【課題】この発明は、下段、中段、上段の各梯子からなる三連の梯子において、中段と上段の梯子を二本の操作ロープでそれぞれ個別に伸長操作するように構成した三連伸縮梯子に関する。
【解決手段】断面略コ字状の左右一対の梯子支柱とその間に架設した踏桟とよりそれぞれ構成した下段梯子と中段梯子と上段梯子の組合せよりなり、しかも、各段の梯子の梯子支柱は、それぞれスライド自在に構成することにより、中段梯子と上段梯子は下段梯子に対して伸縮可能に構成した三段伸縮梯子において、中段梯子と上段梯子の伸縮操作をそれぞれ行う二本の操作ロープを別体に構成し、しかも、中段梯子昇降用の中段操作ロープは、その両端を下段梯子の所定位置に固定することにより、下段梯子と中段梯子とに跨って掛け渡すと共に、上段梯子昇降用の上段操作ロープは、その両端を上段梯子の所定位置に固定することにより、下段梯子と中段梯子と上段梯子とに跨って掛け渡したことを特徴とする三連伸縮梯子。
断面略コ字状の左右一対の梯子支柱とその間に架設した踏桟とよりそれぞれ構成した下段梯子と中段梯子と上段梯子の組合せよりなり、しかも、各段の梯子の梯子支柱は、それぞれスライド自在に構成することにより、中段梯子と上段梯子は下段梯子に対して伸縮可能に構成した三連伸縮梯子において、中段梯子と上段梯子の伸縮操作をそれぞれ行う二本の操作ロープを別体に構成し、しかも、中段梯子昇降用の中段操作ロープは、その両端を下段梯子の所定位置に固定することにより、下段梯子と中段梯子とに跨って掛け渡すと共に、上段梯子昇降用の上段操作ロープは、その両端を上段梯子の所定位置に固定することにより、下段梯子と中段梯子と上段梯子とに跨って掛け渡したことを特徴とする三連伸縮梯子。
各段の梯子の梯子支柱はそれぞれ入れ子構造とし、中段操作用ロープと上段操作用ロープは、入れ子構造とした梯子支柱間に形成したロープ空間に収納すると共に、各操作ロープにおいて操作するために把持するロープ部分は、下段梯子の梯子支柱外側面に位置するように操作ロープを掛け渡したことを特徴とする請求項1に記載の三連伸縮梯子。
別体に構成した上段操作ロープ及び中段操作ロープの両端部は、上段梯子及び中段梯子の所定位置にそれぞれ固定することにより、各操作ロープを所定の各段梯子間に掛け渡すに際し、各操作ロープの各反転位置にはロープ用滑車をそれぞれ配設し、操作ロープ用滑車を介して各操作ロープの掛け渡しを行うように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の三連伸縮梯子。
上段操作ロープの両端は、上段梯子の下部にそれぞれ固定すると共に、中段操作ロープの両端は、下段梯子の上部及び下部にそれぞれ固定したことに特徴を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の三連伸縮梯子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の複数段伸縮梯子は、複数本のロープをそれぞれの梯子の間にまたがって掛け渡した構造であるが、ロープが各段の梯子の中央部、すなわち、踏桟の位置に吊下配置されているため、踏桟をつたって乗降作業を行う作業者の脚と干渉して梯子の転倒事故を生起するおそれがあり、また、端部が仮止め固定のため、伸長操作した後に長尺のロープ中途が弛緩して、やはり作業者の脚と干渉するおそれがあり、また、中段の可動梯子を伸長する際には上段の可動梯子の重量もそのまま付加されるため伸長操作に大きな力が必要であり、更には、上段の複数の梯子を伸長する際に、構造上、伸長操作の順番があるため、作業現場の状況に対応して任意の順序で任意の長さだけ上段梯子を伸長することができるような配慮が充分になされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、断面略コ字状の左右一対の梯子支柱とその間に架設した踏桟とよりそれぞれ構成した下段梯子と中段梯子と上段梯子の組合せよりなり、しかも、各段の梯子の梯子支柱は、それぞれスライド自在に構成することにより、中段梯子と上段梯子は下段梯子に対して伸縮可能に構成した三段伸縮梯子において、中段梯子と上段梯子の伸縮操作をそれぞれ行う二本の操作ロープを別体に構成し、しかも、中段梯子昇降用の中段操作ロープは、その両端を下段梯子の所定位置に固定することにより、下段梯子と中段梯子とに跨って掛け渡すと共に、上段梯子昇降用の上段操作ロープは、その両端を上段梯子の所定位置に固定することにより、下段梯子と中段梯子と上段梯子とに跨って掛け渡したことを特徴とする三連伸縮梯子を提供せんとする。
