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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-228596(P2015-228596A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び映像受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/488 20110101AFI20151120BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20151120BHJP
【FI】
   H04N21/488
   H04N21/436
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-113628(P2014-113628)
(22)【出願日】2014年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】乾 泰寛
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA08
5C164FA17
5C164GA06
5C164UA04S
5C164UB41S
5C164UB71P
5C164UD11P
5C164YA24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線で映像の送受信が可能な映像送受信システムにおいて、ユーザが送信機の配置を容易にするための情報処理装置を提供する。
【解決手段】携帯端末10は、受信した映像データを表示部220に表示可能に構成された受信装置20にデータを送信可能に構成されたデータ送受信部110と、受信装置20とデータ送受信部110との間のデータ転送速度が所定の速度以上であることを判定可能に構成された転送速度判定部101と、転送速度判定部101による判定結果を表示可能に構成された表示部120と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した映像データを表示部に表示可能に構成された受信機に、少なくとも映像データを送信可能に構成された送信部と、
前記受信機と前記送信部との間のデータ転送速度が所定の速度以上であることを判定可能に構成された転送速度判定部と、
前記転送速度判定部による判定結果を表示可能に構成された表示部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記転送速度判定部は、前記受信機と前記送信部との間のデータ転送速度を、複数の閾値に基づいて段階的に判定可能に構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信機は、表示部を含んで構成された表示装置に映像データを出力可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信機から転送速度判定用データを受信可能に構成された受信部をさらに備え、
前記転送速度判定部は、前記受信機から受信した前記転送速度判定用データに基づいて、前記受信機と前記送信部との間のデータ転送速度を検出可能に構成された
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
撮像可能な撮像部、録音可能な録音部、及び位置情報を取得可能な測位部のうちの少なくとも1つと、
前記撮像部、前記録音部、及び前記測位部のうちの少なくとも1つで取得したデータを記録可能な記録部と、をさらに備え、
前記転送速度判定部は、前記判定結果を、前記撮像部、前記録音部、及び前記測位部の少なくとも1つで取得した前記データと関連付けて前記記憶部に記憶させるよう制御可能に構成された
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記転送速度判定部による判定結果を記憶可能に構成された記憶部をさらに備え、
前記転送速度判定部は、前記判定結果を、位置情報に関連付けて前記記憶部に記憶させるよう制御可能に構成された
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
符号化された映像データを受信可能に構成された受信部と、
前記符号化された映像データを復号可能に構成された復号部と、
前記復号部における復号結果に基づいて復号化率を測定し、該復号化率が所定の閾値以上であることを判定可能に構成された復号化率判定部と、
前記復号化率判定部による判定結果を外部端末に対して送信可能に構成された送信部と、を備える
ことを特徴とする映像受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、映像の送受信を実行可能な映像送信システムにおける情報処理装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
Wi−Fi Direct通信を利用して、送信機であるスマートフォンまたはSTB(セット・トップ・ボックス)などから受信機であるTVまたはモニターなどに対して映像を送信し、受信機側で映像を表示するシステムがある。このようなシステムでは、STB(送信機)からTV(受信機)に映像を送信する場合、STB(送信機)を配置する場所によってはTVでのデータの受信環境が悪くなり、映像が適切に表示されないことがある。このような状態に対処するための従来技術として、特許文献1には、受信した放送信号にエラーがあるかどうかを検出し、検出されたエラーに応じて改善するための情報を表示する装置について開示されている。また、特許文献2には、送信側のバッファオーバーフローまたは受信側のバッファアンダーランを検出し、検出状況に応じて通信設定を変更する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−208384号公報
【特許文献2】特開2012−253804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、ユーザは、適切なSTB(送信機)の配置を模索するため、STB(送信機)を配置してはTV(受信機)で受信状況を確認するといった作業を繰り返す必要があり、非常に煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の手段1は、
受信した映像データを表示部(220または420)に表示可能に構成された受信機(受信装置20)にデータを送信可能に構成された送信部(データ送受信部110)と、
前記受信機と前記送信部との間のデータ転送速度が所定の速度以上であることを判定可能に構成された転送速度判定部(101)と、
