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特開2015-230546熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-230546(P2015-230546A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 13/04 20060101AFI20151124BHJP
【FI】
   G05B13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-115907(P2014-115907)
(22)【出願日】2014年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】河村 勉
(72)【発明者】
【氏名】今村 誠
(72)【発明者】
【氏名】神永 正教
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝宣
【テーマコード(参考)】
5H004
【Fターム(参考)】
5H004GA18
5H004GB01
5H004HB01
5H004HB02
5H004JA03
5H004KC02
5H004KC12
5H004KC23
5H004KC28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の熱源プラント間で相互に熱融通して各需要家へ温冷熱を供給するシステムにおいて、各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を実用的な時間で演算することのできる熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法を提供する。
【解決手段】プラント熱源設備パラメータ102に基づいて、各熱源プラントに対してプラントモデル103を作成し、プラントモデルと熱源プラント間接続情報106と熱需要予測情報105とに基づいてプラント運転点108を決定し、プラント運転点と熱需要予測情報とプラント熱源設備パラメータとに基づいて各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画111を作成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の熱源プラントが連携して需要家へ温冷熱を供給する際の、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する運転計画作成装置であって、
前記熱源設備のエネルギー消費特性を定めるプラント熱源設備パラメータに基づいて、各熱源プラントに対し、熱供給量に対する目的関数値を定めたプラントモデルを作成するプラントモデル作成部と、
前記プラントモデルと前記複数の熱源プラントを繋ぐ配管に関する熱源プラント間配管接続情報と前記需要家の熱需要予測情報とに基づいて、各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点を決定するプラント運転点決定部と、
前記プラント運転点と前記需要家の熱需要予測情報と前記プラント熱源設備パラメータとに基づいて、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する個別プラント運転計画部と、を備えることを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱源設備の運転計画作成装置であって、
前記プラントモデル作成部は、前記熱源プラントがある熱負荷である場合の各熱源プラントにおける各熱源設備についての最適化演算から得られた目的関数値を用いてプラントモデルを作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の熱源設備の運転計画作成装置であって、
前記プラントモデル作成部は、前記熱源プラントに設けられた熱源設備の運転状態の変化に応じて目的関数値が不連続に変化するようなプラントモデルを作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の熱源設備の運転計画作成装置であって、
前記プラントモデル作成部又は前記個別プラント運転計画部は、更に気温に関する外部条件情報に基づいて前記プラントモデル又は前記運転計画を作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の熱源設備の運転計画作成装置であって、
前記プラント運転点決定部は、前記複数の熱源プラントを繋ぐ排熱を融通する排熱融通配管に関する情報を用いて、各熱源プラントが受け入れる排熱受入量に関するプラント排熱受入量を更に決定すると共に、前記個別プラント運転計画部は、前記プラント排熱受入量を用いて前記複数の熱源プラント間での排熱融通を考慮した各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の熱源設備の運転計画作成装置であって、
前記プラント運転点決定部は、配管に設けられたポンプ及び配管に関する情報を用いて、配管の圧力損失を考慮した目的関数値の最小化演算を行って前記プラント運転点を決定することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の熱源設備の運転計画作成装置であって、
前記個別プラント運転計画部により作成された各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画に基づいて各熱源設備の運転状態を制御するようになっていることを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の熱源設備の運転計画作成装置であって、
