特開2015-229264(P2015-229264A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000003
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000004
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000005
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000006
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000007
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000008
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000009
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000010
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000011
  • 特開2015229264-カートリッジ収容装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229264(P2015-229264A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】カートリッジ収容装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20151124BHJP
【FI】
   B41J2/175 153
   B41J2/175 119
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-115601(P2014-115601)
(22)【出願日】2014年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 智康
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA18
2C056EA22
2C056EB20
2C056EB29
2C056EB36
2C056EB44
2C056EC28
2C056EC31
2C056KB05
2C056KB08
2C056KC02
2C056KC04
2C056KC05
2C056KC14
2C056KC17
2C056KD06
(57)【要約】
【課題】駆動力伝達機構からの動作音を小さくすること。
【解決手段】カートリッジ収容装置は、液体導出流路を閉塞可能な第1閉塞部材及び第2閉塞部材を備えたカートリッジを収容可能であり、中空管の先端が液体導出流路の外部に位置する第1位置と、中空管の先端が液体導出流路の内部に進入して中空管と液体収容部が連通した第2位置との間で中空管を移動させる移動手段、駆動源、及び駆動源の駆動力を移動手段に伝達する駆動力伝達機構を備えている。中空管を第1位置から移動させた後、中空管の先端が第1閉塞部材に当接する位置に到達したと判断するまでの間は第1駆動速度、その後中空管の先端が第1閉塞部材を開放する位置に到達したと判断するまでの間は第1駆動速度よりも速い第2駆動速度、中空管の先端が第2閉塞部材に当接する当接位置に到達したと判断した後は第3駆動速度でそれぞれ駆動源を駆動させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容するための液体収容部と、前記液体収容部と連通する、液体を外部に導出するための液体導出流路と、前記液体導出流路の第1部分を閉塞可能な第1閉塞部材と、前記液体導出流路の前記第1部分と前記液体収容部との間の第2部分を閉塞可能な第2閉塞部材とを備えたカートリッジを収容可能なカートリッジ収容部と、
前記カートリッジの前記液体収容部に収容された液体を導入するための中空管と、
前記中空管を、前記中空管の先端が前記カートリッジ収容部に収容された前記カートリッジの前記液体導出流路の外部に位置する第1位置と、前記中空管の先端が前記液体導出流路の内部に進入して前記中空管と前記カートリッジの前記液体収容部が連通した第2位置との間で移動させる移動手段と、
駆動源と、
前記駆動源の駆動力を前記移動手段に伝達する駆動力伝達機構と、
前記駆動源の駆動速度を制御するための駆動源制御手段と
を備えており、
前記駆動源制御手段は、
前記中空管を前記第1位置から移動させた後、前記中空管の先端が前記第1閉塞部材に当接する第1当接位置に到達したと判断するまでの間は、前記駆動源を第1駆動速度で駆動させ、
前記中空管の先端が前記第1当接位置に到達したと判断した後、前記中空管の先端が前記第1閉塞部材を開放する開放位置に到達したと判断するまでの間は、前記駆動源を前記第1駆動速度よりも速い第2駆動速度で駆動させ、
前記中空管の先端が前記第2閉塞部材に当接する第2当接位置に到達したと判断した後は、前記駆動源を第3駆動速度で駆動させることを特徴とするカートリッジ収容装置。
【請求項2】
前記第3駆動速度は、
前記第2閉塞部材を開放する際に前記中空管が前記第2閉塞部材から受ける抵抗力が、前記第1閉塞部材を開放する際に前記中空管が前記第1閉塞部材から受ける抵抗力よりも大きい場合には前記第1駆動速度及び前記第2駆動速度よりも速い駆動速度であり、
前記第2閉塞部材を開放する際に前記中空管が前記第2閉塞部材から受ける抵抗力が、前記第1閉塞部材を開放する際に前記中空管が前記第1閉塞部材から受ける抵抗力よりも小さい場合には前記第1駆動速度よりも速く、且つ前記第2駆動速度よりも遅い駆動速度であることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項3】
前記駆動源は、回転軸を有する駆動モータであり、
前記駆動力伝達機構は、
前記駆動モータの前記回転軸に連結された第1ギアと、
前記第1ギアに直接的又は間接的に噛み合う第2ギアと
を備えており
前記移動手段は、
前記第2ギアの回転動作を、前記中空管の前記第1位置と前記第2位置との間の移動動作に変換する変換機構を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項4】
前記駆動源制御手段は、
前記中空管を前記第2位置から前記第1位置に移動させるときにおいて、
前記中空管の先端が前記第1閉塞部材から離隔していないと判断しているときは、前記駆動源を第4駆動速度で駆動させ、
前記中空管の先端が前記第1閉塞部材から離隔したと判断しているときは、前記駆動源を前記第4駆動速度よりも遅い第5駆動速度で駆動させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項5】
前記駆動源制御手段は、
前記駆動源を駆動させて前記中空管を前記第1位置から移動させた時点から第1時間経過したときに前記中空管が前記第1当接位置に到達していると判断し、
前記第1時間は、前記第1位置と前記第1当接位置との間の第1制御対象距離、及び、前記駆動源を前記第1駆動速度で駆動させたときの前記中空管が前記第1位置から前記第1当接位置まで移動する間の前記中空管の移動速度に基づいて決定される時間であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項6】
前記第1制御対象距離は、前記第1位置と前記第1当接位置との間の設計距離と、前記カートリッジ収容装置の製造時において想定される前記第1位置の最大バラツキと、前記カートリッジ収容装置及び前記カートリッジの製造時に想定される前記第1当接位置の最大バラツキとに基づいて決定される距離であることを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、前記カートリッジの製造時に想定される前記第1当接位置の最大バラツキを記憶するためのカートリッジ側記憶手段を備えており、
前記駆動源制御手段は、
前記カートリッジ側記憶手段に記憶された前記第1当接位置の最大バラツキを読み取る読取手段と、
前記第1位置と前記第1当接位置との間の設計距離と、前記カートリッジ収容装置の製造時において想定される前記第1位置及び前記第1当接位置の最大バラツキそれぞれとを記憶するためのカートリッジ収容装置側記憶手段と
