【解決手段】CPU13は、機能スイッチ11aがオン状態になると、鍵盤10に「テンキー」、「テンポ値tempキー」および「拍数beatキー」を割り当てる。「テンポ値tempキー」又は「拍数beatキー」を押鍵してパラメータ種を指定し、入力したいパラメータ値をそのまま上位桁から順にテンキー入力すると、桁数nを歩進させながら桁毎のキー入力値input(1)〜input(n)を入力値Valに換算する。機能スイッチ11aがオフ状態になると、入力値Valを設定対象のパラメータ値に設定する。
前記パラメータ設定装置はさらに、外部操作に応じて、前記操作開始指示及び操作終了指示を送信する機能スイッチを有する、請求項1または2に記載のパラメータ設定装置。
前記パラメータ設定装置はさらに、夫々異なる数値データが割り当てられた複数の操作子を有し、前記複数の操作子のいずれかがが操作される度に、当該操作された操作子に割り当てられた数値データを送信する、請求項1乃至3のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
前記パラメータ設定装置はさらに、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データの組み合わせに対応した値のデータが予め定められた値を超えている場合には、前記受信された数値データを前記レジスタに格納されるのを禁止する禁止手段を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
前記パラメータ設定装置はさらに、外部操作に応答して、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データのうち、最も上位桁に格納された数値データをクリアするキャンセルスイッチを有する、請求項1乃至7のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
前記格納手段は、前記操作開始指示の受信後、前記外部から受信された数値データが「0」を表わす場合は、当該数値データを受信される度に、前記レジスタに格納させない、請求項1乃至8のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.構成
図1は、本発明の実施の一形態によるパラメータ入力装置を備えた電子鍵盤楽器100の構成を示すブロック図である。この図において、鍵盤10は、CPU13の動作モードが演奏モードであれば音高指定操作子として機能し、一方、パラメータ入力モードならば入力操作子として機能する。CPU13の動作モードは、
図2に図示する機能スイッチ11a(後述する)がオフ状態で演奏モードとなり、オン状態でパラメータ入力モードとなる。
【0013】
演奏モードで音高指定操作子として機能する鍵盤10は、押離鍵操作に応じたキーオン/キーオフ信号、鍵番号およびベロシティ等からなる演奏情報を発生する。鍵盤10が発生する演奏情報は、CPU13においてノートオン/ノートオフイベントに変換された後、音源部16に供給される。
【0014】
一方、パラメータ入力モードで入力操作子として機能する鍵盤10には、例えば
図2に図示する一例のように、鍵番号#60〜#69の各鍵(鍵スイッチ)に数値入力(「0」〜「9」)する「テンキー」が割り当てられ、さらに鍵番号#70、#73および#75の各鍵(鍵スイッチ)に、直前のテンキー入力を無効にする「キャンセルcanキー」、テンポを設定する「テンポ値tempキー」および拍数を設定する「拍数beatキー」がそれぞれ割り当てられる。
【0015】
なお、パラメータ入力モードで鍵盤10を入力操作子として用いる場合、
図2に図示したファクトリープリセットされる態様の他に、上述した「テンキー」、「キャンセルcanキー」、「テンポ値tempキー」および「拍数beatキー」を、ユーザ操作に応じて任意の鍵に割り当てる態様とすることも勿論可能である。
【0016】
操作部11は、図示していないが、電源をパワーオン/パワーオフする電源スイッチや、パラメータ設定変更の対象となる曲データを選択する曲データ選択スイッチなどの各種スイッチの他、
図2に図示する機能スイッチ11aを備えており、操作されるスイッチ種に対応したスイッチイベントを発生する。操作部11が発生するスイッチイベントは、CPU13に取り込まれる。
【0017】
