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特開2015-228191コンテンツ出力システム、コンテンツ出力方法、コンテンツ出力プログラム、および通信端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-228191(P2015-228191A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】コンテンツ出力システム、コンテンツ出力方法、コンテンツ出力プログラム、および通信端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20151120BHJP
   H04N 21/262 20110101ALI20151120BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
   H04N21/262
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-114467(P2014-114467)
(22)【出願日】2014年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】川下 隆司
(72)【発明者】
【氏名】川上 剛
(72)【発明者】
【氏名】麻生 麻実
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 善成
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA25
5C164UA52S
5C164UB41S
5C164UC31P
5C164YA15
5C164YA17
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デジタルサイネージにコンテンツを出力するためのコンテンツ出力システムにおいて、顧客に対して継続的にコンテンツとの双方向性を感じさせることにより、興味を持続させる。
【解決手段】コンテンツ出力システム1は、通信端末2とワイヤレスで通信するNFC通信部31と、所定期間ごとの各通信端末2との通信回数をそれぞれカウントする通信回数カウント部32と、通信回数カウント部32がカウントした通信回数に応じたコンテンツを選択するコンテンツ選択部33と、コンテンツ選択部33が選択したコンテンツをスクリーンに表示するコンテンツ出力部34とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に携帯される通信端末とワイヤレスで通信する通信部と、
各前記通信端末との通信回数を、所定期間ごとにそれぞれカウントする通信回数カウン
ト部と、
前記通信回数カウント部がカウントした通信回数に応じたコンテンツを選択するコンテ
ンツ選択部と、
前記コンテンツ選択部か選択したコンテンツを出力するコンテンツ出力部と、を備える
ことを特徴とするコンテンツ出力システム。
【請求項2】
前記通信回数カウント部は、前記通信部が通信した日時と最終通信日時とを比較するこ
とにより、前記所定期間ごとの通信回数をカウントする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項3】
前記コンテンツ選択部が選択したコンテンツに応じた顧客配布情報を、前記通信端末に
送信する顧客配布情報送信部、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項4】
前記通信回数カウント部は、前記通信端末の前記所定期間ごとの通信回数を累積してカ
ウントし、
前記コンテンツ選択部は、前記通信回数カウント部がカウントした累積通信回数に応じ
たコンテンツを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項5】
前記通信部、前記通信回数カウント部、前記コンテンツ選択部、および前記コンテンツ
出力部を備えるコンテンツ出力装置を含んで構成され、
前記通信端末は、通信回数を記憶する不揮発性記憶部を含んで構成され、
前記通信部は、前記通信端末から通信回数を受信し、
前記通信回数カウント部は、前記通信部が、前記所定期間において新たに前記通信端末
と通信したならば、通信回数に1を加算したのち、1加算した通信回数を前記通信端末に
送信することにより、通信回数をカウントする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項6】
前記通信部、前記通信回数カウント部、前記コンテンツ選択部、および前記コンテンツ
出力部を備える1または複数のコンテンツ出力装置と、各前記通信端末に係る通信回数を
記憶するサーバと、を含んで構成され、
前記通信部は、前記通信端末の識別情報を受信し、
前記通信回数カウント部は、前記通信部が前記所定期間において新たな識別情報を受信
したならば、前記サーバから前記通信端末に係る通信回数を受信して1加算したのち、1
加算した通信回数を前記サーバに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項7】
前記コンテンツ出力装置は、前記通信部が前記通信端末の識別情報を受信したとき、前
記サーバから当該通信端末に係る最終通信日時を受信して、前記所定期間において新たな
識別情報を受信したか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項8】
前記通信部および前記コンテンツ出力部を備えるコンテンツ出力装置と、
前記通信回数カウント部および前記コンテンツ選択部を備え、各前記通信端末と通信し
た通信回数を含む通信ログを記憶するサーバと、を含んで構成され、
前記通信部は、前記通信端末の識別情報を受信し、
前記通信回数カウント部は、前記通信部が前記所定期間において新たな識別情報を受信
したならば、前記通信ログから前記通信端末に係る通信回数を取得して、前記サーバに送
信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項9】
前記コンテンツ選択部は、前記通信回数カウント部がカウントした通信回数に応じたコ
ンテンツを選択して、選択したコンテンツの情報を前記コンテンツ出力装置に送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項10】
前記サーバは、直近における前記通信端末との通信頻度を算出する頻度算出部を備え、
前記コンテンツ選択部は、前記通信回数カウント部がカウントした通信回数と、前記頻
度算出部が算出した通信頻度とに応じたコンテンツを選択して、選択したコンテンツの情
報を前記コンテンツ出力装置に送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項11】
前記サーバは、
