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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227648(P2015-227648A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】タービン建屋の浸水防止装置
(51)【国際特許分類】
   F01K 9/00 20060101AFI20151120BHJP
   G21D 3/04 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   F01K9/00 A
   G21D3/04 F
   G21D3/04 U
   G21D3/04 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-114116(P2014-114116)
(22)【出願日】2014年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】一戸 崇宏
(57)【要約】
【課題】タービン建屋の浸水防止装置において、安全性の向上を図る。
【解決手段】循環水ポンプ54と、循環水ポンプ54により取水された海水(冷却水)をタービン建屋71に供給する取水管63と、取水管63に設けられる第1水平部63aと、第1水平部63aに空気を供給可能な第1給気装置91と、タービン建屋71の加速度を検出する地震加速度計101と、地震加速度計101の検出結果に応じて第1給気装置91を作動する制御装置100とを設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取水ポンプと、
前記取水ポンプにより取水された冷却水をタービン建屋に供給する冷却水供給ラインと、
前記冷却水供給ラインに設けられる第1立ち上がり部と、
前記第1立ち上がり部に空気を供給可能な第1給気装置と、
前記冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態を検出する第1検出装置と、
前記第1検出装置の検出結果に応じて前記第1給気装置を作動する制御装置と、
を有することを特徴とするタービン建屋の浸水防止装置。
【請求項2】
前記第1検出装置は、地震加速度計を有し、前記制御装置は、前記地震加速度計が検出した加速度が予め設定された閾値を超えると前記第1給気装置を作動することを特徴とする請求項1に記載のタービン建屋の浸水防止装置。
【請求項3】
前記第1検出装置は、前記タービン建屋に設けられる水位計を有し、前記制御装置は、前記水位計が検出した水位が予め設定された閾値を超えると前記第1給気装置を作動することを特徴とする請求項1に記載のタービン建屋の浸水防止装置。
【請求項4】
前記第1検出装置は、前記取水ポンプのトリップを検出する検出器を有し、前記制御装置は、前記検出器がトリップを検出すると前記第1給気装置を作動することを特徴とする請求項1に記載のタービン建屋の浸水防止装置。
【請求項5】
前記冷却水供給ラインに開閉弁が設けられ、前記第1検出装置は、前記開閉弁の開故障を検出する検出器を有し、前記制御装置は、前記検出器が開故障を検出すると前記第1給気装置を作動することを特徴とする請求項1に記載のタービン建屋の浸水防止装置。
【請求項6】
前記第1検出装置は、交流電源設備の喪失を検出する検出器を有し、前記制御装置は、前記検出器が前記交流電源設備の喪失を検出すると前記第1給気装置を作動することを特徴とする請求項1に記載のタービン建屋の浸水防止装置。
【請求項7】
前記第1検出装置の検出結果に応じて警報を発する警報機と、前記第1給気装置を作動する操作部とが設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のタービン建屋の浸水防止装置。
【請求項8】
前記タービン建屋に供給された冷却水を排出する冷却水排出ラインと、前記冷却水排出ラインに設けられる第2立ち上がり部と、前記第2立ち上がり部に空気を供給可能な第2給気装置と、前記冷却水排出ラインにおける冷却水の排出状態を検出する第2検出装置とが設けられ、前記制御装置は、前記第2検出装置の検出結果に応じて前記第2給気装置を作動することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のタービン建屋の浸水防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、発電プラントにて、外部から冷却水を導入して各種の機器を冷却する冷却水ラインが設けられるタービン建屋の浸水防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を有する原子力発電プラントは、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、原子炉の炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水(1次冷却材)を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気(2次冷却材)をタービン発電機へ送って発電するものである。この蒸気発生器は、原子炉からの高温高圧の1次冷却材の熱を2次冷却材に伝え、ここで水蒸気を発生させるものである。
【0003】
このような原子力発電プラントでは、海岸や河川の近傍に取水設備を設置し、海水や河川水を冷却水として使用している。例えば、循環水ポンプにより海水を取り込んでタービン建屋内の復水器へ供給し、タービンから排出された蒸気(2次冷却材)を冷却する。また、海水ポンプにより海水を取り込んで原子炉建屋内の原子炉補機冷却水冷却器へ供給し、原子炉格納容器から排出された冷却水(1次冷却材)を冷却する。
【0004】
このような取水設備にて、取水ピット及び循環水ポンプは、タービン建屋の外部にあり、循環水ポンプからの冷却水供給配管がタービン建屋内に延出されて復水器に連結され、この復水器からの冷却水排出配管がタービン建屋の外部の放水ピットまで延出されている。この場合、循環水ポンプの低い出力で取水ピットの冷却水を冷却水供給配管から復水器に供給可能としている。
【0005】