前記プラントモデル作成部と前記プラント運転点決定部と前記個別プラント運転計画部とにおける演算の最適化演算を行う最適演算部を更に備えることを特徴とする、熱源設備の運転計画作成装置。
【請求項9】
複数の熱源プラントが連携して需要家へ温冷熱を供給する際の、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する運転計画作成方法であって、
前記熱源設備のエネルギー消費特性を定めるプラント熱源設備パラメータに基づいて、各熱源プラントに対し、熱供給量に対する目的関数値を定めたプラントモデルを作成するプラントモデル作成ステップと、
前記プラントモデルと前記複数の熱源プラントを繋ぐ配管に関する熱源プラント間配管接続情報と前記需要家の熱需要予測情報とに基づいて、各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点を決定するプラント運転点決定ステップと、
前記プラント運転点と前記需要家の熱需要予測情報と前記プラント熱源設備パラメータとに基づいて、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する個別プラント運転計画ステップと、を含むことを特徴とする、熱源設備の運転計画作成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の熱源設備の運転計画作成方法であって、
前記プラントモデル作成ステップにおいて、前記熱源プラントがある熱負荷である場合の各熱源プラントにおける各熱源設備についての最適化演算から得られた目的関数値を用いてプラントモデルを作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成方法。
【請求項11】
請求項9に記載の熱源設備の運転計画作成方法であって、
前記プラントモデル作成ステップにおいて、前記熱源プラントに設けられた熱源設備の運転状態の変化に応じて目的関数値が不連続に変化するようなプラントモデルを作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成方法。
【請求項12】
請求項9に記載の熱源設備の運転計画作成方法であって、
前記プラントモデル作成ステップ又は前記個別プラント運転計画ステップにおいて、更に気温に関する外部条件情報に基づいて前記プラントモデル又は前記運転計画を作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成方法。
【請求項13】
請求項9に記載の熱源設備の運転計画作成方法であって、
前記プラント運転点決定ステップにおいて、前記複数の熱源プラントを繋ぐ排熱を融通する排熱融通配管に関する情報を用いて、各熱源プラントが受け入れる排熱受入量に関するプラント排熱受入量を更に決定すると共に、前記個別プラント運転計画ステップにおいて、前記プラント排熱受入量を用いて前記複数の熱源プラント間での排熱融通を考慮した各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成方法。
【請求項14】
請求項9に記載の熱源設備の運転計画作成方法であって、
前記プラント運転点決定ステップにおいて、配管に設けられたポンプ及び配管に関する情報を用いて、配管の圧力損失を考慮した目的関数値の最小化演算を行って前記プラント運転点を決定することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成方法。
【請求項15】
請求項9に記載の熱源設備の運転計画作成方法であって、
前記個別プラント運転計画ステップにおいて作成された各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画に基づいて各熱源設備の運転状態を制御することを特徴とする、熱源設備の運転計画作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法に係り、複数の熱源プラントが相互に熱融通して需要家へ温冷熱を供給する際の、各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を作成する運転計画作成装置及び運転計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コジェネレーション・システムや蓄熱槽を含むエネルギー供給システムなどにおいて、熱源機器の運転における経済的な要求と共に、省エネルギーや環境保全などの要求に対応できる技術として、数理計画法を用いた熱源機器の最適運転計画作成方法が知られており、この種の従来技術が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている熱源運転支援制御方法は、目的関数を最小にする混合整数線型計画法により、蓄熱槽を含む複合熱源システムの最適運転スケジュールを決定する熱源運転支援制御方法において、熱源システムを構成する各機器の運転・停止状態を表す変数の一部を予め連続変数に設定する変数設定手順と、熱源システムの負荷を予測する負荷予測演算手順と、この負荷予測演算手順で予測した負荷予測値と目的関数と運転・停止状態を表す変数とに基づいて、熱源システムの最適運転スケジュールを決定する最適運転スケジュール演算手順とを備える方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−317049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、複数の熱源設備を有する熱源プラントを広大な地域に複数配設し、当該複数の熱源プラントが相互に熱融通してその地域の各需要家へ温冷熱を供給するシステムが検討されている。このように、ある地域もしくは複数の地域に亘って複数の熱源プラントを配設して当該複数の熱源システム同士で互いに熱融通をするシステムでは、地域全体でエネルギー使用量を最小化するために、膨大な数の熱源設備の運転計画を立案する必要があり、運転計画最適化のための演算負荷が増大することが懸念されている。