機能スイッチ11aは、ユーザの押下操作でオン状態となり、その押下操作を離すとオフ状態になるオンオフスイッチである。CPU13は、この機能スイッチ11aがオン状態となった場合に発生するオンイベントに基づきパラメータ入力モードに遷移し、
図2に図示する一例のように、鍵盤10に入力操作子を割り当てると共に、機能スイッチ処理(後述する)を実行する。
【0018】
機能スイッチ処理については、追って詳述するが、概説すると、ユーザが機能スイッチ11aを押下操作してオン状態を維持している間に、鍵盤10の所定の鍵(鍵スイッチ)に割り当てた「テンキー」、「テンポ値tempキー」および「拍数beatキー」の操作を有効にしてパラメータ値(テンポや拍数)を入力可能とし、ユーザが当該スイッチ11aの押下操作を離してオフ状態になると、入力されたパラメータ値を設定する。
【0019】
表示部12は、CPU13から供給される表示制御信号に基づき、楽器各部のパラメータ設定状態や動作状態などを画面表示する。CPU13は、操作部11から供給される各種スイッチイベントに基づき動作モードを設定したり、装置各部の動作状態を設定したりする。具体的には、演奏モード下であれば、鍵盤10から供給される演奏情報に基づき音源部16に楽音波形データWの発生を指示する。また、本発明の要旨に係わるCPU13の特徴的な処理動作、すなわちパラメータ入力モード下であれば、上記機能スイッチ11aのオンオフ状態に応じた機能スイッチ処理を実行する。
【0020】
ROM14は、CPU13にロードされる各種制御プログラムを記憶する。各種制御プログラムとは、後述する機能スイッチ処理、当該機能スイッチ処理からコールされるテンキー処理および設定処理を含む。
【0021】
RAM15は、
図3に図示するように、ワークエリアWAおよび曲データエリアSDAを備える。曲データエリアSDAには、自動演奏又は自動伴奏に供せられる複数の曲データが記憶される。ワークエリアWAには、CPU13の処理に用いられる各種レジスタ・フラグデータが一時記憶される。以下、本発明の要旨に係る主要なレジスタ・フラグデータについて説明する。
【0022】
スイッチフラグSFは、前述した機能スイッチ11a(
図2参照)がユーザの押下操作に応じてオン状態となった場合に「1」、押下操作を離してオフ状態となった場合に「0」となるフラグである。したがって、このスイッチフラグSFが「1」ならばパラメータ入力モードを表し、「0」ならば演奏モードを表す。エラーフラグEFは、テンキー入力されたパラメータ値が適正な入力範囲を逸脱した場合に「1」となるフラグである。レジスタnには、テンキー入力により数値入力される毎に歩進される桁数が一時記憶される。以下、レジスタnの値を桁数nと記す。
【0023】
レジスタinput(1)〜(n)には、それぞれ桁毎にテンキー入力される数値が一時記憶される。以下、レジスタinput(1)〜(n)の値をキー入力値input(1)〜(n)と記す。レジスタValには、各桁毎のキー入力値input(1)〜(n)を数値換算した入力値がストアされる。以下、レジスタValの値を入力値Valと記す。
【0024】
音源部16は、周知の波形メモリ読み出し方式にて構成される複数の発音チャンネルを備え、CPU13から供給されるノートオン/ノートオフイベントに従って楽音波形データWを発生する。サウンドシステム17は、音源部16から出力される楽音波形データWをアナログ形式の楽音信号に変換し、当該楽音信号から不要ノイズを除去する等のフィルタリングを施した後、これを増幅してスピーカから放音させる。
【0025】
B.動作
次に、
図4〜
図6を参照して、上記構成による電子鍵盤楽器100のCPU13が実行する機能スイッチ処理、テンキー処理および設定処理の各動作について説明する。
【0026】
(1)機能スイッチ処理の動作
図4は、CPU13が実行する機能スイッチ処理の動作を示すフローチャートである。ユーザが機能スイッチ11a(
図2参照)を押下操作し、これにより当該機能スイッチ11aがオン状態になると、CPU13は本処理を起動し、
図4に図示するステップSA1のイニシャライズ処理を実行する。
【0027】
ステップSA1のイニシャライズ処理では、桁数nを「1」、キー入力値input( )の領域をゼロクリアする。また、機能スイッチ11aのオン状態に応じて、スイッチフラグSFを「1」にセットすると共に、エラーフラグEFをゼロリセットする。そして、初期化が完了すると、CPU13はステップSA2に進み、設定対象をソングにセットする。
【0028】
