特開2015-229580(P2015-229580A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229580(P2015-229580A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20151124BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20151124BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20151124BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   B65H7/02
   B65H3/44 344
   B41J29/38 Z
   B41J29/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-117542(P2014-117542)
(22)【出願日】2014年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100142561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 大介
(72)【発明者】
【氏名】内野 雄太
(72)【発明者】
【氏名】松井 裕紀
【テーマコード(参考)】
2C061
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HH05
2C061HJ03
2C061HK05
2C061HK06
2C061HK19
2C061HN15
2C061HV13
2C061HV22
2C061HV32
3F048AA05
3F048AB01
3F048BA02
3F048BB09
3F048BC08
3F048CB03
3F048CC01
3F048DA01
3F048DA06
3F048DB03
3F048DC09
3F343FA02
3F343FB04
3F343FC29
3F343HA33
3F343HB01
3F343HB03
3F343KB04
3F343KB20
3F343LA04
3F343LC19
3F343MA03
3F343MA23
3F343MB13
3F343MC21
(57)【要約】
【課題】支持部に設けられた検知部の機能低下によって、当該支持部に支持されたシートへの画像記録が実行不能となる事態を回避した画像記録装置を提供する。
【解決手段】当該装置は、取得部によって記録指示が取得されたことに応じて(S11)、支持部にシートが支持されていることを示す第1検知信号が第1検知部から出力されているか否かに拘わらず、支持部に支持されたシートを給送する給送部を予め定められた駆動量だけ駆動させる給送処理(S13)と、搬送路にシートが存在することを示す第2検知信号が給送処理中に第2検知部から出力されたことに応じて、記録指示に含まれる画像情報に基づく画像を記録部に記録させる記録処理とを実行する(S14)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを支持する支持部と、
上記支持部に支持されたシートを搬送路へ給送する給送部と、
上記支持部にシートが支持されていることに応じて、第1検知信号を出力する第1検知部と、
上記搬送路にシートが存在することに応じて、第2検知信号を出力する第2検知部と、
画像情報を含む記録指示を取得する取得する取得部と、
上記給送部によって上記搬送路へ給送されたシートに画像を記録する記録部と、
上記給送部及び上記記録部の駆動を制御する制御部と、を具備しており、
上記制御部は、
上記取得部によって上記記録指示が取得されたことに応じて、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されているか否かに拘わらず、予め定められた駆動量だけ上記給送部を駆動させる給送処理と、
上記給送処理中に上記第2検知部から上記第2検知信号が出力されたことに応じて、前記記録指示に含まれる上記画像情報に基づく画像を上記記録部に記録させる記録処理と、を実行する画像記録装置。
【請求項2】
上記第1検知部の異常を検知していないことを示す第1値、及び上記第1検知部の異常を検知したことを示す第2値のいずれかを保持する異常検知フラグを記憶する記憶部をさらに具備しており、
上記制御部は、上記給送処理中において、上記第2検知部から上記第2検知信号が出力され、且つ上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、上記異常検知フラグに上記第2値を設定する異常検知処理をさらに実行する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記第1検知部の異常を検知していないことを示す第1値、及び上記第1検知部の異常を検知したことを示す第2値のいずれかを保持する異常検知フラグと、
上記第1検知部から上記第1信号が出力されていたことを示す第3値、及び上記第1検知部から上記第1信号が出力されていなかったことを示す第4値のいずれかを保持する信号状態フラグと、を記憶する記憶部をさらに具備しており、
上記制御部は、
上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、上記信号状態フラグに上記第4値を設定する状態確認処理を、上記給送処理に先立ってさらに実行し、
上記給送処理中において、上記第2検知部から上記第2検知信号が出力され、且つ上記信号状態フラグに上記第4値が設定されていることに応じて、上記異常検知フラグに上記第2値を設定する上記異常検知処理をさらに実行する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
第1シート及び第2シートのそれぞれに記録すべき画像を示す画像情報を含む上記記録指示が上記取得部によって取得された場合において、
上記制御部は、上記第1シートに対する上記記録処理後において、上記異常検知フラグに上記第1値が設定されており、且つ上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、上記支持部に上記第2シートが支持されていないことを報知する報知処理を、上記第2シートに対する上記給送処理に先立ってさらに実行する請求項2又は3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記制御部は、上記報知処理後において、上記支持部にシートを載置したことを示す補充通知が上記取得部によって取得され、且つ上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていることに応じて、上記第2シートに対する上記給送処理を実行する請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
上記制御部は、上記第2シートに対する上記給送処理の実行後に上記第2検知部から上記第2検知信号が出力されないことに応じて、上記報知処理を再び実行する請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
上記制御部は、上記報知処理後において、上記支持部にシートを載置したことを示す補充通知が上記取得部によって取得されたことに応じて、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されているか否かに拘わらず、上記第2シートに対する上記給送処理を再び実行する請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
上記支持部は、第1支持部及び第2支持部を含み、
上記給送部は、
上記第1支持部に支持されたシートを上記搬送路へ給送する第1給送部と、
上記第2支持部に支持されたシートを上記搬送路へ給送する第2給送部とを含み、
上記第1検知部は、上記第1支持部にシートが支持されていることに応じて、上記第1検知信号を出力するものであり、
上記制御部は、シートの給送元を上記第1支持部に決定することを示す支持部情報を含む上記記録指示が上記取得部によって取得されたことに応じて、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されているか否かに拘わらず、上記駆動量だけ上記第1給送部を駆動させる上記給送処理を実行する請求項1から7のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項9】
上記制御部は、シートの給送元として上記第1支持部を優先することを示す上記支持部情報を含む上記記録指示が上記取得部によって取得された場合において、
上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていることに応じて、予め定められた第1駆動量だけ上記第1給送部を駆動させる第1給送処理を実行し、
