【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例の縁石ブロック3は、
図1に示すような横長棒状且つ断面略台形状のコンクリート製ブロックであって、歩道1若しくは車道2に面する側面4に、内方に窪む凹溝状のシート載置用横溝5を設けて、このシート載置用横溝5に防草シート10の端部を差し込み配設可能とし、このシート載置用横溝5に差し込んだ防草シート10で縁石ブロック3脇に着床した雑草の根が地中深くへと成長しようとすることを抑制できるようにしたものである。
【0029】
また、このシート載置用横溝5は、水平方向に長さを有すると共に、縁石ブロック3の長手方向の全範囲に設けている。
【0030】
また、図面は、歩道1に面する側面4に前記シート載置用横溝5を設けているが、車道2に面する側面4にシート載置用横溝5を設けても良いし、歩道1に面する側面4と車道2に面する側面4の双方にシート載置用横溝5を設けても良い(双方の側面4にシート載置用横溝5を設けた場合には、歩道1側と車道2側の双方に防草シート10を差し込んで設置しても良い。)。
【0031】
本実施例の要部であるシート載置用横溝5を、
図2を用いて具体的に説明する。
【0032】
シート載置用横溝5は、前記縁石ブロック3の側面4の下部寄りの所定高さに位置する横溝底面部6と、この横溝底面部6の上方に位置する横溝上面部7と、前記横溝底面部6の溝奥内側縁と前記横溝上面部7の溝奥内側縁との間に存する溝奥立設面部8とを有する構成とし、この横溝底面部6と横溝上面部7と溝奥立設面部8とに囲まれた空間部9を修正作業用空間部9としている。
【0033】
先ず、前記横溝底面部6について説明すると、水平面となる載置底面部6に形成し、この載置底面部6を前記歩道1若しくは前記車道2の下層を構成する路盤11の上面と面一状態に配置するように構成して(基礎14上に設置した縁石ブロック3の載置底面部6と上面が面一状態となるように路盤11を施工して)、この路盤11上に敷設載置した防草シート10の端部をこの載置底面部6上に載置し得るように構成している。
【0034】
また、この載置底面部6は、側面4の開口から溝奥内方への奥行幅Dを20〜30mm(好ましくは25mm)に設定している。
【0035】
次に、前記横溝上面部7について説明すると、側面4の開口から前記縁石ブロック3の内方に向かって下がり傾斜する誘い込み傾斜上面部7に形成している。
【0036】
また、この誘い込み傾斜上面部7の前記側面4に対する下がり傾斜角度θは、35〜45度(好ましくは40度)に設定している。
【0037】
また、シート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lが、この誘い込み傾斜上面部7と前記載置底面部6との間に手13の指を入れて載置底面部6上に載置した防草シート10の端部のたわみや位置ズレを修正可能な前記修正作業用空間部9が形成される開口上下幅となるように、前記載置底面部6と前記誘い込み傾斜上面部7との上下対向位置関係を設定構成している。
【0038】
更に詳しくは、シート載置用横溝5の横溝開口上下幅Lを35〜45mm(好ましくは40mm)に設定して、容易にこの修正作業用空間部9内に手13を入れることができるようにしている。
【0039】
また、このように誘い込み傾斜上面部7の傾斜角度θとシート載置用横溝5の開口上下幅Lを設定すると、前記防草シート10載置後に前記路盤11上に舗装した舗装材12が誘い込み傾斜上面部7に沿って修正作業用空間部9に入り込み易く、舗装材12をローラー車両等で転圧すると、載置底面部6上に載置した防草シート10端部の先端上にまで舗装材12が充填されて空隙を生じないことが、出願人の試作実験で確認されている。
【0040】
次に、前記溝奥立設面部8について説明すると、鉛直方向に立設するものとし、この溝奥立設面部8の立設高さHを、前記防草シート10の厚みよりやや高く設定している。
【0041】
更に詳しくは、溝奥立設面部8の立設高さHを、10〜15mm(好ましくは10mm)に設定して、修正作業用空間部9に入れた手13の指を溝奥立設面部8まで届かせて防草シート10端部のたわみや位置ズレを容易に修正できるようにしている。
【0042】
次に、このように構成した本実施例の縁石ブロック3を用いた道路の形成方法を、
図3〜
図7を用いて説明する。尚、防草シート10は、市販されている一般的なもので良いが、防草シート10上に舗装材12としてアスファルトを舗装する場合には、アスファルトの熱で溶解しない耐熱性に優れたもの(例えばポリエステル系)を採用すると良い。
【0043】
歩道1と車道2の境界位置に、シート載置用横溝5が設けられた側面4が歩道1に面するようにして縁石ブロック3を設置すると共に、このシート載置用横溝5の側面4の水平な載置底面部6を、歩道1の下層を構成する路盤11の上面と面一状態となるように施工する(
図3参照。)。
【0044】
次いで、路盤11上に防草シート10を敷設載置して、その端部を前記シート載置用横溝5に差し込み載置底面部6に載置する(
図4参照。)。
【0045】
尚、この路盤11と載置底面部6とに載置した防草シート10にたわみや位置ズレが発生していた場合には、
図5に示すように、修正作業用空間部9に手13を入れてこの防草シート10端部のたわみや位置ズレの修正を行う。
【0046】
次いで、この防草シート10上にアスファルトやコンクリートなどの舗装材12を舗装し(
図6参照。)、舗装材12をローラー車両等で転圧して歩道1を完成させる(
図7参照。)が、この際、修正作業用空間部9に前記誘い込み傾斜上面部7に沿って舗装材12が入り込み、修正作業用空間部9に隙間なく舗装材12が充填されることになる。また、この際、舗装材12の厚さ寸法がシート載置用横溝5の横溝開口上下幅Hと同等の厚さとなるように施工することで、修正作業用空間部9に舗装材12が良好に入り込んで、載置底面部6上に載置した防草シート10端部の先端上にまで充填されることになる。
【0047】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。