次いで、ステップSA3では、スイッチフラグSFが「1」であるか否か、つまりパラメータ入力モード下であるかどうかを判断する。ユーザが機能スイッチ11aを押下操作してオン状態を維持していれば、スイッチフラグSFは「1」(パラメータ入力モード下)なので、判断結果は「YES」になり、ステップSA4に進む。
【0029】
ステップSA4では、パラメータ入力モード下で入力操作子として機能するよう割り当てた鍵盤10の各鍵、すなわち
図2に図示する一例の場合であれば、鍵番号#60〜#69の「テンキー」、鍵番号#73の「テンポ値tempキー」、鍵番号#75の「拍数beatキー」の何れが押鍵されたかを判別する。
【0030】
ユーザが鍵番号#75の「拍数beatキー」を押鍵した場合には、上記ステップSA4を介してステップSA5に進む。ステップSA5では、設定対象をビートにセットすると共に、設定可能な最小値minおよび最大値maxを取得した後、上記ステップSA3に処理を戻す。
【0031】
ユーザが鍵番号#73の「テンポ値tempキー」を押鍵した場合には、上記ステップSA4を介してステップSA6に進む。ステップSA6では、設定対象をテンポにセットすると共に、設定可能な最小値minおよび最大値maxを取得した後、上記ステップSA3に処理を戻す。
【0032】
そして、ステップSA3に戻った時点でユーザが機能スイッチ11aを押下操作を続け、パラメータ入力モードを維持している状態において、パラメータ値を数値入力すべくユーザが鍵番号#60〜#69に割り当てた「0」〜「9」の「テンキー」の何れかを押鍵したとする。そうすると、上記ステップSA4を介してステップSA7に進み、テンキー処理を実行する。
【0033】
ステップSA7のテンキー処理では、後述するように、テンキー入力用の鍵(
図2に図示する鍵番号#60〜#69)が押鍵される毎に桁数nを歩進させながら桁毎のキー入力値input(1)〜input(n)を入力値Valに換算し、換算した入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超えなければ、適正なテンキー入力である旨を報知する操作音を発音させ、一方、入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超えてしまうと、誤ったテンキー入力である旨を報知するNG音を発音させる。また、入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超える誤ったテンキー入力が為された場合には、エラーフラグEFを「1」にセットする。
【0034】
続いて、ステップSA8では、エラーフラグEFが「1」、すなわち適正なテンキー入力が行われたか否かを判断する。上記ステップSA7のテンキー処理において、入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超える誤ったテンキー入力が為された場合には、エラーフラグEFが「1」にセットされる為、判断結果は「YES」となり、本処理を終える。つまり、設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超える誤ったテンキー入力が為されると、本処理を強制的に終了して最初からやり直しさせるようになっている。
【0035】
一方、適正なテンキー入力が為されていれば、エラーフラグEFは「0」なので、上記ステップSA8の判断結果は「NO」になり、ステップSA3に処理を戻し、ユーザが機能スイッチ11aを押下操作してオン状態を維持するパラメータ入力モード下であるかどうかを判断する。
【0036】
ここで、例えばユーザがテンキー入力し終えたとして、機能スイッチ11aの押下操作を離し、これにより機能スイッチ11aがオフ状態になったとする。そうすると、そのオフイベントに基づきCPU13がスイッチフラグSFをゼロリセットする。そして、スイッチフラグSFがゼロリセットされると、上記ステップSA3の判断結果が「NO」になり、ステップSA9に進む。ステップSA9では、桁数nが「1」より大きいか否か、つまりテンキー入力が行われたかどうかを判断する。テンキー入力が行われていなければ、判断結果は「NO」になり、本処理を終える。
【0037】
