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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227942(P2015-227942A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】電子打楽器用パッド及び電子打楽器
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/00 20060101AFI20151120BHJP
【FI】
   G10H1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-113289(P2014-113289)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
(72)【発明者】
【氏名】宮田 智矢
(72)【発明者】
【氏名】樋山 邦夫
【テーマコード(参考)】
5D378
【Fターム(参考)】
5D378SE06
5D378SE36
5D378SF09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】打撃を精度よく迅速に検出できる電子打楽器用パッド及び電子打楽器を提供する。
【解決手段】電子打楽器用パッド10は、表面に打撃力を受けて振動するパッド層11と、1又は複数の光学式測距センサー13とを備える。パッド層11内に光学式測距センサー13の測定光の光路17を有する。パッド層11が弾性体層とこの弾性体層の表面に積層されるシート材とを有し、光路17が弾性体層に厚さ方向に形成されているとよい。パッド層11の裏面側に配設され、光学式測距センサー13を支持する支持体12をさらに備えるとよい。光路17が光ファイバーであるとよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に打撃力を受けて振動するパッド層と、
1又は複数の光学式測距センサーと
を備える電子打楽器用パッドであって、
前記パッド層内に光学式測距センサーの測定光の光路を有することを特徴とする電子打楽器用パッド。
【請求項2】
前記パッド層が弾性体層とこの弾性体層の表面に積層されるシート材とを有し、
前記光路が前記弾性体層に厚さ方向に形成されている請求項1に記載の電子打楽器用パッド。
【請求項3】
前記パッド層の裏面側に配設され、前記光学式測距センサーを支持する支持体をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の電子打楽器用パッド。
【請求項4】
前記光路が光ファイバーである請求項1、請求項2又は請求項3に記載の電子打楽器用パッド。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子打楽器用パッドを備える電子打楽器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子打楽器用パッド及び電子打楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
打撃を検出して電子音を発生する電子打楽器に使用され、打撃により生じた振動を検出するセンサーを備える電子打楽器用パッドが知られている。
【0003】
従来の電子打楽器用パッドとしては、金属板の表面にゴムシートを積層し、このゴムシートの表面への打撃による振動を、金属板の裏面に配設した圧電素子によって検出する構成が公知である(特開2003−295864号公報参照)。
【0004】
また、上述の圧電素子によって打撃を検出する構成の電子打楽器用パッドとは異なる形態の従来の電子打楽器用パッドとしては、有底筒状の本体の開口を封止するようにシート状の振動板を張り渡し、本体内部の底面に配設した光学式測距センサーによって振動板の振動を検出する構成が公知である(特開平4−116695号公報参照)。
【0005】
上述の圧電素子によって打撃を検出するよう構成された電子打楽器用パッドは、金属板を介してゴムシートの振動を検出するため、小さな振動を検出しにくいという不都合がある。
【0006】
また、上述の光学式測距センサーによって打撃を検出するよう構成された電子打楽器用パッドは、共振状態の振動板の振幅を測定するので、先の打撃による振動と後の打撃による振動とが重なって検出される。このためこの構成の電子打楽器用パッドでは、複数の打撃を分離して検出するために複雑な演算処理が必要である。そのような演算処理を行うと、電子打楽器用パッドを打撃してから電子音が発せられるまでの間に遅延が生じるという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−295864号公報
【特許文献2】特開平4−116695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記不都合に鑑みて、本発明は、打撃を精度よく迅速に検出できる電子打楽器用パッド及び電子打楽器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するためになされた発明は、表面に打撃力を受けて振動するパッド層と、1又は複数の光学式測距センサーとを備える電子打楽器用パッドであって、前記パッド層内に光学式測距センサーの測定光の光路を有することを特徴とする電子打楽器用パッドである。
