(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227898(P2015-227898A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】毛細管ベースのフローサイトメトリーにおける集光効率を高めるための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20151120BHJP
【FI】
G01N21/64 F
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-184596(P2015-184596)
(22)【出願日】2015年9月18日
(62)【分割の表示】特願2014-509324(P2014-509324)の分割
【原出願日】2012年4月26日
(31)【優先権主張番号】61/482,946
(32)【優先日】2011年5月5日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】イルコフ フェドル
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043BA16
2G043CA04
2G043DA02
2G043DA05
2G043EA01
2G043EA14
2G043HA01
2G043LA01
(57)【要約】
【課題】毛細管ベースの粒子分析装置を提供する。
【解決手段】分析される粒子を含む流体を通過させるための毛細管を含む粒子分析装置において、粒子又は粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を機器の分解能を保持しながら改善された集光効率で集光するための光学系が採用される。光学系は、毛細管に取り付けられた第1の集光レンズと、第1の集光レンズに隣接して配置され、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射するように構成された第1の反射要素とを含むことができる。光学系は、毛細管に取り付けられた第2の集光レンズと、第2の集光レンズに隣接して配置され、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射するように構成された第2の反射要素とを含むことができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の照明時に蛍光を発するか又は蛍光を発する物質でラベル付けされた分析される粒子を含む流体を通過させるように構成された毛細管と、
光源と、
前記毛細管を通じて光ビームを誘導して毛細管内に分析領域を定めるように構成された第1の光学系と、
前記分析領域内の粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成され、該分析領域に隣接する前記毛細管の第1の側に取り付けられた第1の集光レンズと、該第1の集光レンズに隣接して配置され、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ第1の反射要素から反射される該1つ又はそれよりも多くの波長とは異なる波長の蛍光を透過するように構成された第1の反射要素とを含む第2の光学系と、
前記第1の反射要素を通じて透過された蛍光を検出するように構成された第1の検出器と、
を含むことを特徴とする粒子分析装置。
【請求項2】
前記第2の光学系は、前記第1の側と反対の前記毛細管の第2の側に取り付けられた第2の集光レンズと、該第2の集光レンズに隣接して配置され、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ第2の反射要素によって反射される該1つ又はそれよりも多くの波長とは異なる波長の蛍光を透過するように構成された第2の反射要素とを更に含み、
粒子分析装置が、前記第2の反射要素を通じて透過された蛍光を検出するように構成された第2の検出器を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の粒子分析装置。
【請求項3】
前記第1の反射要素は、前記第2の反射要素によって透過可能な1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ該第2の反射要素によって反射可能な波長の蛍光を透過するように構成され、
前記第2の反射要素は、前記第1の反射要素によって透過可能な1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ該第1の反射要素によって反射可能な波長の蛍光を透過するように構成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の粒子分析装置。
【請求項4】
前記第2の光学系は、前記第1の集光レンズと前記第1の反射要素の間に配置された第1の平行化レンズと、前記第2の集光レンズと前記第2の反射要素の間に配置された第2の平行化レンズとを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の粒子分析装置。
【請求項5】
前記第2の光学系は、前記第1の反射要素から透過された波長の蛍光を反射し、かつ該第1の反射要素から透過された波長の蛍光を透過するように構成されて該第1の反射要素に隣接して配置された第3の反射要素を更に含み、
粒子分析装置が、前記第3の反射要素によって反射された蛍光を検出するように構成された第3の検出器を更に含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の粒子分析装置。
【請求項6】
前記第3の反射要素は、ダイクロイックフィルタであり、かつ光学軸に対して傾斜した角度で配置されることを特徴とする請求項5に記載の粒子分析装置。
【請求項7】
前記第2の光学系は、前記第1の側と反対の前記毛細管の第2の側に取り付けられた第2の集光レンズと、該第2の集光レンズに隣接して配置され、該第2の集光レンズによって集光された範囲の波長の蛍光を再帰反射するように構成されたミラーである第2の反射要素とを更に含み、
前記第1の反射要素は、光学軸に対して傾斜した角度に置かれ、
粒子分析装置が、前記第1の反射要素によって反射された前記蛍光を検出するように構成された第2の検出器を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の粒子分析装置。
【請求項8】
前記第1の反射要素は、ダイクロイックフィルタであることを特徴とする請求項7に記載の粒子分析装置。
【請求項9】
分析される粒子を含む前記流体を前記毛細管内の前記分析領域を通じて搬送するように構成された流体システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の粒子分析装置。
【請求項10】
前記第1の検出器によって検出された光の信号を分析するように構成されたデータ取得及び分析システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の粒子分析装置。
【請求項11】
光の照明時に蛍光を発するか又は蛍光を発する物質でラベル付けされた粒子を分析するための分析領域を含む粒子分析装置に使用するための集光システムであって、
前記分析領域の第1の側の第1の集光レンズと、
前記第1の側とは反対の前記分析領域の第2の側の第2の集光レンズと、
前記第1の集光レンズに隣接して配置され、該第1の集光レンズによって集光された1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を再帰反射するように構成された第1の反射要素と、
を含むことを特徴とする集光システム。
【請求項12】
前記第1の反射要素は、該第1の反射要素によって反射される前記波長とは異なる波長の蛍光を透過するように更に構成されることを特徴とする請求項11に記載の集光システム。
【請求項13】
