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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-230125(P2015-230125A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】給水制御装置および給水装置
(51)【国際特許分類】
   F22D 5/34 20060101AFI20151124BHJP
【FI】
   F22D5/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-116233(P2014-116233)
(22)【出願日】2014年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】清水 健太
(72)【発明者】
【氏名】柴田 明裕
(72)【発明者】
【氏名】松井 昇
(57)【要約】
【課題】弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制すること。
【解決手段】冷却材を供給する給水管14と、給水管に設けられた給水弁42と、給水弁の上流側と下流側とで給水管14に接続されるバイパス管43と、バイパス管に設けられて給水弁に比して定格容量が異なるバイパス弁44と、を備える給水装置40について、給水弁とバイパス弁とを切換制御する給水制御装置51であって、閉状態の一方の弁に所定の目標弁開度βとする開作動信号OS1を出力したときT0から一方の弁が開作動を開始した旨の作動開始信号を入力するときT1,T2,T3までの追従時間A1,A2,A3を取得する一方、作動開始信号に基づいて開状態の他方の弁に閉作動信号CS1,CS2,CS3を出力すると共に閉作動信号を出力してから他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間C1,C2,C3を追従時間に応じて設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給する給水管と、
前記給水管に設けられた給水弁と、
前記給水弁の上流側と下流側とで前記給水管に接続されるバイパス管と、
前記バイパス管に設けられて前記給水弁に比して定格容量が異なるバイパス弁と、
を備える給水装置について、前記給水弁と前記バイパス弁とを切換制御する給水制御装置であって、
閉状態の一方の弁に所定の目標弁開度とする開作動信号を出力したときから前記一方の弁が開作動を開始した旨の作動開始信号を入力するときまでの追従時間を取得する一方、前記作動開始信号に基づいて開状態の他方の弁に閉作動信号を出力すると共に閉作動信号を出力してから前記他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間を前記追従時間に応じて設定することを特徴とする給水制御装置。
【請求項2】
前記他方の弁の開状態における弁開度に基づいて前記一方の弁における前記目標弁開度を求めることを特徴とする請求項1に記載の給水制御装置。
【請求項3】
前記追従時間に基づいて、前記開作動信号を出力してから前記一方の弁が前記目標弁開度となるまでの開作動時間を求め、当該開作動時間に基づいて前記他方の弁の前記閉作動時間を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の給水制御装置。
【請求項4】
前記給水装置の前記給水弁および前記バイパス弁が、空気式制御弁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の給水制御装置。
【請求項5】
流体を供給する給水管と、
前記給水管に設けられた給水弁と、
前記給水弁の上流側と下流側とで前記給水管に接続されるバイパス管と、
前記バイパス管に設けられて前記給水弁に比して定格容量が異なるバイパス弁と、
を備える給水装置において、
前記給水弁と前記バイパス弁とを切換制御する請求項1〜4のいずれか一つに記載の前記給水制御装置を備えることを特徴とする給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力施設に設けられた蒸気発生器へ向けて冷却材を供給するための給水制御装置および給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に記載の給水装置は、原子力施設に設けられた蒸気発生器へ向けて冷却材を供給するため、蒸気発生器に接続された給水管と、給水管に設けられて定格容量の大きな給水弁と、給水弁の上流側と下流側とで給水管に接続されるバイパス管と、バイパス管に設けられて給水弁に比して定格容量の小さなバイパス弁と、給水流量制御装置と、を備えている。給水流量制御装置は、給水弁、給水弁に主給水弁制御信号切換器を介して連絡した主給水弁給水流量制御器、バイパス弁、バイパス弁にバイパス給水弁制御信号切換器を介して連絡したバイパス給水弁給水流量制御器、および両給水流量制御器と双方の切換器とに連絡し、給水流量信号を受けるようになっている給水弁自動切換制御装置を有している。そして、給水弁自動切換制御装置は、給水弁とバイパス弁の一方の流量を一定の割合で減少する弁閉制御信号と他方の流量を一定の割合で増加する弁開制御信号とを時間的に並行して発生し、給水弁とバイパス弁を合計給水流量の変動が最小になるように同時に制御するように構成されている。