これに対し、テンキー入力が行われていると、桁数nは「1」より大きくなる為、上記ステップSA9の判断結果は「YES」になり、ステップSA10を介して設定処理を実行する。設定処理では、後述するように、桁毎のキー入力値input(1)〜(n)を入力値Valに換算し、換算された入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最小値min以上ならば、当該入力値Valを設定対象のパラメータ値として設定し、一方、最小値min未満ならば、例えばブザー警告音などのNG音を発音させてユーザに誤ったテンキー入力が行われた旨を報知して本処理を終える。
【0038】
(2)テンキー処理の動作
図5は、CPU13が実行するテンキー処理の動作を示すフローチャートである。上述した機能スイッチ処理のステップSA7(
図4参照)を介して本処理が実行されると、CPU13は
図5に図示するステップSB1に進み、1桁目の入力であるか否か、つまり桁数nが「1」であるかどうかを判断する。1桁目の入力であると、判断結果は「YES」になり、ステップSB2に進む。一方、2桁目以降の入力ならば、上記ステップSB1の判断結果は「NO」になり、後述のステップSB4に進む。
【0039】
続いて、ステップSB2では、「テンキー」が割り当てられた鍵の内、押鍵された鍵が「0」又は「1〜9」の何れであるかを判別する。1桁目の入力として押鍵された鍵が「0」であると、ステップSB3に進む。ステップSB3では、設定対象となるパラメータ種の最小値minが「0」であるか否かを判断する。つまり、ステップSB3では、「0」の鍵の押鍵が有効であるかどうかを判断する。
【0040】
最小値minが「0」ではないのに1桁目の入力として押鍵された鍵が「0」であると、「0」のテンキー入力は無効なので、判断結果が「NO」になり、本処理を終える。これに対し、最小値minが「0」であって、かつ1桁目の入力として押鍵された鍵が「0」ならば、「0」のテンキー入力は有効なので、上記ステップSB3の判断結果が「YES」になり、ステップSB4に進む。
【0041】
ステップSB4では、テンキー入力された数値(押鍵された鍵に割り当てられた値)を、桁数nのキー入力値input(n)として一時記憶する。そして、ステップSB5では、次桁のテンキー入力に備えて桁数nをインクリメントして歩進させる。次いで、ステップSB6では、現時点で入力されている桁毎のキー入力値input(1)〜(n)を入力値Valに換算する。具体的には、例えば3桁のテンキー入力としてキー入力値input(1)=「1」、キー入力値input(2)=「2」、キー入力値input(3)=「0」ならば、入力値Val=「1」×10
2+「2」×10+「0」=120となる。
【0042】
続いて、ステップSB7では、入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超えているか否か、つまり適正なテンキー入力であるかどうかを判断する。入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超え、適正なテンキー入力でないと判断された場合には、上記ステップSB7の判断結果は「YES」となり、ステップSB8に進む。
【0043】
ステップSB8では、例えばブザー警告音などのNG音の発音を音源部16に指示する。これにより、音源部16はブザー警告音を発音してユーザに誤ったテンキー入力が行われた旨を報知する。続いて、ステップSB9では、テンキー入力されたパラメータ値が設定可能な入力範囲を超えた誤ったテンキー入力が行われたことを表す為、エラーフラグEFを「1」にセットして本処理を終える。
【0044】
一方、入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超えない適正なテンキー入力が行われた場合には、上記ステップSB7の判断結果が「NO」になり、ステップSB10に進む。ステップSB10では、例えば適正なテンキー入力が行われた旨を表す操作音(例えば「ピッ」という音)の発音を音源部16に指示した後、本処理を終える。
【0045】
このように、テンキー入力処理では、「0〜9」の数値が割り当てられたテンキー入力用の鍵(
図2に図示する鍵番号#60〜#69)の押鍵に応じて、桁数nを歩進させながら桁毎のキー入力値input(1)〜input(n)を入力値Valに換算する。そして、換算した入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超えなければ、適正なテンキー入力である旨を報知する操作音又はメロディ音を発音させ、一方、入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超えてしまうと、誤ったテンキー入力である旨を報知するブザー警告音などのNG音を発音させると共に、エラーフラグEFを「1」にセットする。
