【解決手段】支持脚2は、ねじ棒11と、その軸方向に互いに間隔をあけて設けられて設置面G及び構造物Fの下面F2bを各々支持する支持面52a,53aを有する一対の支持部52,53と、ねじ棒に螺合し、各支持部を前記軸方向に移動させる位置調整用雌ねじ部16,17と、ねじ棒を挿通させて第一支持部52を前記軸方向から挟み込む一対の狭持部材14と、ねじ棒に螺合し、第一支持部及び一対の狭持部材を相互に移動不能に保持する一対の保持用雌ねじ部15と、を備える。第一支持部に対向する各狭持部材の部位には球状凸面18が形成され、第一支持部には球状凸面に面接触する球状凹面19が形成される。球状凸面及び球状凹面が相互に摺動することで、ねじ棒の軸方向と第一支持部の支持面との傾斜角度が変化する。
前記保持用雌ねじ部が、前記ねじ棒に螺着され、一対の前記狭持部材を前記軸方向から挟み込むことで、前記第一支持部及び一対の前記狭持部材を相互に移動不能に保持する一対の保持用ナットの雌ねじ部であり、
各保持用ナットの雌ねじ部は、前記第一支持部を前記軸方向に移動させる前記位置調整用雌ねじ部を兼用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支持脚。
前記一対の支持部のうち第二支持部を前記軸方向に移動させる前記位置調整用雌ねじ部が、前記第二支持部に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の支持脚。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第一実施形態〕
以下、
図1〜3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る支持脚1は、設置面G上に間隔をあけて構造物Fを設置するために構造物Fを支持する。本実施形態では、複数(例えば三つ以上)の支持脚1によって構造物Fを支持する。
【0021】
ここで、設置面Gは、例えば
図1に示すように、屋外あるいは屋内の床面であってもよいし、例えば、鉄塔の頂部等に設けられた板材の上面であってもよい。また、設置面Gは、平坦面であってもよいが、例えば起伏のある面であってもよい。設置面Gの一部あるいは全体が、例えば水平面(
図2参照)であってもよいし、水平面に対して傾斜する傾斜面(
図3参照)であってもよい。
構造物Fは、大きさや重さを問わず、任意の物体であってよいが、例えば
図1に示すように、気象レーダー等のアンテナを備え、主に屋外に設けられる装置F1であってもよい。また、構造物Fは、例えば
図1に示すように、構造物本体である装置F1をベース板部F2の上面に着脱可能に固定して構成されてもよいし、例えば、ベース板部F2を有さない装置F1のみの構成であってもよい。
【0022】
支持脚1は、
図2,3に示すように、棒状のねじ棒11と、一対の支持部12,13と、を備える。
ねじ棒11は、外周に雄ねじを形成して構成されている。一対の支持部12,13は、それぞれねじ棒11を挿入した状態でねじ棒11の軸方向に互いに間隔をあけて設けられる。各支持部12,13は、相互に対向する設置面Gと構造物Fの下面F2bを支持する支持面12a,13aを有する。本実施形態において、一対の支持部12,13のうち第一支持部12の支持面12a(以下、第一支持面12aとも呼ぶ)は、構造物Fの下面F2bを支持する。また、第二支持部13の支持面13a(以下、第二支持面13aとも呼ぶ)は、設置面Gを支持する。
【0023】
また、支持脚1は、一対の狭持部材14と、一対の保持用雌ねじ部15と、位置調整用雌ねじ部16,17と、を備える。
一対の狭持部材14は、ねじ棒11を挿通させて第一支持部12をねじ棒11の軸方向から挟み込む。第一支持部12及び一対の狭持部材14の相互に対向する部位の一方には、球面状の球状凸面18が形成されている。第一支持部12及び一対の狭持部材14の相互に対向する部位の他方には、球状凸面18に面接触する球状凹面19が形成されている。
一対の保持用雌ねじ部15は、ねじ棒11に螺合し、第一支持部12及び一対の狭持部材14を相互に移動不能に保持する。位置調整用雌ねじ部16,17は、ねじ棒11に螺合し、一対の支持部12,13のうち少なくとも一方の支持部12,13をねじ棒11の軸方向にそれぞれ移動させる。
【0024】
以下、本実施形態の支持脚1について、さらに具体的に説明する。
第一支持部12は、板状に形成されている。第一支持部12には、その厚さ方向に貫通してねじ棒11を挿通(挿入)させる挿通孔21(以下、第一挿通孔21と呼ぶ)が形成されている。第一挿通孔21の径寸法は、ねじ棒11の径寸法よりも大きく設定されている。第一支持部12は、一対の狭持部材14によって第一支持部12の厚さ方向から挟み込まれる。一対の狭持部材14のうち上側の狭持部材14Aに対向する第一支持部12の面は、前述した第一支持面12aである。第一支持部12において第一挿通孔21の軸方向は第一支持面12aに直交する。
