【解決手段】光ディスクからの反射光を検出する光検出部と、起動後に検出された反射光に応じて対物レンズの振動レベルを判定する振動レベル判定部と、検出された反射光に応じて、光ピックアップの調整を行う制御部と、を有し、制御部は、振動レベルが閾値以下であれば、サーボ部による対物レンズの光ディスクの径方向での位置の制御を行うことなく、モーターに前記光ディスクの回転数を所定の周波数帯まで加速させながら、光ピックアップを制御する。
光ディスクを回転させるモーターと、光ピックアップと、前記光ピックアップの対物レンズの前記光ディスクに対する位置を調整するサーボ部と、を有し、起動後、前記サーボ部による前記光ディスクの径方向での制御をオフとした状態で前記光ピックアップの調整を行う光ディスク装置であって、
回転する前記光ディスクからの反射光を検出する光検出部と、
起動後に検出された反射光に応じて前記対物レンズの振動レベルを判定する振動レベル判定部と、
検出された前記反射光に応じて、前記光ピックアップの調整を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、
判定された前記振動レベルが閾値以上であれば、前記サーボ部に、光軸が前記対物レンズの中心を通るよう前記対物レンズの位置制御を行わせつつ、前記モーターに前記光ディスクの回転数を所定の周波数帯まで加速させた後、前記光ピックアップの調整を行い、
前記振動レベルが閾値以下であれば、前記サーボ部に、前記対物レンズの位置制御を行わせることなく、前記モーターに前記光ディスクの回転数を所定の周波数帯まで加速させながら、前記光ピックアップの調整を行う、
ことを特徴とする光ディスク装置。
前記振動レベル判定部は、前記光検出部が検出したトラッキングエラー信号をもとに前記光ディスクの偏芯量を算出し、算出された前記偏芯量をもとに前記振動レベルを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
前記振動レベル判定部は、前記トラッキングエラー信号の最大値と最小値との比率をもとに、前記偏芯量を算出する、ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
光ディスクを回転させるモーターと、光ピックアップと、前記光ピックアップの対物レンズの前記光ディスクに対する位置を調整するサーボ部と、を有し、起動後、前記サーボ部による前記光ディスクの径方向での制御をオフとした状態で前記光ピックアップの調整を行う光ディスク装置であって、
回転する前記光ディスクからの反射光を検出する光検出部と、
起動後に検出された反射光に応じて前記対物レンズの振動レベルを判定する振動レベル判定部と、
検出された前記反射光に応じて、前記光ピックアップの調整を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記光ピックアップの調整中に、判定された前記振動レベルが閾値以上であれば、前記サーボ部に光軸が前記対物レンズの中心を通るよう前記対物レンズの位置制御を行わせつつ、前記モーターに前記光ディスクの回転数を所定の周波数帯まで加速させた後、前記光ピックアップの調整を行い、
前記光ピックアップの調整中に、前記振動レベルが閾値以下であれば、前記サーボ部に前記対物レンズの位置制御を行わせることなく、前記光ピックアップの調整を行う、
ことを特徴とする光ディスク装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態である光ディスク装置について説明する。
1.第1の実施形態:
(1)光ディスク装置の構成
(2)起動方法:
2.第2の実施形態:
3.第3の実施形態:
4.第4の実施形態:
5.第5の実施形態:
6.第6の実施形態:
7.その他の実施形態:
【0016】
1.第1の実施形態:
(1)光ディスク装置の構成
図1は、本発明の実施形態である光ディスク装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図2は、
図1におけるピックアップの内部の構成を示すブロック図である。光ディスク装置1は、光ディスク100を回転させるスピンドルモータ18と、スピンドルモータ18によって回転している光ディスク100にレーザ光を照射し、その反射光を検出する光ピックアップ2と、該反射光に基づいてエラー信号を生成するエラー信号生成部13と、エラー信号に基づいて駆動信号を生成するサーボ回路14と、駆動信号に基づいてサーボ制御を行うドライバ回路15と、を備えている。
【0017】
