特開2015-229853(P2015-229853A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229853(P2015-229853A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】縁石ブロック並びに道路の形成方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 11/22 20060101AFI20151124BHJP
   E01H 11/00 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   E01C11/22 B
   E01H11/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-115992(P2014-115992)
(22)【出願日】2014年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】501028390
【氏名又は名称】国土交通省北陸地方整備局長
(71)【出願人】
【識別番号】591273281
【氏名又は名称】株式会社アドヴァンス
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】渡部 長務
(72)【発明者】
【氏名】須藤 弘之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 敦
(72)【発明者】
【氏名】羽深 圭一
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 通夫
(72)【発明者】
【氏名】細野 義則
(72)【発明者】
【氏名】畠中 英太郎
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AC05
2D051DA07
(57)【要約】
【課題】縁石ブロック脇の雑草の成長を抑制可能な縁石ブロック並びに縁石ブロック脇の雑草の成長を抑制可能な道路の形成方法を提供すること。
【解決手段】縁石ブロック3の側面4に、内方に窪む凹溝状のシート載置用横溝5を設け、このシート載置用横溝5は、歩道1若しくは前記車道2を構成する路盤11の上面と面一状態に配置する載置底面部6と、載置底面部6の上方に位置し側面4から縁石ブロック3の内方に向かって下がり傾斜する誘い込み傾斜上面部7とを有し、この誘い込み傾斜上面部7と前記載置底面部6との間に手13を入れて載置底面部6上に載置した防草シート10の端部のたわみや位置ズレを修正可能な修正作業用空間部9を形成した縁石ブロック。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩道と車道の境界位置に設置固定される縁石ブロックにおいて、前記縁石ブロックの歩道若しくは車道に面する側面に、内方に窪む凹溝状のシート載置用横溝を設け、このシート載置用横溝は、前記側面の所定高さに位置する横溝底面部が水平面となる載置底面部に形成し、この載置底面部を前記歩道若しくは前記車道を構成する路盤の上面と面一状態に配置するように構成して、この路盤上に敷設載置した防草シートの端部をこの載置底面部上に載置し得るように構成し、このシート載置用横溝は、前記載置底面部の上方に位置する横溝上面部が前記側面から前記縁石ブロックの内方に向かって下がり傾斜する誘い込み傾斜上面部に形成すると共に、この誘い込み傾斜上面部の前記側面に対する下がり傾斜角度とシート載置用横溝の横溝開口上下幅とを、この誘い込み傾斜上面部と前記載置底面部との間に手を入れて載置底面部上に載置した防草シートの端部のたわみや位置ズレを修正可能な修正作業用空間部が形成される傾斜角度と開口上下幅であって、且つ前記防草シート載置後に前記路盤上に舗装した舗装材が誘い込み傾斜上面部に沿って載置底面部上に載置した防草シート端部の先端上にまで充填可能な傾斜角度と開口上下幅に設定したことを特徴とする縁石ブロック。
【請求項2】
前記誘い込み傾斜上面部の前記縁石ブロックの側面に対する下がり傾斜角度を、35〜45度に設定すると共に、前記シート載置用横溝の横溝開口上下幅を、35〜45mmに設定したことを特徴とする請求項2記載の縁石ブロック。
【請求項3】
前記シート載置用横溝は、前記載置底面部の溝奥内側縁と、前記誘い込み傾斜上面部の溝奥内側縁との間に鉛直方向に立設する溝奥立設面部を有し、この溝奥立設面部と前記載置底面部と前記誘い込み傾斜上面部とに囲まれた空間部を前記修正作業用空間部としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の縁石ブロック。
【請求項4】
