【解決手段】メイン制御部41は、通常リプレイや押し順ベルといった判定用役に当選したときに複数種類の押し順のうちから判定用手順を決定し、遊技者により実際に操作された押し順と判定用手順とが一致したときには、サブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定する。判定用手順は、推奨手順である左第1停止以外の手順であるか、あるいは、推奨手順および推奨手順以外の押し順のうち、推奨手順である割合よりも推奨手順以外の押し順である割合の方が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようなスロットマシンにおいては、主制御部の抽選によって決定される停止操作順序が、遊技者に対して操作するように推奨されている推奨手順と同じ停止操作順序となることがあった。この場合、たとえば、所定演出状態に制御されていないときに遊技者によって推奨手順で停止操作されたときには、所定演出状態に制御されていると主制御部により誤って特定されてしまい、設計上では意図しない誤ったタイミングで所定制御が実行されてしまうといった問題があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、誤ったタイミングで所定制御が行われてしまうことを防止するスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)とを備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段による決定と前記導出操作手段の操作とに応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール回転処理)と、
前記事前決定手段により所定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、通常リプレイや押し順ベルなどの判定用役に当選)に、複数種類の操作態様のうちから所定操作態様(たとえば、判定用手順)を決定する所定操作態様決定手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS12の処理)と、
前記所定操作態様決定手段により決定された前記所定操作態様を特定可能な所定制御情報(たとえば、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報)を前記演出制御手段に送信する所定制御情報送信手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS14の処理)とを含み、
前記演出制御手段は、
所定演出状態(たとえば、準備状態)に制御する所定演出状態制御手段(たとえば、サブ制御部91による準備状態に制御する処理)と、
前記所定演出状態で前記所定制御情報を受信したときに、前記所定操作態様を特定可能に報知する報知手段(たとえば、サブ制御部91による判定用ナビ演出を実行する処理)とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記事前決定手段により前記所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに、前記所定操作態様で前記導出操作手段が操作されたことに基づいて、前記所定演出状態に制御されている旨を特定する演出状態特定手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のAT開始判定処理)と、
前記演出状態特定手段により前記所定演出状態に制御されている旨が特定されたときに、所定制御を実行する所定制御実行手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のS27の処理)とをさらに含み、
前記所定操作態様(たとえば、判定用手順)は、遊技者に対して推奨する推奨操作態様(たとえば、推奨手順である左第1停止)および該推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)のうち、前記推奨操作態様である割合よりも前記推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっており(たとえば、変形例における[判定用手順について]の欄参照)、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により特定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、押し順ベルなどのナビ対象役に当選)に、前記複数種類の操作態様のうちの前記特定表示結果に対応する特定操作態様(たとえば、正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第1表示結果(たとえば、主役を入賞させる図柄組合せ)を導出する制御を行い、前記特定操作態様以外の操作態様(たとえば、不正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第2表示結果(たとえば、副役を入賞させる図柄組合せ、ハズレの図柄組合せ)を導出する制御を行い、
前記第1表示結果が導出されたときには、前記第2表示結果が導出されたときよりも遊技者が有利となり(たとえば、主役の入賞によるメダルの払い出し)、
前記特定操作態様(たとえば、正解手順)は、前記推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)である(たとえば、
図21および
図22参照)。
【0009】
このような構成によれば、遊技制御手段側において、所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに複数種類の操作態様のうちから所定操作態様が決定され、演出制御手段側において、所定操作態様を特定可能な所定制御情報を受信したときに、所定操作態様が特定可能に報知され、遊技制御手段側において、所定操作態様で導出操作手段が操作されたことに基づいて、所定演出状態に制御されている旨が特定される。これにより、遊技制御手段は、演出制御手段により所定演出状態に制御されている旨を特定することができ、これに基づき所定制御を実行することができる。さらに、所定操作態様は、推奨操作態様および推奨操作態様以外の操作態様のうち、推奨操作態様である割合よりも推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっている。このため、演出制御手段側において、所定操作態様が特定可能に報知されていないにもかかわらず、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されてしまい、設計上では意図しない誤ったタイミングで所定制御が実行されてしまうことを防止することができる。しかも、特定表示結果の導出を許容することが決定されたときに遊技者が有利となる第1表示結果を導出するための特定操作態様は、推奨操作態様以外の操作態様である。このため、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されることで、有利になることを防ぐことができる。
【0010】
(2) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)とを備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段による決定と前記導出操作手段の操作とに応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール回転処理)と、
前記事前決定手段により所定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、通常リプレイや押し順ベルなどの判定用役に当選)に、複数種類の操作態様のうちから所定操作態様(たとえば、判定用手順)を決定する所定操作態様決定手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS12の処理)と、
前記所定操作態様決定手段により決定された前記所定操作態様を特定可能な所定制御情報(たとえば、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報)を前記演出制御手段に送信する所定制御情報送信手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS14の処理)とを含み、
前記演出制御手段は、
所定演出状態(たとえば、準備状態)に制御する所定演出状態制御手段(たとえば、サブ制御部91による準備状態に制御する処理)と、
前記所定演出状態で前記所定制御情報を受信したときに、前記所定操作態様を特定可能に報知する報知手段(たとえば、サブ制御部91による判定用ナビ演出を実行する処理)とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記事前決定手段により前記所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに、前記所定操作態様で前記導出操作手段が操作されたことに基づいて、前記所定演出状態に制御されている旨を特定する演出状態特定手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のAT開始判定処理)と、
前記演出状態特定手段により前記所定演出状態に制御されている旨が特定されたときに、所定制御を実行する所定制御実行手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のS27の処理)とをさらに含み、
前記所定操作態様(たとえば、判定用手順)は、遊技者に対して推奨する推奨操作態様(たとえば、推奨手順である左第1停止)および該推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)のうち、前記推奨操作態様である割合よりも前記推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっており(たとえば、変形例における[判定用手順について]の欄参照)、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により特定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、押し順ベルなどのナビ対象役に当選)に、前記複数種類の操作態様のうちの前記特定表示結果に対応する特定操作態様(たとえば、正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第1表示結果(たとえば、主役を入賞させる図柄組合せ)を導出する制御を行い、前記特定操作態様以外の操作態様(たとえば、不正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第2表示結果(たとえば、副役を入賞させる図柄組合せ、ハズレの図柄組合せ)を導出する制御を行い、
前記第1表示結果が導出されたときには、前記第2表示結果が導出されたときよりも遊技者が有利となり(たとえば、主役の入賞によるメダルの払い出し)、
前記特定操作態様(たとえば、正解手順)は、前記推奨操作態様(たとえば、推奨手順である左第1停止)および該推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)のうち、前記推奨操作態様である割合よりも前記推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっている(たとえば、変形例における[正解手順について]の欄参照)。
【0011】
このような構成によれば、遊技制御手段側において、所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに複数種類の操作態様のうちから所定操作態様が決定され、演出制御手段側において、所定操作態様を特定可能な所定制御情報を受信したときに、所定操作態様が特定可能に報知され、遊技制御手段側において、所定操作態様で導出操作手段が操作されたことに基づいて、所定演出状態に制御されている旨が特定される。これにより、遊技制御手段は、演出制御手段により所定演出状態に制御されている旨を特定することができ、これに基づき所定制御を実行することができる。さらに、所定操作態様は、推奨操作態様および推奨操作態様以外の操作態様のうち、推奨操作態様である割合よりも推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっている。このため、演出制御手段側において、所定操作態様が特定可能に報知されていないにもかかわらず、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されてしまい、設計上では意図しない誤ったタイミングで所定制御が実行されてしまうことを防止することができる。しかも、特定表示結果の導出を許容することが決定されたときに遊技者が有利となる第1表示結果を導出するための特定操作態様は、推奨操作態様および推奨操作態様以外の操作態様のうち、推奨操作態様である割合よりも推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっている。このため、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されることで、有利になることを防ぐことができる。
【0012】
(3) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)とを備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段による決定と前記導出操作手段の操作とに応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール回転処理)と、
前記事前決定手段により所定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、通常リプレイや押し順ベルなどの判定用役に当選)に、複数種類の操作態様のうちから所定操作態様(たとえば、判定用手順)を決定する所定操作態様決定手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS12の処理)と、
前記所定操作態様決定手段により決定された前記所定操作態様を特定可能な所定制御情報(たとえば、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報)を前記演出制御手段に送信する所定制御情報送信手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS14の処理)とを含み、
前記演出制御手段は、
所定演出状態(たとえば、準備状態)に制御する所定演出状態制御手段(たとえば、サブ制御部91による準備状態に制御する処理)と、
前記所定演出状態で前記所定制御情報を受信したときに、前記所定操作態様を特定可能に報知する報知手段(たとえば、サブ制御部91による判定用ナビ演出を実行する処理)とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記事前決定手段により前記所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに、前記所定操作態様で前記導出操作手段が操作されたことに基づいて、前記所定演出状態に制御されている旨を特定する演出状態特定手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のAT開始判定処理)と、
前記演出状態特定手段により前記所定演出状態に制御されている旨が特定されたときに、所定制御を実行する所定制御実行手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のS27の処理)とをさらに含み、
前記所定操作態様(たとえば、判定用手順)は、遊技者に対して推奨する推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)であり(たとえば、
図25および
図26参照)、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により特定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、押し順ベルなどのナビ対象役に当選)に、前記複数種類の操作態様のうちの前記特定表示結果に対応する特定操作態様(たとえば、正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第1表示結果(たとえば、主役を入賞させる図柄組合せ)を導出する制御を行い、前記特定操作態様以外の操作態様(たとえば、不正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第2表示結果(たとえば、副役を入賞させる図柄組合せ、ハズレの図柄組合せ)を導出する制御を行い、
前記第1表示結果が導出されたときには、前記第2表示結果が導出されたときよりも遊技者が有利となり(たとえば、主役の入賞によるメダルの払い出し)、
前記特定操作態様は、前記推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)である(たとえば、
図21および
図22参照)。
【0013】
このような構成によれば、遊技制御手段側において、所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに複数種類の操作態様のうちから所定操作態様が決定され、演出制御手段側において、所定操作態様を特定可能な所定制御情報を受信したときに、所定操作態様が特定可能に報知され、遊技制御手段側において、所定操作態様で導出操作手段が操作されたことに基づいて、所定演出状態に制御されている旨が特定される。これにより、遊技制御手段は、演出制御手段により所定演出状態に制御されている旨を特定することができ、これに基づき所定制御を実行することができる。さらに、所定操作態様は、推奨操作態様以外の操作態様である。このため、演出制御手段側において、所定操作態様が特定可能に報知されていないにもかかわらず、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されてしまい、設計上では意図しない誤ったタイミングで所定制御が実行されてしまうことを防止することができる。しかも、特定表示結果の導出を許容することが決定されたときに遊技者が有利となる第1表示結果を導出するための特定操作態様は、推奨操作態様以外の操作態様である。このため、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されることで、有利になることを防ぐことができる。
【0014】
(4) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)とを備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段による決定と前記導出操作手段の操作とに応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール回転処理)と、
前記事前決定手段により所定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、通常リプレイや押し順ベルなどの判定用役に当選)に、複数種類の操作態様のうちから所定操作態様(たとえば、判定用手順)を決定する所定操作態様決定手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS12の処理)と、
前記所定操作態様決定手段により決定された前記所定操作態様を特定可能な所定制御情報(たとえば、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報)を前記演出制御手段に送信する所定制御情報送信手段(たとえば、メイン制御部41による
図24のS14の処理)とを含み、
前記演出制御手段は、
所定演出状態(たとえば、準備状態)に制御する所定演出状態制御手段(たとえば、サブ制御部91による準備状態に制御する処理)と、
前記所定演出状態で前記所定制御情報を受信したときに、前記所定操作態様を特定可能に報知する報知手段(たとえば、サブ制御部91による判定用ナビ演出を実行する処理)とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記事前決定手段により前記所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに、前記所定操作態様で前記導出操作手段が操作されたことに基づいて、前記所定演出状態に制御されている旨を特定する演出状態特定手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のAT開始判定処理)と、
前記演出状態特定手段により前記所定演出状態に制御されている旨が特定されたときに、所定制御を実行する所定制御実行手段(たとえば、メイン制御部41による
図27のS27の処理)とをさらに含み、
前記所定操作態様(たとえば、判定用手順)は、遊技者に対して推奨する推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)であり(たとえば、
図25および
図26参照)、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により特定表示結果の導出を許容することが決定されたとき(たとえば、押し順ベルなどのナビ対象役に当選)に、前記複数種類の操作態様のうちの前記特定表示結果に対応する特定操作態様(たとえば、正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第1表示結果(たとえば、主役を入賞させる図柄組合せ)を導出する制御を行い、前記特定操作態様以外の操作態様(たとえば、不正解手順)で前記導出操作手段が操作されたときには第2表示結果(たとえば、副役を入賞させる図柄組合せ、ハズレの図柄組合せ)を導出する制御を行い、
前記第1表示結果が導出されたときには、前記第2表示結果が導出されたときよりも遊技者が有利となり(たとえば、主役の入賞によるメダルの払い出し)、
前記特定操作態様(たとえば、正解手順)は、前記推奨操作態様(たとえば、推奨手順である左第1停止)および該推奨操作態様以外の操作態様(たとえば、推奨手順以外の押し順である中第1停止や右第1停止)のうち、前記推奨操作態様である割合よりも前記推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっている(たとえば、変形例における[正解手順について]の欄参照)。
【0015】
