【解決手段】給紙カセット1は、カセット本体10と、シート積載板13と、規制部材12と、補助板14とを備える。シート積載板13は、支持面25と、開口部Rとを有する。支持面25は、給送すべきシートPを支持する。開放部Rは、シートに当接しない。規制部材12は、底面21に前記シート積載板13の開口部Rに対応して設けられる。規制部材12は、シートPの給送方向と直交する方向にスライド可能である。規制部材12は、シートPの端縁に当接してシートの位置を規制する。補助板14は、シート積載板13に取り付けられる。補助板は、シートを支持する。補助板14は、規制部材12のスライドに応じて支持面に対して平行に回動可能である。規制部材12のスライドに応じて、シート積載板13と規制部材12とは補助板14を介して開口部Rにおいて連結される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
[実施形態1]
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る給紙カセット1について説明する。
図1(a)は、給紙カセット1の斜視図である。
図1(b)は、給紙カセット1の平面図である。
図1において、X軸およびY軸は互いに直交し水平面に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。給紙カセット1は、カセット本体10と、後端規制部材11と、側端規制部材12と、シート積載板13と、補助板14とを備える。
【0013】
カセット本体10は、画像形成装置に着脱可能に装着される。カセット本体10には、複数のシートが積載される。カセット本体10は、引出方向A1に移動され、画像形成装置から引き出される。カセット本体10は、挿入方向A2に移動され、画像形成装置に挿入される。シートは、給送方向Bに給送される。
【0014】
X軸の正方向は、シート給送方向である。Y軸の正方向は、カセット本体10に対し後方向であり、Y軸の負方向は、カセット本体10に対して前方向である。
【0015】
給紙カセット1は、上方に開放し直方体状のカセット本体10を有している。カセット本体10は、シート給送方向に平行な、前壁部18、後壁部19と、シート給送方向と直交する一対の側壁部20および底面21を有する。底面21は、矩形の板状であり、XY平面に平行である。前壁部18は、底面21の前端から立設し、X軸に沿って延びる。後壁部19は、前壁部18に対向して、底面21の後端から立設し、X軸に沿って延びる。一対の側壁部20は、互いに対向して、底面21のシート給送方向の両側端から立設し、シート幅方向であるY軸に沿って延びる。カセット本体10は、シート収納部を形成する。
【0016】
後端規制部材11は、板状であり、シート積載方向であるZ軸に沿って起立している。後端規制部材11の下部には係合爪が形成される。カセット本体10の底面21にはラチェット歯が設けられたガイド23が形成される。ガイド23はシート給送方向であるX軸に沿って延びる。後端規制部材11は、ガイド23に沿って移動可能である。係合爪は、ラチェット歯に連結およびラチェット歯から解除可能である。したがって、後端規制部材11は、ガイド23に沿った任意の位置で固定可能である。
【0017】
一対の側端規制部材12は、板状であり、互いに対向する。側端規制部材12の各々は、Z軸に沿って起立し、X軸に沿って延びている。一対の側端規制部材12には、底面に設けられたラックおよびピニオン機構が連結されている。したがって、一対の側端規制部材12は、互いに連動し、シートの給送方向Bと直交する方向(Y軸)に沿って、互いに近づく方向または互いに離れる方向にスライド可能である。
【0018】
シート積載板13は、カセット本体10に対して、シート給送方向上流端側を支点として、シート給送方向下流端側が回動可能に設けられた板状部材であり、底面21の上面に配置される。シート積載板13は、シート幅方向の中央部に、シート給送方向に向けて延びる切欠き部が形成され、後端規制部材11の移動を妨げない。シート積載板13には、一対の側端規制部材12に対応して、一対の側端規制部材12が移動可能な一対の矩形状の開口部Rが形成される。これにより、シート積載板13は、一対の側端規制部材12の移動を妨げない。
【0019】