前記コンテンツ選択部が選択したコンテンツに応じた顧客配布情報を、前記通信端末に
送信する顧客配布情報送信部、を備える、
ことを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ出力システム。
【請求項12】
顧客に携帯され、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコンテンツ出力シス
テムとワイヤレスで通信する通信端末であって、
前記コンテンツ出力システムとの間で通信回数と最終通信日の情報を送受信する通信部
と、
前記通信部が受信した通信回数と最終通信日の情報を記憶する不揮発性記憶部と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項13】
顧客に携帯される通信端末とワイヤレスで通信する通信部と、
コンテンツを出力するコンテンツ出力部と、
を備えるコンテンツ出力システムが実行するコンテンツ出力方法であって、
前記コンテンツ出力システムは、
各前記通信端末の所定期間ごとの通信回数をカウントし、
カウントした通信回数に応じたコンテンツを選択し、
選択したコンテンツを前記コンテンツ出力部によって出力する、
ことを特徴とするコンテンツ出力方法。
【請求項14】
請求項13に記載のコンテンツ出力方法を、コンテンツ出力装置に実行させるためのコ
ンテンツ出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルサイネージにコンテンツを出力するためのコンテンツ出力システム
、コンテンツ出力方法、コンテンツ出力プログラムおよび、これらと連携動作する通信端
末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル画像技術の進化に伴い、デジタルサイネージが注目されている。店舗、
公共交通機関、公共施設、および企業の事業所などにおいて、デジタルサイネージの設置
台数が増加している。
【0003】
デジタルサイネージの実現形態のひとつとして、バーチャルマネキンと呼ばれる技術が
知られている。バーチャルマネキンは、例えば人型の等身大の輪郭形状に形成されたスク
リーンに人間やキャラクタの動画コンテンツを投影するものである。これにより、動いて
話しかける等身大POP(Point of purchase advertising)が実現でき、高いアイキャ
ッチ効果が期待できるため、店舗やアミューズメント施設に好適である。
【0004】
バーチャルマネキンの例として、例えば特許文献1に記載の技術が挙げられる。特許文
献1の課題には、「閲覧者に対し、印象を高めることができる映像出力装置搭載機器、映
像出力装置の投影方法を提供する。」と記載されている。特許文献1の解決手段には、「
映像供給装置に接続される映像出力装置が映像出力装置搭載機器に搭載され、前記映像出
力装置からコンテンツを投影する出力光を、前記映像出力装置搭載機器に設けられた反射
部材によって反射し、この反射部材によって反射された出力光を当該コンテンツの輪郭の
形状に形成されたスクリーンに投影する。」と記載されている。
【0005】
また近年では、各店舗は、集客のためにポイントサービスを実施することが多くなって
いる。ポイントサービスとは、例えば購入金額や来店回数などに応じて、所定のポイント
を顧客に与えるサービスである。顧客は、このポイントを購入代金の一部に充当し、また
は商品と交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−150221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の映像供給装置は、所定の範囲内にいる人を人感センサによって検出
し、映像出力装置によってコンテンツを前記スクリーンに投影させている。これにより、
人が近づいたタイミングでコンテンツの再生をスタートするので、当初は顧客に、コンテ
ンツとの双方向性を感じさせることができ、高いアイキャッチ効果が期待できる。
しかし、特許文献1の記載の映像供給装置は、単に人が近づいたか否かしか判断してお
らず、一方的である。よって顧客は、次第にコンテンツとの双方向性を感じなくなり、興
味を失ってしまう虞がある。
【0008】
また、ポイントサービスにおいて来店回数をカウントする方法には、店舗の従業員の手
作業による方法や、ポイントカードを読み取る専用端末を設置する方法がある。しかし、
手作業による方法は、人間の作業工数が膨大となる虞があり非現実的である。専用端末に
よる方法は、顧客が専用端末にポイントカードを翳したり挿入したりするなど、何らかの
読み取り操作をすることが条件となる。このとき、顧客が、専用端末にポイントカードを
読み取らせる操作に飽きて興味を失ってしまい、次第に専用端末を操作しなくなる虞があ
る。
【0009】
そこで、本発明は、顧客に対して継続的にコンテンツとの双方向性を感じさせることに
より、興味を持続させることができるコンテンツ出力システム、コンテンツ出力方法、コ
ンテンツ出力プログラム、および通信端末を提供とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するため、本発明のコンテンツ出力システムは、顧客に携帯される
通信端末とワイヤレスで通信する通信部と、所定期間ごとの各通信端末との通信回数をそ
れぞれカウントする通信回数カウント部と、この通信回数カウント部がカウントした通信
回数に応じたコンテンツを選択するコンテンツ選択部と、このコンテンツ選択部か選択し
たコンテンツを出力するコンテンツ出力部とを備える。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顧客に対して継続的にコンテンツとの双方向性を感じさせることによ
り、興味を持続させることができるコンテンツ出力システム、コンテンツ出力方法、コン
テンツ出力プログラム、および通信端末を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態におけるコンテンツ出力システムの概略を示す構成図である。
図2】第1の実施形態におけるコンテンツ出力部の斜視図である。
図3】第1の実施形態におけるコンテンツ出力装置の処理を示すフローチャートである。
図4】第2の実施形態におけるコンテンツ出力システムの概略を示す構成図である。
図5】第2の実施形態における通信管理データベースを示す図である。
図6】第2の実施形態におけるコンテンツ出力装置の処理を示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態におけるサーバの処理を示すフローチャートである。
図8】第3の実施形態におけるコンテンツ出力システムの概略を示す構成図である。
図9】第3の実施形態における通信ログデータベースを示す図である。
図10】第3の実施形態におけるコンテンツ出力装置の処理を示すフローチャートである。
