特開2015-228420(P2015-228420A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2015228420-半導体装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-228420(P2015-228420A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20151120BHJP
【FI】
   H01L21/60 301P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-113565(P2014-113565)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 保浩
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044AA01
5F044EE04
5F044EE13
5F044FF04
(57)【要約】
【課題】一般的な材質部材を使用し、安価な製造コストで半導体装置を提供すること。

【解決手段】本発明の半導体装置は、半導体素子とボンディングワイヤを樹脂で封止する半導体装置において、半導体素子は電極層と、ボンディングワイヤはバンプ部とを有し、電極層とバンプ部の接合は、電極層と合金層とバンプ部が積層され、バンプ部は接合部外周に間隔を備えている。また、電極層はアルミ、合金層はアルミ金合金、バンプ部は金から成っている。また、樹脂はエポキシ樹脂で熱膨張係数が1.9〜2.5×10−5/℃で ある。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子とボンディングワイヤを樹脂で封止する半導体装置において、前記半導体素子は電極層と、前記ボンディングワイヤはバンプ部とを有し、前記電極層と前記バンプ部の接合は、前記電極層と合金層と前記バンプ部が積層され、前記バンプ部は接合部外周に間隔を備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記電極層はアルミ、前記合金層はアルミ金合金、前記バンプ部は金であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記樹脂は、エポキシ樹脂で熱膨張係数が1.9〜2.5×10−5/℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に半導体素子にワイヤボンディングをして構成された樹脂封止型半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体装置の内部構成において、半導体素子の電極と外部端子との内部接続は、ワイヤボンディング接続がよく用いられている。半導体素子の電極の材質としては、アルミニウム(Al)が用いられる。また、外部端子の材質は、銅(Cu)が用いられる。また、ワイヤの材質としては、金(Au)が用いられる。これらを組み合わせた構造は、比較的、製造コストが安く、構造的な自由度が高いものである。
【0003】
ワイヤボンディングは、強固に接合していることが求められている。また、ワイヤボンディング時には、半導体素子の電極にボンディング衝撃力が加わる。さらに、半導体装置に使用される樹脂は、半導体素子の発熱や外部からの熱により膨張収縮を繰り返し、その応力で半導体素子の電極やワイヤに樹脂応力が加わる。これらのボンディング衝撃力や樹脂応力が半導体素子に伝わり破損することがある。特許文献1には、半導体素子のアルミ電極の下にチタンを用いている半導体装置が開示されている。これにより、ワイヤボンディングを強固に接合し、ワイヤボンディングの衝撃力を受け止め、半導体素子のダメージを小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−243166号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、半導体装置は価格競争が厳しく、原価低減が求められている。しかしながら、従来技術は、チタンを使用するため、製造コストが高くなるという課題がある。
【0006】
従って、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、一般的な材質部材を使用し、安価な製造コストで半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】

上述の課題を解決するために、本発明は、以下に掲げる構成とした。
本発明の半導体装置は、半導体素子とボンディングワイヤを樹脂で封止する半導体装置において、半導体素子は電極層と、ボンディングワイヤはバンプ部とを有し、電極層とバンプ部の接合は、電極層と合金層とバンプ部が積層され、バンプ部は接合部外周に間隔を備えている。
また、電極層はアルミ、合金層はアルミ金合金、バンプ部は金から成っている。また、樹脂はエポキシ樹脂で熱膨張係数が1.9〜2.5×10−5/℃で ある。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、材質にアルミを用いた半導体素子の電極と、材質に金を用いたボンディングワイヤで構成している。また、材質に熱膨張係数が1.9〜2.5×10−5/℃であるエポキシ樹脂を用いている。これにより、一般的な材質部材を使用し、安価な製造コストで半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1に係る半導体装置の要部断面図である。
