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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229199(P2015-229199A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20151124BHJP
【FI】
   B25J15/08 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-114848(P2014-114848)
(22)【出願日】2014年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】合田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】松浦 康寿
(72)【発明者】
【氏名】浅井 真也
(72)【発明者】
【氏名】小関 亮介
(72)【発明者】
【氏名】村田 卓也
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS28
3C707DS01
3C707ES02
3C707ES04
3C707ES08
3C707EU12
3C707EW01
3C707EW14
3C707KS30
3C707KS33
3C707KV06
3C707KX08
(57)【要約】
【課題】複数の指部を備えるロボットハンドにおいて、指部の指先で小さな対象物を把持可能としつつ、指部の指先を大型化させることなく小さな対象物を把持していることを検出可能にする。
【解決手段】ロボットハンドは、複数の指部(3)を備える。各指部は、指基部(20)と、指基部に対して回動可能に支持された指先部(10)と、指先部から突出する突起部(11)と、指基部に支持される突起部(30)と、圧力センサ(40)とを備える。指基部に支持される突起部(30)は、突起部全体を指基部に対して回動可能に支持する支持部(31)と、支持部よりも先端側にある先端側部位(32)と、支持部よりも基端側にある基端側部位(33)とを含む。圧力センサ(40)は、指基部の凸部(21A)における、突起部の基端側部位との対向面(21B)上に設けられ、突起部の基端側部位によって押される力を検出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の指部を備えるロボットハンドであって、
前記複数の指部の少なくとも1つは、
指基部と、
前記指基部に対して第1方向および前記第1方向とは反対の第2方向に回動可能に支持され、前記第1方向に回動することによって他の指部との間に対象物を挟んで把持する指先部と、
前記指先部から前記指先部の長手方向に沿って突出する第1突起部と、
前記指基部に支持され、前記指基部の長手方向に沿って延在し、前記指先部が前記第2方向に回動することによって前記第1突起部との間に対象物を挟んで把持する第2突起部とを備え、
前記第2突起部は、
前記第2突起部を前記指基部に対して前記第1方向および前記第2方向へ回動可能に支持する支持部と、
前記支持部よりも前記指基部から遠い側に配置される先端側部位と、
前記支持部に対して前記先端側部位とは反対側に配置される基端側部位とを備え、
前記第2突起部を前記第2方向へ回動させる力が前記第2突起部の前記先端側部位に加えられたことを検出するセンサが設けられる、ロボットハンド。
【請求項2】
前記センサは、前記第2突起部の前記基端側部位と対向する前記指基部の部位に設けられ、前記基端側部位との接触を検出する圧力センサである、請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記複数の指部の少なくとも1つは、前記指基部と前記第2突起部との間に設けられ、前記第1突起部と前記第2突起部との間に対象物が把持されていない状態において前記第2突起部の前記基端側部位を前記圧力センサに接しない位置に保持する弾性体をさらに備える、請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記センサは、前記第2突起部の前記基端側部位に設けられ、前記第2突起部の前記基端側部位のひずみを検出するひずみセンサである、請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記複数の指部の少なくとも1つは、
前記指基部に支持され、前記第2突起部の前記基端側部位を挟んで前記指基部と対向する位置に配置される支持部材と、