図11】第3の実施形態におけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるコンテンツ出力システム1の概略を示す構成図である

図1に示すように、コンテンツ出力システム1は、NFC(Near Field Communication
)規格の通信機能を備える通信端末2と、この通信端末2とワイヤレスで通信可能なコン
テンツ出力装置3とを含んで構成される。このコンテンツ出力装置3は、集客のために、
例えば店舗、公共施設、および企業の事業所などに設置される。
【0014】
通信端末2は、各顧客が有する携帯端末であり、例えばスマートフォンや携帯電話端末
やタブレット端末などである。通信端末2は、NFC規格の通信機能を実現するNFC通
信部21と、自身を統括して制御する制御部22と、フラッシュメモリなどで構成される
不揮発性記憶部23とを含んで構成される。
各顧客は、通信端末2をコンテンツ出力装置3に翳すことにより、このコンテンツ出力
装置3にバーチャルマネキンを具現化させ、かつ、ポイントとクーポンを受け取ることが
できる。
NFC通信部21は、コンテンツ出力装置3との間で通信回数と最終通信日の情報を送
受信する。
制御部22は、例えばスマートフォンにおいて、アプリケーションプログラムを不図示
のCPU(Central Processing Unit)が実行することで具現化される。
【0015】
不揮発性記憶部23は、当該端末を個々に識別する端末ID情報231と、通信回数情
報232と、最終通信日情報233と、ポイント情報234と、クーポン情報235とを
格納する。
端末ID情報231は、当該通信端末2を他の通信端末2と個々に識別するための識別
情報である。通信回数情報232は、当該通信端末2が日ごとにコンテンツ出力装置3と
通信を行った回数である。最終通信日情報233は、当該通信端末2がコンテンツ出力装
置3と通信した最終日の情報である。
ポイント情報234は、当該通信端末2がコンテンツ出力装置3から付与されたポイン
トの情報である。通信端末2を有する顧客は、このポイント情報234を、店舗における
購入代金の一部に充当し、または商品と交換することができる。
クーポン情報235は、当該通信端末2がコンテンツ出力装置3から提供されたクーポ
ンの情報であり、例えば対象商品や対象サービスと、その購入特典とが記載された画像フ
ァイルである。クーポン情報235は、顧客に配布するための情報である。通信端末2を
有する顧客は、このクーポン情報235を通信端末2の液晶表示部などに表示して、店舗
の従業員に示すことにより商品やサービスの購入特典を得ることができる。図1では、当
該通信端末2の不揮発性記憶部23には、クーポンMが格納されている。
【0016】
コンテンツ出力装置3は、NFC通信部31と、通信回数カウント部32と、コンテン
ツ選択部33と、コンテンツ出力部34と、クーポン送信部35と、記憶部36とを含ん
で構成される。コンテンツ出力装置3は、例えばバーチャルマネキンなどのデジタルサイ
ネージにコンテンツを出力する。
記憶部36は、例えばハードディスクやフラッシュメモリやRAM(Random Access Me
mory)などで構成される。記憶部36は、各動画コンテンツ情報361と、累積通信回数
情報362と、各クーポン情報363とを格納している。
【0017】
動画コンテンツ情報361は、人型の等身大ディスプレイに投影するための人間やキャ
ラクタの動画のコンテンツの情報である。これら動画コンテンツ情報361は、音声スト
リームを含んでいる。動画コンテンツ情報361のうち動画コンテンツAは、デフォルト
で表示されるコンテンツである。動画コンテンツBは、通信回数が5回に達したときに表
示されるコンテンツである。動画コンテンツXは、累計通信回数が100万回に達したと
きに表示されるコンテンツである。
累積通信回数情報362は、各通信端末2との通信回数の累積である。ここで各通信端
末2との通信回数は、日ごとにそれぞれカウントされる。累積通信回数情報362は、店
舗に来店してコンテンツ出力装置3に通信端末2を翳した顧客数の累計を格納する。
クーポン情報363は、コンテンツ出力装置3が各通信端末2に提供するクーポンの情
報である。図1の記憶部36には、クーポンM,Nが格納されている。
【0018】
NFC通信部31は、NFC規格の通信機能を実現する。コンテンツ出力装置3は、N
FC通信部31により、通信端末2とワイヤレスで通信可能である。
通信回数カウント部32は、各通信端末2との通信回数を、日ごとにそれぞれカウント
する。通信回数カウント部32は、同一の通信端末2との間で同日に複数の通信を実施し
ても、通信回数を1回としてカウントする。通信回数カウント部32は、NFC通信部3
1が通信した日時と最終通信日時とを比較することにより、日ごとの通信回数をカウント
する。顧客が同一の日にコンテンツ出力装置3に通信端末2を翳すことを繰り返しても、
通信回数カウント部32は、この通信回数を1回としてカウントする。これにより、通信
回数カウント部32は、通信回数により顧客の来店回数を判断することができる。
コンテンツ選択部33は、通信回数カウント部32がカウントした通信回数や累計通信
回数に応じて、動画コンテンツA,B,Xのうちいずれかを選択する。これにより、コン
テンツ選択部33は、顧客の来店回数に応じたコンテンツを出力して、顧客に対して継続
的にコンテンツとの双方向性を感じさせることができ、顧客の興味を持続させることがで
きる。
【0019】
コンテンツ出力部34は、コンテンツ選択部33が選択した動画コンテンツ情報361
を人型の等身大ディスプレイに投影し、音声ストリームをスピーカに出力する。これによ
りバーチャルマネキンが具現化される。
クーポン送信部35(顧客配布情報送信部)は、NFC通信部31により、通信端末2
にクーポン情報235を送信する。なお、顧客に配布する情報は、クーポンに限定されず
、顧客にとって有用性がある情報であればよい。顧客配布情報は、例えば通信端末2に壁
紙として表示する画像や、通信端末2の着信時に再生する音声コンテンツや、店舗のマス
コットキャラクタの画像などでもよい。
コンテンツ出力装置3は、記憶部36に不図示のコンテンツ出力プログラムを格納する
。コンテンツ出力装置3は、不図示のCPUがコンテンツ出力プログラムを実行すること
により、通信回数カウント部32と、コンテンツ選択部33と、コンテンツ出力部34と
、クーポン送信部35とを具現化する。
【0020】
図2は、第1の実施形態におけるコンテンツ出力部34の斜視図である。
図2に示すように、コンテンツ出力部34は、縦長の直方体状の筐体を有している。コ
ンテンツ出力部34は、筐体の上面に配置されたプロジェクタ341と、筐体の一側面に
配置された印刷部343と、印刷部343の上側に配置された透過スクリーン342と、
筐体の右側に配置するNFC通信部31と、不図示のスピーカとを有している。