【0003】
上述した従来の給水流量制御装置は、給水弁からバイパス弁に切り換える場合、先ず切り換え指令信号が出て、主給水弁制御信号切換器およびバイパス給水弁制御信号切換器に入力され、自動切換制御装置からの弁開度調整信号が給水弁およびバイパス弁にそれぞれ入力されるようにその内部接続状態が切り換えられる。そして、バイパス弁用の弁開度調節信号が、0%(全閉)から、自動制御状態の主給水弁制御信号から算出された目標値まで、予め調整された変化率で上昇する。弁開度調節信号がバイパス弁に印加されると、所定の遅れを有して弁が開き始め、弁リフトは弁開度調節信号に追随して増大する。バイパス弁の実際の開放開始が弁リフトからバイパス給水弁開度検出信号として検出されると、予め調節された変化率で0%(全閉)まで弁開度を減少する弁開度調整信号が出力されて主給水弁制御信号切換器を経由して給水弁に印加される。給水弁の弁リフトは、遅れをもって弁開度調整信号に追随する。弁開度調節信号は、目標値に達してから、実際の弁開度が追いつくまで所定時間、目標値を保つ。そして、切り換え開始時に記憶された給水流量信号と目標値を保つ時点での給水流量信号との偏差に応じて、弁開度調節信号は、上昇し或いは下降し、切り換え状態が終了したら、通常の自動制御状態に切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−253007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
給水弁とバイパス弁は、同時に用いられず、一方の弁が閉状態とされ他方の弁が開状態とされる。そして、これらの弁を切り換える場合、閉状態の一方の弁を開状態に移行させ、開状態の他方の弁を閉状態に移行させる。開状態に移行される一方の弁は、他方の弁における冷却材の流量と同等の流量とする目標弁開度に向けて開作動する。また、開状態に移行される一方の弁が閉状態で閉固着しているおそれがあるため、一方の弁の開作動を確認した後に他方の弁を閉作動する。そして、各弁は、冷却材の流量の変動を抑制するように互いに並行して流量の一時的な増減が最小となるように開作動と閉作動とを行う。
【0006】
このような各弁の切り換えにおいて、弁体を弁座に押し付けるトルクの変化や、空気式制御弁の場合にダイヤフラムの変位速度の変化などにより、一方の弁に対して開作動の作動信号が出力されてから開作動を開始するまでの追従時間に変化が生じる場合がある。この場合、追従時間が長ければ目標弁開度に達するまで出力信号に追いつくように一方の弁の開作動速度が速くなる。これに対して、追従時間が短ければ弁の開作動速度は遅くなる。その一方で、閉状態に移行する他方の弁は、一方の弁の開作動が開始した時点で閉作動の作動信号が出力され、この作動信号に従って一定速度で閉状態になる。この結果、追従時間が長くなると、一方の弁が開作動したときの給水流量が切り換え前と比較して過渡的に増加傾向となるオーバーシュートとなり、給水流量の偏差が過大となって警報が発信される原因となる。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制することのできる給水制御装置および給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、第1の発明の給水制御装置は、流体を供給する給水管と、前記給水管に設けられた給水弁と、前記給水弁の上流側と下流側とで前記給水管に接続されるバイパス管と、前記バイパス管に設けられて前記給水弁に比して定格容量が異なるバイパス弁と、を備える給水装置について、前記給水弁と前記バイパス弁とを切換制御する給水制御装置であって、閉状態の一方の弁に所定の目標弁開度とする開作動信号を出力したときから前記一方の弁が開作動を開始した旨の作動開始信号を入力するときまでの追従時間を取得する一方、前記作動開始信号に基づいて開状態の他方の弁に閉作動信号を出力すると共に閉作動信号を出力してから前記他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間を前記追従時間に応じて設定することを特徴とする。
【0009】
この給水制御装置によれば、閉状態の一方の弁に開作動信号を出力したときから一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間に応じ、開状態の他方の弁に閉作動信号を出力してから他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間を設定することから、一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間に変化があっても、これに応じた他方の弁の閉作動時間を得ることにより、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制する制御を行うことができる。