各狭持部材14に対向する第一支持部12の各面(部位)には、球状凹面19が形成されている。球状凹面19の曲率中心は、第一支持部12の第一挿通孔21の軸線上に位置する。このため、球状凹面19は第一挿通孔21の周囲に形成されている。第一支持部12に形成される二つの球状凹面19の曲率半径は、互いに等しい。
【0025】
各狭持部材14は、例えば平面視円形の板状に形成されている。各狭持部材14は、これを第一支持部12に重ねた状態で第一支持部12の各面の一部のみを覆うように、第一支持部12よりも小さく形成されている。各狭持部材14には、ねじ棒11を貫通させる挿通孔22(以下、第二挿通孔22と呼ぶ)が形成されている。第二挿通孔22の径寸法は、ねじ棒11の径寸法よりも大きく設定されている。
第一支持部12に対向する各狭持部材14の部位には、球状凸面18が形成されている。球状凸面18の曲率中心は、各狭持部材14の第二挿通孔22の軸線上に位置する。このため、球状凸面18は各狭持部材14の第二挿通孔22の周囲に形成されている。球状凸面18は、第二挿通孔22が形成された各狭持部材14の内周縁から外周縁に至る領域全体に形成されている。
【0026】
球状凸面18の曲率半径は、前述した第一支持部12の球状凹面19の曲率半径と等しい。このため、一対の狭持部材14によって第一支持部12を挟み込んだ状態では、球状凸面18と球状凹面19とを面接触させることができる。また、
図2のように各狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向と第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向とが互いに平行しても、また、
図3のように各狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向が第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向に対して傾斜しても、球状凸面18と球状凹面19とを面接触させることができる。
図2のように狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向と第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向とが互いに平行している状態では、第一支持部12の第一挿通孔21及び狭持部材14の第二挿通孔22の軸が互いに一致する。
【0027】
本実施形態において、上記した第一支持部12及び一対の狭持部材14を相互に移動不能に保持する一対の保持用雌ねじ部15は、ねじ棒11に螺着される一対の保持用ナット23の雌ねじ部である。一対の保持用ナット23は、ねじ棒11に取り付けられた第一支持部12及び一対の狭持部材14をねじ棒11の軸方向から挟み込む位置に設けられる。一対の保持用ナット23は、一対の狭持部材14をねじ棒11の軸方向から挟み込むことで、第一支持部12及び一対の狭持部材14を相互に移動不能に保持する。
各保持用ナット23の雌ねじ部は、第一支持部12及び一対の狭持部材14をねじ棒11の軸方向に移動させる位置調整用雌ねじ部16(以下、第一位置調整用雌ねじ部16と呼ぶ)を兼用する。
【0028】
ここで、本実施形態の支持脚1は、上記した一対の保持用ナット23による一対の狭持部材14の挟み込み力が低下することを防ぐ、すなわち、一対の保持用ナット23の緩みを防ぐ緩み止め手段30を備える。
緩み止め手段30の構成は任意であってよいが、図示例の緩み止め手段30は、緩み止めナット31及びばねワッシャー32を備える。緩み止めナット31は、ねじ棒11に螺着され、一対の保持用ナット23のうち一対の支持部12,13の間に位置する下側の保持用ナット23Aと後述する第二支持部13との間に設けられる。ばねワッシャー32は、第一支持部12の第一支持面12a側に配される上側の狭持部材14Aと上側の保持用ナット23Bとの間に設けられる。
【0029】
本実施形態の第二支持部13は、設置面Gに配される脚部として形成されている。
第二支持部13は、筒状に形成された本体部24と、本体部24の軸方向の端部に設けられたフランジ部25と、を備える。フランジ部25は、本体部24の外周面から径方向外側に突出する円環板状に形成されている。フランジ部25を形成した第二支持部13の軸方向の第一端の面が、第二支持部13の第二支持面13aである。第二支持部13において本体部24の軸方向は第二支持面13aに直交する。
フランジ部25には、その厚さ方向に貫通する固定用孔26が複数形成されている。複数の固定用孔26は、フランジ部25の周方向に等間隔に配列されている。固定用孔26は、例えば第二支持部13をねじ止めにより設置面Gに固定する際に用いられる。
【0030】
本実施形態において、上記した第二支持部13をねじ棒11の軸方向に移動させる位置調整用雌ねじ部17(以下、第二位置調整用雌ねじ部17と呼ぶ)は、第二支持部13の内周面に形成されている。すなわち、本実施形態では、第二支持部13がねじ棒11に螺着される。これにより、第二支持部13の第二支持面13aは、ねじ棒11の軸方向に直交した状態に保持される。