【0006】
上記した特許文献1に開示されている熱源運転支援制御方法によれば、目的関数を最小にする混合整数線型計画法により熱源システムの最適運転スケジュールを演算する際の機器の運転・停止状態を表す整数変数の個数を減らすことができ、合理的な計算時間で最適運転スケジュールを演算することができる。その結果、数理計画法による熱源システムの最適運転スケジュール演算の実用化を達成することができ、経済性だけでなく、省エネルギー性や環境保全性、制御性といった多様な要求に対応可能な最適運転スケジュールを決定することができる。
【0007】
しかしながら、特許文献1には、単一の熱源プラントにおける熱源システムの運転スケジュールを決定することしか開示されておらず、複数の熱源プラント同士が相互に熱融通して温冷熱を供給する際に、如何にして各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を立案するかについては言及されていない。
【0008】
また、特許文献1に開示されている熱源運転支援制御方法においては、運転・停止状態を表す変数の一部を予め連続変数に設定すると共に、得られた運転計画の設備稼働時間から運転優先順位を決定しており、エネルギー使用量の最小化の観点で改善の余地がある。
【0009】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、複数の熱源プラント間で相互に熱融通して各需要家へ温冷熱を供給するシステムにおいて、各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を実用的な時間で演算することのできる熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記する課題を解決するために、本発明に係る熱源設備の運転計画作成装置は、複数の熱源プラントが連携して需要家へ温冷熱を供給する際の、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する運転計画作成装置であって、前記熱源設備のエネルギー消費特性を定めるプラント熱源設備パラメータに基づいて、各熱源プラントに対し、熱供給量に対する目的関数値を定めたプラントモデルを作成するプラントモデル作成部と、前記プラントモデルと前記複数の熱源プラントを繋ぐ配管に関する熱源プラント間配管接続情報と前記需要家の熱需要予測情報とに基づいて、各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点を決定するプラント運転点決定部と、前記プラント運転点と前記需要家の熱需要予測情報と前記プラント熱源設備パラメータとに基づいて、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する個別プラント運転計画部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る熱源設備の運転計画作成方法は、複数の熱源プラントが連携して需要家へ温冷熱を供給する際の、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する運転計画作成方法であって、前記熱源設備のエネルギー消費特性を定めるプラント熱源設備パラメータに基づいて、各熱源プラントに対し、熱供給量に対する目的関数値を定めたプラントモデルを作成するプラントモデル作成ステップと、前記プラントモデルと前記複数の熱源プラントを繋ぐ配管に関する熱源プラント間配管接続情報と前記需要家の熱需要予測情報とに基づいて、各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点を決定するプラント運転点決定ステップと、前記プラント運転点と前記需要家の熱需要予測情報と前記プラント熱源設備パラメータとに基づいて、各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成する個別プラント運転計画ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上の説明から理解できるように、本発明によれば、各熱源プラント単位でプラントモデルを作成し、そのプラントモデルに基づき各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点を決定し、そのプラント運転点に基づき各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成することにより、複数の熱源プラント間で相互に熱融通して各需要家へ温冷熱を供給するシステムにおいて、各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を実用的な時間で作成することが可能となる。
【0013】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る運転計画作成装置の実施形態1が適用されるシステムの全体構成を概略的に示す全体構成図。
図2図1に示す運転計画作成装置の構成を示す構成図。
図3図2に示す運転計画作成装置による処理フローを説明するフロー図。
図4】熱源設備のエネルギー消費特性の一例を示す図。
図5】熱源設備のエネルギー消費特性の他例を示す図。
図6】プラントモデルの一例を示す図。
図7】プラントモデルの他例を示す図。