を更に備えており、
前記読取手段により読み取られた前記第1当接位置の最大バラツキと、前記カートリッジ収容装置側記憶手段に記憶された前記設計距離並びに前記第1位置及び前記第1当接位置の最大バラツキとに基づいて前記第1制御対象距離を決定し、この第1制御対象距離、及び、前記駆動源を前記第1駆動速度で駆動させたときの前記第1位置と前記第1当接位置との間における前記中空管の移動速度に基づいて前記第1時間を算出することを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項8】
前記駆動源制御手段は、
前記中空管が前記第1当接位置に到達していると判断した時点から第2時間経過したときに前記中空管が前記開放位置に到達していると判断し、
前記第2時間は、前記第1当接位置と前記開放位置との間の第2制御対象距離、及び、前記駆動源を前記第2駆動速度で駆動させたときの前記中空管が前記第1当接位置から前記開放位置まで移動する間の前記中空管の移動速度に基づいて決定される時間であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項9】
前記カートリッジは、前記中空管が前記開放位置に配置されているか否かを検出する、又は、前記中空管が前記開放位置から前記第2位置に向けて移動することで変化する情報を検出するためのセンサを更に備えており、
前記駆動源制御手段は、
前記センサの検出結果を受信するための受信手段を更に備えており、
前記受信手段が受信した前記センサの検出結果に基づき、前記中空管が前記開放位置に到達しているか否かを判断することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項10】
前記カートリッジは、前記液体導出流路の内部における、前記第1部分と前記液体収容部との間の所定範囲内において移動可能に設けられ、前記中空管が前記開放位置から前記第2位置に移動される期間の少なくとも一部期間において前記中空管に押されることによって移動する、磁性材料の移動体を備えており、
前記センサは、前記移動体が前記液体導出流路の内部を移動することで変化する磁界を検出するための磁界検出センサであることを特徴とする請求項9に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項11】
前記第2閉塞部材を開放する際に前記中空管が前記第2閉塞部材から受ける抵抗力が、前記第1閉塞部材を開放する際に前記中空管が前記第1閉塞部材から受ける抵抗力よりも小さく、且つ、
前記第2閉塞部材は、
前記移動体によって構成される弁体と、
前記弁体を前記液体導出流路の導出口に向けて付勢する付勢部材と、
前記弁体が接触したときに遮断され、前記弁体が離隔したときに開放される開口を備えた弁座とを備えた弁部材であり、
前記駆動源制御手段は、
前記磁気検出センサの検出結果に基づいて、前記中空管が前記第2当接位置に到達しているか否かを判断することを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項12】
前記駆動源制御手段は、
前記中空管が前記第1当接位置に到達していると判断したときからの、前記磁気検出センサにより検出される磁界の変化量が所定量以上になったときに、前記中空管が前記開放位置に到達したと判断することを特徴とする請求項10又は11に記載のカートリッジ収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容するカートリッジを収容可能なカートリッジ収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インクカートリッジを装着可能な装着部(カートリッジ収容部)を備えたインクジェットプリンタが記載されている。具体的には、この装着部に装着されるインクカートリッジは、インクが収容されるインク収容部(液体収容部)と、インク収容部と連通するインク導出管(液体導出流路)と、インク導出管内に設けられた第1バルブ及び第2バルブ(第1及び第2閉塞部材)とを備えている。インクジェットプリンタが備える装着部には中空針(中空管)が設けられている。そして、インクカートリッジを装着部に装着させる動作により、中空針がインク導出管内に進入して、第1バルブ及び第2バルブが開放されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−156726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明者は、特許文献1のようにカートリッジをカートリッジ収容部に装着(収容)させる動作により中空管を液体導出流路内に進入させる態様ではなく、カートリッジ収容部に収容されたカートリッジに対して、中空管自体を移動させることで、中空管を液体導出流路の内部に進入させる態様について見出した。詳細には、この態様では、中空管を移動可能な移動手段、駆動源、駆動源の駆動力を移動手段に伝達する駆動力伝達機構、及び駆動源を制御するための駆動源制御手段を備えている。そして、駆動源制御手段により駆動源を制御することで、中空管を液体導出流路内に進入させて、液体導出流路に設けられた第1及び第2閉塞部材を開放させる。
【0005】
ここで、本願の発明者は、駆動源を一定の駆動速度で駆動して、中空管を液体導出流路内に進入させて液体導出流路に設けられた第1及び第2閉塞部材を開放させた場合、この中空管を移動させている間、駆動力伝達機構からの動作音が常に大きいという問題点があることを新たに知見した。
【0006】
そこで、本発明の目的は、駆動力伝達機構からの動作音を小さくすることが可能なカートリッジ収容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のカートリッジ収容装置は、液体を収容するための液体収容部と、前記液体収容部と連通する、液体を外部に導出するための液体導出流路と、前記液体導出流路の第1部分を閉塞可能な第1閉塞部材と、前記液体導出流路の前記第1部分と前記液体収容部との間の第2部分を閉塞可能な第2閉塞部材とを備えたカートリッジを収容可能なカートリッジ収容部と、前記カートリッジの前記液体収容部に収容された液体を導入するための中空管と、前記中空管を、前記中空管の先端が前記カートリッジ収容部に収容された前記カートリッジの前記液体導出流路の外部に位置する第1位置と、前記中空管の先端が前記液体導出流路の内部に進入して前記中空管と前記カートリッジの前記液体収容部が連通した第2位置との間で移動させる移動手段と、駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記移動手段に伝達する駆動力伝達機構と、前記駆動源の駆動速度を制御するための駆動源制御手段と備えており、前記駆動源制御手段は、前記中空管を前記第1位置から移動させた後、前記中空管の先端が前記第1閉塞部材に当接する第1当接位置に到達したと判断するまでの間は、前記駆動源を第1駆動速度で駆動させ、前記中空管の先端が前記第1当接位置に到達したと判断した後、前記中空管の先端が前記第1閉塞部材を開放する開放位置に到達したと判断するまでの間は、前記駆動源を前記第1駆動速度よりも速い第2駆動速度で駆動させ、前記中空管の先端が前記第2閉塞部材に当接する第2当接位置に到達したと判断した後は、前記駆動源を前記第3駆動速度で駆動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
駆動力伝達機構からの動作音は、駆動源の駆動速度が速いほど大きい。ここで、第1位置から第1当接位置までの間において中空管を単位距離移動させる際に必要な力は、第1当接位置から開放位置までの間、及び第2当接位置から第2位置までの間それぞれにおいて中空管を単位距離移動させる際に必要な力よりも小さい。また、第1当接位置から開放位置までの間、及び第2当接位置から第2位置までの間それぞれにおいて中空管を単位距離移動させる際に必要な力は、第1閉塞部材及び第2閉塞部材それぞれを開放する際に中空管がこれらから受ける抵抗力に依存する。そこで、本発明においては、中空管を第1位置から移動させた後、中空管が第1当接位置に到達していると判断するまでの期間の駆動源の第1駆動速度を、第2駆動速度よりも遅くすることで、この期間に駆動力伝達機構から発生する動作音を小さくすることができる。また、中空管が第1当接位置に到達していると判断した後、中空管が開放位置に到達していると判断するまでの期間における駆動源の第2駆動速度、及び、中空管が第2当接位置に到達していると判断した後の期間における駆動源の第3駆動速度を適当に設定することで、何れか一方の期間の駆動力伝達機構から発生する動作音を小さくすることが可能となる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るカートリッジ収容装置を備えたインクジェットプリンタの概略構成図である。