このような構成によれば、遊技制御手段側において、所定表示結果の導出を許容することが決定されたときに複数種類の操作態様のうちから所定操作態様が決定され、演出制御手段側において、所定操作態様を特定可能な所定制御情報を受信したときに、所定操作態様が特定可能に報知され、遊技制御手段側において、所定操作態様で導出操作手段が操作されたことに基づいて、所定演出状態に制御されている旨が特定される。これにより、遊技制御手段は、演出制御手段により所定演出状態に制御されている旨を特定することができ、これに基づき所定制御を実行することができる。さらに、所定操作態様は、推奨操作態様以外の操作態様である。このため、演出制御手段側において、所定操作態様が特定可能に報知されていないにもかかわらず、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されてしまい、設計上では意図しない誤ったタイミングで所定制御が実行されてしまうことを防止することができる。しかも、特定表示結果の導出を許容することが決定されたときに遊技者が有利となる第1表示結果を導出するための特定操作態様は、推奨操作態様および推奨操作態様以外の操作態様のうち、推奨操作態様である割合よりも推奨操作態様以外の操作態様である割合の方が高くなっている。このため、遊技者により推奨操作態様で導出操作手段が操作されることで、有利になることを防ぐことができる。
【0016】
(5) 上記(1)〜(4)のスロットマシンにおいて、
前記所定演出状態は、前記事前決定手段により導出を許容することが決定された表示結果に応じた情報(たとえば、押し順ベルの当選時に主役を入賞させるための正解手順を特定可能な情報)を報知する状態であり、
前記所定演出状態制御手段は、前記事前決定手段により、特別状態(たとえば、CB)に制御されるための特別表示結果の導出が許容されているとき(たとえば、CB当選状態である内部中)には、前記所定演出状態に制御可能である(たとえば、内部中においてのみナビストックが付与されて、準備状態やATに制御可能である)。
【0017】
このような構成によれば、特別状態に制御されるための特別表示結果の導出が許容されているときには、所定演出状態に制御されているか否かに応じて、有利度を異ならせることができる。
【0018】
(6) 上記(1)〜(5)のスロットマシンにおいて、
前記所定表示結果には、前記特定表示結果が含まれ(たとえば、押し順ベルは、判定用役とナビ対象役に兼用されている)、
前記特定操作態様は、前記所定操作態様である(たとえば、正解手順は、判定用手順と同じである)。
【0019】
このような構成によれば、特定表示結果の導出が許容されたときを利用して、遊技制御手段側において、所定演出状態に制御されている旨を特定することができるため、所定演出状態に制御されている旨を特定するための所定表示結果を別途備える必要がない。
【0020】
(7) 上記(1)〜(6)のスロットマシンにおいて、
前記所定制御実行手段は、前記所定制御として、遅延条件が成立しているときに遊技の進行を遅延期間に亘って遅延させる遅延状態(たとえば、フリーズ)に制御する(たとえば、
図30参照)。
【0021】
このような構成によれば、所定制御として遅延状態に制御されるため、遊技の興趣が向上する。
【0022】
(8) 上記(1)〜(7)のスロットマシンにおいて、
位相信号に基づいて駆動するステッピングモータ(たとえば、リールモータ32L、32C、32R)により移動させることで前記可変表示部を変動表示可能な可変表示装置(たとえば、リール2L、2C、2R)をさらに備え、
前記導出制御手段は、前記可変表示部が変動表示しており、かつ前記導出操作手段が遊技の進行に関与する所定状態(たとえば、停止操作が有効な状態)において該導出操作手段が操作されたときに、表示結果を導出させる制御を行い(たとえば、メイン制御部41によるゲームを進行させる操作として有効な停止操作に基づきリールを停止制御する処理)、
前記遊技制御手段は、
前記位相信号の制御を行う位相信号制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリールモータを駆動制御する処理)と、
前記導出制御手段により導出された表示結果(たとえば、停止操作が有効な状態において導出される停止態様)に応じて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段(たとえば、メイン制御部41による入賞ラインLNに停止した図柄組合せに基づき入賞判定する処理)と、
前記可変表示部が変動表示しており、かつ前記所定状態への移行を遅延させる遅延状態(たとえば、フリーズ状態)において前記導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ)が操作されたときに、前記入賞判定手段の判定対象とならない仮表示結果(たとえば、フリーズ状態において導出される停止態様)を導出させる仮導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるフリーズ状態におけるストップスイッチの操作に基づきリールを停止制御する処理)とをさらに含み、
前記位相信号制御手段は、
前記導出制御手段により表示結果(たとえば、停止操作が有効な状態において導出される停止態様)が導出されたときには、前記位相信号を所定期間(たとえば、500ms)以上変化させず、
前記仮導出制御手段により仮表示結果(たとえば、フリーズ状態において導出される停止態様)が導出されたときには、前記位相信号が変化しない状態となってから前記所定期間が経過する前に必ず前記位相信号を変化させる(たとえば、
図32および
図34参照)。
【0023】
このような構成によれば、可変表示部が変動表示している状態で導出操作手段が操作され、かつ入賞の有無が判定される表示結果が導出されたときには、位相信号が所定期間以上変化しない一方で、可変表示部が変動表示している状態で導出操作手段が操作され、かつ入賞の有無が判定されない仮表示結果が導出されたときには、位相信号が変化しない状態となってから所定期間が経過する前に必ず位相信号が変化される。これにより、導出操作手段の操作に伴い表示結果または仮表示結果が導出されたときには、ゲームの結果として導出された表示結果であるのか、演出として導出された仮表示結果であるのかを、遊技者に対して明確に認識させることができる。
【0024】
(9) 上記(1)〜(8)のスロットマシンにおいて、
位相信号に基づいて駆動するステッピングモータ(たとえば、リールモータ32L、32C、32R)により移動させることで前記可変表示部を変動表示可能な可変表示装置(たとえば、リール2L、2C、2R)と、
前記導出操作手段を含む複数の操作手段(たとえば、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10)とをさらに備え、
前記導出制御手段は、前記可変表示部が変動表示しており、かつ前記導出操作手段が遊技の進行に関与する所定状態(たとえば、停止操作が有効な状態)において該導出操作手段が操作されたときに、表示結果を導出させる制御を行い(たとえば、メイン制御部41によるゲームを進行させる操作として有効な停止操作に基づきリールを停止制御する処理)、
前記遊技制御手段は、
前記位相信号の制御を行う位相信号制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリールモータを駆動制御する処理)と、
前記導出制御手段により導出された表示結果(たとえば、停止操作が有効な状態において導出される停止態様)に応じて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段(たとえば、メイン制御部41による入賞ラインLNに停止した図柄組合せに基づき入賞判定する処理)と、
前記可変表示部が変動表示しており、かつ前記所定状態への移行を遅延させる遅延状態(たとえば、フリーズ状態)において前記導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ)が操作されたときに、前記入賞判定手段の判定対象とならない仮表示結果(たとえば、フリーズ状態において導出される停止態様)を導出させる第1の仮導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるフリーズ状態におけるストップスイッチの操作に基づきリールを停止制御する処理)と、
前記遅延状態において前記導出操作手段とは異なる操作手段(たとえば、1枚BETスイッチ5)が操作されたときに、前記仮表示結果を導出させる第2の仮導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるフリーズ状態における1枚BETスイッチ5の操作に基づきリールを停止制御する処理)とをさらに含み、
前記位相信号制御手段は、
前記導出制御手段により表示結果(たとえば、停止操作が有効な状態において導出される停止態様)が導出されたときには、前記位相信号を所定期間(たとえば、500ms)以上変化させず、
前記第1の仮導出制御手段により仮表示結果(たとえば、フリーズ状態において導出される停止態様)が導出されたときには、前記位相信号が変化しない状態となってから前記所定期間が経過する前に必ず前記位相信号を変化させ、
前記第2の仮導出制御手段により仮表示結果(たとえば、フリーズ状態において導出される停止態様)が導出されたときには、前記位相信号を前記所定期間以上変化させない(たとえば、
図33参照)。
【0025】
このような構成によれば、可変表示部が変動表示している状態で導出操作手段が操作され、かつ入賞の有無が判定される表示結果が導出されたときには、位相信号が所定期間以上変化しないのに対して、可変表示部が変動表示している状態で導出操作手段が操作され、かつ入賞の有無が判定されない仮表示結果が導出されたときには、位相信号が変化しない状態となってから所定期間が経過する前に必ず位相信号が変化し、可変表示部が変動表示している状態で導出操作手段以外の操作手段が操作され、かつ入賞の有無が判定されない仮表示結果が導出されたときには、位相信号が所定期間以上変化しない。これにより、導出操作手段の操作に伴い表示結果または仮表示結果が導出されたときには、ゲームの結果として導出された表示結果であるのか、演出として導出された仮表示結果であるのかを、遊技者に対して明確に認識させることができる。一方、導出操作手段以外の操作手段の操作に伴い仮表示結果が導出されたとき、すなわち、ゲームの結果として導出された表示結果であるのか、演出として導出された仮表示結果であるのかが明確な状況においては、仮表示結果が所定期間以上停止されることで、演出として導出された仮表示結果を確実に認識させることができる。
【0026】
(10) 上記(1)〜(9)のスロットマシンにおいて、
前記遊技制御手段は、
遅延条件が成立しているときに遊技の進行を遅延期間に亘って遅延させる遅延状態(たとえば、フリーズ状態)に制御する遅延制御手段(たとえば、メイン制御部41によるフリーズを実行する処理)と、
前記可変表示部を制御する可変表示部制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール回転処理)とをさらに含み、
前記可変表示部制御手段は、
前記遅延状態でないときに前記導出操作手段の操作に応じて、前記可変表示部に対応する所定領域(たとえば、透視窓3)内の所定位置(たとえば、上段、中段、下段)に表示結果を導出させるように該可変表示部を制御する第1可変表示部制御手段(たとえば、メイン制御部41によるフリーズ中以外のリール制御を行うための処理)と、
前記遅延状態であるときに前記導出操作手段の操作に応じて、前記可変表示部の変動表示を仮停止することで前記所定領域内の前記所定位置とは異なる特定位置(たとえば、半図柄分ずれた位置)に仮表示結果を仮導出させるように該可変表示部を制御する第2可変表示部制御手段(たとえば、メイン制御部41によるフリーズ中のリール制御を行うための処理)とを含む。
【0027】
このような構成によれば、遅延状態であるか否かにかかわらず共通の操作により表示結果あるいは仮表示結果を導出できるため、遅延期間中の操作がわかりにくくなることを防止できる。また、表示結果を導出させる位置とは異なる位置に仮表示結果を導出させることができるため、特定位置に仮導出された仮表示結果を表示結果であると遊技者が誤認してしまうことを防止しつつ、導出対象が表示結果および仮表示結果のいずれであるかを遊技者に認識させることができる。
【0028】
仮表示結果とは、導出されることによって遊技を進行させることのない結果であればよく、たとえば、導出されることによって1遊技を終了させる結果ではない。仮表示結果とは、遅延期間でないときに入賞を発生させる結果であってもよく入賞を発生させないはずれ結果であってもよい。このようなものであれば、遅延期間において導出され得る仮表示結果は、遅延期間でないときに導出され得る表示結果の態様(たとえば、種類、出目など)全てを含み表示結果の態様数よりも多くの態様が設けられているものであってもよく、遅延期間でないときに導出され得る表示結果の態様と同一数の態様が設けられているものであってもよい。
【0029】
遅延期間において導出され得る仮表示結果の態様(たとえば、種類、出目など)は、全て、遅延期間でないときに導出され得る表示結果に含まれ、表示結果の態様数よりも態様数が少ないものであってもよい。このように、遅延期間において導出され得る仮表示結果と、遅延期間でないときに導出され得る表示結果とは、ともに共通する結果を含むものであってもよい。仮表示結果も表示結果も可変表示装置に導出される結果であるため、共通する結果が導出されたときには当該結果から仮表示結果であるのか表示結果であるのかを特定できないようにすることができるが、仮表示結果が導出されたときには表示結果が導出されたときのように遊技を進行させることがない点で機能を異ならせることができる。
【0030】
遅延期間において導出され得る仮表示結果と、遅延期間でないときに導出され得る表示結果とは、ともに共通する結果を含まず異なる結果であって、各々独自の結果から構成されるものであってもよい。この場合には、同じ可変表示装置に導出される結果でありながら、導出された結果の態様から仮表示結果であるのか表示結果であるのかを特定不能にならないように(特定可能に)することができる。また、遅延期間において仮表示結果が導出されるまでの態様(たとえば、導出制御開始時の態様、導出制御中の態様、導出時の態様)は、遅延期間でないときに表示結果が導出されるまでの態様と同じであってもよく、異なるものであってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
【0033】
[遊技用システムの構成]
図1は、本発明が適用された本実施の形態における遊技用システムの構成を示す図である。本実施の形態の遊技用システムは、
図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、スロットマシン1に対して1対1に対応設置されたデータカウンタ200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50と、収集ユニット50において収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60において中継された遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報などを管理するホールコンピュータ140とを含む。
【0034】
本実施の形態における遊技島には、
図1に示すように、その側面に複数のスロットマシン1が設置されているとともに、データカウンタ200が、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられている。本実施の形態に用いたデータカウンタ200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージなどの表示機能を有している。
【0035】
スロットマシン1と収集ユニット50とは、
図1に示すように信号ケーブル59を介して接続されている。各収集ユニット50は、さらに通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されている。これら収集ユニット50と中継ユニット60とは、簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、収集ユニット50が各スロットマシン1から出力される各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信する。
【0036】
これら各中継ユニット60は、ハブ57を介して通信ケーブル58でホールコンピュータ140に接続されていて、中継ユニット60とホールコンピュータ140とが、ローカルエリアネットワークにより双方向に高速データ通信可能とされている。中継ユニット60において各収集ユニット50から送信された送信データが中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できる。
【0037】
データカウンタ200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されている。これら中継ユニット60を介してデータカウンタ200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施でき、各データカウンタ200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定などをホールコンピュータ140において実施できる。
【0038】
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、
図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
【0039】
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、
図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0040】
リール2L、2C、2Rの外周部には、
図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。なお、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」とも称する。
【0041】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(
図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
【0042】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0043】
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できる。
【0044】
前面扉1bには、
図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では、規定数として3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、規定数として1を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0045】
本実施の形態においては、1枚BETスイッチ5と、ストップスイッチ8L、8C、8Rとが、前面扉1bを構成する操作パネル1cの前面、すなわち同一面上に設けられている。
【0046】
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
【0047】
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順、停止操作順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
【0048】
前面扉1bには、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、
図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
【0049】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(
図4参照)が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(
図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0050】
1枚BETスイッチ5の内部には、フリーズ状態において点灯により1枚BETスイッチ5の操作を促す演出用停止LED57aが設けられている。ストップスイッチ8Lの内部には、左停止有効LED22Lに加え、フリーズ状態において点灯によりストップスイッチ8Lの操作を促す演出用停止LED57bが設けられている。ストップスイッチ8Cの内部には、中停止有効LED22Cに加え、フリーズ状態において点灯によりストップスイッチ8Cの操作を促す演出用停止LED57cが設けられている。ストップスイッチ8Rの内部には、中停止有効LED22Rに加え、フリーズ状態において点灯によりストップスイッチ8Rの操作を促す演出用停止LED57dが設けられている。なお、フリーズとは、遊技の進行を所定の遅延期間にわたり遅延させるためにメイン制御部41が実行する制御のことである。
【0051】
前面扉1bの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(
図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(
図4参照)が設けられている。
【0052】
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果ともいう)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
【0053】
さらに、前面扉1bの内側には、AT(Assist Time)の終了時に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件にATに制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。ナビストックは、サブ制御部91によって行われるナビストック抽選で当選したときに付与される。
【0054】
本実施の形態におけるナビ演出には、判定用ナビ演出と通常のナビ演出とが含まれている。判定用ナビ演出とは、メイン制御部41がサブ制御部91における演出状態を特定するためのナビ演出である。本実施の形態においては、サブ制御部91による演出状態として、非AT状態と、準備状態と、AT状態とがある。非AT状態は、ナビストックを保有していない状態である。準備状態は、ナビストックを保有しているが、ATには未だ制御されていない状態である。準備状態は、ATが開始可能な状態とも言える。AT状態は、ナビストックを消費してATに制御されている状態である。サブ制御部91は、判定用ナビ演出を実行して遊技者に判定用手順で停止操作させることにより、メイン制御部41に対して間接的に、演出状態が準備状態であることを判定させる。このため、判定用ナビ演出は、準備状態でのみ実行される。通常のナビ演出とは、判定用ナビ演出のような判定用に用いられるものではなく、たとえば、より多くのメダルを払い出す役に入賞させるなど、主に遊技者を有利にさせるためのナビ演出である。このため、通常のナビ演出は、AT状態でのみ実行される。なお、本実施の形態においては、準備状態において押し順ベルに当選したときに限り、判定用ナビ演出でも遊技者を有利にさせることができる。