ところで、地震の発生などにより、例えば、冷却水供給配管が損傷すると、冷却水が漏れてタービン建屋が浸水してしまうおそれがある。このとき、循環水ポンプが停止しても、サイフォン効果により、取水ピットの冷却水が冷却水供給配管を通してタービン建屋内に供給し続けるため、タービン建屋の浸水を防止することが困難となる。なお、復水器から蒸気タービン側への水の流入を防止するものとして、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された軸流排気タービン用直触式復水装置は、冷却塔と復水器の間に冷却水ライン及び循環水ラインを配置し、冷却水ラインに立ち上がり部が形成されている。この立ち上がり部の頂部近傍に枝管とバルブとからなるサイフォンブレーカを接続することで、循環水ラインに配置された復水器から冷却塔に送水する循環水ポンプのトリップ時に、冷却水ラインからの水の流入を防ぐものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−193417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1の軸流排気タービン用直触式復水装置では、循環水ポンプのトリップ時にサイフォンブレーカを作動することで、冷却水ラインからの水の流入を防止している。しかし、サイフォンブレーカの作動条件として、循環水ポンプのトリップを検出するだけでは不十分であり、更なる安全性の向上が望まれている。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、安全性の向上を図るタービン建屋の浸水防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明のタービン建屋の浸水防止装置は、取水ポンプと、前記取水ポンプにより取水された冷却水をタービン建屋に供給する冷却水供給ラインと、前記冷却水供給ラインに設けられる第1立ち上がり部と、前記第1立ち上がり部に空気を供給可能な第1給気装置と、前記冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態を検出する第1検出装置と、前記第1検出装置の検出結果に応じて前記第1給気装置を作動する制御装置と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
従って、第1検出装置が冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態を検出し、制御装置が冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態に応じて第1給気装置を作動する。即ち、冷却水供給ラインに第1立ち上がり部が設けられていることから、冷却水供給ラインの破損や取水ポンプの故障などにより冷却水供給ラインにおける冷却水が、第1立ち上がり部によりタービン建屋内に流入するおそれがある。このとき、第1給気装置を作動することで、第1立ち上がり部に空気を供給するため、冷却水供給ラインにおける冷却水が第1立ち上がり部によりタービン建屋内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【0011】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置では、前記第1検出装置は、地震加速度計を有し、前記制御装置は、前記地震加速度計が検出した加速度が予め設定された閾値を超えると前記第1給気装置を作動することを特徴としている。
【0012】
従って、タービン建屋の加速度が閾値を超えると、第1給気装置を作動するため、地震などにより冷却水供給ラインが破損しても、タービン建屋内への冷却水の流入を防止することができる。
【0013】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置では、前記第1検出装置は、前記タービン建屋に設けられる水位計を有し、前記制御装置は、前記水位計が検出した水位が予め設定された閾値を超えると前記第1給気装置を作動することを特徴としている。
【0014】
従って、タービン建屋の水位が閾値を超えると、第1給気装置を作動するため、タービン建屋の浸水を未然に防止することができる。
【0015】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置では、前記第1検出装置は、前記取水ポンプのトリップを検出する検出器を有し、前記制御装置は、前記検出器がトリップを検出すると前記第1給気装置を作動することを特徴としている。
【0016】
従って、取水ポンプがトリップすると、第1給気装置を作動するため、取水ポンプがトリップしても、タービン建屋内への冷却水の流入を防止することができる。
【0017】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置では、前記冷却水供給ラインに開閉弁が設けられ、前記第1検出装置は、前記開閉弁の開故障を検出する検出器を有し、前記制御装置は、前記検出器が開故障を検出すると前記第1給気装置を作動することを特徴としている。
【0018】
従って、冷却水供給ラインの開閉弁が開故障すると、第1給気装置を作動するため、開閉弁が故障しても、タービン建屋内への冷却水の流入を防止することができる。
【0019】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置では、前記第1検出装置は、交流電源設備の喪失を検出する検出器を有し、前記制御装置は、前記検出器が前記交流電源設備の喪失を検出すると前記第1給気装置を作動することを特徴としている。
【0020】
従って、交流電源設備が喪失すると、第1給気装置を作動するため、取水ポンプが停止しても、タービン建屋内への冷却水の流入を防止することができる。
【0021】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置では、前記第1検出装置の検出結果に応じて警報を発する警報機と、前記第1給気装置を作動する操作部とが設けられることを特徴としている。
【0022】
従って、警報機が冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態に応じて警報を発するため、作業者は、操作部により必要に応じて第1給気装置を作動することができ、安全性を向上することができる。
【0023】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置では、前記タービン建屋に供給された冷却水を排出する冷却水排出ラインと、前記冷却水排出ラインに設けられる第2立ち上がり部と、前記第2立ち上がり部に空気を供給可能な第2給気装置と、前記冷却水排出ラインにおける冷却水の排出状態を検出する第2検出装置とが設けられ、前記制御装置は、前記第2検出装置の検出結果に応じて前記第2給気装置を作動することを特徴としている。
【0024】
従って、第2検出装置が冷却水排出ラインにおける冷却水の排出状態を検出し、制御装置が冷却水排出ラインにおける冷却水の排出状態に応じて第2給気装置を作動する。即ち、冷却水排出ラインに第2立ち上がり部が設けられていることから、冷却水排出ラインの破損などにより冷却水排出ラインにおける冷却水が、第2立ち上がり部によりタービン建屋内に流入するおそれがある。このとき、第2給気装置を作動することで、第2立ち上がり部に空気を供給するため、冷却水排出ラインにおける冷却水が第2立ち上がり部によりタービン建屋内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のタービン建屋の浸水防止装置によれば、冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態を検出する第1検出装置と、第1検出装置の検出結果に応じて第1給気装置を作動する制御装置を設けるので、タービン建屋の浸水を防止して安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、第1実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。