透過スクリーン342は、人の上半身の形に切り抜かれたアクリル板やガラス板などで
ある。透過スクリーン342は、人の下半身が印刷された印刷部343と組み合わせるこ
とで、人型の等身大ディスプレイを構成する。
プロジェクタ341は、動画コンテンツ情報361(図1参照)を透過スクリーン34
2に投影する。不図示のスピーカは、動画コンテンツ情報361(図1参照)の音声スト
リームを出力する。各動画コンテンツ情報361において透過スクリーン342に投影し
ない領域は、視聴者(顧客)に眩しさを感じさせないように黒色に設定されている。
NFC通信部31は、筐体の右側に支持部材によって固定される。顧客が、このNFC
通信部31に通信端末2を翳すことにより、各動画コンテンツが出力されてバーチャルマ
ネキンが具現化される。
【0021】
図3は、第1の実施形態におけるコンテンツ出力装置3の処理を示すフローチャートで
ある。
コンテンツ出力装置3が起動すると、図3の処理を開始する。
ステップS10において、コンテンツ出力装置3は、NFC通信部31により、通信端
末2から端末ID情報231と最終通信日情報233とを受信したか否かを判断する。コ
ンテンツ出力装置3は、端末ID情報231と最終通信日情報233とを受信していない
ならば(No)、ステップS10の処理を繰り返し、端末ID情報231と最終通信日情
報233とを受信したならば(Yes)、ステップS11の処理を行う。
【0022】
ステップS11において、コンテンツ出力装置3の通信回数カウント部32は、累計通
信回数を1加算する。ここで累計通信回数とは、累積通信回数情報362に格納される情
報である。
ステップS12において、コンテンツ出力装置3のコンテンツ選択部33は、累計通信
回数が100万回に達したか否かを判断する。コンテンツ選択部33は、累計通信回数が
100万回に達したならば(Yes)、ステップS13の処理を行い、累計通信回数が1
00万回に達していないならば(No)、ステップS15の処理を行う。
【0023】
ステップS13において、コンテンツ出力装置3は、コンテンツ選択部33により動画
コンテンツXを選択し、コンテンツ出力部34により動画コンテンツXを出力する。この
動画コンテンツXは、100万人の来店を祝うためのコンテンツである。
ステップS14において、コンテンツ出力装置3の通信回数カウント部32は、累計通
信回数を0に初期化する。
このように動作することで、コンテンツ出力装置3は、累積通信回数に応じた動画を表
示する。これにより、ポイントサービスに未加入の顧客にコンテンツ出力装置3に興味を
持たせて、ポイントサービスへの加入を促すことができる。また、ポイントサービスに加
入済みの顧客に、継続的にコンテンツとの双方向性を感じさせることができ、バーチャル
マネキンおよびポイントサービスへの興味を持続させることができる。
【0024】
ステップS15において、コンテンツ出力装置3の通信回数カウント部32は、この通
信端末2の最終通信日情報233に基づき、この通信端末2との最終の通信日が今日であ
るか否かを判断する。通信回数カウント部32は、最終の通信日が今日であるならば(Y
es)、ステップS16の処理を行い、最終の通信日が今日でないならば(No)、ステ
ップS17の処理を行う。
通信回数カウント部32は、同一の通信端末2との間で同日に複数の通信を実施しても
、通信回数を1回としてカウントする。よって、通信回数カウント部32は、この通信端
末2を有する顧客に対して、異なる日に再び来店するように動機づけることができる。
ステップS16において、コンテンツ出力装置3は、コンテンツ選択部33により動画
コンテンツAを選択し、コンテンツ出力部34により動画コンテンツAを出力する。コン
テンツ出力装置3は、ステップS16の処理が終了すると、ステップS10の処理に戻る
【0025】
ステップS17において、コンテンツ出力装置3の通信回数カウント部32は、この通
信端末2との通信回数を1加算する。
ステップS18において、コンテンツ出力装置3のコンテンツ選択部33は、この通信
端末2との通信回数が5回であるか否かを判断する。コンテンツ選択部33は、この通信
端末2との通信回数が5回であったならば(Yes)、ステップS21の処理を行い、こ
の通信端末2との通信回数が5回でなかったならば(No)、ステップS19の処理を行
う。
ステップS19において、コンテンツ出力装置3のコンテンツ選択部33は、NFC通
信部31により、通信回数および通信日と、所定数のポイントとを、この通信端末2に送
信する。この通信端末2は、送信された通信回数および通信日と、所定数のポイントとを
、不揮発性記憶部23に格納する。
ステップS20において、コンテンツ出力装置3のコンテンツ選択部33は、デフォル
トの動画コンテンツAを選択する。コンテンツ出力部34は、この動画コンテンツAを出
力する。コンテンツ出力装置3は、ステップS20の処理が終了すると、ステップS10
の処理に戻る。
【0026】
ステップS21において、コンテンツ出力装置3は、NFC通信部31により、通信回
数および通信日と、所定数のポイントと、クーポンとを、この通信端末2に送信する。こ
の通信端末2は、送信された通信回数および通信日と、所定数のポイントと、クーポンと
を不揮発性記憶部23に格納する。
ステップS22において、コンテンツ出力装置3のコンテンツ選択部33は、繰り返し
来店いただいた顧客向けの動画コンテンツBを選択する。コンテンツ出力部34は、この
動画コンテンツBを出力する。コンテンツ出力装置3は、ステップS22の処理が終了す
ると、ステップS10の処理に戻る。
【0027】
このようにすることで、店舗の事業者は、コンテンツ出力装置3により、顧客が有する
スマートフォンや携帯電話端末やタブレット端末などを、ポイントサービスにおけるポイ
ントカードとして用いることができる。
コンテンツ出力装置3は、顧客が通信端末2を翳した際に、クーポンを配布する。これ
により、顧客の購買意欲を喚起することができる。
コンテンツ出力装置3は、顧客が通信端末2を翳した際に、動画コンテンツをコンテン
ツ出力部34に出力してバーチャルマネキンを具現化する。バーチャルマネキンのアイキ
ャッチ効果により、ポイントサービスに未加入の各顧客にコンテンツ出力装置3に興味を
持たせて、ポイントサービスへの加入を促すことができる。
【0028】
コンテンツ出力装置3は、顧客がポイントカードを所定回数だけ翳した際に、通信回数
に応じた動画コンテンツをコンテンツ出力部34に出力してバーチャルマネキンを具現化
する。顧客がポイントカードを翳した回数に応じた動画コンテンツによって、バーチャル
マネキンを具現化するので、顧客に、継続的にコンテンツとの双方向性を感じさせること
ができる。よって、顧客に、バーチャルマネキンおよびポイントサービスへの興味を持続
させることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態におけるコンテンツ出力システム1Aの概略を示す構成図であ
