特開2015-229545(P2015-229545A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2015229545-線状体保持具 図000003
  • 特開2015229545-線状体保持具 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229545(P2015-229545A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】線状体保持具
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/62 20060101AFI20151124BHJP
   B66C 1/12 20060101ALI20151124BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20151124BHJP
   F16L 3/18 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   B66C1/62 C
   B66C1/12 M
   F16L3/14 Z
   F16L3/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-115713(P2014-115713)
(22)【出願日】2014年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】三浦 智亮
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 彰
(72)【発明者】
【氏名】岸本 学
(72)【発明者】
【氏名】塙 裕彰
(72)【発明者】
【氏名】衣川 洋史
(72)【発明者】
【氏名】三井 崇
【テーマコード(参考)】
3F004
3H023
【Fターム(参考)】
3F004AA08
3F004AB08
3F004AE01
3F004AH01
3F004EA04
3F004EA05
3F004LA01
3F004LA07
3H023AC63
3H023AC73
3H023AD31
(57)【要約】
【課題】線状体の束が捻れた状態でクレーンフックに吊り上げられた場合であったとしても、手間暇がかかる捻れ解消作業をなくす乃至は容易なものとすることが可能な線状体保持具を提供する。
【解決手段】線状体の束Wの周囲を取り囲んで保持する保持リング6と、保持リング6を介して線状体の束Wを吊る吊り体2を備え、線状体の束Wに、保持リング6に対する線状体の束Wの周方向の摺動を許す摺動許容手段を設け、線状体の束Wの周囲に固定されて保持リング6の内周側に回転自在に嵌め込まれた摺動リング7を摺動許容手段とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルやフレキシブルホースやワイヤ等の線状体を吊り下げ保持する線状体保持具であって、
前記線状体の周囲を取り囲んで保持する保持リングと、
前記保持リングを介して前記線状体を吊る吊り体を備え、
前記線状体に、前記保持リングに対する前記線状体の少なくとも周方向の摺動を許す摺動許容手段を設けた線状体保持具。
【請求項2】
前記線状体の周囲に固定されて前記保持リングの内周側に回転自在に嵌め込まれた摺動リングを前記摺動許容手段とした請求項1に記載の線状体保持具。
【請求項3】
前記保持リングは、前記吊り体に対して鉛直軸及び水平軸のうちの少なくともいずれか一方の軸回りに回転自在に連結されている請求項1又は2に記載の線状体保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルやフレキシブルホースやワイヤ等の線状体を吊り下げ保持するのに用いられる線状体保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、再処理施設内のような多数のケーブルやフレキシブルホース等の線状体を遠隔操作にて取扱う現場では、多数のケーブルやフレキシブルホース等の線状体を纏めてクレーンフックで吊り上げたり、ビームに沿わせて吊り下げたりするべく、多数の線状体を一纏めにした線状体の束に対して、線状体保持具を所定の間隔で取り付けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この線状体保持具は、線状体の束の周囲を取り囲んで保持する保持リングと、この保持リングを介して線状体の束を吊り上げたり吊り下げたりする吊り体を備えており、この線状体保持具において、保持リングは線状体の束に固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-065980号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記した従来の線状体保持具において、線状体の束の周囲を取り囲んで保持する保持リングが線状体の束に固定されているので、線状体の束の周方向への自由度がほとんどない。
【0006】
したがって、例えば、線状体の束が捻れた状態でクレーンフックに吊り上げられた場合には、線状体の束をロボットハンドで一旦クレーンフックから外して伸ばすことで捻れを直さなくてはならないという問題を有しており、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0007】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、例えば、多数のケーブルやフレキシブルホース等の線状体の束が捻れた状態でクレーンフックに吊り上げられた場合であったとしても、手間暇がかかる捻れ解消作業をなくす乃至は容易なものとすることが可能な線状体保持具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、ケーブルやフレキシブルホースやワイヤ等の線状体を吊り下げ保持する線状体保持具であって、前記線状体の周囲を取り囲んで保持する保持リングと、前記保持リングを介して前記線状体を吊るす吊り体を備え、前記線状体に、前記保持リングに対する前記線状体の少なくとも周方向の摺動を許す摺動許容手段を設けた構成としている。