さらに、光ディスク装置1は、光ディスク装置1の各部の動作を制御する制御部10、制御部10が駆動するためのプログラムを記録する記憶部11と、光ピックアップ2で検出された反射光からRF信号を生成してデータを取得するRFアンプ3と、そのデータを一時的に格納するバッファRAM6と、バッファRAM6からデータを順次読み出して再生信号を生成し、光ディスク装置1の外部に出力する再生部7と、ユーザからの入力操作を受け付ける操作部17と、光ディスク装置1の動作状態などを表示する表示部16と、を備えている。
【0018】
光ディスク装置1は、所謂ブルーレイプレーヤである。光ディスク100は、例えばブルーレイディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)である。
なお、この実施形態では、再生専用のブルーレイプレーヤを用いているが、実施の際は、録画可能なブルーレイレコーダを用いても構わない。
【0019】
光ピックアップ2の内部構成について
図2を用いて説明する。
光ピックアップ2は、レーザーダイオード21、コリメータレンズ(不図示)、ビームスプリッタ22、対物レンズ23、フォトディテクタ(光検出部)24、スレッドモータを含むスレッド移動機構(不図示)、レンズホルダー(不図示)、アクチュエータ25を備えている。光ピックアップ2は、公知の光ディスク装置と同様に、光ディスク100の半径方向に延びる軸に移動自在に取り付けられている(
図1参照)。
【0020】
レーザーダイオード21は、レーザ光を出力する光源である。対物レンズ23は、レンズホルダーの中央部に固定されており、光ディスク100に対するレーザ光の照射位置を調節する。また、アクチュエータ25の可動部は、レンズホルダーの胴部に巻回されたフォーカスコイルと、レンズホルダーの胴部に巻回されたトラッキングコイルと、レンズホルダーを弾性支持するサスペンションとで構成される(いずれも不図示)。アクチュエータ25は、フォーカスコイルに駆動電流が供給されると対物レンズ23を光ディスク100に接離する方向へ、トラッキングコイルに駆動電流が供給されると光ディスク100の半径方向へ移動させる。
【0021】
レーザーダイオード21から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ22で反射する。反射したレーザ光は、対物レンズ23を通過して、記録層L0に照射される。記録層L0で反射された反射光は、対物レンズ23とビームスプリッタ22を通過して、フォトディテクタ24で受光される。
【0022】
図3は、フォトディテクタに設けられた受光領域の配置の一例を示す図である。フォトディテクタ24は、複数の受光領域A〜Hに分かれており、光ディスク100からの反射光を検出する。フォトディテクタ24は、受光領域A,B,C,Dで検出した検出信号a、b、c、dと、受光領域E、F、G、Hで検出した検出信号e、f、g、hと、をエラー信号生成部13に供給する。検出信号a、b、c、dは、RFアンプ3にも供給され、RF信号が生成される。
【0023】
エラー信号生成部13は、フォトディテクタ24を構成する複数の受光領域で検出した光ディスク100からの反射光に基づいてトラッキングエラー信号(以下、「TE信号」と称する。)を生成する。そして、エラー信号生成部13は、TE信号を増幅した後、サーボ回路14に出力する。
【0024】
また、エラー信号生成部13は、フォトディテクタ24を構成する複数の受光領域で検出した光ディスク100からの反射光に基づいてレンズエラー信号(以下、「LE信号」と称する。)を生成する。そして、エラー信号生成部13は、LE信号を不図示の増幅器13Aで増幅した後、サーボ回路14に出力する。
【0025】
また、エラー信号生成部13は、フォトディテクタ24を構成する複数の受光領域で検出した光ディスク100からの反射光に基づいてフォーカスエラー信号(以下、「FE信号」と称する。)を生成する。そして、エラー信号生成部13は、FE信号を増幅した後、サーボ回路14に出力する。
【0026】
ここで、TE信号は、レーザ光の照射位置と光ディスク100のトラックの中心とのズレ量を示す信号であり、周知のDPP(Differential Push Pull)法により下記の式1に基づいて演算処理されている。
[数1]
TE={(a+d)−(b+c)}+{(e−f)+(g−h)}………(式1)
LE(レンズエラー)信号は、対物レンズ23の中央位置からのズレ量を示す信号であり、下記の式2に基づいて演算処理されている。ここで、中央位置とは、アクチュエータ25が対物レンズ23を駆動しない状態にあるときの可動部の位置を意味する。換言すれば、外力を受けない自然状態にあるアクチュエータ25の可動部の位置ということができる。