【0008】
また、各段の梯子の梯子支柱はそれぞれ入れ子構造とし、中段操作用ロープと上段操作用ロープは、入れ子構造とした梯子支柱間に形成したロープ空間に収納すると共に、各操作ロープにおいて操作するために把持するロープ部分は、下段梯子の梯子支柱外側面に位置するように操作ロープを掛け渡したことを特徴とする請求項1に記載の三連伸縮梯子とした。
【0009】
また、別体に構成した上段操作ロープ及び中段操作ロープの両端部は、上段梯子及び中段梯子の所定位置にそれぞれ固定することにより、各操作ロープを所定の各段梯子間に掛け渡すに際し、各操作ロープの各反転位置にはロープ用滑車をそれぞれ配設し、操作ロープ用滑車を介して各操作ロープの掛け渡しを行うように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の三連伸縮梯子とした。
【0010】
また、上段操作ロープの両端は、上段梯子の下部にそれぞれ固定すると共に、中段操作ロープの両端は、下段梯子の上部及び下部にそれぞれ固定したことに特徴を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の三連伸縮梯子とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、中段梯子と上段梯子の伸縮作動を行う中段操作ロープと上段操作ロープの二本のロープをそれぞれ別体に構成し、それぞれ異なる操作ロープ用滑車を介して各梯子にまたがって掛け渡して懸架操作できるように構成したので、中段梯子や上段梯子の伸長操作の順番が制限されることなく、また、従来のように一本の操作ロープにより中段及び上段梯子を同時に伸長操作する場合に較べ、操作ロープを無用に長く形成する必要もなく、操作ロープが中途で弛緩することを可及的に防止することができる。
【0012】
従って、操作ロープが踏桟に絡まるのを防止し、伸長操作時の不用意な絡み事故を防ぎ、また、作業中の作業者の脚に干渉することがないため、ロープが絡んだ作業者の脚が梯子に激突して伸縮梯子の転倒をまねくなどの事故を未然に防止することができる効果がある。
【0013】
また、中段梯子昇降用の中段操作ロープは、その両端を下段梯子の所定位置に固定することにより、操作ロープ用滑車等を介して下段梯子と中段梯子とに跨って掛け渡すことで、上段梯子を含む中段梯子を伸長させる際でも、上段梯子と中段梯子の総重量の略半分の力で中段梯子を操作することができる。
【0014】
また、請求項2に係る発明によれば、入れ子構造として梯子支柱間にロープ空間を形成したので、下段梯子の外側で操作するために露出した中途ロープを除いてロープ空間に中段及び上段操作ロープの大部分を収納することができることになり、一部弛緩した操作ロープが梯子の伸長操作に支障とならず、また、ロープ空間に収納されて踏桟に絡まらないので円滑な伸長操作を行うことができ、更には、操作ロープが支柱間に吊下状態でぶら下がることがないので、作業者が脚にロープを絡ませて梯子そのものを転倒させる事故を未然に防止することができる効果がある。
【0015】
