含む。有利には、白金合金は、カソード電極触媒層に組み込まれたとき、酸素の還元反応の活性を高める。
【0017】
[0022]図2を参照すると、燃料電池用の白金合金触媒の作成の方法が示される。本方法は、基材36が白金族金属含有化合物38および早期遷移金属含有化合物40の蒸気と接触させられて、前駆体層42を形成するステップa)を含む。典型的には、PGM含有化合物には、Pt、Pd、Au、Ru、Ir、Rh、またはOsが含まれる。典型的には、早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、La、Hf、Ta、W、またはReが含まれる。ある改良では、早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、Y、またはZrが含まれる。イットリウム含有およびスカンジウム含有化合物は特に有用である。白金含有化合物の例としては、限定はされないが、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金が含まれる。イットリウム含有化合物の例としては、限定はされないが、トリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウムおよびトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムが含まれる。スカンジウム含有化合物の例としては、限定はされないが、トリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミディネート]スカンジウム、およびSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)が含まれる。本実施形態の方法を実施するには事実上いかなる基材も使うことができるが、適切な例としては、TiO担体、およびNSTF担体、他の金属酸化物担体、金属炭化物担体、カーボンブラック担体、カーボンナノチューブ担体が含まれる。ある改良では、担体には、平均空間寸法が約10から100ナノメートルのカーボン粒子が含まれる。ステップb)では、前駆体層42は水素プラズマに接触させられて、白金族金属合金層44を形成する。これらの接触させるステップは、ループc)で示されるように、複数回繰り返されて、所定の厚さの白金族金属合金層46を基材36に(例えば、表面に接触して)形成する。変形として、接触させるステップは、白金族金属合金層44の所望の厚さに応じて1から数千回の堆積サイクルを繰り返す。ある改良では、接触させるステップは、1から5000回の堆積サイクルを繰り返す。別の改良では、接触させるステップは、10から2000回の堆積サイクルを繰り返す。さらに別の改良では、接触させるステップは、20から1000回の堆積サイクルを繰り返す。
【0018】
[0023]図3を参照すると、原子層堆積(ALD)による白金族金属合金触媒の作成の方法が示される。ステップa)では、基材50はALD反応器内で所定の温度に加熱される。ある改良では、基材50は約80℃から150℃の温度に加熱される。適切な基材の例は上述されている。ステップb)では、基材50は、反応器内で白金族金属含有化合物および早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させられて、白金族金属含有化合物および早期遷移金属含有化合物の残留物を含む層が基材50を覆って個々に配置された基材52を形成する。適切な白金族金属含有化合物および早期遷移金属含有化合物は上述されている。ステップp1)では、反応器は排気される、かつ/または基材52は、ALD反応器をパージすることによって不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップc)では、基材52はHプラズマに接触させられて、基材50(項目符号54はこのステップで形成される被覆された基材を指す)を覆って配置された白金族金属合金の単一層を形成する。ステップp2)では、反応器は排気される、かつ/または基材54は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。
【0019】
[0024]さらに図3を参照すると、ループdで示すように、ステップb、p1、c、p2は複数回繰り返されて、基材50に所定の厚さの白金族金属合金層56を形成する。ある改良では、これらのステップは1から1000回繰り返されて、所望の厚さに達するまで単一層ずつ白金族金属合金層56の厚さを増していく。ある改良では、白金族金属合金層56の厚さは0.2ナノメートルから30ナノメートルである。別の改良では、白金族金属合金層56の厚さは0.2ナノメートルから4ナノメートルである。ステップe)では、白金族金属合金で被覆された基材50は、燃料電池10のカソード触媒層14および/またはアノード触媒層16の中に組み込まれる。
【0020】
[0025]図4を参照すると、原子層堆積(ALD)による白金族金属合金触媒の作成の方法が示される。ステップa)では、基材50は原子層堆積反応器内で所定の温度に加熱される。ある改良では、基材50は約80℃から150℃の温度に加熱される。基材50の例は上述されている。ステップb)では、基材50は白金族金属含有化合物の蒸気と接触させられて、白金族金属含有化合物の残留物の層が基材50を覆って配置された基材62を形成する。適切な白金族金属含有化合物は上述されている。ステップp1)では、反応器は排気される、かつ/または基材62は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップc)では、基材62は水素プラズマに接触させられて、白金族金属含有化合物の残留物が白金族金属に変換された基材64を形成する。ステップp2)では、反応器は排気される、かつ/または基材64は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップd)では、基材64は早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させられて、早期遷移金属含有化合物の残留物の層が基材50を覆って配置された基材66を形成する。ステップp3)では、反応器は排気される、かつ/または基材66は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。ステップe)では、基材66は水素プラズマに接触させられて、早期遷移金属含有化合物の残留物が早期遷移金属の単一層に変換された基材68を形成する。ステップp4)では、反応器は排気される、かつ/または基材68は不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)でパージされる。
【0021】
[0026]さらに図4を参照すると、ループfで示すように、ステップb、p1、c、p2、d、p3、e、およびp4は複数回繰り返されて、基材50を覆って配置された所定の厚さの白金族金属合金層70を形成する。ある改良では、これらのステップは1から1000回繰り返されて、所望の厚さに達するまで単一層ずつ白金族金属合金層70の単一層の厚さを増していく。ある改良では、白金族金属合金層70の厚さは0.2ナノメートルから30ナノメートルである。別の改良では、白金族金属合金層70の厚さは0.2ナノメートルから4ナノメートルである。ステップg)では、白金族金属合金で被覆された基材50は、燃料電池10のカソード触媒層14および/またはアノード触媒層16の中に組み込まれる。
【0022】