前記第2の集光レンズに隣接して配置され、前記第1の反射要素によって透過可能な1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を再帰反射し、かつ該第1の反射要素によって反射可能な波長の蛍光を透過するように構成された第2の反射要素を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の集光システム。
【請求項14】
前記分析領域は、毛細管内に形成され、前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、光学接触によって該毛細管に結合されることを特徴とする請求項13に記載の集光システム。
【請求項15】
前記分析領域は、毛細管内に形成され、前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、該毛細管の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する物質を用いて該毛細管に結合されることを特徴とする請求項13に記載の集光システム。
【請求項16】
前記第1の集光レンズと前記第1の反射要素の間に配置された第1の平行化レンズと、前記第2の集光レンズと前記第2の反射要素の間に配置された第2の平行化レンズとを更に含むことを特徴とする請求項13に記載の集光システム。
【請求項17】
前記第2の反射要素に隣接して配置されて光学軸に対して傾斜した角度で置かれ、該第2の反射要素から透過された波長の蛍光を反射し、かつ該第2の反射要素から透過された波長の蛍光を透過するように構成されたダイクロイックフィルタである第3の反射要素を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の集光システム。
【請求項18】
前記第1の集光レンズに隣接する第1の平行化レンズと、前記第2の集光レンズに隣接する第2の平行化レンズとを更に含むことを特徴とする請求項11に記載の集光システム。
【請求項19】
1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ第2の反射要素から反射されるものとは異なる波長の蛍光を透過するように構成されたダイクロイックフィルタであり、前記第2の集光レンズに隣接して配置され、かつ光学軸に対して傾斜した角度で置かれた第2の反射要素を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の集光システム。
【請求項20】
前記分析領域は、毛細管内に形成され、前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、光学接触によるか又は該毛細管の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する物質を用いて該毛細管に結合されることを特徴とする請求項19に記載の集光システム。
【請求項21】
粒子分析装置内に使用するためのフローセルであって、
光の照明時に蛍光を発するか又は蛍光を発する物質でラベル付けされた分析される粒子を含む流体を通過させるように構成されたボアを形成する縦方向に拡がる壁を有する毛細管と、
前記毛細管の前記壁に取り付けられ、粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第1の集光レンズと、
を含むことを特徴とするフローセル。
【請求項22】
前記毛細管の前記壁は、第1の実質的に平坦な面を有し、前記第1の集光レンズは、該壁の該第1の平坦な面に取り付けられた平面を有することを特徴とする請求項21に記載のフローセル。
【請求項23】
前記第1のレンズに対向して前記毛細管の前記壁に取り付けられ、粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第2のレンズを更に含むことを特徴とする請求項21に記載のフローセル。
【請求項24】
前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、光学接触によって前記毛細管に結合されることを特徴とする請求項23に記載のフローセル。
【請求項25】
前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、前記毛細管の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する物質を用いて該毛細管に結合されることを特徴とする請求項23に記載のフローセル。
【請求項26】
前記毛細管は、正方形又は矩形の外側形状を有して前記縦方向に対して横断する断面を有することを特徴とする請求項21に記載のフローセル。
【請求項27】
前記断面は、円又は正方形の内側形状を有することを特徴とする請求項26に記載のフローセル。
【請求項28】
前記断面は、矩形の外側形状と円の内側形状を有することを特徴とする請求項27に記載のフローセル。
【請求項29】
前記毛細管の前記壁は、4つの実質的に平坦な外面と円形内面とを含み、前記第1の集光レンズは、第1の平坦面に取り付けられ、
フローセルが、前記第1の平坦面に対向する第2の平坦面に取り付けられて粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第2のレンズを更に含む、
ことを特徴とする請求項21に記載のフローセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に流体試料中の粒子の検出及び分析に関し、特に、毛細管ベースのフローサイトメトリーの集光効率を高めるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フローサイトメトリーには、臨床診断及び免疫学、たんぱく質及び核酸の検出、血液学、及び腫瘍学を含む生命科学にわたって様々な用途が見られる。例えば、流体試料中で特定の特性を有する粒子、細胞、又は微生物を同定するのにフローサイトメトリーを使用することができる。一般的なフローサイトメトリーでは、分析される粒子が分析領域に搬送され、この領域で光源の集束出力ビームによって照明される。照明された試料粒子によって放出された散乱光及び/又は蛍光が集光され、光学系を用いて放出角度及び波長に従って分離され、光検出器によって検出される。振幅及び時間プロフィールを有するパルスの形態の検出された散乱光及び/又は蛍光は、粒子のサイズ、形状、及び構造などの特徴を示すことができる。その後の処理及び分析に向けてアナログ光信号をデジタルデータストリームに変換するのに、コンピュータシステムが一般的に使用される。
【0003】
フローサイトメーター内の光学系の集光効率(CE)は、機器の感度及びスループットを決定する。開口数は、光学系の集光力の尺度である。集光効率は、CE〜NA
2のように集光光学系の開口数(NA)と共に増大する。より強力な、すなわち、高いNAの光学系を使用することにより、集光効率の直接的な増大を可能にすることができる。しかし、毛細管の内側の分析領域内の粒子位置に対する感度も、集光光学系の開口数に対する同じ2次依存性を伴って増大し(被写界深度〜1/NA
2)、機器の高い変動係数(CV)値又は分解能の低減をもたらすので、毛細管ベースのフローサイトメトリーに高いNAの光学系を使用することには有意な欠点が存在する。従って、毛細管ボアのサイズが、検査工程において試料位置面積を定める現在の毛細管利用サイトメトリーでは、多くの場合に、毛細管及び集光光学系の構成において、毛細管の使用性及び利用可能性、及び機器の望ましい分解能、感度、及び製造可能性のようなファクタを考慮して妥協が経験的に見られる。例えば、従来の毛細管利用サイトメーターでは、約0.4〜0.5の開口数を有する集光光学系が使用され、これらの光学系は、約3パーセントの蛍光集光効率しか与えない。低い集光効率は、達成可能な機器の感度及び/又はスループットを実質的に制限する。改善された空隙式光学系では、集光効率は増大することができるが、物理法則によってNA=0.69に制限され、集光効率は、約10パーセントの集光効率に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、フローサイトメトリーにおいて、機器の分解能を有意に損なうことなく集光効率を改善する必要性が存在する。機器の製造可能性又は構造コストを有意に損なうことなくフローサイトメトリーの感度及び/又はスループットを改善する必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