[数2]
LE=(a+d)−(b+c)………(式2)
FE信号は、レーザ光の合焦位置と光ディスク100の記録面とのズレ量を示す信号であり、周知の非点収差法により下記の式3に基づいて演算処理されている。
[数3]
FE=(a+c)−(b+d) ………(式3)
【0027】
サーボ回路14は、エラー信号生成部13が出力したFE信号、TE信号に基づいて、FE信号の値を0(基準レベル)にするためのフォーカシング駆動信号、及びTE信号の値を0(基準レベル)にするためのトラッキング駆動信号を生成し、これらをドライバ回路15に出力する。また、サーボ回路14は、トラックキングサーボ制御のオフ時、LE信号の値を0(基準レベル)にするためのLE駆動信号を生成して、ドライバ回路15に出力する。
【0028】
ドライバ回路15は、トラッキング駆動信号をアクチュエータ25に与え、ピックアップ2の対物レンズを光ディスク100の半径方向に移動し、光ディスク100のトラックの中心にレーザ光を照射させるトラッキングサーボ制御を行う。また、ドライバ回路15は、フォーカシング駆動信号をアクチュエータ25に与え、ピックアップ2の対物レンズを光ディスク100に対して光軸方向に移動し、光ディスク100の記録面にレーザ光を合焦させるフォーカスサーボ制御を行う。
また、ドライバ回路15は、トラックキングサーボ制御のオフ時、LE駆動信号をアクチュエータ25に与え、光ピックアップ2内の対物レンズ23を光軸の中心に保たれるよう制御を行うLCサーボ制御を行う。このLCサーボ制御では、アクチュエータ25に生じる電圧が基準電圧に対応する中央位置を保つよう制御する。
【0029】
以上より、光ディスク装置1は、トラッキングサーボ制御およびフォーカスサーボ制御を行うことで、読取時や記録時に、レーザ光を所望のトラックに追随させるとともにこのトラックにレーザ光の焦点を合わせることができる。また、光ディスク装置1は、LCサーボ制御を行うことで、トラックキングサーボ制御のオフ時に、光ディスク100の回転による振動で対物レンズ23が揺れても、対物レンズ23が基準電圧に対応する中央位置を保つように制御される。
【0030】
(2)起動方法:
次に、光ディスク装置1の起動時における制御を説明する。
図4は、本発明の実施形態である光ディスク装置1の起動時における動作を説明するフローチャートである。光ディスク装置1は、起動時において、トラッキング信号をオフした状態で、フォーカスエラー信号のフォーカスバランス(FBAL)や、トラッキングエラー信号のトラッキングバランス(TBAL)や、球面収差の調整、コマ収差の調整等の調整を行う。その後、トラッキングサーボ制御をオンし、起動状態が完了する。
【0031】
図4のステップS1では、制御部10は、フォーカスサーボ制御をオンするようサーボ回路14に指示する。
【0032】
ステップS2では、制御部10は、スピンドルモータ18を駆動させ、光ディスク100の回転数をアクチュエータ25の共振周波数帯付近まで回転させる。以下、この実施形態では、一例として、アクチュエータ25の共振周波数を60Hzとする。そして、このステップS2では、共振周波数帯の80パーセント(すなわち、40Hz)まで、光ディスク100を回転させる。
【0033】
ステップS3では、制御部10は、回転数や振動に依存しない調整を行う。すなわち、ステップS3での調整では、上記した、フォーカスエラー信号の調整、球面収差の調整、コマ収差の調整、トラッキングエラー信号の調整、以外の調整が行われる。
【0034】
ステップS4では、制御部10は、光ピックアップ2の振動レベルを測定する。この第1の実施形態では、制御部10は、フォトディテクタ24により検出されるLE信号の振幅(式(1)をもとに求められる値)をもとに光ピックアップ2の振動レベルを測定する。そのため、ステップS4の処理により本発明の振動レベル判定部が実現される。
【0035】
制御部10は、振動レベルが閾値T1未満であれば(ステップS5:NO)、ステップS6では、LCサーボ制御を行うことなく光ディスク100を目標回転数まで回転させながら、ステップS11に進む。例えば、目標回転数は、60Hzである。
【0036】
一方、振動レベルが閾値T1以上であれば(ステップS5:YES)、ステップS7に進み、制御部10は、LCサーボ制御を行う。すなわち、制御部10は、ドライバ回路15に、光ピックアップ2内の対物レンズ23が基準電圧に対応する中央位置を保つようLCサーボ制御をオンする。
【0037】