前記溝奥立設面部の立設高さを、前記防草シートの厚みと同等若しくは防草シートの厚みよりやや高く設定したことを特徴とする請求項3記載の縁石ブロック。
【請求項5】
前記溝奥立設面部の立設高さを、10〜15mmに設定したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の縁石ブロック。
【請求項6】
歩道と車道の境界位置に、前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の縁石ブロックを、その前記側面が歩道若しくは車道に面するようにして設置すると共に、この縁石ブロックの前記シート載置用横溝の載置底面部を、歩道若しくは車道を構成する路盤の上面と面一状態に配置し、この路盤上に防草シートを敷設載置すると共に、防草シートの端部を前記載置底面部に載置し、この防草シート端部のたわみや位置ずれをシート載置用横溝の前記修正作業用空間部に手を入れて修正した後、この防草シート上に舗装材を舗装して歩道若しくは車道を形成すると共に、舗装材を前記修正作業用空間部に充填することを特徴とする道路の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁石ブロック脇の雑草の繁殖を抑制する縁石ブロック並びに縁石ブロック脇の雑草の繁殖を抑制する道路の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩道と車道の境界にコンクリート製の縁石ブロックを設置固定して歩道と車道を区別し、歩行者の安全を確保している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、歩道や車道の縁石ブロック付近には、雨水などによって流された土が溜まり易く、この縁石ブロック脇に溜まった土に種子が着床して雑草が繁殖している箇所が多く見受けられる。
【0004】
このような縁石ブロック脇の雑草は、定期的に行う草刈り作業によって除去されてはいるが、道路上に茂っている部位を除去しても、根が縁石ブロックと歩道の隙間や縁石ブロックと車道の隙間から路盤の下方の地中にまで根付いているためすぐに繁茂してしまう。
【0005】
本発明は、このような現状に鑑みて開発されたもので、縁石ブロック付近に溜まった土に雑草の種子が着床しても、根が地中深くに根付くことを防止して雑草の成長を抑制可能な縁石ブロック並びにこの縁石ブロックを用いた道路の形成方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
歩道1と車道2の境界位置に設置固定される縁石ブロック3において、前記縁石ブロック3の歩道1若しくは車道2に面する側面4に、内方に窪む凹溝状のシート載置用横溝5を設け、このシート載置用横溝5は、前記側面4の所定高さに位置する横溝底面部6が水平面となる載置底面部6に形成し、この載置底面部6を前記歩道1若しくは前記車道2を構成する路盤11の上面と面一状態に配置するように構成して、この路盤11上に敷設載置した防草シート10の端部をこの載置底面部6上に載置し得るように構成し、このシート載置用横溝5は、前記載置底面部6の上方に位置する横溝上面部7が前記側面4から前記縁石ブロック3の内方に向かって下がり傾斜する誘い込み傾斜上面部7に形成すると共に、この誘い込み傾斜上面部7の前記側面4に対する下がり傾斜角度θとシート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lとを、この誘い込み傾斜上面部7と前記載置底面部6との間に手13を入れて載置底面部6上に載置した防草シート10の端部のたわみや位置ズレを修正可能な修正作業用空間部9が形成される傾斜角度と開口上下幅であって、且つ前記防草シート10載置後に前記路盤11上に舗装した舗装材12が誘い込み傾斜上面部7に沿って載置底面部6上に載置した防草シート10端部の先端上にまで充填可能な傾斜角度と開口上下幅に設定したことを特徴とする縁石ブロックに係るものである。
【0008】
また、前記誘い込み傾斜上面部7の前記縁石ブロック3の側面4に対する下がり傾斜角度θを、35〜45度に設定すると共に、前記シート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lを、35〜45mmに設定したことを特徴とする請求項2記載の縁石ブロックに係るものである。
【0009】
また、前記シート載置用横溝5は、前記載置底面部6の溝奥内側縁と、前記誘い込み傾斜上面部7の溝奥内側縁との間に鉛直方向に立設する溝奥立設面部8を有し、この溝奥立設面部8と前記載置底面部6と前記誘い込み傾斜上面部7とに囲まれた空間部を前記修正作業用空間部9としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の縁石ブロックに係るものである。
【0010】