【0055】
筐体1a内部には、
図2に示すように、リールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(
図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(
図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(
図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。リールユニット2には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(
図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(
図4参照)が設けられている。
【0056】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(
図4参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
【0057】
電源ボックス100の前面には、
図4に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0058】
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筺体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
【0059】
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(
図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0060】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
【0061】
本実施の形態では、
図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
【0062】
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
【0063】
本実施の形態では、
図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
【0064】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0065】
全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9(
図2参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
【0066】
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
【0067】
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0068】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0069】
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0070】
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
【0071】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、
図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0072】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
【0073】
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0074】
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
【0075】
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
【0076】
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
【0077】
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0078】
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
【0079】
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
【0080】
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
【0081】
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
【0082】
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
【0083】
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
【0084】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(
図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
【0085】
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
【0086】
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
【0087】
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0088】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
【0089】
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
【0090】
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
【0091】
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0092】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0093】
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
【0094】
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
【0095】
メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
【0096】
サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
【0097】
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0098】
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0099】
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0100】
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時、設定キースイッチ37がon、リセット/設定スイッチ38がoffの状態での起動時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
【0101】
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がon、リセット/設定スイッチ38がoffの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
【0102】
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
【0103】
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技者によりメダルが用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定される再遊技役とがある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役ともいう。
【0104】
小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴うBB(ビッグボーナス)などの特別役を備える構成とした場合には、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
【0105】
CB中のゲームでは、内部抽選を行わず、各ゲームにおいて全ての小役の当選フラグが設定されて必ずいずれかの小役の入賞が許容される。なお、CB中のゲームでも内部抽選を行うが、内部抽選の結果にかかわらず、全ての小役の当選フラグを設定して、必ずいずれかの小役の入賞が許容されるようにしてもよい。
【0106】
内部抽選は、各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数とに応じて内部抽選が行われる。
【0107】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
【0108】
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
【0109】
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
【0110】
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0111】
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
【0112】
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止する。
【0113】
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
【0114】
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
【0115】
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
【0116】
特別役を備えた場合は次のようなリール制御を行う。たとえば、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
【0117】
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
【0118】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
【0119】
メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
【0120】
本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止するため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
【0121】
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
【0122】
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
【0123】
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
【0124】
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
【0125】
[コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
【0126】
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、判定用役当選コマンド、および所定制御コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0127】
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなる。サブ制御部91は、種類データに基づいてコマンドの種類を判別する。
【0128】
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0129】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0130】
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
【0131】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
【0132】
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
【0133】
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。入賞番号コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
【0134】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドである。払出開始コマンドは、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドである。払出終了コマンドは、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
【0135】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
【0136】
遊技状態コマンドは、現在の遊技状態(通常遊技状態、内部中、CB)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
【0137】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドである。待機コマンドは、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0138】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、CB終了後に打止状態に制御される場合に打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0139】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0140】
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了、設定変更後の設定値および設定変更後の遊技状態(通常遊技状態、内部中、CB)を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0141】
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドである。設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
【0142】
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドである。ドアコマンドは、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
【0143】
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドである。操作検出コマンドは、定期的に送信される。
【0144】
判定用役当選コマンドは、判定用役に当選したときに決定された判定用に用いるストップスイッチの押し順(判定用手順とも称する)を示すコマンドである。判定用役当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されて判定用役に当選したゲームが開始したときに、コマンドバッファに格納された後送信される。
【0145】
判定用役とは、メイン制御部41がサブ制御部91によって制御される演出状態を判定するために用いられる役である。本実施の形態においては、判定用役として、通常リプレイおよび押し順ベルが設定されている。
【0146】
メイン制御部41は、判定用役に当選したときに、判定用手順を特定するための停止順種別を決定する。メイン制御部41は、決定した停止順種別の情報を判定用役当選コマンドに付加してサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、準備状態において判定用役当選コマンドを受信したときには、受信した判定用役当選コマンドに付加された停止順種別から特定可能な判定用手順を判定用ナビ演出によって遊技者に報知する。一方、サブ制御部91は、準備状態ではないときにおいて判定用役当選コマンドを受信したときには、受信した判定用役当選コマンドに付加された停止順種別から特定可能な判定用手順以外の押し順を報知するか、あるいは、いずれの押し順も報知しない。メイン制御部41は、停止順種別から特定可能な押し順(判定用手順)と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、サブ制御部91によって制御されている演出状態が準備状態であることを特定可能である。このようにして、メイン制御部41は、サブ制御部91によって制御される演出状態が準備状態であるか否かを判定することができる。
【0147】
所定制御コマンドは、ATへの制御を示すAT信号を外部出力したこと、およびフリーズが実行されたことを示すコマンドであり、コマンドバッファに格納された後送信される。
【0148】
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、コマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
【0149】
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0150】
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できる。
【0151】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
【0152】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行される。
【0153】
サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行する。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行される。
【0154】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する。同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
【0155】
サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を一時的にRAM91cに記憶しておくとともに、一時記憶されているこれらの検出状態(on/off)に基づいて、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定する。これにより、サブ制御部91は、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できる。
【0156】
サブ制御部91は、準備状態において、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信したときに、判定用手順を報知する判定用ナビ演出を実行する。一方、サブ制御部91は、準備状態ではないときにおいて、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信したときに、判定用手順以外の押し順を報知するか、あるいは、いずれの押し順も報知しない。
【0157】
サブ制御部91は、所定制御コマンドを受信したときに、メイン制御部41によって所定制御(AT信号の出力、フリーズ)が行われたことを特定する。サブ制御部91は、ナビストックを保有した準備状態において、所定制御コマンドが出力されるまでは判定用ナビ演出を実行し、所定制御コマンドを出力した以降は判定用ナビ演出ではなく、通常のナビ演出を実行する。
【0158】
[リールモータ]
図6は、スロットマシン1が搭載するリールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。ロータ32aは、多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。
【0159】
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において各励磁相φ1〜φ4の励磁状態を更新する処理を行い、それに応じてモータ駆動回路45から位相信号が出力される。リールモータ32L、32C、32Rは、この位相信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ=約1.07(360/336)度)ずつロータ32aを回転させる。
【0160】
[加速時のリールモータの励磁状況]
図7は、加速時のリールモータ32L、32C、32Rの励磁状況を示すタイミングチャートである。
【0161】