ステップS8では、制御部10はスピンドルモータ18を目標回転数(回転速度)まで回転させる。ステップS9では、制御部10は、スピンドルモータ18の回転数が目標回転数付近になるまで待機する。このステップS9では、ステップS6と異なり、スピンドルモータ18の回転数が目標回転数になるまで待機することで、スピンドルモータ18の回転を安定化させる。スピンドルモータ18の回転数を検出する手法としては、タコジェネレータ等の図示しないセンサーを用いて検出を行う。スピンドルモータ18の回転が目標回転数に達すると(ステップS9:YES)、ステップS10では、制御部10は、LCサーボ制御をオフする。
【0038】
ステップS11では、制御部10は、回数や振動に依存する調整を行う。すなわち、制御部10は、フォーカスバランス、トラッキングバランス、球面収差の調整、コマ収差の調整といった様々な調整を行う。
【0039】
ステップS12では、制御部10は、トラッキングサーボ制御をオンする。以下、説明は省略するが、光ピックアップ2は、トラッキングサーボ制御により光ディスク100のトラックを追従しつつ、光ディスク100に記録された情報の読み出しまたは記録を行う。
【0040】
以上説明したように、この第1の実施形態では、振動を伴わない光ディスク100の再生においては、対物レンズと光ディスクとの間の位置関係を調整するための待ちが生じないため、起動に要する時間を短くすることができる。
【0041】
2.第2の実施形態:
この第2の実施形態では、光ピックアップ2の調整時に光ピックアップの振動レベルを検出する構成が第1の実施形態と比べて異なる。
【0042】
図5は、第2の実施形態にかかる、光ディスク装置1の起動時における動作を説明するフローチャートである。
【0043】
図5のステップS21では、制御部10は、フォーカスサーボ制御をオンするようサーボ回路14に指示する。
【0044】
ステップS22では、制御部10は、スピンドルモータ18を駆動させ、光ディスク100の回転数をアクチュエータの共振周波数帯付近まで回転させる。以下、この第2の実施形態においても、共振周波数帯の80パーセントまで、光ディスク100を回転させる。
【0045】
ステップS23では、制御部10は、回転数や振動に依存しない調整を行う。すなわち、ステップS23での調整では、フォーカスバランスの調整、トラッキングバランスの調整、球面収差の調整、コマ収差の調整、以外の調整が行われる。
【0046】
ステップS24では、LCサーボ制御をオフした状態で、光ディスク100を目標回転数まで回転させる。
【0047】
ステップS25では、制御部10は、回数や振動に依存する光ピックアップ2の調整を行う。すなわち、制御部10は、フォーカスバランスの調整、トラッキングバランスの調整、球面収差の調整、コマ収差の調整といった様々な調整を行う。
【0048】
図6は、
図5のステップS25において実行される処理を説明するフローチャートである。
図6では、一例として、フォーカスバランスの調整を行う処理である。
【0049】
図6のステップS251では、制御部10は、フォーカスバランスを調整するための値を設定する。例えば、このステップS251では、制御部10は、光ピックアップ2において対応可能なFE信号の値を離散的に設定してく。次に、ステップS252では、制御部10は、ステップS251で設定されたFE信号の値により、RF値を取得する。
【0050】
ステップS253では、制御部10は、光ピックアップ2の振動レベルを測定する。この第2の実施形態においても、制御部10は、フォトディテクタ24により検出されるLE信号の振幅をもとに光ピックアップ2の振動レベルを測定する。
【0051】
制御部10は、測定対象の全てのFE信号の値においてRF値を取得していないため(ステップS254:NO)、ステップS255に進む。
【0052】
ステップS255では、制御部10は、ステップS253で測定した振動レベルが閾値T1未満であれば(ステップS255:NO)、ステップS251に戻り、フォーカスバランスの値を変更する。以下、測定対象となるFE信号の全ての値においてRF値が取得されるまで、ステップS254のループは繰返される。
【0053】
一方、振動レベルが閾値T1以上であれば(ステップS255:YES)、ステップS256に進み、制御部10は、LCサーボ制御をオンする。すなわち、制御部10は、ドライバ回路15に、光ピックアップ2内の対物レンズ23が基準電圧に対応する中央位置を保つようアクチュエータ25を制御させる。
【0054】
ステップS257では、制御部10はスピンドルモータ18を目標回転数(回転速度)まで回転させる。ステップS258では、制御部10は、スピンドルモータ18の回転が目標回転数付近になるまで待機する。スピンドルモータ18の回転が目標回転数に達すると(ステップS258:YES)、ステップS259では、制御部10は、LCサーボ制御をオフさせる。そして、ステップS251に戻り、フォーカスバランスの値を変更する。
