特開2015-231085(P2015-231085A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231085(P2015-231085A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】コンデンサマイクロホンユニット
(51)【国際特許分類】
   H04R 19/04 20060101AFI20151124BHJP
   H04R 1/38 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   H04R19/04
   H04R1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-115550(P2014-115550)
(22)【出願日】2014年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】秋野 裕
【テーマコード(参考)】
5D018
5D021
【Fターム(参考)】
5D018BB11
5D021CC02
5D021CC18
(57)【要約】
【課題】振動板の前後の音響端子に加わった音圧の差により前記振動板を駆動する一次音圧傾度型のコンデンサマイクロホンユニットにおいて、振動板の駆動力と高周波数帯域の収音の特性を容易に調整する。
【解決手段】振動板10の前側において前方に延びる第1のパイプ3aと、前記第1のパイプの周りを囲うように配置された第2のパイプ2bとを備え、前記第1のパイプと第2のパイプのいずれか一方のパイプの内側に、前記振動板の前面に連通する前部音響端子31が形成され、他方のパイプの内側に、固定極6の後側から前記振動板の後面に連通する後部音響端子32が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の音孔が形成された固定極と、前記固定極と所定の距離を空けて配置された振動板とを具備し、前記振動板の前後に加わった音圧の差により前記振動板を駆動する一次音圧傾度型のコンデンサマイクロホンユニットであって、
前記振動板の前側において前方に延びる第1のパイプと、前記第1のパイプの周りを囲うように配置された第2のパイプとを備え、
前記第1のパイプと第2のパイプのいずれか一方のパイプの内側に、前記振動板の前面に連通する前部音響端子が形成され、
他方のパイプの内側に、前記固定極の後側から前記振動板の後面に連通する後部音響端子が形成されることを特徴とするコンデンサマイクロホンユニット。
【請求項2】
前記振動板と前記固定極とには、それぞれ前記第1のパイプの位置に対応する開口部が形成され、前記第1のパイプ及び前記開口部に絶縁材料からなる絶縁パイプが挿嵌されることにより、
固定極の前側と後側とが音響的に分離されると共に、前記第1のパイプの内側に後部音響端子が形成され、前記第1のパイプの外側かつ前記第2パイプの内側に前部音響端子が形成されることを特徴とする請求項1に記載されたコンデンサマイクロホンユニット。
【請求項3】
前記振動板の前方に延びる前記第1のパイプのみが、前記振動板の前面に連通することにより前記第1のパイプの内側に前部音響端子が形成され、
前記固定極及び振動板の径が前記第2のパイプの径よりも小さく形成されることにより、前記第1のパイプの外側かつ前記第2のパイプの内側に、前記固定極の後側への連通路となる後部音響端子が形成されることを特徴とする請求項1に記載されたコンデンサマイクロホンユニット。
【請求項4】
前記第1のパイプ及び第2のパイプは、それぞれ着脱が可能であることを特徴とする、請求項1乃至3に記載されたコンデンサマイクロホンユニット。
【請求項5】
前記第1のパイプの開口部と第2のパイプの開口部のいずれか一方または両方が、ホーン形状であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載のコンデンサマイクロホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサマイクロホンユニットに関し、特に、前後の音響端子に加わった音圧の差で振動板を駆動する一次音圧傾度型のコンデンサマイクロホンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
振動板の前後に音響端子を持つ一次音圧傾度型のコンデンサマイクロホンは、前後の音響端子に加わった音圧の差で振動板を駆動する。振動板を駆動する力(以下、駆動力)と十分な駆動力が得られる周波数の上限は、音響端子間の距離によって定まる。即ち、音響端子間の距離が短い場合には、高い周波数まで動作するが振動板の駆動力は低くなる。一方、音響端子間の距離が長い場合には、その逆となる。
【0003】
このように、従来の一次音圧傾度型のマイクロホンは、振動板の駆動力と高周波数帯域の収音について、相互に相反する特性を有している。しかしながら、これらの特性はマイクロホンユニットの設計時に決まってしまうため、ユニットの形成後に前記特性を調整することが容易ではないという課題があった。
前記課題を解決するには、一次音圧傾度型のマイクロホンユニットの外側において、前後の音響端子の距離が変えられればよい。即ち、前後の音響端子の間に音響管などの音波の通路を設け、その長さを変えることができれば、前後の音響端子の距離が変わる。その結果、振動板の駆動力と高周波数帯域の収音との特性を容易に調整することが可能となる。
また、1次音圧傾度型マイクロホンは、従来より指向性マイクロホンとして利用されている。そのため、1次音圧傾度型マイクロホンにおいても、指向性を調整できることが望ましい。
【0004】