また、前記溝奥立設面部8の立設高さHを、前記防草シート10の厚みと同等若しくは防草シート10の厚みよりやや高く設定したことを特徴とする請求項3記載の縁石ブロックに係るものである。
【0011】
また、前記溝奥立設面部8の立設高さHを、10〜15mmに設定したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の縁石ブロックに係るものである。
【0012】
また、歩道1と車道2の境界位置に、前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の縁石ブロック3を、その前記側面4が歩道1若しくは車道2に面するようにして設置すると共に、この縁石ブロック3の前記シート載置用横溝5の載置底面部6を、歩道1若しくは車道2を構成する路盤11の上面と面一状態に配置し、この路盤11上に防草シート10を敷設載置すると共に、防草シート10の端部を前記載置底面部6に載置し、この防草シート10端部のたわみや位置ずれをシート載置用横溝5の前記修正作業用空間部9に手13を入れて修正した後、この防草シート10上に舗装材12を舗装して歩道1若しくは車道2を形成すると共に、舗装材12を前記修正作業用空間部9に充填することを特徴とする道路の形成方法に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、縁石ブロック側面のシート載置用横溝に、路盤上に敷設載置した防草シートの端部を差し込んで載置底面部に載置できるため、縁石ブロックと歩道若しくは道路との隙間を防草シートで塞ぐことができ、従ってこの縁石ブロック脇に着床した雑草の根が地中に向かって成長することを防草シートで遮断して雑草の繁茂を抑制でき、しかも、このシート載置用横溝には、誘い込み傾斜上面部と載置底面部との間に手を入れられる修正作業用空間部が形成されるから、この修正作業用空間部に手を入れて防草シート端部のたわみや位置ズレを容易に且つ確実に修正でき、路盤と舗装材間に隙間を生じない歩道若しくは車道を形成でき、その上、このシート載置用横溝は、誘い込み傾斜上面部の前記側面に対する下がり傾斜角度とシート載置用横溝の横溝開口上下幅とを、路盤上に舗装した舗装材が誘い込み傾斜上面部に沿って載置底面部上に載置した防草シート端部の先端上にまで充填可能な傾斜角度と開口上下幅に設定したから、修正作業用空間部には防草シート端部の先端上にまで舗装材が充填されて雑草の根が入り込める空隙ができないなど、極めて実用性に優れた縁石ブロック並びにこの縁石ブロックを用いた道路の形成方法となる。
【0014】
また、請求項2記載の発明においては、手を入れて防草シート端部の修正作業が可能な修正作業用空間部が形成されるシート載置用横溝を確実に設計実現可能であると共に、修正作業用空間部に誘い込み傾斜上面部に沿って舗装材が一層入り込み易く充填され易い極めて実用性に優れた構成の縁石ブロックとなる。
【0015】
また、請求項3〜5記載の発明においては、修正作業用空間部の溝奥にまで手を入れ易く、防草シート端部の修正作業を一層容易に且つ確実に行うことができる極めて実用性に優れた構成の縁石ブロックとなり、特に請求項4,5記載の発明のように構成すれば、修正作業用空間部の溝奥にまで確実に手の指を届かせて修正作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施例を示す斜視図である。
図2】本実施例のシート載置用横溝を示す部分拡大正面図である。
図3】本実施例を基礎上に設置すると共に、路盤とシート載置用横溝の載置底面部とを面一状態に施工した状態を示す説明正断面図である。
図4図3に続いて、路盤上に防草シートを敷設載置すると共に、防草シートの端部をシート載置用横溝に差し込んで載置底面部に載置した状態を示す説明正断面図である。
図5図4に続いて、載置底面部に載置した防草シートの端部を、修正作業用空間部に手の指を入れて平らに均そうとする様子を示す部分拡大説明正断面図である。
図6図5に続いて、防草シート上に舗装材を舗装する様子を示す説明正断面図である。
図7】本実施例の道路の完成状態を示す説明斜断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0018】
本発明の縁石ブロック3は、歩道1若しくは車道2に面する側面4に設けた凹溝状のシート載置用横溝5に防草シート10の端部を差し込むことができ、この差し込んだ防草シート10の端部をシート載置用横溝5の載置底面部6に載置可能である。
【0019】
このように、シート載置用横溝5に防草シート10の端部を差し込んで道路(歩道1若しくは車道2)を形成すると、縁石ブロック3の側面4と歩道1との隙間若しくは側面4と車道2との隙間を防草シート10で塞ぐことができるので、縁石ブロック3脇に着床した雑草の根が地中深くへと成長しようとすることを防草シート10で抑制することができ(路盤11下方の地中に根付こうとすることを防草シート10で遮断でき)、従って、縁石ブロック3脇で雑草が繁茂しにくく、また深く根付かないので除去することも容易に行われる。