図2図2は、原子力発電プラントを表す概略構成図である。
図3図3は、原子力発電プラントにおける冷却水を用いた冷却系統を表す概略図である。
図4図4は、第2実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。
図5図5は、第3実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。
図6図6は、第4実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。
図7図7は、第5実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明のタービン建屋の浸水防止装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0028】
まず、本発明のタービン建屋の浸水防止装置が設置される原子力発電プラントについて説明する。
図2は、原子力発電プラントを表す概略構成図、図3は、原子力発電プラントにおける冷却水を用いた冷却系統を表す概略図である。
【0029】
原子力発電プラントは、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を有するものである。
【0030】
加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図2に示すように、原子炉格納容器11は、内部に加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは配管14,15を介して連結されており、配管14に加圧器16が設けられ、配管15に1次冷却水ポンプ17が設けられている。この場合、減速材及び1次冷却水(冷却材)として軽水を用い、炉心部における1次冷却水の沸騰を抑制するために、1次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料(原子燃料)として低濃縮ウランまたはMOXにより1次冷却水として軽水が加熱され、高温の1次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高温高圧の1次冷却水と2次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた1次冷却水は配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
【0031】
蒸気発生器13は、配管18を介して蒸気タービン19と連結されており、この配管18に主蒸気隔離弁20が設けられている。蒸気タービン19は、高圧タービン21と低圧タービン22を有すると共に、発電機(発電装置)23が接続されている。また、高圧タービン21と低圧タービン22との間には、湿分分離加熱器24が設けられており、配管18から分岐した冷却水分岐配管25が湿分分離加熱器24に連結される一方、高圧タービン21と湿分分離加熱器24は低温再熱管26により連結され、湿分分離加熱器24と低圧タービン22は高温再熱管27により連結されている。
【0032】
蒸気タービン19の各低圧タービン22は、復水器28を有しており、各低圧タービン22から蒸気が排出される。また、この復水器28は、配管18からバイパス弁29を有するタービンバイパス配管30が接続されている。
【0033】
そして、この復水器28は、配管31が接続されており、復水ポンプ32、グランドコンデンサ33、復水脱塩装置34、復水ブースタポンプ35、低圧給水加熱器36が接続されている。また、配管31は、脱気器37が連結されると共に、主給水ポンプ38、高圧給水加熱器39、主給水制御弁40が設けられている。
【0034】
従って、蒸気発生器13にて、高温高圧の1次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気(2時冷却水)は、配管18を通して蒸気タービン19(高圧タービン21から低圧タービン22)に送られ、この蒸気により蒸気タービン19を駆動して発電機23により発電を行う。このとき、蒸気発生器13からの蒸気は、高圧タービン21を駆動した後、湿分分離加熱器24で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されてから低圧タービン22を駆動する。そして、蒸気タービン19を駆動した蒸気は、復水器28で海水を用いて冷却されて復水となり、復水ブースタポンプ35、主給水ポンプ38によりグランドコンデンサ33、復水脱塩装置34、低圧給水加熱器36、脱気器37、高圧給水加熱器39などを通して蒸気発生器13に戻される。そして、蒸気発生器13は配管18を介して蒸気タービン19と連結されており、冷却水(蒸気、復水)が原子力発電プラント内を循環している。
【0035】
ところで、上述した原子力発電プラントは、海岸や河川の近傍に設けられており、この海岸や河川に取水設備を設置し、海水や河川水を冷却水として使用している。図3に示すように、取水設備50は、取水路51と取水槽52を有し、取水源としての海から海水を冷却水として取水槽52に貯留可能となっている。取水槽52は、複数の海水ポンプ53と複数の循環水ポンプ54が設けられており、この各海水ポンプ53と各循環水ポンプ54は、貯水槽52の冷却水(海水)を取水することができる。
【0036】
海水ポンプ53は、取水管55を介して原子炉建屋(図示略)内の原子炉補機冷却水冷却器56に連結され、原子炉補機冷却水冷却器56は、排水管57を介して放水路58に連結されている。原子炉補機冷却水冷却器56は、例えば、原子炉格納容器11(図2参照)内に設置された使用済燃料プール(図示略)の冷却水を冷却するものである。そのため、原子炉補機冷却水冷却器56は、海水ポンプ53が取水した海水と使用済燃料プールの冷却水との間で熱交換を行い、冷却水を冷却することができる。
【0037】
また、取水管55は、分岐管59が設けられ、この分岐管59は、電磁弁60を有しており、軸受冷却水冷却器61に連結され、排水管62を介して放水路58に連結されている。軸受冷却水冷却器61は、例えば、原子炉格納容器11(図2参照)内に設置された各種軸受を冷却するものである。そのため、軸受冷却水冷却器61は、海水ポンプ53が取水した海水との間で熱交換を行い、軸受を冷却することができる。なお、海水ポンプ53が取水した海水は、原子炉補機冷却水冷却器56により使用済燃料プールの冷却水を冷却するだけでなく、空調用冷凍機や非常用ディーゼル発電機用冷却器などの冷却に適用される。即ち、海水ポンプ53が取水した海水は、原子炉格納容器11内の1次冷却系ラインを流れることで、1次系の冷却水や各部材を冷却するために使用される。
【0038】
[第1実施形態]