【0055】
そして、制御部10は、測定対象の全てのFE信号の値においてRF値を取得すると(ステップS254:YES)、ステップS260に進む。ステップS260では、制御部10は、ステップS252で測定されたRF値をもとに、FE信号のフォーカスバランスの調整値が算出される。
【0056】
なお、図示しないが、フォーカスバランスが調整されると、制御部10は、トラッキングバランスを調整する。そして、トラッキングバランスが調整されると、制御部10は、球面収差、コマ収差をそれぞれ調整する。また、各調整においても、フォーカスバランスの調整と同様に、振動レベルの判定が行われ、振動レベルが閾値T1以上であれば、LCサーボ制御がオンされる。
【0057】
図5に戻り、ステップS26では、制御部10は、トラッキングサーボ制御をオンする。以下、説明は省略するが、光ピックアップ2は、トラッキングサーボ制御により光ディスク100のトラックを追従しつつ、光ディスク100に記録された情報の読み出しまたは記録を行う。
【0058】
以上説明したようにこの第2の実施形態では、制御中においても、本発明の処理を適用することができる。
【0059】
3.第3の実施形態:
この第3の実施形態では、振動レベルを、TE信号をもとに測定する構成が第1の実施形態と異なる。
【0060】
この第3の実施形態では、第1の実施形態に示すフローチャートと比べて振動レベルの算出方法が異なるため、
図4を流用して説明を行う。
【0061】
図4のステップS1では、制御部10は、フォーカスサーボ制御をオンするようサーボ回路14に指示する。
ステップS2では、制御部10は、スピンドルモータ18を駆動させ、光ディスク100の回転数をアクチュエータの共振周波数帯付近まで回転させる。
そして、ステップS3では、制御部10は、回転数や振動に依存しない光ピックアップ2の調整を行う。
【0062】
ステップS4では、制御部10は、光ピックアップ2の振動レベルを測定する。
図7は、第3の実施形態において、
図4のステップS4において行われる処理を示すフローチャートである。また、
図8は、TE信号から振幅レベルを測定する手法を説明する図である。
図7のステップS31では、制御部10は、フォトディテクタ24により検出されるTE信号の振幅を測定する。このステップS31では、例えば、光ディスク100の1回転の周期を所定数のサンプリング周期(タイミング)で分割し、TE信号の振幅を取得する。
ステップS32では、ステップS31で測定されたTE信号の振幅をもとに、偏芯量を算出する。
【0063】
フォーカスサーボ制御がオフの状態でのTE信号は、光ピックアップ2が光ディスク100のトラックをまたぐ周期に合わせて振幅が変化する。ここで、光ディスク100が偏重心であると、光ピックアップ2(対物レンズ23)とトラックとの相対的な位置関係が変化する。この相対的な位置関係の変化は光ピックアップ2のトラックを横断する速度の変化に影響を与えるため、
図8に示すように、TE信号の振幅に変化を生じさせる。そのため、制御部10は、光ディスク10の偏芯量を、下記(4)をもとに、算出し、この偏芯量から振動レベルを判断する。
[数4]
偏芯量=TE振幅MAX/TE振幅MIN………(4)
ここで、TE振幅MAXは、TE信号の振幅の最大値を示す。また、TE振幅MINは、TE信号の振幅の最小値を示す。
【0064】
図4に戻り、制御部10は、振動レベル(偏芯量)が、閾値T1未満であれば(ステップS5:NO)、ステップS6では、LCサーボ制御を行うことなく光ディスク100の目標回転数まで回転させつつ、ステップS11に進む。
【0065】
一方、振動レベルが閾値T1以上であれば(ステップS5:YES)、ステップS7に進み、制御部10は、LCサーボ制御を行う。
ステップS8では、制御部10はスピンドルモータ18を目標回転数(回転速度)まで回転させる。ステップS9では、制御部10は、スピンドルモータ18の回転が目標回転数付近になるまで待機する。スピンドルモータ18の回転が目標回転数まで達すると(ステップS9:YES)、ステップS10では、制御部10は、LCサーボ制御をオフする。
【0066】
ステップS11では、制御部10は、回数や振動に依存する光ピックアップ2の調整を行う。すなわち、制御部10は、フォーカスバランス、トラッキングバランス、球面収差の調整、コマ収差の調整、といった様々な調整を行う。
【0067】