シート積載板13には給送すべき複数のシートが積載される。具体的には、複数のシートは、シート積載板13の上面およびカセット本体10の底面21の上面を積載面として積載される。後端規制部材11は、積載面に積載された複数のシートからなるシート束の後端縁を規制する。一対の側端規制部材12の一方は、積載面に積載された複数のシートの一方の側端縁に当接して、一対の側端規制部材12の他方は、積載面に積載された複数のシートの他方の側端縁に当接する。これによりシートの位置が規制される。したがって、後端規制部材11および一対の側端規制部材12によって、カセット本体10に積載するシートのサイズに応じたシートの位置が規制される。そして、カセット本体10に積載するシートのサイズに応じて後端規制部材11および一対の側端規制部材12が移動することによって、サイズの異なるシートの位置を同様に規制することができる。
【0020】
シート積載板13は、シート給送方向に対して上流端のシート幅方向の両端部をカセット本体10の前後壁部にそれぞれ上下方向に回動可能に支持されている。給送方向Bの下流側のシート積載板13の端部は、モーターなどの駆動手段またはバネによって上方の給紙ローラーに向けて付勢されるため、シートの積載量が多い場合は、シート積載板13の底面はカセット本体10の底面21の上面に接触し、シート積載板13は略水平になり、シートの積載量の減少に伴って、シート積載板13は上昇し傾斜する。つまり、シートの積載量の減少に伴って、シート積載板13の傾斜角度は大きくなる。
【0021】
補助板14は、シート給送方向に対して下流側の一端部がシート積載板13の裏面のシート給送方向に対して下流側のシート幅方向の中央部に取り付けられ、シート給送方向に対して上流側の他端部がシート積載板に対して平行な方向に回動する。本実施形態では、補助板14は一対設けられている。補助板14は、長尺形状の薄い板である。補助板14は、例えば、板金である。補助板14は、シート積載板13に積載されたシートをシート積載板13と共に支持する。補助板14が2つあるため、シートの両サイドを支持することができる。補助板14の他端部は、側端規制部材12に当接している。補助板14は一端部を支点として、側端規制部材12のスライドに応じて移動する。
【0022】
図2を参照して、本発明の実施形態1に係る給紙カセット1の補助板14の動作について説明する。
図2(a)および
図2(b)は、給紙カセット1を示す模式的な平面図である。
【0023】
給紙カセット1は、付勢部材15をさらに備える。補助板14は、第1端部27と第2端部28と支持部16とを有する。第1端部27は、シート給送方向の下流側に配置される。第2端部28は、シート給送方向の上流側に配置される。支持部16は、第1端部27と第2端部28との間に位置している。補助板14は、支持部16を介してシート積載板13に取り付けられており、補助板14は支持部16においてシート積載板13に支持されている。一対の補助板14は、付勢部材15によって第1端部27で連結される。付勢部材15は、例えば、バネである。一対の補助板14のそれぞれの第1端部27には、付勢部材15によってY軸に沿って互いに近づく方向に力が働く。したがって、一対の補助板14のそれぞれの第2端部28には、Y軸に沿って互いに離れる方向に力が働く。付勢部材15は、補助板14が側端規制部材12の側面に当接するように補助板14を付勢する。したがって、付勢部材15が第1端部27を付勢することによって第2端部28が回転し、第2端部28が側端規制部材12の側面を押圧する。
【0024】
図2(a)に示すように、一対の側端規制部材12の間隔が狭い場合、補助板14は、互いに平行で、X軸方向に向いている。
【0025】
図2(b)に示すように、一対の側端規制部材12を外側方向にスライドすると、補助板14は、側端規制部材12のスライドに応じて側端規制部材12に当接しながら支持部16を支点として回動する。このように、補助板14は、側端規制部材12のスライドに応じて、補助板14と開口部Rとの重なり部分が変化するように移動する。具体的には、側端規制部材12が外側方向にスライドするほど、補助板14が開口部Rに進出する。したがって、補助板14に当接するシートPの面積が増加する。
【0026】
以上、
図1および
図2を参照して説明したように、給紙カセット1は、カセット本体10と、シート積載板13と、規制部材(側端規制部材)12と、補助板14とを備えている。規制部材のスライドに応じて、シート積載板13と規制部材12とは補助板14を介して開口部Rにおいて連結される。したがって、規制部材12のスライドによって開口部Rの幅が変化しても、補助板14によって開口部Rの一部が塞がれる。その結果、シートPが下方へ垂れ下がることが抑制され、シートPの不送りおよびスキューの発生を抑制することができる。
【0027】