【0009】
本発明の第2の態様は、前記線状体の周囲に固定されて前記保持リングの内周側に回転自在に嵌め込まれた摺動リングを前記摺動許容手段とした構成としている。
【0010】
本発明の第3の態様において、前記保持リングは、前記吊り体に対して鉛直軸及び水平軸のうちの少なくともいずれか一方の軸回りに回転自在に連結されている構成としている。
【0011】
本発明に係る線状体保持具において、線状体には、多数のケーブルやフレキシブルホースやワイヤ等を一纏めにした線状体の束が含まれるほか、1本の大径ケーブルや大径フレキシブルホースや大径ワイヤ等の大径線状体が含まれる。
【0012】
本発明に係る線状体保持具では、線状体に設けられた摺動許容手段によって、線状体の保持リングに対する少なくとも周方向の摺動が許容されているので、すなわち、線状体が周方向に自由に摺動し得るので、例えば、線状体が捻れた状態でクレーンフックに吊り上げられた場合であったとしても、捻れが自然に直ることで捻れ解消作業が要らなくなったり、捻れが直り易くなることで捻れ解消作業が容易になったりすることとなる。
【0013】
ここで、線状体の保持リングに対する軸方向の摺動も許容されている場合には、線状体の保持リングに対する軸方向の緊張や弛みも自然に解消したり、緊張や弛みの解消作業が容易になったりすることとなる。
【0014】
また、本発明に係る線状体保持具において、線状体の周囲に固定されて保持リングの内周側に回転自在に嵌め込まれた摺動リングを摺動許容手段とすると、線状体の捻れがスムーズにそして線状体が傷付くことなく解消することとなる。
【0015】
さらに、本発明に係る線状体保持具において、保持リングが吊り体に対して鉛直軸及び水平軸のうちの少なくともいずれか一方の軸回りに回転自在に連結されている構成とすると、線状体の捻れがより一層円滑に解消することとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、例えば、多数のケーブルやフレキシブルホース等の線状体の束が捻れた状態でクレーンフックに吊り上げられた場合であったとしても、捻れ解消作業をなくしたり捻れ解消作業を容易なものとしたりすることが可能あるという非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例に係る線状体保持具の全体斜視説明図である。
図2図1の線状体保持具の分解斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施例に係る線状体保持具を示しており、この実施例では、線状体が多数のケーブルやフレキシブルホースやワイヤ等を一纏めにした線状体の束である場合を例に挙げて説明する。
【0019】
例えば、再処理施設内のような多数のケーブルやフレキシブルホース等の線状体を遠隔操作にて取扱う現場では、図1に示すように、多数のケーブルやフレキシブルホース等の線状体を一纏めにした線状体の束Wに対して、線状体保持具1が所定の間隔で取り付けられる。
【0020】
この線状体保持具1は、図2にも示すように、線状体の束Wの周囲を取り囲んで保持する保持リング6と、この保持リング6を介して線状体の束Wを吊るす吊り体2を備えている。
【0021】
吊り体2の下端側には円柱部2aが配置されており、この円柱部2aには、ボルト3を介してコ字型ジョイント4が鉛直軸回りに回転自在に連結されている。一方、保持リング6は周方向の一部に外向きフランジ6aを有しており、この外向きフランジ6aは、ボルト5a及びナット5bを介してコ字型ジョイント4に水平軸回りに回転自在に連結されている。すなわち、保持リング6は、吊り体2の円柱部2a対して、図2に矢印で示す鉛直軸及び水平軸の両軸回りに回転自在に連結されている。
【0022】
また、この線状体保持具1は、線状体の束Wの周囲に固定されて保持リング6の内周側に嵌め込まれた摺動許容手段としての摺動リング7を備えている。この摺動リング7は、2つの半割リング体7A,7Bから成っており、これらの半割リング体7A,7Bは、両端部に位置して互いに対向する外向きフランジ7b,7b同士をボルト8a及びナット8bを介して連結することで、線状体の束Wの周囲に固定されるようになっている。
【0023】
この場合、摺動リング7の2つの半割リング体7A,7Bには、互に連続する周方向の摺動溝7aがそれぞれ形成されており、この摺動溝7aに保持リング6を嵌め込むことで、摺動リング7は、図2に矢印で示すように、保持リング6に対して周方向に摺動自在となっている。
【0024】
この実施例に係る線状体保持具1では、線状体の束Wの周囲に固定した摺動リング7を保持リング6に対して周方向に摺動自在としているので、線状体の束Wが周方向に自由に摺動し得ることとなり、例えば、線状体の束Wが捻れた状態でクレーンフックFに吊り上げられた場合であったとしても、捻れが自然に直ることで捻れ解消作業がほとんど不要となり、例え捻れ解消作業が必要であったとしても、線状体の束WをロボットハンドHで一旦クレーンフックFから外す作業をしなくて済む分だけ、捻れ解消作業の容易化が図られることとなる。
【0025】
また、この実施例に係る線状体保持具1において、線状体の束Wの周囲に固定されて保持リング6の内周側に回転自在に嵌め込まれた摺動リング7を摺動許容手段としているので、線状体の束Wの捻れがスムーズにそして線状体の束Wが傷付くことなく解消することとなる。
【0026】
さらに、この実施例に係る線状体保持具1において、保持リング6が吊り体2に対して鉛直軸及び水平軸の両軸回りに回転自在に連結されているので、線状体の束Wの捻れがより一層円滑に解消することとなる。
【0027】
本発明に係る線状体保持具の構成は、上記した実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、摺動許容手段として線状体の束Wに樹脂コーティングを施すことで、線状体の束Wの保持リング6に対する軸方向の摺動も許容するようにしてもよく、この場合には、線状体の束Wの保持リング6に対する軸方向の緊張や弛みも解消し得ることとなる。
【符号の説明】
【0028】
1 線状体保持具
2 吊り体
6 保持リング
7 摺動リング
W 線状体の束
図1
図2