さらに、本実施形態の支持脚1は、上記した第二支持部13がねじ棒11の軸方向に位置ずれすることを防ぐ位置ずれ防止手段40を備える。図示例の位置ずれ防止手段40は、第二支持部13よりも第一支持部12側に順次配列されたばねワッシャー41及び固定用ナット42を備えるが、これに限ることはない。
【0031】
次に、本実施形態の支持脚1を用いて構造物Fを設置面G上に設置する方法について説明する。
構造物Fを設置面G上に設置するためには、はじめに、複数の支持脚1を設置面G上に配置する。この際、第二支持部13の第二支持面13aを設置面Gに接触させる。
次いで、各支持脚1において一対の支持部12,13の支持面12a,13a同士の間隔を調整する。また、各支持脚1において一対の支持部12,13の支持面12a,13a同士の傾斜角度を調整する。
【0032】
一対の支持面12a,13a同士の間隔を調整する際には、例えば、第一位置調整用雌ねじ部16を有する保持用ナット23を回転させて第一支持部12をねじ棒11の軸方向に移動させればよい。また、例えば、第二位置調整用雌ねじ部17を有する第二支持部13自体を回転させて第二支持部13をねじ棒11の軸方向に移動させればよい。第二支持部13の位置調整は、ねじ棒11が第二支持部13の支持面12a,13aから突出しない範囲で行うことが好ましい。
【0033】
一対の支持面12a,13a同士の傾斜角度の調整は、例えば第一支持部12の第一支持面12aが水平となるように行う。一対の支持面12a,13a同士の傾斜角度を調整する際には、第一支持部12及び一対の狭持部材14が一対の保持用ナット23によって相互に固定されていない状態において、ねじ棒11の軸方向と第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向との傾斜角度が変化するように、ねじ棒11及び第一支持部12を相互に動かせばよい。この際には、一対の狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向がねじ棒11の軸方向に追従するように、球状凸面18及び球状凹面19が互いに摺動する。この際、一対の狭持部材14は、
図3に例示するように、これらの第二挿通孔22の軸方向の相互の平行状態が保持されるように、各々の球状凸面18の曲率中心を中心として互いに逆向きに移動する。
これに伴い、第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向に対する一対の狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向の傾斜角度が変化する。これにより、ねじ棒11の軸方向と第一支持部12の第一支持面12aとの傾斜角度が変化し、その結果として、第二支持部13の第二支持面13aに対する第一支持部12の第一支持面12aの傾斜角度を調整することができる。
【0034】
上記した説明において、支持面12a,13a同士の傾斜角度は、一対の支持部12,13の支持面12a,13a同士が平行する状態を基準(0度)としている。すなわち、ねじ棒11の軸方向と第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向との傾斜角度は、ねじ棒11の軸方向及び第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向が互いに直交する状態を基準(0度)としている。
【0035】
例えば、複数の支持脚1の第一支持部12の第一支持面12aを同一平面上に位置させる必要がある場合、上記した一対の支持面12a,13a同士の間隔や傾斜角度の調整は、構造物Fのベース板部F2あるいは調整用の板材(不図示)を複数の支持脚1の第一支持部12の第一支持面12aに載置した上で、実施することが好ましい。調整用の板材を用いる場合、一対の支持面12a,13a同士の間隔や傾斜角度を調整した後に、調整用の板材を取り外せばよい。
ところで、第一支持部12の第一支持面12a上には、ねじ棒11の一部、上側の狭持部材14Aの一部、上側の保持用ナット23Bが位置する。このため、ベース板部F2や調整用の板材には、その厚さ方向に貫通して、ねじ棒11の一部、上側の狭持部材14Aの一部、上側の保持用ナット23Bを挿入あるいは挿通させる貫通孔F4が形成されているとよい。
【0036】
前述のように一対の支持面12a,13a同士の間隔や傾斜角度を調整した後には、一対の保持用ナット23により第一支持部12及び一対の狭持部材14を挟み込めばよい。この状態では、各狭持部材14の球状凸面18が第一支持部12の球状凹面19に押し付けられるため、第一支持部12及び一対の狭持部材14が相互に移動不能に保持される。また、この状態では、前述の調整によって設定された一対の支持面12a,13a同士の間隔や傾斜角度が保持される。
【0037】
その後、緩み止めナット31が下側の保持用ナット23Bに押し付けられるように緩み止めナット31をねじ棒11の軸方向に移動させる。これにより、一対の保持用ナット23が緩んでしまうことを防止できる、すなわち、一対の保持用ナット23による第一支持部12及び一対の狭持部材14の固定が不意に解除されることを防止できる。また、第一支持部12が不意にねじ棒11の軸方向に移動することも防止できる。