粒子分析装置の集光効率を改善するように構成された光学系を提供する。同じく提供するのは、1つ又はそれよりも多くのマイクロレンズに統合された微小毛細管を含むフローセルである。提供する光学系及び/又はフローセルを含む粒子分析装置も提供する。他の実施形態を本明細書において更に説明する。
【0006】
これら及び様々な他の特徴及び利点は、以下に続く詳細説明を添付図面及び以下に提供する特許請求の範囲に関連付けて読解することで、より明快に理解されることになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一部の実施形態による粒子分析装置の概略図である。
【
図2】光が毛細管の両方のかつ対向する側から集光され、かつこの両方の側で検出されることを示す一部の実施形態による粒子分析装置における集光及び光検出構成の概略図である。
【
図3】光が毛細管の両方のかつ対向する側から集光されるが、再帰反射構成にあるミラーを用いて一方の側で検出されることを示す一部の他の実施形態による粒子分析装置における集光及び光検出構成の概略図である。
【
図4】
図2に示す構成に対する毛細管の内側の分析領域内の粒子位置への集光効率の依存性を示す図である。
【
図5】
図3に示す構成に対する毛細管の内側の分析領域内の粒子位置への集光効率の非依存性を示す図である。
【
図6】一部の実施形態による粒子分析装置における集光及び光検出構成の概略図である。
【
図7】一部の実施形態による2つのマイクロレンズに統合された毛細管を含むフローセルの概略図である。
【
図8】一部の実施形態による集光レンズ及び反射ミラーに統合された毛細管を含むフローセルの概略図である。
【
図9】一部の実施形態による粒子分析装置における集光及び光検出構成の概略図である。
【
図10】一部の他の実施形態による粒子分析装置における集光及び光検出構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
光学系、フローセル、並びにこれらの光学系及び/又はフローセルを含む粒子分析装置の様々な実施形態を説明する。本発明は、当然ながら変化する場合がある説明する特定の実施形態に限定されないことは理解されるものとする。様々な実施形態を毛細管ベースのフローサイトメトリーに関して説明するが、これらの実施形態は、被覆管フローサイトメトリーのような他の粒子分析デバイスにおいて実施することができることは認められるであろう。本明細書に使用する用語法は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲と共にそのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲によって定められることになるので、この用語法が、限定的であるように意図したものではないことも理解されるであろう。更に、様々な実施形態は、図を参照して説明する。これらの図は、特定の実施形態の説明を容易にするように意図したものであり、本発明の網羅的な説明又は本発明の範囲の限定を意図したものではないことに注意されたい。
【0009】
本明細書に使用する「粒子」という用語は、合成粒子、ビーズ、分子、生体分子、微生物、細胞、例えば、細菌、ウイルス、DNA断片、血液細胞、全血組成などを含む本明細書に説明する粒子分析装置によって検出及び分析することができるあらゆる粒子を指す。粒子は、適切な波長の光によって照明されると、励起光を直接散乱させるか、又は蛍光を発することができる。一部の場合には、特定の測定に向けて、プローブ分子を粒子全体又は粒子内の微小構造に付着させることにより、蛍光放出特性が最適化される。
【0010】
図1は、本発明の一部の実施形態による粒子分析装置100の概略図である。一般的に、装置100は、毛細管102と、光源104と、光ビーム108を毛細管102に誘導、成形、及び集束させて分析領域110を定めるための第1の光学系106と、光を集光及び色分割して光検出器114に案内するための第2の光学系112と、光検出器114によって検出された光信号を処理及び分析するための電子システム116とを含む。
【0011】
毛細管102は、分析される粒子を含む流体を通過させるように構成される。一部の実施形態において、毛細管102を通過して試料流体を搬送するために、毛細管102に流体工学システム(図示せず)を結合することができる。流体工学システムは、毛細管の浮遊端部から試料流体を吸引するように構成されたポンプを含むことができる。代替的に、ポンプを毛細管の端部に結合し、毛細管を通過して試料流体をポンピングするように構成することができる。一例として、毛細管を通過して試料流体をほぼ一定の速度で吸引又はポンピングするのに、シリンジポンプのような較正されたポンプを使用することができる。
【0012】
毛細管102は、良好な光学的透明度を与えるガラス、又は石英、溶融シリカ、プラスチックのような他の材料で製造することができる。毛細管102は、縦方向に拡がって流体中に含まれる粒子を通過させるためのボア103を定める壁を有する。一部の実施形態において、毛細管ボア103のサイズは、流体中の粒子が分析領域110を通過するときに、これらの粒子が単離されるように選択される。一部の実施形態において、毛細管ボア103のサイズは、毛細管ボア103が、集積した粒子又は様々なサイズの粒子によって容易に塞がれないように選択される。一般的に、毛細管ボア103のサイズは、50マイクロメートルから150マイクロメートルまでの範囲にわたるとすることができる。
【0013】
毛細管102は、毛細管の縦方向を横断する断面122を定める適切な構成の外部壁面118と内部壁面120とを有することができる。一例として、毛細管102の断面122は、矩形又は正方形の外側形状と、矩形、正方形、又は円形の内側形状とを有することができる。代替的に、毛細管102の断面122は、円形の外部形状と、矩形、正方形、又は円形の内部形状とを有することができる。三角形、台形、半球形、及び偏菱形の外側形状又は内側形状を含む毛細管断面122の規則的又は不規則な外側形状及び内側形状の様々な他の組合せが可能である。一部の好ましい実施形態において、毛細管102の断面122は、以下により詳細に説明するように、光学要素を毛細管に付着させるための実質的に平坦な面を与えるために矩形の外側形状を有することができる。一部の実施形態において、毛細管102の外部壁面118は、不透明コーティングを含むことができる。光ビームが射出することを可能にし、毛細管内に分析領域を定めるために、不透明コーティングのある区域を除去することができる。
【0014】
光源104は、粒子又は粒子にラベル付けされた物質を励起して蛍光を放出させるのに適切な選択された波長の光ビームを供給することができるあらゆる適切な光源とすることができる。適切な光源は、レーザ、アーク放電ランプ、発光ダイオードなどを含む。レーザは、単一波長のコヒーレント光を生成することができる。アーク放電ランプは、それ程高価ではなく、かつ狭波長帯域の光を生成するのに光学フィルタと併用することができる。励起に有効入射光波長は、300nmから1000nmの範囲にわたるとすることができる。例示的な有効入射光波長は、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、700nm、800nm、又は900nmの波長を含むが、これらに限定されない。例示的な有効入射光領域は、350nmから450nmまで、450nmから500nmまで、500nmから550nmまで、550nmから600nmまで、600nmから700nmまで、及び700nmから1000nmまでを含む。一例として、特定の入射光波長は、375nm、405nm、488nm、532nm、640nmとすることができる。単一の粒子分析装置内に、出力波長と出力輝度との適切な組合せを有する1つ又はそれよりも多くの光源を含めることができる。
【0015】