循環水ポンプ54は、取水管63を介してタービン建屋(図示略)内の復水器28に連結され、復水器28は、排水管64を介して放水路58に連結されている。復水器28は、前述したように、低圧タービン22から排出された蒸気を冷却するものである。そのため、復水器28は、循環水ポンプ54が取水した海水と内部を流れる蒸気(2次冷却水)との間で熱交換を行い、蒸気を冷却することができる。また、取水管63は、分岐管66が設けられ、この分岐管66は、電磁弁65を有しており、放水路58に連結されている。即ち、循環水ポンプ54が取水した海水は、原子炉格納容器11外の2次冷却系ラインを流れることで、2次系の冷却水や各部材を冷却するために使用される。
【0039】
図1は、第1実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。
【0040】
図1に示すように、タービン建屋71は、内部に低圧タービン22や復水器28などが収容されている。復水器28は、上方から低圧タービン22で使用された蒸気が流入し、この蒸気を海水により冷却して復水とし、下部から排出する。復水器28は、一端部に入口水室72が設けられ、他端部に出口水室73が設けられており、入口水室72の下部に入口ノズル74が設けられ、出口水室73の下部に出口ノズル75が設けられており、入口水室72と出口水室73が複数の伝熱管(図示略)により連結されている。そして、循環水ポンプ(取水ポンプ)54は、取水管(冷却水供給ライン)63が入口ノズル74に連結され、放水路58へ延出される排水管(冷却水排出ライン)64が出口ノズル75に連結されている。
【0041】
取水管63は、第1水平部63aと第1鉛直部63bと第2水平部63cと第2鉛直部63dとを有している。第1水平部63aは、基端部がタービン建屋71の外部に設けられた循環水ポンプ54に連結され、先端部側が下方に屈曲して第1鉛直部63bの基端部に連結されている。第1鉛直部63bは、先端部が水平方向に屈曲して第2水平部63cの基端部に連結されている。第2水平部63cは、先端部がタービン建屋71内に進入してから上方に屈曲して第2鉛直部63dの基端部に連結され、第2鉛直部63dの先端部が復水器28の入口ノズル74に連結される。
【0042】
この取水管63は、第1水平部63aが最も上方に配置されることから、第1立ち上がり部として機能する。この第1水平部(第1立ち上がり部)63aは、サイフォン効果を利用して循環水ポンプ54の出力(吐出圧)を低圧にすることができ、循環水ポンプ54を小型化することができるものである。取水管63は、第1水平部63aに電動弁81が設けられ、第2水平部63cに伸縮継手82が設けられ、第2鉛直部63dに電動弁83が設けられている。
【0043】
また、排水管64は、第1鉛直部64aと第1水平部64bと第2鉛直部64cと第2水平部64dと第3鉛直部64eを有している。第1鉛直部64aは、基端部が復水器28の出口ノズル75に連結され、先端部が水平方向に屈曲して第1水平部64bに連結されている。第1水平部64bは、先端部がタービン建屋71内から出て上方に屈曲して第2鉛直部64cの基端部に連結されている。第2鉛直部64cは、先端部が水平方向に屈曲して先端部が第2水平部64dの基端部に連結されている。第2水平部64dは、先端部が下方に屈曲して第3鉛直部64eの基端部に連結され、第3鉛直部64eの先端部が放水路58に延出している。
【0044】
この排水管64は、第2水平部64dが最も上方に配置されることから、第2立ち上がり部として機能する。この第2水平部(第2立ち上がり部)64dは、サイフォン効果を利用して連続して排水することができるものである。排水管64は、第1鉛直部64aに電動弁84が設けられ、第1水平部64bに伸縮継手85が設けられている。
【0045】
また、取水管63は、第1水平部(第1立ち上がり部)63aに空気を供給可能な第1給気装置91が設けられている。第1給気装置91は、第1水平部63aに連結される第1空気管92と、第1空気管92に設けられる電動弁93とから構成されている。第1空気管92は、一端部が第1水平部63aに連通し、他端部が大気に開放されており、通常時は、電動弁93により閉止されている。制御装置100は、この電動弁93を開閉可能となっている。
【0046】
排水管64は、第2水平部(第2立ち上がり部)64dに空気を供給可能な第2給気装置94が設けられている。第2給気装置94は、第2水平部64dに連結される第2空気管95と、第2空気管95に設けられる電動弁96とから構成されている。第2空気管95は、一端部が第2水平部64dに連通し、他端部が大気に開放されており、通常時は、電動弁96により閉止されている。制御装置100は、この電動弁96を開閉可能となっている。
【0047】
本発明における取水管63における海水(冷却水)の供給状態を検出する第1検出装置と、排水管64における海水(冷却水)の排出状態を検出する第2検出装置は、地震加速度計101により構成される。地震加速度計101は、タービン建屋71に設けられており、地震発生時におけるタービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、地震加速度計101が検出したタービン建屋71の加速度に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する。具体的に、制御装置100は、地震加速度計101が検出した加速度が予め設定された閾値を超えると、電動弁93,96を開放する。
【0048】
なお、地震加速度計101は、多重化されており、例えば、3個の加速度計101a,101b,101cから構成されている。そして、加速度計101a,101b,101cは、タービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、各加速度計101a,101b,101cが検出したタービン建屋71の加速度に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する。具体的に、制御装置100は、3個の加速度計101が検出した3個の加速度のうち、2個以上の加速度が閾値を超えると、電動弁93,96を開放する。
【0049】
ここで、第1実施形態のタービン建屋の浸水防止装置の作動について説明する。
【0050】
復水器28は、上方から低圧タービン22で使用された蒸気が流入する。循環水ポンプ54は、取水槽52の海水を取水し、取水管63を介してタービン建屋71内の復水器28に供給する。そのため、復水器28に流入した蒸気は、海水により冷却されて復水となり、下部から排出される。一方、蒸気を冷却した海水は、排水管64により放水路58に排出される。このとき、電動弁81,83,84が開放状態に維持されている。
【0051】
地震が発生すると、取水管63、排水管64、循環水ポンプ54、各電動弁81,83,84が損傷するおそれがある。例えば、取水管63の伸縮継手82が破損した場合、取水管63を流れる海水がタービン建屋71内に浸入し、各種機器が浸水してしまう。このとき、循環水ポンプ54や各電動弁81,83が損傷していなければ、循環水ポンプ54を停止し、各電動弁81,83を閉止することで、タービン建屋71の浸水を防止することができる。しかしながら、循環水ポンプ54を停止させても、各電動弁81,83が損傷すると、取水管63を閉止することができず、サイフォン効果により取水槽52の海水が取水管63を介して破損した伸縮継手82からタービン建屋71内に流入する。このため、タービン建屋71への浸水を防止することができない。