前記転送速度判定部による判定結果を表示可能に構成された表示部(120)と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置(携帯端末10)である。
【0007】
上記構成の情報処理装置によれば、受信機(受信装置20)へのデータ転送速度をリアルタイムに確認しながら、送信機(STB30)を適切な場所に配置することが可能となる。
【0008】
本発明の手段2は、
前記転送速度判定部(101)は、前記受信機(受信装置20)と前記送信部(データ送受信部110)との間のデータ転送速度を、複数の閾値に基づいて段階的に判定可能に構成された(S521、S522)ことを特徴とする手段1の情報処理装置である。
【0009】
上記構成の情報処理装置によれば、受信機(受信装置20)へのデータ転送速度をリアルタイムに確認しながら、ユーザが視聴したい映像の画質に合わせて、送信機(STB30)を適切な場所に配置することが可能となる。
【0010】
本発明の手段3は、
前記受信機(受信装置20)は、表示部(420)を含んで構成された表示装置(40)に映像データを出力可能に構成されている
ことを特徴とする手段1または手段2の情報処理装置である。
【0011】
上記構成の情報処理装置によれば、表示部を別装置とする受信機(送信機(STB30)とは別構成のSTBなど)を備えるシステムにおいて、上述のような特徴を備える情報処理装置を構成することができる。
【0012】
本発明の手段4は、
前記受信機(受信装置20)から転送速度判定用データを受信可能に構成された受信部(データ送受信部110)をさらに備え、
前記転送速度判定部(101)は、前記受信機から受信した前記転送速度判定用データに基づいて、前記受信機と前記送信部との間のデータ転送速度を検出可能に構成された
ことを特徴とする手段1乃至手段3のいずれかの情報処理装置である。
【0013】
上記構成の情報処理装置によれば、受信機(受信装置20)から情報処理装置(携帯端末10)へのデータ転送により、データ転送速度を検出することができる。これによれば、例えば受信機(受信装置20)にデータの受信を容易にするブラウザ機能が無い場合でも、情報処理装置(携帯端末10)が備えるブラウザ機能を利用して、データ転送速度を検出することが可能となる。
【0014】
本発明の手段5は、
撮像可能な撮像部(130)、録音可能な録音部(140)、及び位置情報を取得可能な測位部(150)のうちの少なくとも1つと、
前記撮像部、前記録音部、及び前記測位部のうちの少なくとも1つで取得したデータを記憶可能な記憶部(160)と、をさらに備え、
前記転送速度判定部(101)は、前記判定結果を、前記撮像部、前記録音部、及び前記測位部の少なくとも1つで取得した前記データと関連付けて前記記憶部に記憶させるよう制御可能に構成された
ことを特徴とする手段1乃至手段4のいずれかの情報処理装置である。
【0015】
上記構成の情報処理装置によれば、転送速度判定部による判定を一度行った後に送信機(STB30)を再度設置するとき、過去のデータ転送速度の判定結果をユーザが参照しやすくすることできる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0016】
本発明の手段6は、
前記転送速度判定部(101)による判定結果を記憶可能に構成された記憶部(160)をさらに備え、
前記転送速度判定部は、前記判定結果を、位置情報に関連付けて前記記憶部に記憶させるよう制御可能に構成された
ことを特徴とする手段1乃至手段5のいずれかの情報処理装置である。
【0017】
上記構成の情報処理装置によれば、例えば、部屋の中の各場所におけるデータ転送速度の判定結果を記憶させておくことで、転送速度判定部による判定を一度行った後に送信機(STB30)を再度設置するとき、過去のデータ転送速度の判定結果をユーザが参照しやすくすることできる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0018】
本発明の手段7は、
符号化された映像データを受信可能に構成された受信部(データ送受信部210)と、
前記符号化された映像データを復号可能に構成された復号部(230)と、
前記復号部における復号結果に基づいて復号化率を測定し、該復号化率が所定の閾値以上であることを判定可能に構成された復号化率判定部(250)と、
前記復号化率判定部による判定結果を外部端末(携帯端末10)に対して送信可能に構成された送信部(データ送受信部210)と、を備える
ことを特徴とする映像受信装置(受信装置20)である。
【0019】
上記構成の映像受信装置によれば、データ転送速度よりも直接的に受信映像データの再生品質を判断可能な復号化率を用いているため、受信機(受信装置20)へのデータ転送速度をリアルタイムに確認しながら、送信機(STB30)をより適切な場所に配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】映像送受信システムの構成例を示す図。
図2】データ転送速度判定処理を示すフローチャート。
図3】携帯端末における表示の具体例を示す図。
図4】携帯端末における表示の具体例を示す図。
図5】データ転送速度判定処理を示すフローチャート。
図6】携帯端末における表示の具体例を示す図。
図7】映像送受信システムの構成例を示す図。
図8】映像送受信システムの構成例を示す図。
図9】携帯端末における表示の具体例を示す図。
図10】携帯端末における表示の具体例を示す図。
図11】映像送受信システムの構成例を示す図。
図12】携帯端末における表示の具体例を示す図。
図13】映像送受信システムの構成例を示す図。
図14】復号化率判定処理を示すフローチャート。
図15】復号化率判定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態1
(1)映像送受信システムの構成例
(2)データ転送速度判定処理の具体例
2.実施形態2
(1)映像送受信システムの構成例
(2)データ転送速度判定処理の具体例
3.実施形態3
(1)映像送受信システムの構成例
(2)データ転送速度判定処理の具体例
4.実施形態4
(1)映像送受信システムの構成例
(2)データ転送速度判定処理の具体例
5.実施形態5
(1)映像送受信システムの構成例
(2)データ転送速度判定処理の具体例
6.実施形態6
(1)映像送受信システムの構成例
(2)データ転送速度判定処理の具体例
7.実施形態7
(1)映像送受信システムの構成例
(2)復号化率判定処理の具体例
8.実施形態8
(1)映像送受信システムの構成例
(2)復号化率判定処理の具体例
9.補足事項
10.本発明の特徴
【0022】
<1.実施形態>
