特開2015-227623(P2015-227623A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2015-227623鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227623(P2015-227623A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造
(51)【国際特許分類】
   F02D 11/02 20060101AFI20151120BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20151120BHJP
   F02D 11/04 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   F02D11/02 E
   F02D9/02 351A
   F02D11/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-112771(P2014-112771)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】上田 賢
(72)【発明者】
【氏名】中内 洪太
【テーマコード(参考)】
3G065
【Fターム(参考)】
3G065BA01
3G065CA22
3G065CA23
(57)【要約】
【課題】スロットルボディの車幅方向外側にフレーム部材が近接配置される鞍乗り型車両において、支持筒のケーブル支持ステーに対する着脱作業性を高めることができるようにする。
【解決手段】スロットルケーブル61,62を挿通、支持する支持筒63,64が、ケーブル支持ステー55を貫通する筒体63a,64aと、該筒体63a,64aから径方向に張出す締結片63b,64bとを一体に有するように形成され、締結操作方向69を車両前後方向としつつ筒体63a,64aの軸線から離間した位置で締結片63b,64bに挿通される締結部材67,68が、ケーブル支持ステー55に螺合される。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(E)の機関本体(30)が、車両前後方向に延びる左右一対のフレーム部材(14)を有する車体フレーム(F)に支持され、前記機関本体(30)に接続されて前後方向に延びる吸気管(35)と、該吸気管(35)に接続されるスロットルボディ(36)とが、平面視で一対の前記フレーム部材(14)間に配置され、平面視で一対の前記フレーム部材(14)のうち一方のフレーム部材(14)および前記スロットルボディ(36)間に配置されて前記スロットルボディ(36)に取付けられるケーブル支持ステー(55)に、スロットルケーブル(61,62)を挿通、支持するようにして車両前後方向に延びる支持筒(63,64)が締結される鞍乗り型車両において、前記支持筒(63,64)は、前記ケーブル支持ステー(55)を貫通する筒体(63a,64a)と、該筒体(63a,64a)から径方向に張出す締結片(63b,64b)とを一体に有するように形成され、締結操作方向(69)を車両前後方向としつつ前記筒体(63a,64a)の軸線から離間した位置で前記締結片(63b,64b)に挿通される締結部材(67,68)が、前記ケーブル支持ステー(55)に螺合されることを特徴とする鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項2】
前記締結部材(67,68)の一端部に、工具を係合して回転操作するための被操作部(67a,68a)が設けられ、前記締結部材(67,68)が前記ケーブル支持ステー(55)に螺合した状態で前記締結操作方向(69)に沿う方向で前記被操作部(67a,68a)の外郭を前記ケーブル支持ステー(55)とは反対側に延出して成る仮想領域(A1,A2)内に前記支持筒(63,64)が入るのを避けるようにして、前記締結片(63b,64b)への前記締結部材(67,68)の挿通位置が設定されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項3】
前記支持筒(63,64)を締結するために前記ケーブル支持ステー(55)に形成される締結面(70,71)が車両前後方向で斜め上向きを指向するように、前記ケーブル支持ステー(55)が前記スロットルボディ(36)に取付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項4】
前記ケーブル支持ステー(55)が、前記スロットルボディ(36)の最大上下寸法の範囲内に収まるように形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項5】
前記スロットルボディ(36)が、吸気通路(49)を有するボディ(50)と、前記吸気通路(49)を横切って前記ボディ(50)に回動自在に支持される弁軸(51)と、前記吸気通路(49)の開度を調整するようにして前記弁軸(51)に固定されるスロットル弁(52)と、平面視で前記ボディ(50)および前記一方のフレーム部材(14)間に配置されて前記弁軸(51)の外端部に固定されるとともに前記スロットルケーブル(61,62)が接続されるスロットルドラム(53)とを備え、前記締結部材(67,68)が、車両前後方向で前記スロットルドラム(53)と反対側から前記ケーブル支持ステー(55)に螺合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項6】
前記支持筒(63,64)の前記筒体(63a,64a)が、前記締結片(63b,64b)に関して前記スロットルドラム(53)と反対側の部分に、車幅方向で前記ボディ(50)側に湾曲した湾曲部(63ac,64ac)を有するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項7】