1ステップは、一の励磁パターンが適用される単位であり、定速回転時においては、1ステップごとに所定の角度(約1.07(360/336)度)ずつロータ32aが回転する。ステッピングモータでは、336ステップの周期でリールが1周し、リールには21の図柄が配置されていることから、16ステップ毎に1図柄移動する。励磁パターンの更新は、タイマ割込処理(メイン)において行われる。カウント数は、次回励磁パターンの更新を行うまでのタイマ割込処理(メイン)の回数である。カウント数×0.56ms(タイマ割込処理(メイン)の間隔)が、ステップの励磁パターンが継続する励磁時間(ステップレート)である。ステップ数は、対応する励磁時間が連続して適用される回数を示す。図中のφ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を各々示す。
【0162】
メイン制御部41は、
図7に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から1−2相励磁方式で回転方向に励磁を開始する。詳しくは、最初のステップで(φ1、φ4)を励磁状態とし、1ステップごとに、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)…の順番で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新する。
【0163】
徐々に定速回転のステップレート(2.24ms)に近づくように、各ステップのステップレートを短縮していく。この際、一律にステップレートを短縮するのではなく、長いステップレートと短いステップレートとを織り交ぜて、徐々に短いステップレートを多くしていくことにより、リールをスムーズに加速させる。
【0164】
定速状態に移行後は、1−2相励磁方式の励磁パターンを2.24msのステップレートにて更新することによりリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。詳しくは、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ1、φ4)、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)、(φ1、φ4)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4の励磁パターンを更新して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
【0165】
[停止制御時のリールモータの励磁状況]
図8は、停止制御時のリールモータ32L、32C、32Rの励磁状況を示すタイミングチャートである。
【0166】
図8に示すように、リールの停止制御を行う場合には、停止操作などの停止条件の成立後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持する。ブレーキ開始位置に到達したときには、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これにより、ロータ32aに対して急制動がかけられ、オーバーシュート(脱調)して、停止位置でロータ32aが停止する。
【0167】
本実施の形態においては、停止制御において全相励磁を行った後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始する。
【0168】
このように、本実施の形態においては、位相信号の出力状態を変化させることで各励磁相φ1〜φ4の励磁状態が変化し、これによりリールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、リールを回転および停止させることができる。すなわち、位相信号の出力状態が変化することでリールが動作し、位相信号の出力状態を変化させないことによりリールが停止する。
【0169】
[入賞役]
図9〜
図13は、役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。
図14は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、
図15は、遊技状態の概要を示す図である。
【0170】
図9を参照して、入賞役のうち特別役について説明する。特別役にはCBが含まれる。
CBは、通常遊技状態または内部中において入賞ラインLNに「白7−白7−青7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がCBに移行する。CBは、全ての小役の入賞が許容される状態であり、CB中は、停止操作のタイミングにかかわらず、必ずいずれかの小役が入賞する。CBは、当該CB中において払い出されたメダルの総数が29枚を超えることで終了する。
【0171】
図10を参照して、入賞役のうち小役について説明する。小役には、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル2、1枚ベル3、1枚ベル4A、1枚ベル4B、1枚ベル5、1枚ベル6、1枚ベル7A、1枚ベル7B、1枚ベル8、1枚ベル9、1枚ベル10、1枚ベル11、中段ベル、右下がりベル、下段ベル、中段スイカ、および右下がりスイカが含まれる。
【0172】
なお、以下、特に区別する必要のない場合には、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル2、1枚ベル3、1枚ベル4A、1枚ベル4B、1枚ベル5、1枚ベル6、1枚ベル7A、1枚ベル7B、1枚ベル8、および1枚ベル9を単に1枚ベルとも称する。
【0173】
各々の小役については、対応する図柄組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に応じて所定枚数のメダルが払い出される。たとえば、1枚ベル1Aは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイ−チェリーa−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常遊技状態または内部中に1枚ベル1Aが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。CBにおいて1枚ベル1Aが入賞したときには2枚のメダルが払い出される。その他の小役についても、
図10に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に応じて所定枚数のメダルが払い出される。
【0174】
図11〜
図13を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、中段チャンスリプレイ、右上がりチャンスリプレイ、スイカハズレチャンスリプレイA、スイカハズレチャンスリプレイB、単チェリー、強チェリー1、強チェリー2、弱チェリー1、および弱チェリー2が含まれる。
【0175】
なお、以下、特に区別する必要のない場合には、中段チャンスリプレイ、右上がりチャンスリプレイ、スイカハズレチャンスリプレイA、およびスイカハズレチャンスリプレイBを単にチャンスリプレイとも称し、強チェリーAおよび強チェリーBを単に強チェリーとも称し、弱チェリーAおよび弱チェリーBを単に弱チェリーとも称する。
【0176】
各々の再遊技役については、対応する図柄組合せが揃ったときに入賞となり、メダルを消費することなく賭数が自動設定されて次のゲームが開始される(つまり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される)。たとえば、中段リプレイは、通常遊技状態または内部中において入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲームが付与される。その他の再遊技役についても、
図11〜
図13に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲームが付与される。
【0177】
[抽選対象役]
次に、
図16〜
図20を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施の形態では、遊技状態が通常遊技状態または内部中のみ内部抽選を行うようになっており、通常遊技状態および内部中のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。なお、抽選対象役として、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。
図19および
図20においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
【0178】
図16〜
図18においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないこと、すなわち抽選の対象外であることを示している。
【0179】
○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数(本実施の形態においては、設定値に関わらず共通)を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「19120」が設定されている抽選対象役の当選確率は、19120/65536となる。
【0180】
図16は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される特別役および小役の組合せを示し、
図17は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、
図18は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
【0181】
通常遊技状態であるときには、CB、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中左ベル7、中左ベル8、中左ベル9、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、中右ベル7、中右ベル8、中右ベル9、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右左ベル7、右左ベル8、右左ベル9、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、右中ベル7、右中ベル8、右中ベル9、共通ベルA、共通ベルB、確定ベル、弱スイカ、強スイカ、および通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
【0182】
内部中であるときには、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中左ベル7、中左ベル8、中左ベル9、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、中右ベル7、中右ベル8、中右ベル9、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右左ベル7、右左ベル8、右左ベル9、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、右中ベル7、右中ベル8、右中ベル9、共通ベルA、共通ベルB、確定ベル、弱スイカ、強スイカ、チャンスリプレイA、チャンスリプレイB、チャンスリプレイC、弱チェリーA、弱チェリーB、強チェリーA、強チェリーB、確定チェリー、および通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
【0183】
なお、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中左ベル7、中左ベル8、中左ベル9、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、中右ベル7、中右ベル8、中右ベル9、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右左ベル7、右左ベル8、右左ベル9、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、右中ベル7、右中ベル8、および右中ベル9を、総称して押し順ベルとも称する。さらに、中左ベル1〜9を単に中左ベルとも称し、中右ベル1〜9を単に中右ベルとも称し、右左ベル1〜9を単に右左ベルとも称し、右中ベル1〜9を単に右中ベルとも称する。いずれかの押し順ベルが当選したときには、全ての押し順のうちの当選役に対応する押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに遊技者にとって有利な表示結果が導出される。
【0184】
図19および
図20には、抽選対象役により入賞が許容される役の組合せが示されている。たとえば、中左ベル1とは、1枚ベル1A+1枚ベル1B+1枚ベル4A+1枚ベル4B+1枚ベル10+中段ベルの組合せであり、通常リプレイとは、中段リプレイ+右上がりリプレイの組合せである。その他の抽選対象役についても、
図19および
図20に示す組合せの入賞役が当選する。
【0185】
[押し順ベル当選時のリール制御]
本実施の形態においては、当選した押し順ベルの種類およびストップスイッチの押し順(リールの停止順ともいう)に応じて、予め定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。なお、押し順ベルに当選したゲームにおいて、当選した役に対応する停止順(正解手順とも称する)で操作されたときに導出される小役を「主役」といい、当選した役に対応する停止順以外の停止順(不正解手順とも称する)で操作されたときに導出され得る小役を「副役」とも称する。
図21および
図22は、押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。
【0186】
中左ベル1が当選している場合、中左右の停止順で停止操作されたときには、中段ベルの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中左右以外の停止順で停止操作されたときには、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル4A、1枚ベル4B、および1枚ベル10のいずれかの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。さらに、中左右以外の停止順で停止操作されたときに、いずれの役に対応する図柄組合せも入賞ラインLNに揃えて停止させることができなければ、ハズレの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。すなわち、中左ベル1が当選している場合、正解手順である中左右の停止順で停止操作されたときには、主役である中段ベルに必ず入賞して8枚のメダルを獲得できるのに対して、不正解手順で停止操作されたときには、副役である1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル4A、1枚ベル4B、および1枚ベル10のいずれかが入賞して1枚のメダルを獲得できるが、いずれの副役にも入賞させることができなければ、ハズレとなって1枚のメダルも獲得できない。
【0187】
その他の押し順ベルについても、正解手順で停止操作されたときには、主役が必ず入賞して8枚のメダルを獲得でき、不正解手順で停止操作されたときには、副役が入賞して1枚のメダルを獲得できるが、いずれの副役にも入賞させることができなければ、ハズレとなって1枚のメダルも獲得できない。
【0188】
本実施の形態における押し順ベルには、正解手順が左第1停止となる役が含まれていないことが特徴的である。このため、いずれの押し順ベルに当選した場合でも、左第1停止で停止操作する限りは、主役である中段ベルを入賞させることができず、副役である1枚ベルに入賞するか、あるいはハズレとなる。
【0189】
[再遊技役当選時のリール制御]
本実施の形態においては、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、同時当選した再遊技役の種類およびストップスイッチの押し順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に揃えて停止させる制御が行われる。
【0190】
通常リプレイが当選している場合、左第1停止されたときには、中段リプレイまたは右上がりリプレイの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左第1停止以外の停止順で停止操作されたときには、中段リプレイの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0191】
強チェリーAが当選している場合、左第1停止されたときには、強チェリー1、強チェリー2、弱チェリー1、および弱チェリー2のいずれかの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左第1停止以外の停止順で停止操作されたときには、中段リプレイの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0192】
強チェリーBが当選している場合、左第1停止されたときには、強チェリー1、強チェリー2、弱チェリー1、および弱チェリー2のいずれかの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左第1停止以外の停止順で停止操作されたときには、中段リプレイの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0193】
弱チェリーAが当選している場合、左第1停止されたときには、弱チェリー1または弱チェリー2の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左第1停止以外の停止順で停止操作されたときには、中段リプレイの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0194】
弱チェリーBが当選している場合、左第1停止されたときには、弱チェリー1または弱チェリー2の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左第1停止以外の停止順で停止操作されたときには、中段リプレイの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0195】
[推奨操作態様]
本実施の形態においては、遊技者に対して推奨する推奨操作態様が設けられている。推奨操作態様には、推奨停止順と、推奨停止タイミングとが含まれる。
【0196】
推奨停止順とは、3つのリール2L、2C、2Rを停止させる順番のことである。すなわち、推奨停止順とは、遊技者に対して推奨するストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順のことを言う。
【0197】
ATに制御されていないときの推奨停止順としては、左第1停止が設定されている。ATに制御されていないゲームにおいて、左第1停止以外の中第1停止や右第1停止で停止操作した場合、遊技者が不利となるペナルティ期間に制御される。ペナルティ期間は、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)にわたる期間であり、抽選対象役が当選してもナビストック抽選が行われない。ペナルティ期間に制御されてナビストック抽選が行われないと、遊技において遊技者が獲得できるメダルの期待値が低くなる。期待値とは、1ゲームだけの期待値ではなく、当該1ゲームによりその後に得られるATへの権利(ナビストック)の付与についても考慮した遊技を継続して行うことを前提とした期待値を示す。
【0198】
このように、本実施の形態においては、ATに制御されていないゲームにおいて、左第1停止以外の手順で停止操作した場合、ペナルティ期間に制御されて遊技者にとって不利益となることから、左第1停止を遊技者に対して促すことができる。
【0199】
本実施の形態における押し順ベルには、正解手順が左第1停止となる役が含まれていない。よって、いずれの押し順ベルに当選した場合でも、AT中のナビ演出によって正解手順が報知されない限りは、遊技者は推奨手順である左第1停止で停止操作することになる。その結果、主役である中段ベルは入賞しない。このため、非AT中においては、メダルの払出率が高く維持(ベースが上がるともいう)されて遊技者が有利になりすぎることがない。
【0200】
さらに、強チェリー、弱チェリーが当選している場合、左第1停止とし、かつ左リールの「チェリー」が中段および下段の双方に停止可能なタイミングで停止操作されたときに、左リールの下段に「チェリー」を停止させる制御が行われる。また、弱チェリーおよび強チェリーのいずれが当選している場合でも、中第1停止や右第1停止で停止操作されたときには、中段リプレイの図柄組合せを入賞ラインLNに停止させる制御が行われる。このため、推奨手順である左第1停止で停止操作する限り、強チェリーまたは弱チェリーの当選を遊技者に認識させることができる。
【0201】
推奨停止タイミングとは、左第1停止したときのリール2Lの停止タイミングのことである。すなわち、推奨停止タイミングとは、左第1停止したときの遊技者に対して推奨するストップスイッチ8Lの押すタイミングのことを言う。
【0202】
本実施の形態においては、推奨停止順である左第1停止で停止操作する際、17〜20番のタイミング(17〜20番の図柄が下段に位置するタイミング)で左リールを停止操作したときに、中リールおよび右リールの停止操作を適切なタイミング(強スイカや弱スイカの当選により許容される中段スイカや右下がりスイカの構成図柄を引込可能なタイミング)で行う必要のある状況であるか否かを識別できる。
【0203】
このように、左第1停止で停止操作した場合に、17〜20番のタイミングで左リールを停止操作をすることで、中リールおよび右リールの停止操作を適切なタイミングで行う必要のある状況であるか否かを識別できる。一方、左第1停止で停止操作した場合に、17〜20番のタイミング以外のタイミングで左リールを停止操作したときには、強スイカや弱スイカの当選時だけでなく、内部中において相対的に当選確率の高い通常リプレイの当選時にも、中リールおよび右リールの停止操作を適切なタイミングで行う必要があり、遊技の効率が悪くなる。このため、推奨停止順である左第1停止で停止操作したときには、17〜20番のタイミングで左リールの停止操作を行った方が、他のタイミングで左リールの停止操作を行ったときよりも効率良く遊技を行える。このことから、左リールの停止操作のタイミングのうち17〜20番のタイミングを遊技者に対して推奨する推奨停止タイミングとしている。
【0204】
[遊技状態の遷移]
本実施の形態においては、
図14および
図15に示すように、通常遊技状態、内部中、およびCBのいずれかに制御される。
【0205】
