特開2015-229983(P2015-229983A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229983(P2015-229983A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】オイルセパレータ
(51)【国際特許分類】
   F01M 13/04 20060101AFI20151124BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   F01M13/04 E
   F02F7/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-117483(P2014-117483)
(22)【出願日】2014年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平松 千明
(72)【発明者】
【氏名】堀内 洋志
【テーマコード(参考)】
3G015
3G024
【Fターム(参考)】
3G015AA05
3G015BE06
3G015BE07
3G015BE11
3G015BE14
3G015BE15
3G015BF03
3G015BF07
3G015CA05
3G015DA04
3G015EA25
3G024AA72
3G024BA24
(57)【要約】
【課題】ハウジング内に液状のオイルが流入することを抑制することができる。
【解決手段】オイルセパレータ11は、内燃機関のブローバイガスに含まれる霧状のオイルを分離するものであり、ガス流入口15が形成された底壁14を備え、底壁14の下面におけるガス流入口15の周囲には凹溝142が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のブローバイガスに含まれる霧状のオイルを分離するオイルセパレータであって、
ガス流入口が形成された底壁を備え、
前記底壁の下面における前記ガス流入口の周囲には凹溝が形成されている、
オイルセパレータ。
【請求項2】
内燃機関のブローバイガスに含まれる霧状のオイルを分離するオイルセパレータであって、
ガス流入口が形成された底壁を備え、
前記底壁の下面における前記ガス流入口の周囲には、前記上方に向かう段差部が形成されている、
オイルセパレータ。
【請求項3】
前記ガス流入口の上流端は、前記底壁の下面を含む仮想平面上又は同仮想平面よりも上方に位置している、
請求項1又は請求項2に記載のオイルセパレータ。
【請求項4】
前記オイルセパレータは内燃機関のシリンダヘッドカバーと一体に設けられている、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のオイルセパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のブローバイガスに含まれるオイルを分離するオイルセパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関には、クランク室内のブローバイガスを吸気通路に還流する還流通路が設けられている。また、シリンダヘッドカバーには、前記還流通路の一部をなすとともに、ブローバイガスに含まれる霧状のオイルを分離するオイルセパレータのハウジングが一体に設けられている(例えば特許文献1参照)。ハウジングの底壁には、ガス流入口が開口している。また、底壁には、ハウジング内の液状のオイルを外部に排出するためのオイル排出口が形成されている。また、ハウジングの頂壁には、ブローバイガスが流出する流出口が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010―248935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記ハウジングの底壁の直下には、内燃機関の吸気カム軸や排気カム軸が位置している。そのため、これらカム軸に付着しているオイルがこれらカム軸の回転に伴って飛散し、前記底壁の下面に付着する。そして、車両に対して内燃機関が傾斜して搭載されている場合には、底壁が傾斜するために液状のオイルが自重によって底壁の下面を伝って移動し、前記ガス流入口からハウジング内に流入するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、ハウジング内に液状のオイルが流入することを抑制することができるオイルセパレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのオイルセパレータは、内燃機関のブローバイガスに含まれる霧状のオイルを分離するものであって、ガス流入口が形成された底壁を備え、前記底壁の下面における前記ガス流入口の周囲には凹溝が形成されている。
【0007】
同構成によれば、底壁の下面におけるガス流入口の周囲に凹溝が形成されているため、底壁の下面を伝って移動してきた液状のオイルが凹溝を越えてガス流入口に流入することはほとんどなく、オイルは凹溝の縁部から自重によって落下することとなる。
【0008】
また、上記目的を達成するためのオイルセパレータは、内燃機関のブローバイガスに含まれる霧状のオイルを分離するものであって、ガス流入口が形成された底壁を備え、前記底壁の下面における前記ガス流入口の周囲には、前記上方に向かう段差部が形成されている。