【0010】
当該電子打楽器用パッドは、パッド層内に光学式測距センサーの測定光の光路を形成したことによって、打撃を受けるパッド層の表面に近く、振動があまり減衰しない位置においてパッド層の振動を光学式測距センサーで直接検出できる。このように、当該電子打楽器用パッドは、小さな打撃力による振動であっても精度よく検出できる。さらに、前記パッド層は、光学式測距センサーの測定光の光路以外の部分において振動を吸収するため、打撃による振動を早く減衰させる。このため、当該電子打楽器用パッドは、先の打撃による振動と後の打撃による振動との分離が容易であり、演算による遅れが小さい。従って、当該電子打楽器用パッドは、打撃を精度よく迅速に検出できる。
【0011】
前記パッド層が弾性体層とこの弾性体層の表面に積層されるシート材とを有し、前記光路が前記弾性体層に厚さ方向に形成されているとよい。このように、パッド層が弾性体層とシート材とで構成され、弾性体層に光路が形成されることにより、光学式測距センサーの測定光をシート材が反射する構成とできる。シート材自体は振動を吸収する作用が小さいので、打撃力の変化を反映するように光学式測距センサーの測定光の光路長さの変動を生じさせやすい。一方、弾性体層は、シート材の振動エネルギーを吸収することによってシート材の振動を短時間で減衰させる。これにより、打撃による検出値の変動がより大きく、かつ持続時間がより短くなるので、打撃を高精度かつ迅速に検出できる。
【0012】
前記パッド層の裏面側に配設され、前記光学式測距センサーを支持する支持体をさらに備えるとよい。このように、パッド層の裏面側に支持体を備えることにより、パッド層の振幅を制限し、パッド層の振動の減衰を促進できると共に、光学式測距センサーの配置を容易とすることができる。
【0013】
前記光路が光ファイバーであるとよい。このように、光路を光ファイバーとすることにより、パッド層中の光路の体積を小さくして、振動を減衰させる効果を大きくできるので、打撃をより高精度に検出できる。また、光ファイバーを使用することによって、パッド層の振動が測定される部分の近傍まで測定光をより確実に誘導できる。
【0014】
前記課題を解決するためになされた別の発明は、前記電子打楽器用パッドを備える電子打楽器である。
【0015】
当該電子打楽器は、前記電子打楽器用パッドが打撃を精度よく迅速に検出できるので、打撃に応じて遅滞なく電子音を発生することができる。これにより、当該電子打楽器は、小さい打撃による演奏であっても精度よく検出して、自然な電子音を発生できる。
【0016】
ここで、測定光の「光路」とは、光学式測距センサーの測定光が通過しても、光学式測距センサーによる距離の測定を阻害するような測定光の減衰を生じさせないような光透過性を有する経路を意味し、空洞だけでなく光を透過する物質が充填された空間を含む。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本発明の電子打楽器用パッドは、パッド層に光路が形成され、パッド層の打撃を受ける表面に近い部位の振動を光学式測距センサーにより検出すると共に、打撃による振動エネルギーを光路以外の部分で吸収するので、打撃を精度よく迅速に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態の電子打楽器用パッドの模式的断面図である。
図2図1の電子打楽器用パッドの模式的平面図である。
図3図1とは異なる電子打楽器用パッドの模式的断面図である。
図4図1及び図3とは異なる電子打楽器用パッドの模式的断面図である。
図5】本発明の一実施形態の電子打楽器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0020】
[第一実施形態]
図1の電子打楽器用パッド10は、表面に打撃力を受けて振動するパッド層11と、パッド層11の裏面側に配設される支持体12と、この支持体12に支持される複数の光学式測距センサー13とを備える。
【0021】
(パッド層)
パッド層11は、図2に示すように平面視円形の厚板状であり、表面がドラムスティック等によって打撃される打撃面14とされる。打撃面14は、典型的には平面であるが、ドラムスティック等による打撃に適するものであれば凸面又は凹面であってもよい。
【0022】
パッド層11は、エラストマーで形成されるが、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。本実施形態のパッド層11は、略一定の厚さを有する発泡エラストマーで形成されている。
【0023】
なお、パッド層11の平均厚さとしては、特に限定されず、例えば5mm以上20mm以下とすることができる。
【0024】
また、パッド層11は、裏面に開口する複数の凹部15が内部に形成されている。この凹部15は、平面視で縦横等間隔の正方配置で形成されている。また、各凹部15は、パッド層11の厚さ方向に軸を有し、開口に向かって拡径する円錐台状に形成されている。この凹部15は、パッド層11裏面側の開口近傍の内部空間が光学式測距センサー13を収容する収容空間16とされ、奥側の内部空間が光学式測距センサー13の測定光の光路17とされる。そして、この凹部15の打撃面14側の底面(開口との対向面)は、光学式測距センサー13の測定光を反射する反射面18となる。