一部の実施形態において、第1の光学系106は、集束励起ビーム108を供給して毛細管102上に誘導して分析領域110を定めるために使用することができる。第1の光学系106は、回折光学系、反射光学系、及び屈折光学系のような1つ又はそれよりも多くの光学構成要素(図示せず)を含むことができる。光源106と分析領域110の間には、光源によって放出されて励起波長とは異なる波長を有する光を遮蔽するために、励起波長において高い透過率を有する任意的な帯域通過フィルタ(図示せず)を配置することができる。一部の実施形態において、第1の光学系106は、シート状のビームを毛細管102上に投影するように構成することができる。一部の実施形態において、毛細管102上に入射するビーム108は、毛細管の縦方向にほぼ矩形又は楕円形の断面を有するように成形及び/又はサイズ決定することができる。一部の実施形態において、毛細管上に入射するビームのほぼ矩形又は楕円形の断面は、毛細管のボアサイズに等しいか又はそれよりも大きい長手寸法を有することができる。一部の実施形態において、入射ビームのほぼ矩形又は楕円形の断面は、毛細管のボアサイズに等しいか又はそれよりも小さい短手寸法を有することができる。一部の実施形態において、毛細管上に入射するビームのほぼ矩形又は楕円形の断面は、毛細管のボアサイズに等しいか又はそれよりも大きい長手寸法と、毛細管のボアサイズに等しいか又はそれよりも小さい短手寸法とを有することができる。一例として、毛細管102上に投影されるビーム108は、100マイクロメートルから1000マイクロメートルまでの長手寸法と、5マイクロメートルから50マイクロメートルまでの短手寸法とを有するほぼ矩形又は楕円形の断面を有することができる。
【0016】
分析領域110は、毛細管102の内部壁面120と毛細管102を通る入射ビーム108とによって定めることができる。分析領域110内で、粒子は入射励起ビーム108と相互作用して、蛍光励起、小角散乱、及び大角散乱のような過程が発生する。粒子又は粒子にラベル付けされた物質によって放出された散乱光及び/又は蛍光は、第2の光学系112によって集光及び案内され、1つ又はそれよりも多くの光検出器114によってそれぞれ検出される。
【0017】
第2の光学系112は、散乱光及び蛍光を集光するために、入射光ビームの伝播軸に関して大きい角度で配置された光学系を含むことができる。第2の光学系112は、散乱光を散乱検出器に通過させて蛍光を反射するか又は散乱光を反射して蛍光を通過させる1つ又はそれよりも多くのビームスプリッタを含むことができる。例えば、第1の波長の蛍光は、散乱光を反射する第1のダイクロイックビームスプリッタを通過し、第2のダイクロイックビームスプリッタによって第1の蛍光検出器に向けて反射させることができ、第2の異なる波長の蛍光は、第3のダイクロイックビームスプリッタによって第2の蛍光検出器に向けて反射させることができ、以降同じように続く。分析領域110と検出器114の間には、各検出器に到達する波長帯域を制限する1つ又はそれよりも多くの光学帯域通過フィルタ(図示せず)を配置することができる。
【0018】
第2の光学系112は、入射励起ビームの伝播軸に対して小さい角度の前方散乱光を集光する光学系を含むことができる。非散乱励起ビームが前方散乱光検出器に到達するのを防止するために、一般的にビーム遮蔽を使用することができる。分析領域と前方散乱光検出器の間には、励起波長の光を透過し、他の波長の光を遮蔽するために、帯域通過フィルタを配置することができる。
【0019】
光検出器114は、光増倍管(PMT)、光ダイオード、及び別の固体検出器のようなあらゆる適切な光子検出デバイスとすることができる。一般的に光増倍器は、散乱光及び蛍光の検出には比較的感度が高い。光ダイオードは、かなり廉価であり、かつコストを低減する機器構成に対して使用することができる。光検出器114は、粒子のサイズ、形状、及び/又は構造のような特徴を示す振幅及び時間プロフィールを有するパルスを生成する。コンピュータ又はデータ取得及び分析システム116は、一般的に、更に別の処理及び分析に向けてアナログ光信号を電気信号に変換するアナログ/デジタルコンバータ(ADC)を含む。
【0020】
図2は、一部の実施形態による粒子分析装置200における集光及び光検出構成の概略図である。実施形態の例示及び説明における明瞭化のために
図2には示していない光源及び励起ビームを集束及び案内するための第1の光学系に加えて、粒子分析装置200は、分析領域204を定める内部壁面を有する毛細管202と、互いに対向して配置された第1の検出器206及び第2の検出器208とを含むことができる。分析領域204と第1及び第2の検出器206、208との間には、色選択フィルタを有する集光光学系210、212を配置することができる。第1及び第2の検出器206、208によって検出された光信号を処理して分析するために、第1及び第2の検出器206、208には電子システム(
図2には示していない)を結合することができる。図示のように、分析領域204にある粒子214は、毛細管の縦軸(紙面に対して垂直な)に対してどの場所にも位置付けることができる。参照番号214a及び214bは、分析領域204内での粒子214の2つの例示的な位置を表している。照明された粒子214からの蛍光及び/又は散乱光は、分析領域204の両方のかつ対向する側から集光され、第1の検出器206と第2の検出器208とによって同時に検出される。第1の検出器206によって検出された光信号と第2の検出器208によって検出された光信号とを加え合わせて、電子システムによって更に処理及び分析することができる。
【0021】
図2に示す集光及び光検出配列は、粒子分析装置200の集光効率と検出分解能の両方を有利に高めることができる。上述したように、従来の毛細管ベースのフローサイトメトリーにおける集光は、毛細管の内側の分析領域内の粒子の位置に対して高い感度を有する。
図4のグラフは、個々の光検出器206、208の集光効率(垂直軸)が、毛細管202の内側の分析領域204内の粒子214の位置(水平軸)の関数として変化することを示している。しかし、蛍光及び/又は散乱光が、図示のように、分析領域の両方のかつ対向する側から集光され、加え合わせられる場合には、集光効率は、毛細管の内側の分析領域内の粒子位置に依存せず、これを光検出器206と208での加え合わせ信号の集光効率(垂直軸)が、毛細管202の内側の分析領域204内の粒子214の位置(水平軸)に依存しないことを示す
図5のグラフによって示している。
【0022】
図3は、一部の他の実施形態による粒子分析装置300における別の集光及び光検出構成の概略図である。実施形態の例示及び説明における明瞭化のために
図3には示していない光源及び励起ビームを集束及び案内するための第1の光学系に加えて、粒子分析装置300は、分析領域304を定める内部壁面を有する毛細管302と、ある波長の蛍光を検出するように構成された光検出器306と、第1の光検出器306に対向して配置され、第1の光検出器306によって検出されるものと少なくとも同じ波長の蛍光を反射するように構成された反射要素308とを含むことができる。分析領域304と第1の光検出器306の間、及び分析領域304と反射要素308の間には、集光光学系310、312を配置することができる。第1の光検出器306には、第1の検出器によって検出された光信号を処理及び分析するための電子システム(
図3には示していない)を結合することができる。参照番号314a及び314bは、分析領域304内の粒子314の2つの例示的な位置を表している。図示のように、第1の光検出器306は、反射要素308を通じて第1の集光レンズ310及び第2の集光レンズ312の両方によって集光される蛍光を検出する。
図2に図示の実施形態と同様に、
図3に示す集光及び光検出配列は、粒子分析装置300の集光効率と検出分解能の両方を有利に高めることができる。これを第1の光検出器306の集光効率(垂直軸)が、毛細管302の内側の分析領域304内の粒子314の位置(水平軸)に依存しないことを示す
図5のグラフによって示している。
【0023】
図6は、一部の他の実施形態による粒子分析装置600における集光及び光検出構成の概略図である。粒子分析装置600は、光源と、励起ビームを集束及び案内するための第1の光学系(