【0009】
同構成によれば、底壁の下面におけるガス流入口の周囲に、上方に向かう段差部が形成されているため、底壁の下面を伝って移動してきた液状のオイルが段差部を越えてガス流入口に流入することはほとんどなく、オイルは段差部の縁部から自重によって落下することとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハウジング内に液状のオイルが流入することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態におけるオイルセパレータの斜視図。
図2図1の2−2線に沿った断面図。
図3図2の3−3線に沿った断面図。
図4】同実施形態のオイルセパレータのガス流入口を拡大して示す拡大断面図。
図5】変形例のオイルセパレータのガス流入口を拡大して示す拡大断面図。
図6】他の変形例のオイルセパレータのガス流入口を拡大して示す拡大断面図。
図7】他の変形例のオイルセパレータのガス流入口を拡大して示す拡大断面図。
図8】他の変形例のオイルセパレータのガス流入口を拡大して示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図4を参照して、一実施形態について説明する。
図1図3に示すように、オイルセパレータ11のハウジング13は、内燃機関のシリンダヘッドカバー12と一体に形成されるとともに下方に向けて開口する箱状のハウジング本体131と、同ハウジング本体131の下部開口を覆う上面視長方形状の底壁14とを備えている。底壁14は、ハウジング本体131の下部開口の周縁に対して振動溶着などにより固設されている。
【0013】
底壁14の長手方向の一端側(左端側)には、図示しない流路を介して内燃機関のクランク室に連通する断面正方形状のガス流入口15が形成されている。底壁14の上面には、ガス流入口15の内周面を形成する凸部141が形成されている。図3に示すように、凸部141の下面、すなわち底壁14の下面におけるガス流入口15の周囲には、凹溝142が形成されている。また、ガス流入口15の上流端15aは底壁14の下面を含む仮想平面24上に位置している。
【0014】
ハウジング13の側壁には、図示しない流路を介して内燃機関の吸気通路に連通するガス流出口16が突設されている。ガス流出口16は、前記長手方向においてガス流入口15の形成位置とは反対側の端の近傍に位置している。そして、ハウジング13内におけるガス流入口15とガス流出口16との間には、ブローバイガスの流路であるガス流路17が形成されている。
【0015】
底壁14の上面には、第1分離板18が突設されている。図3に示すように、第1分離板18の上端とハウジング本体131の頂壁132の下面との間には、ガス流路17を確保するための間隙19が形成されている。
【0016】
頂壁132の下面における前記間隙19の下流側には、第2分離板21が突設されている。第2分離板21の下端と底壁14の上面との間には、ガス流路17を確保するための間隙22が形成されている。
【0017】
底壁14における第1分離板18と第2分離板21との間には、オイル排出口20が形成されている。
図1に示すように、第1分離板18の下端隅部には、オイル通路23が形成されている。そして、第1分離板18で分離されたオイルが、オイル通路23を通じてオイル排出口20に導かれる。
【0018】
次に、本実施形態のオイルセパレータ11の作用について説明する。
内燃機関の運転に伴ってクランク室内に発生したブローバイガスは、オイルセパレータ11のガス流入口15からハウジング13内に流入し、ガス流出口16に向けてガス流路17を流れる。
【0019】
このとき、ブローバイガスは、第1分離板18のガス流入口15側の面に衝突することにより、ブローバイガスに含まれる霧状のオイルが同面に付着してガスから分離される。続いて、第1分離板18上の間隙19を通過したブローバイガスは、第2分離板21の第1分離板18に対向する面に衝突することにより、ブローバイガスに残留するオイルが同面に付着してガスから分離される。
【0020】
第1分離板18で分離されたオイルは下方へ流れ、オイル通路23を通じてオイル排出口20に導かれるとともに同オイル排出口20から排出される。また、第2分離板21で分離されたオイルは下方へ流れ、オイル排出口20から排出される。こうしてハウジング13の外部に排出されたオイルは、シリンダヘッドカバー12の内側に位置する図示しない吸気カム軸や排気カム軸などの可動部の潤滑に供される。
【0021】
ところで、ハウジング13の底壁14の直下には、吸気カム軸や排気カム軸が存在するため、これらカム軸に付着している液状のオイルがこれらカム軸の回転に伴って飛散し、底壁14の下面に付着する。そして、車両に対して内燃機関が傾斜して搭載されている場合には、底壁14が傾斜するために液状のオイルが自重によって底壁14の下面を伝って移動することとなる。ここで、本実施形態のオイルセパレータ11によれば、底壁14の下面におけるガス流入口15の周囲に凹溝142が全周にわたって形成されている。このため、底壁14の下面を伝って移動してきた液状のオイルが凹溝142を越えてガス流入口15に流入することはほとんどなく、オイルは凹溝142の縁部から自重によって落下することとなる。従って、ハウジング13内に液状のオイルが流入することが抑制される。
