【解決手段】携帯端末101は、電波禁止エリアに進入する際に、当該電波禁止エリアの出入口付近に設置される発信機が発信する超音波通信の超音波を受信すると、携帯端末101を当該携帯端末から発信される電波を制御する機内モードに切り替える。また、電波禁止エリアから退出する際に、前記発信機が発信する超音波通信の超音波を受信すると、携帯端末101の機内モードを解除する。
前記可視光通信受信手段は、前記機内モード開始手段で機内モードが開始された場合に、前記照明が発する可視光による通信を受信することを特徴とする請求項2または3に記載の携帯端末。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
まず、
図1を参照して本発明の概要について説明を行う。
図1は、本発明の実施形態における携帯端末101が後述する電波禁止エリア付近、または電波禁止エリアに進入・退出した場合の設定内容の遷移を示す図である。
【0015】
携帯端末101は、いわゆるスマートフォンのような多機能携帯電話である。本実施形態ではスマートフォンとして説明を行うが、特にこれに限らない。タブレット端末のようなスマートデバイスやパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0016】
本実施形態では、携帯端末101から発せられる電波の影響を受けてしまう機器が存在するエリアを電波禁止エリアとしている。例えば、飛行機や病院の中といったエリアである。また、その電波禁止エリアの周辺を電波禁止エリア付近としている。電波禁止エリア付近は、電波禁止エリアに進入するための準備を行うエリアであり、その広さは特に問わない。当該準備ができればよい。
【0017】
電波禁止エリアの出入口には、超音波通信が可能な発信機が取り付けられている。当該発信機が超音波通信の超音波を発信し、携帯端末101がこれを受信する。発信機は常時、この超音波を発信しており、その発信内容は特に問わない。電波禁止エリアに進入・退出するユーザが保持する携帯端末101が当該超音波を受信できればよい。発信機の設置場所は、携帯端末101が当該超音波を受信できれば、どの位置でも構わない。尚、超音波通信の通信方法については従来技術を用いるため説明は省略する。
【0018】
また、電波禁止エリアには、可視光通信が可能な照明が取り付けられている。当該照明が可視光通信の可視光を発信し、携帯端末101がこれを受信する。照明は常時、この可視光を発信しており、その発信内容は特に問わない。電波禁止エリアにいるユーザが保持する携帯端末101が当該可視光を受信できればよい。照明の設置場所は、携帯端末101が当該可視光を受信できれば、どの位置でも構わない。尚、可視光通信の通信方法について従来技術を用いるため説明は省略する。
【0019】
このような環境において、携帯端末101は電波禁止エリア付近に進入すると超音波通信の超音波を受信可能な状態に遷移する(
図1の110から111に遷移)。必要なとき以外は超音波通信の機能を停止させておくことで、携帯端末101の電池消費量を低減できる。また、電波禁止エリア付近に進入したか否かは携帯端末101が備えるGPS(Global Positioning System)機能を用いて判断する。
【0020】
そして、電波禁止エリア付近から電波禁止エリアに携帯端末101が進入する、すなわち電波禁止エリアの出入口に設置された発信機から発信される超音波通信の超音波を受信すると、携帯端末101の機内モードを開始すると共に、可視光通信の可視光を受信可能な状態に遷移する(
図1の111から112に遷移)。電波禁止エリアであるので機内モードに切り替えて、携帯端末101から発信される電波を止める。機内モードを開始することで停止される電波は、例えばインターネット通信や電話通信、近距離無線通信等である。ただし、前述した超音波通信や可視光通信は停止されない。また、GPSも停止される。そのため、機内モードである場合にはGPSによって携帯端末101の位置を特定することができなくなる。
【0021】
電波禁止エリアであっても携帯端末101の操作は可能であるので、携帯端末101が備える設定変更画面から機内モードを終了(解除)することができる。よって、ユーザの指示により機内モードが終了させられてしまう問題がある。そこで、電波禁止エリアで発信される可視光通信の可視光を受信すると、機内モードを開始するようにする(
図1の113)。携帯端末101を利用するためには、携帯端末101を照明の下に晒す必要があるので、当該照明から発信される可視光を利用して機内モードに切り替えるようにする。
【0022】
電波禁止エリアから電波禁止エリア付近に出るときは、再び出入口を通過するため、携帯端末101が出入口に設置された発信機から発信される超音波を受信する。今回は2回目の受信であるので退出であると判断できる。よって、機内モードを終了(解除)し、可視光を受信する機能を停止する(