上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、予め定められた第2駆動量だけ上記第2給送部を駆動させる第2給送処理を実行する請求項8に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部から給送されたシートに画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シートを支持する支持部と、支持部にシートが支持されていることを検知する検知部と、支持部に支持されたシートを給送する給送部と、給送部によって給送されたシートに画像を記録する記録部とを備える画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。上記構成の画像記録装置は、例えば、検知部によってシートが検知されたことに応じて、当該シートを給送部に給送させ、且つ当該シートに対して記録部に画像を記録させる。一方、当該画像記録装置は、例えば、検知部によってシートが検知されなかったことに応じて、支持部にシートが支持されていないことを報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−220982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、検知部による検知結果に基づく画像記録装置の制御には、デメリットもある。例えば、検知部の故障或いは一時的な誤動作等(以下、「機能低下」と表記する。)によって、支持部にシートが明らかに支持されているにも拘わらず、当該シートに画像を記録できないという事態を生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、支持部に設けられた検知部の機能低下によって、当該支持部に支持されたシートへの画像記録が実行不能となる事態を回避した画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る画像記録装置は、シートを支持する支持部と、上記支持部に支持されたシートを搬送路へ給送する給送部と、上記支持部にシートが支持されていることに応じて、第1検知信号を出力する第1検知部と、上記搬送路にシートが存在することに応じて、第2検知信号を出力する第2検知部と、画像情報を含む記録指示を取得する取得する取得部と、上記給送部によって上記搬送路へ給送されたシートに画像を記録する記録部と、上記給送部及び上記記録部の駆動を制御する制御部とを具備する。そして、上記制御部は、上記取得部によって上記記録指示が取得されたことに応じて、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されているか否かに拘わらず、予め定められた駆動量だけ上記給送部を駆動させる給送処理と、上記給送処理中に上記第2検知部から上記第2検知信号が出力されたことに応じて、前記記録指示に含まれる上記画像情報に基づく画像を上記記録部に記録させる記録処理とを実行する。
【0007】
上記構成によれば、第1検知部の機能低下によって、支持部に支持されたシートに対する記録処理が実行不能となる事態を回避できる。なお、ユーザによる支持部へのシートの挿抜に反応可能な位置に設けられる第1検知部は、第2検知部と比較して機能低下を生じる可能性が高い。そこで、第1検知部による検知より信頼性の高い代替手段(すなわち、第2検知部による検知)が存在する場合には、上記のように第1検知部による検知結果を無視、或いは当該検知結果の如何に拘わらず次の処理を実行した方がよい場合がある。
【0008】
(2) 一例として、該画像記録装置は、上記第1検知部の異常を検知していないことを示す第1値、及び上記第1検知部の異常を検知したことを示す第2値のいずれかを保持する異常検知フラグを記憶する記憶部をさらに具備する。そして、上記制御部は、上記給送処理中において、上記第2検知部から上記第2検知信号が出力され、且つ上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、上記異常検知フラグに上記第2値を設定する異常検知処理をさらに実行する。
【0009】
(3) 他の例として、該画像記録装置は、上記第1検知部の異常を検知していないことを示す第1値、及び上記第1検知部の異常を検知したことを示す第2値のいずれかを保持する異常検知フラグと、上記第1検知部から上記第1信号が出力されていたことを示す第3値、及び上記第1検知部から上記第1信号が出力されていなかったことを示す第4値のいずれかを保持する信号状態フラグと、を記憶する記憶部をさらに具備する。そして、上記制御部は、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、上記信号状態フラグに上記第4値を設定する状態確認処理を、上記給送処理に先立ってさらに実行し、上記給送処理中において、上記第2検知部から上記第2検知信号が出力され、且つ上記信号状態フラグに上記第4値が設定されていることに応じて、上記異常検知フラグに上記第2値を設定する上記異常検知処理をさらに実行する。
【0010】
上記構成によれば、第1検知部及び第2検知部から出力される検知信号の組み合わせによって、第1検知部の機能低下を適切に検知することができる。
【0011】
(4) 好ましくは、第1シート及び第2シートのそれぞれに記録すべき画像を示す画像情報を含む上記記録指示が上記取得部によって取得された場合において、上記制御部は、上記第1シートに対する上記記録処理後において、上記異常検知フラグに上記第1値が設定されており、且つ上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、上記支持部に上記第2シートが支持されていないことを報知する報知処理を、上記第2シートに対する上記給送処理に先立ってさらに実行する。
【0012】
上記構成のように、第1シートに対する給送処理及び記録処理の過程において第1検知部が正常に動作していることが確認された場合には、第1検知信号に基づいて第2シートが支持部に支持されていないことを報知すればよい。
【0013】
(5) 好ましくは、上記制御部は、上記報知処理後において、上記支持部にシートを載置したことを示す補充通知が上記取得部によって取得され、且つ上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていることに応じて、上記第2シートに対する上記給送処理を実行する。
【0014】
上記構成のように、第1検知部が正常に動作している場合には、第2シートが支持部に載置されたことを第1検知信号によって確認してから第2シートに対する給送処理を実行するのが望ましい。
【0015】
(6) 好ましくは、上記制御部は、上記第2シートに対する上記給送処理の実行後に上記第2検知部から上記第2検知信号が出力されないことに応じて、上記報知処理を再び実行する。
【0016】
上記構成のように、第1検知部より信頼性の高い第2検知部から出力される第2検知信号によっても、支持部にシートが支持されていないことを検知することができる。
【0017】
(7) 好ましくは、上記制御部は、上記報知処理後において、上記支持部にシートを載置したことを示す補充通知が上記取得部によって取得されたことに応じて、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されているか否かに拘わらず、上記第2シートに対する上記給送処理を再び実行する。
【0018】
上記構成によれば、第1検知部の機能低下によって、第2シートに対する記録処理が実行不能となる事態を回避できる。
【0019】
(8) 例えば、上記支持部は、第1支持部及び第2支持部を含む。また、上記給送部は、上記第1支持部に支持されたシートを上記搬送路へ給送する第1給送部と、上記第2支持部に支持されたシートを上記搬送路へ給送する第2給送部とを含む。さらに、上記第1検知部は、上記第1支持部にシートが支持されていることに応じて、上記第1検知信号を出力するものである。そして、上記制御部は、シートの給送元を上記第1支持部に決定することを示す支持部情報を含む上記記録指示が上記取得部によって取得されたことに応じて、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されているか否かに拘わらず、上記駆動量だけ上記第1給送部を駆動させる上記給送処理を実行する。
【0020】
(9) 好ましくは、上記制御部は、シートの給送元として上記第1支持部を優先することを示す上記支持部情報を含む上記記録指示が上記取得部によって取得された場合において、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていることに応じて、予め定められた第1駆動量だけ上記第1給送部を駆動させる第1給送処理を実行し、上記第1検知部から上記第1検知信号が出力されていないことに応じて、予め定められた第2駆動量だけ上記第2給送部を駆動させる第2給送処理を実行する。
【0021】
上記構成によれば、第1検知部が正常に動作している場合に支持部情報に従った給送元からシートを給送することができる。また、仮に第1検知部が機能低下を生じていたとしても、第2支持部に支持されたシートを給送することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第1検知部の機能低下によって、支持部に支持されたシートに対する記録処理が実行不能となる事態を回避可能な画像記録装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、可動部186が起立位置の複合機10の外観斜視図である。
図2図2は、プリンタ部11の内部構造を示す縦断面図である。
図3図3は、プリンタ部の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図4図4は、可動部186が倒伏位置のバイパストレイ71を示す斜視図である。
図5図5は、可動部186が除かれた状態の複合機10の後面側の外観斜視図である。
図6図6は、制御部130の構成を示すブロック図である。
図7図7は、(A)が本実施形態に係る画像記録処理のフローチャートであり、(B)がJOBデータ取得処理のフローチャートである。