【0020】
本発明の縁石ブロック3の具体的な施工方法(道路の形成方法)を説明する。
【0021】
歩道1と車道2の境界位置に、本発明の縁石ブロック3を、その側面4が歩道1若しくは車道2に面するようにして設置すると共に、この側面4に設けたシート載置用横溝5の水平な横溝底面部6(載置底面部6)を、歩道1若しくは車道2を構成する路盤11の上面と面一状態となるようにする。
【0022】
次いで、路盤11上に防草シート10を敷設載置して、その端部を前記シート載置用横溝5に差し込み載置底面部6に載置する。
【0023】
この路盤11と載置底面部6とに載置した防草シート10にたわみや位置ズレが発生していた場合には、これを修正するが、この際、防草シート10の端部は、シート載置用横溝5に差し込まれているものの、シート載置用横溝5の横溝上面部7が前記側面4から前記縁石ブロック3の内方に向かって下がり傾斜する誘い込み傾斜上面部7であって、この誘い込み傾斜上面部7の前記側面4に対する下がり傾斜角度θとシート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lとを、この誘い込み傾斜上面部7と前記載置底面部6との間に手13を入れて載置底面部6上に載置した防草シート10の端部のたわみや位置ズレを修正可能な修正作業用空間部9が形成される傾斜角度と開口上下幅に設定しているから、この修正作業用空間部9に手13を入れてこの防草シート10端部のたわみや位置ズレの修正を容易に且つ確実に行うことができる。
【0024】
次いで、この防草シート10上に舗装材12を敷設して歩道1若しくは車道2を形成するが、前記したように防草シート10のたわみや位置ズレを確実に修正できるので、路盤11と舗装材12間に隙間を生じない歩道1若しくは車道2を形成できる。
【0025】
また、この際、シート載置用横溝5の誘い込み傾斜上面部7の前記側面4に対する下がり傾斜角度θとシート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lとを、前記防草シート10載置後に前記路盤11上に舗装した舗装材12が誘い込み傾斜上面部7に沿って載置底面部6上に載置した防草シート10端部の先端上にまで充填可能な傾斜角度と開口上下幅に設定しているため、修正作業用空間部9には誘い込み傾斜上面部7に沿って舗装材12が入り込み易く、修正作業用空間部9に隙間なく舗装材12が充填されることになる。
【0026】
従って、シート載置用横溝5に修正作業用空間部9を有してこの修正作業用空間部9に手13を入れて防草シート10のたわみや位置ズレを容易に且つ確実に修正可能な構成であるが、この修正作業用空間部9は最終的に舗装材12が充填されて雑草の根が入り込んで成長できる空隙とはならない。
【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例の縁石ブロック3は、図1に示すような横長棒状且つ断面略台形状のコンクリート製ブロックであって、歩道1若しくは車道2に面する側面4に、内方に窪む凹溝状のシート載置用横溝5を設けて、このシート載置用横溝5に防草シート10の端部を差し込み配設可能とし、このシート載置用横溝5に差し込んだ防草シート10で縁石ブロック3脇に着床した雑草の根が地中深くへと成長しようとすることを抑制できるようにしたものである。
【0029】
また、このシート載置用横溝5は、水平方向に長さを有すると共に、縁石ブロック3の長手方向の全範囲に設けている。
【0030】
また、図面は、歩道1に面する側面4に前記シート載置用横溝5を設けているが、車道2に面する側面4にシート載置用横溝5を設けても良いし、歩道1に面する側面4と車道2に面する側面4の双方にシート載置用横溝5を設けても良い(双方の側面4にシート載置用横溝5を設けた場合には、歩道1側と車道2側の双方に防草シート10を差し込んで設置しても良い。)。
【0031】
本実施例の要部であるシート載置用横溝5を、図2を用いて具体的に説明する。
【0032】
シート載置用横溝5は、前記縁石ブロック3の側面4の下部寄りの所定高さに位置する横溝底面部6と、この横溝底面部6の上方に位置する横溝上面部7と、前記横溝底面部6の溝奥内側縁と前記横溝上面部7の溝奥内側縁との間に存する溝奥立設面部8とを有する構成とし、この横溝底面部6と横溝上面部7と溝奥立設面部8とに囲まれた空間部9を修正作業用空間部9としている。
【0033】