図8】プラント運転点の一例を示す図。
図9】本発明に係る運転計画作成装置の実施形態2が適用されるシステムの主要構成を概略的に示す主要構成図。
図10図9に示す運転計画作成装置の構成を示す構成図。
図11】プラントモデルの一例を示す図。
図12】本発明に係る運転計画作成装置の実施形態3の構成を示す構成図。
図13】圧力分布線図の一例を模式的に示す図。
図14】本発明に係る運転計画作成装置の実施形態4の構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、主に、複数の熱源プラントが連携して各需要家へ冷水(冷感)を供給する場合について説明するが、温水(温感)供給を連携する場合であっても、同様の構成もしくは方法で各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画が求められることは勿論である。また、冷水供給と温水供給の両方で熱融通を行う場合であっても、冷水と温水のそれぞれについて定式化を行い、それらをまとめて最適演算を行うことにより、同様に各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画が求められることは当然である。
【0016】
[熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法の実施形態1]
図1は、本発明に係る運転計画作成装置101の実施形態1が適用されるシステムの全体構成を概略的に示したものである。なお、この図1では、配管網301を構成する冷水の各配管を実線で表すと共に、その一本の実線で往還の両方の配管を表している。
【0017】
図1に示すように、本システムでは、3つの地域(A地域には熱源プラント1(302)と需要家1,2(303,304)があり、B地域には熱源プラント2(305)と需要家3,4(306,307)があり、C地域には熱源プラント3(308)と需要家5(309)がある)が配管網301を介して接続されていて、ある地域から別の地域へ熱融通を行えるようになっている。また、各地域の熱源プラントは運転計画作成装置101と通信可能に接続されていて、運転計画作成装置101により作成された各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画が各熱源プラントへ送信されるようになっている。なお、図1に示すシステム構成は一例であり、このシステム構成とは異なる構成(例えば、熱源プラントや需要家、配管の数や配置)であってもよいことは勿論である。
【0018】
図2は、図1に示す運転計画作成装置(本発明に係る運転計画作成装置101の実施形態1)の構成を具体的に示したものである。また、図3は、図2に示す運転計画作成装置による処理フロー(本発明に係る熱源設備の運転計画作成方法の実施形態1)を説明するフロー図である。
【0019】
図2に示すように、この運転計画作成装置101は、主に、プラントモデル作成部104と、配管熱媒流量・プラント運転点決定部109と、個別プラント運転計画部112と、最適演算部113とを備えている。
【0020】
運転計画作成装置101のプラントモデル作成部104は、外部から入力されたプラント熱源設備パラメータ102と外部条件情報(例えば、気温)110とを用いてプラントモデル103を作成し、作成したプラントモデル103を配管熱媒流量・プラント運転点決定部109へ送信する。
【0021】
配管熱媒流量・プラント運転点決定部109は、プラントモデル作成部104から送信されたプラントモデル103と外部から入力された熱需要予測情報105と熱源プラント間接続情報106を用いて配管熱媒流量107とプラント運転点108とを決定し、決定したプラント運転点108を個別プラント運転計画部112へ送信する。
【0022】
個別プラント運転計画部112は、配管熱媒流量・プラント運転点決定部109から送信されたプラント運転点108とプラント熱源設備パラメータ102と熱需要予測情報105と外部条件情報(例えば、気温)110とに基づいて熱源設備運転計画111を作成し、作成した熱源設備運転計画111が各熱源プラントへ送信される。
【0023】
ここで、最適演算部113は、プラントモデル作成部104と配管熱媒流量・プラント運転点決定部109と個別プラント運転計画部112と通信可能に接続されていて、プラントモデル作成部104と配管熱媒流量・プラント運転点決定部109と個別プラント運転計画部112とにおける演算の最適化演算を行うように構成されている。
【0024】
より詳細には、運転計画作成装置101のプラントモデル作成部104では、図3に示すように、まず、外部から入力されたプラント熱源設備パラメータ102と外部条件情報(例えば、気温)110とを用いて、各熱源プラントに対し、熱供給量の値毎の最適な熱源設備の起動停止の組合せを決定する(S201)。ここで、プラント熱源設備パラメータ102とは、図4及び図5に示すような熱源設備のエネルギー消費特性を付与するためのパラメータである。なお、エネルギー消費特性は、負荷率(熱源設備出力/熱源設備定格出力)に対するエネルギー(電気・ガス・蒸気)消費量で表され、例えば、1本の曲線で表される特性(図4参照)や、排熱を使用する設備である場合には、排熱の消費特性と他のエネルギー源の消費特性との2つの曲線で表される特性(図5参照)等が存在する。
【0025】
次いで、プラントモデル作成部104では、S201で得られた熱源設備の運転における目的関数値(例えば、CO2やコスト等)を熱生成量(各熱源プラントからの熱供給量に相当)に対してプロットして、プラントモデル103を生成する(S202)。
【0026】
