【解決手段】四周に上枠11、下枠12、縦枠13が配設された開口枠10と、開口枠10に保持される面材1とを備え、各枠11等に形成される中空部11a等は他の枠12等の中空部12a等と連通するよう構成された建具であって、下枠12は、中空部12aに下側仕切部54が配設されることで見込み方向に沿って複数の下室12bが並ぶよう仕切られて形成されるとともに、下側仕切部54には水の通過を許容する通水孔55が形成されており、縦枠13は、中空部13aに縦側仕切部74が配設されることで見込み方向に沿って下室12bに対応して縦室13bが並ぶよう仕切られて形成されている。
前記面材の上方側に位置する第3枠状部材は、自身の中空部に前記第1仕切部及び前記第2仕切部と同一平面を構成するよう第3仕切部が配設されることで該第3枠状部材の見込み方向に沿って前記第2室に対応して複数の第3室が並ぶよう仕切られて形成されるとともに、前記第3仕切部には互いに隣接する第3室同士を連通する通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
前記第3仕切部は、前記第3枠状部材を構成し、かつ前記面材を室内側から支持する第3押縁部材に設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の建具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した特許文献1に提案されているような建具では、複数のガイド溝を通じて浸入した水を水抜孔に誘導して外部に排出しているものの、枠部材の中空部に浸入した水量が過大なものとなる場合には、該枠部材の隙間等から室内側に漏水等してしまう虞れがあった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、水密性の向上を図ることができる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る建具は、四周に枠状部材が配設された矩形状開口を有する枠状体と、前記矩形状開口を閉塞するよう前記枠状体に保持される面材とを備え、前記枠状部材に形成される中空部は他の枠状部材の中空部と連通するよう構成された建具であって、前記面材の下方側に位置する第1枠状部材は、自身の中空部に少なくとも1つの第1仕切部が配設されることで該第1枠状部材の見込み方向に沿って複数の第1室が並ぶよう仕切られて形成されるとともに、前記第1仕切部には水の通過を許容する通水孔が形成されており、前記第1枠状部材の両端部に連結される左右一対の第2枠状部材は、それぞれの中空部に前記第1仕切部と同一平面を構成するよう第2仕切部が配設されることで該第2枠状部材の見込み方向に沿って前記第1室に対応して複数の第2室が並ぶよう仕切られて形成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、面材の下方側に位置する第1枠状部材は、自身の中空部に少なくとも1つの第1仕切部が配設されることで該第1枠状部材の見込み方向に沿って複数の第1室が並ぶよう仕切られて形成されるとともに、前記第1仕切部には水の通過を許容する通水孔が形成されており、第1枠状部材の両端部に連結される左右一対の第2枠状部材は、それぞれの中空部に第1仕切部と同一平面を構成するよう第2仕切部が配設されることで該第2枠状部材の見込み方向に沿って第1室に対応して複数の第2室が並ぶよう仕切られて形成されているので、建具の内部に浸入した雨水等の水は、最も室外側に位置する室(第1室及び第2室)を主に流れ、その後に外部に排出されることになる。つまり、建具の内部に浸入した水は、各中空部において見込み方向に沿って並ぶよう配設された仕切部により移動が規制されて、最も室外側に位置する室以外の室にはほとんど浸入せず、仮に浸入しても第1仕切部に形成された通水孔を通過してその後に外部に排出される。これにより、建具の内部に浸入する水量が過大なものとなっても、各中空部等に配設された各仕切部等により室外側に近い各室等に水が流れる結果、水が室内側に漏水等してしまう虞れがない。
【0009】