ステップS12では、制御部10は、トラッキングサーボ制御をオンする。以下、説明は省略するが、光ピックアップ2は、トラッキングサーボ制御により光ディスク100のトラックを追従しつつ、光ディスク100に記録された情報の読み出しまたは記録を行う。
【0068】
以上説明したように、この第3の実施形態では、振動レベルをTE信号の振幅をもとに判定することができる。
【0069】
4.第4の実施形態:
また、上記した第2の実施形態においても、TE信号を用いて振動レベルを測定してもよい。すなわち、
図6のステップS253において、TE信号の振幅(TE振幅MAX、TE振幅MIN)を測定する。そして、測定されたTE信号の振幅をもとに、光ディスク100の偏芯量を算出する。以下、
図6のステップS255において、振動レベル(偏芯量)が閾値T1以上である場合のみ、制御部10はLCサーボ制御を含めた待ち制御を行う。
【0070】
以上説明したようにこの第4の実施形態では、周知のTE信号をもとに本発明を実現することができる。
【0071】
5.第5の実施形態:
LE信号と、TE信号とをともに測定しておき、いずれかの値をもとに測定された振動レベルが閾値以上であればLCサーボ制御を行う構成としてもよい。
【0072】
図9は、第5の実施形態における、光ディスク装置1の起動時における動作を説明するフローチャートである。
【0073】
図9のステップS51では、制御部10は、フォーカスサーボ制御をオンするようサーボ回路14に指示する。
ステップS52では、制御部10は、スピンドルモータ18を駆動させ、光ディスク100の回転数をアクチュエータの共振周波数帯付近まで回転させる。
【0074】
ステップS53では、制御部10は、回転数や振動に依存しない光ピックアップ2の調整を行う。すなわち、ステップS53での調整では、上記した、フォーカスバランス、トラッキングバランス、球面収差の調整、コマ収差の調整以外の調整が行われる。
【0075】
ステップS54では、制御部10は、フォトディテクタ24により検出されるLE信号の振幅を測定する。また、ステップS55では、制御部10は、フォトディテクタ24により検出されるTE信号の振幅をもとに光ディスク100の偏芯量を判定する。
【0076】
制御部10は、LE信号の振幅が閾値T1未満かつ、光ディスク100の偏芯量が閾値T2未満であれば(ステップS56:NO)、ステップS57では、LCサーボ制御を行うことなく光ディスク100の目標回転数まで加速させながら、ステップS62に進む。
【0077】
一方、LE信号の振幅が閾値T1以上または光ディスク100の偏芯量が閾値T2以上であれば(ステップS56:YES)、ステップS58に進み、制御部10は、LCサーボ制御を行う。すなわち、制御部10は、ドライバ回路15に、光ピックアップ2内の対物レンズ23が基準電圧に対応する中央位置を保つようサーボ25を制御させる。
【0078】
ステップS59では、制御部10はスピンドルモータ18を目標回転数(回転速度)まで回転させる。ステップS60では、制御部10は、スピンドルモータ18の回転が目標回転数付近になるまで待機する。スピンドルモータ18の回転が目標回転数に達すると(ステップS60:YES)、ステップS61では、制御部10は、LCサーボ制御をオフする。
【0079】
ステップS62では、制御部10は、回数や振動に依存する光ピックアップ2の調整を行う。すなわち、制御部10は、フォーカスバランス、トラッキングバランス、球面収差の調整、コマ収差の調整といった様々な調整を行う。
【0080】
ステップS63では、制御部10は、トラッキングサーボ制御をオンする。以下、説明は省略するが、光ピックアップ2は、トラッキングサーボ制御により光ディスク100のトラックを追従しつつ、光ディスク100に記録された情報の読み出しまたは記録を行う。
【0081】
以上説明したように、この第5の実施形態では、LE信号またはTE信号を用いて第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0082】
6.第6の実施形態:
また、光ピックアップ2の調整時において光ピックアップ2の共振状態を検出する第2の実施形態においても、第5の実施形態と同様、LE信号の振幅と、TE信号とをもとに振動レベルを測定してもよい。
【0083】
7.その他の実施形態:
本発明は様々な実施形態が存在する。
回転数や振動に影響を受ける調整として、フォーカスバランスの調整、トラッキングバランスの調整、球面収差の調整、コマ収差の調整を用いたことは一例に過ぎず、他の調整であってもよい。
【0084】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。