図2】(a)は図1に示すカートリッジ収容部に収容可能なカートリッジを示す斜視図であり、(b)はカートリッジの内部を示す概略構成図である。
図3】中空管及びカートリッジの部分断面図であり、(a)は中空管が第1位置、(b)は中空管が第2当接位置、(c)は中空管が第2位置に配置されたときの図である。
図4】(a)はカートリッジがカートリッジ収容部に収容された際の部分平面図であり、(b)は中空管を移動させる移動機構及び当該移動機構に駆動源の駆動力を伝達する駆動力伝達機構を示す斜視図である。
図5図4(b)に示す移動機構及び駆動力伝達機構の下面図であり、(a)は回転カムが原点位置、(b)は回転カムが最大回転位置にあるときの図である。
図6】インクジェットプリンタ及びカートリッジの電気的構成を示すブロック図である。
図7】(a)は比較実施例に係る第1スイッチ、第2スイッチ、及び駆動源の駆動速度それぞれの挿入処理の際のタイムチャートであり、(b)は本実施形態に係る第1スイッチ、第2スイッチ、磁気検出センサ及び駆動源の駆動速度それぞれの挿入処理の際のタイムチャートであり、(c)は本実施形態に係る第1スイッチ、第2スイッチ、磁気検出センサ及び駆動源の駆動速度それぞれの取り外し処理の際のタイムチャートである。
図8】カートリッジ収容装置のカバーが開状態から閉状態に切り換った際の、カートリッジ収容装置の動作フロー図である。
図9】カートリッジ収容装置のカバーが閉状態から開状態に切り換った際の、カートリッジ収容装置の動作フロー図である。
図10】変形例に係るカートリッジの部分断面図であり、(a)は中空管が第1当接位置、(b)は中空管が開放位置、(c)は中空管が第2当接位置に配置されたときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係るカートリッジ収容装置60を備えたインクジェットプリンタ101(以下、プリンタ101)は、図1に示すように、直方体形状の筐体101aを有しており、その筐体101aの天板上部には排紙部15が設けられている。また、筐体101a内は、上から順に3つの空間A,B,Cに区分されている。空間Aには、ブラックのインクを吐出するインクジェットヘッド2、用紙Pを搬送するための搬送機構21、及びプリンタ101全体の動作を司る制御装置100が配置されている。空間Bには用紙Pを給紙するための給紙機構25が配置され、空間Cにはカートリッジ30を収容可能なカートリッジ収容装置60が配置されている。
【0011】
インクジェットヘッド2(以下、ヘッド2)は、主走査方向に沿って延在しており、フレーム3を介して筐体101aに支持されている。すなわち、このプリンタ101は、ライン式のモノクロインクジェットプリンタである。ヘッド2は、圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室のインクに圧力を与えるアクチュエータとが貼り合わされた積層体を有している。そして、ヘッド2の底面は、インクを吐出する複数の吐出口が形成された吐出面2aとなっている。ヘッド2は、内部のインク流路と連通する可撓性のチューブ(不図示)と接続されている。このチューブは、後述のインク供給路64(図3参照)と接続されている。本実施形態において、副走査方向とは後述する搬送機構21のニップローラ23c,23dで用紙Pを搬送するときの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは副走査方向に直交する方向であって水平面に沿った方向である。
【0012】
給紙機構25は、複数枚の用紙Pを収納することが可能な給紙トレイ26と、給紙トレイ26に取り付けられた給紙ローラ27とを有している。給紙ローラ27は、制御装置100による制御の下、給紙モータ126(図6参照)の駆動により回転して給紙トレイ26の最も上方にある用紙Pを送り出す。
【0013】
搬送機構21は、ガイド22と、ニップローラ23a〜23fとを含んでいる。ガイド22は、給紙機構25からヘッド2とプラテン19との間を通過して排紙部15まで至る用紙Pの搬送経路を規定する。ニップローラ23a〜23fは、搬送経路に沿って配置されており、制御装置100による制御の下、搬送モータ125(図6参照)の駆動により回転して、給紙機構25により送り出された用紙Pに搬送力を付与する。この搬送機構21によって搬送された用紙Pがヘッド2の吐出面2aとプラテン19との間を通過する際に、制御装置100による制御の下、ヘッド2の吐出口からインクが吐出され、用紙Pに所望のモノクロ画像が形成される。画像が形成された用紙Pは、搬送機構21によってさらに搬送されて排紙部15に排出される。
【0014】
次に、カートリッジ収容装置60を説明するに先立って、当該カートリッジ収容装置60に着脱可能に収容されるカートリッジ30について図2図3及び図6を参照しつつ説明する。なお、図6においては、電力供給線を太線で示し、信号線を細線で示している。
図2に示すように、カートリッジ30は、略直方体形状の筐体31と、筐体31内に配置され内部にインクが充填(収容)されたインク袋(液体収容部)32、一端においてインク袋32と連通するインク導出管33、第1閉塞部材40(図3参照)、及び第2閉塞部材50(図3参照)を有している。
【0015】
筐体31は、図2(b)に示すように、内部に2つの部屋31a,31bが形成されるように区画されており、右方の部屋31aにインク袋32が配置されて、他方の部屋31bにはインク導出管33が配置されている。インク導出管33は、互いに連結された管34及び管35を含み、これら管34及び管35の内部に、図3に示すように、副走査方向に沿って延在しインク袋32と連通するインク流路(液体導出流路)33aが形成されている。即ち、インク流路33aは、管34内の空間と管35内の空間との連続した2つの空間からなる。
【0016】
管35は、主走査方向に延在した円筒状の主部35a、及び、中央に円形の開口を有する円盤状のフランジ35bを含む。管34は、主走査方向に延在した円筒状の主部34a、及び、中央に円形の開口を有する円盤状のフランジ34bを含む。主部34aの一端には接続部32aが嵌合し、主部34aの他端にはフランジ34bを介して管35のフランジ35bが嵌合している。フランジ34bは、主部34aの他端の開口周縁から外側に延出しており、Oリング38aが設けられた環状突起38が形成されている。これにより、図2(b)に示すように、筐体31と環状突起38との間がOリング38aによってシールされる。
【0017】
第1閉塞部材40は、主部35aの先端部分(第1部分)のインク流路33aを閉塞可能な部材であり、図3に示すように、略円柱状の栓41を含む。栓41は、ゴム等の弾性材料からなり、主部35aの先端の開口(インク流路33aの導出口)35xを塞ぐように圧縮状態で設けられている。栓41は、開口35x内に配置された部分と、開口35x外に配置された部分とを含む。主部35aの先端及び栓41の外側にはキャップ36が設けられている。このキャップ36が主部35aの先端に嵌合した栓41を覆うことにより、栓41の主部35aからの脱落が防止される。なお、キャップ36の中央には開口36aが形成されており、開口36aを介して栓41の先端面が露出している。
【0018】
第2閉塞部材50は、管34内に配置されており、この管34(第2部分)のインク流路33aを閉塞可能な弁部材である。第2閉塞部材50は、Oリング51(弁座)、弁体52、及びコイルバネ53を含む。Oリング51は、ゴム等の弾性材料からなり、管34内の内周面において栓41と接触した状態で固定されている。このOリング51は、弁体52と栓41との間に介在している。弁体52は、磁性材料からなる球体であり、管34の内径よりも一回り小さい直径を有する。また、弁体52は、栓41とインク袋32との間の所定範囲である管34内において副走査方向に沿って移動可能な移動体である。コイルバネ53は、一端が弁体52と接触し、他端が管34内において内周面から内側に突出した環状突起34cと接触しており、常に弁体52をOリング51に向けて付勢している。つまり、コイルバネ53は弁体52を開口36aに向う方向に付勢しており、弁体52がOリング51と接触することで、インク流路33aの連通を遮断している。すなわち、管34と管35との連通が遮断され第2閉塞部材50が閉状態となる。