請求項3、4に係る発明によれば、中段及び上段操作ロープの中途を所定位置に配設した滑車に懸架したために、特にロープの折曲部分が滑車によって円滑に摺動できるため、中段梯子や上段梯子の伸長操作が確実に行える効果がある。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、上段操作ロープの両端は上段梯子の下部にそれぞれ固定し、中段操作ロープの両端は下段梯子の上部と下部にそれぞれ固定したので、各ロープの全長は一定長さに規定保持されるため、その中途における緊張作動によって中段梯子や上段梯子の昇降操作を行うことができることになり、無用なロープ弛緩を防止できるため、梯子の伸長操作が確実に行える効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施例を図面に基づき詳説する。
【0019】
図1〜
図3は、本発明の三連伸縮梯子Mを構成する下段梯子2と、中段梯子3と、上段梯子4との組み合わせ状態を示し、
図4は
図2中のA−A線の横断面図を示す。
【0020】
(1)下段梯子2について
図5Aに示すように左右に下段梯子支柱5として下段梯子右支柱5Rと下段梯子左支柱5Lを有し、その間に下段梯子踏桟8を架設して梯子としての機能を果すように構成されている。
【0021】
また、
図5Bに示すように下段梯子2の下段梯子左右支柱5L,5Rは、断面略コ字状の対向した形状に構成されており、下段梯子右支柱5Rの上部及び下部の支柱側板5’には、下段滑車装着具24,25をそれぞれ設けている。
【0022】
下段滑車装着具24,25は、断面略L字状の装着ブラケット24’,25’を突き合わせて、その間にロープ操作用滑車32−1,2を軸架して構成しており、ロープ操作用滑車32−1,2は支柱に沿って縦方向に回転すべく、軸架用の軸tは装着ブラケットTに横方向に架設している。
【0023】
しかも、滑車32−1,2の位置する支柱側板5’には、滑車の周縁部の一部が下段梯子右支柱5Rの内方と露出するようにロープ挿通孔1が穿設されている。
【0024】
更には、下段梯子右支柱5Rの下部内側と下段梯子左支柱5Lの下部内側との間には、中段梯子3の昇降操作を行うための中段操作ロープ16の端部が固定されている。図中、17,18は中段操作ロープ端部を示す。
【0025】
また、図中13は、下段梯子左右支柱5L,5Rの下端に設けた滑り止め端具を示し、下段梯子2の傾斜に対応して水平地面に定置可能なように三角ブラケット13−1の頂部を支柱側板5’に枢支し、三角ブラケット13−1の下底面には、滑り防止のための波型底板13−2を設けている。
【0026】
また、
図6A、
図6Bに示すように下段梯子右支柱5Rの下部に配設した下段滑車装着具25のやや上方位置には、後述する上段梯子操作用の上段梯子ロープ19を懸架するための下段滑車装着具28を設け、該装着具28には、ロープ操作用滑車32−3を軸架している。
【0027】
また、下段梯子右支柱5Rの上部内側、すなわち、支柱側板5’の内側面には、後述する上段梯子操作用の上段操作ロープ19を懸架するための下段滑車装着具29を設け、該装着具29には、ロープ操作用滑車32−10を軸架している。
【0028】
(2)中段梯子3について
図5A、
図5Bに示すように、左右に中段梯子支柱6として中段梯子右支柱6Rと中段梯子左支柱6Lを有し、その間に中段踏桟9を架設している。
【0029】
中段梯子3の中段梯子左右支柱6L,6Rは、上段梯子左右支柱5L,5Rと同様に断面略コ字状の対向した形状に構成している。
【0030】
しかも、中段梯子3は、下段梯子2の下段梯子左右支柱5L,5R間に入れ子状に遊嵌されており、従って、中段梯子3は下段梯子2の左右支柱間で上下スライド自在に伸縮作動することになる。
【0031】
更には、下段梯子左右支柱5L,5Rの支柱側板5’は外側方にやや突出形成し、中段梯子左右支柱6L,6Rの支柱側板6’は内側方にやや突出形成しているので、中段梯子3を下段梯子2と入れ子構造で一体化すると、各支柱5,6の各側板5’,6’間に外側ロープ空間aが形成される。
【0032】