る。図1に示す第1の実施形態のコンテンツ出力システム1と同一の要素には同一の符号
を付与している。
第2の実施形態のコンテンツ出力システム1Aは、第1の実施形態とは異なる通信端末
2Aと、コンテンツ出力装置3Aとを含み、更にネットワーク9で接続されるサーバ4を
含んで構成される。
第1の実施形態の各通信端末2は、通信回数と最終通信日時の情報を格納していた。こ
れに対して、第2の実施形態のコンテンツ出力装置3Aは、各通信端末2Aから端末ID
のみを受信して、この端末IDに対応する通信回数と最終通信日時の情報を、サーバ4に
送信している。これにより、スマートフォンや携帯電話端末やタブレット端末などにおい
ては、専用アプリケーションのインストールなしに、ポイントサービスを提供することが
できる。
【0030】
第2の実施形態の通信端末2Aは、第1の実施形態とは異なり、不揮発性記憶部23に
端末ID情報231のみを格納している。各通信端末2Aは、スマートフォンや携帯電話
端末やタブレット端末などのように誘導電力なしで自ら無線通信が可能なアクティブ・タ
グに限られず、誘導電流による無線通信を行うパッシブ・タグであってもよい。パッシブ
・タグとは、NFC規格に対応したスマートカードのことをいう。
【0031】
第2の実施形態のコンテンツ出力装置3Aは、第1の実施形態とは異なり、記憶部36
にクーポン情報363を格納していない。それ以外は、第1の実施形態のコンテンツ出力
装置3と同様に構成されている。
サーバ4は、通信管理部41と、記憶部42とを備えている。記憶部42は、例えばハ
ードディスクやフラッシュメモリで構成され、通信管理データベース421を格納してい
る。通信管理部41は、この通信管理データベース421を管理する。
サーバ4は、ネットワーク9を介して、1または複数のコンテンツ出力装置3Aに接続
される。これにより、コンテンツ出力システム1Aは、複数の店舗におけるポイントサー
ビスの情報を一元的に管理できる。
【0032】
図5は、第2の実施形態における通信管理データベース421を示す図である。
通信管理データベース421は、レコードID欄と、端末ID欄と、最終通信日欄と、
通信回数欄と、ポイント欄とを有している。
レコードID欄には、当該レコード(エントリ)を識別するための識別子が格納される

端末ID欄には、通信端末2Aから受信した端末IDの情報が格納される。
最終通信日欄には、通信端末2Aと通信した最終の日付が格納される。
通信回数欄には、通信端末2Aと通信した通信回数が格納される。
ポイント欄には、通信端末2Aを有する顧客に付与したポイント数が格納される。
このように、各情報をサーバ4の記憶部42に格納された通信管理データベース421
にて管理しているので、各情報が解読されて不正利用されることを抑止できる。
【0033】
図6は、第2の実施形態におけるコンテンツ出力装置3Aの処理を示すフローチャート
である。
コンテンツ出力装置3Aが起動すると、図6の処理を開始する。
ステップS30において、コンテンツ出力装置3Aは、NFC通信部31により、通信
端末2Aから端末ID情報231を受信したか否かを判断する。コンテンツ出力装置3A
は、端末ID情報231を受信していないならば(No)、ステップS30の処理を繰り
返し、端末ID情報231を受信したならば(Yes)、ステップS31の処理を行う。
【0034】
ステップS31において、コンテンツ出力装置3Aは、ネットワーク9を介して、サー
バ4に、この通信端末2Aに係る情報の取得要求を送信する。この取得要求には、端末I
Dの情報が含まれている。サーバ4の通信管理部41は、端末IDの情報に基づき、通信
管理データベース421から当該通信端末2Aに係る情報を取得する。
ステップS32において、コンテンツ出力装置3Aは、サーバ4から、この通信端末2
Aに係る通信回数と最終通信日の情報を受信する。
【0035】
ステップS33において、コンテンツ出力装置3Aの通信回数カウント部32は、通信
端末2Aに係る最終の通信日が今日であるか否かを判断する。通信回数カウント部32は
、最終の通信日が今日であるならば(Yes)、ステップS40の処理を行い、最終の通
信日が今日でないならば(No)、ステップS34の処理を行う。
ステップS34において、コンテンツ出力装置3Aは、通信回数を1加算する。
ステップS35において、コンテンツ出力装置3Aは、サーバ4に、この通信回数の更
新要求を送信する。通信回数の更新要求には、通信回数と端末IDの情報が含まれる。サ
ーバ4の通信管理部41は、端末IDの情報に基づき、通信管理データベース421の当
該通信端末2Aに係る情報を更新する。
【0036】
ステップS36において、コンテンツ出力装置3Aの通信回数カウント部32は、累計
通信回数を1加算する。
ステップS37において、コンテンツ出力装置3Aのコンテンツ選択部33は、累計通
信回数が100万回に達したか否かを判断する。コンテンツ選択部33は、累計通信回数
が100万回に達したならば(Yes)、ステップS38の処理を行い、累計通信回数が
100万回に達していないならば(No)、ステップS40の処理を行う。
ステップS38において、コンテンツ出力装置3Aは、コンテンツ選択部33により動
画コンテンツXを選択し、コンテンツ出力部34により動画コンテンツXを出力して再生
する。
【0037】
ステップS39において、コンテンツ出力装置3Aの通信回数カウント部32は、累計
通信回数を0に初期化する。
ステップS40において、コンテンツ出力装置3Aのコンテンツ選択部33は、この通
信端末2Aとの通信回数が5回であるか否かを判断する。コンテンツ選択部33は、この
通信端末2Aとの通信回数が5回であったならば(Yes)、ステップS42の処理を行
い、この通信端末2Aとの通信回数が5回でなかったならば(No)、ステップS41の
処理を行う。
【0038】
ステップS41において、コンテンツ出力装置3Aのコンテンツ選択部33は、動画コ
ンテンツAを選択し、コンテンツ出力部34により動画コンテンツAを出力する。コンテ
ンツ出力装置3Aは、ステップS41の処理が終了すると、ステップS30の処理に戻る

ステップS42において、コンテンツ出力装置3Aのコンテンツ選択部33は、動画コ
ンテンツBを選択し、コンテンツ出力部34により動画コンテンツBを出力する。コンテ
ンツ出力装置3Aは、ステップS42の処理が終了すると、ステップS30の処理に戻る
【0039】
図7は、第2の実施形態におけるサーバ4の処理を示すフローチャートである。
サーバ4が起動すると、図7の処理を開始する。
ステップS50において、サーバ4は、ネットワーク9を介してコンテンツ出力装置3
Aから要求を受信する。
ステップS51において、サーバ4は、受信した要求が、取得要求と更新要求のいずれ
であるかを判断する。サーバ4は、取得要求を受信したならば、ステップS52の処理を