また本発明は、上記建具において、前記面材の上方側に位置する第3枠状部材は、自身の中空部に前記第1仕切部及び前記第2仕切部と同一平面を構成するよう第3仕切部が配設されることで該第3枠状部材の見込み方向に沿って前記第2室に対応して複数の第3室が並ぶよう仕切られて形成されるとともに、前記第3仕切部には互いに隣接する第3室同士を連通する通気孔が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、面材の上方側に位置する第3枠状部材は、自身の中空部に第1仕切部及び第2仕切部と同一平面を構成するよう第3仕切部が配設されることで第3枠状部材の見込み方向に沿って第2室に対応して複数の第3室が並ぶよう仕切られて形成されるとともに、第3仕切部には互いに隣接する第3室同士を連通する通気孔が形成されているので、各室を圧力の等しい等圧空間にすることができるとともに、建具の内部に浸入した雨水等の水は、最も室外側に位置する室(第1室、第2室及び第3室)を主に流れ、その後に外部に排出されることになる。つまり、建具の内部に浸入した水は、各中空部において見込み方向に沿って並ぶよう配設された仕切部により移動が規制されて、最も室外側に位置する室以外の室にはほとんど浸入せず、仮に浸入しても第1仕切部に形成された通水孔を通過してその後に外部に排出される。これにより、建具の内部に浸入する水量が過大なものとなっても、各中空部等に配設された各仕切部等により室外側に近い各室等に水が流れる結果、水が室内側に漏水等してしまう虞れがない。
【0011】
また本発明は、上記建具において、前記第1仕切部は、前記第1枠状部材を構成し、かつ前記面材を室内側から支持する第1押縁部材に設けられており、前記第2仕切部は、前記第2枠状部材を構成し、かつ前記面材を室内側から支持する第2押縁部材に設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、第1仕切部が面材を室内側から支持する第1押縁部材に設けられており、第2仕切部が面材を室内側から支持する第2押縁部材に設けられているので、面材の室内側に複数の第1室及び第2室を形成することができる。
【0013】
また本発明は、上記建具において、前記第3仕切部は、前記第3枠状部材を構成し、かつ前記面材を室内側から支持する第3押縁部材に設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、第3仕切部が面材を室内側から支持する第3押縁部材に設けられているので、面材の室内側に複数の第3室を形成することができる。
【0015】
また本発明は、上記建具において、最も室内側に位置する第1室、第2室及び第3室に断熱材より構成される断熱ブロックが配設されたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、断熱材により構成される断熱ブロックが最も室内側に位置する第1室、第2室及び第3室に配設されているので、断熱性能の向上を図ることができる。
【0017】
また本発明は、上記建具において、前記第1室のうち最も室外側に位置する第1室を通過させて水を外部に排出させることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、最も室外側に位置する第1室を通過させて水を外部に排出させるので、最も室外の圧力に近い室を通過させて水を排出することができる。そのため、本来排出されるべき水が排出されずに該第1室に戻ってしまういわゆる吹き返し等の発生を有効に抑止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水密性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1〜
図3は、それぞれ本発明の実施の形態である建具を示すものであり、
図1は室内側から見た外観図であり、
図2は縦断面図、
図3は横断面図である。ここで例示する建具は、開口枠(枠状体)10にガラスパネル等の面材1を固定配置した、いわゆる「嵌め殺し窓」と称されるものである。面材1としては、スペーサ部材を介して2枚の矩形状を成すガラス板を積層した複層ガラスパネルを適用している。
【0023】
面材1が設置される開口枠10は、上枠(第3枠状部材)11、下枠(第1枠状部材)12、左右一対の縦枠(第2枠状部材)13を四周枠組みすることにより、矩形状開口14を形成するものである。そして、面材1は、開口枠10に該矩形状開口14を閉塞するよう保持されている。
【0024】
上枠11は、上枠本体20と上側押縁部材(第3押縁部材)30とを備えて構成されている。上枠本体20は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な横断面形状を有するように構成されたものであり、上側面材支持ヒレ部21、第1上側係合受部22及び第2上側係合受部23が設けられている。
【0025】
上側面材支持ヒレ部21は、上枠本体20の見込み面において室外側に位置する部位から見付け方向に沿って内方に延在した薄板状部分である。この上側面材支持ヒレ部21は、開口枠10に面材1が配置された場合、面材1の上縁部を覆うことができる寸法に形成されている。また、上側面材支持ヒレ部21の先端部において面材1に対向する見付け面には、シール材であるアウタガスケット2が設けられている。
【0026】