【0010】
また、第2の発明の給水制御装置は、第1の発明において、前記他方の弁の開状態における弁開度に基づいて前記一方の弁における前記目標弁開度を求めることを特徴とする。
【0011】
この給水制御装置によれば、切り換えた後の一方の弁における目標弁開度を、切り換える元である他方の弁の弁開度に基づいて求めることにより、切り換え前と切り換え後との給水流量を同様にすることができる。
【0012】
また、第3の発明の給水制御装置は、第1または第2の発明において、前記追従時間に基づいて、前記開作動信号を出力してから前記一方の弁が前記目標弁開度となるまでの開作動時間を求め、当該開作動時間に基づいて前記他方の弁の前記閉作動時間を設定することを特徴とする。
【0013】
この給水制御装置によれば、一方の弁に開作動信号を出力したときから当該一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間に基づいて、開作動信号を出力してから一方の弁が目標弁開度となるまでの開作動時間を差し引いて求め、この開作動時間から他方の弁の閉作動時間を設定する。この結果、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制する制御を行うための他方の弁の閉作動時間を適宜設定することができる。
【0014】
また、第4の発明の給水制御装置は、第1〜第3のいずれか一つの発明において、前記給水装置の前記給水弁および前記バイパス弁が、空気式制御弁であることを特徴とする。
【0015】
空気式制御弁は、ダイヤフラムの変位などにより、開作動信号が出力されてから開作動開始までの追従時間に変化が生じ易い傾向にある。このため、この給水制御装置によれば、当該空気式制御弁に対応し、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制する制御を行うことができる。
【0016】
上述の目的を達成するために、第5の発明の給水装置は、流体を供給する給水管と、前記給水管に設けられた給水弁と、前記給水弁の上流側と下流側とで前記給水管に接続されるバイパス管と、前記バイパス管に設けられて前記給水弁に比して定格容量が異なるバイパス弁と、を備える給水装置において、前記給水弁と前記バイパス弁とを切換制御する請求項1〜4のいずれか一つに記載の前記給水制御装置を備えることを特徴とする。
【0017】
この給水装置によれば、閉状態の一方の弁に開作動信号を出力したときから一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間に応じ、開状態の他方の弁に閉作動信号を出力してから他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間を設定することから、一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間に変化があっても、これに応じた他方の弁の閉作動時間を得ることにより、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施形態に係る給水装置を備えた原子力施設の概略構成図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る給水制御装置における弁の切り換え動作を示すタイムチャートである。
図3図3は、本発明の実施形態に係る給水制御装置に対比する従前における弁の切り換え動作を示すタイムチャートである。
図4図4は、弁の切り換え時における給水流量の変動を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0021】
図1は、本実施形態に係る給水装置を備えた原子力施設の概略構成図である。原子力施設1は、原子炉2を有する。原子炉2は、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)が用いられる。この加圧水型の原子炉2を用いた原子力施設1は、原子炉2を含む原子炉冷却系(一次冷却系)100と、原子炉冷却系100と熱交換するタービン系(二次冷却系)200とで構成される。原子炉冷却系100は、一次冷却材が流通し、タービン系200は、二次冷却材(冷却材)が流通する。
【0022】
原子炉冷却系100は、コールドレグ3aおよびホットレグ3bを介して原子炉2に接続された蒸気発生器4を有する。ホットレグ3bは、加圧器5が設けられ、コールドレグ3aは、一次冷却材ポンプ6が設けられている。そして、原子炉2、コールドレグ3a、ホットレグ3b、蒸気発生器4、加圧器5および一次冷却材ポンプ6は、原子炉格納容器7に収容されている。
【0023】