また、中段梯子左右支柱6L,6R下部の間には、断面矩形又はコ字状の滑車取付フレーム15が架設されており、滑車取付フレーム15両端部位置の支柱側板6’には、ロープ挿通孔1が穿設されており、滑車取付フレーム15の左端部には、一個のロープ操作用滑車32−4が軸架され、滑車取付フレーム15の右端部には、上下二個のロープ操作用滑車32−5,6が軸架されている。いづれの滑車も支柱に沿って縦方向に回転すべく配設されている。
【0033】
また、
図6A、
図6Bに示すように中段梯子3の中段梯子右支柱6Rの上部には、中段滑車装着具27を設けており、この中段滑車装着具27の構造は、前述した下段滑車装着具24,25と同様の装着ブラケット27’にロープ操作用滑車32−7を軸架して構成している。
【0034】
後述するように、中段梯子3の各ロープ操作用滑車32−4,5,6には、中段操作用ロープ16が懸架されて、該ロープ16の操作にともない、中段梯子3の下部を持上げ或いは降下させて中段梯子3の昇降伸縮作動をするように構成されている。
【0035】
(3)上段梯子4について
図6A、
図6Bに示すように左右に上段梯子支柱7として上段梯子右支柱7Rと上段梯子左支柱7Lを有し、その間に上段踏桟10を架設して梯子機能を果す。
【0036】
上段梯子4の上段梯子左右支柱7L,7Rは、断面略コ字状の開口部外方を向いた形状としており、中段梯子3の中段左右支柱6L,6R間に入れ子状に遊嵌されており、従って、上段梯子4は、中段梯子3の左右支柱間で上下スライド自在に伸縮作動することになる。
【0037】
かかる入れ子状の遊嵌構造のために、上段梯子左右支柱7L,7Rと中段梯子左右支柱6L,6Rとは、コ字状の開口部が互いに相対しているため、その間に内側ロープ空間bを形成する。
【0038】
また、上段梯子4の下部、すなわち、上段梯子右支柱7Rの支柱側板7’下部には、上段操作ロープ19の一端を固定し、上段梯子右支柱7Rの最下段の上段踏桟10の右端には上段操作ロープ19の他端を固定している。
【0039】
(4)中段操作ロープ16について
前述の
図5A、
図5Bに示す通り、その両端を下段梯子右支柱5Rの下部と下段梯子左支柱5Lの上部とに固定しており、そのロープ中途部は、下段梯子右支柱5Rの上下部と中段梯子3の中段梯子左右支柱6L,6Rの下部にそれぞれ装着した操作ロープ用滑車32−1,2,32−4,5,6に懸架されている。
【0040】
すなわち、中段操作ロープ16は、下段梯子左支柱5L上部に固定した中段操作ロープ端部17から中段梯子左支柱6L下部の操作ロープ用滑車32−4までの第1中途ロープ16aと、操作ロープ用滑車32−4から中段梯子右支柱6Rの操作ロープ用滑車32−5までの第2中途ロープ16bと、操作ロープ用滑車32−5から下段梯子右支柱5R上部の操作ロープ用滑車32−1までの第3中途ロープ16cと、操作ロープ用滑車32−1から下段梯子右支柱5R下部の操作ロープ用滑車32−2までの第4中途ロープ16dと、操作ロープ用滑車32−2から中段梯子右支柱6R下部の操作ロープ用滑車32−6までの第5中途ロープ16eと、操作ロープ用滑車32−6から下段梯子右支柱5R下部に固定した中段梯子ロープ端部18までの第6中途ロープ16fとより構成されている。
【0041】
そして、これらの各中途ロープ16a,b,c,d,e,fのうち、第1中途ロープ16a、第3中途ロープ16c、第5中途ロープ16e及び第6中途ロープ16fは、下段梯子支柱5や中段梯子支柱6の各支柱側板5’,6’に穿設したロープ挿通孔1を挿通して、中下段梯子左支柱6L,5L間、中下段梯子右支柱6R,5R間の外側ロープ空間aに収納されている。
【0042】
他方、第4中途ロープ16dは、下段梯子右支柱5Rの上下部に配設した操作ロープ用滑車32−1,2間に懸架されて下段梯子2の外側に露出し、作業者が手で把持しながら上下方に引張り操作が可能に構成されている。
【0043】
すなわち、第4中途ロープ16dを把持して下方に引降すと、第3中途ロープ16cが上方に引張られ、第2中途ロープ16b,第1中途ロープ16aを緊張することになり、必然的に第2中途ロープ16bが懸架されたロープ操作用滑車32−4,5を介して中段梯子3が上方にスライドし、下段梯子2から伸長した状態となる。