図8図8は、本実施形態に係る給送元トレイ決定処理のフローチャートである。
図9図9は、本実施形態に係るシート有無確認処理のフローチャートである。
図10図10は、本実施形態に係るJOBデータ処理のフローチャートである。
図11図11は、(A)が第1補充処理のフローチャートであり、(B)が第2補充処理のフローチャートである。
図12図12は、変形例に係る画像記録処理のフローチャートである。
図13図13は、変形例に係る状態確認処理のフローチャートである。
図14図14は、変形例に係るシート有無確認処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る複合機10について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(前面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(前面)から視て左右方向9が定義される。
【0025】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、概ね直方体に形成されており、インクジェット記録方式で記録用紙Sなどのシートに画像を記録するプリンタ部11を備えている。但し、プリンタ部11の記録方式はインクジェット記録方式に限定されず、電子写真方式等であってもよい。また、複合機10は、ファクシミリ機能及びスキャン機能などの各種の機能をさらに有していてもよい。
【0026】
[プリンタ部11]
プリンタ部11は、前面に開口13が形成された筐体14を有している。また、各種サイズの記録用紙Sを収容可能な給送トレイ20(本発明の第2支持部の一例)及び排出トレイ21が、開口13から前後方向8に挿抜可能である。筐体14の底面が、複合機10が設置される載置面に当接する。図2に示されるように、プリンタ部11は、給送トレイ20から記録用紙Sを給送する給送部15(本発明の第2給送部の一例)、記録用紙Sに画像を記録する記録部24、第1搬送ローラ対59、及び第2搬送ローラ対180などを備えている。プリンタ部11は画像記録装置の一例である。
【0027】
図1に示されるように、プリンタ部11の上方には、スキャナ部12が設けられている。スキャナ部12の筐体16の前後方向8及び左右方向9の寸法は、プリンタ部11の筐体14と同じである。したがって、プリンタ部11の筐体14及びスキャナ部12の筐体16が一体となって、複合機10の概ね直方体形状の外形を形成している。スキャナ部12は、フラットベッドスキャナである。なお、フラットベッドスキャナの構造は公知であるので、ここでは詳細な説明が省略される。また、スキャナ部12には、複数枚の原稿を1枚ずつ分離して搬送する自動原稿搬送装置(ADF)が設けられていてもよい。
【0028】
筐体16の前面には、タッチパネル90を備えた液晶パネル88と電源キー89とが配置されている。液晶パネル88には複合機10に関する情報が表示される。タッチパネル90は、液晶パネル88に表示されたキーに対してユーザが触れたり、押圧したりすることによって、当該キーに対応づけられた複合機10の動作の指示をユーザから取得する。また、ユーザが電源キー89を押圧することによって、複合機10の電源のオン及びオフが切り替えられる。
【0029】
[給送トレイ20]
図1及び図2に示される給送トレイ20は、前後方向8及び左右方向9の長さが上下方向7の長さよりも長い外形であって、上面が開放された箱型の形状を有している。給送トレイ20の上面前側には、排出トレイ21が設けられている。給送トレイ20は、例えば日本工業規格によるA4サイズから写真記録に用いられるL版などの大小様々なサイズの記録用紙Sを支持面で支持することにより記録用紙Sを収容可能である。給送トレイ20は、筐体14の開口13に通ずる内部空間に着脱自在に装着される。この給送トレイ20は、開口13を通じて筐体14に対して前後方向8に沿って進退可能である。
【0030】
[給送部15]
図2に示されるように、給送部15は、給送ローラ25、給送アーム26、駆動伝達機構27及び分離パッド181を備えている。給送部15は、給送トレイ20の上方であって記録部24の下方に設けられている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端部に回転可能に軸支されている。給送アーム26は、基端部に設けられた回動軸28を中心として、矢印29の方向に回動する。これにより、給送ローラ25は、給送トレイ20の支持面に対して当接及び離間、すなわち接離が可能である。
【0031】
したがって、記録用紙Sが収容された給送トレイ20が筐体14内に装着されたとき、給送ローラ25は、給送トレイ20に収容された記録用紙Sに当接可能である。記録用紙Sが収容されていない給送トレイ20が筐体14内に装着されたとき、給送ローラ25が給送トレイ20の支持面に当接する位置に分離パッド181が設けられている。分離パッド181は、給送トレイ20の支持面の摩擦係数より大きな摩擦係数を有する材料で形成されている。
【0032】
給送ローラ25には、後述するモータ78(図6参照)の駆動力が駆動伝達機構27を通じて伝達される。駆動伝達機構27は、回動軸28とは異なる駆動軸に伝達された回転を無端ベルトにより給送ローラ25の軸へ伝達する。給送ローラ25は、給送トレイ20の支持面上に支持された記録用紙Sのうち最上位置の記録用紙Sに当接した状態で回転することにより、当該記録用紙Sを搬送経路65へ向けて給送する。
【0033】
搬送経路65へ向けて給送される記録用紙Sの先端は、給送トレイ20の前後方向8の後側に設けられた分離部材197と当接する。その結果、最上位置の記録用紙Sのみが下側の記録用紙Sから分離されて搬送される。そして、最上位置の記録用紙Sよりも下側の記録用紙Sは、最上位置の記録用紙Sに引き摺られることなく給送トレイ20内に収容されたままで保持される。なお、給送ローラ25は、モータ78とは別に設けられたモータから駆動伝達されてもよい。
【0034】
[搬送経路65]
図2及び図3に示されるように、筐体14の内部空間に設けられた搬送経路65は、給送トレイ20の後側から上方へUターンするように湾曲して延び、さらにプリンタ部11の後ろ側から前側へ曲がった後、更に前側へ向かってほぼ真っ直ぐに延びて排出トレイ21に至っている。搬送経路65は、Uターンする湾曲路65Aと、真っ直ぐな直線路65Bとに大別される。
【0035】
湾曲路65Aは、記録用紙Sが通過可能な空間を隔てて対向する外側ガイド部材18、内側ガイド部材19、及びガイド部材31などによって規定されている。直線路65Bは、記録用紙Sが通過可能な空間を隔てて対向する記録部24及びプラテン42、並びにガイド部材34及びガイド部材33などによって規定されている。給送トレイ20の給送ローラ25によって搬送経路65に沿って給送された記録用紙Sは、湾曲路65Aに沿って下方から上方へ向かって搬送向き17が反転され、直線路65Bに沿って搬送向き17が反転することなく後方から前方へ向かって搬送される。
【0036】
外側ガイド部材18は、湾曲路65Aに沿って記録用紙Sが搬送されるとき、外側の案内面を構成する部材である。内側ガイド部材19は、湾曲路65Aに沿って記録用紙Sが搬送されるとき、内側の案内面を構成する部材である。なお、各案内面は、1つの面で構成されていてもよいし、複数のリブの先端面の群として構成されていてもよい。ガイド部材31は、第1搬送ローラ対59の直上流(後ろ側)において内側ガイド部材19の上方に配置されている。外側ガイド部材18及びガイド部材31は、後述されるバイパス経路182を規定する部材でもある。
【0037】
[後面カバー22]
図2に示されるように、後面カバー22は、外側ガイド部材18を支持して筐体14の後面の一部を構成する部材である。後面カバー22は、下側の左右両端において筐体14に対して回動可能に軸支されている。外側ガイド部材18及び後面カバー22は、下側の左右方向9に沿った回動軸周りに、上側が後ろ向きへ倒伏するように回動する。これにより、搬送経路65の一部と、後述されるバイパス経路182の一部とが筐体14の外方に開放(露出)される。
【0038】
外側ガイド部材18は、後面カバー22と同様に、下側の左右両端において筐体14に対して回動可能に軸支されている。後面カバー22が後ろ向きへ倒伏するように回動された状態において、外側ガイド部材18も、下側の左右方向9に沿った回動軸周りに、上側が後ろ向きへ倒伏するようにして回動可能である。外側ガイド部材18が後ろ向きへ倒伏するように回動することにより、湾曲路65Aの少なくとも一部が開放(露出)される。図2に示されるように、後面カバー22が起立状態となるように閉じられると、外側ガイド部材18は、後面カバー22に後方から支持されて起立状態に維持され、内側ガイド部材19と対向して湾曲路65Aの一部を規定する。
【0039】
[第1搬送ローラ対59及び第2搬送ローラ対180]
図2に示されるように、搬送経路65に沿った記録用紙Sの搬送向き17における記録部24の上流側に、第1搬送ローラ対59が設けられている。第1搬送ローラ対59は、第1搬送ローラ60とピンチローラ61とを有する。同様に、搬送向き17における記録部24の下流側に、第2搬送ローラ対180が設けられている。第2搬送ローラ対180は、第2搬送ローラ62と拍車ローラ63とを有する。第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62は、後述するモータ78(図6参照)の回転が伝達されて回転する。第1搬送ローラ対59及び第2搬送ローラ対180は、それぞれを構成する各ローラの間に記録用紙Sを挟持した状態において、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62が回転することによって、記録用紙Sを搬送経路65に沿って搬送向き17に搬送する。なお、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62は、モータ78とは別に設けられたモータから駆動伝達されてもよい。