第1上側係合受部22は、上枠本体20の見込み面において面材1よりも室内側に位置する部位から見付け方向に沿って突出した後に室内側に屈曲して形成されている。第2上側係合受部23は、第1上側係合受部22とともに上側押縁部材30を支持するためのものである。この第2上側係合受部23は、上枠本体20の見込み面において第1上側係合受部22よりも室内側に位置する部位から見付け方向に延在した後に室外側に向けて屈曲して延在し、その延在端部が上枠本体20に近接するよう見付け方向に沿って屈曲されて形成されている。
【0027】
上側押縁部材30は、上枠本体20と同様に、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な横断面形状を有するように構成されており、上側基部31、上側係合部32、上側面材支持部33及び上側仕切部(第3仕切部)34が設けられている。
【0028】
上側基部31は、平板状部位であり、上枠11の見込み方向に沿って延在する部位である。上側係合部32は、上側押縁部材30の室内側端部を構成しており、上側基部31の室内側端部より上枠本体20に近接するよう見付け方向に沿って延在してその延在端部がフック状を成す部位である。この上側係合部32は、上枠本体20の第2上側係合受部23に係合するものである。
【0029】
上側面材支持部33は、上側押縁部材30の室外側端部を構成しており、上側基部31の室外側端部より上枠本体20の見込み面に近接するよう見付け方向に沿って延在する部位である。この上側面材支持部33は、上側面材支持ヒレ部21との間に面材1を保持するためのもので、その室外側面にはシール材であるインナガスケット3が設けられている。
【0030】
上側仕切部34は、複数(図示の例では2つ)設けられており、第1上側仕切部34a及び第2上側仕切部34bを有している。
【0031】
第1上側仕切部34aは、上側基部31より上枠本体20に近接するよう該上枠本体20の見付け方向に沿って延在した後に室外側に向けて屈曲する部位であり、その延在端部は上枠本体20の第1上側係合受部22に係合するものである。
【0032】
第2上側仕切部34bは、上側基部31において第1上側仕切部34aよりも室内側に位置する部位から上枠本体20に近接するよう該上枠本体20の見付け方向に沿って延在する部位であり、その延在端部は上枠本体20の見込み面に接している。
【0033】
これにより上枠11においては、自身に形成される中空部11a、すなわち上枠本体20に上側押縁部材30が係合することにより形成される中空部11aが上側仕切部34によって上枠11の見込み方向に沿って面材1の室内側に複数(図示の例では3つ)の上室(第3室)11bが並ぶよう仕切られて形成されている。また、上側仕切部34には、それぞれ空気の通過を許容する通気孔35が形成されている。
【0034】
下枠12は、下枠本体40と下側押縁部材(第1押縁部材)50とを備えて構成されている。下枠本体40は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な横断面形状を有するように構成されたものであり、下側面材支持ヒレ部41及び下側係合受部42が設けられている。
【0035】
下側面材支持ヒレ部41は、下枠本体40の見込み面において室外側に位置する部位から見付け方向に沿って内方に延在した薄板状部分である。この下側面材支持ヒレ部41は、開口枠10に面材1が配置されて場合、面材1の下縁部を覆うことができる寸法に形成されている。また、下側面材支持ヒレ部41の先端部において面材1に対向する見付け面には、シール材であるアウタガスケット2が設けられている。
【0036】
ところで、
図2中の符号15は、下枠本体40の見込み面と面材1との間に介在させたセッティングブロックである。かかるセッティングブロック15の近傍となる下枠本体40の見込み面には、図示せぬ水抜孔が形成されており、この水抜孔を通過した水は、下枠本体40の見込み面の下面に配設された水抜部材16より外部に排出される。
【0037】
下側係合受部42は、下側押縁部材50を支持するためのもので、下枠本体40の見込み面において面材1よりも室内側に位置する部位から見付け方向に延在した後に室外側に向けて屈曲して延在し、その延在端部が下枠本体40に近接するよう見付け方向に沿って屈曲されて形成されている。
【0038】
下側押縁部材50は、下枠本体40と同様に、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な横断面形状を有するように構成されており、下側基部51、下側係合部52、下側面材支持部53及び下側仕切部(第1仕切部)54が設けられている。
【0039】