行い、更新要求を受信したならば、ステップS56の処理を行う。
ステップS52において、サーバ4の通信管理部41は、通信管理データベース421
を、この端末IDで検索する。
ステップS53において、サーバ4は、通信管理データベース421に、この端末ID
に係るレコードが在るか否かを判断する。サーバ4は、この端末IDに係るレコードが在
るならば(Yes)、ステップS55の処理を行い、この端末IDに係るレコードが無い
ならば(No)、ステップS54の処理を行う。
【0040】
ステップS54において、サーバ4は、通信回数を0回、最終通信日を00年00月0
0日としてコンテンツ出力装置3Aに送信し、ステップS50の処理に戻る。
ステップS55において、サーバ4は、この端末IDに係る通信回数と最終通信日付と
をコンテンツ出力装置3Aに送信し、ステップS50の処理に戻る。
【0041】
ステップS56において、サーバ4は、通信管理データベース421を、この端末ID
で検索する。
ステップS57において、サーバ4は、通信管理データベース421に、この端末ID
に係るレコードが在るか否かを判断する。サーバ4は、この端末IDに係るレコードが在
るならば(Yes)、ステップS59の処理を行い、この端末IDに係るレコードが無い
ならば(No)、ステップS58の処理を行う。
ステップS58において、サーバ4は、端末IDに紐付けた新たなエントリを通信管理
データベース421に作成し、ステップS50の処理に戻る。
ステップS59において、サーバ4は、端末IDに基づき、通信管理データベース42
1における通信回数と最終通信日付とを更新し、ステップS50の処理に戻る。
【0042】
このようにすることで、店舗の事業者は、コンテンツ出力装置3Aとサーバ4とにより
、顧客が有するスマートフォンや携帯電話端末やタブレット端末に加えてスマートカード
なども、ポイントサービスにおけるポイントカードとして使わせることができる。店舗の
事業者は更に、サーバ4にポイントサービスの情報を一元的に管理することができる。
顧客は、スマートフォンや携帯電話端末やタブレット端末に専用アプリケーションをイ
ンストールすることなく、店舗のポイントサービスにおけるポイントカードとして用いる
ことができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態におけるコンテンツ出力システム1Bの概略を示す構成図であ
る。図4に示す第2の実施形態のコンテンツ出力システム1Aと同一の要素には同一の符
号を付与している。
第3の実施形態のコンテンツ出力システム1Bは、第2の実施形態とは異なる通信端末
2Bと、コンテンツ出力装置3Bと、サーバ4Bとを含んで構成される。
第3の実施形態の各通信端末2Bは、第2の実施形態とは異なり、不揮発性記憶部23
にクーポン情報235を格納し、更にメール受信部24を備えている。
メール受信部24は、ネットワーク9を介して電子メールを受信する。これにより、通
信端末2Bは、クーポンを電子的に受け取ることができる。
【0044】
第3の実施形態のコンテンツ出力装置3Bは、第2の実施形態とは異なり、NFC通信
部31と、コンテンツ出力部34と、記憶部36とを含んで構成される。記憶部36には
、動画コンテンツA,B,Xに加えて、動画コンテンツCが格納される。この動画コンテ
ンツCは、高い頻度で来店する顧客に対するコンテンツである。
第3の実施形態のサーバ4Bは、記憶部42と、通信ログ部43と、通信回数カウント
部44と、コンテンツ選択部45と、クーポン送信部46と、頻度算出部47とを含んで
構成される。記憶部42は、第2の実施形態に加えて、メールアドレスデータベース42
3と、各クーポン情報424とを格納している。
通信ログ部43は、通信端末2Bとコンテンツ出力装置3Bとの間で行われた通信のロ
グを、通信ログデータベース422に記録する。
通信回数カウント部44は、通信ログデータベース422に基づき、各通信端末2Bの
通信回数と累計通信回数とをカウントする。
コンテンツ選択部45は、通信回数や累計通信回数に応じた動画コンテンツを選択する

クーポン送信部46(顧客配布情報送信部)は、クーポン情報424をメールの添付フ
ァイルとして、通信端末2Bに送信する。これにより、コンテンツ出力システム1Bは、
NFC規格の通信に依らず、顧客にクーポンを配布できる。
頻度算出部47は、通信ログデータベース422に基づき、各通信端末2Bの直近の通
信頻度を算出する。これにより、頻繁に来店する顧客に対して、他と差別化したサービス
を提供することができる。
【0045】
図9は、第3の実施形態における通信ログデータベース422を示す図である。通信ロ
グデータベース422は、レコードID欄と、端末ID欄と、通信日欄と、ポイント欄と
、失効/有効/消費欄とを有している。
レコードID欄と、当該レコード(エントリ)を識別するための識別子が格納される。
なお、通信端末2Bとコンテンツ出力装置3Bとの間で日ごとに通信が行われると、通信
ログデータベース422には、その通信に係る新たなレコードが記録される。
端末ID欄には、通信端末2Bから受信した端末IDの情報が格納される。
通信日欄には、通信端末2Bとコンテンツ出力装置3Bとが通信した日付が格納される

ポイント欄には、この通信端末2Bに付与したポイントが格納される。
失効/有効/消費欄には、このポイントが失効したか、有効であるか、または消費され
たかの情報が格納される。第3の実施形態のポイントサービスでは、顧客に付与したポイ
ントは、1年間だけ有効であり、1年以上が経過すると失効する。このポイント失効処理
は、例えばサーバ4Bが、店舗の営業時間外である深夜などにバッチ処理して、全ての通
信ログデータベース422のレコードのうち、1年以上が経過した有効ポイントを失効に
変更することにより実現される。
通信ログデータベース422をこのように構成することで、ポイントの有効/消費に加
えて、ポイントを付与したのち、所定期間が経過したならば、そのポイントを失効させる
ことができる。
【0046】
図10は、第3の実施形態におけるコンテンツ出力装置3Bの処理を示すフローチャー
トである。
コンテンツ出力装置3Bが起動すると、図10の処理を開始する。
ステップS60において、コンテンツ出力装置3Bは、NFC通信部31により、通信
端末2Bから端末ID情報231を受信したか否かを判断する。コンテンツ出力装置3B
は、端末ID情報231を受信していないならば(No)、ステップS62の処理を繰り
返し、端末ID情報231を受信したならば(Yes)、ステップS61の処理を行う。
【0047】
ステップS61において、コンテンツ出力装置3Bは、サーバ4Bに端末IDの情報を
送信する。
ステップS62において、コンテンツ出力装置3Bは、サーバ4Bから動画再生指示を
受信したか否かを判断する。この動画再生指示には、再生する動画コンテンツを示す情報
が含まれている。コンテンツ出力装置3Bは、サーバ4Bから動画再生指示を受信したな
