【解決手段】光コネクタ10は、第一フェルール22を組み込んだ第一ハウジング21と、第一フェルール22に突き合わせ接続する第二フェルール32を組み込み、第一ハウジング21に脱着可能に嵌合される第二ハウジング31とを有し、第一ハウジング21は、外部ハウジング23と、外部ハウジング23内に収容され、第二ハウジング31と嵌合したときに外部ハウジング23に対する係止を解除可能な内部ハウジング24とを有し、内部ハウジング24に設けられ、これを第二ハウジング31に嵌合させる一対の係合片24m、及び、内部ハウジング24に設けられ、これを外部ハウジング23に係止するための一対の弾性係止片24dが、いずれも外部ハウジング23の中心軸線方向に直交する縦幅方向に配列されている。
第一ハウジングと、前記第一ハウジングに組み込まれた第一フェルールと、前記第一ハウジングに脱着可能に嵌合する第二ハウジングと、前記第二ハウジングに組み込まれ、前記第二ハウジングを前記第一ハウジングに嵌合したときに前記第一フェルールに突き合わせ接続される第二フェルールと、を備え、
前記第一ハウジングは、筒状の外部ハウジングと、前記外部ハウジング内に前記外部ハウジングの中心軸線方向に移動可能に収容されると共に内側に前記第一フェルールを収容する筒状の内部ハウジングと、を備え、
前記内部ハウジングに、前記外部ハウジングの中心軸線方向に直交する縦幅方向に配列された一対の係合片が形成され、
前記第二ハウジングに、前記縦幅方向に配列され、前記一対の係合片のそれぞれに係合することで前記第二ハウジングを前記内部ハウジングに嵌合させる一対の被係合片が形成され、
前記内部ハウジングの外周に、前記縦幅方向に配列された一対の弾性係止片が設けられ、
前記外部ハウジングに、前記縦幅方向に配列され、前記第二ハウジングが前記第一ハウジングから離脱した状態で前記一対の弾性係止片をそれぞれ係止して、前記内部ハウジングが前記外部ハウジングに対して移動することを規制する一対の規制係止部が形成され、
前記第二ハウジングに、前記第一ハウジングに向けて延出すると共に前記縦幅方向に配列され、前記一対の係合部が前記一対の被係合部に係合した状態から前記第二ハウジングをさらに第一ハウジング側に移動させることで、前記一対の弾性係止片をそれぞれ弾性的に内側に変位させて前記一対の規制係止部との係止状態を解除する一対の係止解除片が形成されていることを特徴とする光コネクタ。
前記係止解除片が、前記被係合片よりも前記第二ハウジングの中心軸線方向前側に配されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光コネクタ。
前記外部ハウジング内には、複数の前記内部ハウジングが前記中心軸線方向及び前記縦幅方向に直交する横幅方向に配列された状態で収容されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る光コネクタの第一実施形態について、
図1〜10を参照して説明する。
図1、
図2に示すように、本実施形態の光コネクタ10は、プラグインユニット50のコネクタ取付壁51に取り付けられた受け側光コネクタ20(第一光コネクタ)と、プラグインユニット50に挿脱可能なプリントボード60(プリント回路基板)に取り付けられた可動側光コネクタ30(第二光コネクタ)と、を備える。
【0022】
図1に示すように、プラグインユニット50は、互いに平行に延出する一対のガイド壁52、53と、これらガイド壁52、53に対して垂直に配されたコネクタ取付壁51とを有する。コネクタ取付壁51は、ミドルプレーンあるいはバックプレーンとして機能するものである。
【0023】
受け側光コネクタ20は、取付部材29によってコネクタ取付壁51の片面側から突出するように取り付けられている。受け側光コネクタ20のうちコネクタ取付壁51の片面側から突出する部分は、一対のガイド壁52,53の間に配される。以下の説明では、コネクタ取付壁51のうち受け側光コネクタ20が突出する側を前面側(又は前側)、この前面側とは反対の側を背面側と呼ぶことがある。
受け側光コネクタ20は、コネクタ取付壁51に形成された取付壁窓孔51aに対応させて、コネクタ取付壁51に取り付けられている。取付壁窓孔51aはコネクタ取付壁51の厚さ方向に貫通している。
【0024】
一対のガイド壁52、53の互いに対向する内面側には、コネクタ取付壁51に対するプリントボード60の進退動を案内する案内溝52a、53aが形成されている。プリントボード60は、ガイド壁52、53の案内溝52a、53aに案内されながら、ガイド壁52、53に対して垂直の向きを保ったままコネクタ取付壁51に向かって進退動可能となっている。
なお、ガイド壁52、53は
図1のみに図示し、他の図では図示を省略している。
【0025】
図1、
図3(b)、
図5(b)に示すように、受け側光コネクタ20は、ハウジング21(第一ハウジング。以下、受け側ハウジングと呼ぶ)の内側にフェルール22(以下、第一フェルールとも呼ぶ)を組み込むように構成されている。
図4(d)、
図5(b)に示すように、可動側光コネクタ30は、ハウジング31(第二ハウジング。以下、可動側ハウジングと呼ぶ)の内側にフェルール32(以下、第二フェルールとも呼ぶ)を組み込むように構成されている。
【0026】
図2、
図9に示すように、光コネクタ10は、可動側ハウジング31を受け側ハウジング21に嵌合させることで、フェルール22、32同士を突き合わせ接続できる。可動側ハウジング31は、プリントボード60をコネクタ取付壁51に対して進退動させることで、受け側ハウジング21に対して脱着可能である。可動側ハウジング31は受け側ハウジング21に脱着可能に嵌合する。
光コネクタ10は、受け側ハウジング21に対する可動側ハウジング31の脱着によって、フェルール22、32同士の接続と接続解除とを切り換えることができる。
【0027】
まず、受け側光コネクタ20の受け側ハウジング21について説明する。
図1、
図3、
図5に示すように、受け側ハウジング21は、筒状の外部ハウジング23と、外部ハウジング23の内側においてその中心軸線方向に移動可能に収容される筒状の内部ハウジング24と、を備える。
【0028】
図示例の外部ハウジング23は概略角筒状の外部ハウジング胴部23aを有する。
外部ハウジング胴部23aの中心軸線に直交する外部ハウジング胴部23aの断面外形は長方形状である。以下、受け側光コネクタ20について、外部ハウジング胴部23aの中心軸線に直交する断面の長手方向を縦幅方向、断面の短手方向を横幅方向として説明する。また、受け側光コネクタ20について、受け側ハウジング21の外部ハウジング胴部23aの中心軸線を前後方向として説明する。
外部ハウジング胴部23aは、縦幅方向両側の端板部23dと、横幅方向両側の側板部23eと、を有する(特に
図3(d)参照)。外部ハウジング胴部23aの軸線方向に直交する外部ハウジング胴部23aの内側領域の断面は長方形状である。
【0029】
図1、
図3(b)、5(b)に示すように、内部ハウジング24の内側には、第一フェルール22が収容される。図示例の第一フェルール22は、具体的には、MTフェルール(MT形光コネクタ。JIS C 5981に制定されるF12形光コネクタ。MT:Mechanically Transferable)である。
第一フェルール22は、光ファイバの先端に取り付けられている。この光ファイバの構成は特に限定されず、例えば、多心の光ファイバテープ心線等も採用可能であるが、本実施形態における光ファイバは、単心の光ファイバ心線、あるいは光ファイバ素線といった単心の光ファイバである。第一フェルール22には光ファイバの先端部が内挿固定されている。
図3(b)に示すように、第一フェルール22前端(先端)の接合端面22aには、第一フェルール22に内挿固定された光ファイバの裸光ファイバ71aの先端面が露出している。
【0030】
第一フェルール22には、複数本(例えば48本)の光ファイバの先端部が内挿固定されている。
図5(b)に示すように、第一フェルール22に内挿固定された複数本の光ファイバのうち第一フェルール22から後側に延出した部分は、保護チューブ72に収容される。第一フェルール22は、複数本の光ファイバを保護チューブ72に収容した光ファイバユニット73の先端に設けられている。
【0031】
図1、
図3(b)、
図3(c)、
図5(b)に示すように、各第一フェルール22には、その接合端面22aから前側に突出する一対の位置決めピン22dが設けられている。一対の位置決めピン22dは、互いに間隔をあけて配されている。一対の位置決めピン22dは、接合端面22aのうち裸光ファイバ71aの先端面が露出する領域の両側に配されている(特に