原子炉2は、上記したように加圧水型原子炉であり、その内部は一次冷却材で満たされる。一次冷却材は、中性子減速材として用いられるホウ素が溶解した軽水である。また、原子炉2は、その内部に、多数の燃料集合体8が収容され、この各燃料集合体8に対し、燃料集合体8の核分裂を制御する多数の制御棒9が抜差し可能に設けられている。
【0024】
原子力施設1の原子炉冷却系100における一連の動作について説明する。原子炉2内において、制御棒9により核分裂反応を制御しながら燃料集合体8を核分裂させると、核分裂により熱エネルギーが発生する。この熱エネルギーにより、原子炉2内の一次冷却材が加熱されると、加熱された一次冷却材は、一次冷却材ポンプ6によりホットレグ3bを介して蒸気発生器4に送られる。ホットレグ3bを通過する高温の一次冷却材は、加圧器5により加圧されることで沸騰が抑制され、高温高圧となった状態で、蒸気発生器4に流入する。蒸気発生器4に流入した高温高圧の一次冷却材は、二次冷却材と熱交換を行うことにより冷却され、冷却された一次冷却材は、一次冷却材ポンプ6によりコールドレグ3aを介して原子炉2に送られる。そして、冷却された一次冷却材が原子炉2に流入することで、原子炉2が冷却される。このように、一次冷却材は、原子炉2と蒸気発生器4とを循環している。
【0025】
タービン系200は、蒸気管11を介して蒸気発生器4に接続されたタービン12、タービン12に接続された復水器13、および復水器13と蒸気発生器4とを接続する給水管14に介設された給水ポンプ15、を有している。そして、タービン12は、発電機16が接続されている。
【0026】
原子力施設1のタービン系200における一連の動作について説明する。蒸気管11を介して蒸気発生器4から蒸気がタービン12に流入すると、タービン12は回転を行う。タービン12が回転すると、タービン12に接続された発電機16は、発電を行う。この後、タービン12から流出した蒸気は復水器13に流入する。復水器13は、その内部に冷却管17が配設されており、冷却管17の一方には冷却水(例えば、海水)を供給するための取水管18が接続され、冷却管17の他方には冷却水を排水するための排水管19が接続されている。この復水器13は、タービン12から流入した蒸気を冷却管17により冷却することで、蒸気を液体に戻す。液体となった二次冷却材は、給水ポンプ15により給水管14を介して蒸気発生器4に送られる。蒸気発生器4に送られた二次冷却材は、蒸気発生器4において一次冷却材と熱交換を行うことにより再び蒸気となる。
【0027】
上記した原子力施設1において、二次冷却材は、上記の給水管14および給水ポンプ15を含む給水装置40により、その流量が制御されながら、蒸気発生器4へ向けて供給される。
【0028】
給水装置40は、図1に示すように、上記の給水管14と、上記の給水ポンプ15と、給水管14に設けられた給水弁42と、給水弁42を迂回して給水管14に接続されたバイパス管43と、バイパス管43に設けられたバイパス弁44と、給水弁42の作動を検出する給水弁作動検出器45と、バイパス弁44の作動を検出するバイパス弁作動検出器46と、を備える。この給水装置40は、給水制御装置51により制御される。
【0029】
給水弁42は、給水管14において給水ポンプ15の下流側に設けられている。給水弁42は、空気式の制御弁であり、バイパス弁44に比して、定格容量の大きな構成となっている。バイパス管43は、その一端が給水弁42の上流側で給水管14に接続され、その他端が給水弁42の下流側で給水管14に接続されている。バイパス弁44は、バイパス管43に設けられている。バイパス弁44は、給水弁42と同様に空気式の制御弁であるが、給水弁42に比して、定格容量の小さな構成となっている。なお、給水弁42およびバイパス弁44は、空気式の制御弁に限らず電動式や油圧式であってもよい。
【0030】
給水弁作動検出器45は、例えば、給水弁42における弁体を作動させる作動軸に設けられたリミットスイッチであり、当該作動軸が動いたことにより弁体が動いて給水弁42が作動したことを検出する。バイパス弁作動検出器46は、例えば、バイパス弁44における弁体を作動させる作動軸に設けられたリミットスイッチであり、当該作動軸が動いたことにより弁体が動いてバイパス弁44が作動したことを検出する。
【0031】
給水制御装置51は、給水装置40を統括的に制御する。給水制御装置51は、給水弁作動検出器45、およびバイパス弁作動検出器46に接続され、さらに、給水弁42およびバイパス弁44に接続されている。この給水制御装置51は、給水弁作動検出器45、およびバイパス弁作動検出器46からの入力に基づいて給水弁42およびバイパス弁44を制御することにより、給水弁42とバイパス弁44を切り換えて蒸気発生器4への給水制御を行う。
【0032】
図2は、本実施形態に係る給水制御装置における弁の切り換え動作を示すタイムチャートである。また、図3は、本実施形態に係る給水制御装置に対比する従前における弁の切り換え動作を示すタイムチャートである。また、図4は、弁の切り換え時における給水流量の変動を示すタイムチャートである。