前記ケーブル支持ステー(55)に、円形の取付け孔部(76,79)と、該取付け孔部(76,79)の直径(D)よりも小さな幅(W)を有して前記取付け孔部(76,79)に一端部が連なるとともに前記ケーブル支持ステー(55)の外側縁に他端部を開放したスリット部(77,80)とから成る切欠き(78,81)とが形成され、前記支持筒(63,64)の筒体(63a,64a)が、前記切欠き(78,81)のうち前記取付け孔部(76,79)のみに挿通可能として前記締結片(63b,64b)から前記スロットルドラム(53)側に延びる大径筒部(63aa,64aa)と、前記スリット部(77,80)を経て前記取付け孔部(76,79)側に変位することを可能としつつ前記取付け孔部(76,79)および前記スリット部(77,80)の両方に挿通可能として前記大径筒部(63aa,64aa)よりも小径に形成されて該大径筒部(63aa,64aa)に連なる小径筒部(63ab,64ab)とを有するように形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鞍乗り側車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項8】
前記スロットルボディ(36)が、吸気通路(49)を有するボディ(50)と、前記吸気通路(49)を横切って前記ボディ(50)に回動自在に支持される弁軸(51)と、前記吸気通路(49)の開度を調整するようにして前記弁軸(51)に固定されるスロットル弁(52)と、平面視で前記ボディ(50)および前記一方のフレーム部材(14)間に配置されて前記弁軸(51)の外端部に固定されるスロットルドラム(53)とを備え、前記スロットル弁(52)を開く側に前記スロットルドラム(53)を回動させる開側の前記スロットルケーブル(61)と、前記スロットル弁(52)を閉じる側に前記スロットルドラム(53)を回動させる閉側の前記スロットルケーブル(62)とが前記スロットルドラム(53)に接続され、前記開側のスロットルケーブル(61)および前記閉側のスロットルケーブル(62)に個別に対応しつつ上下に分かれて配置される一対の前記支持筒(63,64)の前記締結片(63b,64b)が、前記筒体(63a,64a)を相互間に挟む位置で前記ケーブル支持ステー(55)に締結されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項9】
前記ケーブル支持ステー(55)に、前記開側および前記閉側のスロットルケーブル(61,62)に個別に対応した前記支持筒(63,64)を個別に締結させるようにしてそれぞれ斜め上向きに臨む開側の締結面(71)および閉側の締結面(72)と、それらの締結面(71,72)間に介在させる屈曲部(73)とが形成され、前記開側の締結面(71)および前記閉側の締結面(72)のうち前記屈曲部(73)よりも下方の締結面(71)が上方の締結面(72)よりも上向きに指向して形成されることを特徴とする請求項8に記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【請求項10】
前記開側のスロットルケーブル(61)および前記閉側のスロットルケーブル(62)に個別に対応した一対の前記支持筒(63,64)が、相互に分離して形成されることを特徴とする請求項8または9に記載の鞍乗り型車両におけるスロットルケーブル支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の機関本体が、車両前後方向に延びる左右一対のフレーム部材を有する車体フレームに支持され、前記機関本体に接続されて前後方向に延びる吸気管と、該吸気管に接続されるスロットルボディとが、平面視で一対の前記フレーム部材間に配置され、平面視で一対の前記フレーム部材のうち一方のフレーム部材および前記スロットルボディ間に配置されて前記スロットルボディに取付けられるケーブル支持ステーに、スロットルケーブルを挿通、支持するようにして車両前後方向に延びる支持筒が締結される鞍乗り型車両に関し、特に、スロットルケーブル支持構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車体フレームに搭載される機関本体のシリンダヘッドに、吸気管を介してスロットルボディが接続され、スロットルボディに取付けられたケーブル支持ステーに、スロットルケーブルを挿通、支持する支持筒が、多角形の外径形状を有して前記支持筒と同軸に配置される一対のナットで締結、固定されるようにしたものが、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−183493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示されるものでは、スロットルケーブルの交換等を行うためにケーブル支持ステーに対する支持筒の着脱作業を行うにあたっては、ナットの回転軸線に直交する方向から工具をナットに係合して該工具を回転操作する必要がある。ところが鞍乗り型車両のような小型車両に搭載される内燃機関では、そのスロットルボディの車幅方向外側にフレーム部材が近接、配置されることが多いので、工具を操作する際にフレーム部材および工具の干渉が生じ易く、工具の操作角度が制限されてしまうという課題があり、着脱作業に多くの時間を要してしまうために着脱作業性の向上を図ることが望まれている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、スロットルボディの車幅方向外側にフレーム部材が近接配置される鞍乗り型車両において、支持筒のケーブル支持ステーに対する着脱作業性を高めることができるようにしたスロットルケーブル支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関の機関本体が、車両前後方向に延びる左右一対のフレーム部材を有する車体フレームに支持され、前記機関本体に接続されて前後方向に延びる吸気管と、該吸気管に接続されるスロットルボディとが、平面視で一対の前記フレーム部材間に配置され、平面視で一対の前記フレーム部材のうち一方のフレーム部材および前記スロットルボディ間に配置されて前記スロットルボディに取付けられるケーブル支持ステーに、スロットルケーブルを挿通、支持するようにして車両前後方向に延びる支持筒が締結される鞍乗り型車両において、前記支持筒は、前記ケーブル支持ステーを貫通する筒体と、該筒体から径方向に張出す締結片とを一体に有するように形成され、締結操作方向を車両前後方向としつつ前記筒体の軸