図3(b)参照)。各第一フェルール22は、一対の位置決めピン22dの配列方向を内部ハウジング24の横幅方向に揃えて、内部ハウジング24に収容されている。
【0032】
図1、
図3(b)、
図5(b)に示すように、受け側ハウジング21の内部ハウジング24には、第一フェルール22を収容するフェルール収容孔24aが形成されている。フェルール収容孔24aは、内部ハウジング24の中心軸線方向に延びて形成されている。フェルール収容孔24aは、内部ハウジング24の縦幅方向に互いに離隔する複数箇所(図示例では二箇所)に形成されている。第一フェルール22は、この内部ハウジング24の複数のフェルール収容孔24aに一つずつ収容されている。
【0033】
フェルール収容孔24aに収容された第一フェルール22は、所定の範囲内で内部ハウジング24の前後方向(フェルール収容孔24aの中心軸線方向に一致)に移動自在である。
図5(b)に示すように、各フェルール収容孔24aの内面には、抜き止め突起24bが突設されている。抜き止め突起24bは、第一フェルール22が内部ハウジング24に対してその前側に脱落することを防ぐ。第一フェルール22は、その後端部外周に突出するフランジ部22bが抜き止め突起24bにその後側から当接することで、フェルール収容孔24aから内部ハウジング24前側への脱落が規制される。
第一フェルール22の接合端面22a側の前端部は、第一フェルール22のフランジ部22bが抜き止め突起24bにその後側から当接したときに、フェルール収容孔24aから内部ハウジング24の前側に突出した状態となる。
【0034】
また、内部ハウジング24の各フェルール収容孔24aは、内部ハウジング24の後端から窪んで形成された後部凹所24pに連通している。各フェルール収容孔24aは、後部凹所24pからその前側に延びて形成されている。後部凹所24pには、第一フェルール22の接合端面22aとは反対の後側に配置されたスプリング26が収容されている。スプリング26は、第一フェルール22を内部ハウジング24前側に向けて弾性付勢する。
【0035】
図5(b)に示す図示例のスプリング26は、コイルスプリングである。スプリング26は、光ファイバユニット73を挿入させた上で、第一フェルール22の後側の部分と、内部ハウジング24の後端部に固定されたスプリング受け部材27との間に介装されている。受け側ハウジング21は、このスプリング受け部材27も含む。
スプリング受け部材27は、光ファイバユニット73を挿通させるように形成されている。スプリング受け部材27の後側の端部には径方向内側に突出する環状の受け部27aが形成されている。スプリング26は、この受け部27aに当接する。本実施形態では、第一フェルール22の数に対応する複数(図示例では二つ)のスプリング受け部材27が設けられている。複数のスプリング受け部材27は、複数のフェルール収容孔24aの配列にあわせて、内部ハウジング24の縦幅方向に配列されている。
【0036】
図5(b)に示すように、可動側光コネクタ30が受け側光コネクタ20から離脱され、内部ハウジング24に対する受け側光コネクタ20後方への押し込み力が作用していない状態では、第一フェルール22のフランジ部22bが、スプリング26の弾性付勢力によって、抜き止め突起24bにその後側から圧接される。
【0037】
以下の説明では、
図5(b)に示す内部ハウジング24に対する第一フェルール22の位置、すなわち、フランジ部22bが抜き止め突起24bにその後側から当接するときの位置を、初期位置とも呼ぶ。
図1、
図3(b)、
図3(c)に示す受け側光コネクタ20の第一フェルール22は、内部ハウジング24に対して初期位置にある。
【0038】
図5(b)等において、初期位置にある第一フェルール22は、内部ハウジング24の前側から受け側光コネクタ20の後方への押し込み力によって、スプリング26を押し縮めながら初期位置から内部ハウジング24に対してその後方へ向かって押し込むことができる。第一フェルール22の後端部は、第一フェルール22が初期位置から内部ハウジング24に対してその後方へ向かって押し込まれていくに伴い、内部ハウジング24の後部凹所24pに押し出されていく(例えば
図7(b)参照)。
また、内部ハウジング24に対して初期位置よりも後側へ押し込まれた第一フェルール22は、内部ハウジング24後方への押し込み力が解除されると、スプリング26の弾性付勢力によって初期位置に復帰する。
【0039】
図5に示すように、内部ハウジング24は、フェルール収容孔24aが形成された内部ハウジング本体24cと、内部ハウジング本体24cの外周に設けられた一対の弾性係止片24d及び一対の係合片24mを有する。
本実施形態において、複数のフェルール収容孔24aは、それぞれの中心軸線が互いに平行するように内部ハウジング本体24cに形成されている。また、内部ハウジング24は、内部ハウジング本体24cのフェルール収容孔24aの中心軸線が、角筒状の外部ハウジング胴部23aの中心軸線に平行するように、外部ハウジング23の内側に収容されている。
【0040】
図5(b)等に示すように、内部ハウジング本体24cは、外部ハウジング胴部23aの内面に対応する長方形状の断面外形を以て、フェルール収容孔24aの中心軸線方向に一致する前後方向に延在するハウジングメイン部24eと、このハウジングメイン部24eから前側に突出する前側筒部24fと、を有する。前述した後部凹所24pはハウジングメイン部24eに形成されている。
ハウジングメイン部24eは、その前後方向に直交する断面長手方向を、外部ハウジング23縦幅方向に一致させて、外部ハウジング胴部23a内に収容されている。これにより、内部ハウジング24が外部ハウジング23に対して前後方向に移動可能となっている。
【0041】
ハウジングメイン部24eが外部ハウジング胴部23aに収容された状態において、複数のフェルール収容孔24aは外部ハウジング23の縦幅方向に配列される。また、フェルール収容孔24aの前端は、前側筒部24fの前端(内部ハウジング本体24cの前端)に開口している。また、フェルール収容孔24aは、内部ハウジング本体24cの前側筒部24f前端から後部凹所24pまで、内部ハウジング24前後方向に延在形成されている。初期位置に配された第一フェルール22は、内部ハウジング本体24c前側に開口するフェルール収容孔24aの開口部から内部ハウジング24前側に突出する。
【0042】
図5(b)等に示すように、一対の弾性係止片24dは、内部ハウジング本体24cの縦幅方向に配列されている。図示例では、一対の弾性係止片24dが、内部ハウジング本体24cの前側筒部24fの縦幅方向両側に設けられている。
図5、
図6等に示すように、各弾性係止片24dは、前側筒部24fの縦幅方向の端部から後側へ延出する弾性延出片24gと、弾性延出片24gの延出方向の先端部に設けられた係止爪24hと、を有する。弾性延出片24gは、その延出方向の先端部が前側筒部24fの外周に近づく方向に移動するように、内部ハウジング本体24cに対して弾性変形可能である。すなわち、弾性係止片24dは、内部ハウジング24の縦幅方向内側に弾性的に変位可能である。
図3(a)、
図5(a)、
図6に示すように、本実施形態の係止爪24hは、弾性延出片24gの先端部から横幅方向両側に張り出すように設けられている。
また、各弾性係止片24dは、弾性延出片24gの延出方向の先端部に設けられた被押付突起24iを有する。被押付突起24iは、弾性延出片24gの横幅方向の中央部において前側筒部24fの外周から離れる方向(縦幅方向に一致する方向)に突出している。
【0043】
図5(b)等に示すように、一対の係合片24mは、前述した一対の弾性係止片24dと同様に、内部ハウジング本体24cの縦幅方向に配列されている。図示例では、一対の係合片24mが、内部ハウジング本体24cの前側筒部24fの縦幅方向両側に設けられている。各係合片24mは、一対の弾性係止片24dよりも内部ハウジング本体24cの前側に配されている。図示例の各係合片24mは、前側筒部24fの横幅方向の中央部において前側筒部24fの外周から離れる方向(縦幅方向に一致する方向)に突出している。
【0044】
さらに、内部ハウジング24は、
図3(a)、
図5に示すように、内部ハウジング本体24cの後端部から前後方向に直交する方向に突出する前進規制突起24jを有する。前進規制突起24jは、外部ハウジング23の後側、具体的には、外部ハウジング胴部23aの後側に配置されている。前進規制突起24jは、外部ハウジング23にその後側から当接することで、内部ハウジング24の外部ハウジング23に対する前方側への移動(前進)を規制する。