より具体的には、プラントモデル作成部104では、上記したプラント熱源設備パラメータ102により定められる熱源設備のエネルギー消費特性を利用し、熱源プラント全体の熱生成量のある値(熱源プラントがある熱負荷である状況に対応)に対して目的関数値(コストやCO2等)を最小化するような最適運転計画を最適演算部113により求める。この熱生成量と最適である目的関数値は1対1で対応するため、熱源プラントの熱生成量のある値とその場合の最適な目的関数値をプロットすることにより、プラントモデル103として使用することができる(図6参照)。図6に示すプラントモデル103では、いくつかの熱生成量の値に対して目的関数値が求められ、その値がプロットされており、実際のプラントモデル103としては、プロットされた値を曲線近似したもの(図6中の点線)を使用することとなる。また、各熱源プラントに設けられた各熱源設備の運転状態に応じて熱生成量を細かく変化させ、熱源設備の運転状態(運転(稼働)台数等)が変化する点で不連続点が存在するような、より厳密なプラントモデル103を用いることで、精度の高い解を求めることもできる(図7参照)。
【0027】
次に、運転計画作成装置101の配管熱媒流量・プラント運転点決定部109では、図3に示すように、S202で生成されたプラントモデル103を利用して、各熱源プラントに対応する需要家の熱需要予測情報105と熱源プラント間接続情報106とに基づく最適演算を最適演算部113により行い、各熱源プラントのプラント運転点108と配管熱媒流量107とを決定する(S203)。ここで、熱源プラント間接続情報106とは、図1に示すシステムにおける熱源プラントと配管網301を構成する配管と需要家との接続関係を表す情報である。また、プラント運転点108とは、各熱源プラントから出力される熱生成量(熱供給量)を表す情報である。
【0028】
より具体的には、図1に示すシステムにおける配管網301においては、配管網301の各節点への総流入量と総流出量とが等しくなる(すなわち、総流入量-総流出量=0)となることから、以下の式(1)が成立する。なお、その配管網301の節点には、図1に示す配管網301を構成する各配管の接続点もしくは分岐点(図1中の黒丸部分)だけではなく、各配管と各需要家もしくは各熱源プラントとの接続部分も含まれる。
【0029】
【数1】
【0030】
ここで、pは配管番号、tは時刻、sは節点番号、wpは配管pから節点sに流れ込む熱媒の流量(流入が正、流出が負)、wdは節点sに存在する需要家へと流れる熱媒の流量、wgは節点sに存在する熱源プラントから流れ込む熱媒の流量を表している。
【0031】
前記熱源プラント間接続情報106は、この式(1)に示す制約式を規定するための情報であり、ある節点sにどの配管が接続しているか、また、どの需要家あるいは熱源プラントが存在しているかを定める情報である。具体例としては、上記した式(1)を全ての節点sについて全配管、全熱源プラント、全需要家が接続するものとした式を作成しておき、繋がりがある場合には1、繋がりがない場合は0としてその式の各項の係数を規定する場合には、その0、1の係数がこの熱源プラント間接続情報106に該当する。
【0032】
配管熱媒流量・プラント運転点決定部109では、上記したプラントモデル103と熱源プラント間接続情報106と熱需要予測情報105とを利用し、最適演算における目的関数として、以下の式(2)に示すようなプラントモデル103の目的関数値(コストやCO2等)を全熱源プラントに対して足し合わせたものを採用し、配管熱媒流量107とプラント運転点108とを決定するための最適化演算を最適演算部113により行う。
【0033】
【数2】
【0034】
ここで、gは熱源プラント番号、qは時刻tにおける熱源プラントgの熱出力を表している。また、o(q,t)としては、qに関する関数として図6図7に示したような曲線をそのまま用いることで、非線形最適化を行ってもよいし、あるいは、以下の式(3)に示すような区分線形近似を行うことで混合整数線形計画問題(MILP)として求解してもよい。
【0035】
【数3】
【0036】
上記した式(3)において、iはoを区分線形近似した場合の区間番号、aは区間iにおける熱量に対する比例係数、bは区間iを選択することを示す0-1変数である。
【0037】
また、上記した最適演算の制約条件としては、以下の式(4)で示すような、式(1)のwgから得られる熱量と各熱源プラントの出力が等しいという条件を用いる。
【0038】
【数4】
【0039】
ここで、ρは熱媒の密度、cは比熱、ΔTは熱媒の往還温度差、qは節点sに存在する熱源プラントの出力を表している。なお、この式(4)は、節点sに熱源プラントgからの流入がある場合に成立する式である。
【0040】
上記した最適演算の最適化変数は、各熱源プラントの熱生成量qと各配管を流れる熱媒の流量wpとなる。すなわち、このような演算を配管熱媒流量・プラント運転点決定部109で行うことにより、図8に示すようなプラント運転点(各時刻における各熱源プラントで生成する熱量)108と、配管熱媒流量107とを求めることができる。
【0041】
そして、運転計画作成装置101の個別プラント運転計画部112では、図3に示すように、S203で決定されたプラント運転点108とプラント熱源設備パラメータ102と熱需要予測情報105と外部条件情報(例えば、気温)110とに基づき、プラント運転点108として得られた熱量を該当する熱源プラントが生成するものとして、各熱源プラントに設けられた各熱源設備の最適な運転計画を決定する(S204)。なお、この最適化演算では、従来と同様の熱源設備の運転計画の最適化演算を用いて求解する。
【0042】
なお、この各熱源設備の運転計画は、プラントモデル作成部104がプラントモデル103を作成する際に求められる運転計画をそのまま用いることも可能である。但し、熱源設備の運転停止継続時間や起動回数に制限がある場合には、その条件を満たさない場合が生じ得るため、この個別プラント運転計画部112で再び最適化演算を行うことで、必要な解を求めることができる。