図6には示していない)と、分析される粒子を含む流体を通過させるように構成された毛細管602とを含む。更に、粒子分析装置600は、粒子又は粒子にラベル付けされた物質によって放出された蛍光を集光するように構成された第2の光学系603と、第1の検出器604aと、第2の検出器604bとを含む。
【0024】
一部の実施形態において、第2の光学系603は、毛細管602の第1の側にある第1の集光レンズ608aと、第1の平行化レンズ612aと、第1の集光レンズ608aと同じ側にある第1の反射要素610aとを含む第1の集光アーム603aを含むことができる。第1の集光レンズ608a及び第1の平行化レンズ612aは、粒子によって第1の側から放出された光を集光するように構成される。第1の反射要素610aは、集光された1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、蛍光のうちの非反射部分を透過するように構成される。第1の検出器604aは、第1の集光レンズ608a及び第1の平行化レンズ612aによって集光され、第1の反射要素610aを通じて透過された波長の蛍光を検出するように構成される。
【0025】
一部の実施形態において、第2の光学系603は、毛細管602の第2の側にある第2の集光レンズ608bと、第2の平行化レンズ612bと、第2の集光レンズ608bと同じ側にある第2の反射要素610bとを含む第2の集光アーム603bを更に含むことができる。第2の集光レンズ608b及び第2の平行化レンズ612bは、粒子によって第2の側から放出された光を集光するように構成される。第2の反射要素610bは、集光された1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、蛍光のうちの非反射部分を透過するように構成される。第2の検出器604bは、第2の集光レンズ608b及び第2の平行化レンズ612bによって集光され、第2の反射要素610bを通じて透過された波長の蛍光を検出するように構成される。
【0026】
第1の反射要素610aによって反射して戻された蛍光は、第1の平行化レンズ612a、第1の集光レンズ608a、毛細管602、第2の集光レンズ608b、第2の平行化レンズ612b、及び第2の反射要素610bを通過することができ、第2の検出器604bによって検出することができる。同様に、第2の反射要素610bによって反射して戻された蛍光は、第2の平行化レンズ612b、第2の集光レンズ608b、毛細管602、第1の集光レンズ608a、第1の平行化レンズ612a、及び第1の反射要素610aを通過することができ、第1の検出器604aによって検出することができる。
図6に示す配列は、機器の分解能を保持し、同時に毛細管ボア内に分散された放出粒子からの集光効率を高めることをもたらすことができる。
【0027】
一部の実施形態において、第1及び第2の集光レンズ608a、608bのうちの少なくとも一方を毛細管602に結合することができる。第1及び/又は第2の集光レンズ608a、608bは、毛細管602に光学接触によって結合するか又は物質、例えば、光学接着剤、フィルム、及び液浸油のような液体などを用いて結合することができる。光学接触は、透明体の2つの面が、分子力の作用範囲程度の距離に寄せ合わせられた場合に起こすことができる。面をこの距離まで寄せ合わせることをこれらの面を光学接触状態に設定すると呼ぶ場合がある。良好に研磨された清浄な面は、一般的に、いずれの粘着剤も用いない極めて耐久性の高い接着に向けて容易に光学接触状態にすることができる。第1及び/又は第2の集光レンズ608a、608bを毛細管602に結合するのに使用することができる物質は、好ましくは、毛細管602の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する。毛細管602は、あらゆる適切な構成を有することができる。例えば、毛細管602の断面は、矩形、正方形、円形、楕円形、又は他の規則的又は不規則な外側形状と、矩形、正方形、円形、楕円形、又は他の規則的又は不規則な内側形状とを有することができる。
【0028】
一部の実施形態において、第1及び第2の集光レンズ608a、608bのうちの少なくとも一方を毛細管602と統合することができる。例えば、集光レンズ608a、608bの一方又は両方を毛細管602に光学接着剤によって接着することができる。一部の実施形態において、毛細管602は、実質的に平坦な外部壁面を与える矩形の構成を有することができ、第1及び/又は第2の集光レンズ608a、608bも、それぞれ平面を有することができる。従って、第1及び/又は第2の集光レンズ608a、608bは、これらの平面を通じて、例えば、光学接着剤を用いて毛細管と統合することができる。
【0029】
一部の実施形態において、第1の反射要素610aは、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、反射する1つ又はそれよりも多くのこれらの波長とは異なる波長の蛍光を透過するように構成された帯域通過フィルタ、ダイクロイックミラーなどとすることができる。一部の実施形態において、第2の反射要素610bも帯域通過フィルタ、ダイクロイックミラーなどとすることができ、第1の帯域通過フィルタ又はダイクロイックミラー610aによって透過されるものと同じ1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、第1の帯域通過フィルタ又はダイクロイックミラー610aによって反射されるものと同じ波長の蛍光を透過するように構成される。
【0030】
一部の実施形態において、第1の集光レンズ608aと第1の検出器604aの間に、集光された光を平行化して第1の検出器604aに集束させるための平行化レンズ612a及び視野レンズ614aを配置することができる。同様に、第2の集光レンズ608bと第2の検出器604bの間に、集光された光を平行化して検出器604bに集束させるための平行化レンズ612b及び視野レンズ614bgを配置することができる。
【0031】
作動時には、光源からの励起ビームが毛細管602に集束及び案内され、毛細管内に分析領域が定められる。例えば、毛細管602を通じて投影される励起ビームは、毛細管の縦方向に、毛細管のボアサイズに等しいか又はそれよりも大きい長手寸法と、毛細管のボアサイズに等しいか又はそれよりも小さい短手寸法とを有するほぼ矩形の断面を有することができる。分析される粒子を含む試料流体が、分析領域を通過して搬送され、粒子が入射励起ビームと相互作用するときに、蛍光励起、吸光、小角散乱、及び大角散乱等が発生する。粒子又は粒子にラベル付けされた物質によって放出される蛍光は、図示のように、全ての方向に放出される。第1の集光レンズ608aは、毛細管602の第1の側における蛍光を集光し、第2の集光レンズ608bは、毛細管602の第2の側における蛍光を集光する。第1の集光レンズ608aによって集光された蛍光は平行化され、第1の波長、例えば、赤色の蛍光を検出するように構成された第1の検出器604aに案内される。第2の集光レンズ608bによって集光された蛍光は平行化され、第2の波長、例えば、黄色の蛍光を検出するように構成された第2の検出器604bに案内される。第1の集光レンズ608aと同じ側に配置された第1の反射要素610aは、第1の波長、例えば、赤色の蛍光を透過し、第2の波長、例えば、黄色の蛍光を反射して第2の検出器604bに更に案内するように構成することができる。第2の集光レンズ608bの側にある第2の反射要素610bは、第2の波長、例えば、黄色の蛍光を透過し、第1の波長、例えば、赤色の蛍光を反射して第1の検出器604aに更に案内するように構成することができる。
図6に示す構成では、第1の検出器604aは、第1の集光レンズ608aと第2の集光レンズ608bの両方によって集光された第1の波長、例えば、赤色の蛍光を検出することができる。第2の検出器604bは、第2の集光レンズ608bと第1の集光レンズ608aの両方によって集光された第2の波長、例えば、黄色の蛍光を検出することができる。
【0032】