線から離間した位置で前記締結片に挿通される締結部材が、前記ケーブル支持ステーに螺合されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記締結部材の一端部に、工具を係合して回転操作するための被操作部が設けられ、前記締結部材が前記ケーブル支持ステーに螺合した状態で前記締結操作方向に沿う方向で前記被操作部の外郭を前記ケーブル支持ステーとは反対側に延出して成る仮想領域内に前記支持筒が入るのを避けるようにして、前記締結片への前記締結部材の挿通位置が設定されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記支持筒を締結するために前記ケーブル支持ステーに形成される締結面が、車両前後方向で斜め上向きを指向するように、前記ケーブル支持ステーが前記スロットルボディに取付けられることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ケーブル支持ステーが、前記スロットルボディの最大上下寸法の範囲内に収まるように形成されることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記スロットルボディが、吸気通路を有するボディと、前記吸気通路を横切って前記ボディに回動自在に支持される弁軸と、前記吸気通路の開度を調整するようにして前記弁軸に固定されるスロットル弁と、平面視で前記ボディおよび前記一方のフレーム部材間に配置されて前記弁軸の外端部に固定されるとともに前記スロットルケーブルが接続されるスロットルドラムとを備え、前記締結部材が、車両前後方向で前記スロットルドラムと反対側から前記ケーブル支持ステーに螺合されることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第5の特徴の構成に加えて、前記支持筒の前記筒体が、前記締結片に関して前記ケーブル支持ステーと反対側の部分に、車幅方向で前記ボディ側に湾曲した湾曲部を有するように形成されることを第6の特徴とする。
【0012】
本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ケーブル支持ステーに、円形の取付け孔部と、該取付け孔部の直径よりも小さな幅を有して前記取付け孔部に一端部が連なるとともに前記ケーブル支持ステーの外側縁に他端部を開放したスリット部とから成る切欠きとが形成され、前記支持筒の筒体が、前記切欠きのうち前記取付け孔部のみに挿通可能として前記締結片から前記スロットルドラム側に延びる大径筒部と、前記スリット部を経て前記取付け孔部側に変位することを可能としつつ前記取付け孔部および前記スリット部の両方に挿通可能として前記大径筒部よりも小径に形成されて該大径筒部に同軸に連なる小径筒部とを有するように形成されることを第7の特徴とする。
【0013】
本発明は、第1〜第7の特徴の構成のいずれかに加えて、前記スロットルボディが、吸気通路を有するボディと、前記吸気通路を横切って前記ボディに回動自在に支持される弁軸と、前記吸気通路の開度を調整するようにして前記弁軸に固定されるスロットル弁と、平面視で前記ボディおよび前記一方のフレーム部材間に配置されて前記弁軸の外端部に固定されるスロットルドラムとを備え、前記スロットル弁を開く側に前記スロットルドラムを回動させる開側の前記スロットルケーブルと、前記スロットル弁を閉じる側に前記スロットルドラムを回動させる閉側の前記スロットルケーブルとが前記スロットルドラムに接続され、前記開側のスロットルケーブルおよび前記閉側のスロットルケーブルに個別に対応しつつ上下に分かれて配置される一対の前記支持筒の前記締結片が、前記筒体を相互間に挟む位置で前記ケーブル支持ステーに締結されることを第8の特徴とする。
【0014】
本発明は、第8の特徴の構成に加えて、前記ケーブル支持ステーに、前記開側および前記閉側のスロットルケーブルに個別に対応した前記支持筒を個別に締結させるようにしてそれぞれ斜め上向きに臨む開側の締結面および閉側の締結面と、それらの締結面間に介在する屈曲部とが形成され、前記開側の締結面および閉側の締結面のうち前記屈曲部よりも下方の締結面が上方の締結面よりも上向きに指向して形成されることを第9の特徴とする。
【0015】
さらに本発明は、第8または第9の特徴の構成に加えて、前記開側のスロットルケーブルおよび前記閉側のスロットルケーブルに個別に対応した一対の前記支持筒が、相互に分離して形成されることを第10の特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の特徴によれば、ケーブル支持ステーを貫通する筒体と、該筒体から径方向に張出す締結片とを一体に有する支持筒が、締結操作方向を車両前後方向としつつ筒体から離隔した位置で締結片に挿通される締結部材を、ケーブル支持ステーに螺合することでケーブル支持ステーに締結されるので、車両前後方向から工具を締結部材にあてがうようにして締結部材に容易にアクセスすることができ、支持筒のケーブル支持ステーに対する着脱作業性を高めることができ、特に車体フレームの一部を構成するフレーム部材がスロットルボディの車幅方向外側に近接し易い鞍乗り型車両において好適なスロットルケーブル支持構造とすることができる。
【0017】
また本発明の第2の特徴によれば、締結部材の一端部に設けられる被操作部の外郭を、締結部材がケーブル支持ステーに螺合した状態でケーブル支持ステーとは反対側に延出して成る仮想領域内に支持筒が入ることはないので、締結部材の被操作部に係合した工具の作動域を充分に確保することができ、締結部材の締結作業が容易となるとともに、締結作業時に工具が支持筒と干渉しないようにすることができる。
【0018】
本発明の第3の特徴によれば、ケーブル支持ステーに形成される締結面が車両前後方向で斜め上向きを指向しているので、締結部材に斜め上方からアクセスすることができ、締結部材へのアクセスがより容易となる。
【0019】
本発明の第4の特徴によれば、スロットルボディの最大上下寸法の範囲内にケーブル支持ステーが収まるので、支持筒が締結片を有するものであっても、スロットルボディにケーブル支持ステーが取付けられて成る組立体の大型化を回避することができる。
【0020】