まず、本発明の実施形態1について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0023】
<(1)映像送受信システムの構成例>
図1は、本実施形態の映像送受信システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の映像送受信システムは、携帯端末10、受信装置20、及びSTB(セットトップボックス)30を含んで構成される。
【0024】
本実施形態の映像送受信システムでは、ユーザは、受信装置20に対する映像コンテンツの送信が十分に可能な通信速度が得られる場所にSTB30を配置することを目的としている。このとき、ユーザは、まず携帯端末10を用いて受信装置20とのデータのやり取りを実行し、データ転送速度を取得する。そして、携帯端末10では、取得されたデータ転送速度に基づいて、十分なデータ転送速度が確保されたか否かの判定を、その表示部120に表示する。ユーザは、この携帯端末10の表示部120の表示を参考に、STB30の配置を行う。
【0025】
<携帯端末10>
携帯端末10は、CPU100、データ送受信部110、及び表示部120を含んで構成される。携帯端末10は、スマートフォンまたはタブレット機器のように携帯性に優れた機器であることが好ましい。なお、携帯端末10として、例えばノート型のPC(Personal Computer)や携帯電話などを利用することもできる。
【0026】
<CPU100>
CPU100は、携帯端末10における種々の処理を実行可能に構成された中央処理装置であり、転送速度判定部101、及びサーバー処理部102を含んで構成される。これらの転送速度判定部101及びサーバー処理部102は、ハードウェアで構成されてもよいし、ソフトウェア(ファームウェアなどを含む)で構成されてもよい。
【0027】
<転送速度判定部101>
転送速度判定部101は、携帯端末10から受信装置20に対して転送された転送速度判定用データファイルの所定時間における受信量に基づいて、データ転送速度を測定可能に構成される。また、転送速度判定部101は、測定したデータ転送速度と予め定められた閾値とを比較して、受信装置20と携帯端末10との間のデータ転送速度が所定の速度以上であるかどうかを判定可能に構成される。転送速度判定部101は、この判定結果に基づいて生成された判定結果に関する情報を表示部120に表示可能に構成される。表示部120への表示制御は、CPU100により実行される。
【0028】
<サーバー処理部102>
サーバー処理部102は、携帯端末10をサーバーとして機能するよう制御可能に構成される。サーバー処理部102は、受信装置20のCPU200で実行されるブラウザにより、受信装置20から携帯端末10に対してアクセス可能にする機能を有する。この機能により、受信装置20と携帯端末10とを接続してデータを送受信可能な状態とし、携帯端末10のデータ送受信部110から、受信装置20のデータ送受信部210への転送速度判定用データファイルの転送を実行することができる。
【0029】
<データ送受信部110>
データ送受信部110は、受信装置20のデータ送受信部210に対してデータを送信し、また、このデータ送受信部210からデータを受信可能に構成される。特に、本実施形態では、携帯端末10のデータ送受信部110は、受信装置20のデータ送受信部210に対して転送速度判定用データファイルを送信可能に構成される。データ送受信部110は、CPU100により制御可能に構成される。
【0030】
<表示部120>
表示部120は、例えばLCDまたは有機ELディスプレイなどで構成され、CPU100の表示制御により所定の画像(映像を含む)を、ユーザが視認可能な状態で表示可能に構成される。
【0031】
<受信装置20>
受信装置20は、CPU200、データ送受信部210、表示部220、及び復号部230を含んで構成される。受信装置20は、表示機能を備える表示部220を含んで構成されたTVまたはモニターである。受信装置20は、携帯端末10及びSTB30と、無線でデータの送受信が可能な装置である。
【0032】
<CPU200>
CPU200は、受信装置20における種々の処理を実行可能に構成された中央処理装置である。CPU200は、データ送受信部210、表示部220、及び復号部230を制御可能に構成される。
【0033】
<データ送受信部210>
データ送受信部210は、携帯端末10のデータ送受信部110に対してデータを送信し、このデータ送受信部210からデータを受信可能に構成される。また、データ送受信部210は、STB30のデータ送受信部310に対してデータを送信し、このデータ送受信部310からデータを受信可能に構成される。特に、本実施形態では、受信装置20のデータ送受信部210は、携帯端末10のデータ送受信部110から転送速度判定用データファイルを受信可能に構成される。データ送受信部210は、CPU200により制御可能に構成される。
【0034】
データ送受信部210は、STB30のデータ送受信部310から映像コンテンツのデータである映像データを受信可能に構成される。データ送受信部210は、受信した映像データを復号部230に出力可能に構成される。
【0035】
<表示部220>
表示部220は、例えばLCDまたは有機ELディスプレイなどで構成され、CPU200の表示制御により所定の画像(映像を含む)を、ユーザが視認可能な状態で表示可能に構成される。また、表示部220は、復号部230で復号された映像を表示可能に構成される。
【0036】
<復号部230>
復号部230は、データ送受信部210が受信した、符号化された映像コンテンツを入力とし、この映像コンテンツを復号して表示部220に出力可能に構成される。
【0037】
<STB30>
STB(セットトップボックス)30は、CPU300、データ送受信部310、及び記憶部320を含んで構成される。STB30は、映像コンテンツのデータである映像データを記憶し、ユーザの操作に応じて所望の映像データを受信装置20のデータ送受信部210に送信可能に構成される。
【0038】
<CPU300>
CPU300は、STB30における種々の処理を実行可能に構成された中央処理装置である。CPU300は、データ送受信部310、及び記憶部320を制御可能に構成される。
【0039】
<データ送受信部310>
データ送受信部310は、ユーザの操作に基づいて、記憶部320から所定の映像データを読み出し、受信装置20のデータ送受信部210にこの映像データを送信可能に構成される。また、データ送受信部310は、記憶部320以外の映像受信部(図示せず)から所定の映像データを受け取り、この映像データをデータ送受信部210に出力可能に構成されてもよい。この映像データは、ストリーミング配信される映像データであってもよい。なお、ユーザによる操作は、STB30に対する直接の操作、またはリモコンまたは受信装置20を介した間接的な操作のどちらであってもよい。