【0019】
なお、第1閉塞部材40及び第2閉塞部材50を構成する要素が副走査方向に沿って一直線上に並んでいるため、後述する中空管65のカートリッジ30に対する挿入によって第1閉塞部材40及び第2閉塞部材50の双方を閉状態から開状態への切り換えが可能にされている。また、本実施形態では、第1閉塞部材40を開放する際に中空管65が第1閉塞部材40から受ける抵抗力が、第2閉塞部材50を開放する際に中空管65が第2閉塞部材50から受ける抵抗力よりも大きい。即ち、第1閉塞部材40の栓41を中空管65に貫通させる際において中空管65を単位距離移動させるのに必要な力は、第2閉塞部材50の弁体52と接触しながらコイルバネ53の付勢力に抗して中空管65を単位距離移動させるのに必要な力よりも大きい。
【0020】
以上の構成において、カートリッジ30がカートリッジ収容装置60に収容された際において、後述する中空管65が移動機構80により副走査方向に沿ってカートリッジ30に近づく方向に移動されると、中空管65が、開口36aを介して栓41の略中心を副走査方向に貫通する(図3(b)参照)。このとき、第1閉塞部材40がインク流路33aを閉塞する閉状態から、インク流路33aを開放する開状態に切り換わる。第1閉塞部材40が開状態にあるとき、中空管65の先端に設けられた孔65bがインク流路33a内に配置され、孔65bを介して、中空部65aとインク流路33aにおいて第2閉塞部材50よりも第1閉塞部材40側の部分とが連通する。なお、中空管65は、孔65bが栓41を貫通することでインク流路33aと連通するが、第2閉塞部材50が開状態となるまでは中空部65aにインク袋32内のインクが流入する状態にならない。また、このとき、栓41は、中空管65による貫通孔が形成されるが、当該貫通孔の周囲が弾性により中空管65の外周面に密着する。これにより、栓41の貫通孔と中空管65との間からのインク漏れが防止される。
【0021】
この後、中空管65の先端が、弁体52に当接する。そして中空管65のインク流路33a内へのさらなる進入により、弁体52が中空管65に押されることによって移動し、弁体52がOリング51から離隔する。このときに、第2閉塞部材50が閉状態から開状態に切り換わる。第2閉塞部材50が開状態にあるとき、インク流路33aにおける、管34の一端からOリング51までの空間と、Oリング51から栓41までの空間とが連通し、インク袋32に貯留されたインクを外部に導出することが可能となる。即ち、図3(c)に示すように第1閉塞部材40及び第2閉塞部材50が共に開状態にあるとき、インク袋32と中空管65とが連通する。これによりヘッド2にインクを供給することが可能となる。
【0022】
これに対して、カートリッジ30をカートリッジ収容装置60から取り外す際において、後述する中空管65が移動機構80により副走査方向に沿ってカートリッジ30から離隔する方向に移動されると、弁体52がコイルバネ53の付勢によってOリング51に近づく方向に移動する。そして、弁体52とOリング51とが接触するときに、第2閉塞部材50が開状態から閉状態に切り換わる。そして、さらに中空管65が離隔する方向に移動すると中空管65が栓41から離隔する。これにより、中空管65とインク流路33aとの連通が遮断される。このとき、栓41の貫通孔は当該貫通孔の周囲部分の弾性によりインク漏れが防止される程度に小さくなる。
【0023】
図4(a)に示すように、筐体31における部屋31aの開口36a側の側面には、接点91及び電力入力部92が設けられている。接点91は、図6に示すように、後述の磁気検出センサ66及びメモリ141と電気的に接続されている。電力入力部92は、磁気検出センサ66及びメモリ141と電気的に接続されており、後述の電力出力部162と電気的に接続されることにより磁気検出センサ66及びメモリ141に電力を供給する。
【0024】
また、筐体31の部屋31bには、接点91に接続された磁気検出センサ66が設けられている。磁気検出センサ66は、ホール素子からなり、制御装置100から接点91を介して送信された信号に基づく電圧で駆動される。図3(a)に示すように、弁体52がOリング51に接触して第2閉塞部材50が閉状態であるとき、磁気検出センサ66が検出する磁界の強度は大きく、磁気検出センサ66は最も大きい電圧値(以下、最大電圧値:本実施形態では3.3V)を示す信号を制御装置100に出力する。弁体52がOリング51から離隔して図3中左方向に移動することで、弁体52と磁気検出センサ66との距離が遠ざかるに伴い、磁気検出センサ66が検出する磁界の強度が小さくなり、磁気検出センサ66から出力される信号を示す電圧値が低くなる。変形例として、弁体52がOリング51に接触しているときに最も小さい電圧値を示す信号を制御装置100に出力し、弁体52がOリング51から離隔して図3中左方向に移動するに伴い、磁気検出センサ66から出力される信号を示す電圧値が大きくなるように構成されていてもよい。
以上のように、制御装置100は、磁気検出センサ66から受信した、被検出部材である弁体52との距離に応じて変化する磁界の強度に比例した電圧値に基づいて、弁体52の位置を判断することが可能となる。なお、本実施形態では、制御装置100のRAM123に最大電圧値に係る情報が予め記憶されている。
【0025】
次に、カートリッジ収容装置60について、図1図4及び図5を参照しつつ説明する。なお、図5は駆動力伝達機構75及び移動機構80の下面図である。カートリッジ収容装置60は、図4に示すように、カートリッジ収容部61、中空管65、駆動源70、駆動力伝達機構75、移動機構80、及び駆動源制御装置120(図6参照)を備えている。カートリッジ収容部61は、図1に示すように、カートリッジ30が収容可能な凹部62、及びカバー63を有している。凹部62の開口62aは、カートリッジ30が挿入される挿入口である。本実施形態では、プリンタ101は、カートリッジ収容部61に対するカートリッジ30の挿抜が、副走査方向に沿って行われるように構成されている。
【0026】
カバー63は、開口62aの下端の水平軸を支点として開閉可能に構成されている。このカバー63の開閉はユーザにより行われる。なお、カートリッジ30を交換する際には、ユーザがカバー63を開けて、カートリッジ収容部61からカートリッジ30を取り外して、新しいカートリッジ30を装着すればよい。また、凹部62の開口62aには、制御装置100(駆動源制御装置120)に接続された開閉センサ170が設けられている。この開閉センサ170は、カバー63に接触するか否かでカバー63の開閉を検出するメカスイッチであり、その検出結果を制御装置100に出力する。この信号を受けることで、制御装置100は、カバー63の開閉を検出することが可能となる。
【0027】
凹部62の底部には、図4(a)に示すように、制御装置100と電気的に接続された接点161と、プリンタ本体に設けられた電源130(図6参照)からの電力を出力する電力出力部162とが設けられている。この電源130は、筐体101a内に設けられており、プリンタ101の各部への電力供給を行う。接点161は、接点91と対向する位置に配置されており、カートリッジ30がカートリッジ収容部61に装着されたときに接点91と電気的に接続される。これにより、カートリッジ30及びプリンタ101間の信号の送受信が可能になる。電力出力部162は、電力入力部92と対向する位置に配置されており、接点161と同様に、カートリッジ30がカートリッジ収容部61に装着されたときに電力入力部92と電気的に接続される。これにより、電源130から、電力出力部162及び電力入力部92を介して、磁気検出センサ66及びメモリ141に電力が供給される。
【0028】
中空管65は、カートリッジ30のインク袋32に収容されたインクを導入するための管であり、図3に示すように、副走査方向に沿って延在し、且つカートリッジ30のインク導出管33と対向する位置に配置されている。中空管65には、インク供給路64と連通する中空部65aと、先端近傍に外部と中空部65aとを連通させる孔65bとが形成されている。