本発明の第5の特徴によれば、締結部材が、スロットルケーブルが接続されるようにしてスロットルボディが備えるスロットルドラムとは車両前後方向で反対側からケーブル支持ステーに螺合されるので、締結部材の締結作業時にスロットルドラムが邪魔になることはなく、締結部材への工具のアクセスが容易となる。
【0021】
本発明の第6の特徴によれば、支持筒は、筒体と、該筒体から径方向に延出する締結片とを一体に有するように形成されており、筒体のうち締結片に関してケーブル支持ステーと反対側の部分が車幅方向でスロットルボディのボディ側に湾曲しているので、スロットルボディと、ケーブル支持ステーをスロットルボディとの間に挟むフレーム部材との間の支持筒締結作業空間を広く確保することができ、作業性が向上する。
【0022】
本発明の第7の特徴によれば、取付け孔部と、取付け孔部の直径よりも小さな幅で取付け孔部に一端部が連なるスリット部とから成る切欠きがケーブル支持ステーに形成され、支持筒の筒体が、取付け孔部のみに挿通可能な大径筒部と、取付け孔部およびスリット部の両方に挿通可能な小径筒部とを有するので、支持筒をケーブル支持ステーに締結する際に、支持筒の小径筒部をスリット部から取付け孔部に変位させた後に大径筒部が取付け孔部に挿通された状態とする。そうすると、大径筒部はスリット部を通過することはできずに取付け孔部に挿通された状態を維持し、支持筒がケーブル支持ステーから脱落しにくくなる。すなわち締結作業前に支持筒をケーブル支持ステーに仮止めすることができ、締結部材による締結作業をより容易に行うことができる。
【0023】
本発明の第8の特徴によれば、スロットルボディが備えるスロットルドラムに、スロットル弁を開く側にスロットルドラムを回動させる開側のスロットルケーブルと、スロットル弁を閉じる側にスロットルドラムを回動させる閉側のスロットルケーブルとが接続され、開側および閉側のスロットルケーブルに個別に対応して上下に分かれた支持筒の締結片が、筒体を相互間に挟む位置でケーブル支持ステーに上下に締結されるので、一対の支持筒がケーブル支持ステーに締結される場合でも、車幅方向外側へのケーブル支持ステーの大型化を回避することができる。しかも一対の支持筒の筒体を相互に近接させて配置することが可能であり、開側および閉側のスロットルケーブルのスロットルドラムへの掛かり代を充分に確保することができる。
【0024】
本発明の第9の特徴によれば、ケーブル支持ステーに、一対の支持筒を個別に締結させるようにして斜め上向きに臨む開側の締結面および閉側の締結面が形成されるとともに、それらの締結面間に介在する屈曲部が形成されるので、開側および閉側のスロットルケーブルに個別に対応した支持筒が上下に分かれてケーブル支持ステーに締結される構造であってもケーブル支持ステーの上下寸法を小さくすることができる。しかも開側の締結面および閉側の締結面のうち屈曲部よりも下方の締結面が上方の締結面よりも上向きに指向しているので、ケーブル支持ステーに関してスロットルドラムとは反対側に配置される周辺部材への工具の干渉を防止して作業性を高めることができる。
【0025】
さらに本発明の第10の特徴によれば、一対の支持筒が相互に分離しているので、開側および閉側のスロットルケーブルのケーブル支持ステーに対する個別の着脱が可能であり、開側および閉側のスロットルケーブルを個別に交換することができることでメンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】自動二輪車の右側面図である。
図2】乗車用シートおよび車体カバーを省略した状態での図1の2矢視図である。
図3図2の3矢視図である。
図4】スロットルボディを図3の4−4線矢視方向から見た図である。
図5図4の5矢視図である。
図6図5の6−6線に沿う断面図である。
図7】ケーブル支持ステーを図4と同一方向から見た図である。
図8】スロットルケーブルのスロットルグリップへの接続状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、添付の図1図8を参照しながら説明する。なお以下の説明で、前後、左右および上下は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
【0028】
先ず図1および図2において、鞍乗り型車両であるスクータ型の自動二輪車の車体フレームFは、その前端のヘッドパイプ11と、該ヘッドパイプ11に前端部が結合されるメインフレーム12と、車幅方向に延びて前記メインフレーム12の後部に設けられるクロスパイプ13と、該クロスパイプ13の両端部に前端部がそれぞれ連設されて車両前後方向に延びる左右一対のフレーム部材としてのリヤフレーム14とを備える。前記ヘッドパイプ11には、前輪WFを支持するフロントフォーク15と、棒状の操向ハンドル16とが操向可能に支承される。
【0029】
前記メインフレーム12は、前記ヘッドパイプ11から後下がりに傾斜したダウンフレーム部12aと、該ダウンフレーム部12aの後端からほぼ水平にして後方に延びるロアフレーム部12bとを一体に有し、単一のパイプが屈曲成形されて成る。また前記リヤフレーム14は、前記クロスパイプ13から後上がりに傾斜して上方に延びる立ち上がりフレーム部14aと、該立ち上がりフレーム部14aの上端から該立ち上がりフレーム部14aよりも緩やかな傾斜角度で後ろ上がりに傾斜しつつ後方に延びるシートレール部14bとを一体に有し、単一のパイプが屈曲成形されて成る。
【0030】
前記車体フレームFにおける両リヤフレーム14の前部すなわち立ち上がりフレーム部14aの下部に設けられるブラケット17に、ユニットスイング式のパワーユニットPが、上下に揺動することを可能としつつリンク18を介して連結される。
【0031】
車体フレームFにおける両リヤフレーム14の前部間には収納ボックス20が支持されており、該収納ボックス20を上方から覆うタンデム型の乗車用シート21が開閉可能として前記収納ボックス20の前側上部に支持される。さらに収納ボックス20の後方には、前記両リヤフレーム14で支持される燃料タンク22が前記乗車用シート21で覆われるようにして配置される。
【0032】