【0040】
<記憶部320>
記憶部320は、符号化された状態の映像データを記憶可能に構成され、CPU300の制御により、この映像データをデータ送受信部310に出力可能に構成される。好ましくは、記憶部320は複数の映像コンテンツの映像データを記憶可能に構成される。
【0041】
<(2)データ転送速度判定処理の具体例>
次に、図2乃至図4を参照しながら、本実施形態の映像送受信システムにおけるデータ転送速度判定処理について具体的に説明する。
【0042】
図2は、本実施形態のデータ転送速度判定処理を示すフローチャートである。
【0043】
<S500>
ユーザがSTB30の最適な配置場所を決定するために携帯端末10を操作してデータ転送速度判定処理を実行すると(S500)、CPU100のサーバー処理部102は、受信装置20との間のデータのやり取りを実行可能な状態にするため、携帯端末10をウェブサーバ状態にするための処理を実行する。これによって、受信装置20からは、ウェブブラウザで、携帯端末10のウェブサーバにアクセスする処理を実行することで、携帯端末10とのデータの送受信が可能になる。そして、CPU100は、表示部120に、携帯端末10のウェブサーバにアクセスするためのアドレスを表示する。図3は、このときの表示部120における画面表示の一例である。ユーザは、この表示に従って受信装置20を操作し、受信装置20のCPU200で実行されるウェブブラウザのソフトウェア上で、携帯端末10のウェブサーバにアクセスするためのアドレスを入力する。これによって、受信装置20と携帯端末10との無線接続によるデータの送受信が可能な状態となる。
【0044】
<S510>
次に、携帯端末10のデータ送受信部110は、受信装置20のデータ送受信部210に対して、データ転送速度を判定するための、転送速度判定用データファイルを転送する。データ送受信部110は、ここで送信した転送速度判定用データファイルの受信装置20における受信状況を転送速度判定部101に出力する。転送速度判定部101は、受信装置20における転送速度判定用データファイルの単位時間における受信量に基づいて、携帯端末10と受信装置20との間のデータ転送速度を取得する(S510)。なお、ここで挙げているデータ転送速度の取得は一例であって、データ転送速度の判定方法としては他の方法を採用してもよい。
【0045】
<S520>
次に、転送速度判定部101は、取得したデータ転送速度が、予め定められた閾値以上か否かを判定する(S520)。ここでの閾値は、受信装置20がSTB30から受信する映像データに基づいて映像を再生した際に、映像データの不足による問題が発生しないような転送速度に基づいて、予め決定される。
【0046】
<S530、S600>
取得したデータ転送速度が閾値以上の値であった場合(S520でY)、転送速度判定部101は、データ転送速度が確保できている旨の情報を表示部120に表示させる(S530)。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S600)。この表示部120の制御は、CPU100によって実行されてもよい。図4は、このS530の処理で携帯端末10の表示部120における画面表示の一例である。
【0047】
<S531、S600>
一方で、取得したデータ転送速度が閾値未満の値であった場合(S520でN)、転送速度判定部101は、データ転送速度が確保できていない旨の情報を表示部120に表示させる。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S600)。
【0048】
上記のデータ転送速度判定処理によって、表示部120にはデータ転送速度が確保されているか、確保されていないかを示す表示がなされ、ユーザはこの表示に基づいて、STB30を配置する位置を決定することとなる。
【0049】
<2.実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について、図1図5及び図6を参照しながら説明する。本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の映像送受信システムと基本的な構成は同様であるが、転送速度判定部101が複数の閾値に基づいて段階的にデータ転送速度を判定する点において異なっている。以下の説明においては、この相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0050】
<(1)映像送受信システムの構成例>
上記のとおり、本実施形態の映像送受信システムは、実施形態1で説明した構成(図1参照)と同様である。ただし、転送速度判定部101の機能において相違する点がある。
【0051】
<転送速度判定部101>
転送速度判定部101は、携帯端末10から受信装置20に対して転送された転送速度判定用データファイルの所定時間における受信量に基づいて、データ転送速度を測定可能に構成される。転送速度判定部101は、測定したデータ転送速度と、予め定められた複数の閾値とを比較して、携帯端末10と受信装置20との間のデータ転送速度が所定の速度以上であるかどうかを段階的に判定可能に構成される。
【0052】
<(2)データ転送速度判定処理の具体例>
次に、図5及び図6を参照しながら、本実施形態の映像送受信システムにおけるデータ転送速度判定処理について具体的に説明する。本実施形態のデータ転送速度判定処理は、実施形態1のデータ転送速度判定処理(図2参照)と比較して、S520、S530及びS531の処理が、S521、S522、及びS540〜S542の処理に変更されている点で異なる。
【0053】
<S521>
S510の処理の後、転送速度判定部101は、取得したデータ転送速度が、予め定められた閾値1以上か否かを判定する(S521)。ここでの閾値1は、受信装置20がSTB30から受信する、単位時間当たりのデータ量が比較的多い高品質の映像データに基づいて映像を再生した際に、映像データの不足による問題が発生しないような転送速度に基づいて、予め決定される。
【0054】
<S522>
S521の処理の後、転送速度判定部101は、取得したデータ転送速度が、予め定められた閾値2以上か否かを判定する(S522)。ここでの閾値2は、受信装置20がSTB30から受信する、単位時間当たりのデータ量が比較的少ない低品質の映像データに基づいて映像を再生した際に、映像データの不足による問題が発生しないような転送速度に基づいて、予め決定される。
【0055】
<S540、S600>