【0045】
図5、
図6等に示すように、受け側ハウジング21の外部ハウジング23には、内部ハウジング24を外部に露出させる一対の窓部23fが形成されている。一対の窓部23fは、外部ハウジング23の縦幅方向に配列されている。本実施形態では、一対の窓部23fが外部ハウジング胴部23aの一対の端板部23dにそれぞれ形成されている。各窓部23fは、各端板部23dの厚さ方向に貫通して形成されている。
各窓部23fには、前述した内部ハウジング24の弾性係止片24d及び係合片24mが挿入されている。また、弾性係止片24d及び係合片24mは、各窓部23fから外部ハウジング23の外側に突出している。本実施形態では、弾性係止片24d及び係合片24mが内部ハウジング本体24cの前側筒部24fに設けられているため、各窓部23fは、外部ハウジング胴部23aの前側の部分に形成されている。
【0046】
受け側ハウジング21の外部ハウジング23には、外部ハウジング23の縦幅方向に配列された一対の規制係止部23gが形成されている。
一対の規制係止部23gは、可動側ハウジング31が受け側ハウジング21から離脱した状態で、内部ハウジング24の一対の弾性係止片24dをそれぞれ係止して、内部ハウジング24が外部ハウジング23に対してその後方側に移動することを規制する。
本実施形態において、一対の規制係止部23gは、外部ハウジング胴部23aの一対の端板部23dにそれぞれ形成され、内部ハウジング24の弾性係止片24dが外部ハウジング23の前側から当接する係止面23hである。
【0047】
図示例の係止面23hは、各端板部23dの横幅方向両側に一対形成されている。これら一対の係止面23hには、弾性係止片24dのうち弾性延出片24gの横幅方向両側に張り出す一対の係止爪24hが当接する。また、図示例の係止面23hは、前述した窓部23fの内面のうち外部ハウジング23の前方に向く面(以下、前側面と呼ぶ)の一部をなしている。
前述した内部ハウジング24の弾性係止片24dは、その係止爪24hが上記した係止面23hよりも外部ハウジング23の縦幅方向の内側に変位するように弾性変形可能である。弾性係止片24dが内側に弾性変形した状態では、内部ハウジング24の弾性係止片24dと外部ハウジング23の規制係止部23gとの係止状態が解除され、外部ハウジング23に対する内部ハウジング24の後方側への移動が許容される。
【0048】
また、
図6に示すように、外部ハウジング23の内面のうち各係止面23hよりも外部ハウジング23の後方側に間隔をあけた各位置には、各係止爪24hを収容するための収容凹所23iが形成されている。収容凹所23iには、内部ハウジング24の弾性係止片24dと外部ハウジング23の規制係止部23gとの係止状態が解除されて内部ハウジング24が外部ハウジング23の後方側に移動したときに、係止爪24hが入り込む領域である。
係止爪24hが収容凹所23iに入り込んだ状態において外部ハウジング23の前後方向に対向する係止爪24h及び収容凹所23iの対向面24k,23k(特に
図10参照)の少なくとも一方は、係止爪24hが収容凹所23iの対向面23kに押しつけられた際に係止爪24hを収容凹所23iから抜き出すように案内する傾斜案内面となっている。傾斜案内面は、外部ハウジング23の内側に向かうにしたがって外部ハウジング23の前方側に傾斜している。図示例では、係止爪24h及び収容凹所23iの対向面24k,23kの両方が、上記した傾斜案内面となっている。
【0049】
また、
図5等に示すように、窓部23fの前側面のうち上記した一対の係止面23hの間の領域には、弾性係止片24dの被押付突起24iを収容する挿入凹部23lが開口している。挿入凹部23lは、外部ハウジング23の内面から窪むように形成されている。挿入凹部23lの寸法(特に前後方向に一致する挿入凹部23lの寸法)は、受け側ハウジング21及び可動側ハウジング31の脱着状態に関わらず、被押付突起24i及び後述する可動側ハウジング31の係止解除片33gが外部ハウジング23に干渉しないように設定されている(
図9参照)。図示例では、外部ハウジング23の外面のうち上記した挿入凹部23lに対応する領域が縦幅方向外側に張り出している。
【0050】
また、
図5等に示すように、外部ハウジング23には、窓部23fを外側から覆って窓部23fに挿入された弾性係止片24dの一部を保護する保護用壁部23mが形成されている。保護用壁部23mは、窓部23fの前側面のうち挿入凹部23lの開口領域よりも外部ハウジング23の外側の領域から外部ハウジング23の前方側に突出している。図示例の保護用壁部23mは、弾性係止片24dの弾性延出片24gを覆うが、弾性係止片24dの係止爪24hや係合片24mは覆わない。また、保護用壁部23mは、弾性延出片24gの延出方向の基端部との間に隙間が形成されるように配されている。
【0051】
さらに、
図5、
図6等に示すように、外部ハウジング23には、一対の乗り上げ突起部23nが設けられている。一対の乗り上げ突起部23nは、外部ハウジング23の縦幅方向に配列されている。各乗り上げ突起部23nは、外部ハウジング23の前端部に形成されている。各乗り上げ突起部23nは、外部ハウジング23の端板部23dの外面から外側(縦幅方向に一致する方向)に突出している。
乗り上げ突起部23nのうち外部ハウジング23の後側の端部には、外部ハウジング23の外側(乗り上げ突起部23nの突出方向)に向かうにしたがって外部ハウジング23の前側に傾斜する係合解除用案内面23oが形成されている。また、乗り上げ突起部23nのうち外部ハウジング23の前側の端部には、外部ハウジング23の外側に向かうにしたがって外部ハウジング23の後側に傾斜する係合用案内面23pが形成されている。
本実施形態において、各乗り上げ突起部23nは、外部ハウジング23の窓部23fに挿入された係合片24mに対して外部ハウジング23の横幅方向両側に形成されている。
【0052】
また、
図1〜3に示すように、外部ハウジング23には、可動側ハウジング31を受け側ハウジング21に嵌合する際に後述する可動側ハウジング31の差込突起33hを差し込む一対の差込用切欠23qが形成されている。一対の差込用切欠23qは、外部ハウジング23の横幅方向に配列されている。各差込用切欠23qは、外部ハウジング23の前端から後方側に窪んでいる。各差込用切欠23qは、外部ハウジング胴部23aの側板部23eに形成されている。
【0053】
以上のように構成される本実施形態の受け側ハウジング21において、
図1、
図3、
図5、
図6に示すように、内部ハウジング24の弾性係止片24dが外部ハウジング23の規制係止部23gに係止した状態、すなわち、弾性係止片24dの係止爪24hが外部ハウジング23の係止面23hに対向している状態では、内部ハウジング24が外部ハウジング23に対して後方に移動することが規制される。また、外部ハウジング23後側に配置された前進規制突起24jによって、内部ハウジング24が外部ハウジング23に対して前方に移動することが規制される。
したがって、内部ハウジング24の弾性係止片24dが外部ハウジング23の規制係止部23gに係止した状態において、内部ハウジング24は、外部ハウジング23に対してその前後方向に移動することが規制され、外部ハウジング23から外れることがない。
【0054】
そして、上記した受け側光コネクタ20は、取付部材29によってコネクタ取付壁51に取り付けられる。取付部材29の構成や形状等は任意であってよい。取付部材29は、少なくともコネクタ取付壁51に対する外部ハウジング23の若干の浮動が許容されるように、外部ハウジング23をコネクタ取付壁51の取付壁窓孔51aに係止した状態に保持すればよい。
図示例では、取付部材29が外部ハウジング23とコネクタ取付壁51との間に介在している。また、取付部材29は、外部ハウジング胴部23aよりも一回り大きな角筒状に形成されている。取付部材29の前端部には、外部ハウジング胴部23aの後端部が挿入された状態に保持される。取付部材29の後端部は、コネクタ取付壁51の取付壁窓孔51aに係止する。
【0055】
次に、可動側光コネクタ30の可動側ハウジング31について説明する。
図1、
図4、
図5に示すように、可動側ハウジング31は、筒状の外部ハウジング33(以下、可動側外部ハウジングとも呼ぶ)と、この外部ハウジング33の内側に収容された内部ハウジング34(以下、可動側内部ハウジングとも呼ぶ)と、を有する。これら外部ハウジング33及び内部ハウジング34は相互に固定されている。
【0056】