前記車体フレームF、前記パワーユニットPの一部、前記収納ボックス20および前記燃料タンク22は、車体カバー23で覆われており、この車体カバー23は、前記ヘッドパイプ11を前方から覆うフロントカバー24と、前記乗車用シート21に座った乗員の脚部を前方から覆うようにして前記フロントカバー24に連なるレッグシールド25と、前記乗車用シート21に座った乗員が足を載せるようにして前記レッグシールド25の下部に連設されて前記パワーユニットPの前方に配置されるステップフロア26と、該ステップフロア26の両側から下方に垂下される左右一対のスカート部27と、前記収納ボックス20および前記燃料タンク22を側方から覆うサイドカバー28とを備える。
【0033】
図3を併せて参照して、前記パワーユニットPは、シリンダ軸線を前上がりに傾斜させて後輪WRの前方に配置される空冷式単気筒の内燃機関Eと、該内燃機関Eの出力を無段階に変速して後輪WRに伝達するための無段変速機Mとで構成されており、前記内燃機関Eの機関本体30が前記リンク18を介して前記ブラケット17に支持される。また車体フレームFの後端部および前記パワーユニットP間にリヤクッションユニット29が設けられる。
【0034】
前記内燃機関Eの機関本体30は、平面視で前記車体フレームFのうち左右一対のリヤフレーム14間に配置されており、この機関本体30のシリンダヘッド31を含む前部はシュラウド32で覆われる。
【0035】
前記シリンダヘッド20の上部側壁には前後方向に延びる吸気管35の下流端部が接続されており、該吸気管35の上流端部にはスロットルボディ36が接続される。また後輪WRの左側で前記無段変速機Mの上方には、該無段変速機Mで支持されるエアクリーナ37が配置されており、このエアクリーナ37はコネクティングチューブ38を介して前記スロットルボディ36に接続される。しかも前記吸気管35および前記スロットルボディ36は、平面視で左右一対の前記リヤフレーム14間に配置される。
【0036】
前記吸気管35の上部には前記シリンダヘッド20内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁39が取付けられる。この燃料噴射弁39にはゴム製の燃料ホース40の下流端部が接続されており、該燃料ホース40の上流端部には前記燃料タンク22からの燃料を導く樹脂製の燃料ホース41の下流端部がジョイント42を介して接続される。このように燃料タンク22および燃料噴射弁39間を結ぶ燃料経路の一部をゴム製の燃料ホース40で構成することによって燃料脈動を吸収することが可能である。
【0037】
前記ゴム製の燃料ホース40の大部分は、筒状のプロテクタカバー43で覆われており、このプロテクタカバー43は、前記吸気管35に締結されるホース支持ステー44に設けられる一対の保持部44a,44bで保持される。また前記樹脂製の燃料ホース41のうち前記ジョイント42寄りの部分は、前記機関本体30のシリンダブロック(図示せず)に前記シュラウド32を貫通して締結されるクランパ45で保持され、このクランパ45よりも後方で前記樹脂製の燃料ホース41の中間部は、左側の前記リヤフレーム14に固着されたステー46に取付けられるクランパ47で保持される。
【0038】
図4図6を併せて参照して、前記スロットルボディ36は、吸気通路49を有するボディ50と、略水平な軸線を有して前記吸気通路49を横切るようにして前記ボディ50に回動可能に支承される弁軸51と、吸気通路49の開度を調整するようにして前記吸気通路49内で前記弁軸51に固定されるバタフライ型のスロットル弁52と、前記ボディ50の外方で前記弁軸51の外端部に固着されるスロットルドラム53とを備える。
【0039】
前記スロットルドラム53は、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態で前記ボディ50の右側方に配置されるものであり、平面視で右側のリヤフレーム14および前記ボディ50間に前記スロットルドラム53が配置される。
【0040】
前記ボディ50において前記スロットルドラム53とは反対側すなわち左側には、前記燃料噴射弁39の燃料噴射量および点火時期等の内燃機関Eの運転制御を行なうための制御ユニットを収容する制御ボックス54が取付けられる。
【0041】
図7を併せて参照して、前記スロットルボディ36には、平面視で右側のリヤフレーム14および前記スロットルボディ36間に配置されるケーブル支持ステー55が取付けられており、このケーブル支持ステー55は、前記スロットルボディ36のボディ50に締結される取付け板部55aと、該取付け板部55aの外端に直角に連なって車両前後方向に沿う後方に延びる延出板部55bと、該延出板部55bの後端に直角に連なって車幅方向外方に突出する支持板部55cとを一体に有する。
【0042】
このケーブル支持ステー55の上下寸法L1は、前記スロットルボディ36の最大上下寸法L2よりも小さく、かつ前記スロットルボディ36の最大上下寸法L2の範囲内に収まるように形成される。
【0043】
前記取付け板部55aには、前記ボディ50に突設された位置決め突起57を嵌合させる位置決め孔56と、その位置決め孔56の上方に位置する挿通孔58とが設けられており、車両前後方向に沿う後方から前記挿通孔58に挿通されるねじ部材59を前記ボディ50に螺合して締め付けることによって前記取付け板部55aが前記ボディ50に締結されることになり、前記ケーブル支持ステー55の前記ボディ50への締結状態で、前記支持板部55cは前記スロットルドラム53に車両前後方向に沿う後方から対向するように配置される。
【0044】
前記スロットルドラム53には、前記スロットル弁52を開く側に前記スロットルドラム53を回動させる開側のスロットルケーブル61と、前記スロットル弁52を閉じる側に前記スロットルドラム53を回動させる閉側のスロットルケーブル62とが接続されるものであり、前記開側のスロットルケーブル61を挿通、支持するようにして車両前後方向に延びる開側の支持筒63と、前記閉側のスロットルケーブル62を挿通、支持するようにして車両前後方向に延びるとともに前記支持筒63とは分離して形成される閉側の支持筒64とが、前記ケーブル支持ステー55の前記支持板部55cに締結される。
【0045】