取得したデータ転送速度が閾値1以上の値であった場合(S521でY)、転送速度判定部101は、高品質動画が再生可能なデータ転送速度が確保できている旨の情報を表示部120に表示させる(S540)。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S600)。
【0056】
<S541、S600>
取得したデータ転送速度が閾値2以上の値であった場合(S522でY)、転送速度判定部101は、低品質動画が再生可能なデータ転送速度が確保できている旨の情報を表示部120に表示させる(S541)。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S600)。図6は、このS541の処理で携帯端末10の表示部120における画面表示の一例である。
【0057】
<S542、S600>
一方で、取得したデータ転送速度が閾値2未満の値であった場合(S522でN)、転送速度判定部101は、データ転送速度が確保できていない旨の情報を表示部120に表示させる。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S600)。
【0058】
<3.実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について、図7を参照しながら説明する。本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の映像送受信システムに対して、表示装置40が追加されている点で異なる。また、受信装置20は、表示部220を備えない構成となっている。すなわち、本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の受信装置20が、受信装置20と表示装置40との組み合わせによって置き換えられた構成となっている。本実施形態においては、データ転送速度判定処理については実施形態1と同様である。以下の説明においては、この相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0059】
<(1)映像送受信システムの構成例>
図7は、本実施形態の映像送受信システムの構成例を示す図である。図7に示されるように、本実施形態の映像送受信システムは、携帯端末10、受信装置20、STB30、及び表示装置40を含んで構成される。受信装置20は、セットトップボックスなどであり、表示装置40は、モニターなどで構成される。
【0060】
<受信装置20>
受信装置20は、CPU200、データ送受信部210、復号部230、及び映像出力部240を含んで構成される。受信装置20は、携帯端末10及びSTB30と、無線でデータの送受信が可能な装置である。また、受信装置20は、表示装置40に対して有線または無線で映像を出力可能に構成される。
【0061】
<映像出力部240>
映像出力部240は、復号部230が復号した映像コンテンツを、映像信号として表示装置40に出力可能に構成される。
【0062】
<表示装置40>
表示装置40は、入力された映像信号に基づいて画像(映像を含む)を表示する機能を有するモニターなどであって、映像入力部410及び表示部420を含んで構成される。
【0063】
<映像入力部410>
映像入力部410は、受信装置20の映像出力部240から映像信号を入力可能に構成される。映像入力部410は、入力された映像信号に基づいて表示部420を制御して、表示部420に画像(映像を含む)を表示可能に構成される。
【0064】
<表示部420>
表示部420は、例えばLCDまたは有機ELディスプレイなどで構成され、映像入力部410の表示制御により所定の画像(映像を含む)を、ユーザが視認可能な状態で表示可能に構成される。
【0065】
<(2)データ転送速度判定処理の具体例>
本実施形態の映像送受信システムにおけるデータ転送速度判定処理は、実施形態1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0066】
<4.実施形態4>
次に、本発明の実施形態4について、図1を参照しながら説明する。本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の映像送受信システムに対して、受信装置20のCPU200がサーバー処理機能を有する点で異なっている。また、データ転送速度を測定する際の転送速度判定用データファイルの送受信が、携帯端末10と受信装置20との間で逆になっている。以下の説明においては、この相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0067】
<(1)映像送受信システムの構成例>
受信装置20のCPU200は、携帯端末10のサーバー処理部102が実行可能なサーバー処理を実行可能な機能を有している。すなわち、CPU200は、受信装置20をサーバーとして機能するよう制御可能に構成される。CPU200は、携帯端末10のCPU100で実行されるブラウザにより、携帯端末10から受信装置20に対してアクセス可能にする機能を有する。この機能により、携帯端末10と受信装置20とを接続してデータを送受信可能な状態とし、受信装置20のデータ送受信部210から携帯端末10のデータ送受信部110への転送速度判定用データファイルの転送を実行することができる。
【0068】
<(2)データ転送速度判定処理の具体例>
上記の機能により、本実施形態の映像送受信システムでは、まず、ユーザが携帯端末10を操作して受信装置20のウェブサーバにアクセスする(実施形態1のS500参照)。その後、受信装置20のデータ送受信部210は、転送速度判定用データファイルを携帯端末10のデータ送受信部110に対して送信する。データ送受信部110は、ここで受信した転送速度判定用データファイルの受信状況を転送速度判定部101に出力する。転送速度判定部101は、データ送受信部110における転送速度判定用データファイルの単位時間における受信量に基づいて、携帯端末10と受信装置20との間のデータ転送速度を取得する(S510参照)。
【0069】
上記のような構成及び動作によって、受信装置20から携帯端末10に対して転送速度判定用データファイルを送信してデータ転送速度を測定し、データ転送速度判定処理を実行することができる。このように、携帯端末10と受信装置20とのデータ転送速度の判定の際は、転送速度判定用データファイルの送信方向はどちらにしてもよい。
【0070】
<5.実施形態5>
次に、本発明の実施形態5について、図8乃至図10を参照しながら説明する。本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の映像送受信システムと比較して、携帯端末10が、撮像部130、録音部140、測位部150、及び記憶部160をさらに含む構成になっている点で相違する。以下の説明においては、この相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0071】