【0052】
このとき、地震加速度計101は、地震発生時におけるタービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、地震加速度計101が検出した加速度が閾値を超えると、電動弁93を開放する。すると、外部の空気が第1空気管92を通して取水管63における第1水平部63aに供給されることで、サイフォン効果がなくなり、海水が取水管63を流れなくなるため、タービン建屋71への海水の流入が停止する。このため、タービン建屋71の浸水を防止することができる。
【0053】
一方、排水管64の伸縮継手85が破損した場合、排水管64を流れる海水が逆流してタービン建屋71内に浸入し、各種機器が浸水してしまう。このとき、電動弁84が損傷していなければ、この電動弁84を閉止することで、タービン建屋71の浸水を防止することができる。しかし、電動弁84が損傷すると、排水管64を閉止することができず、サイフォン効果により放水路58から海水が排水管64を介して逆流する。このため、タービン建屋71への浸水(逆流)を防止することができない。
【0054】
このとき、地震加速度計101は、地震発生時におけるタービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、地震加速度計101が検出した加速度が閾値を超えると、電動弁96を開放する。すると、外部の空気が第2空気管95を通して排水管64における第2水平部64dに供給されることで、サイフォン効果がなくなり、海水が排水管64を流れなくなるため、タービン建屋71への海水の流入が停止する。そのため、タービン建屋71の浸水(逆流)を防止することができる。
【0055】
このように第1実施形態のタービン建屋の浸水防止装置にあっては、循環水ポンプ54と、循環水ポンプ54により取水された海水(冷却水)をタービン建屋71に供給する取水管63と、取水管63に設けられる第1水平部(第1立ち上がり部)63aと、第1水平部63aに空気を供給可能な第1給気装置91と、タービン建屋71の加速度を検出する地震加速度計101と、地震加速度計101の検出結果に応じて第1給気装置91を作動する制御装置100とを設けている。
【0056】
従って、地震加速度計101がタービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100がタービン建屋71の加速度に応じて第1給気装置91を作動する。即ち、取水管63に第1水平部63aが設けられていることから、取水管63の破損や循環水ポンプ54の故障などにより取水管63における海水が第1水平部63aによりタービン建屋71内に流入するおそれがある。このとき、第1給気装置91を作動することで、第1水平部63aに空気を供給するため、取水管63における海水が第1水平部63aによりタービン建屋71内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【0057】
即ち、地震が発生し、例えば、取水管63の伸縮継手82が破損すると、取水管63を流れる海水がタービン建屋71内に浸入し、各種機器が浸水してしまう。このとき、循環水ポンプ54を停止させても、各電動弁81,83が損傷すると、取水管63を閉止することができず、サイフォン効果により海水が取水管63を介して破損した伸縮継手82からタービン建屋71内に流入してしまう。そこで、地震発生時に、電動弁93を開放すると、外部の空気が第1空気管92を通して取水管63における第1水平部63aに供給されることでサイフォン効果がなくなり、海水が取水管63を流れなくなるため、タービン建屋71への海水の流入が停止する。このため、タービン建屋71の浸水を防止することができる。
【0058】
第1実施形態のタービン建屋の浸水防止装置では、制御装置100は、地震加速度計101が検出した加速度が予め設定された閾値を超えると第1給気装置91を作動する。従って、取水管63における海水の供給状態に影響を与える地震の発生を検出し、地震によりタービン建屋71の加速度が閾値を超えると、第1給気装置91を作動するため、地震などにより取水管63が破損しても、タービン建屋71内へのサイフォン効果による冷却水の流入を防止することができる。
【0059】
第1実施形態のタービン建屋の浸水防止装置では、タービン建屋71に供給された海水を排出する排水管64と、排水管64に設けられる第2水平部(第2立ち上がり部)64dと、第2水平部64dに空気を供給可能な第2給気装置94と、タービン建屋71の加速度を検出する地震加速度計101とを設け、制御装置100は、地震加速度計101の検出結果に応じて第2給気装置94を作動する。
【0060】
従って、地震加速度計101がタービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100がタービン建屋71の加速度に応じて第2給気装置94を作動する。即ち、排水管64に第2水平部64dが設けられていることから、排水管64の破損などにより排水管64における海水が第2水平部64dによりタービン建屋71内に流入するおそれがある。このとき、第2給気装置94を作動することで、第2水平部64dに空気を供給するため、排水管64における海水が第2水平部64dによりタービン建屋71内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【0061】
即ち、地震が発生し、例えば、排水管64の伸縮継手85が破損すると、排水管64を流れる海水が逆流してタービン建屋71内に浸入し、各種機器が浸水してしまう。このとき、電動弁84が損傷すると、排水管64を閉止することができず、サイフォン効果により海水が排水管64を介して逆流してしまう。そこで、地震発生時に、電動弁96を開放すると、外部の空気が第2空気管95を通して排水管64における第2水平部64dに供給されることで、サイフォン効果がなくなり、海水が排水管64を流れなくなるため、タービン建屋71への海水の流入が停止する。そのため、タービン建屋71の浸水(逆流)を防止することができ、作業員がタービン建屋71に入り破損した伸縮継手85の修理等を行うことができる。
【0062】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0063】
第2実施形態において、図4に示すように、取水管63は、第1水平部(第1立ち上がり部)63aと第1鉛直部63bと第2水平部63cと第2鉛直部63dとを有している。この取水管63は、第1水平部63aに電動弁81が設けられ、第2水平部63cに伸縮継手82が設けられ、第2鉛直部63dに電動弁83が設けられている。また、排水管64は、第1鉛直部(第2立ち上がり部)64aと第1水平部64bと第2鉛直部64cと第2水平部64dと第3鉛直部64eを有している。この排水管64は、第1鉛直部64aに電動弁84が設けられ、第1水平部64bに伸縮継手85が設けられている。
【0064】