図示例の可動側外部ハウジング33は概略角筒状の外部ハウジング胴部33aを有する。
外部ハウジング胴部33aの中心軸線に直交する外部ハウジング胴部33aの断面外形は長方形状である。以下、可動側光コネクタ30について、外部ハウジング胴部33aの中心軸線に直交する断面の長手方向を縦幅方向、断面の短手方向を横幅方向として説明する。また、可動側光コネクタ30について、可動側外部ハウジング33の外部ハウジング胴部33aの中心軸線を前後方向として説明する。
可動側外部ハウジング33の外部ハウジング胴部33aは、縦幅方向両側の端板部33dと、横幅方向両側の側板部33eと、を有する(
図4(b)参照)。外部ハウジング胴部33aの軸線方向に直交する外部ハウジング胴部33aの内側領域の断面は長方形状である。
【0057】
図4(d)、
図5(b)に示すように、可動側内部ハウジング34の内側には、第二フェルール32が収容される。図示例の第二フェルール32は、具体的には、MTフェルール(MT形光コネクタ。JIS C 5981に制定されるF12形光コネクタ。MT:Mechanically Transferable)である。
第二フェルール32は、光ファイバの先端に取り付けられている。本実施形態における光ファイバは、単心の光ファイバ心線、あるいは光ファイバ素線といった単心の光ファイバであるが、例えば多心の光ファイバテープ心線等であってもよい。第二フェルール32には光ファイバの先端部が内挿固定されている。
図4(d)に示すように、第二フェルール32前端(先端)の接合端面32aには、第二フェルール32に内挿固定された光ファイバの裸光ファイバ81aの先端面が露出している。
【0058】
第二フェルール32には、複数本(例えば48本)の光ファイバの先端部が内挿固定されている。
図5(b)に示すように、第二フェルール32に内挿固定された複数本の光ファイバのうち第二フェルール32から後側に延出した部分は、保護チューブ82に収容される。第二フェルール32は、複数本の光ファイバを保護チューブ82に収容した光ファイバユニット83の先端に設けられている。
【0059】
図4(d)、
図5(b)に示すように、各第二フェルール32には、その接合端面32aから後側に窪む一対の位置決め孔32dが設けられている。一対の位置決め孔32dは、互いに間隔をあけて配されている。一対の位置決め孔32dは、接合端面32aのうち裸光ファイバ81aの先端面が露出する領域の両側に配されている。各第二フェルール32は、一対の位置決め孔32dの配列方向を可動側内部ハウジング34の横幅方向に揃えて、可動側内部ハウジング34に収容されている。
【0060】
一対の位置決め孔32dには、第一フェルール22及び第二フェルール32を互いに突き合わせる際に第一フェルール22の一対の位置決めピン22dがそれぞれ挿入される(
図7参照)。これにより、第一フェルール22及び第二フェルール32が相互に位置決めされる。
また、位置決め孔32dの内径は、位置決めピン22dの外径と同等に設定されている。さらに、一対の位置決め孔32d同士の間隔は、一対の位置決めピン22d同士の間隔と同等に設定されている。これにより、一対の位置決めピン22dを一対の位置決め孔32dにそれぞれ挿入することで、第一フェルール22及び第二フェルール32を互いに高精度に位置決めした状態で突き合わせ接続できる。
【0061】
図4(d)、
図5(b)に示すように、可動側内部ハウジング34には、第二フェルール32を収容するフェルール収容孔34aが形成されている。フェルール収容孔34aは、可動側内部ハウジング34の中心軸線方向に延びて形成されている。フェルール収容孔34aは、可動側内部ハウジング34の縦幅方向に互いに離隔する複数箇所(図示例では二箇所)に形成されている。第二フェルール32は、この可動側内部ハウジング34の複数のフェルール収容孔34aにそれぞれ一つずつ収容されている。
【0062】
フェルール収容孔34aに収容された第二フェルール32は、所定の範囲内で可動側内部ハウジング34の前後方向(フェルール収容孔34aの中心軸線方向に一致)に移動自在である。
各フェルール収容孔34aの内面には、抜き止め突起34bが突設されている。抜き止め突起34bは、第二フェルール32が可動側内部ハウジング34に対してその前側に脱落することを防ぐ。第二フェルール32は、その後端部外周に突出するフランジ部32bが、抜き止め突起34bにその後側から当接することで、フェルール収容孔34aから可動側内部ハウジング34前側への脱落が規制される。
第二フェルール32の接合端面32a側の前端部は、第二フェルール32のフランジ部32bが抜き止め突起34bにその後側から当接したときに、フェルール収容孔34aから可動側内部ハウジング34の前側へ突出した状態となる。
【0063】
また、
図5(b)に示すように、可動側内部ハウジング34の各フェルール収容孔34aは、可動側内部ハウジング34の後端から窪んで形成された後部凹所34pに連通している。各フェルール収容孔34aは、後部凹所34pからその前側に延びて形成されている。後部凹所34pには、第二フェルール32の接合端面32aとは反対の後側に配置されたスプリング36が収容されている。スプリング36は、第二フェルール32を可動側内部ハウジング34前側に向けて弾性付勢する。
【0064】
図5(b)に示す図示例のスプリング36は、コイルスプリングである。スプリング36は、光ファイバユニット83を挿入させた上で、第二フェルール32の後側の部分と、可動側内部ハウジング34の後端部に固定されたスプリング受け部材37との間に介装されている。可動側ハウジング31は、このスプリング受け部材37も含む。
スプリング受け部材37は、光ファイバユニット83を挿通させるように形成されている。スプリング受け部材37の後側の端部には径方向内側に突出する環状の受け部37aが形成されている。スプリング36は、この受け部37aに当接する。本実施形態では、第二フェルール32の数に対応する複数(図示例では二つ)のスプリング受け部材37が設けられている。複数のスプリング受け部材37は、複数のフェルール収容孔34aの配列にあわせて、可動側内部ハウジング34の縦幅方向に配列されている。
【0065】
図5(b)に示すように、可動側光コネクタ30が受け側光コネクタ20から離脱され、可動側内部ハウジング34に対する可動側光コネクタ30後方への押し込み力が作用していない状態では、第二フェルール32のフランジ部32bが、スプリング36の弾性付勢力によって、抜き止め突起34bにその後側から圧接される。
【0066】
以下の説明では、
図5(b)に示す可動側内部ハウジング34に対する第二フェルール32の位置、すなわち、フランジ部32bが抜き止め突起34bにその後側から当接するときの位置を、初期位置とも呼ぶ。
図4(a)〜(d)に示す可動側光コネクタ30の第二フェルール32は、可動側内部ハウジング34に対して初期位置にある。
【0067】
図5(b)等において、初期位置にある第二フェルール32は、可動側内部ハウジング34の前側から可動側光コネクタ30の後方への押し込み力によって、スプリング36を押し縮めながら初期位置から可動側内部ハウジング34に対してその後方へ向かって押し込むことができる。第二フェルール32の後端部は、第二フェルール32が初期位置から可動側内部ハウジング34に対してその後方へ向かって押し込まれていくに伴い、可動側内部ハウジング34の後部凹所34pに押し出されていく(例えば
図7(b)参照)。
また、可動側内部ハウジング34に対して初期位置よりも後側へ押し込まれた第二フェルール32は、可動側内部ハウジング34後方への押し込み力が解除されると、スプリング36の弾性付勢力によって初期位置に復帰する。
【0068】
図4、
図5に示すように、可動側内部ハウジング34は、フェルール収容孔34aが形成された内部ハウジング本体34c(以下、可動側内部ハウジング本体とも呼ぶ)と、内部ハウジング本体34cの外周に設けられた一対の被係合片34dと、を有する。
本実施形態において、複数のフェルール収容孔34aは、それぞれの中心軸線が互いに平行するように可動側内部ハウジング本体34cに形成されている。また、可動側内部ハウジング34は、可動側内部ハウジング本体34cのフェルール収容孔34aの中心軸線が、角筒状の外部ハウジング胴部33aの中心軸線に平行するように、可動側外部ハウジング33の内側に収容されている。
【0069】