【0033】
ここで、給水制御装置51においてバイパス弁44を開状態として制御し、給水弁42を閉状態として制御しない給水制御を給水バイパス系という。一方、給水制御装置51において給水弁42を開状態として制御し、バイパス弁44を閉状態として制御しない給水制御を給水系という。この給水バイパス系と給水系との切り換えは、オペレータの切換操作(切換スイッチの操作)による切換信号を入力した給水制御装置51が各弁の切り換えを制御する。また、給水バイパス系と給水系との切り換えのタイミングは、所望とする給水流量をそれぞれの弁の弁開度でまかなえる状態のときであって、すなわち設定給水流量以内である状態のときである。
【0034】
図2図4では、バイパス弁44が開状態とされ給水弁42が閉状態とされた給水バイパス系から、給水系に切り換える場合を示している。
【0035】
本実施形態の給水制御装置51は、図2に示すように、切換信号を入力したT0のとき、このときのバイパス弁44の開状態における弁開度(例えば、60%弁開度)αに基づいて、閉状態の給水弁42の目標弁開度(例えば、30%弁開度)である目標値βを求める。そして、給水制御装置51は、給水弁42の開作動信号0から目標値βになるまでの時間T0−TEの間、一定速度で給水弁42を開作動させる。しかし、図2および図3に示すように、給水弁42において弁体を弁座に押し付けるトルクや、空気式制御弁の場合にダイヤフラムの変位などの変化により、給水弁42に対して開作動の作動信号が出力されてから給水弁作動検出器45の給水弁開作動開始検出時T1,T2,T3までの追従時間A1,A2,A3に変化が生じる場合がある。このような場合、図2および図3に示すように、給水弁42は、追従時間の変化により、各開作動開始時T1,T2,T3から目標弁開度βになるまでの開作動時間B1,B2,B3が異なることになる。
【0036】
ここで、図3に示すように、本実施形態に係る給水制御装置51に対比する従前における弁の切り換え動作においては、給水弁作動検出器45から開作動開始信号を入力した各開作動開始時T1,T2,T3に基づく閉作動信号CS1’,CS2’,CS3’に従ってバイパス弁44が閉作動を開始する。この各閉作動信号CS1’,CS2’,CS3’は同じ信号であり、各開作動開始時T1,T2,T3から弁開度0になるまでのバイパス弁44の閉作動時間は同じである。このため、図4に示すように、給水弁作動検出器45から開作動開始信号を入力した開作動開始時T1,T2,T3から始まって、バイパス弁44から給水弁42に切り換わるまでの給水流量は、実線で示すように弁切り換え前の給水流量から変動しないことが好ましいが、開作動開始時が遅れたとしても閉作動開始時間は同じであるため、切り換え中の給水流量が増加傾向となるオーバーシュートとなる(図4に一点鎖線で示す)。
【0037】
そこで、本実施形態の給水制御装置51は、図2に示すように、給水弁42に目標弁開度βとする開作動信号を出力したときT0から、給水弁42が開作動を開始した旨の作動開始信号を給水弁作動検出器45から入力するときT1,T2,T3までの追従時間A1,A2,A3を取得する。
【0038】
さらに、給水制御装置51は、追従時間A1,A2,A3から給水弁42が目標弁開度βとなるまでの開作動時間B1,B2,B3を求め、すなわち、給水弁42が弁開度0から目標弁開度βになるまでの時間T0−TEから追従時間A1,A2,A3を引いて開作動時間B1,B2,B3を求める。
【0039】
さらに、給水制御装置51は、開作動時間B1,B2,B3に基づいてバイパス弁44の閉作動時間C1,C2,C3を設定する。そして、作動開始信号に基づいてバイパス弁44に閉作動時間C1,C2,C3に応じた閉作動信号CS1,CS2,CS3を出力してバイパス弁44を閉状態とする。
【0040】
具体的に、閉作動信号CS1,CS2,CS3は、図4に示すように、給水弁作動検出器45から開作動開始信号を入力した開作動開始時T1,T2,T3から始まって、バイパス弁44から給水弁42に切り換わるまでの給水流量の変動が、実線で示すように給水流量の増減変動が小さくなるようにしたものである。つまり、従前の給水制御装置では、開作動開始時が遅くなればなるほど、閉作動時間は遅れるため、弁切り換え中の給水流量が弁切り換え前の給水流量に比べて増加していたが、比較的遅く開作動開始信号を入力したとしても(例えば、開作動開始時T3)では、閉作動信号CS3を出力して比較的短い閉作動時間C3でバイパス弁44を閉作動させ、図4に実線で示すように給水流量の変動を抑制する。
【0041】