有利な態様においては、上述の実施形態による粒子分析装置は、機器の集光効率を少なくとも30%高めることができ、これは、従来の毛細管ベースのフローサイトメトリーのもの少なくとも10倍である。高い集光効率は、機器の分解能を犠牲にすることなく得られる。高い集光効率は、感度を有意に改善し、機器のダイナミックレンジ及びスループットを高める。改善された集光効率の結果として、それ程高価ではなく、かつ比較的低い感度のみを有する光検出器を粒子分析装置内に使用して、機器の構成コストを低減し、かつ従来技術のものと等しい機器性能を得ることができる。
【0033】
図7は、一部の実施形態によるフローセル700の概略図である。フローセル700は、ボア704を定める縦方向に拡がる壁を有する毛細管702と、毛細管702の壁に取り付けられた第1の集光レンズ706とを含む。第1の集光レンズ706は、粒子又は粒子にラベル付けされた物質からの蛍光及び/又は散乱光を集光するように構成することができる。一部の実施形態において、フローセル700は、毛細管702の壁に取り付けられた第2の集光レンズ708を更に含むことができる。第1の集光レンズ706と第2の集光レンズ708は、互いに対向して配置することができる。一部の実施形態において、第1及び第2の集光レンズ706、708は、毛細管702に統合されたマイクロレンズとすることができる。マイクロレンズと毛細管との統合は、あらゆる適切な手段を用いてもたらすことができる。一例として、マイクロレンズは、毛細管に接着剤、フィルム、液体などを用いて接着することができる。市販のUV光硬化性光学接着剤のような光学接着剤を使用することができる。好ましくは、光学接着剤は、レンズと毛細管の間に高強度接合を与え、良好な光透過特性を与えるように選択される。好ましくは、選択された接着剤の屈折率は、毛細管を製造する材料の屈折率に適合し、低い自家蛍光を有する。マイクロレンズ706、708と毛細管702とを統合するのには、別の手段を使用することができる。
【0034】
一部の実施形態において、毛細管702は、第1及び/又は第2の集光レンズ706、708との統合を容易にするための平坦な外部壁面を与える矩形又は正方形の構成を有することができる。従って、第1及び/又は第2の集光レンズ706、708も、毛細管702の平坦な外部壁面に取り付けられる平面を有することができる。縦方向を横断する毛細管702の断面は、矩形又は正方形の外側形状と、矩形、正方形、又は円形の内側形状とを有することができる。例えば、一部の好ましい実施形態において、毛細管702は、矩形の外側形状と、円形又は正方形の内側形状とを有する断面を有することができる。毛細管の断面は、三角形、台形、半球形、及び偏菱形の外側形状又は内側形状を有することができる。毛細管702、並びに第1及び/又は第2の集光レンズ706、708の様々な別の構成が可能であり、本発明によって考えられている。一例として、毛細管702は、0.8mm×1.5mmの寸法を有する矩形外側形状と、約100マイクロメートルの直径を有する円形内側形状とを有することができる。
【0035】
図8は、フローセルの別の実施形態800を示している。フローセル800は、ボアを形成する縦方向に拡がる壁を有する毛細管802と、毛細管802の壁に取り付けられ、蛍光及び/又は散乱光を集光するように構成された第1の集光レンズ804と、第1の集光レンズ804に対向して毛細管802に取り付けられた反射要素806とを含む。反射要素806は、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射するように構成された曲面上にコーティングを含むことができる。第1の集光レンズ804及び反射要素806は、上述したように光学接着剤を用いて、又は当業技術で公知のあらゆる他の代替手段を用いて毛細管802と統合することができる。一例として、一部の実施形態の特徴を具現化する毛細管−レンズ統合体は、モノリシックレンズ成形のウェーハスケール技術を用いて量産することができる。そのような技術は、例えば、オランダ、アイントホーフェン5600AA、私書箱33のAnteryon BVによって商業的に実施されている。
【0036】
上述して
図7又は
図8に示すフローセルは、粒子分析装置内に交換可能に装着することができる支持アセンブリによって支持することができる。
図7又は
図8に示すフローセルを含むフローセルアセンブリは、損傷を受けたか又はそうでなければ破壊した毛細管を有するフローセルと、損傷を受けていない毛細管を有するフローセル又は異なるサイズ又は形状の毛細管を有するフローセルとの交換を容易にすることができる。
【0037】
図9は、一部の他の実施形態による粒子分析装置900における集光及び光検出構成の概略図である。比較すると、粒子分析装置900の集光及び光検出構成は、
図6に例示した粒子分析装置600の集光及び光検出構成と多くの態様において同様である。例えば、集光システム903は、毛細管902の第1の側にある第1の集光アーム903aと、第1の集光アーム903aの反対側にあるとすることができ、かつ毛細管902の第2の側にある第2の集光アーム903bとを含むことができる。
【0038】
第1の集光アーム903aは、第1の集光レンズ908aと、第1の平行化レンズ912aと、第1の反射要素910aと、第1の視野レンズ914aとを含むことができる。第1の集光レンズ908aは、粒子によって毛細管902の第1の側から放出された光を集光するように構成することができる。第1の反射要素910aは、集光された1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、蛍光のうちの非反射部分、例えば、赤色光及び/又は近赤外線(NIR)光を透過するように構成することができる。第1の検出器904aは、第1の反射要素910aを通じて透過された波長の蛍光、例えば、赤色光を検出するように構成することができる。
【0039】
第2の集光アーム903bは、第2の集光レンズ908bと、第2の平行化レンズ912bと、第2の反射要素910bと、第2の視野レンズ914bとを含むことができる。第2の集光レンズ908bは、粒子によって毛細管902の第2の側から放出された光を集光するように構成することができる。第2の反射要素910bは、集光された1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、蛍光のうちの非反射部分、例えば、黄色光を透過するように構成することができる。第2の検出器904bは、第2の反射要素910bを通じて透過された波長の蛍光、例えば、黄色光を検出するように構成することができる。
【0040】
第1の反射要素910aによって再帰反射された蛍光は、第1の平行化レンズ912a、第1の集光レンズ908a、毛細管902、第2の集光レンズ908b、第2の平行化レンズ912b、及び第2の反射要素910bを通過することができ、第2の検出器904bによって検出することができる。同様に、第2の反射要素910bによって再帰反射された蛍光は、第2の平行化レンズ912b、第2の集光レンズ908b、毛細管902、第1の集光レンズ908a、第1の平行化レンズ912a、及び第1の反射要素910aを通過することができる。
【0041】
図6に図示の実施形態と比較すると、
図9に示す集光及び光検出構成は、多数の蛍光色を検出する多チャンネル機器において有利とすることができる1つ又はそれよりも多くの付加的な反射要素と1つ又はそれよりも多くの付加的な検出器とを更に含むことができる。
図9に示すように、第1の反射要素910aと第1の検出器904aの間に、ダイクロイックミラー916のような付加的な反射要素を配置することができる。ダイクロイックミラー916は、平行化方向に対して、例えば、45度のような角度で位置決めすることができる。ダイクロイックミラー916は、ある波長、例えば、近赤外線の蛍光を反射し、ある波長、例えば、赤色の蛍光を透過するように構成することができる。ダイクロイックミラー916を通じて透過された赤色光は、検出器904aによって検出することができる。ダイクロイックミラー916によって反射された近赤外線光は、付加的な検出器904cによって検出することができる。検出器904cの前には、光を検出器内に集束させる視野レンズ914cを配置することができる。