図5(b)等に示すように、可動側内部ハウジング本体34cは、外部ハウジング胴部23aの内面に対応する長方形状の断面外形を以て、フェルール収容孔34aの中心軸線方向に一致する前後方向に延在するハウジングメイン部34eと、このハウジングメイン部34eから前側に突出する前側筒部34fと、を有する。前述した後部凹所34pはハウジングメイン部34eに形成されている。
【0070】
ハウジングメイン部34eは、その前後方向に直交する断面長手方向を、可動側外部ハウジング33縦幅方向に一致させて、外部ハウジング胴部33a内に収容されている。
前側筒部34fの縦幅方向の寸法は、ハウジングメイン部34eよりも小さく設定されている。縦幅方向に向く前側筒部34fの外面は、縦幅方向に向くハウジングメイン部34eの外面よりも内側に位置している。
【0071】
ハウジングメイン部34eが外部ハウジング胴部33aに収容された状態において、複数のフェルール収容孔34aは可動側外部ハウジング33の縦幅方向に配列される。また、フェルール収容孔34aの前端は、前側筒部34fの前端(可動側内部ハウジング本体34cの前端)に開口している。また、フェルール収容孔34aは、可動側内部ハウジング本体34cの前側筒部34f前端から後部凹所34pまで、可動側内部ハウジング34前後方向に延在形成されている。初期位置に配された第二フェルール32は、可動側内部ハウジング本体34c前側に開口するフェルール収容孔34aの開口部から可動側内部ハウジング34前側に突出する。
【0072】
図5(b)等に示すように、一対の被係合片34dは、可動側内部ハウジング本体34cの縦幅方向に配列されている。一対の被係合片34dは、前述した受け側ハウジング21の内部ハウジング24に設けられた一対の係合片24mにそれぞれ係合することで、可動側ハウジング31を内部ハウジング24に嵌合させる(例えば
図7参照)。図示例では、一対の被係合片34dが、可動側内部ハウジング本体34cの前側筒部34fの縦幅方向両側に配されている。
【0073】
各被係合片34dは、ハウジングメイン部34eの前側の端部から前方側に延出する弾性延出片34gと、弾性延出片34gの延出方向の先端部に形成された係合孔34hと、を有する。
弾性延出片34gは、前側筒部34fの外周に対して間隔をあけて配されている。弾性延出片34gは、その延出方向の先端部が前側筒部34fの外周に近づく方向及び外周から離れる方向に移動するように、可動側内部ハウジング本体34cに対して弾性変形可能である。
【0074】
係合孔34hには、受け側ハウジング21の係合片24mが挿入される。これにより、可動側ハウジング31の被係合片34dが受け側ハウジング21の係合片24mに係合する。本実施形態では、受け側ハウジング21の係合片24mが可動側内部ハウジングの内側から係合孔34hに挿入される。このため、係合孔34hは、少なくとも弾性延出片34gのうち前側筒部34fに対向する面から窪んで形成されていればよい。図示例の係合孔34hは、弾性延出片34gを貫通して形成されている。
【0075】
また、各被係合片34dは、被係合片34dを係合片24mに係合させる際、及び、係合片24mと被係合片34dとの係合を解除する際に、弾性延出片34gを弾性変形させるための弾性変形用突起部34iを有する。弾性変形用突起部34iは、弾性延出片34gのうち前側筒部34f側の面から突出している。弾性変形用突起部34iは、係合孔34hよりも弾性延出片34gの延出方向先端側に配されている。
【0076】
弾性変形用突起部34iのうち可動側内部ハウジング34の後側の端部には、可動側内部ハウジング34の内側(弾性変形用突起部34iの突出方向)に向かうにしたがって可動側内部ハウジング34の前側に傾斜する係合解除用案内面34jが形成されている。また、弾性変形用突起部34iのうち可動側内部ハウジング34の前側の端部には、可動側内部ハウジング34の内側に向かうにしたがって可動側内部ハウジング34の前側に傾斜する係合用案内面34kが形成されている。
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)に示すように、本実施形態の弾性変形用突起部34iは、係合孔34hに対して可動側内部ハウジング34の横幅方向両側に形成されている。
【0077】
図5、
図6、
図8に示すように、弾性変形用突起部34iは、例えば、可動側ハウジング31を受け側ハウジング21に嵌合させるために、可動側ハウジング31を受け側ハウジング21に向けて前進させた際に、受け側ハウジング21の乗り上げ突起部23nに乗り上げることで、弾性延出片34gの延出方向の先端部が前側筒部34fの外周から離れる方向に移動するように、弾性延出片34gを弾性変形させる。
【0078】
また、
図5等に示すように、本実施形態の可動側内部ハウジング34は、可動側外部ハウジング33に対する可動側内部ハウジング34の前後方向への移動を規制する一対の規制突起34lを有する。一対の規制突起34lは、可動側内部ハウジング本体34cの後端部から前後方向に直交する方向に突出している。一対の規制突起34lは、可動側内部ハウジング34の前後方向に間隔をあけて配列されている。図示例の一対の規制突起34lは、可動側内部ハウジング本体34cのハウジングメイン部34eに形成されている。
可動側内部ハウジング34は、上記した一対の規制突起34lの間に可動側外部ハウジング33の一部を保持することで可動側外部ハウジング33に嵌合される。これにより、可動側内部ハウジング34が可動側外部ハウジング33に固定される。
【0079】
可動側外部ハウジング33には、可動側内部ハウジング34を外部に露出させる一対の窓部33f(以下、可動側窓部33fと呼ぶ)が形成されている。一対の可動側窓部33fは、可動側外部ハウジング33の縦幅方向に配列されている。本実施形態では、一対の可動側窓部33fが外部ハウジング胴部33aの一対の端板部33dにそれぞれ形成されている。各可動側窓部33fは、各端板部33dの厚さ方向に貫通して形成されている。
各可動側窓部33fには、前述した可動側内部ハウジング34の被係合片34dが挿入されている。ただし、被係合片34dの弾性変形用突起部34iは、可動側窓部33fよりも可動側外部ハウジング33の内側に突出している。本実施形態では、被係合片34dが可動側内部ハウジング本体34cの前側筒部34fの外側に配されているため、各可動側窓部33fは、外部ハウジング胴部33aの前側の部分に形成されている。
【0080】
可動側外部ハウジング33は、可動側外部ハウジング33の縦幅方向に配列された一対の係止解除片33gを有する。各係止解除片33gは、外部ハウジング胴部33aの前端から受け側ハウジング21側に向かうように前側に突出している。一対の係止解除片33gは、外部ハウジング胴部33aの一対の端板部33dの各前端から前側に突出している。
各係止解除片33gは、前述した可動側窓部33fよりも可動側外部ハウジング33の前側に配されている。すなわち、各係止解除片33gは、可動側窓部33fに挿入された被係合片34dよりも可動側外部ハウジング33の前側に配されている。
【0081】
一対の係止解除片33gは、
図7に示すように、受け側ハウジング21の一対の係合片24mが可動側ハウジング31の一対の被係合片34dに係合した状態から、
図9、
図10に示すように、可動側ハウジング31をさらに受け側ハウジング21側に移動させることで、受け側ハウジング21の一対の弾性係止片24dをそれぞれ弾性的に内側に変位させ、一対の弾性係止片24dと一対の規制係止部23gとの係止状態を解除する。一対の弾性係止片24dと一対の規制係止部23gとの係止状態を解除する際、一対の係止解除片33gは一対の弾性係止片24dの被押付突起24iにそれぞれ押し付けられる。
【0082】
また、
図1、
図2、
図4に示すように、可動側外部ハウジング33は、可動側ハウジング31を受け側ハウジング21に嵌合する際に受け側ハウジング21の一対の差込用切欠23qのそれぞれに差し込む一対の差込突起33hを有する。一対の差込突起33hは、可動側外部ハウジング33の横幅方向に配列されている。各差込突起33hは、外部ハウジング胴部33aの側板部33eに形成されている。各差込突起33hは、外部ハウジング胴部33aの後端側の部分から前方に延出している。側方(横幅方向)から見た各差込突起33hの寸法は、各差込用切欠23qの寸法に対応している。このため、一対の差込突起33hを一対の差込用切欠23qにそれぞれ差し込んだ状態では、受け側ハウジング21の外部ハウジング23及び可動側外部ハウジング33が互いに縦幅方向に位置ずれすることを抑制できる。
本実施形態の差込突起33hは、側板部33eの縦幅方向の両端部に外部ハウジング胴部33aの前端から後方側に窪む一対の切欠を形成することで、これら一対の切欠の間に形成される。