<(1)映像送受信システムの構成例>
上記のとおり、本実施形態の映像送受信システムは、図8に示されるように、実施形態1で説明した構成(図1参照)と比較して、撮像部130、録音部140、測位部150、及び記憶部160をさらに含んで構成される。
【0072】
<撮像部130>
撮像部130は、カメラとしての機能を有しており、ユーザの操作により撮像可能に構成される。すなわち、撮像部130は、レンズ及び光学センサを含んで構成され、レンズが向けられた方向の画像を取得可能に構成されている。撮像部130が撮像した映像は、記憶部160に記憶可能である。
【0073】
<録音部140>
録音部140は、音声レコーダとしての機能を有しており、ユーザの操作により、例えばユーザの声などの周囲の音声を録音可能に構成される。すなわち、録音部140は、音声収集機能を有するマイクを含んで構成され、マイクの周辺の音声を取得可能に構成されている。録音部140が取得した音声は、記憶部160に記憶可能である。
【0074】
<測位部150>
測位部150は、例えばGPSのような位置検出システムを利用して現在位置を取得可能に構成される。現在位置は、例えば地球上の経度及び緯度によって示される。測位部150が取得した位置情報は、記憶部160に記憶可能である。
【0075】
<記憶部160>
記憶部160は、撮像部130、録音部140、及び測位部150がそれぞれ取得したデータを、転送速度判定部101による転送速度判定の結果に関連付けられた状態で記憶可能に構成される。
【0076】
<(2)データ転送速度判定処理の具体例>
本実施形態の映像送受信システムにおけるデータ転送速度判定処理は、転送速度判定部101による転送速度の判定までは実施形態1と同様であるが、データ転送速度の判定後に、この判定結果を写真、音声、または位置情報に関連付けて記憶可能とする点で異なる。
【0077】
データ転送速度判定処理が終了したら(図2のS600参照)、CPU100は、表示部120に、撮像、録音、または位置検出を実行するかどうかをユーザが選択するための表示を行う。図9は、表示部120に、撮像、録音、または位置検出を実行するかどうかをユーザに確認するときの表示例を示す図である。ここでのユーザによる携帯端末10の操作に応じて、携帯端末10の撮像部130、録音部140、または測位部150は、それぞれ撮像、録音、または位置検出を実行し、CPU100は、この実行結果を、データ転送速度の判定結果に関連付けて記憶部160に記憶する。
【0078】
図10は、写真、位置情報、及び音声に関連付けられて記憶されたデータ転送速度の判定結果をユーザが確認した時の、表示部120での表示例を示す図である。図10に示すように、ユーザは、データ転送速度の判定結果、及びこの判定をした場所での写真、判定場所の位置(経度及び緯度)、及び録音した音声を再生可能となる。このような構成及び処理によって、ユーザは、データ転送速度の判定を実行した場所を後日確認したような場合であっても、データ転送速度の判定を行った場所や状況を把握し易くなる。
【0079】
<6.実施形態6>
次に、本発明の実施形態6について、図11及び図12を参照しながら説明する。本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の映像送受信システムと比較して、携帯端末10が記憶部160をさらに含む構成になっている点で相違する。以下の説明においては、この相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0080】
<記憶部160>
記憶部160は、転送速度判定部101によるデータ転送速度の判定結果を、例えば部屋の各位置に関連付けて記憶可能に構成される。具体的な例としては、記憶部160は、データ転送速度の判定結果を、部屋を9分割したそれぞれの位置に対して記憶可能に構成される。
【0081】
<(2)データ転送速度判定処理の具体例>
本実施形態の映像送受信システムでは、データ転送速度の判定を実行する前に、図12の中央付近に示すような部屋の中の特定の位置でユーザがデータ転送速度の判定処理を実行することを促すよう表示する。そして、転送速度判定部101は、データ転送速度の判定結果を、部屋の中の位置と関連付けて、記憶部160に記憶させる。
【0082】
<7.実施形態7>
次に、本発明の実施形態7について、図13及び図14を参照しながら説明する。本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の映像送受信システムと比較して、データの転送速度ではなく、受信装置20における復号化率に基づいて、STB30から受信装置20に送信される映像データを受信装置20が適切に再生(復号)可能かどうかを判定する点で異なる。以下の説明においては、この相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0083】
<(1)映像送受信システムの構成例>
本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態1の映像送受信システムと比較して、受信装置20が復号化率判定部250を含んで構成されている点で相違する。
【0084】
<復号化率判定部250>
復号化率判定部250は、受信装置20の復号部230による復号の状況に基づいて決定される復号化率を取得し、この復号化率を予め定められた所定の閾値と比較し、受信装置20と携帯端末10との間のデータ転送速度が、受信映像をスムーズに表示可能な速度以上であるかどうかを判定可能に構成される。復号化率判定部250は、この復号化率の判定結果を、データ送受信部210を介して携帯端末10に送信可能である。
【0085】
<携帯端末10>
携帯端末10では、復号化率判定部250から上記の復号化率の判定結果を受け取ったら、CPU100がこの判定結果を表示部120に表示することができるよう構成される。
【0086】
<データ送受信部110、データ送受信部210>
携帯端末10のデータ送受信部110は、受信装置20のデータ送受信部210に対して復号化率判定用データファイルを送信可能に構成される。
【0087】
<(2)復号化率判定処理の具体例>
次に、図14を参照しながら、本実施形態の映像送受信システムにおける復号化率判定処理について具体的に説明する。図14は、本実施形態の復号化率判定処理を示すフローチャートである。
【0088】
<S501>