【0042】
図10は、一部の他の実施形態による粒子分析装置1000における集光及び光検出構成の概略図である。
図6に図示の実施形態と比較すると、該当波長範囲を有する蛍光を反射するのに、反射要素1010aを使用することができる。毛細管1002に関して同じ側に、2つ又はそれよりも多くの検出器1004、1005を配置することができ、この配置は、例えば、機器構成要素をパッケージ化するのに有利とすることができる。
【0043】
粒子分析装置1000は、光源と、励起ビーム(
図10には示していない)を集束及び案内するための第1の光学系と、分析される粒子を含む流体を通過させるように構成された毛細管1002とを含むことができる。粒子分析装置1000は、粒子又は粒子にラベル付けされた物質によって放出された蛍光を集光するように構成された第2の光学系1003と、毛細管1002に関して同じ側に配置することができる第1の検出器1004及び第2の検出器1005とを含むことができる。第2の光学系1003は、毛細管1002の第1の側にある第1の集光アーム1003aと、第1の集光アーム1003aの反対側とすることができる毛細管1002の第2の側にある第2の集光アーム1003bとを含むことができる。
【0044】
第1の集光アーム1003aは、第1の集光レンズ1008aと、第1第の平行化レンズ1012aと、第1の反射要素1010aとを含むことができる。第1の集光レンズ1000aは、粒子によって毛細管1002の第1の側から放出された光を集光するように構成することができる。第1の反射要素1010aは、集光された蛍光を再帰反射するように構成することができる。例えば、第1の反射要素1010aは、300nmから1000nmまで、350nmから950nmまで、又は400nmから900nmまでの範囲にわたる波長、又はあらゆる該当波長範囲の波長を有する蛍光を反射するように構成することができる。
【0045】
第2の集光アーム1003bは、第1の側とは反対の毛細管1002の第2の側にある第2の集光レンズ1008bと、第2の平行化レンズ1012bと、第2の反射要素1010bとを含むことができる。第2の集光レンズ1008bは、粒子によって第2の側から放出された光を集光するように構成することができる。第2の反射要素1010bは、平行化方向に対して、例えば、45度のような角度で位置決めすることができるダイクロイックフィルタとすることができる。ダイクロイックフィルタ1010bは、ある波長の蛍光、例えば、黄色光を反射し、ある波長の蛍光、例えば、赤色光を透過するように構成することができる。ダイクロイックフィルタ1010bを通じて透過された赤色光は、第1の検出器1004によって検出することができる。ダイクロイックミラー1010bによって反射された黄色光は、第2の検出器1005によって検出することができる。検出器1004、1005の前には、光を検出器内に集束させる視野レンズ1014、1015を配置することができる。当業者には、多チャンネル機器において検出することができる色数を高めるために、2つ又はそれよりも多くのダイクロイックフィルタを追加することができることは認められるであろう。
【0046】
当業者は、様々な他の修正を本発明の精神及び範囲で加えることができることを認めるであろう。これら又は他の全ての変形及び修正は、本発明者によって考えられており、本発明の範囲にある。
【符号の説明】
【0047】
600 粒子分析装置
602 毛細管
603a、603b 集光アーム
604a、604b 検出器
608a、608b 集光レンズ
【手続補正書】
【提出日】2015年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子分析装置内に使用するためのフローセルであって、
光の照明時に蛍光を発するか又は蛍光を発する物質でラベル付けされた分析される粒子を含む流体を通過させるように構成されたボアを形成する縦方向に拡がる壁を有する毛細管と、
前記毛細管の前記壁に取り付けられ、粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第1の集光レンズと、
を含むことを特徴とするフローセル。
【請求項2】
前記毛細管の前記壁は、第1の実質的に平坦な面を有し、前記第1の集光レンズは、該壁の該第1の平坦な面に取り付けられた平面を有することを特徴とする請求項1に記載のフローセル。
【請求項3】
前記第1のレンズに対向して前記毛細管の前記壁に取り付けられ、粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第2のレンズを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のフローセル。
【請求項4】
前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、光学接触によって前記毛細管に結合されることを特徴とする請求項3に記載のフローセル。
【請求項5】
前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、前記毛細管の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する物質を用いて該毛細管に結合されることを特徴とする請求項3に記載のフローセル。
【請求項6】
前記毛細管は、正方形又は矩形の外側形状を有して前記縦方向に対して横断する断面を有することを特徴とする請求項1に記載のフローセル。
【請求項7】
前記断面は、円又は正方形の内側形状を有することを特徴とする請求項6に記載のフローセル。
【請求項8】
前記断面は、矩形の外側形状と円の内側形状を有することを特徴とする請求項7に記載のフローセル。
【請求項9】
前記毛細管の前記壁は、4つの実質的に平坦な外面と円形内面とを含み、前記第1の集光レンズは、第1の平坦面に取り付けられ、
フローセルが、前記第1の平坦面に対向する第2の平坦面に取り付けられて粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第2のレンズを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のフローセル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
当業者は、様々な他の修正を本発明の精神及び範囲で加えることができることを認めるであろう。これら又は他の全ての変形及び修正は、本発明者によって考えられており、本発明の範囲にある。
なお、好ましい構成態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. 光の照明時に蛍光を発するか又は蛍光を発する物質でラベル付けされた分析される粒子を含む流体を通過させるように構成された毛細管と、
光源と、
前記毛細管を通じて光ビームを誘導して毛細管内に分析領域を定めるように構成された第1の光学系と、
前記分析領域内の粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成され、該分析領域に隣接する前記毛細管の第1の側に取り付けられた第1の集光レンズと、該第1の集光レンズに隣接して配置され、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ第1の反射要素から反射される該1つ又はそれよりも多くの波長とは異なる波長の蛍光を透過するように構成された第1の反射要素とを含む第2の光学系と、
前記第1の反射要素を通じて透過された蛍光を検出するように構成された第1の検出器と、
を含むことを特徴とする粒子分析装置。
2. 前記第2の光学系は、前記第1の側と反対の前記毛細管の第2の側に取り付けられた第2の集光レンズと、該第2の集光レンズに隣接して配置され、1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ第2の反射要素によって反射される該1つ又はそれよりも多くの波長とは異なる波長の蛍光を透過するように構成された第2の反射要素とを更に含み、 粒子分析装置が、前記第2の反射要素を通じて透過された蛍光を検出するように構成された第2の検出器を更に含む、