【0025】
パッド層11において、打撃面14と反射面18との平均距離の下限としては、1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、打撃面14と反射面18との平均距離の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。打撃面14と反射面18との平均距離が前記下限未満であると、パッド層11の打撃面14と反射面18との間の部分の強度が不足して打撃面14への打撃によりパッド層11が破断するおそれがある。また、打撃面14と反射面18との平均距離が前記上限を超えると、打撃による振動が打撃面14と反射面18との間で減衰して十分な検出感度が得られないおそれがある。
【0026】
パッド層11の凹部15は、収容空間16に光学式測距センサー13を収容でき、かつ必要十分な面積を有する反射面18を有することが要求されるが、パッド層11の振動を減衰させる効果を低下させないようできるだけ容積を小さくすることが好ましい。従って、本実施形態における凹部15は、図1に示すように、開口部において光学式測距センサー13を収容できる最小限の面積を有し、反射面18を形成する奥部の面積がさらに小さい台形状の断面形状を有するものとされている。
【0027】
前記パッド層11の反発弾性率としては、70%以上が好ましい。一般に反発弾性率が高いほど縦波の伝搬速度が大きくなるので、このようにパッド層11の反発弾性係数を前記下限以上とすることによって、打撃の検出速度をより向上できる。なお、「反発弾性率」とは、JIS−K−6255(2013)に準拠して測定される値である。
【0028】
パッド層11を構成するエラストマーとして、例えばポリウレタン、シリコーン等の公知の材料が使用される。具体例としては、ポリオール及びイソシアネートが結合したポリウレタンを主成分とし、さらに発泡性を得るための発泡剤を含む組成物が挙げられる。なお、このパッド層11の形成材料は、パッド層11の特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、硬化剤、着色剤、光線安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、防黴剤、難燃剤等の各種添加剤をさらに含有していてもよい。
【0029】
前記ポリオールは、イソシアネートとウレタン結合できるものであれば特に限定されず、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
【0030】
前記ポリオールの数平均分子量としては200以上10000以下が好ましい。前記数平均分子量が前記下限未満では、反応が速く進むため所望の成形が困難となるおそれがあり、またパッド層11の柔軟性が不十分となるおれそがある。一方、前記数平均分子量が前記上限を超えるとパッド層形成材料の粘度が高くなりすぎて成形が困難となるおそれがある。
【0031】
前記イソシアネートは、ポリオールとウレタン結合できるものであれば特に限定されず、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0032】
前記発泡剤は、パッド層11の成形時に発泡できるものであれば特に限定されず、例えば熱によって発泡する熱分解型発泡剤が挙げられる。この熱分解型発泡剤としては、例えばオキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系のもの、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系のものなどを用いることができる。このような熱分解型発泡剤の分解温度は、パッド層11の成形の容易性等を考慮すると、100℃以上240℃以下であることが好ましい。
【0033】
前記パッド層11の発泡倍率の下限としては、1.2倍が好ましく、1.5倍がより好ましい。一方、前記発泡倍率の上限としては、5.5倍が好ましく、2.5倍がより好ましい。なお、発泡倍率とは、液状のエラストマー組成物が大気圧下において発泡した場合に想定される発泡後のエラストマー組成物の体積を、実際に成形された発泡エラストマーの体積で割った値を意味する。前記発泡倍率が前記下限未満であると、成形型内全体にエラストマーが行き渡らず成形不良となるおそれや、発泡圧が小さ過ぎるために後述の保護層との接合状態が不十分となるおそれがある。逆に、前記発泡倍率が前記上限を超えると、成形型内での圧力が大きくなりすぎ、成形型が前記圧力に耐えられなくなり、パッド層11の成形ができなくなるおそれや、前記圧力に耐えられる成形型を製作するためにコストが過大となるおそれがある。
【0034】