下側基部51は、平板状部位であり、下枠12の見込み方向に沿って延在する部位である。下側係合部52は、下側押縁部材50の室内側端部を構成しており、下側基部51の室内側端部より下枠本体40に近接するよう見付け方向に沿って延在してその延在端部がフック状を成す部位である。この下側係合部52は、下枠本体40の下側係合受部42に係合するものである。
【0040】
下側面材支持部53は、下側押縁部材50の室外側端部を構成しており、下側基部51の室外側端部より下枠本体40の見込み面に近接するよう見付け方向に沿って延在する部位である。この下側面材支持部53は、下側面材支持ヒレ部41との間に面材1を保持するためのもので、その室外側面にはシール材であるインナガスケット3が設けられている。
【0041】
下側仕切部54は、複数(図示の例では2つ)設けられており、第1下側仕切部54a及び第2下側仕切部54bを有している。
【0042】
第1下側仕切部54aは、上記第1上側仕切部34aと同一平面を構成するように、下側基部51より下枠本体40に近接するよう該下枠本体40の見付け方向に沿って延在する部位である。この第1下側仕切部54aの延在端部は下枠本体40の見込み面に接している。
【0043】
第2下側仕切部54bは、上記第2上側仕切部34bと同一平面を構成するように、下側基部51において第1下側仕切部54aよりも室内側に位置する部位から下枠本体40に近接するよう該下枠本体40の見付け方向に沿って延在する部位である。この第2下側仕切部54bの延在端部は下枠本体40の見込み面に接している。
【0044】
これにより下枠12においては、自身に形成される中空部12a、すなわち下枠本体40に下側押縁部材50が係合することにより形成される中空部12aが下側仕切部54によって下枠12の見込み方向に沿って面材1の室内側に複数(図示の例では3つ)の下室(第1室)12bが並ぶよう仕切られて形成されている。また、下側仕切部54の延在端部には、それぞれ水の通過を許容する通水孔55が適宜形成されている。尚、この通水孔55は、水の通過を許容するのに必要最小限の開口面積を有している。
【0045】
縦枠13は、縦枠本体60と縦側押縁部材(第2押縁部材)70とを備えて構成されている。縦枠本体60は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な横断面形状を有するように構成されたものであり、縦側面材支持ヒレ部61、第1縦側係合受部62及び第2縦側係合受部63が設けられている。
【0046】
縦側面材支持ヒレ部61は、縦枠本体60の見込み面において室外側に位置する部位から見付け方向に沿って内方に延在した薄板状部分である。この縦側面材支持ヒレ部61は、開口枠10に面材1が配置されて場合、面材1の側縁部を覆うことができる寸法に形成されている。また、縦側面材支持ヒレ部61の先端部において面材1に対向する見付け面には、シール材であるアウタガスケット2が設けられている。
【0047】
第1縦側係合受部62は、縦枠本体60の見込み面において面材1よりも室内側に位置する部位から見付け方向に沿って突出した後に室内側に屈曲して形成されている。第2縦側係合受部63は、第1縦側係合受部62とともに縦側押縁部材70を支持するためのものである。この第2縦側係合受部63は、縦枠本体60の見込み面において第1縦側係合受部62よりも室内側に位置する部位から見付け方向に延在した後に室外側に向けて屈曲して延在し、その延在端部が縦枠本体60に近接するよう見付け方向に屈曲されて形成されている。
【0048】
縦側押縁部材70は、縦枠本体60と同様に、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し型材によって一様な横断面形状を有するように構成されており、縦側基部71、縦側係合部72、縦側面材支持部73及び縦側仕切部(第2仕切部)74が設けられている。
【0049】
縦側基部71は、平板状部位であり、縦枠13の見込み方向に沿って延在する部位である。縦側係合部72は、縦側押縁部材70の室内側端部を構成しており、縦側基部71の室内側端部より縦枠本体60に近接するよう見付け方向に沿って延在してその延在端部がフック状を成す部位である。この縦側係合部72は、縦枠本体60の第2縦側係合受部63に係合するものである。
【0050】
縦側面材支持部73は、縦側押縁部材70の室外側端部を構成しており、縦側基部71の室外側端部より縦枠本体60の見込み面に近接するよう見付け方向に沿って延在する部位である。この縦側面材支持部73は、縦側面材支持ヒレ部61との間に面材1を保持するためのもので、その室外側面にはシール材であるインナガスケット3が設けられている。
【0051】
縦側仕切部74は、複数(図示の例では2つ)設けられており、第1縦側仕切部74a及び第2縦側仕切部74bを有している。
【0052】