前記開側および前記閉側の支持筒63,64は、前記ケーブル支持ステー55の支持板部55cを貫通する筒体63a,64aと、該筒体63a,64aから径方向に張出す締結片63b,64bとを一体に有するように形成され、締結操作方向69を車両前後方向としつつ前記筒体63a,64aの軸線から離間した位置で前記締結片63b,64bに挿通される締結部材67,68が、車両前後方向で前記スロットルドラム53と反対側すなわち後側から前記ケーブル支持ステー55に螺合される。
【0046】
前記ケーブル支持ステー55の支持板部55cには、前記開側の支持筒63の締結片63bを締結するための開側の締結面71と、前記閉側の支持筒64の締結片64bを締結するための閉側の締結面72とが、前記開側の締結面71が前記閉側の締結面72の下方に位置するようにしつつ車両前後方向で斜め上向き、この実施の形態では後方斜め上向きを指向するように形成される。
【0047】
しかも前記開側の締結面71および前記閉側の締結面72のうち下方に配置される開側の締結面71は、上方に配置される閉側の締結面72よりも上向きに指向して形成されるものであり、前記ケーブル支持ステー55の前記支持板部55cには、前記開側の締結面71および前記閉側の締結面72間に介在する屈曲部73が形成される。
【0048】
前記締結部材67,68は、この実施の形態では、工具であるドライバを係合させる係合穴が形成された被操作部67a,68aが一端部に設けられるようにしたビスであるが、インパクトレンチ等の工具を被操作部に直接嵌合させて回転駆動することができるものであってもよく、ボルトで代用することも可能である。
【0049】
前記支持筒63,64の締結片63b,64bに挿通された前記締結部材67,68を螺合するためのねじ孔74,75を形成するボス部55d,55eが、前記支持板部55cから前記スロットルドラム53側に一部が突出するようにして前記ケーブル支持ステー55に設けられる。
【0050】
しかも前記開側および前記閉側の支持筒63,64の前記締結片63b,64bは、前記筒体63a,64aを相互間に挟む位置で前記ケーブル支持ステー55の支持板部55cに締結されるものであり、前記ねじ孔74,75も前記開側および閉側の締結面71,72の相互に離隔した位置に開口するように配置される。
【0051】
また前記締結部材67,68が前記ケーブル支持ステー55に螺合した状態で前記締結操作方向69に沿う方向で前記被操作部67a,68aの外郭を前記ケーブル支持ステー55とは反対側に延出して成る仮想領域A1,A2内に前記支持筒63,64が入るのを避けるようにして、前記締結片63a,64aへの前記締結部材67,68の挿通位置が設定される。
【0052】
図7に注目して、前記ケーブル支持ステー55における前記支持板部55cの開側の締結面71に対応する部分には、円形の取付け孔部76と、該取付け孔部76の直径Dよりも小さな幅Wを有して前記取付け孔部76に一端部が連なるとともに前記支持板部55cの外側縁に他端部を開放したスリット部77とから成る切欠き78が、前記ねじ孔74および前記屈曲部73間に配置されるようにして形成される。
【0053】
また前記ケーブル支持ステー55における前記支持板部55cの閉側の締結面72に対応する部分には、円形の取付け孔部79と、該取付け孔部79の直径Dよりも小さな幅Wを有して前記取付け孔部79に一端部が連なるとともに前記支持板部55cの外側縁に他端部を開放したスリット部80とから成る切欠き81が、前記ねじ孔75および前記屈曲部73間に配置されるようにして形成される。
【0054】
一方、開側の前記支持筒63の筒体63aは、前記切欠き78のうち前記取付け孔部76のみに挿通可能として前記締結片63bから前記スロットルドラム53側に延びる大径筒部63aaと、前記スリット部77を経て前記取付け孔部76側に変位することを可能としつつ前記取付け孔部76および前記スリット部77の両方に挿通可能として前記大径筒部63aaよりも小径に形成されて前記大径筒部63aaに同軸に連なる小径筒部63abとを有するように形成される。
【0055】
また閉側の前記支持筒64の筒体64aは、前記切欠き81のうち前記取付け孔部79のみに挿通可能として前記締結片64bから前記スロットルドラム53側に延びる大径筒部64aaと、前記スリット部80を経て前記取付け孔部79側に変位することを可能としつつ前記取付け孔部79および前記スリット部80の両方に挿通可能として前記大径筒部64aaよりも小径に形成されて前記大径筒部64aaに同軸に連なる小径筒部64abとを有するように形成される。
【0056】
また前記開側および前記閉側の支持筒63,64の前記筒体63a,64aは、前記締結片59b,60bに関して前記スロットルドラム53と反対側の部分に、車幅方向で前記スロットルボディ63の前記ボディ50側に湾曲した湾曲部63ac,64acを有するように形成される。
【0057】
前記開側の支持筒63の前記筒体63aにおける前記小径筒部63abの先端部ならびに前記閉側の支持筒64の前記筒体64aにおける前記小径筒部64abの先端部にはブーツ82,83が装着され、前記筒体63a,64aにおける前記湾曲部63ac,64acの先端部にはブーツ85,86が装着される。
【0058】
前記開側および前記閉側のスロットルケーブル61,62は、可撓性を有するケーブルアウターケース87,88内に挿通されており、ケーブルアウターケース87,88の一端部は前記ブーツ85,86から前記支持筒63,64の前記筒体63a,64a内に挿入されて該筒体63a,64aの所定位置内壁に当接され、前記筒体63a,64aを経て前記ブーツ82,83から引き出される前記開側および前記閉側のスロットルケーブル61,62の一端部が、前記スロットルドラム53に相互に逆方向から巻き掛けられようにして該スロットルドラム53に接続される。
【0059】
前記開側および前記閉側のスロットルケーブル61,62は、ケーブルアウターケース87,88とともに前記操向ハンドル16の右端部に回動操作可能に設けられるスロットルグリップ89の近傍まで延出される。
【0060】
図8において、前記操向ハンドル16はハンドルケース90で覆われており、このハンドルケース90の外方で前記操向ハンドル16の右端部には回動操作を可能としてスロットルグリップ89が支持されるこのスロットルグリップ89に車幅方向内方から近接した位置で前記操向ハンドル16には上下に2分割可能に構成されたケース91が固定され、前記ケース91には、前記スロットルグリップ89を握った右手で回動操作することを可能としてブレーキレバー92が回動可能に取付けられる。