また、前記パッド層11の空隙率の下限としては、30%が好ましく、40%がより好ましい。一方、前記空隙率の上限としては、80%が好ましく、70%がより好ましい。前記空隙率が前記下限未満であると、パッド層11が硬くなり過ぎることで当該電子打楽器用パッド10の好ましい打感が得られなくなるおそれがある。逆に、前記空隙率が前記上限を超えると、パッド層11が軟らかくなり過ぎることで打撃に対する強度が不足することになる。なお、「空隙率」とは、(樹脂比重/見かけ密度)×100によって算出される値である。ここで、「樹脂比重」は、発泡エラストマーを細かく粉砕することで、JIS−K−7112(1999)に規定される「ピクノメーター法」によって測定でき、「見かけ密度」は、JIS−K−7222(2005)に準拠して測定できる。
【0035】
また、前記パッド層11は、表面側に保護層を有してもよい。この保護層としては、例えば伸長可能で、伸長された際に復元力を有するシートを用いることができる。また、保護層は、シート平面方向のいずれの方向(二次元の任意の方向)にも伸縮可能であること(2wayストレッチ)が好ましい。
【0036】
このような保護層としては、例えばニット材(糸をニット編みして形成される編物)とニット材の裏面を被覆するコーティング層とを含むシート状体が使用され得る。
【0037】
前記ニット材は、シート平面方向のいずれの方向にも伸縮できるものが好適に用いられる。このニット材を構成する繊維は、天然繊維を採用することも可能であるが、ニット材の強度等の観点から合成繊維を用いることが好ましい。この合成繊維としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエステル、ポリアクリル、ナイロン等のポリアミド類及びこれらの共重合物又は変性物などからなる繊維が挙げられる。なお、これらの繊維を単独で用いることも可能であり、また複数種類の繊維を組み合わせて用いることも可能である。
【0038】
さらに、前記繊維からなる糸(ニット材を編成する糸)の繊度の下限としては、140dtexが好ましく、150dtexがより好ましい。一方、前記繊度の上限としては、200dtexが好ましく、190dtexがより好ましい。前記繊度が前記下限未満であると、ニット材の強度が不十分となるおそれがある。逆に、前記繊度が前記上限を超えると、ニット材が厚くなり過ぎ、却って打感を損ねるおそれがある。なお、「糸の繊度」とは、JIS−L−0101(1978)に規定される値を意味する。
【0039】
また、前記ニット材のゲージの下限としては、50Gが好ましく、55Gがより好ましい。一方、前記ゲージの上限としては、70Gが好ましく、65Gがより好ましい。前記ゲージが前記下限未満であると、ニット材の強度が不十分となるおそれがある。逆に、前記ゲージが前記上限を超えると、ニット材が高額化し、当該電子打楽器用パッド10の高額化を招くおそれがある。なお、「ニット材のゲージ」とは、ニット材を編む編機の針の1インチ当たりの本数を表す数値である。
【0040】
さらに、前記ニット材のゲージが前記範囲内であり、かつ前記ニット材の糸の繊度が前記範囲内にあることで、ニット材から構成されるニット材が十分な強度を有すると共に保護層の伸縮性も担保される。
【0041】
また、前記ニット材の平均厚さの下限としては、50μmが好ましく、100μmがより好ましい。一方、ニット材の平均厚さの上限としては、800μmが好ましく、400μmがより好ましい。前記ニット材の平均厚さが前記下限未満であると、ニット材の強度が不十分となるおそれがある。逆に、ニット材の平均厚さが前記上限を超えると、ニット材が厚くなり過ぎ、打感を損ねるおそれがある。なお、「ニット材の平均厚さ」とは、JIS−L−1096(2010)に準拠して測定される値である。
【0042】
前記ニット材の初期ヤング率の上限としては、10MPaが好ましく、1MPaがより好ましい。前記ヤング率が前記上限を超えると、当該電子打楽器用パッド10の表層が硬くなり過ぎ、突っ張った打感となって、好ましい打感が得られなくなるおそれがある。なお、「ヤング率」とは、JIS−L−1096(2010)に準拠して測定される値である。
【0043】
前記コーティング層は、ニット材の裏面側を被覆する層であれば特に限定されず、例えば熱融着可能な伸縮性のあるフィルムをニット材裏面に熱融着することで形成することができる。また、このコーティング層は、ニット材裏面にコーティング層形成材料を塗工し、乾燥させることで形成することも可能である。
【0044】
このコーティング層は、その裏面が前述のように前記パッド層11の表面と接合される。具体的には、前記コーティング層の裏面に液状のパッド層形成材料(発泡ポリウレタン組成物)を供給し、このパッド層形成材料を硬化させることによって、パッド層11の表面とコーティング層の裏面とが接合される。換言すると、このコーティング層は、液状のパッド層形成材料の供給時にコーティング層よりもニット材側にパッド層の形成材料が含浸することを防止すると共にパッド層形成材料が硬化した際にパッド層11に接合される層である。
【0045】
この保護層とパッド層11との剥離接着強さの下限としては、5N/25mmが好ましく、7N/25mmがより好ましい。前記剥離接着強さが前記下限未満であると、保護層とパッド層11との接合状態が不十分であり、保護層とパッド層11とが不用意に剥離するおそれがある。なお、「剥離接着強さ」とは、JIS−K6854−1(1999)に準拠して測定される値である。
【0046】