通常遊技状態は、CBの当選フラグが持ち越されていない状態であり、CBの終了後のゲームから移行する。通常遊技状態は、通常遊技状態に移行してからのゲーム数にかかわらず、CBが当選することにより内部中に移行することで終了する。
【0206】
通常遊技状態における規定数の賭数は3であり、再遊技役の当選確率は、約1/7.3であり、ATに制御されるか否かにかかわらず1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。再遊技役としては、通常リプレイのみが内部抽選の対象とされている。
【0207】
内部中は、CBの当選フラグが持ち越されている状態であり、通常遊技状態においてCBが当選したゲームの次のゲームから移行する。内部中は、CBの入賞に伴いCBに移行することで終了する。
【0208】
内部中における規定数の賭数は3であり、再遊技役の当選確率は、約1/2.0であり、ATに制御されていない場合には、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となるが、ATに制御されている場合には、1ゲームあたりのメダルの払出率は1を超える。再遊技役としては、全ての再遊技役が内部抽選の対象とされている。
【0209】
CBは、いずれのゲームにおいても全ての小役の入賞が許容される遊技状態であり、通常遊技状態または内部中においてCBが入賞したときに次ゲームから移行する。CBは、CB中に払い出されたメダルの総数が29枚を超えることで終了し、次ゲームから通常遊技状態に移行する。CB中は、必ずいずれかの小役が入賞し、2枚のメダルが払い出されることから、CBの開始後、15ゲームで終了する。なお、CBでは、内部抽選を行わず、いずれのゲームにおいても全ての小役の入賞が許容される構成であるが、内部抽選を行った上で、内部抽選の結果にかかわらず、いずれのゲームにおいても全ての小役の入賞が許容されるものであってもよい。
【0210】
CBにおける規定数の賭数は2であり、必ず小役が入賞して2枚のメダルが払い出されることから、1ゲームあたりのメダルの払出率は1となる。なお、CB中は内部抽選を行わず、再遊技役が入賞することはない。
【0211】
本実施の形態においては、通常遊技状態において約1/3.4の確率でCBが当選し、内部中に移行するとともに、内部中、すなわちCBの当選フラグが持ち越されている状態において、ATに制御されていない場合には1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となる一方、ATに制御されている場合には1ゲームあたりのメダルの払出率が1を超える。
【0212】
特別役と小役が同時に当選している場合には、小役を優先して揃える制御が行われる。さらに、内部中において内部抽選の対象となる全ての小役においてCBの構成図柄の引込範囲と小役の構成図柄の引込範囲とが重複しており、押し順ベル、強スイカ、弱スイカ、共通ベル、および確定ベルのいずれが当選した場合でも、これらの抽選結果により許容される小役の構成図柄が入賞ラインLNに停止する。すなわち内部中においていずれかの小役が当選している場合には、CBに入賞することがない。
【0213】
特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、再遊技役を必ず揃える制御が行われる。内部中においていずれかの再遊技役が当選している場合にはCBに入賞することがない。
【0214】
内部中では、内部抽選の結果が1/65536のハズレとなる場合を除いて必ずいずれかの小役またはいずれかの再遊技役が当選する。このため、一度内部中に移行すると、内部抽選の結果が1/65536のハズレとなる場合を除いてCBが入賞しない。よって、内部中に移行した後は、ほぼ内部中が維持される。
【0215】
仮に、CBが入賞しても15ゲームで終了し、その後、通常遊技状態に移行しても再び約1/3.4の確率でCBが当選し、内部中に移行する。設定変更がされた場合も、遊技状態、内部当選フラグは設定変更前の状態が維持される。
【0216】
すなわち、本実施の形態のスロットマシン1では、遊技の大半において内部中に制御されるため、内部中に制御されていることを前提として、設定1〜6に応じたメダルの払出率がそれぞれの設定値に応じて定められた値となる。具体的には、ナビストック抽選の当選確率などを設定することにより、内部中においてATに制御するか否かを制御して、設定1〜6に応じたメダルの払出率が設定される。
【0217】
内部中に制御されていることを前提として設定1〜6に応じたメダルの払出率が設定されることから、内部中以外の遊技状態に制御された場合には、メダルの払出率が設計通りの払出率と乖離してしまう可能性がある。このため、極力内部中に制御されることが好ましい。
【0218】
よって、本実施の形態においては、通常遊技状態において内部中に移行しやすいように、また、内部中においてCBが入賞しにくいように、遊技者に対して推奨する推奨操作態様と、CBを入賞させる操作態様とが異なる。すなわち、遊技者が推奨操作態様で停止操作を行っている限りは、CBが入賞しない。
【0219】
遊技者が推奨操作態様、すなわち左第1停止、かつ17〜20番のタイミングで左リールを停止操作している限りは、CBを構成する左リールの「白7」が入賞ラインLNに引き込まれることはなく、通常遊技状態においてCBが当選した場合にも、内部中におけるハズレの場合にもCBが入賞しない。
【0220】
サブ制御部91は、非AT中のナビストック抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cのナビストック数格納領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。1以上のナビストック数を保有している場合には、所定の導入演出(たとえば、キャラクタによるバトル演出)を経てナビストック抽選での当選を示すAT確定報知(たとえば、液晶表示器51の画面上に「AT確定!!」の文字画像を表示)が行われた後に準備状態に制御する。
【0221】
サブ制御部91は、準備状態においてメイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信したときに、判定用ナビ演出を実行する。メイン制御部41は、決定した停止順種別に基づく判定用手順と、判定用ナビ演出によって促されて停止操作した遊技者によるストップスイッチの押し順とが一致したか否かに基づき、サブ制御部91によって制御されている演出状態が準備状態であるか否かを特定する。メイン制御部41は、準備状態であることを特定したときに、所定制御として、次のゲームの開始時にAT信号を外部出力するとともにフリーズを実行する。つまり、所定制御とは、メイン制御部41がサブ制御部91によって制御される演出状態を特定し、特定した演出状態に応じて行う制御のことである。
【0222】
フリーズが実行されたときには、リールの停止操作が有効化されるタイミングが遅延される。つまり、フリーズが実行されたときには、1ゲームにおける入賞判定に用いられる表示結果を導出させるための停止操作の有効化が遅延する。この遅延期間においては、通常の遊技とは異なる擬似遊技が行われ、遊技者に対して7揃い出目を導出させる演出(たとえば、液晶表示器51の画面上に「7を揃えろ!!」の文字画像を表示)がサブ制御部91により実行される。7揃い出目が導出された後には、ナビストックが1減算され、ATが開始する。
【0223】
サブ制御部91は、ナビストックを1消費したときに、ナビストックに基づき実行されるATの残りゲーム数(たとえば、50ゲーム)をRAM91cに格納する。サブ制御部91は、1ゲーム消化するごとにRAM91cの残りゲーム数を1ずつ減算し、残りゲーム数が0となるまでの期間においてATに制御する。ゲーム数が残っているときに、ナビの対象役である押し順ベルが当選した場合には、ナビ演出を実行する。その後、AT残りゲーム数が0となり、ナビストックが残っていない場合にはATを終了する。
【0224】
その後、ナビストックが残っている場合には、ナビストック数を1消費(減算)して、新たに所定ゲーム数を設定し、その後ATの残りゲーム数が0となるまでの期間においてATに制御する。このように、ナビストック数が0になるまで、ATに継続して制御される。なお、サブ制御部91は、AT中のナビストック抽選で当選したときには、決定したナビストック数をRAM91cの残りナビストック数に加算する。
【0225】
サブ制御部91は、ATに制御している場合には、ナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。本実施の形態におけるナビ対象役は押し順ベルである。
【0226】
いずれかの押し順ベルに当選したときのナビ演出は、中段ベルを入賞させるための押し順(
図21、
図22参照)が報知される。たとえば、中左ベル1〜9のいずれかに当選したときには、中左右の押し順で停止操作することにより中段ベルを入賞させることができるため、「213」といった各リールに対応する停止順が液晶表示器51に表示される。中右ベル1〜9のいずれかに当選したときには、中右左の押し順で停止操作することにより中段ベルを入賞させることができるため、「312」といった各リールに対応する停止順が液晶表示器51に表示される。右左ベル1〜9のいずれかに当選したときには、右左中の押し順で停止操作することにより中段ベルを入賞させることができるため、「231」といった各リールに対応する停止順が液晶表示器51に表示される。右中ベル1〜9のいずれかに当選したときには、右中左の押し順で停止操作することにより中段ベルを入賞させることができるため、「321」といった各リールに対応する停止順が液晶表示器51に表示される。
【0227】
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
【0228】
ナビ演出が実行されることにより、遊技者は、意図的に8枚の払い出しを伴う主役である中段ベルを入賞させることができる。
【0229】
次に、本実施の形態のメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[ゲーム処理]
図23は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。メイン制御部41は、ゲーム処理において、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、判定用役当選コマンド生成、格納処理(S3)、リール回転処理(S4)、AT開始判定処理(S5)、入賞判定処理(S6)、払出処理(S7)、AT終了判定処理(S8)、およびゲーム終了時処理(S9)を順に実行し、その後、再びBET処理に戻る。
【0230】
S1におけるBET処理において、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されてスタートスイッチ7が操作された時点で、ゲームを開始させる。メイン制御部41は、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
【0231】
S2における内部抽選処理において、メイン制御部41は、S1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて各役への入賞を許容するか否かを決定する。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
【0232】
S3における判定用役当選コマンド生成、格納処理において、メイン制御部41は、
図24で示すように、判定用役に当選したときに判定用手順を特定するための停止順種別を決定し、決定した停止順種別の情報を付加した判定用役当選コマンドを生成するとともに、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する。
【0233】
S4におけるリール回転処理において、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
【0234】
S5におけるAT開始判定処理において、メイン制御部41は、
図27で示すように、サブ制御部91によって制御されている演出状態がATが開始可能な状態(準備状態)であるか否かを判定し、準備状態であることを特定したときに、所定制御を実行するとともに、AT中である旨を示すAT中フラグをRAM41cの所定領域にセットする。
【0235】
S6における入賞判定処理において、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
【0236】
S7における払出処理において、メイン制御部41は、S6で入賞の発生が判定された場合に、その入賞が小役の場合には当該小役の種類に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払い出しなどの処理行い、リプレイの場合にはリプレイの種類を特定可能なリプレイゲームフラグをRAM41cに設定してリプレイゲームを付与可能にする処理などを行う。さらに、払出処理において、メイン制御部41は、クレジットの加算ならびにメダルの払い出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
【0237】
S8におけるAT終了判定処理において、メイン制御部41は、
図28で示すように、サブ制御部91が制御するATが終了したか否かを判定し、終了している場合にはAT中である旨を示すAT中フラグをリセットする。
【0238】
S9におけるゲーム終了時処理において、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。ゲーム終了時処理において、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信されるようになっている。
【0239】
[判定用役当選コマンド生成、格納処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS3のステップで実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理について説明する。
図24は、メイン制御部41がゲーム処理中に実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0240】
図24に示すように、メイン制御部41は、通常リプレイまたは押し順ベルに当選したか否かを判定することにより、判定用役に当選したか否かを判定する(S11)。メイン制御部41は、通常リプレイおよび押し順ベルのいずれにも当選していない場合には(S11でN)、判定用役当選コマンド生成、格納処理を終了する。一方、メイン制御部41は、通常リプレイまたは押し順ベルに当選した場合には(S11でY)、
図25または
図26の停止順種別テーブルに基づき、当選した役に対する判定用手順を特定するための停止順種別を決定する(S12)。
【0241】
次に、メイン制御部41は、判定用役に当選したことを示す判定用役当選フラグをRAM41cの所定領域にセットする(S13)。その後、メイン制御部41は、決定した停止順種別の情報を付加した判定用役当選コマンドを生成し、生成した判定用役当選コマンドをコマンドバッファに格納する(S14)。その後、メイン制御部41は、判定用役当選コマンド生成、格納処理を終了する。
【0242】
[停止順種別テーブル]
ここで、
図25および
図26を参照しながら、
図24のS12の処理において用いられる停止順種別テーブルについて説明する。
【0243】
図25は、メイン制御部が管理する通常リプレイ当選時の停止順種別テーブルを説明するための図である。通常リプレイ当選時の停止順種別テーブルにおいては、判定用役である通常リプレイに対して、停止順種別0〜3の4種類の停止順種別が対応付けられている。停止順種別0〜3のそれぞれにおいては、サブ制御部91が判定用ナビ演出によって遊技者に対して報知するストップスイッチの押し順、停止順種別の決定確率、遊技者による実際の押し順、およびメイン制御部41が判定するサブ制御部91の演出状態(準備状態であるか否か)が対応付けられている。
【0244】
たとえば、停止順種別0は、判定用手順として中左右の押し順が対応づけられ、停止順種別0に決定される決定確率は25%である。停止順種別1は、判定用手順として中右左の押し順が対応づけられ、停止順種別1に決定される決定確率は25%である。停止順種別2は、判定用手順として右左中の押し順が対応付けられ、停止順種別2に決定される決定確率は25%である。停止順種別3は、判定用手順として右中左の押し順が対応づけられ、停止順種別3に決定される決定確率は25%である。
【0245】
メイン制御部41は、通常リプレイに当選したときに、S12で決定する停止順種別から特定される判定用手順に応じて、サブ制御部91の演出状態(準備状態であるか否か)を以下のように判定する。
【0246】
たとえば、メイン制御部41は、通常リプレイの当選時に停止順種別0に決定したときに、停止順種別0の情報を付加した判定用役当選コマンドをサブ制御部91に送信する。
【0247】
サブ制御部91は、準備状態において判定用役当選コマンドを受信したときには、受信した判定用役当選コマンドに付加された停止順種別0の情報から特定される判定用手順である中左右の押し順を判定用ナビ演出によって報知する。これにより、遊技者は、判定用ナビ演出によって中左右の押し順が報知されると中左押しでストップスイッチを操作することになる。一方、サブ制御部91は、準備状態でないときにおいて判定用役当選コマンドを受信したときには、中左右以外の押し順を報知するか、あるいは、いずれの押し順も報知しない。たとえば、サブ制御部91は、準備状態ではなくすでにATが開始していれば、中左右以外の押し順を通常のナビ演出により報知し、未だナビストックを保有していなければ、いずれの押し順も報知しない。これにより、遊技者は、ナビ演出によって中左右以外の押し順が報知されると報知された押し順でストップスイッチを操作し、いずれの押し順も報知されなければ、推奨手順である左第1停止でストップスイッチを操作することになる。
【0248】
メイン制御部41は、AT中フラグがセットされていない場合において、実際の押し順が停止順種別0に対応付けられた判定用手順である中左押しであるときには、サブ制御部91の演出状態が準備状態であると判定し、実際の押し順が中左押し以外の押し順であるときには、準備状態でないと判定する。
【0249】
その他の停止順種別に決定されたときも同様に、メイン制御部41は、決定した停止順種別から特定される判定用手順と、実際に遊技者によって操作されたストップスイッチの押し順とに基づき、サブ制御部91の演出状態が準備状態であるか否かを判定する。
【0250】
図26は、メイン制御部が管理する押し順ベル当選時の停止順種別テーブルを説明するための図である。押し順ベル当選時の停止順種別テーブルにおいては、判定用役である押し順ベルのそれぞれに対して、停止順種別5〜8の4種類の停止順種別が対応付けられている。停止順種別5〜8のそれぞれにおいては、サブ制御部91が判定用ナビ演出によって遊技者に対して報知するストップスイッチの押し順、遊技者による実際の押し順、およびメイン制御部41が判定するサブ制御部91の演出状態(準備状態であるか否か)が対応付けられている。
【0251】
たとえば、中左ベル1〜9に当選したときには、判定用手順として中左右の押し順が対応づけられた停止順種別5に決定される。中右ベル1〜9に当選したときには、判定用手順として中右左の押し順が対応づけられた停止順種別6に決定される。右左ベル1〜9に当選したときには、判定用手順として右左中の押し順が対応づけられた停止順種別7に決定される。右中ベル1〜9に当選したときには、判定用手順として右中左の押し順が対応づけられた停止順種別8に決定される。
【0252】
メイン制御部41は、いずれかの押し順ベルに当選したときに、S12で決定する停止順種別から特定される判定用手順に応じて、サブ制御部91の演出状態(準備状態であるか否か)を以下のように判定する。
【0253】
たとえば、メイン制御部41は、中左ベル1〜9に当選したときには、停止順種別5に決定し、停止順種別5の情報を付加した判定用役当選コマンドをサブ制御部91に送信する。
【0254】
サブ制御部91は、準備状態において判定用役当選コマンドを受信したときには、受信した判定用役当選コマンドに付加された停止順種別5の情報から特定される判定用手順である中左右の押し順を判定用ナビ演出によって報知する。これにより、遊技者は、判定用ナビ演出によって中左右の押し順が報知されると中左押しでストップスイッチを操作することになる。さらに、サブ制御部91は、AT中に判定用役当選コマンドを受信したときには、正解手順である中左右の押し順を通常のナビ演出によって報知する。一方、サブ制御部91は、準備状態およびAT中のいずれでもないときに判定用役当選コマンドを受信したときには、いずれの押し順も報知しない。これにより、遊技者は、推奨手順である左第1停止でストップスイッチを操作することになる。
【0255】
メイン制御部41は、AT中フラグがセットされていない場合において、実際の押し順が停止順種別5に対応付けられた判定用手順である中左押しであるときには、サブ制御部91の演出状態が準備状態であると判定し、実際の押し順が中左押し以外の押し順であるときには、準備状態でないと判定する。
【0256】
その他の停止順種別に決定されたときも同様に、メイン制御部41は、決定した停止順種別から特定される判定用手順と、実際に遊技者によって操作されたストップスイッチの押し順とに基づき、サブ制御部91の演出状態が準備状態であるか否かを判定する。
【0257】
ここで、本実施の形態においては、通常リプレイおよび押し順ベルのいずれに当選したときでも、停止順種別には、推奨手順である左第1停止は対応付けられていない。これにより、遊技者が推奨手順である左第1停止でストップスイッチを操作する限り、メイン制御部41がサブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定することはない。
【0258】
さらに、押し順ベルに対応付けられた判定用手順は、主役である中段ベルを入賞させるための正解手順と同じである。このため、押し順ベルに当選したときには、通常リプレイに当選したときのように、1つの役に対して複数種類の判定用手順を予め設けるとともに、当選するごとに逐一、判定用手順を決定する必要がない。このように、押し順ベルに当選したときには、役に対して予め定められている正解手順を、判定用手順に活用して、メイン制御部41がサブ制御部91によって制御されている演出状態を特定することができる。
【0259】
[AT開始判定処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS5のステップで実行するAT開始判定処理について説明する。
図27は、メイン制御部が実行するAT開始判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0260】
メイン制御部41は、AT中フラグがセットされているか否かを判定する(S21)。メイン制御部41は、AT中フラグがセットされている、つまり、すでに準備状態であることを特定している場合には(S21でY)、AT開始判定処理を終了する。一方、メイン制御部41は、AT中フラグがセットされていないと判定したときには(S21でN)、