【0061】
前記ケース91内で前記操向ハンドル16には、前記スロットルグリップ89とともに回動するドラム93が回動可能に支承され、前記開側のスロットルケーブル61および前記閉側のスロットルケーブル62が、相互に反対側から前記ドラム93に巻き掛けられようにして該ドラム93に接続される。
【0062】
前記ケース91の下部には、前記開側のスロットルケーブル61に対応した支持筒94と、前記閉側のスロットルケーブル62に対応した支持筒95とが取付けられるものであり、一方の支持筒94の一端部外周には前記ケース91の下部に螺合される雄ねじ96が刻設され、この雄ねじ96にはロックナット97が螺合される。すなわち支持筒94は、該支持筒95自体を回転操作して前記ケース91に螺合した状態で前記ロックナット97を締め付けることによって前記ケース91に固定される。
【0063】
また他方の支持筒95には、前記ケース91の下部に設けられたねじ孔98に挿入されて該ねじ孔98の内端部に形成される環状段部99に当接する鍔部95aが形成されており、前記支持筒95を囲繞して前記ねじ孔98に螺合される雄ねじ付きナット100と前記環状段部99との間に前記鍔部95aが挟持されることで、前記他方の支持筒95が前記ケース91に固定される。
【0064】
このように2つの支持筒94,95の前記ケース91への固定構造を異ならせることで、ケース91への前記支持筒94,95の誤組が生じることを回避することができる。
【0065】
なお前記一方の支持筒94の前記ケース91への取付け時に該支持筒94を回転することで開側のスロットルケーブル61にねじれが生じるが、スロットルドラム53側の開側の支持筒63は、閉側の支持筒64とは独立しているので、開側のスロットルケーブル61のねじれを解消した状態で開側の支持筒63をケーブル支持ステー55に取付けることができる。
【0066】
前記支持筒94,95の前記ケース91とは反対側の端部にはブーツ101,102が装着されており、前記開側および前記閉側のスロットルケーブル61,62が挿通されるケーブルアウターケース87,88の他端部は前記ブーツ101,102から前記支持筒94,95内に挿入されて該支持筒94,95の所定位置内壁に当接され、前記ケース91内で前記支持筒101,102から引き出される前記開側および前記閉側のスロットルケーブル61,62の一端部が、前記ドラム93に接続される。
【0067】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、平面視で一対のリヤフレーム14のうち右側のリヤフレーム14およびスロットルボディ35間に配置されてスロットルボディ35に取付けられるケーブル支持ステー55に、開側のスロットルケーブル61を挿通、支持するようにして車両前後方向に延びる開側の支持筒63と、閉側のスロットルケーブル62を挿通、支持するようにして車両前後方向に延びる閉側の支持筒64とが締結されるのであるが、前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64は、前記ケーブル支持ステー55を貫通する筒体63a,64aと、該筒体63a,64aから径方向に張出す締結片63b,64bとを一体に有するように形成され、締結操作方向69を車両前後方向としつつ前記筒体63a,64aの軸線から離間した位置で前記締結片63b,64bに挿通される締結部材67,68が、前記ケーブル支持ステー55に螺合されるので、車両前後方向から工具を締結部材67,68にあてがうようにして締結部材67,68に容易にアクセスすることができ、前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64の前記ケーブル支持ステー55に対する着脱作業性を高めることができ、特に車体フレームFの一部を構成するリヤフレーム14がスロットルボディ36の車幅方向外側に近接し易い自動二輪車等の鞍乗り型車両において好適なスロットルケーブル支持構造とすることができる。
【0068】
また前記締結部材67,68の一端部に、工具を係合して回転操作するための被操作部67a,68aが設けられ、前記締結部材67,68が前記ケーブル支持ステー55に螺合した状態で前記締結操作方向69に沿う方向で前記被操作部67a,68aの外郭を前記ケーブル支持ステー55とは反対側に延出して成る仮想領域A1,A2内に前記支持筒63,64が入るのを避けるようにして、前記締結片63a,64aへの前記締結部材67,68の挿通位置が設定されるので、締結部材67,68の被操作部67a,68aに係合した工具の作動域を充分に確保することができ、締結部材67,68の締結作業が容易となるとともに、締結作業時に工具が支持筒63,64と干渉しないようにすることができる。
【0069】
また前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64を締結するために前記ケーブル支持ステー55に形成される開側および閉側の締結面71,72が車両前後方向で斜め上向きを指向するように、前記ケーブル支持ステー55が前記スロットルボディ36に取付けられるので、締結部材67,68に斜め上方からアクセスすることができ、締結部材67,68へのアクセスがより容易となる。
【0070】
また前記ケーブル支持ステー55が、前記スロットルボディ36の最大上下寸法L2の範囲内に収まるように形成されるので、支持筒63,64が締結片63b,64bを有するものであっても、スロットルボディ36にケーブル支持ステー55が取付けられて成る組立体の大型化を回避することができる。
【0071】
またスロットルボディ36が、吸気通路49を有するボディ50と、前記吸気通路49を横切って前記ボディ50に回動自在に支持される弁軸51と、前記吸気通路49の開度を調整するようにして前記弁軸51に固定されるスロットル弁52と、平面視で前記ボディ50および右側のリヤフレーム14間に配置されて前記弁軸51の外端部に固定されるとともに前記開側のスロットルケーブル61および前記閉側のスロットルケーブル62が接続されるスロットルドラム53とを備え、前記締結部材67,68が、車両前後方向で前記スロットルドラム53と反対側から前記ケーブル支持ステー55に螺合されるので、締結部材67,68の締結作業時にスロットルドラム53が邪魔になることはなく、締結部材67,68への工具のアクセスが容易となる。