【0044】
反対に第4中途ロープ16dを弛緩すると、中段梯子3の自重により第1中途ロープ16a及び第3中途ロープ16cが伸長して、同時に第4,第5中途ロープ16e,fが短縮して、中段梯子3は下段梯子2中に入れ子状に収納されて梯子が短縮した形態となる。このような中段操作ロープの構成を
図7Aにおいて模式的に示している。
【0045】
(5)上段操作ロープ19について
前述の
図6A、
図6Bに示す通り、その両端を上段梯子右支柱7Rと最下段の踏桟10端部とに固定しており、そのロープ中途部は、中段梯子右支柱6Rの上部と、下段梯子右支柱5Rの下部と、下段梯子右支柱5Rの上部と、中段梯子右支柱6Rの下部とにそれぞれ装着した操作ロープ用滑車32−7,3,10,8,9に懸架されている。なお、
図8A、
図8Bは、中段操作ロープ16と上段操作ロープ19の滑車が密集する中段梯子右支柱6Rの下端部を示した図である。
【0046】
すなわち、上段操作ロープ19は、上段梯子右支柱7R下部に固定した上段操作ロープ端部20から中段梯子右支柱6R上部の操作ロープ用滑車32−7までの第1’中途ロープ19aと、操作ロープ用滑車32−7から下段梯子右支柱5R下部の操作ロープ用滑車32−3までの第2’,第3’中途ロープ19b,cと、操作ロープ用滑車32−3から下段梯子右支柱5R上部内側の操作ロープ用滑車32−10までの第4’中途ロープ19dと、操作ロープ用滑車32−10から中段梯子右支柱6R下部の操作ロープ用滑車32−8,9までの第5’中途ロープ19eと、操作ロープ用滑車32−8,9から上段梯子の最下段の踏桟端部に固定した上段操作ロープ端部21までの第6’中途ロープ19fとにより構成されている。
【0047】
なお、第2’中途ロープ19bと第3’中途ロープ19cとの境には、下段梯子右支柱5Rの上部に突設した環状のロープガイド31が位置しており、上段操作ロープ19は、ロープガイド31中を挿通して上下摺動可能に構成されている。
【0048】
そして、これらの各中途ロープ19a,b,c,d,e,fのうち、第1中途ロープ19aは、中段梯子右支柱6Rと上段梯子右支柱7Rとの間の内側ロープ空間bに収納されており、第4’中途ロープ19dと第5’中途ロープ19eとは、外側ロープ空間aに収納されており、各所定の下段滑車装着具28,29や中段滑車装着具27等に設けられたロープ操作用滑車に懸架された上段操作ロープ19は、支柱の支柱側板5’,6’に穿設したロープ挿通孔1を挿通して内外側ロープ空間a,bに収納される。
【0049】
他方、第2’,第3’中途ロープ19b,cは、下段梯子右支柱5Rの外側に沿って配置されている。
【0050】
すなわち、第3’中途ロープ19cは、同じく下段梯子右支柱5Rの外側に沿って配置された中段操作ロープ16の第4中途ロープ16dと並列して配置されており、中段操作ロープ16と同様に作業者が手で把持しながら上下方に引張り操作が可能に構成されている。
【0051】
すなわち、第3’中途ロープ19cを把持して下方に引降すと、第1’,2’中途ロープ19a,bを緊張することになり、必然的に上段操作ロープ端部20を介して上段梯子4が上方にスライドし、中段梯子3から更に上方に伸長した状態となる。
【0052】
反対に、第3’中途ロープ19cを弛緩すると、上段梯子4の自重により第1’中途ロープ19aが伸長して、同時に第6’中途ロープ19fが短縮して、上段梯子4は中段梯子3中に入れ子状に収納されて梯子が短縮した形態となる。このような上段操作ロープ19の構成を
図7Bにおいて模式的に示している。
【0053】
なお、中段操作ロープ16と上段操作ロープ19をそれぞれ異なる色で構成することもできる。これにより、中段梯子3と上段梯子4の各操作に必要なロープを容易に認識できるため、伸長操作等を間違えることなく直感的に行うことができる。
【0054】