【0083】
上記した可動側光コネクタ30は、
図1、
図2、5(a)に示すように、可動側外部ハウジング33の横幅方向がプリントボード60の厚さ方向に直交するように、すなわち、外部ハウジング胴部33aの一対の側板部33eがプリントボード60に平行すると共に一対の側板部33eの一方がプリントボード60に対向するように、プリントボード60に取り付けられる。可動側光コネクタ30は、取付部材によってプリントボード60に取り付けられる。取付部材の構成や形状は任意であってよいが、本実施形態における取付部材はネジ39である。
このため、本実施形態の可動側外部ハウジング33は、
図1、
図2、
図4、
図5に示すように、ネジ39の軸部を挿通させる筒状のネジ挿通部33iを有する。ネジ挿通部33iは、その軸方向が可動側外部ハウジング33の横幅方向に一致するように、外部ハウジング胴部33aの一対の端板部33dの外面にそれぞれ一体に設けられている。図示例のネジ挿通部33iは、外部ハウジング胴部33aの後側の部分に配されている。
【0084】
また、本実施形態の可動側外部ハウジング33は、可動側光コネクタ30をネジ39によってプリントボード60に固定する前に、可動側光コネクタ30をプリントボード60に対して位置決めするための位置決め突起33jを有する。位置決め突起33jは、外部ハウジング胴部33aの一対の側板部33eに一体に形成され、一対の側板部33eの各外面から突出している。位置決め突起33jは、各側板部33eに複数(図示例では二つ)設けられている。
これにより、可動側光コネクタ30をプリントボード60に取り付ける際に、位置決め突起33jをプリントボード60に予め形成された孔(不図示)に挿入することで、プリントボード60に対する可動側外部ハウジング33の位置が保持されるため、可動側光コネクタ30をネジ39によってプリントボード60に容易に固定することができる。
【0085】
次に、上記した本実施形態の光コネクタ10において、可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20に装着する際の作用について説明する。
まず、
図5,6に示すように、可動側光コネクタ30が受け側光コネクタ20に対して離脱した状態における受け側光コネクタ20及び可動側光コネクタ30について説明する。
この状態では、可動側ハウジング31から離脱した受け側ハウジング21では、一対の弾性係止片24dが一対の規制係止部23gに係止されているため、受け側ハウジング21の内部ハウジング24(以下、受け側内部ハウジングとも呼ぶ)の外部ハウジング23(以下、受け側外部ハウジングとも呼ぶ)に対する後方側への移動が規制されている。また、受け側内部ハウジング24の前進規制突起24jが受け側外部ハウジング23の後側に配されているため、受け側内部ハウジング24の受け側外部ハウジング23に対する前方側への移動が規制されている。すなわち、離脱状態における受け側ハウジング21では、受け側内部ハウジング24の受け側外部ハウジング23に対する前後方向への移動が規制されている。
【0086】
また、可動側光コネクタ30から離脱した受け側光コネクタ20では、第一フェルール22のフランジ部22bが受け側内部ハウジング24の抜き止め突起24bにその後側から当接している。すなわち、第一フェルール22が初期位置に配されている。
さらに、受け側光コネクタ20から離脱した可動側光コネクタ30では、第二フェルール32のフランジ部32bが可動側内部ハウジング34の抜き止め突起34bにその後側から当接している。すなわち、第二フェルール32が初期位置に配されている。
【0087】
可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20に装着するために、可動側光コネクタ30をコネクタ取付壁51に向けて前進させると、はじめに、
図7,8に示すように、可動側外部ハウジング33の各係止解除片33gが、受け側内部ハウジング24(特に弾性延出片の基端部)と受け側外部ハウジング23(特に保護用壁部23m)との隙間に挿入される。次いで、可動側外部ハウジング33の一対の差込突起33hが、受け側外部ハウジング23の一対の差込用切欠23qにそれぞれ挿入される(
図2参照)。これにより、可動側外部ハウジング33が受け側外部ハウジング23に対して横幅方向や縦幅方向に位置ずれすることを抑制できる。
その後、可動側光コネクタ30の第二フェルール32が、受け側光コネクタ20の第一フェルール22に突き合わせ接続される。また、可動側内部ハウジング34の一対の被係合片34dが受け側内部ハウジング24の一対の係合片24mにそれぞれ係合する。これにより、可動側ハウジング31が受け側ハウジング21の受け側内部ハウジング24に嵌合する。
【0088】
ここで、可動側光コネクタ30の第二フェルール32が受け側光コネクタ20の第一フェルール22に突き合わせ接続される際には、一対の弾性係止片24dが一対の規制係止部23gに係止した状態に保持され、受け側内部ハウジング24の受け側外部ハウジング23に対する後方側への移動が規制されている。このため、受け側光コネクタ20及び可動側光コネクタ30のフェルール22,32同士は、スプリング26,36の弾性付勢力に基づく適正な突き当て力で突き合わせ接続される。
また、受け側光コネクタ20及び可動側光コネクタ30のフェルール22,32同士を突き合わせ接続する際には、第一フェルール22の一対の位置決めピン22dが第二フェルール32の一対の位置決め孔32dにそれぞれ挿入されるため、第一フェルール22及び第二フェルール32が相互に位置決めされる。
【0089】
可動側内部ハウジング34の被係合片34dと受け側内部ハウジング24の係合片24mとの係合は、以下のように実施される。
可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20に向けて前進させると、はじめに、被係合片34dの弾性変形用突起部34iが、受け側ハウジング21の乗り上げ突起部23nに対して前進方向から当接し、乗り上げ突起部23n上に乗り上げる。この際には、乗り上げ突起部23n及び弾性変形用突起部34iの係合用案内面23p,34kが互いに当接するため、弾性変形用突起部34iを滑らかに乗り上げ突起部23n上に乗り上げさせることができる。弾性変形用突起部34iが乗り上げ突起部23n上に乗り上げることで、被係合片34dの弾性延出片34gが受け側内部ハウジング24の縦幅方向外側に弾性変形し、被係合片34dの係合孔34hが係合片24mよりも受け側内部ハウジング24の縦幅方向外側に位置する。
【0090】
その後、可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20に向けてさらに前進させることで、被係合片34dの弾性変形用突起部34iが受け側ハウジング21の乗り上げ突起部23nを乗り越えて、乗り上げ突起部23nの後側に到達すると、被係合片34dの弾性延出片34gが受け側内部ハウジング24の縦幅方向内側に弾性復帰する。これにより、係合片24mが被係合片34dの係合孔34hに挿入され、係合片24mと被係合片34dとが係合する。この係合状態では、前述したスプリング26,36の弾性付勢力が、受け側内部ハウジング24と可動側ハウジング31とを相互に引き離す方向に作用するため、係合片24mが係合孔34hの内面に当接する。
【0091】
さらに、可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20に装着するためには、上記のように第二フェルール32が第一フェルール22に突き合わせ接続され、かつ、可動側内部ハウジング34の被係合片34dが受け側内部ハウジング24の係合片24mに係合した後に、
図9,10に示すように、可動側光コネクタ30をコネクタ取付壁51に向けてさらに前進させる。
この際には、可動側ハウジング31の係止解除片33gが、受け側内部ハウジング24の弾性係止片24dの被押付突起24iに押し付けられて、弾性係止片24dを縦幅方向の内側に弾性的に変位させる。ここで、被押付突起24iのうち係止解除片33gが当接する面は、受け側内部ハウジング24縦幅方向外側に向かうにしたがって受け側内部ハウジング24の後方に傾斜しているため、係止解除片33gを被押付突起24iに押し付けることで、弾性係止片24dを縦幅方向の内側に容易に変位させることができる。
【0092】
弾性係止片24dが縦幅方向の内側に弾性的に変位すると、弾性係止片24dの係止爪24hが係止面23hよりも受け側外部ハウジング23の縦幅方向の内側に変位するため、受け側内部ハウジング24の弾性係止片24dと受け側外部ハウジング23の規制係止部23gとの係止状態が解除される。