また、補助板14は、規制部材12に付勢した状態で規制部材12に当接している。したがって、規制部材12のスライドに応じて、補助板14は移動することができる。
【0028】
また、補助板14は、シート積載板13の裏面に取り付けられている。したがって、規制部材のスライドに応じて補助板14が移動する際、シートとの干渉を防止すると共に、シートPとの摩擦を低減することができる。その結果、補助板14の移動をスムーズに行うことができる。
【0029】
[実施形態2]
図3を参照して、本発明の実施形態2に係る給紙カセット1について説明する。
図3は、給紙カセット1を示す模式的な平面図である。給紙カセット1が摺動部材31をさらに備える点を除いて、実施形態1に係る給紙カセット1と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0030】
給紙カセット1は、補助板14の先端に設けられた摺動部材31をさらに備える。摺動部材31は、側端規制部材12に当接して摺動する。摺動部材31は、回転体である。摺動部材31は、軸32を介して補助板14に接続される。補助板14が側端規制部材12のスライドに応じて回動する際、摺動部材31は回転しながら側端規制部材12に当接する。したがって、側端規制部材12との摩擦を緩和することができ、補助板14の移動をスムーズに行うことができる。
【0031】
[実施形態3]
図4および
図5を参照して、本発明の実施形態3に係る給紙カセット1について説明する。
図4(a)および
図4(b)は、給紙カセット1を示す模式的な平面図である。
図5は、補助板14と側端規制部材12との連結部分を示す模式的な斜視図である。給紙カセット1が付勢部材15を備えない点および補助板14と側端規制部材12とが連結している点を除いて、実施形態1に係る給紙カセット1と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0032】
図5に示すように、側端規制部材12には、凹部61が形成されている。凹部61は、上面61aと下面61bとを有する。さらに、側端規制部材12は、凹部61内に位置する軸62を有する。軸62は、上面61aと下面61bとに支持される。軸62は、シート積載板13の変化可能な傾斜に対応してシートの給送方向の上流側に向けて傾いている。補助板14の第2端部28には、開口63が形成されている。シート積載板13の昇降によって補助板14の水平面に対する角度が変更になっても補助板14が可動な大きさに開口63は形成されている。補助板14と側端規制部材12とは、軸62が開口63を貫通するように軸62を介して連結されている。補助板14は、軸62が開口63内にある状態で回転可能であり、軸62の軸方向にスライド可能に軸支されている。本実施形態では、補助板14は、軸62を支点として回動する。補助板14は、シート積載板13の昇降に応じて、凹部61との当接位置を変化させて可動する。また、
図4(a)および
図4(b)に示すように、補助板14には、溝41が形成されている。側端規制部材12がスライドする際、溝41に対する支持部16の位置が変化する。補助板14と側端規制部材12とが連結しているため、付勢部材15が不必要となる。
【0033】
[実施形態4]
実施形態1〜3に係る給紙カセット1は、補助板14および側端規制部材12をそれぞれ2つずつ備えていたが、補助板14および側端規制部材12をそれぞれ1つずつ備えていてもよい。
【0034】
図6を参照して、本発明の実施形態4に係る給紙カセット1について説明する。
図6は、給紙カセット1を示す模式的な平面図である。補助板14および側端規制部材12がそれぞれ1つである点を除いて、実施形態1に係る給紙カセット1と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0035】
シートPの一方の端部51は、側端規制部材12に当接する。シートPの他方の端部52は、壁53に当接する。付勢部材15の一端は側端規制部材12の壁54に取り付けられており、付勢部材15の他端はシート積載板13に取り付けられている。実施形態1〜4と同様に、規制部材のスライドによって開口部Rの幅が変化しても、補助板14によって開口部Rの一部が塞がれる。
【0036】
[実施形態5]
図7を参照して、本発明の実施形態5に係る画像形成装置100について説明する。
図7は、画像形成装置100の概略を説明するための模式的断面図である。画像形成装置100は、例えば、複写機、プリンター、または複合機である。複合機は、例えば、複写機、プリンター、およびファクシミリのうち少なくとも2つの機器を備える。