【0029】
駆動源70は、図4(b)に示すように、正逆方向に回転可能な駆動モータであり、駆動源制御装置120による制御の下、その回転方向及び駆動速度が制御される。駆動力伝達機構75は、駆動源70の駆動力を移動機構80に伝達する機構であり、ギア76a〜76eを備えている。ギア76a(第1ギア)は、駆動源70の回転軸70aに連結されたモータピニオンである。ギア76bはギア76aに、ギア76cはギア76bに、ギア76dはギア76cに、ギア76eはギア76dにそれぞれ直接的に噛合している。即ち、ギア76e(第2ギア)は、ギア76b〜ギア76dを介してギア76aと間接的に噛合している。従って、駆動源70が駆動されると、駆動源70の駆動力がギア76a〜76dを介してギア76eに伝達されて、ギア76eが回転される。
【0030】
移動機構80は、中空管65の先端がカートリッジ収容部61に収容されたカートリッジ30のインク流路33aの外部に位置する第1位置(図3(a)参照)と、中空管65の先端がインク流路33aの内部に進入して中空管65とカートリッジ30のインク袋32が連通した第2位置(図3(c)参照)との間で中空管65を副走査方向に沿って移動させる機構であり、支持体81及び変換機構82を備えている。支持体81は、中空管65を支持するとともに、副走査方向に沿ってのみ移動可能となるよう規制部材(不図示)でガイドされている。
【0031】
変換機構82は、ギア76eの回転動作を直線動作に変換して、支持体81を副走査方向に沿って移動させる機構であり、ギア76eの内部に配置された回転カム83と、支持体81の下面にその上端が固定されたスライダ84とを備えている。回転カム83は、図5に示すように、その回転軸85がギア76eの回転軸と同一軸上にあり、ギア76eの回転に伴い回転される。この回転カム83は、スライダ84が係合されるカム溝83aを有している。カム溝83aは回転軸85の周縁を基端位置、当該基端位置よりも回転カム83の外周側を先端位置として、当該基端位置から回転軸85周りに渦巻き状に先端位置に向けて延出されている。
【0032】
回転カム83が図5(a)の位置(以下、原点位置)にある状態では、スライダ84はカム溝83aの基端位置と係合している。このとき、中空管65は第1位置(図3(a)参照)に配置されている。つまり、この状態では、中空管65の先端は、カートリッジ収容部61に収容されたカートリッジ30におけるインク流路33aの外部に配置されており、第1閉塞部材40及び第2閉塞部材50それぞれはインク流路33aを閉塞する閉状態にある。即ち、インク袋32と中空管65とは連通していない。
【0033】
図5(a)の状態から、駆動源70が駆動されてギア76eが回転されることで、回転カム83が時計回りの方向に回転すると、スライダ84がカム溝83aの内面から力を受けて、スライダ84(支持体81)が図中左方向へ移動する。これに伴い、中空管65が第1位置から第2位置に向けて移動することになる。そして、回転カム83が図5(b)の位置(以下、最大回転位置)にある状態になると、スライダ84はカム溝83aの先端位置と係合する。このとき、中空管65は第2位置(図4(c)参照)に配置されている。つまり、この状態では、中空管65の先端は、カートリッジ収容部61に収容されたカートリッジ30におけるインク流路33aの内部に進入しており、第1閉塞部材40及び第2閉塞部材50それぞれはインク流路33aを開放する開放状態となり、インク袋32と中空管65とが連通している。また、回転カム83が最大回転位置にある状態から、回転カム83が反時計回りの方向に回転すると、中空管65が第2位置から第1位置に向けて移動することになる。なお、以下においては、回転カム83を時計回りの方向に回転させる駆動源70の回転方向を正方向、回転カム83を反時計回りの方向に回転させる駆動源70の回転方向を逆方向とする。
【0034】
カートリッジ収容装置60は、回転カム83の原点位置検出用の第1スイッチ88、及び回転カム83の最大回転位置検出用の第2スイッチ89を有する。また、回転カム83は、その外周部に、第1スイッチ88及び第2スイッチ89それぞれを操作するための凸部83bを有する。第1スイッチ88及び第2スイッチ89それぞれは、回転カム83がある角度位置にあるときに、回転カム83の凸部83bに接触してスイッチがON状態となり、別の角度位置では、回転カム83の凸部83bがスイッチから離れてスイッチがOFF状態となる。本実施形態では、第1スイッチ88がON状態となる角度位置が回転カム83の原点位置、即ち中空管65が第1位置となる位置に設定されている。また第2スイッチ89がON状態となる角度位置が、回転カム83の最大回転位置、即ち中空管65が第2位置となる位置に設定されている。従って、制御装置100(駆動源制御装置120)は、第1スイッチ88及び第2スイッチ89からの信号に基づいて、中空管65が第1位置及び第2位置に配置されていることをそれぞれ認識することが可能となる。
【0035】
駆動源制御装置120は、駆動源70の回転方向及び駆動速度が制御する装置であり、制御装置100の一部である。制御装置100は、図6に示すように、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123等を有する。ROM122には、CPU121が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM123には、プログラム実行時に必要なデータが一時的に記憶される。制御装置100は、外部装置(PC等)からの記録指令に従い、用紙Pに画像を記録する記録処理(搬送モータ125、給紙モータ126、及びヘッド2の制御等)を行う。
【0036】
また、制御装置100は、カートリッジ収容部61に収容されたカートリッジ30に対して中空管65を挿抜させる挿抜処理を行う。具体的には、制御装置100は、カートリッジ収容部61にカートリッジ30が収容された状態で、カバー63が開状態から閉状態に切り換った際には、中空管65を第1位置から第2位置に移動させる挿入処理を行う。この挿入処理では、制御装置100は、第2スイッチ89がOFF状態からON状態に切り換わるまで駆動源70を正方向に回転駆動させる。また、制御装置100は、カートリッジ収容部61にカートリッジ30が収容された状態で、カバー63が閉状態から開状態に切り換った際には、中空管65を第2位置から第1位置に移動させる取り外し処理を行う。この取り外し処理では、制御装置100は、第1スイッチ88がOFF状態からON状態に切り換わるまで、駆動源70を逆方向に回転駆動させる。
【0037】
ここで、本願発明者は、図7(a)に示すように上記挿入処理において駆動源70を一定の駆動速度で駆動させる態様の場合、駆動力伝達機構75等からの動作音(ギア76a〜76eの噛み合う音)が常に大きくなることを知見した。以下、具体的に説明する。
中空管65を第1位置から第2位置まで移動させる挿入処理において、当該中空管65を単位距離移動させるのに必要な力はその移動区間によって異なる。詳細には、第1位置と第2位置との間の移動範囲は、中空管65を単位距離移動させるのに必要な力の大きさに応じて、第1位置と中空管65の先端が第1閉塞部材40の栓41に当接する位置(図3(a)の鎖線で示す位置:以下、第1当接位置)との間の移動区間(以下、第1移動区間)、第1当接位置と中空管65の先端が栓41を開放する開放位置との間の移動区間(以下、第2移動区間)、開放位置と中空管65の先端が第2閉塞部材50の弁体52に当接する第2当接位置(図3(b)参照)との間の移動区間(以下、第3移動区間)、及び第2当接位置と第2位置との間の移動区間(以下、第4移動区間)の4つの移動区間に分けることができる。
【0038】