【0040】
[記録部24]
図2及び図3に示されるように、搬送向き17における第1搬送ローラ対59と第2搬送ローラ対180との間に記録部24が設けられている。記録部24は、キャリッジ40と記録ヘッド39とを備えている。キャリッジ40は、プラテン42の後側及び前側に設けられたガイドレール43,44によって左右方向9に往復動可能に支持されている。ガイドレール44には、公知のベルト機構が設けられている。キャリッジ40は、ベルト機構の無端ベルトと連結されており、無端ベルトの回動によってガイドレール43,44に沿って左右方向9に往復動する。空間を隔てて上下方向7に対向するキャリッジ40及び記録ヘッド39とプラテン42とは、直線路65Bの一部を規定する。
【0041】
記録ヘッド39は、キャリッジ40に搭載されている。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル38が形成されている。記録ヘッド39には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド39は、複数のノズル38からインクを微小なインク滴として選択的に吐出する。キャリッジ40が左右方向9へ移動しているときに、ノズル38からプラテン42に支持されている記録用紙Sに対してインク滴が吐出される。吐出されたインク滴がプラテン42上の記録用紙Sに付着することにより、記録用紙Sに画像が記録される。
【0042】
[バイパス経路182]
図2に示されるように、筐体14の後面において後面カバー22の上方に開口184が設けられている。筐体14の内部には、開口184から第1搬送ローラ対59へと延びるバイパス経路182が形成されている。バイパス経路182は、筐体14の内部において前後方向8の後方から前方へ斜め下方に向かって延びる経路である。バイパス経路182は、ガイド部材31、外側ガイド部材18及び後面カバー22などによって規定されている。ガイド部材31は、バイパス経路182に沿って記録用紙Sが搬送されるとき、上側の案内面を構成する部材である。外側ガイド部材18及び後面カバー22は、バイパス経路182に沿って記録用紙Sが搬送されるとき、下側の案内面を構成する部材である。バイパス経路182は、後述するレジストセンサ160の設置位置より搬送向き17の上流側において、搬送経路65に合流する。
【0043】
後述されるバイパストレイ71に収容された記録用紙Sは、バイパス経路182に沿って斜め下方へ案内される。この記録用紙Sは、搬送経路65の直線路65Bに沿って案内され、第1搬送ローラ対59により搬送される。この記録用紙Sは、更に記録部24によって画像記録が行われて、排出トレイ21へ排出される。このように、バイパストレイ71に収容された記録用紙Sは、ほぼ直線形状の経路(記録用紙Sの表面と裏面とが上下方向7において反転することのない経路)に沿って搬送される。
【0044】
[給送装置70]
図3に示されるように、プリンタ部11は、給送装置70を備えている。給送装置70は、バイパストレイ71(本発明の第1支持部の一例)と、給送部72(本発明の第1給送部の一例)と、シートセンサ150(本発明の第1検知部の一例)とを備える。給送装置70は、例えば、図1及び図4に示される固定部185及び可動部186によって構成されている。
【0045】
図1及び図4に示されるように、スキャナ部12の筐体16の後壁23(図5参照)には、開口184(図2参照)を覆うようにして下方へ延びる固定部185が設けられている。固定部185は、バイパストレイ71の搬送向き17の下流側の一部を構成している。図4に示されるように、固定部185の上側には、可動部186が固定部185に対して矢印80、82の方向に回動可能に設けられている。可動部186は、固定部185の上側に固定部185に対して回動可能に設けられている。可動部186は、図1に示されるように上下方向7に沿って起立した起立位置と、図4に示されるように上下方向7に対して傾斜した倒伏位置との間で回動可能である。
【0046】
起立位置とは、筐体14の後面側における可動部186のためのスペースを小さくするための状態であり、バイパストレイ71の不使用状態である。起立位置である可動部186の後面は、筐体14の後面と略平行となっている。起立位置の可動部186は、回動先端が回動基端よりも上方に位置している。倒伏位置とは、可動部186を筐体14の外側へ向かって斜め上方へ傾斜させることにより、傾斜した支持面188,193を実質的に1つの平面とした状態であり、バイパストレイ71の使用可能状態である。倒伏位置の可動部186は、回動先端が回動基端よりも筐体14の後面から離間している。可動部186を起立位置とするか倒伏位置とするかは、ユーザが任意に操作することにより選択可能である。
【0047】
[バイパストレイ71]
図1及び図5に示されるように、バイパストレイ71は、複合機10の後面側に設けられている。バイパストレイ71の少なくとも一部は、可動部186に設けられている。すなわち、バイパストレイ71は、固定部185(換言すれば、後壁23)に対して回動可能に設けられている。バイパストレイ71は、給送トレイ20とは独立して記録用紙Sを収容する。バイパストレイ71は、積層された複数の記録用紙Sを支持可能である。
【0048】
図5に示されるように、固定部185の上面には、左右方向9に沿って延びるスリット形状の開口187が形成されている。バイパストレイ71には、この開口187からバイパス経路182(図2参照)へと至る通路が形成されている。図4に示されるように、固定部185には、支持面188を有する支持部材189が設けられている。支持面188は、バイパス経路182(図2参照)まで斜め下方へ延びている。支持部材189の下端は、バイパス経路182に沿って搬送される記録用紙Sを案内するガイド面の一部を形成している。
【0049】
図4に示されるように、可動部186の左右方向9の両側には、側壁190,191が設けられている。側壁190,191は、固定部185の左右方向9の両側の一部を覆っている。可動部186は、支持部材192を備えている。支持部材192は、側壁190,191の間に渡って設けられている。可動部186が倒伏位置にあるとき、支持部材192の上面に設けられた支持面193は、支持面188と実質的に同一の平面をなす。つまり、可動部186が倒伏位置にあるバイパストレイ71において、支持部材189の支持面188及び支持部材192の支持面193によって形成される平面45が記録用紙Sを支持する。また、可動部186が起立位置にあるとき、支持面193は、複合機10の載置面に対して直交する、つまり上下方向7及び左右方向9に沿った状態となる。
【0050】
なお、本実施形態において複合機10が載置される載置面は、左右方向9と前後方向8とに沿って拡がる面である。ここで、「実質的に1つの平面(同一の平面)」とは、2つの面の間に僅かに段差があったとしても、支持された記録用紙Sが撓んだり湾曲したりしない平面のこと、すなわち、後述する分離部材132により安定した分離性能が発揮されるように記録用紙Sを支持する平面のことをいう。
【0051】
支持部材192には、一対のサイドガイド194が設けられている。一対のサイドガイド194は、左右方向9に離間されて設けられており、支持面193より上方へ突出されている。サイドガイド194は、バイパストレイ71の給送向き87に沿って延出されたガイド面195を有している。支持面193上の記録用紙Sが搬送されるとき、記録用紙Sの給送向き87に沿った端縁は、ガイド面195によって案内される。
【0052】
サイドガイド194は、支持部材192の支持面193に沿った支持面196を有する。つまり、サイドガイド194は、ガイド面195と支持面196とが直交する略L字形状をなしている。支持面196は、支持面193とは僅かに段差があるものの、実質的に同一の平面をなしており、支持面188,193とともに記録用紙Sを支持する。一対のサイドガイド194が左右方向9に沿って離間する距離は可変である。これにより、支持面193,196に支持された様々なサイズの記録用紙Sの端縁をサイドガイド194のガイド面195によって案内することができる。
【0053】
[給送部72]
図3に示されるように、給送部72は、回動軸66と、給送ローラ75と、給送アーム76と、駆動伝達機構79とを備える。給送部72は、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sを給送向き87に給送する。また、図4に示されるように、支持部材189の上端側であって支持面188の上方には、給送アーム76の回動軸66を回転可能に支持する補強部材183が設けられている。
【0054】
図3に示されるように、給送アーム76は、その一方の端部において、給送ローラ75を回転可能に支持している。また、給送アーム76は、その他方の端部において、回動軸66に回動可能に支持されている。給送アーム76は、回動軸66から支持面188へ向かって下方へ延出されている。給送アーム76は、固定部185における左右方向9の中央に配置されている。給送ローラ75は、給送アーム76の回動先端側の端部に支持されて、支持面188と対向して配置されている。給送ローラ75は、給送アーム76の回動に伴って、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対して当接及び離間、すなわち接離が可能である。給送ローラ75の回転軸83は左右方向9に延びている。