前記第2突起部の前記基端側部位と対向する前記支持部材の部位に設けられ、前記基端側部位との接触を検出する他のセンサとをさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の指部を備えるロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011−240422号公報(特許文献1)には、互いに向かい合う2つの指部を備えるロボットハンドが開示されている。2つの指部の指先には、それぞれ棒状部材が指先方向に収納および突出可能に設けられている。このロボットハンドは、小さな対象物を把持する場合、2本の指部の指先から棒状部材をそれぞれ突出させた状態とし、その2本の棒状部材で対象物を挟んで把持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−240422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたロボットハンドでは、2本の棒状部材で対象物を把持しているか否かを判定するために、2本の棒状部材の少なくとも一方の把持面に圧力センサなどの力検出センサを設け、この力検出センサの出力に基づいて対象物を把持しているか否かを判定している。
【0005】
しかしながら、この手法では、棒状部材の把持面に力検出センサを配置しているので、力検出センサの大きさに応じて棒状部材の把持面の大きさが決まってしまい、棒状部材の把持面を力検出センサ以下の小型なものにすることは困難であった。そのため、たとえば狭いスペースにある対象物を把持する場合には、棒状部材が周囲の異物に遮られて対象物に届かず、対象物を把持できなくなるなどの問題が発生する。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の指部を備えるロボットハンドにおいて、指部の指先で小さな対象物を把持可能としつつ、指部の指先を大型化させることなく小さな対象物を把持していることを検出可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るロボットハンドは、複数の指部を備えるロボットハンドである。複数の指部の少なくとも1つは、指基部と、指基部に対して第1方向および第1方向とは反対の第2方向に回動可能に支持され、第1方向に回動することによって他の指部との間に対象物を挟んで把持する指先部と、指先部から指先部の長手方向に沿って突出する第1突起部と、指基部に支持され、指基部の長手方向に沿って延在し、指先部が第2方向に回動することによって第1突起部との間に対象物を挟んで把持する第2突起部とを備える。第2突起部は、第2突起部を指基部に対して第1方向および第2方向へ回動可能に支持する支持部と、支持部よりも指基部から遠い側に配置される先端側部位と、支持部に対して先端側部位とは反対側に配置される基端側部位とを備える。ロボットハンドには、第2突起部を第2方向へ回動させる力が第2突起部の先端側部位に加えられたことを検出するセンサが設けられる。
【0008】
このような構成によれば、指部の指先部を第1方向に回動することによって複数の指部の指先部の間に一般的な大きさの対象物を挟んで把持することができるとともに、指部の指先部を第2方向に回動することによって指部の指先に設けられた第1突起部と第2突起部との間に小さな対象物を把持することができる。第2突起部は、第2突起部を指基部に対して回動可能に支持する支持部を備えるが、この支持部は第2突起部の先端側部位と基端側部位との間に配置される。第1突起部と第2突起部との間に小さな対象物を把持する際には、対象物から第2突起部の先端側部位に第2方向へ回動させる力が加えられるため、第2突起部は支持部を中心として第2方向に回動する。これに伴い、第2突起部の基端側部位は指基部に近づくように変位する。この点を利用し、第2突起部を第2方向へ回動させる力が第2突起部の先端側部位に加えられたことを検出するセンサを、第2突起部の先端側ではなく基端側(第2突起部の基端側部位あるいは第2突起部の基端側部位と対向する指基部の部位)に設けることが可能となる。すなわち、第2突起部の先端側部位をセンサ以下の小型なものにすることができる。その結果、指部の指先で小さな対象物を把持可能としつつ、指部の指先を大型化させることなく小さな対象物を把持していることを検出可能とすることができる。
【0009】
好ましくは、センサは、第2突起部の基端側部位と対向する指基部の部位に設けられ、基端側部位との接触を検出する圧力センサである。
【0010】
このような構成によれば、第2突起部の基端側部位と対向する指基部の部位に設けられた圧力センサを用いて第1突起部と第2突起部との間に対象物を把持していることを検出することができるとともに、第1突起部および第2突起部の先端側の大きさを小型化できる。