図24のS13で判定用役当選フラグがセットしたか否かを判定する(S22)。すなわち、判定用役に当選したか否かを判定する。メイン制御部41は、判定用役当選フラグがセットされていない場合には(S22でN)、AT開始判定処理を終了する。
【0261】
メイン制御部41は、判定用役当選フラグがセットされている場合には(S22でY)、ストップスイッチの実際の押し順と
図24のS12で決定した停止順種別から特定される判定用手順とを比較する(S23)。メイン制御部41は、押し順が一致した場合には(S24でY)、判定用手順と実際の押し順とが一致した回数をカウントする開始判定カウンタのカウント値に「1」加算する(S25)。
【0262】
次に、メイン制御部41は、開始判定カウンタのカウント値が「3」になったか否かを判定する(S26)。すなわち、メイン制御部41は、判定用手順と実際の押し順が一致した回数が連続して3回になったか否かを判定する。メイン制御部41は、カウント値が「3」でなければ(S26でN)、AT開始判定処理を終了する。
【0263】
一方、メイン制御部41は、カウント値が「3」であれば(S26でY)、サブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定したため、所定制御フラグをセットする(S27)。これにより、メイン制御部41による所定制御として、次のゲームからAT信号が外部出力されるため、外部機器においてAT中であることが特定可能となり、ATに関する情報が報知される。本実施の形態においては、メイン制御部41からAT信号を受信したデータカウンタ200によって、AT中であることを報知する「AT中」という文字画像が表示部に表示される。さらに、メイン制御部41による所定制御として、次のゲームからフリーズが実行される。
【0264】
その後、メイン制御部41は、AT中である旨を示すAT中フラグをRAM41cの所定領域にセットし(S28)、開始判定カウンタのカウント値をクリアする(S29)とともに、判定用役当選フラグをクリアして(S30)、AT開始判定処理を終了する。
【0265】
一方、メイン制御部41は、S24でストップスイッチの実際の押し順と判定用手順とを比較した結果、一致しなかった場合には(S24でN)、開始判定カウンタのカウント値をクリアする(S29)とともに、判定用役当選フラグをクリアして(S30)、AT開始判定処理を終了する。このように、押し順が一致しなかったときには開始判定カウンタのカウント値がクリアされるため、開始判定カウンタは連続して押し順が一致した場合にのみ、その回数をカウントすることになる。
【0266】
[AT終了判定処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS8のステップで実行するAT終了判定処理について説明する。
図28は、メイン制御部が実行するAT終了判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0267】
メイン制御部41は、
図27のS28でAT中フラグがセットされたか否かを判定する(S41)。すなわち、すでに準備状態であることを特定して所定制御が実行されたか否かを判定する。メイン制御部41は、AT中フラグがセットされていないと判定したときには(S41でN)、AT終了判定処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、すでに準備状態であることを特定しているため、AT終了判定処理を終了する。
【0268】
メイン制御部41は、AT中フラグがセットされていると判定したときには(S41でY)、終了したゲームが、押し順ベルに当選したゲームであるか否かを判定する(S42)。メイン制御部41は、押し順ベルに当選したゲームでないと判定したときには(S42でN)、AT終了判定処理を終了する。
【0269】
一方、メイン制御部41は、押し順ベルに当選したゲームであると判定したときには(S42でY)、主役である中段ベルが入賞したか否かを判定する(S43)。メイン制御部41は、中段ベルに入賞したと判定したときには(S43でY)、AT終了判定処理を終了する。
【0270】
一方、メイン制御部41は、中段ベルに入賞していないと判定したときには(S43でN)、ATが終了したことを特定してAT中フラグをリセットする(S44)。つまり、メイン制御部41は、すでにATが終了してナビ演出が実行されなかったことにより、押し順ベルに当選しても主役である中段ベルに入賞できなかったと判断して、AT中フラグをリセットする。これにより、AT中であることを示すAT信号の外部出力も解除されるため、外部機器においてATが終了した旨が特定可能となる。本実施の形態においては、データカウンタ200によって、表示部に表示されていたAT中であることを報知する「AT中」という文字画像が消去される。その後、メイン制御部41は、AT終了判定処理を終了する。
【0271】
次に、本実施の形態のサブ制御部91が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[タイマ割込処理(サブ)]
タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する。次に、サブ制御部91は、停電判定処理を行う。停電判定処理では、サブ制御部91は、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
【0272】
停電判定処理の後、サブ制御部91は、電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算したりするなどの処理を実行する。
【0273】
サブ制御部91は、電断フラグが設定されていない場合には、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、サブ制御部91は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
【0274】
[ナビストック抽選]
次に、ナビストック抽選について説明する。
図29は、サブ制御部が管理するナビストック抽選テーブルについて説明するための図である。
【0275】
本実施の形態においてサブ制御部91は、内部中においてAT抽選役(本実施の形態では、弱スイカ、弱チェリーA、B、チャンスリプレイA、B、C、強チェリーA、B、強スイカ、確定ベル、および確定チェリー)に当選したときにATに制御するか否かを決定するナビストック抽選を実行する。さらに、サブ制御部91は、非AT中のゲームが連続して1000ゲームとなったときにナビストック抽選を実行する。ナビストック抽選では、ナビストック数を付与するか否かおよび付与する場合にはその個数が決定される。
【0276】
本実施の形態では、成立した抽選条件の各々に対応して、ナビストック抽選の当選確率と付与ナビストック数の振分率が設定されている。
【0277】
たとえば、
図29に示すように、弱スイカが当選する第1抽選条件が成立した場合におけるナビストック付与の当選確率は5%に設定されており、付与されるナビストック数が1個となる当選確率は80%、2個となる当選確率は20%に設定されている。さらに、第1抽選条件が成立した場合における付与ナビストック数の期待値は、1.2である。
【0278】
ナビストック抽選テーブルにおいては、その他の条件である、弱チェリーA、Bが当選する第2抽選条件、チャンスリプレイA、B、Cが当選する第3抽選条件、強チェリーA、Bが当選する第4抽選条件、強スイカが当選する第5抽選条件、確定ベルが当選する第6抽選条件、確定チェリーが当選する第7抽選条件、および非AT中に1000ゲーム消化したときの第8抽選条件の各々に対しても、ナビストック抽選の当選確率と付与ナビストック数の振分率が設定されている。
【0279】
このように、本実施の形態においては、成立した抽選条件に応じて、ナビストック付与の当選確率が異なるとともに、付与ナビストック数の期待値が異なる。
【0280】
[擬似遊技]
次に、
図30を参照しながら、本実施の形態において実行されるフリーズ中の擬似遊技について説明する。
【0281】
サブ制御部91は、ナビストック抽選によって当選してナビストックを付与したときには、次のゲームから所定ゲーム数(たとえば、3ゲーム)にわたり導入演出を実行する。導入演出では、液晶表示器51の画面上にキャラクタによるバトル演出の画像が表示される。その後、サブ制御部91は、AT確定報知を行う。AT確定報知では、液晶表示器51の画面上に「AT確定!!」の文字画像が表示される。これにより、遊技者に対してナビストックが付与されたことが報知される。次に、サブ制御部91は、準備状態に制御する。
【0282】
一方、メイン制御部41は、
図27に示すAT開始判定処理により、サブ制御部91の演出状態が準備状態であるか否かを判定する。メイン制御部41は、サブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定したときには、所定制御としてフリーズを実行する。
【0283】
フリーズが実行されたゲームにおいては、擬似遊技が行われる。メイン制御部41は、フリーズを実行する際、擬似遊技において仮導出される表示結果(入賞判定に用いない表示結果)として、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せ(つまり、赤7揃い出目)を入賞ラインLN上に導出させるか、「青7−青7−青7」の図柄組合せ(つまり、青7揃い出目)を入賞ラインLN上に導出させるか、あるいは、「白7−白7−白7」の図柄組合せ(つまり、青7揃い出目)を入賞ラインLN上に導出させるかを抽選によって決定する。なお、
図30はフリーズにおいて赤7揃い出目に決定された場合の擬似遊技を示している。
【0284】
図30(a)に示すように、フリーズが実行されたゲームにおいては、遊技開始のためのスタートスイッチ7が操作されたときに、リールの回転と同時に遊技者に対して7揃い出目を導出させる演出(液晶表示器51の画面上に「7を揃えろ!!」の文字画像を表示)が実行される。これにより、遊技者に対して入賞ラインLN上に赤7、青7、および白7のいずれかを揃えるように促すことができる。
【0285】
さらに、メイン制御部41は、リールが定速回転となった後、1枚BETスイッチ5、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与しない操作として受付可能とする。この際、サブ制御部91は、1枚BETスイッチ5に内蔵された演出用停止LED57aと、ストップスイッチ8L、8C、8R各々に内蔵された演出用停止LED57b〜57dとを点灯させる。これにより、1枚BETスイッチ5やストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作が遊技者に促される。
【0286】
フリーズ中における演出用停止LED57aの点灯態様と、非フリーズ中におけるBETスイッチ有効LED21の点灯態様とは、異なる点灯態様(たとえば、輝度、色、一方が点灯に対して他方が点滅など)である。このため、遊技者は、演出用停止LED57aが点灯しても、1枚BETスイッチ5の操作がゲームの進行に関与する操作として受付可能となった場合と区別できる。フリーズ中における演出用停止LED57b〜57dの点灯態様と、非フリーズ中における停止有効LED22L〜22Rの点灯態様とは、異なる点灯態様(たとえば、輝度、色、一方が点灯に対して他方が点滅など)である。このため、遊技者は、演出用停止LED57b〜57dが点灯しても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与する操作として受付可能となった場合と区別できる。なお、フリーズ中に点灯させる演出用停止LED57a〜57dを設けることなく、フリーズ中においても、非フリーズ中において点灯させるBETスイッチ有効LED21や停止有効LED22L〜22Rを非フリーズ中と異なる点灯態様で点灯させるものであってもよい。
【0287】
メイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちのいずれかが操作されたときには、当該スイッチに対応するリールを停止させる。この際、完全にリールが停止することなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上下に振動させる制御が一定時間にわたり行われる。さらに、第3停止に対応する図柄が導出されるときには、目標の停止位置よりも0.5コマ(半図柄分)ずれて図柄が停止する。
【0288】
たとえば、
図30(b)に示すように、第1停止としてストップスイッチ8Lが操作されたときには、リール2Lにおける入賞ラインLN上に赤7の図柄が導出するとともに、リールが上下に振動する。第1停止操作が行われたときには、当該操作に応じて、ストップスイッチ8Lへの操作が無効化されるとともに、ストップスイッチ8Lに対応する演出用停止LED57bが消灯する。
【0289】
図30(c)に示すように、第2停止としてストップスイッチ8Cが操作されたときには、リール2Cにおける入賞ラインLN上に赤7の図柄が導出するとともに、リールが上下に振動する。第2停止操作が行われたときには、当該操作に応じて、ストップスイッチ8cへの操作が無効化されるとともに、ストップスイッチ8Cに対応する演出用停止LED57cが消灯する。
【0290】
図30(d)に示すように、第3停止としてストップスイッチ8Rが操作されたときには、リール2Rにおける入賞ラインLNよりも下方に赤7の図柄が導出するとともに、リールが上下に振動する。さらに、第3停止されたときには、第1停止や第2停止時に導出される入賞ラインLN上の位置から0.5コマ(半図柄分)下方にずれた位置に赤7の図柄が導出する。第3停止操作が行われたときには、当該操作に応じて、ストップスイッチ8Rへの操作が無効化されるとともに、ストップスイッチ8Rに対応する演出用停止LED57dが消灯する。
【0291】
一方、メイン制御部41は、いずれのストップスイッチも操作されていない状態(第1停止前)において、1枚BETスイッチ5が操作されたときには、リール2L、2C、2Rを所定順に完全停止させる制御を行う。
【0292】
たとえば、
図30(e)に示すように、1枚BETスイッチ5が操作されたときには、1回の操作に基づき、リール2Lおよびリール2Cにおける入賞ラインLN上に赤7の図柄が導出し、リール2Rにおける入賞ラインLN上の位置から0.5コマ(半図柄分)下方にずれた位置に赤7の図柄が導出する。この際、ストップスイッチが操作されたときとは異なり、リールは上下に振動しない。
【0293】
図30(f)に示すように、メイン制御部41は、フリーズ中においてストップスイッチ8L、8C、8Rまたは1枚BETスイッチ5が操作されて、全てのリールを仮停止した後は、フリーズを終了する。その後、メイン制御部41は、再び全てのリールの回転を開始し、定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能にする。これにより、停止操作が有効化され、サブ制御部91によって、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯されて、停止操作が有効となった旨が報知される。さらに、サブ制御部91は、付与されたナビストックを消費するとともに、AT開始報知を行う。AT開始報知では、液晶表示器51の画面上に「AT開始!!」の文字画像が表示される。これにより、遊技者に対して、ATの開始が報知される。
【0294】
このように、ストップスイッチの操作によりリールが停止された場合には、リールを上下に振動させるように制御する一方、1枚BETスイッチ5の操作によりリールが停止された場合には、リールを完全停止させるように制御する。なお、この場合の完全停止とは、フリーズ中における図柄の仮停止であって、非フリーズ中と同様に振動させることなく停止させることをいう。
【0295】
さらに、1枚BETスイッチ5やストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となり、第1停止時および第2停止時においては入賞ラインLN上に図柄を停止させ、第3停止時においては入賞ラインLNよりも下方へ0.5コマ(半図柄分)ずれた位置に図柄を停止させるように制御する。なお、フリーズ中に停止された図柄の組合せは、入賞判定の対象とはならない。
【0296】
[フリーズ実行時の各部の動作状況]
次に、フリーズ実行時のリール2L、2C、2Rを駆動するリールモータ32L、32C、32Rの位相信号の変化状況、停止有効LED22L、22C、22Rの点灯/消灯状況、演出用停止LED57a、57b、57c、57dの点灯/消灯状況について説明する。
【0297】
なお、
図31〜
図34では、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号の変化状況と、停止有効LED22L、22C、22Rの点灯/消灯状況と、演出用停止LED57b、57c、57dの点灯/消灯状況とについて、その代表例として、最終停止操作(第3停止操作)により停止される最終停止リールに対応する、リールモータの位相信号の変化状況と、停止有効LEDの点灯/消灯状況と、演出用停止LEDの点灯/消灯状況とを示す。
【0298】
図31に示すように、フリーズが実行されない場合には、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始後、リールモータ32L〜32Rの位相信号が変化して、全てのリールの回転が開始する。その後、全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。
【0299】
この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが停止操作されたときには、対応するリールが停止するように制御され、リールが停止した後、対応するリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。さらに、最終停止操作がされたときには、最終停止操作に対応する最終停止リールが停止するように制御され、リールが停止した後、対応するリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。この状態は、少なくとも約500ms(タイマ割込処理が224回実行される期間)以上継続する。
【0300】
なお、この約500msの期間とは、リールの停止制御により全相励磁を開始してからリールが完全に停止するまでの時間よりも長く、さらにリールの停止時に全相励磁が行われる時間よりも長い時間である。さらに、約500msの期間とは、完全にリールが静止し得るのに十分な時間であって、かつ遊技者がリールの停止を認識するのに十分な時間である。
【0301】
一方、
図32に示すように、フリーズが実行された場合には、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始後、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号が変化して、全てのリールの回転が開始する。その後、全てのリールが定速回転となったときにゲームの進行に関与しない操作としてストップスイッチ8L、8C、8Rおよび1枚BETスイッチ5の操作が受付可能な状態となる。さらに、演出用停止LED57a〜57dが点灯し、ストップスイッチや1枚BETスイッチ5への操作が促される。
【0302】
この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが停止操作されたときには、対応するリールが仮停止するように制御され、導出された停止位置において当該リールが上下に振動するように制御される。このリールを振動させる制御は、全リールが仮停止して再回転するまで継続する。なお、この間、リールモータの位相信号は変化し続ける。
【0303】
さらに、仮停止するための最終停止操作がされたときには、最終停止操作に対応する最終停止リールが停止するように制御され、導出された停止位置においてリールを上下に振動させる制御が500ms以上の時間にわたり行われる。なお、この間、最終停止されたリールのリールモータを含むリールモータ32L、32C、32Rの位相信号は変化し続ける。
【0304】
その後、仮停止によって最終停止されたリールを含む全リールの回転が再び開始し、全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。
【0305】
この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれか(
図32ではフリーズ中に最終停止されたストップスイッチである場合を示す)が停止操作されたときには、ストップスイッチに対応するリールが停止するように制御され、リールが停止した後、当該リールのリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。この状態は、少なくとも500ms以上継続する。
【0306】
このように、本実施の形態においては、ストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されて対応するリールが停止した場合には、当該リールの停止後、500ms以上の時間にわたり当該リールを駆動するリールモータの位相信号が変化せず、完全に停止した状態となる。これに対して、フリーズ状態のように、ストップスイッチがゲームの進行に関与しない状態で操作されて対応するリールが停止(最終停止を含む)した場合(すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似するように制御する場合)には、リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力し、再度リールが回転するまで位相信号が変化し続ける。すなわち、この場合には、停止操作によってリールが1ゲームの結果として停止したときには、リールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する。このため、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中における演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
【0307】
次に、
図33を参照しながら、フリーズ中において第1停止操作がなされるまでに、1枚BETスイッチ5が操作された場合について説明する。
【0308】
図33に示すように、スタートスイッチ7の操作に伴うゲーム開始後、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号が変化して、全てのリールの回転が開始する。その後、全てのリールが定速回転となったときにゲームの進行に関与しない操作として1枚BETスイッチ5の操作およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が受付可能な状態となり、演出用停止LED57a〜57dが点灯する。これにより、ストップスイッチや1枚BETスイッチ5への操作が促される。