先ず、前記横溝底面部6について説明すると、水平面となる載置底面部6に形成し、この載置底面部6を前記歩道1若しくは前記車道2の下層を構成する路盤11の上面と面一状態に配置するように構成して(基礎14上に設置した縁石ブロック3の載置底面部6と上面が面一状態となるように路盤11を施工して)、この路盤11上に敷設載置した防草シート10の端部をこの載置底面部6上に載置し得るように構成している。
【0034】
また、この載置底面部6は、側面4の開口から溝奥内方への奥行幅Dを20〜30mm(好ましくは25mm)に設定している。
【0035】
次に、前記横溝上面部7について説明すると、側面4の開口から前記縁石ブロック3の内方に向かって下がり傾斜する誘い込み傾斜上面部7に形成している。
【0036】
また、この誘い込み傾斜上面部7の前記側面4に対する下がり傾斜角度θは、35〜45度(好ましくは40度)に設定している。
【0037】
また、シート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lが、この誘い込み傾斜上面部7と前記載置底面部6との間に手13の指を入れて載置底面部6上に載置した防草シート10の端部のたわみや位置ズレを修正可能な前記修正作業用空間部9が形成される開口上下幅となるように、前記載置底面部6と前記誘い込み傾斜上面部7との上下対向位置関係を設定構成している。
【0038】
更に詳しくは、シート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lを35〜45mm(好ましくは40mm)に設定して、容易にこの修正作業用空間部9内に手13を入れることができるようにしている。
【0039】
また、このように誘い込み傾斜上面部7の傾斜角度θとシート載置用横溝5の開口上下幅Lを設定すると、前記防草シート10載置後に前記路盤11上に舗装した舗装材12が誘い込み傾斜上面部7に沿って修正作業用空間部9に入り込み易く、舗装材12をローラー車両等で転圧すると、載置底面部6上に載置した防草シート10端部の先端上にまで舗装材12が充填されて空隙を生じないことが、出願人の試作実験で確認されている。
【0040】
次に、前記溝奥立設面部8について説明すると、鉛直方向に立設するものとし、この溝奥立設面部8の立設高さHを、前記防草シート10の厚みよりやや高く設定している。
【0041】
更に詳しくは、溝奥立設面部8の立設高さHを、10〜15mm(好ましくは10mm)に設定して、修正作業用空間部9に入れた手13の指を溝奥立設面部8まで届かせて防草シート10端部のたわみや位置ズレを容易に修正できるようにしている。
【0042】
次に、このように構成した本実施例の縁石ブロック3を用いた道路の形成方法を、図3図7を用いて説明する。尚、防草シート10は、市販されている一般的なもので良いが、防草シート10上に舗装材12としてアスファルトを舗装する場合には、アスファルトの熱で溶解しない耐熱性に優れたもの(例えばポリエステル系)を採用すると良い。
【0043】
歩道1と車道2の境界位置に、シート載置用横溝5が設けられた側面4が歩道1に面するようにして縁石ブロック3を設置すると共に、このシート載置用横溝5の側面4の水平な載置底面部6を、歩道1の下層を構成する路盤11の上面と面一状態となるように施工する(図3参照。)。
【0044】
次いで、路盤11上に防草シート10を敷設載置して、その端部を前記シート載置用横溝5に差し込み載置底面部6に載置する(図4参照。)。
【0045】
尚、この路盤11と載置底面部6とに載置した防草シート10にたわみや位置ズレが発生していた場合には、図5に示すように、修正作業用空間部9に手13を入れてこの防草シート10端部のたわみや位置ズレの修正を行う。
【0046】
次いで、この防草シート10上にアスファルトやコンクリートなどの舗装材12を舗装し(図6参照。)、舗装材12をローラー車両等で転圧して歩道1を完成させる(図7参照。)が、この際、修正作業用空間部9に前記誘い込み傾斜上面部7に沿って舗装材12が入り込み、修正作業用空間部9に隙間なく舗装材12が充填されることになる。また、この際、舗装材12の厚さ寸法がシート載置用横溝5の横溝開口上下幅Hと同等の厚さとなるように施工することで、修正作業用空間部9に舗装材12が良好に入り込んで、載置底面部6上に載置した防草シート10端部の先端上にまで充填されることになる。
【0047】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0048】
1 歩道
2 車道
3 縁石ブロック
4 側面
5 シート載置用横溝
6 横溝底面部・載置底面部
7 横溝上面部・誘い込み傾斜上面部
8 溝奥立設面部
9 修正作業用空間部
10 防草シート
11 路盤
12 舗装材
13 手
H 立設高さ
L 横溝開口上下幅
θ 下がり傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7