【0011】
好ましくは、複数の指部の少なくとも1つは、指基部と第2突起部との間に設けられ、第1突起部と第2突起部との間に対象物が把持されていない状態において第2突起部の基端側部位を圧力センサに接しない位置に保持する弾性体をさらに備える。
【0012】
このような構成によれば、第1突起部と第2突起部との間に対象物が把持されていないにも関わらず、圧力センサが第2突起部の基端側部位によって加圧されることを確実に抑制することができる。そのため、第1突起部と第2突起部との間に対象物が把持されていないにも関わらず、第1突起部と第2突起部との間に対象物を把持していると誤って判定されることを抑制できる。
【0013】
好ましくは、センサは、第2突起部の基端側部位に設けられ、第2突起部の基端側部位のひずみを検出するひずみセンサである。
【0014】
このような構成によれば、第2突起部の基端側部位に設けられたひずみセンサを用いて第1突起部と第2突起部との間に対象物を把持していることを検出することができるとともに、第1突起部および第2突起部の先端側の大きさを小型化できる。
【0015】
好ましくは、複数の指部の少なくとも1つは、指基部に支持され、第2突起部の基端側部位を挟んで指基部と対向する位置に配置される支持部材と、第2突起部の基端側部位と対向する支持部材の部位に設けられ、基端側部位との接触を検出する他のセンサとをさらに備える。
【0016】
このような構成によれば、他のセンサの出力に基づいて第2突起部が周囲の異物に接触したことを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ロボットハンドの斜視図である。
図2】指部の指先周辺の拡大図である。
図3】突起部周辺の構成を模式的に示す図である。
図4】突起部周辺の構成の変形例を模式的に示す図(その1)である。
図5】突起部周辺の構成の変形例を模式的に示す図(その2)である。
図6】突起部周辺の構成の変形例を模式的に示す図(その3)である。
図7】突起部周辺の構成の変形例を模式的に示す図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
図1は、本実施の形態によるロボットハンド1の斜視図である。ロボットハンド1は、掌部2と、3本の指部3とを含む。なお、本実施の形態においては、指部3の本数を3本とするが、指部3の本数は少なくとも2本以上であればよい。
【0020】
各指部3は、指先部10と、指基部20とを含む。なお、各指部3の構成および機構は基本的に同じであるため、以下では、主に、図1において最も下側に配置される指部3について説明する。なお、以下の説明で用いられる「内方向」および「外方向」という用語は、指部3の各構成部材を各回転軸に対して回動させる方向を示すものである。「内方向」は、各構成部材の先端側(指先側)が他の指部3に近づくように各構成部材を各回転軸に対して回動させる方向である。「外方向」とは、各構成部材の先端側(指先側)が他の指部3から遠ざかるように各構成部材を各回転軸に対して回動させる方向である。
【0021】
指基部20は、掌部2に対して回転軸C3を中心軸として回動可能に支持される。指基部20は、掌部2の内部に設けられるアクチュエータを駆動させることによって、内方向あるいは外方向に回動される。なお、本実施の形態による指基部20は、第1指基部21と、第2指基部22とに分割されている。第1指基部21は、第2指基部22に対して回転軸C2を中心軸として回動可能に支持される。
【0022】
指先部10は、指基部20(より詳しくは第1指基部21)に対して回転軸C1を中心軸として回動可能に支持される。指先部10は、指基部20の内部に設けられるアクチュエータを駆動させることによって内方向あるいは外方向に回動される。
【0023】
指先部10は、他の指部3との間に対象物を挟んで対象物を把持する。すなわち、ロボットハンド1は、3本の指部3の間の空間(以下「通常把持領域」ともいう)にある比較的大きな対象物を複数の指部3で挟んで把持することができる。
【0024】
さらに、指部3の指先には、ピンセットのように機能する一対の突起部11,30が設けられる。突起部11,30を形成する素材は限定されないが、たとえば樹脂により形成される。なお、本実施の形態においては、3本の指部3のすべてに一対の突起部11,30を設ける場合を説明するが、必ずしも3本の指部3のすべてに一対の突起部11,30を設ける必要はない。すなわち、少なくとも1本の指部3に一対の突起部11,30を設けるようにすればよい。
【0025】