なお、給水弁42が開状態とされバイパス弁44が閉状態とされた給水系から、給水バイパス系に切り換える場合は、給水弁42の作動とバイパス弁44の作動とを入れ換えて同様の切換制御を行えばよい。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の給水制御装置51は、冷却材(流体)を供給する給水管14と、給水管14に設けられた給水弁42と、給水弁42の上流側と下流側とで給水管14に接続されるバイパス管43と、バイパス管43に設けられて給水弁42に比して定格容量が異なるバイパス弁44と、を備える給水装置40について、給水弁42とバイパス弁44とを切換制御するものであって、閉状態の一方の弁に所定の目標弁開度βとする開作動信号OS1を出力したときT0から一方の弁が開作動を開始した旨の作動開始信号を入力するときT1,T2,T3までの追従時間A1,A2,A3を取得する一方、作動開始信号に基づいて開状態の他方の弁に閉作動信号CS1,CS2,CS3を出力すると共に閉作動信号CS1,CS2,CS3を出力してから他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間C1,C2,C3を追従時間A1,A2,A3に応じて設定する。
【0043】
この給水制御装置51によれば、閉状態の一方の弁に開作動信号OS1を出力したときから一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間A1,A2,A3に応じ、開状態の他方の弁に閉作動信号CS1,CS2,CS3を出力してから他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間C1,C2,C3を設定することから、一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間A1,A2,A3に変化があっても、これに応じた他方の弁の閉作動時間C1,C2,C3を得ることにより、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制する制御を行うことができる。
【0044】
また、本実施形態の給水制御装置51は、他方の弁の開状態における弁開度αに基づいて一方の弁における目標弁開度βを求める。
【0045】
この給水制御装置51によれば、切り換えた後の一方の弁における目標弁開度βを、切り換える元である他方の弁の弁開度αに基づいて求めることにより、切り換え前と切り換え後との給水流量を同様にすることができる。
【0046】
また、本実施形態の給水制御装置51は、追従時間A1,A2,A3に基づいて、開作動信号OS1を出力してから一方の弁が目標弁開度βとなるまでの開作動時間B1,B2,B3を求め、当該開作動時間B1,B2,B3に基づいて他方の弁の閉作動時間C1,C2,C3を設定する。
【0047】
この給水制御装置51によれば、一方の弁に開作動信号OS1を出力したときから当該一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間A1,A2,A3に基づいて、開作動信号OS1を出力してから一方の弁が目標弁開度βとなるまでの開作動時間B1,B2,B3を差し引いて求め、この開作動時間B1,B2,B3から他方の弁の閉作動時間C1,C2,C3を設定する。この結果、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制する制御を行うための他方の弁の閉作動時間C1,C2,C3を適宜設定することができる。
【0048】
また、本実施形態の給水制御装置51は、給水装置40の給水弁42およびバイパス弁44が、空気式制御弁である。
【0049】
空気式制御弁は、ダイヤフラムの変位などにより、開作動信号OS1が出力されてから開作動開始時T1,T2,T3までの追従時間A1,A2,A3に変化が生じ易い傾向にある。このため、本実施形態の給水制御装置51によれば、当該空気式制御弁に対応し、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制する制御を行うことができる。
【0050】
また、本実施形態の給水装置40は、冷却材(流体)を供給する給水管14と、給水管14に設けられた給水弁42と、給水弁42の上流側と下流側とで給水管14に接続されるバイパス管43と、バイパス管43に設けられて給水弁42に比して定格容量が異なるバイパス弁44と、給水弁42とバイパス弁44とを切換制御する上述した給水制御装置51と、を備える。
【0051】
この給水装置40によれば、閉状態の一方の弁に開作動信号OS1を出力したときから一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間A1,A2,A3に応じ、開状態の他方の弁に閉作動信号CS1,CS2,CS3を出力してから他方の弁が閉状態になるまでの閉作動時間C1,C2,C3を設定することから、一方の弁が開作動を開始するまでの追従時間A1,A2,A3に変化があっても、これに応じた他方の弁の閉作動時間C1,C2,C3を得ることにより、弁の切り換え時における給水流量の変動を抑制することができる。
【符号の説明】
【0052】
14 給水管
15 給水ポンプ
40 給水装置
42 給水弁
43 バイパス管
44 バイパス弁
45 給水弁作動検出器
46 バイパス弁作動検出器
51 給水制御装置
図1
図2
図3
図4