【0055】
回動軸66は、モータ78(図6参照)から回転駆動力が伝達されることにより回転する。モータ78の回転駆動力は、不図示のギヤによって回動軸66に伝達される。駆動伝達機構79は、互いに噛合する複数のギヤ48A、48B、48C、48Dを備える。駆動伝達機構79は、回動軸66の回転を給送ローラ75に伝達する。回動軸66及び駆動伝達機構79を通じてモータ78の正転の回転駆動力が伝達された給送ローラ75は、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sを給送向き87に給送する向きに回転する。
【0056】
給送アーム76と回動軸66とは、トーションばね(不図示)によって連結されている。給送アーム76は、トーションばねによって図3の矢印67の向き、つまりバイパストレイ71の平面45側に付勢される。なお、給送アーム76を矢印67の向きに付勢する構成は、トーションばねを備えた構成に限らない。例えば、一端を給送アーム76に接続され且つ他端をプリンタ部11のフレームに接続されたコイルばねが給送アーム76の前側に配置されていてもよい。この構成であっても、給送アーム76は、コイルばねによって矢印67の向きに付勢される。
【0057】
給送ローラ75は、バイパストレイ71の支持面188に支持された記録用紙Sのうち最上位置の記録用紙Sに当接した状態で回転することによって、バイパストレイ71上の最上位置の記録用紙Sをバイパス経路182に沿って給送向き87に給送する。一方、バイパストレイ71上の最上位置より下の記録用紙Sは、下側ガイド部材97の分離部132によって捌かれて、給送される最上位置の記録用紙Sに引き摺られることなくバイパストレイ71に保持される。その結果、最上位置の記録用紙Sだけが他の記録用紙Sから分離され、バイパス経路182に沿って給送向き87に給送される。
【0058】
[シートセンサ150]
図3に示されるように、バイパストレイ71には、シートセンサ150が設けられている。シートセンサ150は、バイパストレイ71の平面45上の記録用紙Sの有無を検知するためのセンサである。シートセンサ150は、固定部185に支持されていてもよいし、可動部186に支持されていてもよい。本実施形態において、シートセンサ150は、平面45に形成された凹部151に回動可能に設けられた検出子152と、発光素子及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子を有する光学センサ153とを備えている。但し、シートセンサ150は、バイパストレイ71による記録用紙Sの支持の有無を検知可能なものであるならば、上述した構成に限らない。
【0059】
バイパストレイ71の平面45上に記録用紙Sが支持されていない状態において、検出子152の一部分は、凹部151から平面45上に突出している。このとき、検出子152の他の部分は光学センサ153の発光素子から受光素子に至る光路に進入して、当該光路を通る光を遮断している。検出子152の他の部分が光路を通る光を遮断しているとき、光学センサ153から後述する制御部130(図6参照)にローレベルの信号が出力される。すなわち、シートセンサ150は、バイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていないことに応じて、制御部130にローレベル信号を出力する。
【0060】
一方、記録用紙Sが平面45上に支持されると、検出子152の一部分が記録用紙Sの裏面(平面45側の面)に押されて回動し、凹部151の内部への埋没する。これにより、検出子152の他の部分は上記光路から外れて、上記光路に光が通る。光路を光が通るとき、光学センサ153から制御部130にハイレベルの信号(本発明の第1検知信号の一例)が出力される。すなわち、シートセンサ150は、バイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていることに応じて、制御部130にハイレベル信号を出力する。
【0061】
[レジストセンサ160]
図3に示されるように、搬送経路65の第1搬送ローラ対59よりも搬送向き17の上流側に、レジストセンサ160(本発明の第2検知部の一例)が設けられている。また、レジストセンサ160は、搬送経路65及びバイパス経路182の合流位置より搬送向き17の下流側に配置されている。すなわち、給送トレイ20から給送された記録用紙S及びバイパストレイ71から給送された記録用紙Sは、当該レジストセンサ160の設置位置(以下、「検知位置」と表記する。)を通って第1搬送ローラ対59に到達する。さらに、シートセンサ150及びレジストセンサ160の間の長さ(搬送経路56及びバイパス経路182に沿った長さ)は、バイパストレイ71が支持可能な最も小さい記録用紙Sよりも短い。
【0062】
レジストセンサ160は、記録用紙Sが検知位置に存在するか否かを検出するためのセンサである。レジストセンサ160は、記録用紙Sが検知位置に存在していることに応じて、ハイレベル信号(本発明の第2検知信号の一例)を制御部130に出力する。一方、レジストセンサ160は、記録用紙Sが検知位置に存在していないことに応じて、ローレベル信号を制御部130に出力する。レジストセンサ160の具体的な構成は、例えばシートセンサ150と共通であってもよい。
【0063】
[制御部130]
図6に示されるように、制御部130は、複合機10の動作を制御するものである。制御部130は、CPU141、ROM142、RAM143、EEPROM144、及びASIC145を備えている。これらは内部バス147によって接続されている。
【0064】
ROM142には、CPU141が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM143は、CPU141が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM144には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
【0065】
RAM143には、異常検知フラグが記憶される。異常検知フラグは、シートセンサ150の異常が検知されたか否かを示すフラグである。異常検知フラグには、シートセンサ150の異常を検知していないことを示す“OFF(本発明の第1値の一例)”、及びシートセンサ150の異常を検知したことを示す“ON(本発明の第2値の一例)”のいずれかが設定される。異常検知フラグの初期値(すなわち、複合機10の電源投入時の値)は、“OFF”である。
【0066】
EEPROM144には、各トレイ20、71に支持されている記録用紙Sのサイズを示すサイズ設定情報が記憶されている。また、EEPROM144には、各トレイ20、71に支持されている記録用紙Sの種別(光沢紙、普通紙等)を示す種別設定情報が記憶されていてもよい。サイズ設定情報及び種別設定情報は、例えば、タッチパネル90を通じてユーザから取得してもよいし、各トレイ20、71に設けられたトレイセンサ161、162によって検出してもよい。
【0067】
ASIC145は、モータ78と接続されている。ASIC145は、モータ78を駆動させるための駆動信号をCPU141から取得したことに応じて、当該駆動信号に応じた駆動電流をモータ78に出力する。これにより、モータ78が正転または逆転する。つまり、制御部130は、モータ78の動作を制御する。モータ78の回転により、各ローラ25、60、62、75が回転する。
【0068】
ASIC145は、記録部24(記録ヘッド39及びキャリッジ駆動用モータ146)と接続されている。CPU141からキャリッジ駆動用モータ146に駆動信号が出力されると、キャリッジ駆動用モータ146が当該駆動信号に応じて回転してキャリッジ40が左右方向9に往復動する。また、CPU141から記録ヘッド39に制御信号が出力されると、記録ヘッド39から当該制御信号に応じたインク滴が吐出される。つまり、制御部130は、記録部24の動作を制御する。
【0069】
ASIC145は、表示パネル88、タッチパネル90、及び通信部148と接続されている。ASIC145は、表示パネル88の表示を制御し、タッチパネル90が取得したユーザからの指示を取得し、通信部を通じて外部装置と通信する。
【0070】
ASIC145は、シートセンサ150及びレジストセンサ160と接続されている。ASIC145は、シートセンサ150及びレジストセンサ160から出力されるハイレベル又はローレベルの信号を取得する。また、ASIC145は、トレイセンサ161、162と接続されていてもよい。トレイセンサ161は、給送トレイ20に支持された記録用紙Sのサイズ設定情報及び種別設定情報を検出し、検出結果をASIC145に出力する。トレイセンサ162は、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sのサイズ設定情報及び種別設定情報を検出し、検出結果をASIC145に出力する。トレイセンサ161、162は省略可能である。
【0071】
[画像記録処理]
次に、図7図11を参照して、本実施形態に係る画像記録処理が説明される。画像記録処理は、複合機10が電源オンのときに繰り返し実行される。図7(A)に示される画像記録処理は、例えば、ROM142に記憶されているプログラムをCPU141が読み出して実行することによって実現されてもよいし、制御部130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、各フローチャートにおいて、シートセンサ150からハイレベル信号が出力されていることを「シートセンサ“ON”」と表記し、シートセンサ150からローレベル信号が出力されていることを「シートセンサ“OFF”」と表記する。レジストセンサ160についても同様である。