この際には、受け側内部ハウジング24が、スプリング26の弾性付勢力によって受け側外部ハウジング23に対してその後方側に移動した上で、
図10に示すように、弾性係止片24dが弾性復帰して弾性係止片24dの係止爪24hが収容凹所23iに入り込む。
以上により、受け側光コネクタ20に対する可動側光コネクタ30の装着が完了する。
【0093】
図9、
図10に示すように、可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20に装着した状態では、受け側内部ハウジング24及び可動側ハウジング31が受け側外部ハウジング23に対して所定範囲で前後方向に移動自在である。
受け側内部ハウジング24及び可動側ハウジング31は、受け側外部ハウジング23に対し、可動側外部ハウジング33の差込突起33hの先端が受け側外部ハウジング23の差込用切欠23qの底部(差込用切欠23qのうち受け側外部ハウジング23の後方側の端部)に当接する位置まで、コネクタ取付壁51に向けて前進可能である(
図2参照)。また、受け側内部ハウジング24及び可動側ハウジング31は、受け側外部ハウジング23に対し、弾性係止片24dの係止爪24hが受け側外部ハウジング23の収容凹所23iの後側の端部に当接する位置まで、コネクタ取付壁51から後退可能である。
【0094】
また、可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20に装着した状態では、可動側内部ハウジング34の被係合片34dと受け側内部ハウジング24の係合片24mとが係合し、受け側内部ハウジング24が可動側ハウジング31に一体に固定されている。このため、可動側ハウジング31を受け側外部ハウジング23に対して所定範囲内で移動させても、受け側光コネクタ20及び可動側光コネクタ30のフェルール22,32同士は、スプリング26,36の弾性付勢力によって突き合わせ接続した状態に保持される。
したがって、例えば可動側ハウジング31に対してコネクタ取付壁51から後退する方向への外力が不意に作用しても、受け側光コネクタ20及び可動側光コネクタ30のフェルール22,32同士の突き合わせ接続が解除されることを抑制できる。
【0095】
次に、可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20から離脱する際の作用について説明する。
図9,10に示す状態から可動側光コネクタ30を受け側光コネクタ20から離脱するために、可動側光コネクタ30をガイド壁部から後退させると、はじめに、受け側内部ハウジング24の係止爪24hの対向面24kが、受け側外部ハウジング23の収容凹所23iの対向面23kに対して後退方向から当接する。このため、可動側光コネクタ30をコネクタ取付壁51からさらに後退させると、弾性係止片24dが縦幅方向の内側に弾性的に変位して、係止爪24hが収容凹所23iから抜け出す。
次いで、可動側光コネクタ30をコネクタ取付壁51からさらに後退させることで、
図7,8に示すように、弾性係止片24dが弾性復帰して、弾性係止片24dの係止爪24hが受け側外部ハウジング23の窓部23fに入り込む。これにより、弾性係止片24dの係止爪24hが受け側外部ハウジング23の係止面23hに対向する。すなわち、受け側内部ハウジング24の弾性係止片24dが受け側外部ハウジング23の規制係止部23gに係止される。
【0096】
その後、可動側光コネクタ30をコネクタ取付壁51からさらに後退させることで、可動側内部ハウジング34の被係合片34dと受け側内部ハウジング24の係合片24mとの係合状態が解除される。被係合片34dと係合片24mとの係合解除は、以下のように実施される。
図7,8に示す状態から可動側光コネクタ30をコネクタ取付壁51から後退させると、はじめに、被係合片34dの弾性変形用突起部34iが、受け側ハウジング21の乗り上げ突起部23nに対して後退方向から当接し、乗り上げ突起部23n上に乗り上げる。この際には、乗り上げ突起部23n及び弾性変形用突起部34iの係合解除用案内面23o,34jが互いに当接するため、弾性変形用突起部34iを滑らかに乗り上げ突起部23n上に乗り上げさせることができる。弾性変形用突起部34iが乗り上げ突起部23n上に乗り上げることで、被係合片34dの弾性延出片34gが受け側内部ハウジング24の縦幅方向外側に弾性変形し、被係合片34dの係合孔34hが係合片24mよりも受け側内部ハウジング24の縦幅方向外側に位置する。これにより、受け側内部ハウジング24の係合片24mが被係合片34dの係合孔34hから抜け出す。
【0097】
その後、可動側光コネクタ30をコネクタ取付壁51からさらに後退させると、被係合片34dの弾性変形用突起部34iが受け側ハウジング21の乗り上げ突起部23nを乗り越えて、乗り上げ突起部23nの前側に到達し、被係合片34dの弾性延出片34gが受け側内部ハウジング24の縦幅方向内側に弾性復帰する。弾性延出片34gが弾性復帰する位置では、被係合片34dの係合孔34hが係合片24mに対して後退方向にずれて位置するため、係合片24mが被係合片34dの係合孔34hに入り込むことはない。
以上により、可動側内部ハウジング34の被係合片34dと受け側内部ハウジング24の係合片24mとの係合状態が解除され、受け側光コネクタ20に対する可動側光コネクタ30の離脱が完了する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態の光コネクタ10では、受け側ハウジング21において、一対の係合片24m、一対の弾性係止片24d及び一対の規制係止部23gが、いずれも受け側ハウジング21の縦幅方向に配列されている。また、可動側ハウジング31において、一対の被係合片34d及び一対の係止解除片33gが、いずれも可動側ハウジング31の縦幅方向に配列されている。
すなわち、本実施形態の光コネクタ10によれば、従来のように、受け側内部ハウジング24と受け側外部ハウジング23との間に係止解除片33gを挿入するための隙間が、受け側外部ハウジング23の横幅方向に配列されない。このため、受け側ハウジング21の横幅方向の寸法を小さく設定することができる。したがって、受け側ハウジング21の小型化を容易に実現することが可能となる。
【0099】
また、本実施形態の光コネクタ10によれば、受け側内部ハウジング24の係合片24m及び弾性係止片24dが、受け側外部ハウジング23の窓部23fに挿入されるため、受け側ハウジング21の縦幅方向の寸法をより小さく設定することが可能となる。
【0100】
さらに、本実施形態の光コネクタ10によれば、受け側内部ハウジング24の係合片24mが弾性係止片24dよりも受け側内部ハウジング24の前側に配され、可動側ハウジング31の係止解除片33gが被係合片34dよりも可動側ハウジング31の前側に配されている。これにより、受け側ハウジング21の一対の係合片24m、一対の弾性係止片24d及び一対の規制係止部23g、並びに、可動側ハウジング31の一対の被係合片34d及び一対の係止解除片33gが、それぞれ縦幅方向に配列されても、受け側光コネクタ20に対する可動側光コネクタ30の脱着を容易に実現することができる。
【0101】
また、本実施形態の光コネクタ10によれば、受け側内部ハウジング24の被係合片34dが可動側外部ハウジング33の可動側窓部33fに挿入されるため、可動側外部ハウジング33に形成された係止解除片33gを被係合片34dに対して可動側ハウジング31の前側に並べて配することができる。また、受け側ハウジング21の縦幅方向の寸法をより小さく設定することもできる。
【0102】
〔第二実施形態〕
次に、本発明に係る光コネクタの第二実施形態について、
図11〜13を参照して説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0103】
図11〜13に例示する本実施形態の光コネクタ100は、第一実施形態と同様に、プラグインユニット50のコネクタ取付壁51に取り付けられた受け側光コネクタ120(第一光コネクタ)と、プラグインユニット50に挿脱可能なプリントボード60に取り付けられた可動側光コネクタ130(第二光コネクタ)と、を備える。
【0104】
図11に示すように、受け側光コネクタ120は、第一実施形態と同様に受け側ハウジング121を有する。受け側ハウジング121は、第一実施形態と同様に受け側外部ハウジング123(外部ハウジング)及び受け側内部ハウジング124(内部ハウジング)を有する。