【0309】
この状態で1枚BETスイッチ5が操作されたときには、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの順でリールが停止するように制御され、全リールが完全停止した状態を500ms以上の時間にわたり維持する。この間、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号は変化しない。
【0310】
その後、再び全リールの回転を開始させ、全てのリールが定速回転となったときに停止操作が有効となり、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯する。
【0311】
この状態でストップスイッチ8L〜8Rのいずれか(
図33ではフリーズ中に最終停止されたストップスイッチ2Rである場合を示す)が停止操作されたときには、ストップスイッチに対応するリールが停止するように制御され、リールが停止した後、当該リールのリールモータの全ての励磁相がOFFとなり、位相信号が変化しない状態となる。この状態は、少なくとも500ms以上継続する。
【0312】
[ナビ演出]
次に、サブ制御部91が実行するナビ演出の具体的な内容について説明する。本実施の形態のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。
【0313】
たとえば、判定用ナビ演出であれば、通常リプレイや押し順ベルに当選したときに、「中左右!」(中左右の判定用手順を報知)や「右左中!」(右左中の判定用手順を報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
【0314】
たとえば、通常のナビ演出であれば、押し順ベルに当選したときに、「中左右!」(中左右の正解手順を報知)や「右左中!」(右左中の正解手順を報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
【0315】
以上、本実施の形態におけるスロットマシン1について説明した。次に、本実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0316】
本実施の形態においては、メイン制御部41は、通常リプレイや押し順ベルといった判定用役に当選したときに複数種類の押し順のうちから判定用手順を決定する。サブ制御部91は、判定用手順を特定可能な停止順種別の情報が付加された判定用役当選コマンドをメイン制御部41から受信したときに、判定用ナビ演出を実行して判定用手順を特定可能に報知する。メイン制御部41は、遊技者によって、判定用手順でストップスイッチが操作されたことに基づいて、サブ制御部91によって制御されている演出状態が準備状態であることを特定する。これにより、メイン制御部41は、サブ制御部91により準備状態に制御されていることを特定することができ、これに基づき所定制御としてAT信号の外部出力やフリーズを実行することができる。
【0317】
ここで、仮に、判定用手順が推奨手順である左第1停止に設定されている場合、サブ制御部91による判定用ナビ演出によって判定用手順が報知されていないときにも、遊技者によって推奨手順である左第1停止でストップスイッチが操作されてしまう可能性が高い。しかし、本実施の形態においては、
図25および
図26に示すように、判定用手順は、推奨手順である左第1停止以外の押し順である。このため、サブ制御部91による判定用ナビ演出によって判定用手順が報知されていないにもかかわらず、遊技者により推奨手順である左第1停止でストップスイッチが操作されてしまい、設計上では意図しない誤ったタイミングで所定制御が実行されてしまうことを防止することができる。
【0318】
しかも、本実施の形態においては、
図21および
図22に示すように、押し順ベルに当選したときに主役である中段ベルを入賞させるための正解手順は、推奨手順である左第1停止以外の手順である。このため、サブ制御部91によるナビ演出によって正解手順が報知されていないにもかかわらず、遊技者により推奨手順である左第1停止でストップスイッチが操作されることで、主役である中段ベルが入賞して8枚のメダルが払い出されて設計上では意図しないときに払出率が高くなってしまうことを防ぐことができる。
【0319】
本実施の形態においては、CB当選状態である内部中に制御されているときに、ナビストック抽選を実行し、当選したときにはナビストックが付与される。内部中にナビストックが付与されたときには、準備状態を経由してATに制御される。準備状態では、押し順ベルに当選したときに、判定用手順であり、かつ正解手順でもある主役を入賞させるための手順が判定用ナビ演出によって報知される。ATでは、押し順ベルに当選したときに、主役を入賞させるための正解手順がナビ演出によって報知される。これにより、CB当選状態である内部中に制御されているときには、準備状態やATに制御されているか否かに応じて、遊技者の有利度を異ならせることができる。
【0320】
本実施の形態においては、
図21、
図22、および
図26に示すように、押し順ベルに対応付けられた判定用手順は、主役である中段ベルを入賞させるための正解手順と同じである。これにより、押し順ベルに当選したときを利用して、メイン制御部41において、サブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定することができる。このため、メイン制御部41がサブ制御部91の演出状態を特定するための当選役を別途備える必要がない。
【0321】
本実施の形態においては、
図30に示すように、メイン制御部41がサブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定したときには、所定制御としてフリーズが実行されて擬似遊技が行われる。これにより、ナビストックを獲得した後、ATが開始するまでの期間における遊技の興趣を向上させることができる。
【0322】
本実施の形態においては、フリーズ中であるか否かにかかわらず共通のストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより図柄の組合せを導出できるため、フリーズ中の停止操作が分かりにくくなることを防止できる。さらに、非フリーズ中において図柄の組合せを導出させる位置(入賞ラインLN)とは異なる特定位置(下方に半図柄分ずれた位置)に図柄の組合せを導出させることができる。このため、特定位置に導出された仮図柄の組合せを、入賞判定の対象となる図柄の組合せであると遊技者が誤認してしまうことを防止しつつ、導出対象が入賞判定の対象となる図柄の組合せであるか否かを遊技者に認識させることができる。
【0323】
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合には、その後、スタートスイッチ7の操作を伴わずに再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる。このため、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのか、を遊技者に対してさらに明確に認識させることができる。
【0324】
図30(d)に示したとおり、一のリール(たとえば、右リール)以外のリールについては、非フリーズ中と同じ入賞ラインLN上の所定位置に図柄の組合せが導出する。このため、たとえば、非フリーズ中であるときとフリーズ中であるときとで、全てのリールについて図柄の組合せが導出される位置が異なるなど、図柄の組合せが導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
【0325】
フリーズ中においては、最終停止されるリールについてのみ、非フリーズ中と異なる位置に図柄の組合せが仮導出される。このため、フリーズ中における図柄の組合せであることを遊技者に気付かせやすくすることができる。
【0326】
赤7揃い、青7揃い、白7揃いなどの7揃い出目は、フリーズ中の擬似遊技においてのみ導出される表示結果である。このため、フリーズ中における図柄の組合せであることを遊技者に気付かせやすくすることができる。
【0327】
図4に示すように、各リールの21図柄は、所定間隔で配列されていることを前提として、
図30(d)に示すように、特定位置が所定位置から所定間隔の半分以下となる位置となるように設定されている。このように、特定位置は所定位置から所定間隔の半分以下となる位置であるため、フリーズ中でないときとフリーズ中であるときとで図柄の組合せが導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
【0328】
フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールが停止しても上下に振動するように位相信号が出力され、再度リールが回転開始するまで位相信号が変化し続ける。すなわち、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には、必ず位相信号が変化する。これに対して、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しない1枚BETスイッチ5が操作されることで全リールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときとは類似しない制御が行われる場合には、リールが停止した際に、500ms以上にわたり位相信号を変化させず、リールが停止した状態を維持する。
【0329】
このため、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときには、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。さらに、1枚BETスイッチ5の操作を伴うことで、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかが明確な状況においては、リールを500ms以上停止させることで、フリーズ中の演出として導出されたリールの停止位置を遊技者に対して認識させることができる。
【0330】
フリーズ状態において、前面扉1bを構成する操作パネル1cの前面、すなわちストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられた面と同一面に設けられた1枚BETスイッチ5が操作されることでリールを停止させる制御が行われる。このため、ストップスイッチ8L、8C、8Rがゲームの進行に関与する状態でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作するとき、すなわち停止操作が有効な状態で停止操作を行うときに近い要領でフリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8R以外の操作手段による操作を行ってリールを停止させることが可能となるので、遊技者に対して違和感なく当該操作を行わせることができる。
【0331】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0332】
[判定用手順について]
本実施の形態においては、
図26に示すように、判定用手順に対しては、推奨手順である左第1停止が対応づけられず、左第1停止以外の押し順が対応づけられていたが、これに限らない。
【0333】
たとえば、判定用手順に対しては、推奨手順である左第1停止が対応づけられていてもよい。但し、この場合においては、推奨手順である左第1停止と、左第1停止以外の押し順とのうち、判定用手順に対しては、左第1停止である割合よりも左第1停止以外の押し順である割合の方が高く対応づけられている方がよい。
【0334】
たとえば、通常リプレイに当選したときには、停止順種別0に対して左中右の判定用手順が対応づけられるのに対して、停止順種別1に対して中左右の判定用手順が対応づけられ、停止順種別2に対して中右左の判定用手順が対応づけられ、停止順種別3に対して右左中の判定用手順が対応づけられ、停止順種別4に対して右中左の判定用手順が対応づけられるものであってもよい。この場合、通常リプレイに当選したときには、推奨手順である左第1停止に対応する判定用手順が1種類となるのに対して、推奨手順以外の押し順である中第1停止に対応する判定用手順が2種類、右第1停止に対応する判定用手順が2種類となる。
【0335】
たとえば、左中右を正解手順かつ判定用手順とする左中ベルの役が3種類(左中ベル1〜3)設けられているのに対して、中左右を正解手順かつ判定用手順とする中左ベルの役が9種類(中左ベル1〜9)、中右左を正解手順かつ判定用手順とする中右ベルの役が9種類(中右ベル1〜9)、右左中を正解手順かつ判定用手順とする右左ベルの役が9種類(右左ベル1〜9)、右中左を正解手順かつ判定用手順とする右中ベルの役が9種類(右中ベル1〜9)設けられているものであってもよい。この場合、いずれかの押し順ベルに当選したときには、推奨手順である左第1停止に対応する判定用手順が3種類(左中ベル1〜3)となるのに対して、推奨手順以外の押し順である中第1停止に対応する判定用手順が18種類(中左ベル1〜9と中右ベル1〜9)、右第1停止に対応する判定用手順が18種類(右左ベル1〜9と右中ベル1〜9)となる。
【0336】
あるいは、左第1停止を判定用手順とする役と、中第1停止を判定用手順とする役と、右第1停止を判定用手順とする役とが、各々同じ数の種類とした場合において、左第1停止を判定用手順とする役に当選する確率よりも、中第1停止を判定用手順とする役や右第1停止を判定用手順とする役に当選する確率の方が高いものであってもよい。
【0337】
このように、判定用手順は、推奨手順および推奨手順以外の押し順のうち、推奨手順である割合よりも推奨手順以外の押し順である割合の方が高くなっていてもよい。このようにすれば、サブ制御部91による判定用ナビ演出によって判定用手順が報知されていないにもかかわらず、遊技者により推奨手順である左第1停止でストップスイッチが操作されたとしても、メイン制御部41によって判定用手順と実際の押し順とが一致する可能性が低くなる。このため、設計上では意図しない誤ったタイミングで所定制御が実行されてしまうことを防止することができる。
【0338】
本実施の形態においては、推奨手順が左第1停止(左中右、左右中)であったが、これに限らず、その他の手順を推奨手順としてもよい。さらに、左第1停止のうち、左中右のみを推奨手順としてもよい。この場合、判定用手順に対しては、左右中が対応づけられていてもよい。さらに、推奨手順である左中右と、左中右以外の押し順とのうち、判定用手順に対しては、左中右である割合よりも左中右以外の押し順である割合の方が高く対応づけられていてもよい。
【0339】
[正解手順について]
本実施の形態においては、
図21および
図22に示すように、正解手順に対しては、推奨手順である左第1停止が対応づけられず、左第1停止以外の押し順が対応づけられていたが、これに限らない。
【0340】
たとえば、正解手順に対しては、推奨手順である左第1停止が対応づけられていてもよい。但し、この場合においては、推奨手順である左第1停止と、左第1停止以外の押し順とのうち、正解手順に対しては、左第1停止である割合よりも左第1停止以外の押し順である割合の方が高く対応づけられている方がよい。
【0341】
たとえば、左中右を正解手順かつ判定用手順とする左中ベルの役が3種類(左中ベル1〜3)設けられているのに対して、中左右を正解手順かつ判定用手順とする中左ベルの役が9種類(中左ベル1〜9)、中右左を正解手順かつ判定用手順とする中右ベルの役が9種類(中右ベル1〜9)、右左中を正解手順かつ判定用手順とする右左ベルの役が9種類(右左ベル1〜9)、右中左を正解手順かつ判定用手順とする右中ベルの役が9種類(右中ベル1〜9)設けられているものであってもよい。この場合、いずれかの押し順ベルに当選したときには、推奨手順である左第1停止に対応する正解手順が3種類(左中ベル1〜3)となるのに対して、推奨手順以外の押し順である中第1停止に対応する正解手順が18種類(中左ベル1〜9と中右ベル1〜9)、右第1停止に対応する正解手順が18種類(右左ベル1〜9と右中ベル1〜9)となる。
【0342】
あるいは、左第1停止を正解手順かつ判定用手順とする役と、中第1停止を正解手順かつ判定用手順とする役と、右第1停止を正解手順かつ判定用手順とする役とが、各々同じ数の種類とした場合において、左第1停止を正解手順かつ判定用手順とする役に当選する確率よりも、中第1停止を正解手順かつ判定用手順とする役や右第1停止を正解手順かつ判定用手順とする役に当選する確率の方が高いものであってもよい。
【0343】
このように、正解手順は、推奨手順および推奨手順以外の押し順のうち、推奨手順である割合よりも推奨手順以外の押し順である割合の方が高くなっていてもよい。このようにすれば、遊技者により推奨手順である左第1停止でストップスイッチが操作されたとしても、主役である中段ベルに入賞する可能性が低くなる。このため、ATに制御されていないにもかかわらず、設計上では意図しないときに払出率が高くなりすぎて遊技者が有利になりすぎることを防ぐことができる。
【0344】
なお、本実施の形態においては、押し順ベルに当選したときに正解手順で操作されることで、主役である中段ベルに入賞して賭数に対応する3枚のメダルよりも多い8枚のメダルが払い出されるものであった。よって、払出率が高くなって遊技者が有利になりすぎることを防止するために、正解手順には、推奨手順が設けられていないか、あるいは、正解手順には、推奨手順および推奨手順以外の押し順のうち、推奨手順である割合よりも推奨手順以外の押し順である割合の方が高くなるものであった。しかし、遊技者が有利になりすぎる例としては、主役の入賞に限らない。
【0345】
たとえば、押し順ベルに当選したときには、正解手順で操作されたときと、不正解手順で操作されたときとで、同じメダル枚数が払い出されるが、正解手順で操作されたときには不正解手順で操作されたときよりもその他の点(たとえば、ナビストック抽選の当選確率が高まる、特別な演出が実行されるなど)で有利になるものであってもよい。
【0346】
たとえば、ストップスイッチの押し順に応じて、遊技者が有利な状態となる役(たとえば、リプレイ確率が高くなるRT状態に移行する昇格リプレイ)や不利な状態とならない役(たとえば、リプレイ確率が低くなる非RT状態に移行しない維持リプレイ)に入賞するか、あるいは、遊技者が不利な状態となる役(たとえば、リプレイ確率が低くなる非RT状態に移行する転落リプレイ)に入賞するかを異ならせる押し順リプレイを設け、当該押し順リプレイに当選したときに、正解手順で操作されたときには遊技者が有利な状態となる役や不利な状態とならない役に入賞し、不正解手順で操作されたには遊技者が不利な状態となる役に入賞するものであってもよい。このような押し順リプレイにおける正解手順に対して、推奨手順が設けられていないか、あるいは、推奨手順および推奨手順以外の押し順のうち、推奨手順である割合よりも推奨手順以外の押し順である割合の方を高くすることによって、ATに制御されていないにもかかわらず、リプレイ確率が高い状態で遊技されることを防ぐことができる。さらに、有利になりすぎることを防ぐことができる分、ナビストック抽選の当選確率を高くするなど、その他の点で有利にすることもでき、設計の幅を広げることができる。
【0347】
[判定用役について]
本実施の形態では、判定用ナビ演出が行われるための判定用役として、通常リプレイや押し順ベルを用いるものであったが、これに限らず、その他の役であってもよい。たとえば、上記の押し順リプレイを設け、当該押し順リプレイを判定用役として用いてもよい。
【0348】
[メイン制御部41が特定するサブ制御部91の演出状態について]
本実施の形態では、メイン制御部41は、判定用手順を報知する判定用ナビ演出をサブ制御部91にさせることによって、準備状態であるか否かを特定していたが、その他の演出状態を特定するものであってもよい。たとえば、メイン制御部41は、サブ制御部91側における、ナビストック抽選での抽選モード(高確率モード、低確率モード)などの有利な遊技状態に関する抽選確率、獲得されたナビストック数やナビストックの有無などの有利な遊技状態へ移行させるための権利に関するもの、有利な遊技状態のゲーム数や継続率、プレミア演出や設定示唆演出の実行されやすさ、演出種類、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードの表示の有無、携帯端末の壁紙や音楽の付与の有無など、本実施の形態と異なる態様の演出状態を特定するものであってもよい。さらには、メイン制御部41が、サブ制御部91の制御する有利度以外の演出状態、たとえば、サブ制御部91側が判定した異常、不正行為の可能性、時間などをメイン制御部41が特定するものであってもよい。
【0349】
[擬似遊技について]
本実施の形態においては、フリーズを実行する際、メイン制御部41によって、擬似遊技において仮導出される表示結果(赤7揃い、青7揃い、白7揃い)を抽選によって決定するものであった。しかし、これに限らない。
【0350】
たとえば、フリーズを実行する際、サブ制御部91によって、擬似遊技において仮導出される表示結果を抽選によって決定するものであってもよい。この場合においては、ナビストック抽選によって獲得したナビストック数に応じて、仮導出する表示結果を異ならせて決定してもよい。さらに、サブ制御部91によって決定された表示結果は、判定用ナビ演出によってメイン制御部41が特定するものであってもよい。
【0351】
たとえば、サブ制御部91は、仮導出する表示結果が赤7揃いに決定されたときには判定用役に当選したときに第1手順を報知する判定用ナビ演出を実行し、仮導出する表示結果が青7揃いに決定されたときには判定用役に当選したときに第2手順を報知する判定用ナビ演出を実行し、仮導出する表示結果が白7揃いに決定されたときには判定用役に当選したときに第3手順を報知する判定用ナビ演出を実行するものであってもよい。このようにすれば、メイン制御部41は、判定用役に当選したときにおける遊技者による実際の押し順が第1手順であれば赤7揃いであることを特定し、第2手順であれば青7揃いであることを特定し、第3手順であれば白7揃いであることを特定することができる。
【0352】
本実施の形態においては、擬似遊技においては、リールを停止操作した時点から4コマ以上も先にある図柄(赤7、青7、白7)を入賞ラインLN上に引き込んで停止させることができたが、これに限らない。たとえば、通常の遊技と同様に、リールを停止操作した時点から4コマ以内で先にある図柄に限り入賞ラインLN上に引き込んで停止させるものであってもよい。ここで、
図4に示すように、リールの配列上、白7は、赤7や青7と離れた位置に配置されている。このため、擬似遊技において4コマ以内に限り図柄を入賞ラインLN上に引き込むものであれば、極力7揃い出目を導出させるために、
図30(a)に示す7揃い出目を導出させる演出において、液晶表示器51の画面上に「赤7または青7を揃えろ!!」の文字画像を表示して、赤7揃いか、青7揃いを導出させるように促すものであってもよい。