前記コーティング層は、樹脂製又はゴム製であれば特に限定されるものではないが、パッド層11との接合を考慮すると、前記パッド層11と同種の材料から形成される層(ただし発泡性を有さないもの)であることが好ましい。具体的には、前述のようにパッド層11がウレタン系である場合には、前記コーティング層がポリウレタン樹脂製又はポリウレタンゴム製であることが好ましい。より具体的には、コーティング層形成材料としては、前記パッド層形成材料と同様にポリオール及びイソシアネートを含むもの(ただし、発泡剤を含まない)が用いられることが好ましい。このコーティング層形成材料は、コーティング層の特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、硬化剤、着色剤、光線安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、防黴剤、難燃剤等の各種添加剤を含有していてもよい。なお、コーティング層形成材料に発泡剤を含めた場合、発泡によってコーティング層に貫通孔が生ずるおそれがあるため、コーティング層形成材料には発泡剤を含めないことが好ましい。
【0047】
前記コーティング層の厚さは特に限定されないが、このコーティング層の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。また、コーティング層の平均厚さの上限としては、80μmが好ましく、40μmがより好ましい。このコーティング層の平均厚さが前記下限未満であると、コーティング層による前述のようなパッド層形成材料のニット材への含浸防止効果が不十分となるおそれがある。一方、コーティング層の平均厚さが前記上限を超えると、保護層が厚くなり過ぎ、保護層の伸縮性が不十分となり、打感を損ねるおそれがある。
【0048】
また、前記ニット材の平均厚さに対する前記コーティング層の平均厚さの比の下限としては、0.05倍が好ましく、0.08倍がより好ましい。前記平均厚さの比の上限としては、0.2倍が好ましく、0.15倍がより好ましい。前記平均厚さの比が前記下限未満であると、ニット材が厚くなり過ぎるおそれや、コーティング層が薄くなり過ぎるおそれがある。逆に、前記平均厚さの比が前記上限を超えると、ニット材が薄くなり過ぎるおそれや、コーティング層が厚くなり過ぎるおそれがある。このため、前記平均厚さの比が前記範囲内にあることによって、各層が十分な強度を有すると共に保護層の伸縮性が担保される。
【0049】
なお、前記コーティング層は、ニット材の裏面に積層される樹脂又はゴム製の単一層から構成することも、コーティング材料である樹脂又はゴムとニット材の繊維とが存在する複合層から構成することも、樹脂又はゴム製の前記単一層とこの単一層の裏面に配される前記複合層との二層構造から構成することも可能である。
【0050】
(支持体)
支持体12は、パッド層11の裏面に接着される。本実施形態における支持体12は、平面視でパッド層11と同心でパッド層11よりも半径が大きい円板状の部材である。
【0051】
前記パッド層11と支持体12との剥離接着強さの下限としては、5N/25mmが好ましく、7N/25mmがより好ましい。前記剥離接着強さが前記下限未満であると、パッド層11と支持体12との接合状態が不十分となり、パッド層11と支持体12とが不用意に剥離するおそれがある。なお、「剥離接着強さ」とは、JIS−K6854−1(1999)に準拠して測定される値である。
【0052】
前記支持体12は、剛性を有する材料、例えば鉄板、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ板等の金属板等で形成される。この支持体12は、典型的には平板状とされるが、凹面又は凸面が形成されてもよい。また、支持体12の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.5mm以上3mm以下とすることができる。
【0053】
(光学式測距センサー)
光学式測距センサー13は、測定光を出射し、反射面18での反射光を受光することにより、反射面18までの距離又は反射面18までの距離の変位を検出する公知のセンサーである。この光学式測距センサー13は、パッド層11の凹部15の収容空間16に配置されるよう支持体12の表面に、例えば接着剤やネジにより取り付けられる。
【0054】
[電子ドラム用パッドの製造方法]
次に、当該電子打楽器用パッド10の製造方法について説明する。
【0055】
当該電子打楽器用パッド10の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)ニット材の裏面側にコーティング層を積層することで保護層を形成する工程
(2)保護層を配置した成形型によりパッド層11を成形する工程
(3)支持体12の表面に光学式測距センサー13を付設する工程、及び
(4)パッド層11の裏面に支持体12を接着する工程
【0056】
(保護層形成工程)
前記保護層形成工程では、例えば熱融着可能な伸縮性のあるフィルムをニット材の裏面に熱融着することで保護層を形成する。なお、この保護層形成工程として、ニット材の表面にコーティング層形成材料を塗工し、乾燥させる方法を採用することも可能である。
【0057】
(パッド層形成工程)