受け側内部ハウジング124の構成は第一実施形態の受け側内部ハウジング24と同じである。ただし、受け側光コネクタ120は、複数(図示例では四つ)の受け側内部ハウジング124を有する。一方、受け側外部ハウジング123は、第一実施形態の受け側外部ハウジング23と同様の受け側外部ハウジングユニット128をその横幅方向に複数(図示例では四つ)配列すると共に、これら複数の受け側外部ハウジングユニット128を一体に固定して構成されている。このため、受け側外部ハウジング123は、その縦幅方向の寸法が横幅方向の寸法よりも小さい角筒状に形成されている。
【0105】
複数の受け側内部ハウジング124は、複数の受け側外部ハウジングユニット128に一つずつ収容されている。すなわち、受け側外部ハウジング123内には、複数の受け側内部ハウジング124が受け側外部ハウジング123の横幅方向に配列された状態で収容されている。
図13に示すように、受け側光コネクタ120は、第一実施形態と同様に、取付部材29によってコネクタ取付壁51の片面側から突出するように取り付けられている。
【0106】
図12に示すように、可動側光コネクタ130は、第一実施形態と同様に可動側ハウジング131を有する。可動側ハウジング131は、第一実施形態と同様に可動側外部ハウジング133及び可動側内部ハウジング134を有する。
可動側内部ハウジング134の構成は第一実施形態の可動側内部ハウジング34と同じである。ただし、可動側光コネクタ30は、複数(図示例では四つ)の可動側内部ハウジング134を有する。
一方、可動側外部ハウジング133は、第一実施形態の可動側外部ハウジング33と同様の可動側外部ハウジングユニット138をその横幅方向に複数(図示例では四つ)配列すると共に、これら複数の可動側外部ハウジングユニット138を一体に固定して構成されている。このため、可動側外部ハウジング133は、その縦幅方向の寸法が横幅方向の寸法よりも小さい角筒状に形成されている。可動側外部ハウジング133は、縦幅方向両側の端板部133dと、横幅方向両側の側板部133eを有する。
複数の可動側内部ハウジング134は、複数の可動側外部ハウジングユニット138に一つずつ収容されている。すなわち、可動側外部ハウジング133内には、複数の可動側内部ハウジング134が可動側外部ハウジング133の横幅方向に配列された状態で収容されている。
【0107】
この可動側光コネクタ130は、可動側外部ハウジング133の縦幅方向がプリントボード60の厚さ方向に直交するように、すなわち、可動側外部ハウジング133の一対の端板部133dがプリントボード60に平行すると共に可動側外部ハウジング133の一対の端板部133dの一方がプリントボード60に対向するように、プリントボード60に取り付けられる。
これに伴い、本実施形態では、受け側光コネクタ120が取り付けられるプラグインユニット50の一対のガイド壁52,53(
図1参照)は、受け側外部ハウジング123の横幅方向に配列される。
【0108】
可動側光コネクタ130は、第一実施形態と同様に取付部材によってプリントボード60に取り付けられる。本実施形態における取付部材はネジ(不図示)である。
このため、本実施形態の可動側外部ハウジング133は、ネジの軸部を挿通させるネジ挿通部133iを有する。ネジ挿通部133iは、その軸方向が可動側外部ハウジング133の横幅方向に一致するように、可動側外部ハウジング133の横幅方向両側に設けられている。図示例のネジ挿通部133iは、板状に形成され、プリントボード60に対向する可動側外部ハウジング133の一方の端板部133dの外面と同一平面をなすように配されている。
また、本実施形態の可動側外部ハウジング133は、第一実施形態と同様の位置決め突起133jを有する。位置決め突起133jは、可動側外部ハウジング133の横幅方向両側に設けられている。図示例の位置決め突起133jは、一方の端板部133dの外面と同一平面をなすネジ挿通部133iの面から突出しているが、例えば、一方の端板部133dの外面から突出してもよい。
【0109】
さらに、
図11〜13に示すように、本実施形態の光コネクタ100は、可動側光コネクタ130を受け側光コネクタ120に装着する際に、可動側外部ハウジング133を受け側外部ハウジング123に対して位置決めするための位置決め構造140を有する。位置決め構造140は、可動側外部ハウジング133を受け側外部ハウジング123の一方に設けられるハウジング位置決めピン141と、可動側外部ハウジング133を受け側外部ハウジング123の他方に設けられる位置決めピン挿通部142と、を有する。図示例の光コネクタ100では、ハウジング位置決めピン141が受け側外部ハウジング123に設けられ、位置決めピン挿通部142が可動側外部ハウジング133に設けられる。
【0110】
ハウジング位置決めピン141は、受け側外部ハウジング123の横幅方向の両端部に設けられている。ハウジング位置決めピン141は、受け側ハウジング121の前端よりも前方に突出するように、受け側ハウジング121の前後方向に延びている。また、ハウジング位置決めピン141は、受け側外部ハウジング123に対して若干の浮動が許容されるように、受け側外部ハウジング123に保持されている。
位置決めピン挿通部142は、可動側外部ハウジング133の横幅方向の両端部に設けられている。図示例の位置決めピン挿通部142のうち可動側外部ハウジング133の前側の端部は、可動側外部ハウジング133の前端よりも後側に位置しているが、これに限ることはない。
【0111】
以上のように構成される本実施形態の光コネクタ100において、可動側光コネクタ130を受け側光コネクタ120に対して脱着する際の作用は、第一実施形態と同様である。
ただし、本実施形態では、可動側光コネクタ130を受け側光コネクタ120に装着するために、可動側光コネクタ130をコネクタ取付壁51に向けて前進させると、はじめに、ハウジング位置決めピン141が位置決めピン挿通部142に挿入される。これにより、可動側外部ハウジング133が受け側外部ハウジング123に対して大まかに位置決めされる。その後は、第一実施形態と同様に、可動側外部ハウジング133の各係止解除片33gが、受け側内部ハウジング124と受け側外部ハウジング23との隙間に挿入される等する。
【0112】
本実施形態の光コネクタ100によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の光コネクタ100によれば、第一実施形態と同様に、各受け側ハウジング121において、一対の係合片24m、一対の弾性係止片24d及び一対の規制係止部23gが、いずれも受け側ハウジング121の縦幅方向に配列されている。また、可動側ハウジング131において、一対の被係合片34d及び一対の係止解除片33gが、いずれも可動側ハウジング31の縦幅方向に配列されている。このため、複数の受け側内部ハウジング124を容易に受け側外部ハウジング123の横幅方向に配列することができる。言い換えれば、複数の受け側内部ハウジング124を収容する受け側外部ハウジング123を容易に製造することができる。
【0113】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
例えば、上記した第一実施形態若しくは第二実施形態において、前記位置決めピンが前記第二フェルール32に設けられ、かつ、前記位置決め孔が前記第一フェルール22に設けられてもよい。
【0114】
前記可動側ハウジングを構成する前記可動側外部ハウジング及び前記可動側内部ハウジングは、例えば一体に形成されてもよい。
【0115】
前記受け側内部ハウジングの前記係合片は、例えば前記受け側内部ハウジングの外周から内側に窪む係合穴を有してもよい。この場合、前記可動側ハウジングの前記被係合片の延出方向先端部には、前記可動側外部ハウジングの縦幅方向内側に突出し、前記受け側内側ハウジングの係合穴に挿入される係合突部が形成さればよい。
【0116】
前記受け側光コネクタは、例えば、コネクタ取付壁51以外のコネクタ支持部材に取り付けられてもよい。
前記可動側光コネクタは、例えば、プリントボード60以外のコネクタ支持部材に取り付けられてもよい。
また、前記可動側光コネクタは、例えば、コネクタ支持部材に取り付けられなくてもよい。この場合には、作業者が前記可動側光コネクタを把持して、前記可動側光コネクタを前記受け側光コネクタに対して脱着すればよい。
【0117】
前記光コネクタの具体的構成は、本発明の技術的思想に適合する限り、なんら限定されるものではない。