また、取水管63は、第1水平部(第1立ち上がり部)63aに空気を供給可能な第1給気装置91が設けられている。第1給気装置91は、第1空気管92と電動弁93とから構成され、制御装置100は、この電動弁93を開閉可能となっている。排水管64は、第2水平部(第2立ち上がり部)64dに空気を供給可能な第2給気装置94が設けられている。第2給気装置94は、第2空気管95と電動弁96とから構成され、制御装置100は、この電動弁96を開閉可能となっている。
【0065】
本発明における取水管63における海水(冷却水)の供給状態を検出する第1検出装置と、排水管64における海水(冷却水)の排出状態を検出する第2検出装置は、水位計102により構成される。水位計102は、タービン建屋71内に設けられており、タービン建屋71内に流入した海水の水位を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、水位計102が検出したタービン建屋71の水位に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する。具体的に、制御装置100は、水位計102が検出したタービン建屋71内に流入した海水の水位が予め設定された閾値を超えると、電動弁93,96を開放する。なお、水位計102は、第1次実施形態の地震加速度計101と同様に、多重化されており、所定数の水位計が検出した海水の水位が閾値を超えると、電動弁93,96を開放する。
【0066】
ここで、地震などが発生すると、取水管63、排水管64、循環水ポンプ54、各電動弁81,83,84が損傷するおそれがある。例えば、取水管63の伸縮継手82が破損した場合、取水管63を流れる海水がタービン建屋71内に浸入し、各種機器が浸水してしまう。このとき、循環水ポンプ54を停止させても、各電動弁81,83が損傷すると、取水管63を閉止することができず、サイフォン効果により取水槽52の海水が取水管63を介して破損した伸縮継手82からタービン建屋71内に流入するため、タービン建屋71への浸水を防止することができない。
【0067】
このとき、水位計102は、タービン建屋71内に流入した海水の水位を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、水位計102が検出した水位が閾値を超えると、電動弁93を開放する。すると、外部の空気が第1空気管92を通して取水管63における第1水平部63aに供給されることで、サイフォン効果がなくなり、海水が取水管63を流れなくなるため、タービン建屋71への海水の流入が停止する。そのため、タービン建屋71の浸水を防止することができる。なお、説明は省略するが、排水管64の伸縮継手85が破損した場合も同様である。
【0068】
このように第2実施形態のタービン建屋の浸水防止装置にあっては、タービン建屋71内に流入した海水の水位を検出する水位計102と、水位計102の検出結果に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する制御装置100を設けている。
【0069】
従って、水位計102がタービン建屋71内の海水の水位を検出し、制御装置100がタービン建屋71内における海水の水位に応じて各給気装置91,94を作動する。即ち、取水管63に第1水平部63aが設けられ、排水管64に第2水平部64dが設けられていることから、取水管63及び排水管64の破損などによりサイフォン効果で海水がタービン建屋71内に流入するおそれがある。このとき、各給気装置91,94を作動することで、各水平部63a,64dに空気を供給してサイフォン効果が効かなくさせるため、海水がタービン建屋71内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【0070】
第2実施形態のタービン建屋の浸水防止装置では、制御装置100は、水位計102が検出したタービン建屋71における海水の水位が予め設定された閾値を超えると各給気装置91,94を作動する。従って、タービン建屋71における海水の水位を検出し、タービン建屋71の水位が閾値を超えると、各給気装置91,94を作動するため、地震などにより取水管63や排水管64が破損しても、タービン建屋71内への冷却水の流入を防止することができ、作業員がタービン建屋71に入り破損した伸縮継手85の修理等を行うことができる。
【0071】
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0072】
第3実施形態において、図5に示すように、取水管63は、第1水平部(第1立ち上がり部)63aと第1鉛直部63bと第2水平部63cと第2鉛直部63dとを有している。この取水管63は、第1水平部63aに電動弁81が設けられ、第2水平部63cに伸縮継手82が設けられ、第2鉛直部63dに電動弁83が設けられている。また、排水管64は、第1鉛直部(第2立ち上がり部)64aと第1水平部64bと第2鉛直部64cと第2水平部64dと第3鉛直部64eを有している。この排水管64は、第1鉛直部64aに電動弁84が設けられ、第1水平部64bに伸縮継手85が設けられている。
【0073】
また、取水管63は、第1水平部(第1立ち上がり部)63aに空気を供給可能な第1給気装置91が設けられている。第1給気装置91は、第1空気管92と電動弁93とから構成され、制御装置100は、この電動弁93を開閉可能となっている。排水管64は、第2水平部(第2立ち上がり部)64dに空気を供給可能な第2給気装置94が設けられている。第2給気装置94は、第2空気管95と電動弁96とから構成され、制御装置100は、この電動弁96を開閉可能となっている。
【0074】
本発明における取水管63における海水(冷却水)の供給状態を検出する第1検出装置と、排水管64における海水(冷却水)の排出状態を検出する第2検出装置は、循環水ポンプ54の検出器103により構成される。検出器103は、循環水ポンプ54に設けられており、循環水ポンプ54のトリップを検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、検出器103が検出した循環水ポンプ54のトリップ状態に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する。具体的に、制御装置100は、循環水ポンプ54がトリップして停止したら、電動弁93,96を開放する。なお、検出器103は、第1次実施形態の地震加速度計101と同様に、多重化されており、所定数の検出器が循環水ポンプ54のトリップを検出すると、電動弁93,96を開放する。
【0075】
ここで、地震などが発生すると、取水管63、排水管64、循環水ポンプ54、各電動弁81,83,84が損傷するおそれがある。例えば、取水管63の伸縮継手82が破損した場合、取水管63を流れる海水がタービン建屋71内に浸入し、各種機器が浸水してしまう。このとき、地震により循環水ポンプ54がトリップしても、各電動弁81,83が損傷すると、取水管63を閉止することができず、サイフォン効果により取水槽52の海水が取水管63を介して破損した伸縮繋手82からタービン建屋71内に流入するため、タービン建屋71への浸水を防止することができない。
【0076】