図1の114から115に遷移)。すなわち、前述した111と同じ状態に戻る。
【0023】
そして、携帯端末101が電波禁止エリア付近を退出した場合には、超音波を受信する機能を停止する(
図1の115から116に遷移)。このように、電波禁止エリアの出入口に超音波通信の発信機を設置しておき、超音波の受信に応じて自動的に機内モードに切り替えることが可能となる。
【0024】
図2は、携帯端末101のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0025】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0026】
また、ROM202あるいはフラッシュメモリ214(記憶手段)には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、当該携帯端末が実行する機能を実現するために必要な、後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0027】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0028】
また、入力コントローラ205は、タッチパネル210、マイク211、カメラ212からの入力を制御する。タッチパネル210からはユーザのタッチ操作に関する入力を制御し、マイク211からは音声や超音波の入力を制御し、更にカメラ212からは撮影された静止画、動画、可視光の入力を制御する。出力コントローラ206は、タッチパネル210、スピーカ213への出力を制御する。
【0029】
タッチパネル210は、ユーザからのタッチ操作を検知すると共に、前述した出力コントローラ206から送られた映像を表示する。タッチパネル210は、表示器と位置入力装置とが一体となった部品である。複数の箇所に対するタッチ操作(以下、マルチタッチ)も検知可能である。
【0030】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するフラッシュメモリ214へのアクセスを制御する。本実施形態においては、フラッシュメモリとして説明を行うが、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の記憶媒体であってもよい。
【0031】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0032】
センサコントローラ208は、携帯端末101が備えるセンサ215からの入力を制御する。携帯端末101のセンサ215には様々なセンサが存在し、例えば方位センサ、加速度センサ等である。
【0033】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、タッチパネル210上での表示を可能としている。
【0034】
本発明の携帯端末101が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等はフラッシュメモリ214に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルはフラッシュメモリ214に格納されている。
【0035】
次に、携帯端末101の機能構成の一例について、
図3を用いて説明する。
【0036】
携帯端末101は機能部として、記憶部301、現在位置取得部302、電波禁止エリア付近判定部303、超音波通信制御部304、機内モード切替制御部305、可視光通信制御部306、画面表示制御部307を備えている。
【0037】
記憶部301は、携帯端末101を動作させるための各種プログラムやデータ等を記憶管理するための機能部である。特に本実施形態では、
図1で示した仕組みを携帯端末101で動作させるための機内モード切替アプリと、電波禁止エリア付近の位置情報と、後述する設定テーブル500とを記憶している。電波禁止エリア付近の位置情報は、電波禁止エリアに進入可能なある一定のエリアを示す位置である。
【0038】
現在位置取得部302は、GPSを用いて携帯端末101の現在位置を取得するための機能部である。GPSを用いて現在位置を取得する方法は、従来技術を用いるため説明は省略する。
【0039】
電波禁止エリア付近判定部303は、携帯端末101が電波禁止エリア付近に存在するか否かを判定するための機能部である。記憶部301に記憶された電波禁止エリア付近の位置情報が示すエリアに、現在位置取得部302で取得した携帯端末101の現在位置が含まれるか否かを判定する。
【0040】
超音波通信制御部304は、発信機から発信される超音波を受信するための機能部である。超音波通信制御部304は、必要に応じて動作し、超音波による通信を受信する。