さらに、固定用ナット42が第二支持部13に押し付けられるように固定用ナット42を移動させる。これにより、第二支持部13と固定用ナット42との間に挟み込まれたばねワッシャー41の弾性力によって、第二支持部13が不意にねじ棒11の軸方向に移動することを防止できる。
【0038】
最後に、構造物Fを複数の第一支持部12の第一支持面12a上に載置することで、設置面G上に対する構造物Fの設置が完了する。
前述したように、構造物Fを載置する第一支持部12の第一支持面12a上には、ねじ棒11の一部、上側の狭持部材14Aの一部、及び、上側の保持用ナット23Bが位置する。このため、構造物Fには、例えば、前述したベース板部F2の貫通孔F4のように、ねじ棒11の一部、上側の狭持部材14Aの一部、上側の保持用ナット23Bを挿入あるいは挿通させる孔が形成されているとよい。
また、構造物Fを設置面G上に載置した後には、例えば、構造物Fと各支持脚1の第一支持部12とをねじ止め等により固定してもよい。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の支持脚1は、設置面G及び構造物Fの下面F2bをそれぞれ支持する一対の支持部12,13を備える。このため、支持脚1を設置面G上に配置した状態で、一対の支持部12,13の支持面12a,13a同士の間隔、及び、一対の支持部12,13の支持面12a,13a同士の傾斜角度を調整した後に、第一支持部12の第一支持面12a上に構造物Fを配置することが可能となる。すなわち、設置面G上に設置される構造物Fの高さや傾きを容易に調整することができる。
【0040】
また、修理や点検等のために構造物Fを設置面G上から取り外しても、支持脚1を設置面G上に配しておくことができる。そして、各支持部12,13は、ねじ棒11に螺合する位置調整用雌ねじ部16,17によって軸方向の所望の位置に保持される。また、第一支持部12及び一対の狭持部材14が一対の保持用雌ねじ部15(一対の保持用ナット23)によって相互に固定されることで、一対の支持部12,13の支持面12a,13a同士の傾斜角度を所望の角度に保持できる。したがって、構造物Fの高さや傾きを再度調整することなく、再び構造物Fを設置面G上に設置することができる。
【0041】
さらに、本実施形態の支持脚1によれば、一対の保持用雌ねじ部15によって一対の支持部12,13の支持面12a,13a同士の傾斜角度が所望の角度に保持される。このため、構造物Fが風や地震等により外力を受けても、構造物Fが支持脚1の構造に起因して設置面Gに対して揺れ動くことを抑制できる。この効果は、一対の支持面12a,13a同士の傾斜角度あるいは第一支持部12の第一支持面12aの水平度を高い精度で保持することが要求される構造物F(例えばアンテナの向きの基準位置を高精度に設定することが要求される気象レーダー)を設置する場合に特に有用である。
【0042】
また、本実施形態の支持脚1によれば、球状凸面18が狭持部材14に形成され、球状凹面19が第一支持部12に形成されている。このため、球状凸面18を第一支持部12に形成し、球状凹面19を一対の狭持部材14に形成する場合と比較して、ねじ棒11の軸方向と第一支持部12の第一支持面12aとの傾斜角度をより大きく変化させることができる。したがって、水平面に対してより大きく傾斜する設置面G上に、構造物Fを水平状態で設置することが可能となる。以下、この点について具体的に説明する。
【0043】
例えば、第一支持部12の第一支持面12aの中央部分に球状凸面18を形成した場合、球状凸面18に対して狭持部材14の球状凹面19を摺動させると、狭持部材14が球状凸面18の周囲の支持面12aに当接することがある。このため、第一支持部12に対する狭持部材14の移動範囲が制限され、ねじ棒11の軸方向と第一支持部12の第一支持面12aとの傾斜角度を大きく変化させることができない。
これに対し、本実施形態のように、第一支持部12の第一支持面12aの中央部分に球状凹面19を形成した場合、球状凹面19に対して狭持部材14の球状凸面18を摺動させても、狭持部材14が球状凹面19の周囲の支持面12aに当接することはない。このため、第一支持部12に対する狭持部材14の移動範囲が制限されず、ねじ棒11の軸方向と第一支持部12の第一支持面12aとの傾斜角度をより大きく変化させることができる。
【0044】
さらに、本実施形態の支持脚1では、保持用雌ねじ部15が一対の狭持部材14をねじ棒11の軸方向から挟み込む一対の保持用ナット23の雌ねじ部である。このため、狭持部材14が保持用雌ねじ部15を形成したナットである場合と比較して、球状凸面18をより大きく形成することができる。