本願出願人は、特許文献1において、図5に示すように単一指向性コンデンサマイクロホンユニット50の振動板51の周縁部にバッフル52を取り付け、それらをコンピュータ用表示パネルの外枠55に形成した凹部55a内に収容し、バッフル52の外側の隙間(側部端子)54から凹部55a内に回り込んだ音波を後部音響端子56側で集音する構造を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3975007号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、バッフルの大きさ(面積)により前後の音響端子間の距離が変わるため、パネル外枠の凹部55aの径(開口径)も変更しなければならず、意匠面にも大きく影響する。
ユニットを収容する開口の径を変更せずに、前後の音響端子間の距離を変えるには、例えば図6に示すような構成が考えられる。マイクロホンユニット60の前面側に前方に延びる音響管61を設け、その音響管61の長さにより調整する。図6の場合、壁70に開口70aを設け、そこからマイクロホンユニット60が収容される。
【0007】
しかしながら、この構成の場合、図6に示すような通路を確保しなければならない。即ち、有底の音響管63を設け、その中にユニット及び音響管61を配置する。そして、音波がバッフル板62の外側を通ってユニット後側に回り込む通路も確保しなければならない。したがって、音波の通路がユニット後側まで2重構造となるため、壁70の後側に大きくスペースが必要となる上、構造が複雑となるという課題があった。
【0008】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、振動板の前後の音響端子に加わった音圧の差により前記振動板を駆動する一次音圧傾度型のコンデンサマイクロホンユニットにおいて、振動板の駆動力と高周波数帯域の収音の特性を容易に調整することができるコンデンサマイクロホンユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するために、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットは、複数の音孔が形成された固定極と、前記固定極と所定の距離を空けて配置された振動板とを具備し、前記振動板の前後に加わった音圧の差により前記振動板を駆動する一次音圧傾度型のコンデンサマイクロホンユニットであって、前記振動板の前側において前方に延びる第1のパイプと、前記第1のパイプの周りを囲うように配置された第2のパイプとを備え、前記第1のパイプと第2のパイプのいずれか一方のパイプの内側に、前記振動板の前面に連通する前部音響端子が形成され、他方のパイプの内側に、前記固定極の後側から前記振動板の後面に連通する後部音響端子が形成されることに特徴を有する。
尚、前記振動板と前記固定極とには、それぞれ前記第1のパイプの位置に対応する開口部が形成され、前記第1のパイプ及び前記開口部に絶縁材料からなる絶縁パイプが挿嵌されることにより、固定極の前側と後側とが音響的に分離されると共に、前記第1のパイプの内側に後部音響端子が形成され、前記第1のパイプの外側かつ前記第2パイプの内側に前部音響端子が形成されることが望ましい。
【0010】
このように構成することにより、第1のパイプ及び第2のパイプの長さを変えるのみで、前部音響端子と後部音響端子との距離(端子間距離)が変わり、振動板の駆動力と高周波数帯域の収音の特性調整を容易に行うことできる。
また、ユニットの径の範囲内で前記調整が可能となるため、ユニットの周りに後部音響端子のためのスペースや他部材が必要なく、省スペースで簡便な取り付けを行うことができる。
【0011】
或いは、前記振動板の前方に延びる前記第1のパイプのみが、前記振動板の前面に連通することにより前記第1のパイプの内側に前部音響端子が形成され、前記固定極及び振動板の径が前記第2のパイプの径よりも小さく形成されることにより、前記第1のパイプの外側かつ前記第2のパイプの内側に、前記固定極の後側への連通路となる後部音響端子が形成されてもよい。
このように構成することによっても、前記と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
振動板の前後の音響端子に加わった音圧の差により前記振動板を駆動する一次音圧傾度型のコンデンサマイクロホンユニットにおいて、振動板の駆動力と高周波数帯域の収音の特性を容易に調整することができるコンデンサマイクロホンユニットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの断面図である。
図2図2は、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの応用例を示す断面図である。
図3図3は、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの他の応用例を示す断面図である。
図4図4は、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの変形例を示す断面図である。
図5図5は、従来のコンデンサマイクロホンユニットの応用例を示す断面図である。
図6図6は、従来のコンデンサマイクロホンユニットの他の応用例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの断面図である。
図1に示すコンデンサマイクロホンユニット1は、前後方向(図面において左を前側、右を後側とする)の両端部が開口した円筒状のハウジング2と、ハウジング2の前部開口側に配置された前蓋部3と、ハウジング2の後部開口側に配置された後蓋部4とを備える。
【0015】
前記前蓋部3は、その中心部に軸方向に円筒状に延びる所定径のパイプ部3a(第1のパイプ)が形成されている。また、パイプ部3aの周りの蓋部分には、複数の音孔3bが設けられている。また、ハウジング2の内周面には前蓋部3の周縁端部が当接するが、ハウジング2はその位置からさらに前方に突出し、大径のパイプ部2b(第2のパイプ)が形成されている。