【0043】
このように、本実施形態1によれば、各熱源プラント単位でプラントモデルを作成し、そのプラントモデル等に基づき各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点や各配管を流れる熱媒の流量を表す配管熱媒流量を決定し、そのプラント運転点等に基づき各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成することにより、複数の熱源プラント間で相互に熱融通して各需要家へ温冷熱を供給するシステムにおいて、演算負荷を軽減しながら、最適な配管熱媒流量と各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を実用的な時間で作成することが可能となる。
【0044】
また、熱源プラントに設けられた熱源設備の運転状態の変化に応じて目的関数値が不連続に変化するようなプラントモデルを作成し、そのプラントモデル等に基づき各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成することにより、より精度の高い配管熱媒流量と各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を実用的な時間で作成することが可能となる。
【0045】
[熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法の実施形態2]
図9は、本発明に係る運転計画作成装置の実施形態2が適用されるシステムの主要構成を概略的に示したものであり、図10は、図9に示す運転計画作成装置の構成を具体的に示したものである。なお、図9では、各熱源プラントに接続される需要家や冷水の配管網を省略して示している。
【0046】
図9及び図10に示す実施形態2の運転計画作成装置101Aは、上記した実施形態1の運転計画作成装置101に対して、工場等の排熱供給源から排出・供給される排熱を利用する点が相違しており、その他の構成は実施形態1の運転計画作成装置101と同様である。したがって、以下では、実施形態1の運転計画作成装置101と異なる構成のみを詳述し、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0047】
図9に示すように、本システムでは、中央に設けられた排熱供給源902Aと各熱源プラント1〜3(302A,305A,308A)とが排熱融通配管網901Aを介して接続されていて、その排熱供給源902Aから各熱源プラント1〜3(302A,305A,308A)に排熱を供給(熱融通)するようになっている。なお、この図9では、図1と同様に、排熱融通配管網901Aを構成する各排熱融通配管を実線で表すと共に、その一本の実線で往還の両方の配管を表している。また、図9に示すシステム構成は一例であり、このシステム構成とは異なる構成(例えば、熱源プラントや需要家、配管の数や配置)であってもよいことは勿論である。実際には、図9に示すシステムに対して図1に示すシステムが重畳されて、上記した実施形態1の冷熱融通のほかに排熱融通があるシステムが構成されることとなる。
【0048】
上記した実施形態1では、プラントモデルとして、図6及び図7で示すような、熱源プラントの熱生成量と目的関数値とが1対1で対応するモデルを採用した。
【0049】
一方で、本実施形態2のように、排熱供給源902Aから供給される排熱の融通がある場合には、その排熱の受入量によって排熱使用可能な熱源設備における排熱使用量が変化することから、熱源設備のエネルギー消費特性を1本の曲線で記述することができない。そこで、本実施形態2の運転計画作成装置101Aのプラントモデル作成部104Aは、ある熱源プラントに対して排熱受入量が異なる場合のプラントモデル103Aを作成する。配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Aは、プラントモデル作成部104Aで作成したプラントモデル103A等を用いて配管熱媒流量107Aとプラント運転点108Aとプラント排熱受入量1001Aとを求め、個別プラント運転計画部112Aは、配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Aで求められたプラント運転点108Aやプラント排熱受入量1001A等に基づいて熱源設備運転計画111Aを作成する。
【0050】
より詳細には、運転計画作成装置101Aのプラントモデル作成部104Aでは、例えば図11に示すような、排熱受入量に応じて変化する複数の曲線で表されるプラントモデル103Aを作成する。なお、図11で示すプラントモデル103Aの破線で示された各曲線が、図6で示すプラントモデルの特性曲線に対応する。このプラントモデル103Aは、融通排熱受入量に応じて特性が変化することから、そのモデル式は、例えば以下の式(5)のような式で表される。
【0051】
【数5】
【0052】
ここで、whは当該熱源プラントにおける融通排熱受入量、A、B、Cは各項の係数であって融通排熱受入量whの関数であり、プラントモデル103Aのモデル式は、熱出力qに対する曲線の係数がさらに排熱受入量によって変化する形で表されることとなる。なお、この例では、プラントモデル103Aのモデル式を熱出力qに対する二次曲線として記述したが、これに限定されず、モデル式として、その他の多項式を使用してもよいことは勿論である。
【0053】