【0046】
(3)設定処理の動作
図6は、CPU13が実行する設定処理の動作を示すフローチャートである。前述した機能スイッチ処理のステップSA10(
図4参照)を介して本処理が実行されると、CPU13は
図6に図示するステップSC1に進み、桁毎のキー入力値input(1)〜(n)を入力値Valに換算する。
【0047】
具体的には、例えば3桁のテンキー入力としてキー入力値input(1)=「1」、キー入力値input(2)=「2」、キー入力値input(3)=「3」ならば、入力値Valは「1」×10
2+「2」×10+「3」=123に換算される。また、例えば2桁のテンキー入力としてキー入力値input(1)=「9」、キー入力値input(2)=「0」ならば、入力値Valは「9」×10+「0」=90に換算される。
【0048】
次いで、ステップSC2では、換算された入力値Valが、設定対象となるパラメータ種の最小値min以上であるか否かを判断する。入力値Valが最小値min未満であると、判断結果は「NO」になり、ステップSC3に進み、例えばブザー警告音などのNG音の発音を音源部16に指示し、これによりユーザに誤ったテンキー入力が行われた旨を報知して本処理を終える。
【0049】
一方、入力値Valが最小値min以上ならば、上記ステップSC2の判断結果は「YES」になり、ステップSC4に進む。ステップSC4では、設定対象のパラメータ値を入力値Valに設定する。すなわち、設定対象が「ソング」の場合には入力値Valで指定される番号の曲データを設定し、設定対象が「テンポ値」の場合には入力値Valを現在のテンポ値(BPM)に設定し、設定対象が「ビート」の場合には入力値Valを現在の拍子に設定する。続いてステップSC5では、例えばパラメータ設定が正常に行われた旨を表すOK音(例えば「ピンポン」というチャイム音)の発音を音源部16に指示した後、本処理を終える。
【0050】
以上のように、設定処理では、桁毎のキー入力値input(1)〜(n)を入力値Valに換算し、換算された入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最小値min以上ならば、当該入力値Valを設定対象のパラメータ値として設定し、一方、最小値min未満ならば、例えばブザー警告音などのNG音を発音させてユーザに誤ったテンキー入力が行われた旨を報知する。
【0051】
(4)変形例の動作
図7は、変形例によるテンキー処理の動作を示すフローチャートである。
図7に図示する変形例によるテンキー処理が、前述したテンキー処理(
図5参照)と相違する点は、鍵番号#70の鍵(鍵スイッチ)に割り当てられた「キャンセルcanキー」の押鍵に応じて実行されるステップSB20〜SB23を具備することにある。したがって、以下では、
図5に図示したテンキー処理と共通するステップSB1〜SB10の動作説明を省略し、変形例によるテンキー処理としてステップSB20〜SB23の動作について説明する。
【0052】
前述した実施形態と同様に機能スイッチ処理のステップSA7(
図4参照)を介して本処理が実行されている過程、すなわち「0〜9」の数値が割り当てられたテンキー入力用の鍵(
図2に図示する鍵番号#60〜#69)の押鍵に応じて、桁数nを歩進させながら桁毎のキー入力値input(1)〜input(n)を入力値Valに換算している状況において、
図2に図示する鍵番号#70の鍵(鍵スイッチ)に割り当てられた「キャンセルcanキー」が押鍵されたとする。
【0053】
そうすると、
図7に図示するステップSB20の判断結果が「YES」になり、ステップSB21に進む。ステップSB21では、桁数nが「1」より大きいか否か、つまりテンキー入力が行われたかどうかを判断する。テンキー入力が行われていなければ、判断結果は「NO」になり、本処理を終える。この場合、「キャンセルcanキー」の押鍵を無効にする。
【0054】