【0022】
以上説明した本実施形態に係るオイルセパレータによれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)オイルセパレータ11は、内燃機関のブローバイガスに含まれる霧状のオイルを分離するものであり、ガス流入口15が形成された底壁14を備え、底壁14の下面におけるガス流入口15の周囲には凹溝142が形成されている。
【0023】
こうした構成によれば、底壁14の下面を伝って移動してきた液状のオイルが凹溝142を越えてガス流入口15に流入することはほとんどない。従って、ハウジング13内に液状のオイルが流入することを抑制することができる。
【0024】
(2)凹溝142は前記ガス流入口15の全周にわたって形成されている。このため、底壁14の下面を伝って移動してきた液状のオイルがガス流入口15に流入することを凹溝142の全周にわたって抑制することができる。従って、ハウジング13内に液状のオイルが流入することを効果的に抑制することができる。
【0025】
(3)ガス流入口15の上流端15aは、底壁14の下面を含む仮想平面24上に位置している。こうした構成によれば、ガス流入口15の上流端15aが底壁14の下面よりも下方に突出しない。このため、ガス流入口15の形成位置を決める際に、ガス流入口15の上流端15aが底壁14の直下に位置する吸気カム軸や排気カム軸のカムやカムキャップなどに干渉することを考慮する必要がなくなる。従って、ガス流入口15の形成位置の自由度を高めることができる。また、ガス流入口15の上流端15aが底壁14の下面よりも下方に突出しないことから、底壁14を前記カム軸に対して近接して配置することが可能となる。このため、シリンダヘッドカバー12の全高を低くすることができ、ひいては車両に搭載された状態の内燃機関の全高を低くすることができる。
【0026】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・例えば車両に内燃機関が搭載された状態で凹溝142のうちガス流入口15よりも下方に位置する部分おいては底壁14の下面を伝ってオイルが移動してくる可能性が低い。そのため、当該部位については凹溝を省略することもできる。
【0027】
・ガス流入口を断面円状にすることもできる。この場合、ガス流入口の形状に対応して凹溝を断面円環状にすればよい。
・底壁14の下面における凹溝142の外周側に他の凹溝を形成することもできる。すなわち、凹溝を二重或いは三重に形成することもできる。この場合、底壁14の下面を伝って移動してきた液状のオイルが凹溝142を越えてガス流入口15に流入することをより一層抑制することができる。
【0028】
・ガス流入口15の上流端15aを底壁14の下面を含む仮想平面24よりも上方に設定することもできる。また、ガス流入口15の上流端15aを前記仮想平面24よりも下方に設定することもできる。
【0029】
図5に示すように、凸部341の内周面を上流側ほどガス流入口35の中心軸線Cに近接するように形成することもできる。また、図6に示すように、凸部441の外周面を上流側ほどガス流入口45の中心軸線Cから離間するように形成することもできる。また、図7に示すように、凸部541の外周面を階段状にすることもできる。また、これに合わせて凹溝542を階段状にすることもできる。これらの場合、凸部341,441,541の上面の面積の増大を抑制しつつ、底壁34,44,54の下面に開口する凹溝342,442,542の幅X1,X2,X3を大きくすることができる。従って、ハウジングの内部の空間を広く確保することができるとともに、底壁34,44,54の下面を伝って移動してきた液状のオイルが凹溝342,442,542を越えてガス流入口35,45,55に流入することを、より効果的に抑制することができる。
【0030】
図8に示すように、底壁64の下面におけるガス流入口65の周囲に、上方に向かう段差部643を形成するようにしてもよい。この場合であっても、底壁64の下面を伝って移動してきた液状のオイルが段差部643を越えてガス流入口に流入することはほとんどなく、オイルは段差部643の手前から自重によって落下することとなる。また、段差部643においては、同段差部643が障壁となって図8に矢印Aにて示すハウジング内に向かうガスの流速が、矢印Bにて示すガス流入口65の中心軸線C近傍を流れるガスの流速よりも小さくなる。このため、底壁64の下面を伝って段差部643の手前まで移動してきた液状のオイルが、段差部643に沿って流れるガスによってガス流入口65からハウジング内に持ち去られることはほとんどない。
【0031】
・オイルセパレータをシリンダヘッドカバーと別体とすることもできる。
【符号の説明】
【0032】
11…オイルセパレータ、12…シリンダヘッドカバー、13…ハウジング、131…ハウジング本体、132…頂壁、14,34,44,54,64…底壁、141,341,441,541…凸部、142,342,343,442,542…凹溝、15,35,45,55,65…ガス流入口、15a…上流端、16…ガス流出口、17…ガス流路、18…第1分離板、19…間隙、20…オイル排出口、21…第2分離板、22…間隙、23…オイル通路、24…仮想平面、643…段差部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8