また、本実施例に係る三連伸縮梯子Mの中段・上段操作ロープ16,19は、断面略円形状のロープを用いているが、帯状のロープ(ベルト)を用いることもできる。これにより、外側ロープ空間aや内側ロープ空間bを狭くすることができるため、三連伸縮梯子Mをよりコンパクトに構成することができる。
【0055】
(6)各梯子の伸長操作について
この発明の実施例は上記のように構成されており、三連伸縮梯子Mを使用するに際して、下段梯子2から中段梯子3を単独で伸長させる操作及び中段梯子3から上段梯子4を単独で伸長させる操作は、それぞれ下段梯子2の外側に沿って配置された中段操作ロープ16及び上段操作ロープ19をそれぞれ下方に引張ることにより行われることは、既に前述の通りである。
【0056】
そこで、中段梯子3と上段梯子4とを連続して三段に伸長する際の連続した操作について説明する。
【0057】
まず、中段操作ロープ16を下方に引張ることにより、中段梯子3の下部がロープ操作用滑車32−4,5を介して第2中段操作ロープ16bにより引き上げられて、下段梯子2の上部に中段梯子3の下部が達した時に伸長作業が終了する。
【0058】
この状態においては、上段操作ロープ19のうち第2’中途ロープ19bは伸長して、その分第5’中途ロープ19eは短縮して、上段梯子4の下部は中段梯子3の下部位置に定置され、上段梯子4が中段梯子3中に入れ子状態となっている。
【0059】
次いで、この中段梯子3が伸長した状態から更にその上方に上段梯子4を伸長する場合は、上段操作ロープ19の第3’中途ロープ19cを下方に引張ることにより伸長した中段梯子3上部の操作ロープ用滑車32−7と、上段操作ロープ端部20との間の第1’中途ロープ19aを短縮して、上段梯子4を引き上げることになる。
【0060】
このように、本発明の特徴とするのは、中段梯子3と上段梯子4との操作用のロープをそれぞれ別体とした中段操作ロープ16と上段操作ロープ19とし、それぞれのロープを操作することにより、上中段梯子4,3を三段に伸長することができるようにしたことにある。
【0061】
(7)他の実施例について
他の実施例に係る三連伸縮梯子M1としては、中段又は上段操作ロープ16,19のいずれかのロープを下段梯子2の左右側面に配置するように構成することができる。
【0062】
この場合は、下段梯子2の下段梯子支柱5の両外側に上段操作ロープ19と中段操作ロープ16とを別体に配置した構造となるように、中下段滑車装着具の配設位置を左右対称位置に変更する。
【0063】
なお、当然に、上述した実施例と反対側、すなわち、下段梯子2の下段梯子左支柱5L側に中段又は上段操作ロープ16,19を並列して配置することも可能である。
【0064】
すなわち、
図7A、
図7Bに示す中段及び上段操作ロープ16,19の左右の配置を任意に変更できる。
【0065】
また、中段梯子3や上段梯子4は、必ずしも最大限の伸長状態に操作するだけではなく、別々に中段又は上段操作ロープ16,19を操作することにより途中まで伸長して任意の伸長状態において固定することにより、作業現場の高さや状況に応じた三連伸縮操作を行うことができる。
【0066】
しかも、下段梯子2の外側に露出した上中段操作ロープ以外の各ロープ中途部は、それぞれ入れ子状の上段、中段、下段の梯子4,3,2の各支柱間の空間に収納されており、上中段梯子4,3の伸縮作動に干渉せず、また、作業者の乗降に支障とならないように構成している。
【0067】
また、他の実施例に係る三連伸縮梯子M2としては、
図7Aに示すように中段操作ロープ16を下段梯子2の左右側面のいずれかに配置すると共に、
図9に示すように上段操作ロープ19を踏桟の略中央部に配置するように構成することができる。
【0068】
上記実施例に係る三連伸縮梯子M,M1において上段梯子4の昇降を行うための上段操作ロープ19は、前述の通り(
図7B)、上段操作ロープ19の両端をそれぞれ上段梯子右支柱7Rに固定し、その中途部を上段操作ロープ中途部19a〜19fとし、該ロープ中途部19a〜19fを懸架するための滑車として、中段梯子右支柱6Rや下段梯子右支柱5Rに取付けた4箇所の各操作ロープ用滑車32−7,32−3,32−10,32−8,32−9を用いている。