詳細に説明すれば、ナットの形状は規格で制限されるため、ナットの内周から外周に至る径方向の寸法を十分に確保できない。すなわち、狭持部材14をナットで構成した場合、球状凸面18を大きく形成することができない。これに対し、本実施形態のように、保持用雌ねじ部15が狭持部材14とは別個の保持用ナット23に形成される場合、狭持部材14はナットの規格にとらわれない形状に設定できるため、狭持部材14の外径寸法を大きく設定して球状凸面18を大きく形成することが可能となる。これにより、第一支持部12の第一挿通孔21の軸方向及び狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向の傾斜角度をより大きく設定しても、球状凹面19及び球状凸面18を相互に面接触させることができる。すなわち、ねじ棒11の軸方向と第一支持部12の第一支持面12aとの傾斜角度をより大きく変化させることができる。したがって、例えば、水平面に対してより大きく傾斜する設置面G上に、構造物Fを水平状態で設置することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態の支持脚1によれば、各保持用ナット23に形成された保持用雌ねじ部15が、第一支持部12用の第一位置調整用雌ねじ部16を兼用する。このため、第一位置調整用雌ねじ部16を保持用ナット23と別個のナットに形成する場合と比較して、支持脚1の構成部品点数の削減を図ることが可能となる。
さらに、本実施形態の支持脚1では、第二位置調整用雌ねじ部17が第二支持部13に形成されているため、第二位置調整用雌ねじ部17を第二支持部13と別個のナットに形成する場合と比較して、支持脚1の構成部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態の支持脚1では、第一支持部12の第一支持面12aが構造物Fの下面F2bを支持し、第二支持部13の第二支持面13aが設置面Gを支持する。このため、第二支持部13に挿入されたねじ棒11を、第二支持部13の第二支持面13aから突出させる必要がない。これにより、ねじ棒11を挿入するための穴(貫通孔や凹部)を形成することが困難な設置面Gにも支持脚1を配置することが可能となる。すなわち、支持脚1の汎用性向上を図ることができる。
【0047】
上記第一実施形態において、第二支持部13の軸方向の位置を調整する第二位置調整用雌ねじ部17は、第二支持部13に設けられているが、例えば、ねじ棒11に螺着され、第二支持部13をねじ棒11の軸方向から挟み込む一対のナットの雌ねじ部であってもよい。
また、第二位置調整用雌ねじ部17は、例えば設けられなくてもよい。この場合には、例えば、ねじ棒11をボルトにより構成し、ボルトのねじ部(ねじ棒11)を第二支持部13の第二支持面13a側から筒状の第二支持部13に挿通させた上で、第二支持部13をボルトの頭部と固定用ナット42とにより挟み込むことで、第二支持部13をねじ棒11に固定すればよい。
【0048】
さらに、上記第一実施形態において、上側の保持用ナット23Bは、例えばねじ棒11に一体に形成されてもよい。すなわち、上側の保持用ナット23Bは、ねじ棒11を構成するボルトの頭部であってもよい。この場合には、下側の保持用ナット23Aが第一位置調整用雌ねじ部16として機能しないため、第二支持部13をねじ棒11の軸方向に移動させる第二位置調整用雌ねじ部17が必要となる。
また、上記第一実施形態において、ねじ棒11は、例えばねじ棒11の下端部が設置面Gに埋設されるアンカーボルトであってもよい。
【0049】
〔第二実施形態〕
次に、
図4〜6を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図4に示すように、本実施形態の支持脚2は、第一実施形態と同様に、複数(例えば三つ以上)で設置面G上に間隔をあけて構造物Fを設置するために構造物Fを支持するものである。
本実施形態の設置面Gは、例えば
図4に示すように、鉄塔STの頂部等に設けられた板材Bの上面であってもよいが、これに限ることはない。また、設置面Gは、第一実施形態と同様に、平坦面であってもよいが、例えば起伏のある面であってもよい。また、設置面Gの一部あるいは全体が、例えば水平面(
図5参照)であってもよいし、水平面に対して傾斜する傾斜面(
図6参照)であってもよい。
【0051】
支持脚2は、
図5,6に示すように、棒状のねじ棒11と、一対の支持部52,53と、を備える。
一対の支持部52,53は、第一実施形態と同様に、それぞれねじ棒11を挿入した状態でねじ棒11の軸方向に互いに間隔をあけて設けられる。各支持部52,53は、相互に対向する設置面Gと構造物Fの下面F2bを支持する支持面52a,53aを有する。ただし、本実施形態において、一対の支持部52,53のうち第一支持部52の支持面52a(以下、第一支持面52aとも呼ぶ)は、設置面Gを支持する。また、第二支持部53の支持面53a(以下、第二支持面53aとも呼ぶ)は、構造物Fの下面F2bを支持する。
また、支持脚2は、第一実施形態と同様に、一対の狭持部材14と、一対の保持用雌ねじ部15と、位置調整用雌ねじ部16,17と、を備える。一対の狭持部材14の構成及び機能は、第一実施形態と同様である。一対の保持用雌ねじ部15、及び、位置調整用雌ねじ部16,17の各機能は、第一実施形態と同様である。