【0072】
なお、本実施形態における画像記録装置においては、給送部15、72によって給送される記録用紙Sの重送、空送、及び搬送経路65及びバイパス経路182上におけるジャム等は考慮されない。すなわち、後述する給送処理おいて、給送トレイ20或いはバイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていれば、最上位置の記録用紙Sのみが他の記録用紙Sから適切に分離され、且つ第1搬送ローラ対59の位置まで適切に給送されるものとして、以下の各処理が説明される。
【0073】
まず、制御部130は、図7(A)に示されるように、JOBデータ取得処理を実行する(S11)。JOBデータ取得処理は、JOBデータ(本発明の記録指示の一例)を取得し、当該JOBデータから後述する各種情報を抽出する処理である。図7(B)を参照して、JOBデータ取得処理が説明される。
【0074】
制御部130は、複合機10にJOBデータが入力されるまで、換言すれば複合機10がJOBデータを取得するまで待機する(S15)。JOBデータの取得方法は特に限定されないが、例えば、タッチパネル90(本発明の取得部の一例)を通じてユーザから入力された指示に基づいてJOBデータを取得してもよいし、通信部148(本発明の取得部の他の例)を通じて外部装置からJOBデータを受信してもよい。そして、制御部130は、JOBデータを取得したことに応じて(S15:Yes)、当該JOBデータを解析して、画像情報、サイズ情報、ページ数情報、トレイ情報、及び種別情報等を抽出する(S16)。
【0075】
なお、タッチパネル90を通じてユーザから入力された指示に基づいてJOBデータを取得するとは、例えば以下のような処理を含む。一例として、制御部130は、複合機10に接続された記憶メディアに記憶されたデータを選択し、且つプリントボタンを押下するユーザ操作がタッチパネル90に対して行われたことによって、選択されたデータをJOBデータとして取得する。他の例として、制御部130は、原稿がADFにセットされた状態でコピーボタンを押下するユーザ操作がタッチパネル90に対して行われたことによって、スキャナ部12が当該原稿を読み取って生成したデータを、JOBデータとして取得する。この場合において、画像情報、サイズ情報、及びページ情報は取得したデータに含まれる。一方、トレイ情報及び種別情報は、例えば、プリントボタン或いはコピーボタンを押下する前にタッチパネル90を通じて指定されてもよいし、指定されなかった場合にはデフォルト値が用いられてもよい。
【0076】
画像情報は、記録用紙Sに記録すべき画像の情報である。サイズ情報は、画像が記録されるべき記録用紙Sのサイズ(例えば、A4、A3、B4等の用紙サイズ)を特定する情報である。ページ数情報は、1つのJOBデータによって画像が記録されるべき記録用紙Sの枚数を示す情報である。トレイ情報は、画像が記録されるべき記録用紙Sの給送元となるトレイを特定する情報である。本実施形態の複合機10においては、給送トレイ20及びバイパストレイ71のうちの1つのトレイが特定される。複合機10がさらに多数のトレイを備えている場合は、当該多数のトレイの中から1つのトレイが特定される。種別情報は、画像が記録されるべき記録用紙Sの種別(例えば、光沢紙、普通紙等)を特定する情報である。
【0077】
次に、制御部130は、給送元トレイ決定処理を実行する(S12)。給送元決定処理は、例えば、画像が記録されるべき記録用紙Sの給送元となるトレイが給送トレイ20及びバイパストレイ71のどちらであるかを、JOBデータに含まれるトレイ情報或いはサイズ情報等に基づいて決定する処理である。図8を参照して、給送元トレイ決定処理が詳細に説明される。
【0078】
まず、制御部130は、ステップS11で抽出したトレイ情報がバイパストレイ71を示すことに応じて(S21:Yes)、記録用紙Sの給送元をバイパストレイ71に決定する(S22)。また、制御部130は、ステップS11で抽出したトレイ情報が給送トレイ20を示すことに応じて(S21:No&S23:Yes)、記録用紙Sの給送元を給送トレイ20に決定する(S24)。
【0079】
一方、制御部130は、JOBデータにトレイ情報が含まれていないことに応じて(S21:No&S23:No)、JOBデータから抽出したサイズ情報と、EEPROM144に記憶されているサイズ設定情報とを比較する(S25)。そして、制御部130は、サイズ情報で示される記録用紙Sのサイズと、バイパストレイ71に支持されている記録用紙Sのサイズとが一致することに応じて(S25:Yes)、記録用紙Sの給送元としてバイパストレイ71を優先する(S26)。また、制御部130は、サイズ情報で示される記録用紙Sのサイズと、バイパストレイ71に支持されている記録用紙Sのサイズとが一致しないことに応じて(S25:No)、記録用紙Sの給送元として給送トレイ20を優先する(S27)。なお、トレイ情報及びトレイ設定情報に代えて又は加えて、種別情報及び種別特定情報に基づいて、給送元となるトレイの優先条件が設定されていてもよい。すなわち、トレイ情報は、記録用紙Sの給送元を決定する支持部情報の一例である。また、サイズ情報及びサイズ設定情報(或いは、種別情報及び種別設定情報)は、記録用紙Sの給送元として優先されるトレイを示す支持部情報の一例である。
【0080】
なお、ステップS26、S27において給送元となるトレイの優先順位が決められたとしても、この優先順位を覆す何らかの諸条件が発生する場合がある。このため、ステップS28において、制御部130は、各諸条件に基づいて最終的に給送元のトレイを決定する。このステップS28において、ステップS26、S27において優先されなかったトレイが給送元のトレイとして決定される場合もある。
【0081】
例えばステップS26においてバイパストレイ71を優先すると決定された場合において、制御部130は、シートセンサ150からハイレベル信号が出力されていることに応じて、記録用紙Sの給送元をバイパストレイ71に決定してもよい。一方、制御部130は、シートセンサ150からローレベル信号が出力されていることに応じて、記録用紙Sの給送元を給送トレイ20に決定してもよい。但し、ステップS28の処理は上述の例に限定されない。優先順位に基づく給送元トレイの決定は、例えば、実際に記録用紙Sを給送する際に実行されてもよい。
【0082】
次に、制御部130は、シート有無確認処理を実行する(S13)。シート有無確認処理は、給送元トレイ決定処理において給送元に決定されたトレイに、記録用紙Sが支持されているか否かを確認する処理である。図9を参照して、シート有無確認処理が詳細に説明される。
【0083】
まず、制御部130は、ステップS22において給送元がバイパストレイ71に決定され、且つ異常検知フラグに“OFF”が設定されていることに応じて(S31:Yes&S32:No)、給送処理を実行する(S33)。ステップS33の給送処理は、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sを給送向き87に給送するために、予め定められた駆動量(本発明の第1駆動量の一例)だけ給送部72を駆動する(すなわち、モータ78を正転させる)処理である。第1駆動量は、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sを、レジストセンサ160の検知位置に到達させるのに必要な駆動量より大きい。なお、制御部130は、ステップS33において、シートセンサ150から出力されている信号に拘わらず、給送処理を実行する。
【0084】
次に、制御部130は、給送処理中において、レジストセンサ160からハイレベル信号が出力され、且つシートセンサ150からローレベル信号が出力されていることに応じて(S34:Yes&S35:No)、異常検知フラグに“ON”を設定する(S36)。なお、ステップS36が実行される場合とは、具体的には、バイパストレイ71から給送された記録用紙Sがレジストセンサ160で検知されたにも拘わらず、当該記録用紙Sがシートセンサ150で検知されていない場合である。
【0085】
一方、制御部130は、給送処理中において、レジストセンサ160からハイレベル信号が出力され、且つシートセンサ150からハイレベル信号が出力されたことに応じて(S34:Yes&S35:Yes)、異常検知フラグに“OFF”を設定する(S37)。なお、制御部130は、ステップS34〜S37において、給送処理中にレジストセンサ160から出力される信号がローレベル信号からハイレベル信号に変化した時点でシートセンサ150から出力されている信号に基づいて、異常検知フラグに“ON”又は“OFF”を設定する。
【0086】
そして、制御部130は、レジストセンサ160がハイレベル信号を出力してからさらに所定の回転数だけモータ78を正転させて、シート有無確認処理を終了する。これにより、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sは、バイパス経路182及び搬送経路65を通って第1搬送ローラ対59の位置に到達する。
【0087】