突起部11は、指先部10の先端から指先部10の長手方向に沿って突出する。突起部30は、指基部20の先端に支持され、指基部20の長手方向に沿って延在し、指先部10よりも外方向側に配置される。指先部10が指基部20に対して外方向に回動することによって、突起部11,30間に対象物を挟んで把持することができる。
【0026】
すなわち、本実施の形態によるロボットハンド1は、通常把持領域にある比較的大きな対象物を複数の指部3の間に挟んで把持することができるだけでなく、各指部3の指先に設けられた一対の突起部11,30間の空間にある比較的小さな対象物(精密部品など)を一対の突起部11,30の間に挟んで把持することができる。
【0027】
図2は、指部3の指先周辺の拡大図である。図2(A)は、指部3の指先周辺を外方向側から見た斜視図である。図2(B)は、図2(A)に示す状態から突起部30を取り除いた図である。図2を参照して、突起部30および圧力センサ40について説明する。
【0028】
突起部30は、支持部31と、先端側部位32と、基端側部位33とを含む。
支持部31は、突起部30全体を指基部20(より詳しくは指基部20の先端から突出する凸部21A)に対して回動可能に支持する軸部材である。支持部31は、突起部30の先端部32Aと基端部33Aとの間に配置される。
【0029】
先端側部位32は、支持部31よりも先端側(指基部20から遠い側)に配置される部位である。基端側部位33は、支持部31よりも基端側(指基部20に近い側、すなわち支持部31に対して先端側部位32とは反対側)に配置される部位である。先端側部位32と基端側部位33とは一体的に形成される。
【0030】
圧力センサ40は、突起部11,30間に対象物を挟んで把持していることを検出するためのセンサである。圧力センサ40は、突起部30の先端側部位32を外方向へ回動させる力が突起部30の先端側部位32に加えられたことを検出する。より具体的には、圧力センサ40は、指基部20の凸部21Aにおける、突起部30の基端側部位33との対向面21B上に設けられ、突起部30の基端側部位33(基端部33A)との接触を検出する。
【0031】
図3は、支持部31の回転軸に沿う方向から見た場合の突起部30周辺の構成を模式的に示す図である。図3を参照して、突起部11,30間に対象物を挟んで把持していることを検出する原理について説明する。
【0032】
突起部11,30間に対象物を把持していない状態においては、突起部30の基端部33Aは圧力センサ40に接しない。
【0033】
一方、突起部11,30間に対象物を挟んで把持している状態においては、突起部30の先端側部位32(より詳しくは対象物と接する先端部32A)は対象物から荷重F1を受ける。この荷重F1によって、突起部30の先端側部位32は、外方向に押され、支持部31を回転中心として指先部10から離れる側に変位する。これにより、突起部30の基端側部位33は、支持部31を回転中心として指基部20の凸部21Aに近づく側に変位し、やがて突起部30の基端部33Aが圧力センサ40に当接する。
【0034】
突起部30の基端部33Aが圧力センサ40に当接すると、圧力センサ40は、突起部30の基端部33Aから荷重F2を受ける。圧力センサ40はこの荷重F2を検出する。
【0035】
したがって、圧力センサ40が荷重F2を検出した場合に突起部11,30間に対象物を把持していると判定することができる。逆に、圧力センサ40が荷重F2を検出していない場合には、突起部11,30間に対象物を把持していないと判定することができる。なお、外乱の影響を排除するために、圧力センサ40が検出した荷重F2が所定値を超えているか否かに基づいて、突起部11,30間に対象物を把持しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0036】
ここで、圧力センサ40は、指基部20の凸部21Aにおける、基端側部位33との対向面21B上に設けられる。すなわち、圧力センサ40は、突起部30の先端部32A(対象物を把持する部位)には設けられない。したがって、突起部30の先端部32Aに圧力センサ40を設ける場合に比べて、突起部30の先端部32Aの幅α(図2参照)を小型化できる。その結果、指部3の指先に設けられた一対の突起部11,30で小さな対象物を把持可能としつつ、突起部11,30の先端側の大きさ(指部3の指先)を圧力センサ40以下の小型なものにすることができる。そのため、たとえば狭いスペースにある対象物を把持する場合であっても、突起部11,30の先端部が周囲の異物に遮られることなく対象物に届き、対象物を把持することができる。
【0037】