【0052】
以下、本実施形態の支持脚2について、さらに具体的に説明する。
本実施形態の第一支持部52は、設置面Gに配される脚部として形成されている。第一支持部52は、第一実施形態の第一支持部12と同様に形成されている。すなわち、第一支持部52は、板状に形成されている。第一支持部52には、その厚さ方向に貫通してねじ棒11を挿通(挿入)させる第一挿通孔21が形成されている。第一挿通孔21の径寸法は、ねじ棒11の径寸法よりも大きく設定されている。第一支持部52は、一対の狭持部材14によって第一支持部52の厚さ方向から挟み込まれる。一対の狭持部材14のうち下側の狭持部材14Cに対向する第一支持部52の面は、前述した第一支持面52aである。第一支持部52において第一挿通孔21の軸方向は第一支持面52aに直交する。
【0053】
各狭持部材14に対向する第一支持部52の各面(部位)には、第一実施形態と同様の球状凹面19が形成されている。球状凹面19の曲率中心は、第一支持部52の第一挿通孔21の軸線上に位置する。このため、球状凹面19は第一挿通孔21の周囲に形成されている。第一支持部52に形成される二つの球状凹面19の曲率半径は、互いに等しい。
さらに、本実施形態の第一支持部52には、その厚さ方向に貫通する固定用孔54が複数形成されている。複数の固定用孔54は、第一挿通孔21の軸線を中心とした同心円状に等間隔に配列されている。固定用孔54は、例えば第一支持部52をねじ止めにより設置面Gに固定する際に用いられる。
【0054】
上記した第一支持部52に対向する各狭持部材14の部位には、第一実施形態と同様の球状凸面18が形成されている。球状凸面18の曲率中心は、各狭持部材14の第二挿通孔22の軸線上に位置する。このため、球状凸面18は各狭持部材14の第二挿通孔22の周囲に形成されている。球状凸面18は、第二挿通孔22が形成された各狭持部材14の内周縁から外周縁に至る領域全体に形成されている。
球状凸面18の曲率半径は、前述した第一支持部52の球状凹面19の曲率半径と等しい。このため、一対の狭持部材14によって第一支持部52を挟み込んだ状態では、球状凸面18と球状凹面19とを面接触させることができる。また、
図5のように各狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向と第一支持部52の第一挿通孔21の軸方向とが互いに平行しても、また、
図6のように各狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向が第一支持部52の第一挿通孔21の軸方向に対して傾斜しても、球状凸面18と球状凹面19とを面接触させることができる。
図5のように狭持部材14の第二挿通孔22の軸方向と第一支持部52の第一挿通孔21の軸方向とが互いに平行している状態では、第一支持部52の第一挿通孔21及び狭持部材14の第二挿通孔22の軸が互いに一致する。
【0055】
本実施形態において、上記した第一支持部52及び一対の狭持部材14を相互に移動不能に保持する一対の保持用雌ねじ部15は、第一実施形態と同様に、ねじ棒11に螺着される一対の保持用ナット23の雌ねじ部(符号なし)である。一対の保持用ナット23は、ねじ棒11に取り付けられた第一支持部52及び一対の狭持部材14をねじ棒11の軸方向から挟み込む位置に設けられる。一対の保持用ナット23は、一対の狭持部材14をねじ棒11の軸方向から挟み込むことで、第一支持部52及び一対の狭持部材14を相互に移動不能に保持する。
各保持用ナット23の雌ねじ部は、第一支持部52及び一対の狭持部材14をねじ棒11の軸方向に移動させる第一位置調整用雌ねじ部16を兼用する。
【0056】
ここで、本実施形態の支持脚2は、上記した一対の保持用ナット23による一対の狭持部材14の挟み込み力が低下することを防ぐ、すなわち、一対の保持用ナット23の緩みを防ぐ緩み止め手段70を備える。緩み止め手段70は、任意の構成であってよい。図示例の緩み止め手段70は、ねじ棒11に螺着され、一対の保持用ナット23を挟み込むように配される一対の緩み止めナット71を備える。
【0057】
第二支持部53は、ねじ棒11に螺着される支持用ナット55を備える。また、第二支持部53は、図示例のようにねじ棒11を挿通させる支持用ワッシャー56(平ワッシャー)を備えてもよい。図示例のように第二支持部53が支持用ワッシャー56も備える場合、支持用ワッシャー56の軸方向の端面が第二支持部53の第二支持面53aをなす。例えば、第二支持部53が支持用ナット55のみを備える場合、支持用ナット55の軸方向の端面が第二支持部53の第二支持面をなす。
第二支持部53が上記したいずれの構成であっても、支持用ナット55の軸方向は、第二支持部53の第二支持面53aに直交する。
【0058】
本実施形態において、上記した第二支持部53をねじ棒11の軸方向に移動させる第二位置調整用雌ねじ部17は、支持用ナット55の雌ねじ部である。すなわち、ねじ棒11に螺着された支持用ナット55を回転させることで、第二支持部53(特に第二支持面53a)をねじ棒11の軸方向に移動させることができる。