[0027]図5を参照すると、上記の方法を実施するための原子層堆積装置の概略図が示される。反応器78は、付属のパルスバルブ84を有する白金族金属含有化合物源82と、付属のパルスバルブ88を有する早期遷移金属含有化合物源86と、付属のパルスバルブ92を有するパージガス源90とを有する真空槽80を含む。反応器78はまた、水素ガス源96と、付属するパルスバルブ98と、付属する電源102を有するRFコイル100とを有する水素プラズマ源94を含む。RFコイルは、水素含有ガスが導管102を通るとき、Hプラズマを生成させる。それぞれの場合、パルスバルブを所定のパルス時間開けて各気体状反応物は導入される。同様に、パージのステップでは、パルスバルブ92を所定のパージ時間開けて不活性ガスは導入される。1つの改良では、パルス時間とパージ時間はそれぞれ独立に、約0.0001から200秒である。別の改良では、パルス時間とパージ時間はそれぞれ独立に、約0.1から約10秒である。
【0023】
[0028]被覆中、基材50は加熱器104によって、化学前駆体(複数可)および形成される被覆の特性に適する温度に加熱される。本方法の別の改良では、基材の温度は約80〜150℃である。同様に、膜形成時の圧力は、化学前駆体および形成される被覆の特性に適する値に設定される。真空システム106は、反応圧力を確立し反応物およびパージガスを取り除くために用いられる。1つの改良では、圧力は約1.3×10−4Pa(10−6Torr)から約1.0×10Pa(760Torr)である。別の改良では、圧力は約1.3×10−2Pa(0.1millitorr)から約1.3×10Pa(10Torr)である。さらに別の改良では、圧力は約1.3×10Pa(1Torr)から約6.7×10Pa(5Torr)である。
【0024】
[0029]次の例は本発明の様々な実施形態を示す。当業者であれば、本発明の精神および特許請求の範囲内にある多くの変形を認識するであろう。
【0025】
[0030]3MのNSTF担体は基材としての触媒として用いられる。NSTF担体は、有機化合物のペリレンレッド染料の自己組織体から作られる高配向性のラフト形状(laft−shape)の基材である。幅に対する長さの縦横比は約15であり、そのため、任意の金属、特に白金などの表面エネルギーの高い金属で被覆するには非常に困難である。従来のスパッタリング法で白金合金の堆積を行うと、基材の先端で大量の白金が無駄になることに留意されたい。(W前駆体として)WFと(反応物として)Siを交互に14サイクル行って、2nmの厚さのタングステン層をまず堆積させる。Ptおよび早期遷移金属は、Hプラズマを用いて接着層の上に同時堆積または交互堆積される。したがって、150サイクルの120℃でのPtとYのALDおよび100ワットのHプラズマによって、約3nmの厚さの膜が得られる。金属前駆体の例としては、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金、トリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウム、トリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウム、トリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミジナート]スカンジウム、およびSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)が含まれる。
【0026】
[0031]例示的な実施形態について上記したが、これらの実施形態で本発明の全ての可能な形態を記述することは意図していない。むしろ、本明細書で使用する語句は限定的ではなく記述的語句であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解される。さらに、様々な実装的な実施形態の特徴を組み合わせて本発明のさらなる実施形態を形成することができる。
【符号の説明】
【0027】
10 燃料電池
12 イオン伝導性高分子膜
14 カソード電極触媒層
16 アノード電極触媒層
20 流れ場プレート
22 流れ場プレート
24 ガス流路
26 ガス流路
32 ガス拡散層
34 ガス拡散層
36 基材
38 白金族金属含有化合物
40 早期遷移金属含有化合物
42 前駆体層
44 白金族金属合金層
46 白金族金属合金層
50 基材
52 基材
54 基材
56 白金族金属合金層
62 基材
64 基材
66 基材
68 基材
70 白金族金属合金層
78 反応器
80 真空槽
82 白金族金属含有化合物源
84 パルスバルブ
86 早期遷移金属含有化合物源
88 パルスバルブ
90 パージガス源
92 パルスバルブ
94 水素プラズマ源
96 水素ガス源
98 パルスバルブ
100 RFコイル
102 電源
102 導管
104 加熱器
106 真空システム
a ステップ
b ステップ
c ステップ
d ステップ
e ステップ
g ステップ
p1 ステップ
p2 ステップ
p3 ステップ
p4 ステップ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基材を所定の温度に加熱するステップと、
b)前記基材を白金族金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される白金族金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、
c)前記基材を早期遷移金属含有化合物の蒸気と接触させて、前記基材を覆って配置される早期遷移金属含有化合物の残留物の層を形成するステップと、
d)白金族金属含有化合物の残留物の前記層および早期遷移金属含有化合物の残留物の前記層を水素プラズマに接触させて、白金族金属合金の単一層を形成するステップと、
e)ステップb)およびc)を複数回繰り返して、前記基材上に白金族金属合金層を形成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気と早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に同時に接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材が、白金族金属含有化合物の前記蒸気および早期遷移金属含有化合物の前記蒸気に交互に接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、La、Hf、Ta、W、またはReが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記早期遷移金属含有化合物には、Sc、Ti、Y、またはZrが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記早期遷移金属含有化合物がイットリウム含有化合物またはスカンジウム含有化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記白金族金属含有化合物がトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記イットリウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)イットリウムまたはトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムであり、前記スカンジウム含有化合物がトリス(メチルシクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、トリス[N,N−(ジイソプロピル)アセトアミディネート]スカンジウム、またはSc(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記白金族金属含有化合物には、Pt、Pd、Au、Ru、Ir、またはRhが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基材には、TiO担体、NSTF担体、他の金属酸化物担体、金属炭化物担体、カーボンブラック担体、およびカーボンナノチューブ担体から成るグループから選ばれた構成要素が含まれる、請求項1に記載の方法。
【外国語明細書】
2015227506000001.pdf