第1移動区間では、中空管65はカートリッジ30と接触していないため、この移動区間を移動させる際にカートリッジ30から抵抗力を受けない。一方で、第2移動区間〜第4移動区間では、中空管65はカートリッジ30と接触しているため、これらの移動区間を移動させる際にカートリッジ30から抵抗力を受ける。詳細には、第2移動区間では第1閉塞部材40の栓41の貫通に係る抵抗力、第3移動区間では栓41を通過する際の栓41との間の摩擦力に係る抵抗力、第4移動区間では栓41との間の摩擦力に係る抵抗力及び第2閉塞部材50の弁体52をコイルバネ53の付勢に抗して移動させる際の抵抗力を中空管65はカートリッジ30からそれぞれ受けることになる。なお、先に少し触れたように、本実施形態では第1閉塞部材40を開放する際に中空管65が第1閉塞部材40から受ける抵抗力は、第2閉塞部材50を開放する際に中空管65が第2閉塞部材50から受ける抵抗力よりも大きい。従って、第2移動区間が中空管65を単位距離移動させるのに必要な力が最も大きい移動区間となる。以上のように、第1移動区間〜第4移動区間それぞれの区間において中空管65がカートリッジ30から受ける抵抗力が異なるため、それぞれの移動区間において中空管65を単位距離移動させるのに必要な力も異なることになる。
【0039】
ここで、挿入処理において駆動源70を一定の駆動速度で駆動させる態様の場合、図7(a)に示すように、その駆動速度は第2移動区間に対応した高速な駆動速度(以下、第2駆動速度)に設定する必要がある。このため、中空管65が第1位置から第2位置に移動するまでの間、高速な第2駆動速度で駆動源70が駆動されることになるため、駆動力伝達機構75からの動作音が常に大きくなる。
そこで、本実施形態では、挿入処理において駆動源70を一定の駆動速度で駆動させるのではなく、制御装置100が挿入処理中において中空管65が何れの移動区間を移動しているのかを判断し、その移動区間に応じて駆動源70の駆動速度を変更するように構成されている。
【0040】
ここで、本実施形態では、第3移動区間は、その距離が第2閉塞部材50のOリング51の副走査方向の厚み以下しかなく、他の3つの移動区間よりも極めて短い。即ち、中空管65が開放位置に到達するタイミングと、中空管65が第2当接位置に到達するタイミングは略同じである。そこで、本実施形態では、第2移動区間と第3移動区間を合わせた移動区間を併合移動区間とする。そして、制御装置100は、挿入処理において、中空管65が第1移動区間、併合移動区間、及び第4移動区間の3つの移動区間の何れの移動区間を移動しているかを判断し、それぞれの移動区間に予め設定された駆動速度で駆動源70を駆動するように構成されている。
【0041】
次に、第1移動区間、併合移動区間、及び第4移動区間それぞれに設定された駆動源70の駆動速度について図7(b)を参照しつつ説明する。中空管65を単位距離移動させるのに必要な力が最も大きい第2移動区間を含む併合移動区間の駆動源70の駆動速度については、上述の第2駆動速度が設定されている。また、第3移動区間の駆動源70の駆動速度については、第3移動区間において中空管65を単位距離移動させるのに必要な力は、第2移動区間において中空管65を単位距離移動させるのに必要な力よりも小さいため、第2駆動速度よりも遅い第3駆動速度が設定されている。また、第1移動区間の駆動源70の駆動速度については、第1移動区間は中空管65を単位距離移動させる際の力が最も小さい移動区間であるため、第2駆動速度及び第3駆動速度よりも遅い第1駆動速度が設定されている。
【0042】
なお、本実施形態では、制御装置100は、挿入処理に際して、第1移動区間及び併合移動区間の境界である第1当接位置に中空管65が到達しているか否かを、中空管65を第1位置から移動させた時点(第1スイッチ88がON状態からOFF状態に切り換った時点:移動開始時点)からの経過時間により判断する。詳細には、中空管65を第1位置から移動させた時点から外部移動時間(第1時間)経過したときに中空管65が第1当接位置に到達していると判断する。なお、外部移動時間は、第1位置と第1当接位置との間の制御対象距離を、駆動源70を第1駆動速度で駆動させたときの中空管65が第1位置から第1当接位置まで移動する間の中空管65の移動速度で除算して得られる時間である。
【0043】
ところで、カートリッジ収容装置60(プリンタ101)の製造誤差により第1位置や第1当接位置にはバラツキが生じる。同様に、カートリッジ30の製造誤差により第1当接位置にはバラツキが生じる。その結果として、第1位置と第1当接位置との間の実際の距離がこれらの製造誤差によりバラツキが生じる。このため、第1位置と第1当接位置との間の制御対象距離と、実際の距離との間に大きな差が生じる可能性がある。即ち、移動開始時点から外部移動時間経過した時点と、中空管65が第1当接位置に実際に到達した時点との間に大きな時間差が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、カートリッジ30の製造時に想定される第1当接位置の最大バラツキ(以下、カートリッジ側最大バラツキ)をカートリッジ30のメモリ141(カートリッジ側記憶手段)に予め記憶し、カートリッジ収容装置60の製造時に想定される第1位置及び第1当接位置の最大バラツキ(以下、装置側最大バラツキ)、及び第1位置と第1当接位置との間の設計距離をRAM123(カートリッジ収容装置側記憶手段)に予め記憶している。そして、カートリッジ30がカートリッジ収容部61に収容された際に、制御装置100が、接点91,161を介してメモリ141に記憶されているカートリッジ側最大バラツキを読み取り、この読み取ったカートリッジ側最大バラツキと、RAM123に記憶されている、装置側最大バラツキと設計距離とに基づいて、第1位置と第1当接位置との間の上記制御対象距離を決定する。そして、制御装置100は、決定した制御対象距離と上述の中空管65の移動速度に基づいて、上記外部移動時間を算出する。これにより、移動開始時点から外部移動時間経過した時点と、中空管65が第1当接位置に実際に到達した時点との間の時間差を小さくすることができる。なお、算出された外部移動時間はRAM123に記憶される。
【0044】
また、本実施形態では、制御装置100は、挿入処理に際して、併合移動区間及び第4移動区間の境界である第2当接位置(開放位置)に中空管65が到達しているか否かを、磁気検出センサ66から受信した信号に基づき判断する。先に少し触れたように、磁気検出センサ66から受信する信号が示す電圧値は、弁体52がOリング51から離隔して図3中左方向に移動するのに伴い低くなる。即ち、磁気検出センサ66から受信する信号が示す電圧値は、中空管65が第2当接位置に到達して弁体52と接触した後に変化する。そこで、制御装置100は、磁気検出センサ66から受信する信号が、最大電圧値を示す信号から当該最大電圧値から所定電圧低い電圧値(以下、判定電圧値)を示す信号に変化した場合に、中空管65が第2当接位置に到達していると判断する。
【0045】
また、本願発明者は、中空管65を第2位置から第1位置に移動させる取り外し処理についても、上記挿入処理と同様に駆動源70を一定の駆動速度で駆動させる態様の場合、駆動力伝達機構75等からの動作音が常に大きくなることに知見した。詳細には、取り外し処理においても、第1位置と第2位置との間の移動範囲は、中空管65を単位距離移動させるのに必要な力の大きさに応じて、第1移動区間から第4移動区間の4つの移動区間に分けることができる。ここで、本実施形態では、取り外し処理においては、中空管65がカートリッジ30から受ける抵抗力の第2移動区間〜第4移動区間それぞれの区間同士の差は、挿入処理のときの差よりも小さい。そこで、制御装置100は、取り外し処理においては、図7(c)に示すように、中空管65が第2移動区間〜第4移動区間の何れかの移動区間を移動していると判断した場合には駆動源70を第4駆動速度で駆動し、第1移動区間を移動していると判断した場合には駆動源70を第4駆動速度よりも遅い第5駆動速度で駆動する。本実施形態では、第4駆動速度は上記第2駆動速度よりも遅く、第5駆動速度は第1駆動速度と同じ駆動速度に設定されている。
【0046】
なお、制御装置100は、取り外し処理に際して、第1移動区間及び併合移動区間の境界である第1当接位置よりも中空管65が第1位置側に位置(中空管65が栓41から離隔)しているか否かを、磁気検出センサ66から受信した信号が最大電圧値に変化した時点から栓通過時間経過したときに中空管65が栓41から離隔したと判断する。なお、栓通過時間は、第1当接位置と第2当接位置との間の制御対象距離を、駆動源70を第4駆動速度で駆動させたときの中空管65が第2当接位置から第1当接位置まで移動する間の中空管65の移動速度で除算して得られる時間であり、この栓通過時間は予めRAM123に記憶されている。
【0047】
次いで、図8を参照しつつ、制御装置100が開閉センサ170からの信号に基づきカバー63が開状態から閉状態に切り換ったと判断した際に行われる、プリンタ101の動作の一例について説明する。