さらに、突起部11,30間に対象物を把持する際、圧力センサ40は、どのような形状や硬さの対象物を把持する場合であっても、常に同じ部材(突起部30の基端部33A)と接触する。そのため、把持する対象物の形状や硬さによって圧力センサ40の寿命が変化してしまうことを抑制することができる。なお、突起部30の基端部33Aにおける圧力センサ40との接触面に、圧力センサ40の損傷を防ぐための緩衝部材を設けるようにしてもよい。
【0038】
さらに、本実施の形態においては、支持部31を支点、先端部32Aを力点、基端部33Aを作用点とする「てこの原理」によって、圧力センサ40に荷重F2を作用させている。したがって、支持部31の位置(より具体的には、支持部31から先端部32Aまでの長さと支持部31から基端部33Aまでの長さとの比)を調整することによって、圧力センサ40に掛かる荷重F2の大きさを調整することができる。たとえば、支持部31から先端部32Aまでの長さ(すなわち支点と力点との距離)を支持部31から基端部33Aまでの長さ(すなわち支点と作用点との距離)よりも長くすることによって、たとえ先端部32Aに掛かる荷重が微小であってもその荷重を増幅して圧力センサ40に伝達することができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態に係るロボットハンド1は、比較的大きな対象物を複数の指部3の間に挟んで把持することができるだけでなく、比較的小さな対象物を各指部3の先端に設けられた一対の突起部11,30の間に挟んで把持することができる。
【0040】
さらに、一対の突起部11,30の間に対象物を把持していることを検出するための圧力センサ40が、指基部20の凸部21Aにおける、基端側部位33との対向面21B上に設けられる。すなわち、圧力センサ40は、突起部11,30の先端側には設けられない。そのため、突起部11,30の先端側の大きさ(指部3の指先)を圧力センサ40以下に小型化できる。
【0041】
なお、上述の実施の形態は、たとえば以下のように変更することができる。
<変形例1>
各指部3において、突起部11,30間に対象物が把持されていない状態において突起部30の基端部33Aを圧力センサ40に接しない位置に保持する弾性体(板バネ、巻きバネなど)を指基部20と突起部30との間に設けるようにしてもよい。
【0042】
図4は、板バネ50を用いて突起部30を保持する場合の突起部30周辺の構成例を模式的に示す図である。図5は、巻きバネ51を用いて突起部30を保持する場合の突起部30周辺の構成例を模式的に示す図である。
【0043】
どちらの場合であっても、突起部11,30間に対象物が把持されていない状態においては、弾性体(図4の板バネ50あるいは図5の巻きバネ51など)の弾性力によって突起部30の基端部33Aが圧力センサ40に接しない位置に保持される。そのため、突起部11,30間に対象物が把持されていないにも関わらず圧力センサ40が突起部30の基端部33Aによって加圧されることを確実に抑制することができる。したがって、突起部11,30間に対象物が把持されていないにも関わらず、突起部11,30間に対象物を把持していると誤って判定されることを抑制できる。
【0044】
さらに、突起部11,30間に対象物が把持されていない状態において突起部30の位置が安定するため、精度よく対象物を把持することができる。
【0045】
なお、突起部11,30間に対象物が把持された場合には、弾性体の弾性力に抗して突起部30の基端部33Aが圧力センサ40に接するように、弾性体の弾性力は予め調整される。
【0046】
<変形例2>
上述の実施の形態においては、圧力センサ40を指基部20の凸部21A(より詳しくは対向面21B)に設けたが、圧力センサ40の位置はこれに限定されない。
【0047】
すなわち、圧力センサ40の位置は、突起部11,30間に対象物を挟んで把持する際に突起部30の基端側部位33あるいは指基部20の凸部21Aに生じる力を検出可能な位置であればよい。たとえば、圧力センサ40を、突起部30の基端側部位33における、指基部20の凸部21Aとの対向面に設けるようにしてもよい。
【0048】
<変形例3>
上述の実施の形態においては、突起部11,30間に対象物を把持していることを検出するためのセンサとして圧力センサ40を用いたが、圧力センサ40に代えてあるいは加えて、突起部30のひずみを検出するひずみセンサを用いるようにしてもよい。
【0049】
図6は、突起部11,30間に対象物を把持していることを検出するためのセンサとしてひずみセンサ41を用いる場合の突起部30周辺の構成例を模式的に示す図である。
【0050】