らば(Yes)、ステップS63の処理を行いサーバ4Bから動画再生指示を受信しなか
ったならば(No)、ステップS60の処理に戻る。
ステップS63において、コンテンツ出力装置3Bは、この動画再生指示に基づき、指
示された動画コンテンツを、コンテンツ出力部34に出力して再生する。コンテンツ出力
装置3Bは、ステップS63の処理が終了すると、ステップS60の処理に戻る。これに
より、コンテンツ出力装置3Bの処理は単純化されるので、実装工数とメンテナンスの工
数を削減することができる。
【0048】
図11は、第3の実施形態におけるサーバの処理を示すフローチャートである。
サーバ4Bが起動すると、図11の処理を開始する。
ステップS70において、サーバ4Bは、ネットワーク9を介してコンテンツ出力装置
3Bから端末IDの情報を受信する。
ステップS71において、サーバ4Bは、通信ログデータベース422を端末IDで検
索し、この通信端末2Bに係る通信回数と最終の通信日とを取得する。
ステップS72において、サーバ4Bの通信回数カウント部44は、通信端末2Bに係
る最終の通信日が今日であるか否かを判断する。通信回数カウント部44は、最終の通信
日が今日であるならば(Yes)、ステップS73の処理を行い、最終の通信日が今日で
ないならば(No)、ステップS74の処理を行う。
ステップS73において、サーバ4Bは、コンテンツ出力装置3Bに、動画コンテンツ
Aの再生指示を送信する。
【0049】
ステップS74において、サーバ4Bは、通信ログ部43により、通信ログデータベー
ス422から累計通信回数を取得する。通信ログ部43は、通信ログデータベース422
の全レコード数をカウントして、累計通信回数を取得する。
ステップS75において、サーバ4Bは、累計通信回数が100万の倍数であるか否か
を判断する。サーバ4Bは、累計通信回数が100万の倍数であったならば(Yes)、
ステップS76の処理を行い、累計通信回数が100万の倍数でなかったならば(No)
、ステップS77の処理を行う。
ステップS76において、サーバ4Bは、全てのコンテンツ出力装置3Bに、動画コン
テンツXの再生指示を送信する。動画コンテンツXは、100万回再生を示すコンテンツ
である。
【0050】
ステップS77において、サーバ4Bのコンテンツ選択部45は、この通信端末2Bと
の通信回数が5回であるか否かを判断する。コンテンツ選択部45は、この通信端末2B
との通信回数が5回であったならば(Yes)、ステップS79の処理を行い、この通信
端末2Bとの通信回数が5回でなかったならば(No)、ステップS78の処理を行う。
ステップS78において、サーバ4Bのコンテンツ選択部45は、コンテンツ出力装置
3Bに、動画コンテンツAの再生指示を送信する。
ステップS79において、サーバ4Bの頻度算出部47は、この通信端末2Bの直近の
通信頻度を算出する。直近の通信頻度とは、直近の所定回数の通信頻度である。第3の実
施形態において、頻度算出部47は、3回前の通信日から今日まで日数を算出して、それ
を3で除算することにより、直近の通信頻度を算出する。しかし、これに限られず、直近
の所定期間の通信頻度であってもよい。
ステップS80において、サーバ4Bのコンテンツ選択部45は、直近の通信頻度が月
1回以上であるか否かを判断する。コンテンツ選択部45は、直近の通信頻度が月1回以
上であったならば(Yes)、ステップS83の処理を行い、直近の通信頻度が月1回以
上でなかったならば(No)、ステップS81の処理を行う。
ステップS81において、サーバ4Bは、動画コンテンツBの再生指示をコンテンツ出
力装置3Bに送信する。
【0051】
ステップS82において、サーバ4Bは、この通信端末2BにクーポンMをメール送信
する。通信端末2Bのメールアドレスは、端末のID情報と紐付けて、メールアドレスデ
ータベース423に予め登録されている。しかし、これに限られず、この通信端末2Bと
は異なる他の通信端末のメールアドレスを登録してもよい。これにより、通信端末2Bは
、スマートカードなどのパッシブ・タグを用いることが可能となる。
ステップS83において、サーバ4Bは、動画コンテンツCの再生指示をコンテンツ出
力装置3Bに送信する。
ステップS84において、サーバ4Bは、この通信端末2BにクーポンNをメール送信
する。
ステップS85において、サーバ4Bは、この通信に係るログを通信ログデータベース
422に記録し、ステップS70の処理に戻る。
【0052】
第3の実施形態のコンテンツ出力システム1Bは、通信端末2Bがコンテンツ出力装置
3Bと通信した、直近の頻度に応じたコンテンツを選択して出力し、更にクーポンを選択
して送信する。これにより、通信端末2Bを有する顧客に、頻繁に来店するように動機付
けることができ、集客効果が増大する。
第3の実施形態のコンテンツ出力システム1Bは、通信ログデータベース422に全て
の通信のログを記録し、かつ、通信に伴って顧客に付与したポイントを管理する。これに
より、各ポイントの有効/消費/失効を容易に管理可能となる。更に、複数の店舗にそれ
ぞれ来店した顧客の累計通信回数を容易にカウント可能なので、チェーン店を展開してい
る事業者に対して好適である。
【0053】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変
更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
(a) 第3の実施形態のサーバ4Bは、新たな動画コンテンツを記憶部42に記憶して
、当該新たな動画コンテンツの再生指示の前に、各コンテンツ出力装置3Bに当該新たな
動画コンテンツを配信してもよい。これにより、コンテンツ出力装置3Bが出力する動画
コンテンツを容易に差し替えることが可能となる。
【0054】
(b) 第1、第2の実施形態のコンテンツ選択部33や、第3の実施形態のコンテンツ
選択部45は、通信回数と動画コンテンツの対応テーブルを参照して、動画コンテンツを
選択してもよい。これにより、コンテンツ出力システムは、容易に動画コンテンツの再生
条件をカスタマイズ可能となる。
【0055】
(c) 本発明において通信端末とコンテンツ出力装置との通信は、NFC規格に限定さ
れない。例えばBluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)、RFID(Radio Frequ
ency IDentifier)、IrDA(Infrared Data Association)など、ワイヤレスで通信可
能な規格であればよい。
【0056】
(d) 本発明のコンテンツ出力部は、人型の等身大のバーチャルマネキンに限られず、
例えばデスクトップサイズの小型のバーチャルマネキンであってもよいし、ディスプレイでもよい。
【0057】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に本願出願の特許請求の範囲を付記する。