【0041】
機内モード切替制御部305は、携帯端末101を機内モードに切り替えるための機能部である。機内モード切替制御部305は、必要に応じて携帯端末101の機内モードの開始と終了を切り替える。機内モードについては、前述した通りである。
【0042】
可視光通信制御部306は、照明から発信される可視光を受信するための機能部である。可視光通信制御部306は、必要に応じて動作し、可視光による通信を受信する。
【0043】
画面表示制御部307は、携帯端末101のタッチパネル210に各種画面を表示するための機能部である。
【0044】
次に、本発明の実施形態における一連の処理の流れについて、
図4に示すフローチャートを用いて説明する。尚、
図4の各ステップは、携帯端末101のCPU201が実行する動作である。
【0045】
ステップS401では、ユーザからの指示に応じて携帯端末101の電源を入れて、携帯端末101を起動する。そして、ステップS402では、携帯端末の起動に応じて記憶部301に記憶された機内モード切替アプリを起動する。機内モード切替アプリは、インターネットからダウンロードし、インストールしたものであってもよいし、あらかじめインストールされたものであってもよい。ステップS403では、記憶部301に記憶された電波禁止エリア付近を示す位置情報を読み込む。
【0046】
ステップS404では、ユーザからの入力により設定変更指示があったか否かを判定する。設定変更指示とは、例えば携帯端末101の動作設定を変更するための画面の表示指示である。設定変更指示があったと判定した場合には、ステップS405に処理を進める。設定変更指示がなかったと判定した場合には、ステップS406に処理を進める。
【0047】
ステップS405では、携帯端末101の動作設定を変更するための処理を実行する。設定変更処理の詳細は、後述する
図6に示す。
【0048】
ステップS406では、現在位置取得部302を用いて携帯端末101の現在位置を取得する。そして、ステップS407では、ステップS403で読み込んだ電波禁止エリア付近を示す位置情報と、ステップS405で取得した現在位置とを用いて、携帯端末101が電波禁止エリア付近に存在するか否かを判定する。携帯端末101が電波禁止エリア付近に存在すると判定した場合には、ステップS408に処理を進める。携帯端末101が電波禁止エリア付近に存在しないと判定した場合には、ステップS411に処理を進める。
【0049】
ステップS408では、携帯端末101の超音波通信がOFFになっているか否かを判定する。超音波通信がOFFになっているか否かは、
図5に示す設定テーブル500の超音波通信502を参照し、OFFが格納されているか否かに応じて判定すればよい。
【0050】
設定テーブル500(
図5参照)は、携帯端末101のフラッシュメモリ214に記憶されるテーブルである。設定テーブル500は、携帯端末101の設定内容を示すパラメータを格納している。設定テーブル500は、機内モード501、超音波通信502、可視光通信503を備えており、それぞれONの場合には当該機能を動作させ、OFFの場合には当該機能の動作を停止する。また、設定テーブル500は、進入フラグ504を備えており、ONの場合は電波禁止エリアに進入していることを示し、OFFの場合は電波禁止エリアに進入していないことを示す。
【0051】
ステップS408の説明に戻る。超音波通信がOFFになっていると判定した場合には、ステップS409に処理を進める。超音波通信がONになっていると判定した場合には、ステップS410に処理を進める。
【0052】
ステップS409では、携帯端末101が電波禁止エリア付近に存在するので、電波禁止エリアに対する進入に備え、超音波通信502をONにする。
【0053】
ステップS410では、携帯端末101を機内モードに切り替える処理を実行する機内モード切替処理の詳細は、後述する
図8に示す。
【0054】
一方、ステップS407で携帯端末101が電波禁止エリア付近に存在しないと判定した場合には、ステップS411では、超音波通信502がONになっているか否かを判定する。超音波通信502がONになっていると判定した場合には、ステップS412に処理を進める。超音波通信502がOFFになっていると判定した場合には、ステップ413に処理を進める。
【0055】
ステップS412では、電波禁止エリア付近の外に出たと判断できるので、ステップS409でONにした超音波通信502をOFFにする。
【0056】
ステップS413では、携帯端末101の起動を終了する指示を受け付けたか否かを判定する。ユーザからの指示により携帯端末101の電源ボタンが押下されたか否かを判定すればよい。携帯端末101の起動を終了する指示を受け付けたと判定した場合には、ステップS414に処理を進める。携帯端末101の起動を終了する指示を受け付けていないと判定した場合には、ステップS404に処理を戻し、ステップS404乃至ステップS413の処理を繰り返す。