このとき、検出器103は、循環水ポンプ54のトリップを検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、検出器103が循環水ポンプ54のトリップを検出すると、電動弁93を開放する。すると、外部の空気が第1空気管92を通して取水管63における第1水平部63aに供給されることで、サイフォン効果がなくなり、海水が取水管63をながれることがなくなり、タービン建屋71への海水の流入が停止する。このため、タービン建屋71の浸水を防止することができる。なお、説明は省略するが、排水管64の伸縮継手85が破損した場合も同様である。
【0077】
このように第3実施形態のタービン建屋の浸水防止装置にあっては、循環水ポンプ54のトリップを検出する検出器103と、検出器103が循環水ポンプ54のトリップを検出すると第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する制御装置100を設けている。
【0078】
従って、検出器103が循環水ポンプ54のトリップを検出し、制御装置100が循環水ポンプ54のトリップにより各給気装置91,94を作動する。即ち、取水管63に第1水平部63aが設けられ、排水管64に第2水平部64dが設けられていることから、取水管63及び排水管64の破損などによりサイフォン効果で海水がタービン建屋71内に流入するおそれがある。このとき、各給気装置91,94を作動することで、各水平部63a,64dに空気を供給してサイフォン効果を効かなくさせるため、海水がタービン建屋71内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【0079】
[第4実施形態]
図6は、第4実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0080】
第4実施形態において、図6に示すように、取水管63は、第1水平部(第1立ち上がり部)63aと第1鉛直部63bと第2水平部63cと第2鉛直部63dとを有している。この取水管63は、第1水平部63aに電動弁81が設けられ、第2水平部63cに伸縮継手82が設けられ、第2鉛直部63dに電動弁83が設けられている。また、排水管64は、第1鉛直部(第2立ち上がり部)64aと第1水平部64bと第2鉛直部64cと第2水平部64dと第3鉛直部64eを有している。この排水管64は、第1鉛直部64aに電動弁84が設けられ、第1水平部64bに伸縮継手85が設けられている。
【0081】
また、取水管63は、第1水平部(第1立ち上がり部)63aに空気を供給可能な第1給気装置91が設けられている。第1給気装置91は、第1空気管92と電動弁93とから構成され、制御装置100は、この電動弁93を開閉可能となっている。排水管64は、第2水平部(第2立ち上がり部)64dに空気を供給可能な第2給気装置94が設けられている。第2給気装置94は、第2空気管95と電動弁96とから構成され、制御装置100は、この電動弁96を開閉可能となっている。
【0082】
本発明における取水管63における海水(冷却水)の供給状態を検出する第1検出装置と、排水管64における海水(冷却水)の排出状態を検出する第2検出装置は、電動弁(開閉弁)81,83,84の検出器111,112,113により構成される。検出器111,112,113は、電動弁81,83,84に設けられており、電動弁(開閉弁)81,83,84の開故障(開放状態で作動停止)を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、電動弁81,83,84の状態に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する。具体的に、制御装置100は、電動弁81,83,84が開故障したら、電動弁93,96を開放する。なお、検出器111,112,113は、第1次実施形態の地震加速度計101と同様に、多重化されており、所定数の検出器が電動弁81,83,84の開故障を検出すると、電動弁93,96を開放する。
【0083】
また、本発明における取水管63における海水(冷却水)の供給状態を検出する第1検出装置と、排水管64における海水(冷却水)の排出状態を検出する第2検出装置は、交流電源設備の喪失を検出する検出器114により構成される。検出器114は、図示しない交流電源設備の喪失を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、交流電源設備の状態に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する。即ち、交流電源設備が喪失すると、電動弁81,83,84への電力供給が停止して開放状態で作動停止してしまう。具体的に、制御装置100は、交流電源設備が喪失したら、電動弁93,96を開放する。
【0084】
ここで、地震などが発生すると、取水管63、排水管64、循環水ポンプ54、各電動弁81,83,84が損傷するおそれがある。例えば、取水管63の伸縮継手82が破損した場合、取水管63を流れる海水がタービン建屋71内に浸入し、各種機器が浸水してしまう。このとき、循環水ポンプ54を停止させても、各電動弁81,83が損傷すると、取水管63を閉止することができず、サイフォン効果により取水槽52の海水が取水管63を介して破損した伸縮繋手82からタービン建屋71内に流入するため、タービン建屋71への浸水を防止することができない。
【0085】
このとき、検出器111,112は、電動弁81,83の開故障を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、検出器111,112が全ての電動弁81,83の開故障を検出すると、電動弁93を開放する。また、検出器114は、交流電源設備の喪失を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、検出器114が交流電源設備の喪失を検出すると、電動弁93を開放する。すると、外部の空気が第1空気管92を通して取水管63における第1水平部63aに供給されることで、サイフォン効果がなくなり、海水が取水管63を流れなくなり、タービン建屋71への海水の流入が停止する。このため、タービン建屋71の浸水を防止することができる。なお、説明は省略するが、排水管64の伸縮継手85が破損した場合も同様である。
【0086】
このように第4実施形態のタービン建屋の浸水防止装置にあっては、電動弁81,83,84の開故障を検出する検出器111,112,113と、検出器111,112,113が電動弁81,83,84の開故障を検出すると第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する制御装置100を設けている。
【0087】
従って、検出器111,112,113が電動弁81,83,84の開故障を検出し、制御装置100が電動弁81,83,84の開故障により各給気装置91,94を作動する。即ち、取水管63に第1水平部63aが設けられ、排水管64に第2水平部64dが設けられていることから、取水管63及び排水管64の破損などによりサイフォン効果で海水がタービン建屋71内に流入するおそれがある。このとき、各給気装置91,94を作動することで、各水平部63a,64dに空気を供給してサイフォン効果を効かなくさせるため、海水がタービン建屋71内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【0088】