一方、テンキー入力が行われていれば、桁数nは「1」より大きくなる為、上記ステップSB21の判断結果は「YES」になり、ステップSB22に進み、既に入力済のキー入力値input(n−1)を削除する。つまり「キャンセルcanキー」の押鍵以前に為された直前のテンキー入力操作によってRAM15のワークエリアWAにストアされたキー入力値input(n−1)の値をゼロクリアする。この後、ステップSB23に進み、桁数nをデクリメントして本処理を終える。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、ユーザが機能スイッチ11aを押下操作してオン状態にすると、鍵盤10の複数の鍵(鍵スイッチ)に数値入力用の「テンキー」、「テンポ値tempキー」および「拍数beatキー」を割り当て、「テンポ値tempキー」又は「拍数beatキー」の押鍵によりパラメータ種を指定した後、入力したいパラメータ値(数値)をそのまま上位桁から順にテンキー入力すると、桁数nを歩進させながら桁毎のキー入力値input(1)〜input(n)を入力値Valに換算する。そして、パラメータ値を入力し終えてユーザが機能スイッチ11aの押下操作を離してオフ状態になると、設定対象のパラメータ値として入力値Valを設定するので、入力桁数を考慮することなく入力したい数値をそのままテンキー入力することが出来る。
【0056】
また、本実施形態の変形例では、入力したいパラメータ値(数値)をそのまま上位桁から順にテンキー入力している過程で「キャンセルcanキー」が押鍵されると、既に入力済のキー入力値input(n−1)を削除する。つまり「キャンセルcanキー」に応じて、直前のテンキー入力操作を無効にするので、間違えたテンキー操作をキャンセルすることが出来る。
【0057】
本実施形態では、最初にテンキー入力された数値がパラメータ値の入力範囲を逸脱している場合、その最初のテンキー入力を無効にすることが出来る。
【0058】
さらに、本実施形態では、桁毎のキー入力値input(1)〜input(n)を入力値Valに換算し、換算した入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最大値maxを超えると、誤ったテンキー入力である旨をユーザに報知すると共に、パラメータ入力モードを解除するので、間違ったパラメータ入力を防止することが出来る。
【0059】
加えて、本実施形態では、桁毎のキー入力値input(1)〜(n)を入力値Valに換算し、換算された入力値Valが設定対象となるパラメータ種の最小値min未満であると、誤ったテンキー入力が行われた旨を報知すると共に、当該入力値Valを設定対象のパラメータ値として設定しないようにする為、間違ったパラメータ設定を防止することが出来る。
【0060】
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば電子管楽器(吹奏楽器)や電子ギター等、音高指定操作子を有し、かつ発生楽音を修飾するパラメータを設定変更可能な装置であれば、本発明を適用し得ることは言うまでもない。
【0061】
以下では、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された各発明について付記する。
(付記)
[請求項1]
複数桁夫々に数値データが格納可能なレジスタと、
外部からの操作開始指示の受信後、外部からの数値データが受信される度に、当該数値データを前記レジスタの複数桁の上位桁から順番に格納させる格納手段と、
外部からの操作終了指示に応答して、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データの組み合わせに対応した値のデータを、パラメータ値データとして設定する設定手段と、
を具備するパラメータ設定装置。
【0062】
[請求項2]
前記レジスタは、前記操作開始指示の受信に応答して前記複数桁夫々に格納されている数値データがクリアされる、請求項1に記載のパラメータ設定装置。
【0063】
[請求項3]
前記パラメータ設定装置はさらに、外部操作に応じて、前記操作開始指示及び操作終了指示を送信する機能スイッチを有する、請求項1または2に記載のパラメータ設定装置。
【0064】
[請求項4]
前記パラメータ設定装置はさらに、夫々異なる数値データが割り当てられた複数の操作子を有し、前記複数の操作子のいずれかがが操作される度に、当該操作された操作子に割り当てられた数値データを送信する、請求項1乃至3のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
【0065】
[請求項5]
前記パラメータ設定装置はさらに、