図2】本発明の実施例1に係る半導体装置の概略断面図である。
図3】本発明の実施例1に係る半導体装置の接合前状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1に係る半導体装置10を説明する。図1は、本発明の実施例1に係る半導体装置10の要部断面図である。図2は、半導体装置10の概略断面図である。図3は、半導体装置10腰部の接合前状態図である。
【0012】
まず、図2に示すように、半導体装置10は、リードフレーム9上に半導体素子1を搭載し、ボンディングワイヤ11を接合している。さらにモールド樹脂31で覆っている。これは、一般的に構成される樹脂封止型半導体装置の構造である。
【0013】
リードフレーム9の材質は、銅合金である。銅合金の板材からスタンピングプレスによって製造されている。
【0014】
半導体素子1は、リードフレーム9の上面に導電性接着剤で搭載されている。例えば、接着剤は、はんだを用いて240℃で溶融接合させことができる。ICやトランジスタが用いられる。
【0015】
ボンディングワイヤ11の材質は、金(Au)である。その線径はΦ35〜38μmである。一般的によく使用され、ワイヤボンディング装置により、210℃で熱圧着接合をおこなう。
【0016】
モールド樹脂31の材質は、エポキシ樹脂である。モールド樹脂31の熱膨張係数は、1.9〜2.5×10−5/℃である。フレーム9の一部を突出させ、トランスファーモールド装置により樹脂成形している。このモールド樹脂31は、一般的に安価な樹脂を使用する。高価な低応力樹脂よりも樹脂応力では不利である。
【0017】
次に、半導体素子1とボンディングワイヤ11の接合前の状態について説明する。
【0018】
まず、図3に示すように、半導体素子1は、電極2と、絶縁層3と、ゲート層4を備えている。電極2の材質は、アルミ(Al)から成っている。その厚さは4μm程度であり、一般的に容易に製造可能な薄厚電極である。
【0019】
ボンディングワイヤ11は、ワイヤ部12と、ボール部13を備えている。ボール部13は、熱圧着のためにつくられ、ボンディングワイヤ11が溶融し球形状である。このボール部13が電極2に押し付けられる。
【0020】
次に、半導体装置10の要部であり、半導体素子1とボンディングワイヤ11の接合後の状態について説明する。
【0021】
図1に示すように、ボール部13は、押し潰されたバンプ部33となっている。同時に電極2も押し潰された電極層32が形成される。さらに、バンプ部33と電極層32の界面に合金層34形成される。
【0022】
この時、バンプ部33と電極層32との界面において、バンプ部33の接合面が接合部外周に間隔をあけている構造になっている。バンプ部33が反った形状をしている。例えば、ワイヤボンディング装置のスクラブ機能を使って製造することができる。
【0023】
ワイヤ12側から、バンプ部33、合金層34、電極層32、絶縁層3と、ゲート層4の順に積層された構造になっている。ここでは、半導体素子1のゲート層4の下部を省略している。さらに電極層32はアルミであり、合金層34はアルミ金合金であり、バンプ部33は金から成っている。この時、電極層32は、アルミの層が十分に残っている状態を保つ。例えば、1μmである。
【0024】
次に、上述の実施例1に係る半導体装置10の効果を説明する。
【0025】
樹脂封止型の半導体装置の場合、パッケージの中央部に樹脂応力が発生する。この時、ボンディングワイヤ接合部のバンプ部に樹脂応力が加わり、バンプ部が押され、半導体素子表面に傷を付け、素子割れを発生させ、製品不良となる。
【0026】
本発明の実施例1に係る半導体装置では、一般的な安価な樹脂を使用するので、モールド樹脂の熱膨張によりワイヤ接合部に樹脂応力がかかる。しかし、接合部の下に電極のアルミ層を1μm残しているので、樹脂応力を吸収することができる。これにより、バンプ部が樹脂応力に動かされてもチップに損傷を与えることがない。
【0027】
薄厚アルミ電極と金線細ワイヤとエポキシ樹脂は、一般的な材料で構成されているので、特別な工程が必要なく、安価に半導体装置を製造することができる。
【0028】
さらに、金バンプ部の接合部外周に間隔があいているのでアルミ溜りができ、合金層面積が大きく取ることができる。これにより、ワイヤボンディングを強固に接続することができる。
【0029】
上述のように、本発明を実施するための形態を記載したが、この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が可能であることが明らかになるはずである。
【0030】
また、変形例としては、モジュール構造で、複数の半導体素子が搭載される場合が考えられる。樹脂パッケージの中央部に樹脂応力が強く発生するので、この領域に限った接合構成としてもよい。これにより、これ以外の領域に関しては、制限の無い自由なワイヤボンディングを施して、ボンディング条件幅を持たせることができる。
【符号の説明】
【0031】
1、半導体素子
2、電極
3、絶縁層
4、ゲート
9、リードフレーム
10、半導体装置
11、ボンディングワイヤ
12、細線部
13、ボール部
31、モールド樹脂
32、電極層
33、合金層
34、バンプ部
図1
図2
図3