【0353】
[メイン制御部41による演出状態の判定について]
本実施の形態においては、
図27に示すように、メイン制御部41は、開始判定カウンタのカウント値が3になったときに、サブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定するものであった。しかし、これに限らず、開始判定カウンタが2や4など、その他の回数に達したときに、メイン制御部41がサブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定するものであってもよい。
【0354】
本実施の形態においては、
図27に示すように、メイン制御部41は、判定用手順と実際の押し順とが一致しなかったときには、開始判定カウンタのカウント値をクリアするものであったが、これに限らず、開始判定カウンタのカウント値をそのまま維持するものであってもよい。
【0355】
本実施の形態においては、通常リプレイや押し順ベルのいずれに当選したときでも、判定用手順と実際の押し順とが一致ときには、開始判定カウンタのカウント値が1加算されるものであった。このため、たとえば、押し順ベルに当選するまでの期間において、通常リプレイが3回当選し、かつ判定用手順と実際の押し順とが3回一致した場合でも、メイン制御部41は、サブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定して所定制御するものであった。しかし、この場合、ナビストックを獲得した後、所定制御されるまでの判定期間においては、押し順ベルに当選していないため、遊技者は判定用ナビ演出によって中段ベルの入賞によるメダルの払い出しを受けられない。
【0356】
そこで、メイン制御部41がサブ制御部91の演出状態を特定するための条件には、ナビストックを獲得した後、所定制御されるまでの判定期間において、少なくとも1回、押し順ベルの当選によって判定用手順と実際の押し順とが一致することを含んでもよい。たとえば、開始判定カウンタのカウント値が3に達した場合であっても、当該カウント値が通常リプレイの当選に基づく判定であれば所定制御が実行されず、その後、押し順ベルの当選によって判定用手順と実際の押し順とが一致したときに、メイン制御部41がサブ制御部91の演出状態が準備状態であることを特定して所定制御するものであってもよい。このようにすれば、ナビストックを獲得した後、所定制御されるまでの判定期間において、遊技者は、少なくとも1回、押し順ベルの当選時に中段ベルの入賞によるメダルの払い出しを受けることができる。
【0357】
[所定制御について]
本実施の形態においては、メイン制御部41が行う所定制御として、AT信号の外部出力とフリーズの実行を例示した。しかしながら、これに限らない。たとえば、メイン制御部41は、所定制御として、AT信号の外部出力およびフリーズの実行のうちのいずれかのみを行うものであってもよい。メイン制御部41がサブ制御部91によって制御される演出状態を特定し、特定した演出状態に応じて行うものであれば、所定制御は、どのような制御であってもよい。
【0358】
[フリーズに関する処理について]
本実施の形態においては、フリーズ状態においてストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、それぞれ対応するリールを停止させる制御が行われる構成を例示したが、いずれか1つのストップスイッチの操作により複数のリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることでリールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する構成としてもよい。このように構成すれば、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
【0359】
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合には、リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成であるが、これに限らない。たとえば、
図34に示すように、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを完全停止させる場合に、リールが停止した後、リールモータの位相信号を変化させない状態とするが、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前に必ず位相信号を変化させる構成としてもよい。
【0360】
たとえば、フリーズ中における最終停止操作が行われた後は、当該操作によるリール停止から500msが経過する前に全リールを再回転させるものであってもよい。これに加えて、フリーズ中における第1および第2停止操作が行われた後は、各リール停止から500msが経過する前に全リールを再回転させるものであってもよい。このような構成とした場合でも、ストップスイッチの操作に伴い対応するリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
【0361】
さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合に、リールが停止しても、上下にゆっくり揺れる態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成としたり、じっくり見れば認識できるが一目見ただけでは認識できない程度の微少な動きとなるように位相信号を出力する制御を行う構成としてもよい。
【0362】
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合に、その後、スタートスイッチ7の操作を伴わずに再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる構成であるが、これに限らない。たとえば、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合に、その後、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6の操作など、何らかの操作がされることで再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となる構成としてもよい。
【0363】
本実施の形態においては、フリーズ状態において、1枚BETスイッチ5が1回操作されることで、全リールを停止させる制御が行われる例について説明したが、これに限らない。たとえば、1枚BETスイッチ5が複数回操作されることで、それぞれに対応するリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。
【0364】
本実施の形態においては、フリーズ状態において操作されることでリールを停止させるための手段であるストップスイッチ8L、8C、8R以外の操作手段として、1枚BETスイッチ5を適用していた。しかし、1枚BETスイッチ5の代わりにMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10などを適用してもよい。
【0365】
本実施の形態においては、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチまたは1枚BETスイッチ5が操作されることで対応するリールを停止させる場合に、導出されたリールの停止位置に応じて遊技者にとって有利度の異なる特典が付与されるものであってもよい。これによれば、導出されたリールの停止位置に応じて遊技者にとっての有利度が示唆されるため、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
【0366】
たとえば、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて、上乗せされるATのゲーム数の期待値が示唆される構成であってもよい。さらには、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて、上乗せ抽選においてATのゲーム数の上乗せが決定される可能性が示唆される構成、ナビストック抽選においてナビストックが当選する可能性が示唆される構成、ナビストック抽選におけるナビストックの当選個数の期待値が示唆される構成としてもよい。
【0367】
このようにしても、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。さらに、特別役を備え、特別役と同時当選し得る一般役の当選時にフリーズ状態に制御される構成において、当該一般役の当選時におけるフリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止位置に応じて特別役が同時に当選している可能性が示唆される構成とした場合でも、フリーズ状態において遊技者の操作により導出されたリールの停止態様に対して着目させることができる。
【0368】
ここで、遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態(本実施の形態においては、AT)へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利、メダルが付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値など)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であってもよい。さらに、遊技者にとって直接的に有利ではないが、たとえば、インターネット上で特典を得るための条件となるなど、遊技者にとって間接的に有利な特典であってもよい。
【0369】
また、フリーズ状態において遊技者の操作により1つのリールのみ停止させる構成であってもよい。さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lまたは1枚BETスイッチ5が操作されることで対応する左リールを停止させる場合、停止操作が有効な状態で左リールの停止操作がされたときに適用される停止制御テーブルを用いてリールを停止させる制御が行われるようにし、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータをフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
【0370】
停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに、停止制御テーブルを用いて停止制御を行うとともに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも停止制御テーブルを利用する構成であってもよい。停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに行う停止制御として、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としてもよい。このような構成にすれば、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータ(処理プログラム含む)をフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
【0371】
さらに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときには、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成としてもよい。このような構成にすれば、フリーズ状態においては、通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となり、フリーズ状態中のリールの停止態様による演出効果を高めることができる。さらに、フリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときに、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータを利用する構成と、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成と、の双方の構成を備えるようにしてもよい。このような構成にすれば、プログラム容量を削減しつつ、フリーズ状態において通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となる。
【0372】
フリーズ制御は、遅延条件が成立したことに基づき所定のフリーズ期間を設定することによって、当該遅延期間を設定しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づきスタート操作後にフリーズ期間を設定したときには、遅延条件が成立しないためにフリーズ期間を設定しないときよりも、フリーズ期間分だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズ制御は、通常は設定されていないフリーズ期間を、遅延条件が成立したときに設定することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
【0373】
さらに、フリーズ制御は、予め設けられていたウェイト期間を、遅延条件が成立したことに基づき所定期間だけ延長することによって、延長しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づき予め設けられていたスタート操作後のウェイト期間(5秒間)を所定期間(3秒間)だけ延長したウェイト期間(8秒間)にすることによって、延長しないときのウェイト期間(5秒間)よりも所定期間(3秒間)だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズ制御は、通常から設定されているウェイト期間を、遅延条件が成立したときに所定期間だけ延長することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
【0374】
[所定位置と特定位置との関係について]
本実施の形態においては、所定位置として、リール2L、2C、2Rに配列された図柄を入賞ラインLN上の位置を例示し、特定位置として、入賞ラインLNよりも下方に半図柄分ずれた位置を例示した。しかし、所定位置と特定位置とは、異なる位置であればこれに限るものではない。
【0375】
たとえば、入賞ラインが複数設けられているスロットマシンにおいては、所定位置が当該複数の各入賞ライン上となる複数の位置となるものであってもよく、この場合、特定位置は、これら複数の所定位置とは異なる位置であればよい。所定位置に対する特定位置は、下方にずれた位置に限らず、上方にずれた位置(滑りコマ数を減算させた位置)であってもよい。ずれ幅は、0.5コマ(1図柄に対応するステップ数が16ステップ数である場合には8ステップ数)に限らず、ずれていることを遊技者に認識させることができるものであればよく、0.5コマ以下であればよい。特定位置は、複数種類定められており、停止操作毎に、当該複数種類の特定位置から一の特定位置が決定されて、当該一の特定位置に図柄を導出するようにしてもよい。
【0376】
本実施の形態においては、フリーズ中において、リール2L、2C、2Rのうち最終停止されたリールだけ特定位置に図柄を停止させる例について説明したが、これに限らず、停止順にかかわらず予め定められている一のリール(右リール2R)だけ特定位置に図柄を停止させるようにしてもよい。さらに、リール2L〜2Rのうち一部のリールに限らず全てのリール2L〜2Rについて特定位置に図柄を停止させるようにしてもよい。
【0377】
本実施の形態においては、フリーズ中において所定の図柄が入賞ラインLNや無効ラインLM1、LM2などの水平ライン上に揃う(1リールについては半コマずれ)場合や、無効ラインLM3、LM4などの斜めライン上に揃う(1リールについては半コマずれ)場合について説明した。しかし、フリーズ中においては、所定の図柄を、斜めライン上のみに揃えて(1リールについては半コマずれ)停止させるようにしてもよい。これにより、水平ライン上に停止させる場合と比較して、1リールについて半コマずれた位置に所定の図柄が停止していることを気付き難くすることができる。さらに、これとは逆に、フリーズ中においては、所定の図柄を、水平ライン上のみに揃えて(1リールについては半コマずれ)停止させるようにしてもよい。これにより、斜めライン上に停止させる場合と比較して、1リールについて半コマずれた位置に所定の図柄が停止していることを気付かせやすくすることができる。
【0378】
[フリーズ中のリール回転開始時の制御について]
本実施の形態においては、フリーズ中も非フリーズ中と同じ回転方向および回転速度でリール制御を行うものであった。しかし、これに限らない。たとえば、フリーズ中においては、回転方向および回転速度のうち少なくとも一方を、非フリーズ中とは異ならせるようにしてもよい。このようにすることにより、フリーズ中と非フリーズ中との混同を防ぐことができる。
【0379】
本実施の形態においては、1回のフリーズ中に、リールの回転開始および停止する擬似遊技を1回実行する例について説明したが、これに限らない。たとえば、1回のフリーズ中にリールの回転開始および停止を複数回行うことで、擬似遊技を複数回実行するようにしてもよい。これにより、フリーズ中における擬似遊技への介入度合いを高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0380】
[フリーズ中において1枚BETスイッチ操作時の停止位置について]
本実施の形態においては、フリーズ中において1枚BETスイッチ5が操作されたときには、特定位置に図柄が停止される例について説明した。しかし、本来、1ゲームの結果を導出させるためにリールを停止させる手段であるストップスイッチ8L、8C、8Rとは異なる手段が操作された場合には、導出される結果が入賞判定の対象となる表示結果ではなく、入賞判定の対象とならない仮表示結果であることを遊技者が把握していると擬制できる。このため、フリーズ中において所定操作受付手段が操作されたときに図柄を停止させる位置は、特定位置に限るものではなく、非フリーズ中と同じ所定位置であってもよい。
【0381】
[リールLEDについて]
本実施の形態においては、入賞ラインLN上に図柄が停止された場合の3×3=9の図柄に対応して9つのLEDが設けられている例について説明したが、これと同様に、特定位置に図柄が停止された場合にも、当該図柄および当該図柄の前後の図柄に対応するLEDを設けるようにしてもよい。この場合、フリーズ中において特定位置に図柄が停止された場合には、当該図柄に対応するLEDを点灯させるようにしてもよい。さらに、点灯態様を、非フリーズ中とは異なる態様としてもよい。これにより、停止された図柄の組合せがフリーズ中において停止したものであることを遊技者に対してより明確に把握させることができる。
【0382】
[フリーズ中におけるリール制御の対象となるリールについて]
本実施の形態においては、フリーズ中においては、リール2L、2C、2Rがリール制御の対象となる例について説明したが、複数のリールを制御するものに限らず、一部のリールのみをリール制御の対象となるようにしてもよい。たとえば、フリーズ中においては、左リール2Lのみをリール制御の対象となるようにしてもよい。たとえば、フリーズ中において、左リール2Lのみ回転開始させて、停止操作に応じて当該左リール2Lを一定時間にわたり停止した状態(上下振動)で維持し、その後フリーズ状態を終了してリール2L〜2Rの回転を開始させ、定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とするようにしてもよい。あるいは、フリーズ開始前に、リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後、フリーズ状態に移行させて、ストップスイッチ8Lと1枚BETスイッチ5への操作のみ有効とし、停止操作に応じて当該左リール2Lを一定時間にわたり停止した状態(上下振動)で維持し、その後フリーズ状態を終了し、その間、リール2C、2C、2Rは回転状態が維持されているため、左リール2Lのみ回転を開始させて定速回転となったときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とするようにしてもよい。
【0383】
[完全停止させる最小期間について]
本実施の形態においては、非フリーズ中においてリールを完全停止させる最小期間として500msecを例示したが、これに限るものではない。最小期間は、非フリーズ中においてどのように操作したとしても、リール停止後から次ゲームにおけるリール回転が開始されるまでに要する時間より長くなる期間であればよく、たとえば、リプレイ入賞後から、当該入賞により賭数が自動設定された直後にスタートスイッチ7を操作してリール2L、2C、2Rの回転が実際開始されるまでに要する時間より長くなる期間であればよい。
【0384】
[フリーズ発生タイミングについて]
本実施の形態においては、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されるときにフリーズを発生させる例について説明したが、フリーズを発生させるタイミングは、これに限らず、ゲームが終了したときや、第1停止操作が行われたときなどどのようなタイミングであってもよい。ゲームが終了したときにフリーズを発生させる場合には、賭数設定のためのBET操作や投入メダルセンサ31の有効化を遅延、あるいは、スタートスイッチ7の有効化を遅延させるようにしてもよい。また、第1停止操作したときにフリーズを発生させる場合には、第2停止のためのストップスイッチの有効化を遅延させるようにしてもよい。
【0385】
[通信形態について]
本実施の形態においては、メイン制御部41からサブ制御部91への一方向通信のみ可能となっていたが、これに限らず、一部の信号または全部の信号において、双方向通信が可能であってもよい。但し、双方向通信が可能であるように構成した場合であっても、サブ制御部91の演出状態に関する情報(たとえば、準備状態であるか否かの情報)は、少なくとも、サブ制御部91からメイン制御部41へ送信不可能である方が好ましい。
【0386】
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
【0387】
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
【0388】
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
【0389】
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
【0390】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。