また、制御部130は、給送処理において第1駆動量だけ給送部72を駆動してもレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されず、且つシートセンサ150からローレベル信号が出力されていることに応じて(S34:No&S38:No)、異常検知フラグに“OFF”を設定して(S39)、第1補充処理を実行する(S40)。さらに、制御部130は、第1補充処理の後にステップS33以降の処理を再び実行する。第1補充処理は、給送元のトレイに記録用紙Sが支持されていないことをユーザに対して報知すると共に、当該トレイへの記録用紙Sの補充を促す処理である。図11(A)を参照して、第1補充処理が詳細に説明される。
【0088】
まず、制御部130は、バイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていないことをユーザに対して報知する(S71)。報知の具体的な方法は特に限定されないが、例えば、液晶パネル88にメッセージを表示してもよいし、不図示のLEDを点滅させてもよいし、不図示のスピーカからガイド音声を出力してもよいし、これらを組み合わせてもよい。ステップS71における報知は、補充通知が取得され且つシートセンサ150からハイレベル信号が出力されるまで(S72:Yes&S73:No)、継続される。ステップS71の処理は、報知処理の一例である。
【0089】
そして、制御部130は、補充通知を取得し且つシートセンサ150からハイレベル信号が出力されたことに応じて(S72:Yes&S73:Yes)、報知を終了して第1補充処理を終了する(S74)。補充通知は、給送元のトレイに記録用紙Sが載置されたことを示すものである。補充通知の取得方法は特に限定されないが、例えば、液晶パネル88に表示された「OK」ボタンを給送元のトレイに記録用紙Sを補充したユーザがタップする操作をタッチパネル90を通じて取得してもよい。
【0090】
また、制御部130は、給送処理において第1駆動量だけ給送部72を駆動してもレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されず、且つシートセンサ150からハイレベル信号が出力されていることに応じて(S34:No&S38:Yes)、異常検知フラグに“ON”を設定する(S41)。次に、制御部130は、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する給送処理を再び実行する(S42)。ステップS41の後に実行される給送処理(S41→S42)は、ステップS33と共通する。なお、ステップS41が実行される場合とは、例えば、バイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていないにも拘わらず、シートセンサ150がハイレベル信号を出力している場合である。
【0091】
そして、制御部130は、給送処理中にレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されたことに応じて(S43:Yes)、さらに所定の回転数だけモータ78を正転させて、シート有無確認処理を終了する。これにより、上述された通り、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sが、バイパス経路182及び搬送経路65を通って第1搬送ローラ対59の位置に到達する。一方、制御部130は、給送処理において第1駆動量だけ給送部72を駆動してもレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されないことに応じて(S43:No)、第2補充処理を実行する(S44)。さらに、制御部130は、第2補充処理の後にステップS42以降の処理を再び実行する。図11(B)を参照して、第2補充処理が詳細に説明される。
【0092】
図11(B)に示される第2補充処理は、ステップS73が省略されている点において第1補充処理と相違し、その他の処理が第1補充処理と共通する。そして、第1補充処理は、異常検知フラグに“OFF”が設定されている場合に実行される。すなわち、第1補充処理では、正常に動作しているシートセンサ150から出力される信号に基づいて、バイパストレイ71に記録用紙Sが載置されたか否かが判断される。一方、第2補充処理は、異常フラグに“ON”が設定されている場合に実行される。すなわち、第2補充処理では、機能低下したシートセンサ150から出力される信号を無視して、或いは当該出力信号の如何に拘わらず、補充通知のみによってバイパストレイ71に記録用紙Sが載置されたか否かが判断される。さらに、第2補充処理は、給送トレイ20に記録用紙Sが支持されていない場合にも実行される。
【0093】
また、制御部130は、ステップS22において給送元がバイパストレイ71に決定され、且つ異常検知フラグに“ON”が設定されていることに応じて(S31:Yes&S32:Yes)、ステップS42以降の処理を実行する。さらに、制御部130は、ステップS23において給送元が給送トレイ20に決定されたことに応じて(S31:No)、ステップS42以降の処理を実行する。なお、給送元が給送トレイ20である場合の給送処理(S42)は、予め定められた駆動量(本発明の第2駆動量の一例)だけ給送部15を駆動(すなわち、モータ78を正転させる)する点において、上述の給送処理と相違する。第2駆動量は、給送トレイ20に支持された記録用紙Sを、レジストセンサ160の検知位置に到達させるのに必要な駆動量より大きい。
【0094】
なお、シート有無確認処理において、ステップS36が実行される場合とは、例えば、シートセンサ150がローレベル信号を出力したまま、その機能を停止している場合である。また、ステップS41が実行される場合とは、例えば、シートセンサ150がハイレベル信号を出力したまま、その機能を停止している場合である。ステップS36、S41の処理は、異常検知処理の一例である。一方、ステップS37、S39が実行される場合とは、例えば、シートセンサ150が正常に動作している場合である。
【0095】
次に、制御部130は、JOBデータ処理を実行する(S14)。JOBデータ処理は、JOBデータに含まれる画像情報に基づく画像を、記録用紙Sに記録する処理である。図10を参照して、JOBデータ処理が詳細に説明される。
【0096】
まず、制御部130は、シート有無確認処理で給送された記録用紙Sに対する記録処理を実行する(S51)。制御部130は、例えばステップS51において、第1搬送ローラ対59及び第2搬送ローラ対180に搬送向き17の所定の改行幅だけ記録用紙Sを搬送させる搬送処理と、キャリッジ40を左右方向9に移動させる過程で画像情報に基づいて記録ヘッド39にインクを吐出させる吐出処理とを交互に実行する。そして、制御部130は、画像情報に基づく画像が記録された記録用紙Sを、第2搬送ローラ対180に排出トレイ21へ排出させる。
【0097】
次に、制御部130は、次の記録用紙Sに記録すべき画像情報があり、且つ給送元がバイパストレイ71であることに応じて(S52:Yes&S53:Yes)、次に画像が記録されるべき記録用紙Sをバイパストレイ71から給送する(S54〜S58)。
【0098】
まず、制御部130は、異常検知フラグに“OFF”が設定されており、且つシートセンサ150からローレベル信号が出力されていることに応じて(S54:No&S55:No)、バイパストレイ71に対する第1補充処理(S56)を実行した後で、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する給送処理を実行する(S57)。すなわち、正常に動作しているシートセンサ150から出力される信号がバイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていないことを示している場合は、給送処理に先立って第1補充処理が実行される。なお、第1補充処理及び給送処理の詳細は、ステップS33、S40等と共通であってもよい。
【0099】
また、制御部130は、異常検知フラグに“OFF”が設定されており、且つシートセンサ150からハイレベル信号が出力されていることに応じて(S54:No&S55:Yes)、ステップS56をスキップして、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する給送処理を実行する(S57)。すなわち、正常に動作しているシートセンサ150から出力される信号がバイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていることを示している場合は、給送処理に先立って第1補充処理が実行されない。
【0100】
さらに、制御部130は、異常検知フラグに“ON”が設定されていることに応じて(S54:Yes)、ステップS55、S56をスキップして、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する記録処理を実行する(S57)。すなわち、シートセンサ150が機能低下している場合は、当該シートセンサ150から出力される信号を無視し、或いは当該出力信号の如何に拘わらず、バイパストレイ71に記録用紙Sが支持されていると仮定して給送処理が実行される。
【0101】
そして、制御部130は、給送処理中にレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されたことに応じて(S58:Yes)、さらに所定の回転数だけモータ78を正転させて、給送された記録用紙Sを第1搬送ローラ対59に到達させる。そして、制御部130は、当該記録用紙Sに対する記録処理を実行する(S51)。一方、制御部130は、給送処理において第1駆動量だけ給送部72を駆動してもレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されないことに応じて(S58:No)、第2補充処理(S59)を実行した後で、再び給送処理(S57)を実行する。