ユーザがSTB30の最適な配置場所を決定するために携帯端末10を操作して復号化率判定処理を実行すると(S501)、CPU100のサーバー処理部102は、受信装置20との間のデータのやり取りを実行しやすくするため、携帯端末10をウェブサーバ状態にするための処理を実行する。これによって、受信装置20からは、ウェブブラウザで、携帯端末10のウェブサーバにアクセスする処理を実行することで、携帯端末10とのデータの送受信が可能になる。そして、CPU100は、表示部120に、携帯端末10のウェブサーバにアクセスするためのアドレスを表示する。ユーザは、この表示部120の表示に従って受信装置20を操作し、受信装置20のCPU200のウェブブラウザのソフトウェア上で、携帯端末10のウェブサーバにアクセスするためのアドレスを入力する。これによって、受信装置20と携帯端末10との無線接続によるデータの送受信が可能な状態となる。
【0089】
<S511>
次に、携帯端末10のデータ送受信部110は、受信装置20のデータ送受信部210に対して、復号化率を判定するための、復号化率判定用データファイルを転送する。データ送受信部210は、この復号化率判定用データファイルを復号部230に出力する。復号部230は、この復号化率判定用データファイルを復号する。復号化率判定部250は、復号部230での復号の状況に基づいて復号化率を取得する(S511)。なお、復号化率の取得方法は、一般的に知られる種々の方法を採用可能である。
【0090】
<S523>
次に、復号化率判定部250は、取得した復号化率が、予め定められた閾値以上か否かを判定する(S523)。ここでの閾値は、受信装置20がSTB30から受信する映像データに基づいて映像を再生した際に、映像データの不足による問題が発生しないような復号化率に基づいて、予め決定される。
【0091】
<S550、S601>
取得した復号化率が閾値以上の値であった場合(S523でY)、CPU100は、この判定時の場所にSTB30を配置すれば映像をスムーズに表示できる旨の情報を表示部120に表示させる(S550)。そして、復号化率判定処理は終了する(S601)。
【0092】
<S551、S601>
一方で、取得した復号化率が閾値未満の値であった場合(S523でN)、CPU100は、この判定時の場所にSTB30を配置した場合データ転送速度が確保できていない旨の情報を表示部120に表示させる。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S601)。
【0093】
上記の復号化率判定処理によって、表示部120には、映像をスムーズに表示できるかどうかを示す表示がなされ、ユーザはこの表示に基づいて、STB30を配置する位置を決定することとなる。
<8.実施形態8>
次に、本発明の実施形態8について、図15を参照しながら説明する。本実施形態の映像送受信システムでは、実施形態7の映像送受信システムと基本的な構成は同様であるが、復号化率判定部250が複数の閾値に基づいて段階的に復号化率を判定する点において異なっている。以下の説明においては、この相違点を中心に説明し、実施形態7と同様の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0094】
<(1)映像送受信システムの構成例>
上記のとおり、本実施形態の映像送受信システムは、実施形態7で説明した構成(図13参照)と同様である。ただし、復号化率判定部250の機能において相違する点がある。
【0095】
<復号化率判定部250>
復号化率判定部250は、受信装置20の復号部230による復号の状況に基づいて決定される復号化率を取得し、この復号化率を予め定められた複数の閾値と比較して、受信装置20と携帯端末10との間のデータ転送速度が、どの程度の品質の画像をスムーズに表示可能な速度かどうかを判定可能に構成される。
【0096】
<(2)データ転送速度判定処理の具体例>
次に、図15を参照しながら、本実施形態の映像送受信システムにおける復号化率判定処理について具体的に説明する。本実施形態のデータ転送速度判定処理は、実施形態7のデータ転送速度判定処理(図13参照)と比較して、S523、S550及びS551の処理が、S524、S525、及びS560〜S562の処理に変更されている点で異なる。
【0097】
<S524>
S511の処理の後、復号化率判定部250は、取得した復号化率が、予め定められた閾値1以上か否かを判定する(S524)。ここでの閾値1は、受信装置20がSTB30から受信する、単位時間当たりのデータ量が比較的多い高品質の映像データに基づいて映像を再生した際に、映像データの不足による問題が発生しないような復号化率に基づいて、予め決定される。
【0098】
<S525>
S524の処理の後、復号化率判定部250は、取得した復号化率が、予め定められた閾値2以上か否かを判定する(S525)。ここでの閾値2は、受信装置20がSTB30から受信する、単位時間当たりのデータ量が比較的少ない低品質の映像データに基づいて映像を再生した際に、映像データの不足による問題が発生しないような復号化率に基づいて、予め決定される。
【0099】
<S560、S601>
取得したデータ転送速度が閾値1以上の値であった場合(S524でY)、復号化率判定部250は、高品質動画をスムーズに表示できる旨の情報を表示部120に表示させる(S560)。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S601)。
【0100】
<S561、S601>
取得したデータ転送速度が閾値2以上の値であった場合(S525でY)、復号化率判定部250は、低品質動画をスムーズに表示できる旨の情報を表示部120に表示させる(S561)。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S601)。
【0101】
<S562、S601>
一方で、取得した復号化率が閾値2未満の値であった場合(S525でN)、復号化率判定部250は、映像をスムーズに表示できない旨の情報を表示部120に表示させる(S562)。そして、データ転送速度判定処理は終了する(S601)。
【0102】
<9.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0103】
上記実施形態は、互いに可能な範囲で組み合わせて実施されうる。例えば、実施形態5で説明した撮像部130などを含める構成において、実施形態7で説明した復号化率を利用した判定を実行するなど、種々の組み合わせが考えられ、これらの実施形態の組み合わせも本発明の一部である。
【0104】
上記実施形態では、ウェブサーバを利用して携帯端末10と受信装置20との接続を確立したが、必ずしもこの方法に限るものではない。例えば、無線LANその他の手段によって、携帯端末10と受信装置20との接続を確立してもよい。ただし、ウェブサーバを利用する方法であれば、比較的簡単な処理で携帯端末10と受信装置20との接続を確立可能であるためより好ましい。