また、図示例の支持脚2は、ねじ棒11に螺着され、第二支持部53の支持用ナット55と共に構造物Fの一部(図示例ではベース板部F2)を挟み込むことで、支持脚2を構造物Fに固定する固定用ナット57を備える。図示例では、固定用ナット57と構造物Fとの間に平ワッシャー58が設けられているが、平ワッシャー58は例えば設けられなくてもよい。
さらに、支持用ナット55及び固定用ナット57により構造物Fの一部を挟み込む場合、支持脚2は、支持用ナット55及び固定用ナット57の緩みを防ぐために、前述した緩み止め手段70と同様の手段を備えてもよい。
【0059】
次に、本実施形態の支持脚2を用いて構造物Fを設置面G上に設置する方法について説明する。
構造物Fを設置面G上に設置するためには、はじめに、複数の支持脚2を設置面G上に配置する。この際、第一支持部52の第一支持面52aを設置面Gに接触させる。
ここで、第一支持部52の第一支持面52a上には、ねじ棒11の一部、下側の狭持部材14Cの一部、下側の保持用ナット23C、及び、下側の緩み止めナット71Cが位置する。このため、設置面Gには、ねじ棒11の一部、下側の狭持部材14Cの一部、下側の保持用ナット23C、及び、下側の緩み止めナット71Cを挿入する凹部を形成する必要がある。本実施形態の設置面Gは、
図5,6に示すように、板材Bの上面であるため、第一支持部52の第一支持面52aから突出するねじ棒11の一部、下側の狭持部材14Cの一部、下側の保持用ナット23C、及び、下側の緩み止めナット71Cを挿入あるいは挿通させる貫通孔B1を上記凹部として形成すればよい。
【0060】
次いで、各支持脚2において一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の間隔を調整する。また、各支持脚2において一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の傾斜角度を調整する。
一対の支持面52a,53a同士の間隔を調整する際には、例えば、第一位置調整用雌ねじ部16を有する保持用ナット23により第一支持部52をねじ棒11の軸方向に移動させればよい。また、例えば、第二位置調整用雌ねじ部17を有する支持用ナット55により第二支持部53をねじ棒11の軸方向に移動させればよい。
【0061】
一対の支持面52a,53a同士の傾斜角度の調整は、例えば第二支持部53の第二支持面53aが水平となるように、すなわち、ねじ棒11の軸方向が鉛直方向となるように行う。一対の支持面52a,53a同士の傾斜角度の具体的な調整方法は、第一実施形態と同様である。
そして、例えば、複数の支持脚2の第二支持部53の第二支持面53aを同一平面上に位置させる必要がある場合、上記した一対の支持面52a,53a同士の間隔や傾斜角度の調整は、第一実施形態と同様に、構造物Fのベース板部F2あるいは調整用の板材(不図示)を複数の支持脚2の第二支持部53の第二支持面53aに載置した上で、実施することが好ましい。
【0062】
一対の支持面52a,53a同士の間隔や傾斜角度を調整した後には、第一実施形態と同様に、一対の保持用ナット23により第一支持部52及び一対の狭持部材14を挟み込んで、第一支持部52及び一対の狭持部材14を相互に移動不能に保持する。これにより、前述の調整によって設定された一対の支持面52a,53a同士の間隔や傾斜角度が保持される。
その後、一対の緩み止めナット71によって一対の保持用ナット23を挟み込むように一対の緩み止めナット71を移動させる。これにより、一対の保持用ナット23が緩んでしまうことを防止できる。
【0063】
最後に、構造物Fを複数の第二支持部53の第二支持面53a上に設置することで、設置面G上に対する構造物Fの設置が完了する。
構造物Fを第二支持部53の第二支持面53a上に設置する際には、固定用ナット57によって支持脚2を構造物Fに固定してもよい。支持脚2を構造物Fに固定する場合には、はじめに、第二支持部53の第二支持面53aから突出するねじ棒11の一部を構造物Fのベース板部F2に形成された貫通孔F4に挿通させて、ベース板部F2を第二支持部53の第二支持面53a上に載置する。その後、固定用ナット57をねじ棒11に螺着させ、ベース板部F2を固定用ナット57及び第二支持部53の支持用ナット55との間に挟み込むことで、支持脚2が構造物Fに固定される。
上記の説明では、固定用ナット57及び支持用ナット55の間に構造物Fのベース板部F2が挟み込まれるが、例えば、固定用ナット57及び支持用ナット55の間に構造物Fの装置F1の底部が挟み込まれてもよい。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の支持脚2によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