【0057】
ステップS414では、ステップS402で起動した機内モード切替アプリの起動を終了し、ステップS415では、携帯端末101の起動を終了する。
【0058】
次に、設定変更処理の流れについて、
図6に示すフローチャートを用いて説明する。尚、
図6の各ステップは、携帯端末101のCPU201が実行する動作である。
【0059】
ステップS601では、
図7に示すような設定変更画面700をタッチパネル210に表示する。設定変更画面700(
図7)は、携帯端末101の動作設定を変更するための画面である。本実施形態では、機内モードのON/OFFを切り替えるための画面として用いるが、これ以外の設定項目があってもよい。設定変更画面700には、機内モード切替欄701と、閉じるボタン702を備えている。機内モード切替欄701は、ラジオボタンによって機内モードをONにするか、OFFにするかを切り替え可能となっている。閉じるボタン702は、設定変更画面700を閉じるためのボタンである。
【0060】
図6の説明に戻る。ステップS601で設定変更画面700を表示したら、ステップS602では、機内モードのON/OFFを切り替える指示を検知したか否かを判定する。より具体的には、機内モード切替欄701のラジオボタンが選択されたか否かを判定する。機内モードのON/OFFを切り替える指示を検知したと判定した場合には、ステップS603に処理を進める。機内モードのON/OFFを切り替える指示を検知していないと判定した場合には、ステップS604に処理を進める。
【0061】
ステップS603では、機内モード501をONからOFFに切り替える、またはOFFからONに切り替える。
【0062】
ステップS604では、閉じるボタン702が押下されたか否かを判定する。閉じるボタン702が押下されたと判定した場合には、ステップS605に処理を進める。閉じるボタン702が押下されていないと判定した場合には、ステップS602に処理を戻し、ステップS602乃至ステップS604の処理を繰り返す。
【0063】
ステップS605では、閉じるボタン702が押下されたのでステップS601で表示した設定変更画面700を閉じて、設定変更処理の呼び出し元に処理を戻す。
【0064】
次に、機内モード切替処理の流れについて、
図8に示すフローチャートを用いて説明する。尚、
図8の各ステップは、携帯端末101のCPU201が実行する動作である。
【0065】
ステップS801では、ステップS404と同様に、ユーザからの入力により設定変更指示があったか否かを判定する。設定変更指示があったと判定した場合には、ステップS802に処理を進める。設定変更指示がなかったと判定した場合には、ステップS803に処理を進める。
【0066】
ステップS802では、携帯端末101の動作設定を変更するための処理を実行する。設定変更処理の詳細は、
図6で前述した通りである。設定変更はいつでも受け付けることができるので、機内モード切替処理においても、指示があればステップS404と同様に設定変更処理が実行される。
【0067】
ステップS803では、電波禁止エリアの出入口付近に設置された発信機から発信される超音波通信の超音波を携帯端末101が受信したか否かを判定する(超音波通信受信手段)。超音波を受信したと判定した場合には、ステップS805に処理を進める。超音波を受信していないと判定した場合には、ステップS804に処理を進める。
【0068】
ステップS804では、進入フラグ504がONであるか否かを判定する。つまり、電波禁止エリアにいるか否かを判定する。進入フラグ504がONであると判定した場合には、ステップS812に処理を進める。すなわち、携帯端末101が電波禁止エリア内に存在しており、当該電波禁止エリアから退出していないと判断できる。一方、進入フラグ504がOFFであると判定した場合には、電波禁止エリアにはまだ進入していないため、機内モード切替処理を終了し、機内モード切替処理の呼び出し元に処理を戻す。
【0069】
ステップS803で発信機から超音波通信の超音波を受信したと判定した場合には、ステップS805では、電波禁止エリアに進入したか否かを判定する。すなわち、進入フラグ504がOFFであるか否かを判定する。電波禁止エリアに進入したと判定した場合には、ステップS806に処理を進める。電波禁止エリアに進入していない、すなわち電波禁止エリアから退出したと判定した場合には、ステップS809に処理を進める。
【0070】
本実施形態においては、超音波を発信する発信機が電波禁止エリアの出入口に備えられており、電波禁止エリアに進入するときと、退出するときに超音波を受信することになる。つまり、この超音波の受信に応じて、電波禁止エリアの進入時と退出時に進入フラグ504のON/OFFを切り替えることで、携帯端末101が電波禁止エリアに進入しようとしているのか、退出しようとしているのかを判断している。