まず、制御装置100は、第2スイッチ89がON状態であるか否かを判断する(S1)。第2スイッチ89がON状態であると判断した場合(S1:YES)には、中空管65が第2位置に配置されており挿入処理を行う必要がないとして、本処理動作を終了する。一方で、第2スイッチ89がOFF状態であると判断した場合(S1:NO)には、制御装置100は、挿入処理を行う必要があるとして、第1スイッチ88がON状態であるか否かを判断する(S2)。第1スイッチ88がON状態であると判断した場合(S2:YES)には、カートリッジ収容部61に新しいカートリッジ30が収容されたと判断し、カートリッジ30のメモリ141からカートリッジ側最大バラツキを読み取り(S3)、読み取ったカートリッジ側最大バラツキと、RAM123に記憶されている、装置側最大バラツキと設計距離とに基づいて、第1位置と第1当接位置との間の制御対象距離を決定する。そして、当該制御対象距離を用いて上記外部移動時間を算出してRAM123に記憶する(S4)。このステップS4の処理が終了すると、ステップS6の処理に移る。
【0048】
一方で、第1スイッチ88がOFF状態であると判断した場合(S2:NO)には、中空管65が第1位置と第2位置との間に配置されているとして、制御装置100は、中空管65を第1位置に移動させる第1位置移動処理を実行する(S5)。詳細には、制御装置100は、第1スイッチ88がON状態となるまで、駆動源70を逆回転で駆動する。これにより、何らかの異常が発生してプリンタ101が動作を停止した後の復帰時など、制御装置100が中空管65の位置を把握できない場合でも、中空管65を第1位置に戻すことで中空管65の位置を把握することが可能となる。このステップS5の処理が終了すると、ステップS6の処理に移る。
【0049】
ステップS6の処理では、制御装置100は、駆動源70を正方向に第1駆動速度で駆動して、中空管65を第1位置から第2位置に向けての移動を開始する。次に、制御装置100は、中空管65を第1位置から移動させた時点から、RAM123に記憶された外部移動時間経過したか否かを判断する(S7)。外部移動時間経過していないと判断した場合(S7:NO)には、中空管65は第1当接位置に到達していないと判断してステップS7の処理を繰り返す。一方で、外部移動時間経過したと判断した場合(S7:YES)には、中空管65が第1当接位置に到達したとして駆動源70の駆動速度を第1駆動速度から第2駆動速度に切り換える(S8)。次に、制御装置100は、磁気検出センサ66から受信する信号が、最大電圧値を示す信号から判定電圧値を示す信号に変化したか否かを判断する(S9)。判定電圧値を示す信号に変化していない判断した場合(S9:NO)には、中空管65が第2当接位置(開放位置)に到達していないとしてステップS9の処理を繰り返す。
【0050】
一方で、判定電圧値を示す信号に変化したと判断した場合(S9:YES)には、制御装置100は、中空管65が第2当接位置に到達したとして駆動源70の駆動速度を第2駆動速度から第3駆動速度に切り換える(S10)。次に、制御装置100は第2スイッチ89がOFF状態からON状態に切り換ったか否かを判断する(S11)。第2スイッチ89がOFF状態であると判断した場合(S11:NO)には、中空管65が第2位置に到達していないとしてステップS11の処理を繰り返す。一方で、第2スイッチ89がON状態に切り換ったと判断した場合(S11:YES)には、制御装置100は、中空管65が第2位置に到達したとして、駆動源70の駆動を停止して(S12)、本処理動作を終了する。
【0051】
次に、図9を参照しつつ、制御装置100が開閉センサ170からの信号に基づきカバー63が閉状態から開状態に切り換ったと判断した際に行われる、プリンタ101の動作の一例について説明する。
まず、制御装置100は、第1スイッチ88がON状態であるか否かを判断する(D1)。第1スイッチ88がON状態であると判断した場合(D1:YES)には、取り外し処理を行う必要がないとして、本処理動作を終了する。一方で、第1スイッチ88がOFF状態であると判断した場合(D1:NO)には、制御装置100は、取り外し処理を行う必要があると判断して、磁気検出センサ66から受信する信号が最大電圧値を示す信号であるか否かを判断する(D2)。最大電圧値を示す信号ではないと判断した場合(D2:NO)には、中空管65が第2位置、又は第2位置と第2当接位置との間に配置されているとして、制御装置100は、駆動源70を逆方向に第4駆動速度で駆動して中空管65を第1位置に向けての移動を開始する(D3)。次に、磁気検出センサ66から受信する信号が最大電圧値を示す信号に変化したか否かを判断する(D4)。そして、最大電圧値を示す信号に変化したと判断した場合(D4:YES)には、制御装置100は中空管65が第2当接位置まで移動しているとして、当該判断した時点を計時開始点に設定して、ステップD6の処理に移る。
【0052】
一方で、磁気検出センサ66から受信する信号が最大電圧値を示す信号であると判断した場合(D2:YES)には、中空管65が第1位置と第2当接位置との間に配置されていると判断する。ここで、本実施形態では、このように中空管65の位置を把握できない場合においても、上記挿入処理とは異なり、中空管65を第2位置に移動させることで中空管65の位置を把握する処理を行わずに、制御装置100は、駆動源70を逆方向に第4駆動速度で駆動して中空管65の第1位置に向けての移動を開始する(D5)。また、このとき、駆動源70の駆動を開始した時点を計時開始点に設定する。この処理が終了すると、ステップD6の処理に移る。
【0053】
ステップD6の処理では、制御装置100は、ステップD4又はD5の処理において設定した計時開始点からRAM123に記憶された栓通過時間経過したか否かを判断する。そして、栓通過時間経過したと判断した場合(D6:YES)には、中空管65の先端が栓41から離隔したとして、制御装置100は、駆動源70の駆動速度を第4駆動速度から第5駆動速度に切り換える(D7)。次に、制御装置100は、第1スイッチ88がOFF状態からON状態に切り換ったか否かを判断する(D8)。第1スイッチ88がOFF状態であると判断した場合(D8:NO)にはステップD8の処理を繰り返す一方で、第1スイッチ88がOFF状態からON状態に切り換ったと判断した場合(D8:YES)には、中空管65が第1位置に配置されたとして、制御装置100は駆動源70の駆動を停止し(D9)、本処理動作を終了する。
【0054】
一方で、ステップD6の処理において、栓通過時間経過していないと判断した場合(D6:NO)には、制御装置100は、第1スイッチ88がOFF状態からON状態に切り換ったか否かを判断する(D10)。第1スイッチ88がOFF状態であると判断した場合(D10:NO)には、中空管65が第1位置と第2位置との間に未だ配置されているとして、ステップD6の処理に戻る。一方で、第1スイッチ88がOFF状態からON状態に切り換ったと判断した場合(D10:YES)には、中空管65が第1位置に配置されたとして、制御装置100は駆動源70の駆動を停止し(D9)、本処理動作を終了する。
【0055】
以上、本実施形態によると、挿入処理においては、第1移動区間及び第4移動区間を中空管65が移動していると判断されたときには、駆動源70を併合移動区間における第2駆動速度よりも遅い駆動速度で駆動することで第1移動区間及び第4移動区間を中空管65が移動する際における駆動力伝達機構75から発生する動作音を小さくすることができる。また、取り外し処理においては、第1移動区間を中空管65が移動していると判断されたときには、駆動源を第2〜第4移動区間における第4駆動速度よりも遅い駆動速度で駆動することで第1移動区間を中空管65が移動する際における駆動力伝達機構75から発生する動作音を小さくすることができる。
また、本実施形態によると、第1当接位置のカートリッジ側最大バラツキや第1位置及び第1当接位置の装置側最大バラツキを考慮して制御対象距離が決定し、この制御対象距離を用いて外部移動時間が算出されるため、移動開始時点から外部移動時間経過した時点と、中空管65が第1当接位置に実際に到達した時点との間の時間差を小さくすることが可能となる。その結果として、中空管65が実際に移動している移動区間に応じた駆動速度で駆動源70を駆動させることができる。