【0069】
しかし、
図9に示すように、他の実施例に係る三連伸縮梯子M2として上記の4箇所の各操作ロープ用滑車の代わりに中段梯子3と下段梯子4に設けた中段踏桟9と下段踏桟8にロープを懸架し、各踏桟を滑車の代わりとする場合がある。
【0070】
しかも、各踏桟に懸架するロープは、踏桟の中央部において懸架して折返すようにすることにより、上段操作ロープ中途部19a〜19fが梯子の支柱外側に露見しないようにし、ロープのコンパクトな収納を果すことができるようにしている。
【0071】
なお、梯子の踏桟を滑車代わりに用いる場合は、中段梯子3と下段梯子2に本来取付ける滑車の位置に対応する踏桟を選択して滑車の代わりに用いることとする。
【0072】
また、ロープを懸架する踏桟には、予め摩擦抵抗を少なくするため、踏桟に取付けた、あるいは踏桟に吊下した前述の実施例に係る三連伸縮梯子M,M1のような滑車を介在させることもできる。
【0073】
なお、
図5Aに示す11は中段梯子3の下部に設けた中段梯子係止金具、12は上段梯子4の下部に設けた上段梯子係止金具を示し、中段梯子3や上段梯子4を伸長した場合に下段梯子2の所定の踏桟8や中段梯子3の所定の踏桟9に係合させて各梯子が降下しないように伸長限界あるいは伸長途中で固定するものであり、係合離脱自在のフック構造としている。
【0074】
以上説明したように本実施例に係る三連伸縮梯子M(M1,M2)は構成しており、中段梯子3と上段梯子4の伸縮作動を行う中段操作ロープ16と上段操作ロープ19の二本のロープをそれぞれ別体に構成し、それぞれ異なる操作ロープ用滑車を介して各梯子にまたがって掛け渡して懸架操作できるように構成したので、中段梯子3や上段梯子4の伸長操作の順番が制限されることなく、また、従来のように一本の操作ロープにより中段及び上段梯子を同時に伸長操作する場合に較べ、操作ロープを無用に長く形成する必要もなく、操作ロープが中途で弛緩することを可及的に防止することができる。
【0075】
従って、操作ロープが踏桟に絡まるのを防止し、伸長操作時の不用意な絡み事故を防ぎ、また、作業中の作業者の脚に干渉することがないため、ロープが絡んだ作業者の脚が梯子に激突して作業者の転落や伸縮梯子の転倒をまねくなどの事故を未然に防止することができる効果がある。
【0076】
また、中段梯子昇降用の中段操作ロープ16は、その両端を下段梯子2の所定位置17,18に固定することにより、操作ロープ用滑車等を介して下段梯子2と中段梯子3とに跨って掛け渡すことで、上段梯子4を含む中段梯子3を伸長させる際でも、上段梯子4と中段梯子3の総重量の略半分の力で中段梯子3を操作することができる
【0077】
また、入れ子構造として梯子支柱間にロープ空間a,bを形成したので、下段梯子2の外側で操作するために露出した中途ロープを除いてロープ空間に中段及び上段操作ロープの大部分を収納することができることになり、一部弛緩した操作ロープが梯子の伸長操作に支障とならず、また、ロープ空間に収納されて踏桟に絡まらないので円滑な伸長操作を行うことができ、更には、操作ロープが支柱間に吊下状態でぶら下がることがないので、作業者が脚にロープを絡ませて梯子そのものを転倒させる事故を未然に防止することができる効果がある。
【0078】
また、中段及び上段操作ロープ16,19の中途を所定位置に配設した滑車に懸架したために、特にロープの折曲部分が滑車によって円滑に摺動できるため、中段梯子3や上段梯子4の伸長操作が確実に行える効果がある。
【0079】
更に、上段操作ロープ19の両端は上段梯子4の下部にそれぞれ固定し、中段操作ロープ16の両端は下段梯子2の上部と下部にそれぞれ固定したので、各ロープの全長は一定長さに規定保持されるため、その中途における緊張作動によって中段梯子3や上段梯子4の昇降操作を行うことができることになり、無用なロープ弛緩を防止できるため、梯子の伸長操作が確実に行える効果がある。