前記格納手段により前記レジスタの対応する桁に数値データが格納される毎に、報知音を発生する報知手段を有し、
前記報知手段は、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データの組み合わせに対応した値のデータが予め定められた値を超えている場合には、発生する報知音を異ならせる、請求項1乃至4のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
【0066】
[請求項6]
前記パラメータ設定装置はさらに、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データの組み合わせに対応した値のデータが予め定められた値を超えている場合には、前記受信された数値データを前記レジスタに格納されるのを禁止する禁止手段を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
【0067】
[請求項7]
前記設定手段は、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データの組み合わせに対応した値のデータが、予め設定された値を超えているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により超えていないと判別された場合に前記パラメータ値データとして設定する一方、超えている場合は、警告音を発生する警告手段と、
を有する請求項1乃至6のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
【0068】
[請求項8]
前記パラメータ設定装置はさらに、外部操作に応答して、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データのうち、最も上位桁に格納された数値データをクリアするキャンセルスイッチを有する、請求項1乃至7のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
【0069】
[請求項9]
前記格納手段は、前記操作開始指示の受信後、前記外部から受信された数値データが「0」を表わす場合は、当該数値データを受信される度に、前記レジスタに格納させない、請求項1乃至8のいずれかに記載のパラメータ設定装置。
【0070】
[請求項10]
請求項1乃至9のいずれかに記載のパラメータ設定装置と、
複数の鍵を有する鍵盤と、
前記鍵盤内のいずれかの鍵の押鍵に応答して、楽音を生成する音源と、
予め記憶された楽曲を、前記パラメータ設定装置にて設定されたパラメータに基づいて、再生する再生手段と、
を有する電子楽器。
【0071】
[請求項11]
前記電子楽器はさらに、前記鍵盤内の複数の鍵夫々に異なる数値データが割り当てられられるとともに、
外部操作に応じて、前記操作開始指示及び操作終了指示を送信する機能スイッチと、
前記機能スイッチにより前記操作開始指示が送信されてから前記操作終了指示を送信するまで、前記複数の鍵のいずれかがが押鍵される度に、当該押鍵された鍵に割り当てられた数値データを送信する送信手段と、
を有する請求項10に記載の電子楽器。
【0072】
[請求項12]
複数桁を有するレジスタを有するパラメータ設定装置が、
外部からの操作開始指示の受信に応答して前記レジスタの複数桁夫々に格納されている数値データをクリアし、
前記操作開始指示の受信後、外部からの数値データが受信される度に、当該数値データを前記レジスタの複数桁の上位桁から順番に格納させ、
外部からの操作終了指示に応答して、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データの組み合わせに対応した値のデータを、パラメータ値データとして設定する、パラメータ設定方法。
【0073】
[請求項13]
複数桁を有するレジスタを有するパラメータ設定装置として用いられるコンピュータに、
外部からの操作開始指示の受信に応答して前記レジスタの複数桁夫々に格納されている数値データをクリアするステップと、
前記操作開始指示の受信後、外部からの数値データが受信される度に、当該数値データを前記レジスタの複数桁の上位桁から順番に格納させるステップと、
外部からの操作終了指示に応答して、前記レジスタの複数桁夫々に格納された数値データの組み合わせに対応した値のデータを、パラメータ値データとして設定するステップと、
を実行させるプログラム。