また、本実施形態によると、第2当接位置(開放位置)に中空管65が到達しているか否かを、第2閉塞部材50の弁体52との距離に応じて変化する磁界の強度を検出する磁気検出センサ66から受信した信号に基づき判断するため、中空管65が第2当接位置(開放位置)に到達していることを確実に判断することができる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。以下、図10を参照し、別のカートリッジを収容するカートリッジ収容装置について説明する。当該別のカートリッジは、第1閉塞部材240、及び第2閉塞部材250の構成が、カートリッジ30と異なり、それ以外はカートリッジ30と略同じ構成である。
第1閉塞部材240は、栓241、球体242、及びコイルバネ243を有する。栓241は、上述の栓41と同様、管35の他端の開口を塞ぐように設けられており、その中央において副走査方向に貫通したスリット241aを有する。図10(a)に示すように第1閉塞部材240が閉状態のとき、球体242が栓241に密着することで、スリット241aが球体242により封止され、インク流路33aと外部との連通が遮断される。コイルバネ243は、基端が環状突起34cに固定されており、先端が球体242に接触し、球体242を栓241に向けて常に付勢している。
【0057】
第2閉塞部材250は、管34内に配置されており、Oリング251、弁本体252、及びコイルバネ253を有する。また、弁本体252の第1閉塞部材240側の面中央には副走査方向に延在する棒状の押し部材270が設けられている。押し部材270は、環状突起34cにより画定される開口の直径よりも小さく、この開口内に挿入されている。また、中空管65が第2当接位置(図10(c)参照)に到達していない状態において、押し部材270の先端は、球体242から離隔している。
Oリング251は、環状突起34cにおける第1閉塞部材240とは反対側の面に固定されている。コイルバネ253は、基端が接続部32aに固定されており、先端が弁本体252に接触し、弁本体252をOリング251に向けて常に付勢している。したがって、第2閉塞部材250がインク流路33aを閉じる閉状態のとき、弁本体252がOリング251と接触して、インク流路33aにおける、管34の一端からOリング251までの空間と、Oリング251から第1閉塞部材240までの空間との連通が遮断され、インク流路33aを介したインク袋32と外部との連通が遮断されている。
【0058】
中空管65の第1位置から第2位置への移動開始に伴い、先ず、図10(b)に示すように、中空管65が、スリット241aに挿入される。そして中空管65の先端が球体242と当接しつつ球体242を移動させ、球体242が栓241から離隔される。このとき、中空管65が開放位置に配置されており、第1閉塞部材240が閉状態から開状態に切り換わる。
さらに球体242は、栓241から離隔した後、押し部材270の先端に当接する(図10(c)参照)。そして中空管65のインク流路33aへのさらなる進入により、押し部材270が移動し、弁本体252がOリング251から離隔する。このときに第2閉塞部材250が閉状態から開状態に切り換わる。
【0059】
なお、本態様では、中空管65の先端が第2閉塞部材250に当接するとは、中空管65が球体242を介して押し部材270の先端に当接することに相当する。また、本態様において、第1閉塞部材240を開放する際に中空管65が第1閉塞部材240から受ける抵抗力は、第2閉塞部材250を開放する際に中空管65が第2閉塞部材250から受ける抵抗力よりも小さい。このため、第2当接位置と第2位置との間の第4移動区間に対応する駆動源70の第3駆動速度は、第2移動区間に対応する駆動源70の第2駆動速度よりも速く設定されている。また、本態様では、第3移動区間は、押し部材270と球体242との離間距離と同じ距離であり、上述の実施形態よりも距離が長い。このため、制御装置100は中空管65が第3移動区間を移動しているか否かを更に判断するように構成し、当該第3移動区間を移動していると判断した際に、駆動源70を第2駆動速度よりも遅い駆動速度で駆動してもよい。
【0060】
以下、別の変形例について説明する。
上述の実施形態においては、挿入処理において、中空管65が第1当接位置に到達しているか否かを第1位置から移動させた時点からの経過時点に基づいて判断していたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、駆動源70である駆動モータのパルス数に基づいて判断してもよい。
また、上述の実施形態においては、挿入処理において、中空管65が開放位置(第2当接位置)に到達しているか否かを、中空管65が開放位置から第2位置に向けて移動することで変化する磁界の強度を磁気検出センサ66で検出することで判断していたが、特にこれに限定されるものではなく、中空管65が開放位置に配置されているか否かを検出するセンサ(例えば、透過型のセンサやメカスイッチ型のセンサ)を設け、このセンサからの検出結果に基づいて判断してもよい。
また、中空管65が開放位置(第2当接位置)に到達しているか否かを、制御装置100が第1当接位置に到達していると判断した時点からの経過時点に基づいて判断してもよい。詳細には、第1当接位置に到達していると判断した時点から栓貫通時間(第2時間)経過したときに中空管65が開放位置に到達していると判断する。なお、栓貫通時間は、第1当接位置と開放位置との間の制御対象距離を、駆動源70を第2駆動速度で駆動させたときの中空管65が第1当接位置と開放位置まで移動する間の中空管65の移動速度で除算して得られる時間である。また、磁気検出センサ66の被検出部材である移動体は、第2閉塞部材50の弁体52であったが、特にこれに限定されず、第2閉塞部材50の構成要素でなくてもよい。また、上述の実施形態では、新しいカートリッジ30がカートリッジ収容装置60に収容された外部移動時間を算出してRAM123に記憶するように構成されているが、想定される外部移動時間が予めRAM123に記憶されていてもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、第1閉塞部材40を開放する際に中空管65が第1閉塞部材40から受ける抵抗力と、第2閉塞部材50を開放する際に中空管65が第2閉塞部材50から受ける抵抗力とが異なるカートリッジについて説明したが、これらの抵抗力が同じカートリッジであってもよい。この場合、第2移動区間に対応する第2駆動速度と第4移動区間に対応する第3駆動速度が同じ駆動速度となる。
また、上述の実施形態では、取り外し処理においては、第2〜第4移動区間それぞれに対応する駆動速度は同じに設定されていたが、中空管65を単位距離移動させるのに必要な力の大きさに応じてそれぞれの駆動速度が異なっていてもよい。また、上述の実施形態において、同じカートリッジ30に対して2回目以降の挿入処理を行う際には、既に栓41には貫通孔が形成されているので、一回目の挿入処理のときよりも併合移動区間(第2移動区間)における駆動速度を遅くしてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、駆動力伝達機構はギア76a〜76eから構成されていたが、駆動源の駆動力を移動機構に伝達することができるものであれば、特にこれに限定されるものではなく、例えば、第1ギアと第2ギアが直接噛み合うように構成されていてもよく、ベルト伝達により駆動力を伝達する機構であってもよい。
【0063】
カートリッジが収容する液体は、インクに限定されず、例えば、画質を向上させるために記録前の用紙Pに塗布される画質向上液等であってもよい。本発明に係るカートリッジ収容装置は、プリンタに限定されず、例えば、ファクシミリやコピーに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
30 カートリッジ
32 インク袋(液体収容部)
33a インク流路(液体導出流路)
40 第1閉塞部材
50 第2閉塞部材
60 カートリッジ収容装置
61 カートリッジ収容部
65 中空管
70 駆動源
75 駆動力伝達機構
80 移動機構(移動手段)
120 駆動源制御装置(駆動源制御手段)の一部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10