【0071】
ステップS805は、超音波を受信したときに進入フラグ504がOFFである、つまり電波禁止エリアに進入したと判断されると、ステップS806に処理を進めて進入フラグ504をONにする。また、超音波を受信したときに進入フラグ504がONである、つまり電波禁止エリアにいたがそこから退出したと判断されると、ステップS809に処理を進めて進入フラグ504をOFFにする。こうして、機内モードによって機能が停止しているGPS等を用いずに、携帯端末101が電波禁止エリアに存在するのか否かを判断している。
【0072】
ステップS806では、進入フラグ504をONにし、ステップS807では、機内モード501をONにする(機内モード開始手段)。そして、ステップS808では、可視光通信503をONにし、照明との可視光通信に備える。そして、ステップS812に処理を進める。
【0073】
一方、ステップS809では、進入フラグ504をOFFにし、ステップS810では、電波禁止エリアから退出したので機内モード501をOFFにし(機内モード終了手段)、可視光通信503をOFFにする。そして、機内モード切替処理を終了し、機内モード切替処理の呼び出し元に処理を戻す。
【0074】
ステップS812では、電波禁止エリア内に設置された照明から発信される可視光通信の可視光を受信したか否かを判定する(可視光通信受信手段)。可視光を受信したと判定した場合には、ステップS813に処理を進める。可視光を受信していないと判定した場合には、ステップS801に処理を戻し、ステップS801乃至ステップS814を繰り返す。
【0075】
ステップS813では、携帯端末101の機内モード501がOFFであるか否かを判定する。機内モード501がOFFである、すなわち前述したステップS802における設定変更処理でユーザが機内モードをOFFにした場合には、ステップS814に処理を進める。機内モード501がONである場合には、ステップS801に処理を戻し、ステップS801乃至ステップS814の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS814では、携帯端末101の機内モード501をONにする。このようにして、電波禁止エリア内においてユーザが機内モードをOFFにしてしまった場合であっても、可視光通信によって再び機内モードをONにすることができる。可視光通信ではなく、電波禁止エリア内に超音波通信による超音波を発信する発信機を設置することも考えられるが、超音波により進入フラグ504のON/OFFが切り替わってしまうため、このような構成となっている。特に、携帯端末101を操作するときには、照明の下に携帯端末101を晒すため必然的に可視光通信による可視光を受信することになるので、これを用いている。
【0077】
ステップS814における処理が終了すると、ステップS801に処理を戻し、ステップS801乃至ステップS814の処理を繰り返す。
【0078】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが携帯端末を操作することなく、当該携帯端末の機内モードを容易に切り替えることの可能な効果を奏する。
【0079】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0080】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0081】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0082】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0083】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0084】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0085】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0086】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0087】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0088】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0089】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。