【0037】
画像形成装置100は、シート給送装置90と、搬送部220と、画像形成部230と、定着部240と、排出部250と、原稿搬送部260と、画像読取部270と、操作部280と、制御部70とを備える。シート給送装置90は、給紙カセット1と、給送部材91と、給紙カセット収納部92とを有する。給紙カセット1は、実施形態1〜4に係る給紙カセット1と同じである。給紙カセット1は、手差しトレイ210をさらに含む。給送部材91は、給紙カセット1に積載されたシートPを給送する。給送部材91は、例えば、ピックアップローラーである。給紙カセット収納部92は、給紙カセット1を収納する。
【0038】
操作部280は、ユーザーの操作に対応する制御信号を制御部70に出力する。ユーザーの操作は、画像形成装置100の各種設定を行う操作である。
【0039】
制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および記憶部を含む(図示せず)。記憶部は、主記憶装置(例えば、半導体メモリー)、および仕様に応じて補助記憶装置(例えば、半導体メモリー、またはハードディスクドライブ)を含む。
【0040】
制御部70は、操作部280からの制御信号またはコンピュータープログラムにしたがって、シート給送装置90、搬送部220、画像形成部230、定着部240、排出部250、原稿搬送部260、画像読取部270、および操作部280を制御する。
【0041】
原稿搬送部260は、画像読取部270に向けて原稿を搬送する。画像読取部270は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する。シート給送装置90は、給紙カセット1または手差しトレイ210からシートPを搬送部220に給送する。シートPは、例えば、普通紙、再生紙、薄紙、厚紙、コート紙、およびOHP(Overhead Projector)シートである。
【0042】
搬送部220は、画像形成部230にシートPを搬送する。画像形成部230は、搬送部220を介してシート給送装置90から給送されたシートPに画像を形成(印刷)する。画像形成部230は、感光体ドラム231、帯電部232、露光部233、現像部234、転写部235、クリーニング部236、および除電部237を含む。具体的には、次の通りである。
【0043】
帯電部232は感光体ドラム231の表面を帯電する。露光部233は、画像データに基づく光を感光体ドラム231の表面に照射する。その結果、感光体ドラム231の表面には画像データに対応した静電潜像が形成される。画像データは、例えば、画像読取部270によって生成された画像データ、記憶部に格納された画像データ、またはネットワーク(図示せず)を経由して外部装置(図示せず)から受信した画像データである。
【0044】
現像部234は、静電潜像にトナーを付着させて、感光体ドラム231の表面にトナー像を形成する。転写部235はシートPにトナー像を転写させる。クリーニング部236は、感光体ドラム231の表面に残留しているトナーを除去する。除電部237は、感光体ドラム231の表面の残留電荷を除去する。
【0045】
トナー像が転写されたシートPは定着部240に向けて搬送される。定着部240は、シートPを加熱および加圧して、シートPにトナー像を定着させる。トナー像が転写されたシートPは排出部250に向けて搬送される。排出部250は、排出ローラー対251および排出トレイ252を含む。排出ローラー対251はシートPを排出トレイ252に排出する。
【0046】
以上、
図7を参照して説明したように、本実施形態によれば、画像形成装置100は、実施形態1〜4に係る給紙カセット1を備えるため、実施形態1〜4と同様に、シートPが下方へ垂れ下がることを抑制し、シートPの不送りおよびスキューの発生を抑制することができる。その他、実施形態1〜4と同様の効果を奏する。
【0047】
以上、図面(
図1〜
図7)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(2))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0048】
(1)実施形態1〜4に係る給紙カセット1では、補助板14は裏面に取り付けられていたが、補助板14は表面に取り付けられてもよい。
【0049】
(2)実施形態1〜4に係る給紙カセット1では、開口部Rは、シート積載板13の開口部分であったが、シート積載板13に形成される切り欠き状部分であってもよい。