すなわち、一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の間隔、及び、一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の傾斜角度を調整した後に、第二支持部53の第二支持面53a上に構造物Fを配置できるため、設置面G上に設置される構造物Fの高さや傾きを容易に調整することができる。
また、構造物Fを設置面G上から取り外しても、支持脚2を設置面G上に配しておくことができるため、構造物Fの高さや傾きを再度調整することなく、再び構造物Fを設置面G上に設置することができる。
【0065】
さらに、本実施形態の支持脚2は、構造物Fと共に設置面G上から取り外すこともできる。この場合でも、一対の保持用雌ねじ部15によって一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の傾斜角度を所望の角度に保持できるため、また、位置調整用雌ねじ部16,17によって各支持部52,53を軸方向の所望の位置に保持できるため、構造物Fの高さや傾きを再度調整することなく、再び構造物Fを設置面G上に設置することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態の支持脚2において、構造物Fの下面F2bを支持する第二支持部53は、設置面Gを支持する脚部として構成される第一実施形態の第二支持部13と比較して、簡素に構成できるため、支持脚2を安価に製造することが可能となる。
また、本実施形態の支持脚2によれば、構造物Fをより安定して支持することが可能となる。すなわち、第一支持部52及び一対の狭持部材14を設けたねじ棒11の第一端部側の重さは、第二支持部53を設けたねじ棒11の第二端部側の重さよりも重くなりやすいが、本実施形態の支持脚2では、第一支持部52の第一支持面52aが設置面Gを支持するため、支持脚2の重心を低く設定することができる。したがって、第一支持部52が構造物F側に配される場合と比較して、ねじ棒11の径寸法を小さくする等してねじ棒11の剛性を小さくしても、構造物Fを安定して支持することが可能となる。
【0067】
上記第二実施形態において、固定用ナット57は、例えばねじ棒11に一体に形成されてもよい。すなわち、ねじ棒11は例えばボルトによって構成されてもよい。
この場合、支持脚2は構造物Fに固定されたままとなるため、一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の間隔の調整、及び、一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の傾斜角度の調整は、構造物Fを設置面G上に配した状態で行う必要がある。
【0068】
ただし、この構成であっても、各支持部52,53は位置調整用雌ねじ部16,17によってねじ棒11(ボルト)の軸方向の所望の位置に保持されるため、また、一対の支持部52,53の支持面52a,53a同士の傾斜角度は一対の保持用雌ねじ部15によって所望の角度に保持されるため、一対の支持面52a,53a同士の間隔及び傾斜角度を一度調整すれば、これらを再度調整する必要がない。したがって、構造物Fを設置面Gから取り外し、再び構造物Fを設置面G上に設置する際に、構造物Fの高さや傾きを再度調整する必要がない。すなわち、設置面G上に設置される構造物Fの高さや傾きを容易に調整することができる。
また、設置面G上に設置された構造物Fが風や地震等により外力を受けても、構造物Fが支持脚2の構造に起因して設置面Gに対して揺れ動くことも抑制できる。
【0069】
さらに、支持脚2を予め構造物Fに固定した構成では、一対の支持面52a,53a同士の間隔及び傾斜角度を調整する際に、設置面G側に配される支持脚2の部位(ねじ棒11の下端部)や部品(第一支持部52、保持用ナット23、緩み止めナット71)のみを操作すればよい。すなわち、構造物F側に配される支持脚2の部位や部品(特に固定用ナット57)を操作する必要が無くなる。したがって、設置面G上に設置される構造物Fの高さや傾きを容易に調整することができる。この効果は、固定用ナット57が装置F1の内部に位置する場合に特に有用である。
【0070】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0071】
例えば、上記した全ての実施形態では、球状凹面19が第一支持部12,52に形成され、球状凸面18が一対の狭持部材14に形成されているが、例えば、球状凹面19が一対の狭持部材14に形成され、球状凸面18が第一支持部12,52に形成されてもよい。
【0072】
また、第一支持部12,52及び一対の狭持部材14を相互に移動不能に保持する一対の保持用雌ねじ部15及び第一位置調整雌ねじ部16は、例えば一対の狭持部材14の内周面に形成される雌ねじ部であってもよい。すなわち、狭持部材14はねじ棒11に螺着されてもよい。この場合、上記実施形態の保持用ナット23が不要となり、支持脚1,2の構成部品点数を減らすことができる。
【0073】
また、本発明の支持脚は、上記実施形態のように複数で構造物を支持することに限らず、一つで構造物を支持することも可能である。