また、第4実施形態のタービン建屋の浸水防止装置では、交流電源設備の喪失を検出する検出器114と、検出器114が交流電源設備の喪失を検出すると第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する制御装置100を設けている。
【0089】
従って、検出器114が交流電源設備の喪失を検出し、制御装置100が交流電源設備の喪失により各給気装置91,94を作動する。即ち、取水管63に第1水平部63aが設けられ、排水管64に第2水平部64dが設けられていることから、取水管63及び排水管64の破損などによりサイフォン効果で海水がタービン建屋71内に流入するおそれがある。このとき、各給気装置91,94を作動することで、各水平部63a,64dに空気を供給するため、海水がタービン建屋71内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【0090】
[第5実施形態]
図7は、第5実施形態のタービン建屋の浸水防止装置を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0091】
第5実施形態において、図7に示すように、地震加速度計101は、タービン建屋71に設けられており、地震発生時におけるタービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、地震加速度計101が検出したタービン建屋71の加速度に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する。
【0092】
また、地震加速度計101の検出結果に応じて警報を発する警報機121と、第1給気装置91及び第2給気装置94を作動する操作部122が設けられている。
【0093】
地震加速度計101が地震発生時におけるタービン建屋71の加速度を検出し、制御装置100に出力する。制御装置100は、地震加速度計101が検出したタービン建屋71の加速度に応じて警報機21を作動する。例えば、制御装置100は、タービン建屋71の加速度の大きさに応じて警報機121により警報音を大きくする。作業者は、警報機121からの警報音により操作部122を操作し、制御装置100に第1給気装置91及び第2給気装置94の作動指令信号を出力する。制御装置100は、操作部122からの作動指令信号に基づいて電動弁93,96を開放する。
【0094】
このように第5実施形態のタービン建屋の浸水防止装置にあっては、地震加速度計101が検出したタービン建屋71の加速度に応じて警報を発する警報機121と、制御装置100に第1給気装置91及び第2給気装置94の作動指令信号を出力する操作部122を設けている。
【0095】
従って、警報機121がタービン建屋71の加速度に応じて警報を発するため、作業者は、操作部122により必要に応じて第1給気装置91及び第2給気装置94を作動することができ、安全性を向上することができる。
【0096】
なお、この第5実施形態にて、本発明の第1検出装置及び第2検出装置を地震加速度計101により構成したが、この構成に限定されるものではなく、上述した第1から第4実施形態で説明した水位計102や各検出器103,111,112,113,114などを適用してもよい。
【0097】
また、上述した実施形態では、本発明のタービン建屋の浸水防止装置を加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントに適用して説明したが、沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)を有する原子力発電プラントに適用することもでき、また、火力発電プラントに適用してもよい。
【符号の説明】
【0098】
11 原子炉格納容器
12 加圧水型原子炉
13 蒸気発生器
19 蒸気タービン
23 発電機
28 復水器
50 取水設備
51 取水路
52 取水槽
53 海水ポンプ
54 循環水ポンプ
58 放水路
63 取水管(冷却水供給ライン)
64 排水管(冷却水排出ライン)
71 タービン建屋
81,83,84 電動弁(開閉弁)
91 第1給気装置
92 第1空気管
95 第2空気管
93,96 電動弁
94 第2給気装置
100 制御装置
101 地震加速度計(第1検出装置、第2検出装置)
102 水位計(第1検出装置、第2検出装置)
103,111,112,113,114 検出器(第1検出装置、第2検出装置)
121 警報機
122 操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2014年7月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
従って、第1検出装置が冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態を検出し、制御装置が冷却水供給ラインにおける冷却水の供給状態に応じて第1給気装置を作動する。即ち、冷却水供給ラインに第1立ち上がり部が設けられていることから、冷却水供給ラインの破損などにより冷却水供給ラインにおける冷却水が、第1立ち上がり部を経由してサイフォン効果によりタービン建屋内に流入するおそれがある。このとき、第1給気装置を作動することで、第1立ち上がり部に空気を供給するため、冷却水供給ラインにおける冷却水が第1立ち上がり部を超えてタービン建屋内に流入することはなく、安全性を向上することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
従って、加速度が閾値を超えると、第1給気装置を作動するため、地震などにより冷却水供給ラインが破損しても、タービン建屋内への冷却水の流入を防止することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
従って、取水ポンプがトリップすると、第1給気装置を作動するため、取水ポンプがトリップして配管が破損しても、タービン建屋内への冷却水の流入を防止することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
従って、第2検出装置が冷却水排出ラインにおける冷却水の排出状態を検出し、制御装置が冷却水排出ラインにおける冷却水の排出状態に応じて第2給気装置を作動する。即ち、冷却水排出ラインに第2立ち上がり部が設けられていることから、冷却水排出ラインの破損などにより冷却水排出ラインにおける冷却水が、第2立ち上がり部を経由してサイフォン効果によりタービン建屋内に流入するおそれがある。このとき、第2給気装置を作動することで、第2立ち上がり部に空気を供給するため、冷却水排出ラインにおける冷却水が第2立ち上がり部を超えてタービン建屋内に流入することはなく、安全性を向上することができる。