前記パッド層形成工程では、前記保護層を配置した成形型内に液状のパッド層形成材料を供給し、このパッド層形成材料を硬化させることで、パッド層形成材料が保護層に接合されたパッド層11を形成する。このパッド層形成工程において、前記成形型には複数の凸型が設けられ、この凸型により各凹部15が形成される。
【0058】
また、パッド層形成工程においては、前述のように発泡剤を含むパッド層形成材料が発泡しつつ硬化する。このため、パッド層11が成形されると共に、前述のように発泡圧によってパッド層形成材料が保護層に接合される。具体的には、パッド層形成材料は、例えば加熱等によって発泡すると共に、ポリオールとイソシアネートとの重合により硬化することで、パッド層11が成形されつつ保護層に接合される。
【0059】
この発泡圧(パッド層形成材料の発泡時における成形型内の圧力)は、1.2kgf/cm以上5.5kgf/cm以下が好ましい。前記発泡圧が前記下限未満であると、パッド層形成材料が成形型の隅まで行き渡らず成形不良となるおそれや、パッド層形成材料の保護層との十分な接合が得られなくなるおそれがある。逆に、前記発泡圧が前記上限を超えると、この圧力に耐え得る成形型を構成するためにコストを要し、製造コスト増を招くおそれがある。
【0060】
(光学式測距センサー付設工程)
前記光学式測距センサー付設工程において、前記支持体12の表面に光学式測距センサー13を取り付ける。光学式測距センサー13の配線は、支持体12に貫通孔を設けて支持体12の裏側に引き出してもよく、支持体12の表面に沿って配設してもよい。
【0061】
(支持体接着工程)
前記支持体接着工程において、前記光学式測距センサー13を凹部15内に配置するようパッド層11の裏面に例えば接着剤を用いて支持体12を接着する。
【0062】
<利点>
当該電子打楽器用パッド10は、パッド層11内に光学式測距センサー13の測定光の光路17を形成し、パッド層11の打撃面14の近くに反射面18を設けたことにより、打撃面14への打撃による振動が大きく減衰しないまま反射面18に伝達され、反射面18を明確に振動させるので、光学式測距センサー13が打撃を精度よく検出できる。このため、当該電子打楽器用パッド10は例えばブラシによって打撃面14を擦過するような繊細な打撃も精度よく検出できる。
【0063】
また、パッド層11の凹部15間の部分のエラストマーは、パッド層11の表層の振動を吸収するので、打撃による振動を迅速に減衰させる。特に、凹部15間の部分のエラストマーが堅固な支持体12に接着されていることにより、振動の減衰が促進される。このため、打撃面14に続けて複数回の打撃を受ける場合にも、後の打撃時には先の打撃による振動が既に大きく減衰している。
【0064】
また、当該電子打楽器用パッド10では、光学式測距センサー13を堅固な支持板に配設するので、光学式測距センサー13の取り付けが容易かつ確実である。
【0065】
また、当該電子打楽器用パッド10では、複数の光学式測距センサー13が配置されているので、打撃面14の一点に打撃を加えたとき、打撃位置の近傍の複数の光学式測距センサー13が、打撃位置との距離に応じた強度の振動を検出する。このため、当該電子打楽器用パッド10では、演算によって打撃面14上の打撃位置を特定することができる。
【0066】
また、当該電子打楽器用パッド10では、非接触の光学式測距センサー13を使用するため、打撃力が大きくてもセンサーが破壊されることがない。
【0067】
[第二実施形態]
図2の電子打楽器用パッド20は、表面に打撃力を受けて振動するパッド層21と、パッド層21の裏面側に配設される支持体22と、複数の光学式測距センサー23とを備える。
【0068】
(パッド層)
パッド層21は、弾性体層24とこの弾性体層24の表面に積層されるシート材25とを有する。このパッド層21全体としての平均厚さは、図1の電子打楽器用パッド10のパッド層11と同様とすることができる。
【0069】
〈弾性体層〉
前記弾性体層24は、厚さ方向に貫通する孔によって画定される光路26を有する。光路26は、例えばパッド層21の厚さ方向に軸を有し、裏面側に向かって拡径する円錐台状又は円柱状に形成される。
【0070】
弾性体層24は、エラストマーで形成される。弾性体層24を構成するエラストマーとしては、図1の電子打楽器用パッド10のパッド層11を構成するエラストマーと同様とすることができる。
【0071】
また、弾性体層24は、成形型を用いて形成する他、シート状の材料を打ち抜き加工して形成してもよい。
【0072】
〈シート材〉
シート材25は、表面が打撃を受ける打撃面27とされ、裏面の光路26に露出する領域が光学式測距センサー23の測定光を反射する反射面28とされる。
【0073】
シート材25の平均厚さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、シート材25の平均厚さの上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。シート材25の平均厚さが前記下限未満であると、強度が不足して打撃面27への打撃によりシート材25が破断するおそれがある。また、シート材25の平均厚さが前記上限を超えると、打撃による振動が減衰して十分な検出感度が得られないおそれがある。
【0074】