配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Aでは、上記したプラントモデル103Aと熱源プラント間接続情報106Aと熱需要予測情報105Aとを利用し、実施形態1と同様の目的関数(式(2)参照)を採用し、配管熱媒流量107Aとプラント運転点108Aとプラント排熱受入量1001Aを決定するための最適化演算を最適演算部113Aにより行う。ここで、熱源プラント間接続情報106Aには、熱源プラントと冷水配管と需要家との接続関係を表す情報のほか、図9に示す排熱融通配管網901Aを構成する各排熱融通配管の接続関係を表す情報が含まれる。また、最適演算の最適化変数には、実施形態1に基づき説明した各熱源プラントの熱生成量qと各冷水配管を流れる熱媒の流量wpに加えて、各熱源プラントの融通排熱受入量whと各排熱融通配管を流れる熱媒の流量とが含まれる。また、排熱融通配管網901Aに対する制約式は、式(1)で示した配管網の流量に関する条件が同様の形式で記述される。
【0054】
そして、個別プラント運転計画部112Aでは、上記した各熱源プラントのプラント運転点108Aとプラント排熱受入量1001Aとプラント熱源設備パラメータ102Aと熱需要予測情報105Aと外部条件情報(例えば、気温)110Aとに基づき、各熱源プラントに設けられた各熱源設備の運転計画の最適化を行う。なお、この最適化演算では、従来と同様の熱源設備の運転計画の最適化演算を用いて求解する。
【0055】
このように、本実施形態2によれば、排熱供給源902Aから供給される排熱の融通がある場合に、その排熱受入量もしくは排熱使用量を考慮して各熱源プラントのプラントモデルを作成し、そのプラントモデル等に基づき各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点や各熱源プラントが受け入れる排熱受入量を表すプラント排熱受入量を決定し、そのプラント運転点やプラント排熱受入量等に基づき各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成することにより、複数の熱源プラント間での排熱融通を考慮した最適な配管熱媒流量と各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を実用的な時間で作成することが可能となる。
【0056】
[熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法の実施形態3]
図12は、本発明に係る運転計画作成装置の実施形態3の構成を示したものである。
【0057】
図12に示す実施形態3の運転計画作成装置101Bは、上記した実施形態1の運転計画作成装置101に対して、所定の配管にポンプを付設し、熱媒を配管に流して需要家へ供給する(熱融通を行う)際にそのポンプの消費電力を考慮する点が相違しており、その他の構成は実施形態1の運転計画作成装置101と同様である。したがって、以下では、実施形態1の運転計画作成装置101と異なる構成のみを詳述し、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0058】
本実施形態3では、熱融通に伴うポンプの消費電力を含めて地域全体の目的関数値(コストやCO2等)を最小化するような熱源設備の最適運転計画を作成するために、図12に示すように、上記した実施形態1に基づき説明した各種情報に加えて、熱融通におけるポンプの消費電力を演算するための情報としてのポンプ・配管網パラメータ1201Bを配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Bへ入力する。配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Bは、プラントモデル作成部104Bで作成したプラントモデル103Bとポンプ・配管網パラメータ1201B等を用いて配管熱媒流量107Bとプラント運転点108Bとを求め、個別プラント運転計画部112Bは、配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Bで求められたプラント運転点108B等に基づいて熱源設備運転計画111Bを作成する。
【0059】
より詳細には、運転計画作成装置101Bの配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Bでは、当該配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Bが解く最適化演算の目的関数として、以下の式(6)で示すようなポンプの消費電力を表す式を加える。
【0060】
【数6】
【0061】
ここで、mはポンプ番号、Emはポンプの消費電力、ηはポンプ効率、wmはポンプを流れる熱媒の流量、Hはポンプの揚程、αは単位換算係数を表している。
【0062】
上記したポンプの揚程Hは、図13に示すような圧力分布線図に示す関係性を有している。すなわち、まず、末端差圧調整弁1301Bによって末端差圧が一定となるように定められ、各配管を流れる熱媒の流量により決まる圧力損失と熱源プラントにおける熱源設備近辺の圧力損失との和をポンプ1302Bによって補っている。なお、図13では、構成を簡素化するために、熱源プラントからの送水が2次ポンプ方式である場合を想定すると共に、1次ポンプと熱源設備の部分は除いて、熱融通に関連する2次ポンプの部分についてのみ記載している。しかし、その他の方式についても、上記した圧力の関係を考慮して、以下に示す方法と同様の圧力損失の評価方法によって最適化を行うことが可能である。
【0063】
図13に示す圧力分布線図から分かるように、熱源プラントの往還間のポンプ1302Bで必要となる前記揚程Hは、戻配管の損失が対応する往配管の圧力差と等しいため、〈一定の末端差圧+配管の圧力損失×2〉となる。この揚程Hを表す式と併せて、各配管の圧力損失を表す以下の式(7)(Hazen-Williamsの式)と、各節点における圧力が単一であるという条件を表す以下の式(8)を用いることで、各配管流量と圧力損失との関係を記述できる。
【0064】