突起部11,30間に対象物を把持する場合、突起部30の基端部33Aが指基部20の凸部21Aに当接することによって、突起部30の基端側部位33(支持部31から基端部33Aまでの部位)にひずみが生じる。この点に着目し、突起部30の基端側部位33のいずれかの箇所にひずみセンサ41を設け、このひずみセンサ41の出力に基づいて突起部11,30間に対象物を把持していることを検出するようにしてもよい。
【0051】
要するに、突起部11,30間に対象物を把持していることを検出するためのセンサは、突起部30の基端側部位33あるいは指基部20の対向面21Bに設けられ、突起部11,30間に対象物を挟んで把持する際に突起部30の基端側部位33あるいは指基部20の対向面21Bに生じる力あるいはひずみを検出するものであればよい。
【0052】
<変形例4>
突起部11,30で対象物を把持するために突起部11,30を対象物付近に移動させる過程において、突起部30が対象物の周囲にある異物に接触してしまうおそれがある。突起部30が異物に接触した状態で突起部30をさらに移動させようとすると、突起部30が異物から過大な荷重を受け、突起部30が故障(破損)してしまうおそれがある。そのため、仮に突起部30が異物と接触した場合には、突起部30が故障する前に移動を止めることが望ましい。
【0053】
そこで、突起部11,30間に対象物を把持していることを検出する圧力センサ40に加えて、突起部30が異物に接触したことを検出するセンサをさらに備えるようにしてもよい。
【0054】
図7は、圧力センサ40に加えて、突起部30が異物に接触したことを検出する圧力センサ60をさらに備える場合の突起部30周辺の構成例を模式的に示す図である。
【0055】
突起部30の先端側部位32が意図しない異物に接触して異物から内方向に作用する荷重F3を受けると、突起部30の先端側部位32は指先部10に近づく側に変位する。これにより、突起部30の基端側部位33は、支持部31を中心として指基部20の凸部21Aから離れる側に変位する。
【0056】
この点に着目し、本変形例におけるロボットハンドは、上述の実施の形態によるロボットハンド1の構成に加えて、支持部材21Dと、圧力センサ60とをさらに備える。
【0057】
支持部材21Dは、部材21Cを介して指基部20の凸部21Aに固定され、突起部30の基端側部位33を挟んでの指基部20の凸部21Aと対向する位置に配置される。なお、本変形例においては、支持部材21Dは、弾性変形可能な素材で形成される。
【0058】
圧力センサ60は、支持部材21Dにおける、突起部30の基端側部位33との対向面に設けられ、突起部30の基端側部位33(基端部33A)によって押される力(圧力)を検出する。
【0059】
このような構成において、突起部30が異物に接触すると、突起部30の基端側部位33が圧力センサ60に接触する。したがって、圧力センサ60の出力に基づいて、突起部30の基端部33Aが圧力センサ60に接触したこと、すなわち突起部30が異物に接触したことを検出することが可能となる。
【0060】
さらに、圧力センサ60の出力に基づいて突起部30が異物に接触したことが検出された場合には、その旨を音声や映像で周囲に知らせるとともに、指部3(突起部30)の移動を停止することが可能となる。そのため、突起部30の破損を抑制することができる。
【0061】
さらに、圧力センサ60は、弾性変形可能な素材で形成される支持部材21Dを介して指基部20の凸部21Aに固定される。したがって、異物接触時に突起部30の基端部33Aから圧力センサ60が受ける力は、支持部材21Dが弾性変形することによって支持部材21Dに吸収される。これにより、突起部30が圧力センサ60から受ける反力が軽減されるため、突起部30が変形して壊れることを回避することができる。すなわち、突起部30および指基部20の凸部21Aを破損(変形)させることなく、突起部30の移動を停止することができる。
【0062】
上述した実施の形態およびその変形例については、適宜組合せることも可能である。
今回開示された実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
1 ロボットハンド、2 掌部、3 指部、10 指先部、11 突起部、20 指基部、21 第1指基部、21A 凸部、21B 対向面、21C 部材、21D 支持部材、22 第2指基部、30 突起部、31 支持部、32 先端側部位、32A 先端部、33 基端側部位、33A 基端部、40,60 圧力センサ、41 センサ、50 板バネ、51 巻きバネ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7