シート材25としては、スティック等による打撃に耐え得る強度を有し、裏面が光を反射するものであればよく、特に限定されないが、例えばエラストマー製シート、フィルム、織布、ニット材等を用いることができる。また、シート材25は、シート平面方向のいずれの方向にも伸縮可能であること(2wayストレッチ)が好ましい。
【0075】
シート材25を構成するエラストマーとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられ、成形性の観点から熱可塑性のものが好ましい。また、シート材25として、これらの材料を発泡したものも好適に用いられる。シート材25を発泡エラストマーで構成することにより、シート材25の伸縮性が優れ、当該電子打楽器用パッド10の打感を高めると共に打撃音を小さくすることができる。
【0076】
シート材25を構成するフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製フィルムが挙げられる。また、例えばカーボン繊維、アラミド繊維等で合成樹脂を補強した耐久フィルムを使用することもできる。
【0077】
シート材25を構成するニット材としては、図1の電子打楽器用パッド10のパッド層11に設ける保護層として使用されるのと同様のものが使用できる。
【0078】
また、シート材25は、外周方向に引き伸ばすようにして張力を付与した状態で弾性体層24の表面に接着するとよい。このように、シート材25に張力を付与しておくことで、平面方向に振動が伝搬し易くなる。
【0079】
(支持体)
図2の電子打楽器用パッド20の支持体22は、パッド層21の裏面に接着される板状の部材である。この支持体22は、各光路26に連通する複数の開口29を有する。また、図2の電子打楽器用パッド20の支持体22の材質及び厚さは、図1の電子打楽器用パッド10の支持体12と同様とすることができる。
【0080】
(光学式測距センサー)
図2の電子打楽器用パッド20の光学式測距センサー23は、測定光を出射し、反射面28での反射光を受光することにより、反射面28までの距離又は反射面28までの距離の変位を検出するセンサーである。この光学式測距センサー23は、図1の電子打楽器用パッド10の光学式測距センサー13と同様のものとすることができる。ただし、図2の電子打楽器用パッド20の光学式測距センサー23は、図1の電子打楽器用パッド10とは異なり、支持体22の裏面の開口部に固定され、支持体22の開口29を介して測定光を出射及び反射光を受光している。
【0081】
<利点>
当該電子打楽器用パッド20は、光学式測距センサー23を支持体22の裏面に固定するので、組み立て及び配線が容易である。
【0082】
また、当該電子打楽器用パッド20は、光学式測距センサー23をパッド層21の中に配置する必要がないので、光路26を画定する弾性体層24の貫通孔の径を小さくして、振動の減衰効果を高めることができる。
【0083】
[第三実施形態]
図3の電子打楽器用パッド30は、表面に打撃力を受けて振動するパッド層31と、パッド層31の裏面側に配設される支持体32と、複数の光学式測距センサー33とを備える。
【0084】
(パッド層)
図3の電子打楽器用パッド30のパッド層31は、エラストマーで形成される。パッド層31を構成するエラストマーとしては、図1の電子打楽器用パッド10のパッド層11を構成するエラストマーと同様とすることができる。また、このパッド層31の平均厚さは、図1の電子打楽器用パッド10のパッド層11と同様とすることができる。
【0085】
このパッド層31は、表面が打撃面34とされる。また、パッド層31は、光学式測距センサー33の測定光の光路となる光ファイバー35が嵌合する細い孔36を有し、この孔36の打撃面34側の底面(開口との対向面)が光学式測距センサー33の測定光を反射する反射面37とされる。図3の電子打楽器用パッド30のパッド層31における打撃面34と反射面37との平均距離は、図1の電子打楽器用パッド10のパッド層11における打撃面14と反射面18との平均距離と同様とすることができる。
【0086】
光ファイバー35は、公知の構成からなり、光学式測距センサー33の測定光を反射面37の近傍まで誘導すると共に、反射面37での反射光を光学式測距センサー33まで誘導する。
【0087】
(支持体)
図3の電子打楽器用パッド30の支持体32は、パッド層31の裏面に接着される板状の部材である。この支持体32は、前記パッド層31の孔36に連通し、光ファイバー35が挿通される開口38を有する。この電子打楽器用パッド30の支持体32の材質及び厚さは、図1の電子打楽器用パッド10の支持体12と同様とすることができる。
【0088】
(光学式測距センサー)
図3の電子打楽器用パッド30の光学式測距センサー33は、前記光ファイバー35を通して測定光を出射し、同一の光ファイバー35を通して反射面37での反射光を受光するよう構成されている。
【0089】
<利点>
当該電子打楽器用パッド30のパッド層31は、細い孔36が形成されているだけであるため、振動を減衰させる効果が高い。このような振動減衰効果を有するにもかかわらず、当該電子打楽器用パッド30は、光ファイバー35を光学式測距センサー33の測定光の光路とすることによって、打撃面34に近い反射面37の振動を検出するので、打撃力が小さい場合であっても打撃面34への打撃を精度よく迅速に検出できる。