【0102】
一方、制御部130は、次の記録用紙Sに記録すべき画像情報があり、且つ給送元が給送トレイ20であることに応じて(S52:Yes&S53:No)、次に画像が記録されるべき記録用紙Sを給送トレイ20から給送する(S60〜S62)。すなわち、制御部130は、給送トレイ20に支持された記録用紙Sに対する給送処理を実行する(S60)。
【0103】
そして、制御部130は、給送処理中にレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されたことに応じて(S61:Yes)、さらに所定の回転数だけモータ78を正転させて、給送された記録用紙Sを第1搬送ローラ対59に到達させる。そして、制御部130は、当該記録用紙Sに対する記録処理を実行する(S51)。一方、制御部130は、給送処理において第2駆動量だけ給送部15を駆動してもレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されないことに応じて(S61:No)、第2補充処理(S62)を実行した後で、再び給送処理(S60)を実行する。
【0104】
一方、制御部130は、次の記録用紙Sに記録すべき画像情報がないことに応じて(S52:No)、JOBデータ処理を終了する。すなわち、記録処理(S51)は、JOBデータに含まれるページ数情報で示される記録用紙Sの枚数分だけ繰り返し実行される。そして、制御部130は、JOBデータ取得処理を再び実行し、ステップS16においてJOBデータが入力されるまで待機する。
【0105】
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、シートセンサ150からの出力信号を無視して、或いはシートセンサ150からの出力信号の如何に拘わらず、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する給送処理が実行される(S33、S41を経由したS42)。ステップS54で異常検知フラグに“ON”が設定されていた場合の給送処理(S57)についても同様である。その結果、シートセンサ150に機能低下が生じていたとしても、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する記録処理(S51)が実行不能となる事態を回避できる。
【0106】
なお、シートセンサ150は、ユーザによるバイパストレイ71への記録用紙Sの頻繁な挿抜に反応可能な位置に設けられる。また、バイパストレイ71に支持される記録用紙Sの厚さは1枚〜上限の枚数の厚さまでの様々な厚さがあるため、シートセンサ150は、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sの束の様々な厚さにも反応しなければならない。そのため、シートセンサ150は、レジストセンサ160と比較して機能低下を生じる可能性が高い。そこで、機能低下を生じる可能性が高いシートセンサ150による検知より信頼性の高い代替手段(すなわち、常に1枚の記録用紙Sのみを検知すれば十分なレジストセンサ160による検知)が複合機10の搬送経路65に存在する場合には、上記のようにシートセンサ150による検知結果を無視、或いは当該検知結果の如何に拘わらず次の処理を実行した方がよい場合がある。
【0107】
一方、シートセンサ150が正常に動作していることが確認された場合(S54:No)には、当該シートセンサ150から出力されるローレベル信号に基づいて(S55:No)、給送処理(S57)に先立って第1補充処理(S56)を実行する。このように、シートセンサ150から出力される信号が信頼できる場合には、当該信号を活用することによって、画像記録処理のスループットが向上する。
【0108】
また、シートセンサ150から出力される信号を活用するか否かは、給送処理の実行時に限定されない。すなわち、異常検知フラグに“OFF”が設定されている場合には第1補充処理を実行し(S40、S56)、異常検知フラグに“ON”が設定されている場合には第2補充処理を実行してもよい(S44、S59)。これにより、シートセンサ150が正常に動作している場合には画像記録処理のスループットが向上し、シートセンサ150に機能低下が生じている場合でも補充処理が実行不能となる事態を回避できる。
【0109】
また、制御部130は、ステップS26において記録用紙Sの給送元としてバイパストレイ71が優先された場合にも、シートセンサ150から出力される信号に基づいて、給送処理を実行してもよい。すなわち、制御部130は、シートセンサ150からハイレベル信号が出力されていることに応じて、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する給送処理を実行すればよい。一方、制御部130は、シートセンサ150からローレベル信号が出力されていることに応じて、給送トレイ20に支持された記録用紙Sに対する給送処理を実行すればよい。
【0110】
この場合、シートセンサ150が正常に動作しているか否かは不明である。しかしながら、シートセンサ150が正常に動作している場合にバイパストレイ71から記録用紙Sを給送することができる。さらに、仮にシートセンサ150が機能低下を生じていたとしても、給送トレイ20に支持された記録用紙を給送することができる。
【0111】
[変形例]
次に、図12図14を参照して、変形例に係る画像記録処理が説明される。なお、上記の実施形態との共通点の詳しい説明は省略され、相違点が詳細に説明される。
【0112】
まず、RAM143には、信号状態フラグがさらに記憶される。信号状態フラグは、後述する状態確認処理において、シートセンサ150からハイレベル信号が出力されていたか否かを示すフラグである。信号状態フラグには、シートセンサ150からハイレベル信号が出力されていたことを示す“ON(本発明の第3値の一例)”、及びシートセンサ150からハイレベル信号が出力されていなかった(すなわち、ローレベル信号が出力されていた)ことを示す“OFF(本発明の第4値の一例)”のいずれかが設定される。信号状態フラグの初期値(すなわち、複合機10の電源投入時の値)は、“OFF”である。
【0113】
制御部130は、図12に示される画像記録処理において、給送元トレイ決定処理(S12)の後で且つシート有無確認処理(S81)の前に、状態確認処理を実行する(S80)。図13に示される状態確認処理は、シートセンサ150からハイレベル信号が出力されているか否かを確認する処理である。具体的には、制御部130は、シートセンサ150からハイレベル信号が出力されていることに応じて(S82:Yes)、信号状態フラグに“ON”を設定する(S83)。一方、制御部130は、シートセンサ150からローレベル信号が出力されていることに応じて(S82:No)、信号状態フラグに“OFF”を設定する(S84)。
【0114】
また、制御部130は、図14に示されるJOBデータ処理において、信号状態フラグに設定された値に基づいて、処理を実行する。制御部130は、ステップS33の給送処理中において、レジストセンサ160からハイレベル信号が出力され、且つ信号状態フラグに“OFF”が設定されていることに応じて(S34:Yes&S86:No)、異常検知フラグに“ON”を設定する(S36)。一方、制御部130は、ステップS33給送処理中において、レジストセンサ160からハイレベル信号が出力され、且つ信号状態フラグに“ON”が設定されていることに応じて(S34:Yes&S86:Yes)、異常検知フラグに“OFF”を設定する(S37)。
【0115】
さらに、制御部130は、ステップS33の給送処理において第1駆動量だけ給送部72を駆動してもレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されず、且つ信号状態フラグに“OFF”が設定されていることに応じて(S34:No&S87:No)、異常検知フラグに“OFF”を設定して(S39)、第1補充処理を実行する(S40)。また、制御部130は、ステップS33の給送処理において第1駆動量だけ給送部72を駆動してもレジストセンサ160からハイレベル信号が出力されず、且つ信号状態フラグに“ON”が設定されていることに応じて(S34:No&S87:Yes)、異常検知フラグに“ON”を設定する(S41)。
【0116】
上記の変形例によれば、上記の実施形態と同様に、シートセンサ150に機能低下が生じていたとしても、バイパストレイ71に支持された記録用紙Sに対する記録処理及び補充処理が実行不能となる事態を回避できる。なお、上記の実施形態と変形例とは、シートセンサ150から出力される信号をチェックするタイミングが異なる。すなわち、上記の実施形態では、各判断のタイミングでシートセンサ150から出力される信号がチェックされる。一方、変形例は、シートセンサ150から出力される信号を事前にチェックしておき、チェックの結果を信号状態フラグとして保持しておく。
【符号の説明】
【0117】
10・・・複合機
11・・・プリンタ部
15・・・給送部
20・・・給送トレイ
24・・・記録部
71・・・バイパストレイ
72・・・給送部
78・・・モータ
130・・・制御部
143・・・RAM
150・・・シートセンサ
160・・・レジストセンサ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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