【0105】
上記実施形態では、STB30を設置することを目的としているが、これは必ずしもセットトップボックスである必要はなく、同様の映像送信機能を有する機器であればよい。すなわち、STB30は例えばPC(Personal Computer)と置き換えられうる。
【0106】
実施形態2などでは、複数の閾値として2つの閾値を利用して段階的にデータ転送速度を判定する方法について説明したが、閾値の数を限定するものではなく、3以上の閾値を利用する方法を採ってもよい。
【0107】
また、携帯端末10と受信装置20との間のデータ転送速度は、例えば、受信装置20のCPU200によって判定し、判定結果を受信装置20から携帯端末10に対して出力するような構成としてもよい。
【0108】
また、転送速度判定用データファイルは、転送速度の判定のみを目的とする特別なデータファイルであってもよいし、通常の映像データであってもよい。
【0109】
<10.本発明の特徴>
以上、説明したような構成の情報処理装置または映像受信装置は、以下のような特徴を持つ。
【0110】
本発明の情報処理装置(携帯端末10)は、受信した映像データを表示部220(または表示部420)に表示可能に構成された受信機(受信装置20)にデータを送信可能に構成された送信部(データ送受信部110)と、受信機(受信装置20)と送信部(データ送受信部110)との間のデータ転送速度が所定の速度以上であることを判定可能に構成された転送速度判定部(101)と、転送速度判定部(101)による判定結果を表示可能に構成された表示部120と、を備えることを特徴とする。
【0111】
上記構成の情報処理装置によれば、受信機(受信装置20)へのデータ転送速度をリアルタイムに確認しながら、送信機(STB30)を適切な場所に配置することが可能となる。
【0112】
また、本発明の情報処理装置(携帯端末10)では、転送速度判定部101は、受信機(受信装置20)と送信部(データ送受信部110)との間のデータ転送速度を、複数の閾値に基づいて段階的に判定可能に構成された(S521、S522)ことを特徴とする。
【0113】
上記構成の情報処理装置によれば、受信機(受信装置20)へのデータ転送速度をリアルタイムに確認しながら、ユーザが視聴したい映像の画質に合わせて、送信機(STB30)を適切な場所に配置することが可能となる。
【0114】
また、本発明の情報処理装置では、受信機(受信装置20)は、表示部420を含んで構成された表示装置40に映像データを出力可能に構成されていることを特徴とする。
【0115】
上記構成の情報処理装置によれば、表示部を別装置とするSTB(送信機とは別構成)を受信機として備えるシステムにおいて、上述のような特徴を備える情報処理装置を構成することができる。
【0116】
また、本発明の情報処理装置では、受信機(受信装置20)から転送速度判定用データを受信可能に構成された受信部(データ送受信部110)をさらに備え、転送速度判定部101は、受信機(受信装置20)から受信した転送速度判定用データに基づいて、受信機(受信装置20)と送信部との間のデータ転送速度を検出可能に構成されたことを特徴とする。
【0117】
上記構成の情報処理装置によれば、受信機(受信装置20)から情報処理装置(携帯端末10)へのデータ転送により、データ転送速度を検出することができる。これによれば、例えば受信機(受信装置20)にデータの受信を容易にするブラウザ機能が無い場合でも、情報処理装置(携帯端末10)が備えるブラウザ機能を利用して、データ転送速度を検出することが可能となる。
【0118】
また、本発明の情報処理装置では、撮像可能な撮像部130、録音可能な録音部140、及び位置情報を取得可能な測位部150のうちの少なくとも1つと、撮像部130、録音部140、及び測位部150のうちの少なくとも1つで取得したデータを記憶可能な記憶部160と、をさらに備え、転送速度判定部101は、この判定結果を、撮像部130、録音部140、及び測位部150の少なくとも1つで取得したデータと関連付けて記憶部160に記憶させるよう制御可能に構成されたことを特徴とする。
【0119】
上記構成の情報処理装置によれば、転送速度判定部101による判定を一度行った後に送信機(STB30)を再度設置するとき、過去のデータ転送速度の判定結果をユーザが参照しやすくすることできる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0120】
また、本発明の情報処理装置では、転送速度判定部101よる判定結果を記憶可能に構成された記憶部160をさらに備え、転送速度判定部101は、この判定結果を、位置情報に関連付けて記憶部160に記憶させるよう制御可能に構成されたことを特徴とする。
【0121】
上記構成の情報処理装置によれば、例えば、部屋の中の各場所におけるデータ転送速度の判定結果を記憶させておくことで、転送速度判定部による判定を一度行った後に送信機(STB30)を再度設置するとき、過去のデータ転送速度の判定結果をユーザが参照しやすくすることできる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0122】
また、本発明の映像受信装置(受信装置20)では、符号化された映像データを受信可能に構成された受信部(データ送受信部210)と、符号化された映像データを復号可能に構成された復号部230と、復号部230における復号結果に基づいて復号化率を測定し、該復号化率が所定の閾値以上であることを判定可能に構成された復号化率判定部250と、復号化率判定部250による判定結果を外部端末(携帯端末10)に対して送信可能に構成された送信部(データ送受信部210)と、を備えることを特徴とする。
【0123】
上記構成の映像受信装置によれば、データ転送速度よりも直接的に受信映像データの再生品質を判断可能な復号化率を用いているため、受信機(受信装置20)へのデータ転送速度をリアルタイムに確認しながら、送信機(STB30)をより適切な場所に配置することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、映像の送受信を実行可能な映像送信システムなどにおいて好適に適用される。
【符号の説明】
【0125】
10…携帯端末
101…転送速度判定部
102…サーバー処理部
110…データ送受信部
120…表示部
130…撮像部
140…録音部
150…測位部
160…記憶部
20…受信装置
210…データ送受信部
220…表示部
230…復号部
240…映像出力部
250…復号化率判定部
30…STB
310…データ送受信部
320…記憶部
40…表示装置
410…映像入力部
420…表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15