【0072】
また前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64の前記筒体63a,64aが、前記締結片59b,60bに関して前記ケーブル支持ステー55と反対側の部分に、車幅方向で前記スロットルボディ36の前記ボディ50側に湾曲した湾曲部63ac,64acを有するように形成されるので、スロットルボディ36と、右側のリヤフレーム14との間の支持筒締結作業空間を広く確保することができ、作業性が向上する。
【0073】
また前記ケーブル支持ステー55に、円形の取付け孔部76,79と、該取付け孔部76,79の直径Dよりも小さな幅Wを有して前記取付け孔部76,79に一端部が連なるとともに前記ケーブル支持ステー55の外側縁に他端部を開放したスリット部77,80とから成る切欠き78,81とが形成され、前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64の筒体63a,64aが、前記切欠き78,81のうち前記取付け孔部76,79のみに挿通可能として前記締結片63b,64bから前記スロットルドラム53側に延びる大径筒部63aa,64aaと、前記スリット部77,80を経て前記取付け孔部76,79側に変位することを可能としつつ前記取付け孔部76,79および前記スリット部77,80の両方に挿通可能として前記大径筒部63aa,64aaよりも小径に形成されて該大径筒部63aa,64aaに連なる小径筒部63ab,64abとを有するように形成されるので、前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64をケーブル支持ステー55に締結する際に、前記支持筒63,64の小径筒部63ab,64abをスリット部77,80から取付け孔部76,79に変位させた後に大径筒部63aa,64aaが取付け孔部76,79に挿通された状態とすると、大径筒部63aa,64aaはスリット部77,80を通過することはできずに取付け孔部76,79に挿通された状態を維持し、前記支持筒63,64がケーブル支持ステー55から脱落しにくくなる。すなわち締結作業前に支持筒63,64をケーブル支持ステー55に仮止めすることができ、締結部材67,68による締結作業をより容易に行うことができる。
【0074】
また前記開側のスロットルケーブル61および前記閉側のスロットルケーブル62に個別に対応しつつ上下に分かれて配置される前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64の前記締結片63b,64bが、前記筒体63a,64aを相互間に挟む位置で前記ケーブル支持ステー55に締結されるので、一対である前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64がケーブル支持ステー55に締結される場合でも、車幅方向外側へのケーブル支持ステー55の大型化を回避することができる。しかも前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64の筒体63a,64aを相互に近接させて配置することが可能である。それによって開側および閉側のスロットルケーブル61,62のスロットルドラム53への掛かり代を充分に確保することができ、前記スロットルケーブル61,62のうち前記スロットルドラム53に接続される部位となる先端部に引っ張り荷重が集中するのを防ぐことができる。
【0075】
また前記ケーブル支持ステー55に、前記開側および前記閉側のスロットルケーブル61,62に個別に対応した前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64を個別に締結させるようにしてそれぞれ斜め上向きに臨む開側の締結面71および閉側の締結面72と、それらの締結面71,72間に介在する屈曲部73とが形成されるので、前記開側の支持筒63および前記閉側の支持筒64が上下に分かれてケーブル支持ステー55に締結される構造であってもケーブル支持ステー55の上下寸法を小さくすることができる。しかも前記開側の締結面71および前記閉側の締結面72のうち前記屈曲部73よりも下方に在る開側の締結面71が上方の閉側の締結面72よりも上向きに指向して形成されるので、ケーブル支持ステー55に関してスロットルドラム53とは反対側に配置される周辺部材への工具の干渉を防止して作業性を高めることができる。
【0076】
さらに前記開側のスロットルケーブル61および前記閉側のスロットルケーブル62に個別に対応した開側の支持筒63および閉側の支持筒64が、相互に分離して形成されるので、開側および閉側のスロットルケーブル61,62のケーブル支持ステー55に対する個別の着脱が可能であり、開側および閉側のスロットルケーブル61,62を個別に交換することができることでメンテナンス性が向上する。
【0077】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0078】
14・・・フレーム部材であるリヤフレーム
30・・・機関本体
35・・・吸気管
36・・・スロットルボディ
49・・・吸気通路
50・・・ボディ
51・・・弁軸
52・・・スロットル弁
53・・・スロットルドラム
55・・・ケーブル支持ステー
61・・・開側のスロットルケーブル
62・・・閉側のスロットルケーブル
63・・・開側の支持筒
63a,64a・・・筒体
63aa,64aa・・・大径筒部
63ab,64ab・・・小径筒部
63ac,64ac・・・湾曲部
63b,64b・・・締結片
64・・・閉側の支持筒
67,68・・・締結部材
67a,68a・・・被操作部
69・・・締結操作方向
71・・・開側の締結面
72・・・閉側の締結面
73・・・屈曲部
76,79・・・取付け孔部
77,80・・・スリット部
78,81・・・切欠き
A1,A2・・・仮想領域
D・・・取付け孔部の直径
E・・・内燃機関
F・・・車体フレーム
W・・・スリット部の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8