第1縦側仕切部74aは、上記第1上側仕切部34a及び上記第1下側仕切部54aと同一平面を構成するように、縦側基部71より縦枠本体60に近接するよう該縦枠本体60の見付け方向に沿って延在した後に室外側に向けて屈曲する部位である。この第1縦側仕切部74aの延在端部は縦枠本体60の第1縦側係合受部62に係合するものである。
【0053】
第2縦側仕切部74bは、上記第2上側仕切部34b及び上記第2下側仕切部54bと同一平面を構成するように、縦側基部71において第1縦側仕切部74aよりも室内側に位置する部位から縦枠本体60に近接するよう該縦枠本体60の見付け方向に沿って延在する部位である。この第2縦側仕切部74bの延在端部は縦枠本体60の見込み面に接している。
【0054】
これにより左右一対の縦枠13においては、自身に形成される中空部13a、すなわち縦枠本体60に縦側押縁部材70が係合することにより形成される中空部13aが縦側仕切部74によって縦枠13の見込み方向に沿って面材1の室内側に複数(図示の例では3つ)の縦室(第2室)13bが並ぶよう仕切られて形成されている。
【0055】
ところで、上側押縁部材30の上側基部31においては、
図2に示すように、上室11bと縦室13bとを連通させるための連通開口36が形成されている。また、下側押縁部材50の下側基部51においては、
図2及び
図3に示すように、下室12bと縦室13bとを連通させるための連通開口56が形成されている。
【0056】
このような構成を有する建具においては、上枠11、下枠12及び一対の縦枠13のそれぞれに形成される上室11b、下室12b及び縦室13bは、互いに対応するもの同士が連通開口36,56を通じて連通することとなる。しかも、上室11bを仕切る上側仕切部34には通気孔35が形成されているので、それぞれの室11b等を圧力の等しい等圧空間にすることができる。
【0057】
以上のような構成を有する本実施の形態である建具では、各枠11等の中空部11a等を該枠11等の見込み方向沿って並ぶよう室(上室11b、下室12b、縦室13b)が形成されているので、該建具の内部に浸入した雨水等の水は、最も室外側に位置する上室11b、縦室13b及び下室12bを主に流れ、下枠12に配設された水抜部材16より外部に排出されることになる。つまり、建具の内部に浸入した水は、各中空部11a等において枠11等の見込み方向に沿って並ぶよう配設された各仕切部34等により移動が規制されて、最も室外側に位置する室以外の室、すなわち中央の上室11b、縦室13b及び下室12bや、最も室内側の上室11b、縦室13b及び下室12bにはほとんど浸入せず、仮に浸入しても下側仕切部54に形成された通水孔55を通過して上記水抜部材16より外部に排出される。これにより、建具の内部に浸入する水量が過大なものとなっても、各中空部11a等に配設された各仕切部34等により室外側に近い各室11b等に水が流れる結果、水が室内側に漏水等してしまう虞れがない。従って、上記建具によれば、水密性の向上を図ることができる。
【0058】
また、上記建具においては、上側仕切部34に形成される通気孔35の断面積を変化させることにより、見込み方向に沿って室内側に向かうに連れて各室11b等の圧力を変化させることができ、このような圧力差を利用して止水性能を向上させることもできる。
【0059】
また、上記建具によれば、最も室外側に位置する下室12bを通過させて水抜部材16から水を外部に排出させるので、最も室外の圧力に近い室外側の下室12bを通過させて水を排出することができる。そのため、本来排出されるべき水が排出されずに該下室12bに戻ってしまういわゆる吹き返し等の発生を有効に抑止することができる。
【0060】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく種々の変更行うことができる。
【0061】
図4及び
図5に示すように、最も室内側に位置する各室(上室11b、縦室13b及び下室12b)には、例えば発泡ウレタン等の断熱材により構成される断熱ブロック80を配設してもよい。これによれば、水密性の向上だけでなく、断熱性の向上を図ることもできる。
【0062】
上述した実施の形態では、上枠11の中空部11aに上室11bを形成するようにしていたが、本発明においては、下室12bとこれに対応する縦室13bとが形成されていればよく、上側押縁部材30における上側仕切部34はなくてもよい。
【0063】
上述した実施の形態では、各押縁部材30等に複数の仕切部34等が設けられていたが、本発明においては、仕切部が複数設けられている必要はなく、単数であってもよいし、その数は特に限定されるものではない。
【0064】
上述した実施の形態では、各枠11等において各押縁部材30等に仕切部34等が設けられていたが、本発明においては、各枠状部材に仕切部が配設されていればよいので、その仕切部の配設部位等は特に限定されるものではない。