ことを特徴とする上記1に記載の粒子分析装置。
3. 前記第1の反射要素は、前記第2の反射要素によって透過可能な1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ該第2の反射要素によって反射可能な波長の蛍光を透過するように構成され、
前記第2の反射要素は、前記第1の反射要素によって透過可能な1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ該第1の反射要素によって反射可能な波長の蛍光を透過するように構成される、
ことを特徴とする上記2に記載の粒子分析装置。
4. 前記第2の光学系は、前記第1の集光レンズと前記第1の反射要素の間に配置された第1の平行化レンズと、前記第2の集光レンズと前記第2の反射要素の間に配置された第2の平行化レンズとを更に含むことを特徴とする上記3に記載の粒子分析装置。
5. 前記第2の光学系は、前記第1の反射要素から透過された波長の蛍光を反射し、かつ該第1の反射要素から透過された波長の蛍光を透過するように構成されて該第1の反射要素に隣接して配置された第3の反射要素を更に含み、
粒子分析装置が、前記第3の反射要素によって反射された蛍光を検出するように構成された第3の検出器を更に含む、
ことを特徴とする上記3に記載の粒子分析装置。
6. 前記第3の反射要素は、ダイクロイックフィルタであり、かつ光学軸に対して傾斜した角度で配置されることを特徴とする上記5に記載の粒子分析装置。
7. 前記第2の光学系は、前記第1の側と反対の前記毛細管の第2の側に取り付けられた第2の集光レンズと、該第2の集光レンズに隣接して配置され、該第2の集光レンズによって集光された範囲の波長の蛍光を再帰反射するように構成されたミラーである第2の反射要素とを更に含み、
前記第1の反射要素は、光学軸に対して傾斜した角度に置かれ、
粒子分析装置が、前記第1の反射要素によって反射された前記蛍光を検出するように構成された第2の検出器を更に含む、
ことを特徴とする上記1に記載の粒子分析装置。
8. 前記第1の反射要素は、ダイクロイックフィルタであることを特徴とする上記7に記載の粒子分析装置。
9. 分析される粒子を含む前記流体を前記毛細管内の前記分析領域を通じて搬送するように構成された流体システムを更に含むことを特徴とする上記1に記載の粒子分析装置。
10. 前記第1の検出器によって検出された光の信号を分析するように構成されたデータ取得及び分析システムを更に含むことを特徴とする上記1に記載の粒子分析装置。
11. 光の照明時に蛍光を発するか又は蛍光を発する物質でラベル付けされた粒子を分析するための分析領域を含む粒子分析装置に使用するための集光システムであって、
前記分析領域の第1の側の第1の集光レンズと、
前記第1の側とは反対の前記分析領域の第2の側の第2の集光レンズと、
前記第1の集光レンズに隣接して配置され、該第1の集光レンズによって集光された1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を再帰反射するように構成された第1の反射要素と、 を含むことを特徴とする集光システム。
12. 前記第1の反射要素は、該第1の反射要素によって反射される前記波長とは異なる波長の蛍光を透過するように更に構成されることを特徴とする上記11に記載の集光システム。
13. 前記第2の集光レンズに隣接して配置され、前記第1の反射要素によって透過可能な1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を再帰反射し、かつ該第1の反射要素によって反射可能な波長の蛍光を透過するように構成された第2の反射要素を更に含むことを特徴とする上記12に記載の集光システム。
14. 前記分析領域は、毛細管内に形成され、前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、光学接触によって該毛細管に結合されることを特徴とする上記13に記載の集光システム。
15. 前記分析領域は、毛細管内に形成され、前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、該毛細管の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する物質を用いて該毛細管に結合されることを特徴とする上記13に記載の集光システム。
16. 前記第1の集光レンズと前記第1の反射要素の間に配置された第1の平行化レンズと、前記第2の集光レンズと前記第2の反射要素の間に配置された第2の平行化レンズとを更に含むことを特徴とする上記13に記載の集光システム。
17. 前記第2の反射要素に隣接して配置されて光学軸に対して傾斜した角度で置かれ、該第2の反射要素から透過された波長の蛍光を反射し、かつ該第2の反射要素から透過された波長の蛍光を透過するように構成されたダイクロイックフィルタである第3の反射要素を更に含むことを特徴とする上記13に記載の集光システム。
18. 前記第1の集光レンズに隣接する第1の平行化レンズと、前記第2の集光レンズに隣接する第2の平行化レンズとを更に含むことを特徴とする上記11に記載の集光システム。
19. 1つ又はそれよりも多くの波長の蛍光を反射し、かつ第2の反射要素から反射されるものとは異なる波長の蛍光を透過するように構成されたダイクロイックフィルタであり、前記第2の集光レンズに隣接して配置され、かつ光学軸に対して傾斜した角度で置かれた第2の反射要素を更に含むことを特徴とする上記11に記載の集光システム。
20. 前記分析領域は、毛細管内に形成され、前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、光学接触によるか又は該毛細管の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する物質を用いて該毛細管に結合されることを特徴とする上記19に記載の集光システム。
21. 粒子分析装置内に使用するためのフローセルであって、
光の照明時に蛍光を発するか又は蛍光を発する物質でラベル付けされた分析される粒子を含む流体を通過させるように構成されたボアを形成する縦方向に拡がる壁を有する毛細管と、
前記毛細管の前記壁に取り付けられ、粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第1の集光レンズと、
を含むことを特徴とするフローセル。
22. 前記毛細管の前記壁は、第1の実質的に平坦な面を有し、前記第1の集光レンズは、該壁の該第1の平坦な面に取り付けられた平面を有することを特徴とする上記21に記載のフローセル。
23. 前記第1のレンズに対向して前記毛細管の前記壁に取り付けられ、粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第2のレンズを更に含むことを特徴とする上記21に記載のフローセル。
24. 前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、光学接触によって前記毛細管に結合されることを特徴とする上記23に記載のフローセル。
25. 前記第1及び第2の集光レンズのうちの少なくとも一方が、前記毛細管の屈折率と実質的に適合する屈折率を有する物質を用いて該毛細管に結合されることを特徴とする上記23に記載のフローセル。
26. 前記毛細管は、正方形又は矩形の外側形状を有して前記縦方向に対して横断する断面を有することを特徴とする上記21に記載のフローセル。
27. 前記断面は、円又は正方形の内側形状を有することを特徴とする上記26に記載のフローセル。
28. 前記断面は、矩形の外側形状と円の内側形状を有することを特徴とする上記27に記載のフローセル。
29. 前記毛細管の前記壁は、4つの実質的に平坦な外面と円形内面とを含み、前記第1の集光レンズは、第1の平坦面に取り付けられ、
フローセルが、前記第1の平坦面に対向する第2の平坦面に取り付けられて粒子又は該粒子にラベル付けされた物質から放出された蛍光を集光するように構成された第2のレンズを更に含む、
ことを特徴とする上記21に記載のフローセル。