【0058】
(付記)
[請求項1]
顧客に携帯される通信端末とワイヤレスで通信する通信部と、
各前記通信端末との通信回数を、所定期間ごとにそれぞれカウントする通信回数カウン
ト部と、
前記通信回数カウント部がカウントした通信回数に応じたコンテンツを選択するコンテ
ンツ選択部と、
前記コンテンツ選択部か選択したコンテンツを出力するコンテンツ出力部と、を備える
ことを特徴とするコンテンツ出力システム。
[請求項2]
前記通信回数カウント部は、前記通信部が通信した日時と最終通信日時とを比較するこ
とにより、前記所定期間ごとの通信回数をカウントする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項3]
前記コンテンツ選択部が選択したコンテンツに応じた顧客配布情報を、前記通信端末に
送信する顧客配布情報送信部、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項4]
前記通信回数カウント部は、前記通信端末の前記所定期間ごとの通信回数を累積してカ
ウントし、
前記コンテンツ選択部は、前記通信回数カウント部がカウントした累積通信回数に応じ
たコンテンツを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項5]
前記通信部、前記通信回数カウント部、前記コンテンツ選択部、および前記コンテンツ
出力部を備えるコンテンツ出力装置を含んで構成され、
前記通信端末は、通信回数を記憶する不揮発性記憶部を含んで構成され、
前記通信部は、前記通信端末から通信回数を受信し、
前記通信回数カウント部は、前記通信部が、前記所定期間において新たに前記通信端末
と通信したならば、通信回数に1を加算したのち、1加算した通信回数を前記通信端末に
送信することにより、通信回数をカウントする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項6]
前記通信部、前記通信回数カウント部、前記コンテンツ選択部、および前記コンテンツ
出力部を備える1または複数のコンテンツ出力装置と、各前記通信端末に係る通信回数を
記憶するサーバと、を含んで構成され、
前記通信部は、前記通信端末の識別情報を受信し、
前記通信回数カウント部は、前記通信部が前記所定期間において新たな識別情報を受信
したならば、前記サーバから前記通信端末に係る通信回数を受信して1加算したのち、1
加算した通信回数を前記サーバに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項7]
前記コンテンツ出力装置は、前記通信部が前記通信端末の識別情報を受信したとき、前
記サーバから当該通信端末に係る最終通信日時を受信して、前記所定期間において新たな
識別情報を受信したか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項8]
前記通信部および前記コンテンツ出力部を備えるコンテンツ出力装置と、
前記通信回数カウント部および前記コンテンツ選択部を備え、各前記通信端末と通信し
た通信回数を含む通信ログを記憶するサーバと、を含んで構成され、
前記通信部は、前記通信端末の識別情報を受信し、
前記通信回数カウント部は、前記通信部が前記所定期間において新たな識別情報を受信
したならば、前記通信ログから前記通信端末に係る通信回数を取得して、前記サーバに送
信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項9]
前記コンテンツ選択部は、前記通信回数カウント部がカウントした通信回数に応じたコ
ンテンツを選択して、選択したコンテンツの情報を前記コンテンツ出力装置に送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項10]
前記サーバは、直近における前記通信端末との通信頻度を算出する頻度算出部を備え、
前記コンテンツ選択部は、前記通信回数カウント部がカウントした通信回数と、前記頻
度算出部が算出した通信頻度とに応じたコンテンツを選択して、選択したコンテンツの情
報を前記コンテンツ出力装置に送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項11]
前記サーバは、
前記コンテンツ選択部が選択したコンテンツに応じた顧客配布情報を、前記通信端末に
送信する顧客配布情報送信部、を備える、
ことを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ出力システム。
[請求項12]
顧客に携帯され、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコンテンツ出力シス
テムとワイヤレスで通信する通信端末であって、
前記コンテンツ出力システムとの間で通信回数と最終通信日の情報を送受信する通信部
と、
前記通信部が受信した通信回数と最終通信日の情報を記憶する不揮発性記憶部と、
を備えることを特徴とする通信端末。
[請求項13]
顧客に携帯される通信端末とワイヤレスで通信する通信部と、
コンテンツを出力するコンテンツ出力部と、
を備えるコンテンツ出力システムが実行するコンテンツ出力方法であって、
前記コンテンツ出力システムは、
各前記通信端末の所定期間ごとの通信回数をカウントし、
カウントした通信回数に応じたコンテンツを選択し、
選択したコンテンツを前記コンテンツ出力部によって出力する、
ことを特徴とするコンテンツ出力方法。
[請求項14]
請求項13に記載のコンテンツ出力方法を、コンテンツ出力装置に実行させるためのコ
ンテンツ出力プログラム。
【符号の説明】
【0059】
1,1A,1B コンテンツ出力システム
2,2A,2B 通信端末
21 NFC通信部
22 制御部
23 不揮発性記憶部
231 端末ID情報 (識別情報)
232 通信回数情報
233 最終通信日情報
234 ポイント情報
235 クーポン情報
24 メール受信部
3,3A,3B コンテンツ出力装置
31 NFC通信部
32 通信回数カウント部
33 コンテンツ選択部
34 コンテンツ出力部
341 プロジェクタ
342 透過スクリーン
343 印刷部
35 クーポン送信部 (顧客配布情報送信部)
36 記憶部
361 動画コンテンツ情報
362 累積通信回数情報
363 クーポン情報
4 サーバ
4B サーバ
41 通信管理部
42 記憶部
421 通信管理データベース
422 通信ログデータベース
423 メールアドレスデータベース
424 クーポン情報 (顧客配布情報)
43 通信ログ部
44 通信回数カウント部
45 コンテンツ選択部
46 クーポン送信部 (顧客配布情報送信部)
47 頻度算出部
9 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11