【数7】
【0065】
【数8】
【0066】
ここで、上記した式(7)において、ΔPは各配管における差圧、cは流速計数、dは配管径、Lは配管長、βは単位調整のための係数である。なお、圧力損失を表す式はその近似方法に応じて複数の種類があり、上記した式(7)に限定されず、その他の式を用いてもよい。また、式(8)において、p,p’は配管番号、sは節点番号、Pは圧力を表している。この式(8)は、節点sに対して接続している配管pとp’の任意の組合せにおいて圧力が同一であることを表している。なお、節点sに接続されていない配管については除外する。
【0067】
配管熱媒流量・プラント運転点決定部109Bでは、最適化演算の制約式として、実施形態1に基づき説明した制約式(式(1)及び式(4)参照)に加えて、上記した熱源プラントのポンプで必要となる揚程とシステム全体での配管の圧力損失との関係と、上記した式(7)及び式(8)に示す制約式とを加えることで、配管の圧力損失を考慮した目的関数値の最小化演算を行い、熱融通量である配管熱媒流量107Bとプラント運転点108Bとを求めることができる。
【0068】
そして、個別プラント運転計画部112Bでは、上記した各熱源プラントのプラント運転点108Bとプラント熱源設備パラメータ102Bと熱需要予測情報105Bと外部条件情報(例えば、気温)110Bとに基づき、各熱源プラントに設けられた各熱源設備の運転計画の最適化を最適演算部113Bにより行う。
【0069】
このように、本実施形態3では、ポンプを利用して熱融通を行う場合に、ポンプの消費電力を考慮して各熱源プラントから出力される熱供給量を表すプラント運転点や各配管を流れる熱媒の流量を表す配管熱媒流量を決定し、そのプラント運転点等に基づき各熱源プラントにおける各熱源設備の運転計画を作成することにより、熱融通に伴うポンプの消費電力を考慮した最適な配管熱媒流量と各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を実用的な時間で作成することが可能となる。
【0070】
[熱源設備の運転計画作成装置及び運転計画作成方法の実施形態4]
図14は、本発明に係る運転計画作成装置の実施形態4の構成を示したものである。
【0071】
図14に示す実施形態4の運転計画作成装置101Cは、上記した実施形態1の運転計画作成装置101に対して、運転計画作成装置により作成された運転計画に基づいて各熱源プラントにおける各熱源設備の運転状態を自動制御する点が相違しており、その他の構成は実施形態1の運転計画作成装置101と同様である。したがって、以下では、実施形態1の運転計画作成装置101と異なる構成のみを詳述し、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0072】
本実施形態4では、各地域の各熱源プラント(図1参照)に個別プラント熱源設備制御装置1401Cが設けられており、運転計画作成装置101C(特にその個別プラント運転計画部112C)で作成された熱源設備運転計画111Cは、図14に示すように、各熱源プラントの個別プラント熱源設備制御装置1401Cへ送信される。個別プラント熱源設備制御装置1401Cは、運転計画作成装置101Cから送信された運転計画に基づいて、各熱源設備1402Cの運転状態(例えば、起動もしくは停止等)を制御する。
【0073】
これにより、本実施形態4では運転計画作成装置101Cで作成された各熱源設備の運転計画に基づいて、各熱源プラントに設けられた各熱源設備の運転状態を自動的に制御することが可能となる。
【0074】
なお、上記では、各実施形態をそれぞれ別個に記載したが、各実施形態の構成を適宜に組み合わせられることは言うまでもない。例えば、実施形態2の構成と実施形態3の構成とを組み合わせることで、排熱の融通がある状況かつポンプを利用して熱融通を行う状況で、複数の熱源プラント間での排熱融通及び熱融通に伴うポンプの消費電力を考慮した各熱源プラントにおける各熱源設備の最適な運転計画を実用的な時間で作成することが可能となる。
【0075】
また、上記した実施形態1〜4では、構成を簡素化するために、プラントモデル作成部と配管熱媒流量・プラント運転点決定部と個別プラント運転計画部とにおける演算の最適化演算を行う最適演算部を、プラントモデル作成部と配管熱媒流量・プラント運転点決定部と個別プラント運転計画部とは別個に運転計画作成装置に配設する構成を採用したが、プラントモデル作成部と配管熱媒流量・プラント運転点決定部と個別プラント運転計画部とのそれぞれで最適化演算を行ってもよいことは勿論である。
【0076】
なお、本発明は上記した実施形態1〜4に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態1〜4は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0077】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0078】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0079】
101 熱源設備の運転計画作成装置
102 プラント熱源設備パラメータ
103 プラントモデル
104 プラントモデル作成部
105 熱需要予測情報
106 熱源プラント間接続情報
107 配管熱媒流量
108 プラント運転点
109 配管熱媒流量・プラント運転点決定部
110 外部条件情報
111 熱源設備運転計画
112 個別プラント運転計画部
113 最適演算部
301 配管網
302,305,308 熱源プラント
303,304,306,307,309 需要家
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14