【0090】
[電子打楽器]
ここで、本発明の一実施形態に係る電子打楽器について説明する。
【0091】
図5の電子打楽器は、電子打楽器用パッド10と、信号処理装置40と、スピーカー50とを備える。
【0092】
<電子打楽器用パッド>
前記電子打楽器用パッド10は、図1の当該電子打楽器用パッド10であるため、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0093】
<信号処理装置>
信号処理装置40は、各光学式測距センサー13の検出信号が入力されるよう電子打楽器用パッド10に接続される。この信号処理装置40は、例えばマイクロコンピュータを含み、各光学式測距センサー13の検出信号に基づいて電子音の波形を生成する。
【0094】
具体的には、信号処理装置40は、まず、各光学式測距センサー13の検出信号を解析し、パッド層11の打撃面14への打撃の強さ、打撃位置等を算出する。そして、信号処理装置40は、これらの情報に基づいて電子音の波形を生成して、電気信号としてスピーカー50に出力する。
【0095】
<スピーカー>
スピーカー50は、信号処理装置40が生成した電気信号を空気振動に変換して、音波を生成する。
【0096】
当該電子打楽器は、信号処理装置40が生成した電気信号を増幅するアンプを備えてもよい。
【0097】
<利点>
当該電子打楽器では、電子打楽器用パッド10に対し複数の打撃が加えられる場合にも、信号処理装置40において、光学式測距センサー13の検出信号の波形から打撃毎の振動の成分を分離して検出するための演算が不要であるか、その負荷が比較的小さい。よって、当該電子打楽器では、打撃力が小さくてもその打撃を迅速に検出して、大きな遅延を伴わずスピーカー50から電子音を発することができる。
【0098】
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらはすべて本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0099】
例えば、当該電子打楽器用パッドにおいて、パッド層に形成される光路に透明な樹脂組成物、好ましくはゲル状体を充填してもよい。このように光路に樹脂組成物を充填することにより、振動を減衰させる効果をより大きくできる。
【0100】
また、当該電子打楽器用パッドにおいて、反射面は、パッド層内部の屈折率の異なる材料が積層されて形成される界面であってもよい。また、反射面として、パッド層の内部に金属蒸着膜等により光を反射する層を設けてもよい。
【0101】
また、当該電子打楽器用パッドにおける光学式測距センサーの数は、任意であり、1つだけでもよい。また、複数の光学式測距センサーの配列も任意である。例えば、当該電子打楽器用パッドの中心軸を中心とする1又は複数の同心円上に等間隔で1又は複数の光学式測距センサーが配置されてもよい。
【0102】
当該電子打楽器用パッドにおける光学式測距センサーは、測定光を出射する出射部と反射光を受光する受光部とが分離されて形成されてもよい。また、光学式測距センサーは、複数の出射部の測定光の反射光を一つの受光部が受光するよう構成してもよく、一つの出射部の測定光の反射光を複数の受光部が受光するよう構成してもよい。この場合、光路内を測定光が反射面に対して斜め方向に透過してもよい。
【0103】
また、当該電子打楽器用パッドは、反射面として、パッド層の表面と空気との界面を利用するよう構成してもよい。例えば、光ファイバーを用いる光学式測距センサーは光ファイバーの先端面における反射光による信号を除去する演算を行うので、パッド層の孔の打撃面側の底面(開口との対向面)に光ファイバーの先端面が密着するよう配置すればパッド層の表面における反射光が検出される。この場合、測定光の減衰を抑制するために、パッド層の表面と光ファイバーの先端面との距離が小さいことが好ましい。この場合、パッド層の形成時に、成形型の中に光ファイバーを配置してインサート成形してもよい。
【0104】
また、当該電子打楽器用パッドにおいて、測定光の光路は、シート状に形成したパッド層の一部をレーザー等で除去加工することにより形成してもよい。
【0105】
また、当該電子打楽器用パッドにおいて、パッド層の保護層又はシート材としてニット材を用いる場合、ニット材の表裏両面側にコーティング層を設けてもよく、表面側にのみコーティング層を設けてもよい。ニット材の表面側のみにコーティング層を設ける場合、ニット材の内部にパッド層形成材料が含浸し得るが、コーティング層は、パッド層形成材料がニット材の表面側に漏れ出ることを防止する。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、電子打楽器全般、特に電子ドラムに好適に利用される。
【符号の説明】
【0107】
10,20,30 電子打楽器用パッド
11,21,31 パッド層
12,22,32 支持体
13,23,33 光学式測距センサー
14、27,34 打撃面
15 凹部
16 収容空間
17,26 光路
18,28,37 反射面
24 弾性体層
25 シート材
29,38 開口
35 光ファイバー(光路)
36 孔
40 信号処理装置
50 スピーカー
図1
図2
図3
図4
図5