これにより、パイプ部3aの外側かつパイプ部2bの内側に、音孔3bに連通する音波の通路が形成され、これが前部音響端子31となされている。
尚、前記ハウジング2の前部側の内周面には、内側に突出したフランジ部2aが設けられており、前記前蓋部3の周縁部3cが前記フランジ部2aの内側に係止している。
【0016】
また、前記前蓋部3の裏面側(後面側)には、前記パイプ部3aの周りに幅広く円環状に形成された凹部3dが形成され、この円環状の凹部3dは表面側(前面側)の音孔3bに連通している。また、前蓋部3の裏面側に、前記円環状の凹部3dを塞ぐようにフィルム状の振動板10が貼り付けられている。また、振動板10の中心部には、前記パイプ部3aの内径と同じ径を有する開口部10aが形成されている。
【0017】
また、前記振動板4の後側の周縁部にはリング状のスペーサ5が配置されている。さらに、スペーサ5の後側には、複数の音孔6aを有する円板状の固定極6が配置されている。即ち、振動板4と固定極6とは、スペーサ5の高さ分だけ間隔を置いて配置されている。固定極6の中心部には、振動板4と同じくパイプ部3aの位置及び内径に合わせて開口部6bが形成されている。
【0018】
また、前記固定極6は、その周縁部が厚みのある絶縁材料からなる保持板7により保持されている。固定極6と保持板7との間には、所定の隙間が形成されている。また、ユニット中央の位置に前後方向に重ねられたパイプ部3aと、振動板10の開口部10aと、固定極6の開口部6bとは、内径が同じに形成されている。その内径には、絶縁材料により形成された絶縁パイプ11が挿嵌されている。これにより、固定極6の前側と後側とが音響的に分離された状態となされている。
【0019】
この構成により、パイプ部3a内の絶縁パイプ11から入った音波は、固定極6の後側に回り込み、固定極6の音孔6aを通り、振動板10の後側に音圧を加える。即ち、パイプ部3a及び絶縁パイプ11が後部音響端子32として機能する。
また、このような構成によれば、パイプ部2bの長さとパイプ部3aのそれぞれの長さを変えることによって、前部音響端子31と後部音響端子32の端子間距離を変えることができる。そのため、振動板10の駆動力と高周波数帯域の収音の特性を使用状況に合わせて容易に調整することができる。
【0020】
尚、保持板7内には、インピーダンス変換器である、例えばFET8が配置される。FET8には、信号線9aが接続されている。信号線9aは、固定極6側に引き出され、さらに固定極6に接続されている。また、信号線9bは、FET8から後蓋部4に形成された開口4aを通されてマイクロホンユニットの後側に引き出されている。
また、図示するように保持板7の後面側に後蓋部4が配置されている。後蓋部4は、その後面の周縁部をハウジング2の後端開口の内側へカシメ加工されることで固定されている。
【0021】
このように構成されたコンデンサマイクロホンユニット1において、例えばパソコンの筐体壁に埋め込む場合には、図2に示すように壁20にハウジング2の径に合わせた開口20aを形成し、そこにコンデンサマイクロホンユニット1を嵌装すればよい。
このようにすれば、図5に示した従来の構成のようにユニットの周りにスペースや他部材を必要としないため、省スペース、かつ簡便な構成で実現することができる。
【0022】
また、このコンデンサマイクロホンユニット1によれば、図3に示すように前側に同軸音響管15を接続することにより、接話型マイクロホンを構成することができる。同軸音響管15は、外側音響管16と内側音響管17の二重構造である。さらにこの例においては、マイク先端部に音響抵抗材18が設けられている。図3に示すようにパイプ部3aの周面に内側音響管17の後端を嵌装し、ハウジング2の前部側内周面に外側音響管16の後端が嵌入される。これにより、前部音響端子と後部音響端子との距離が長くなるため、高周波数帯域の収音は低下するが振動板の駆動力が高くなり、容易に接話型マイクを実現することができる。
【0023】
以上のように本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの実施の形態によれば、ユニットの前面側において、振動板10の後側に連通する小径のパイプ部3aが設けられ、前記パイプ部3aの周囲を囲むように、振動板10の前側に連通する大径のパイプ部2bが設けられる。
即ち、ユニットの前面側に2重のパイプが設けられ、そのうち小径のパイプ部3aの内側に後部音響端子32が形成され、前記小径のパイプ部3aの外側、且つ大径のパイプ部2bの内側に前部音響端子31が形成される。
これによりパイプ部3a及びパイプ部2bの長さを変えるのみで、前部音響端子31と後部音響端子32との距離が変わり、振動板10の駆動力と高周波数帯域の収音の特性調整を容易に行うことできる。
また、ユニットの径の範囲内で前記調整が可能となるため、ユニットの周りに後部音響端子32のためのスペースや他部材が必要なく、省スペースで簡便な取り付けが可能となる。
【0024】
さらに、図3の外側音響管16と内側音響管17は取り替え可能になっていてもよい。例えば、図3において、外側音響管16の外側とそれに嵌合するハウジング2の内側にネジ山が形成されることで、外側音響管16の変更が容易にできる。同様に内側音響管の内側とそれに嵌合するパイプ部3aにネジ山が形成されることで、内側音響管17も容易に変更できる。これらの態様を用いることで、前後の音響端子間距離の調整が可能になる。また、外側音響管16と内側音響管17の長さも可変にできるため、音響インピーダンスの調整(特に音響質量)も可能になる。
【0025】
外側音響管16および内側音響管17の嵌合手段は、上記のネジ式の嵌合手段に限らない。例えば、バヨネット式と呼ばれる嵌合手段やその他の嵌合手段を用いることもできる。
【0026】
さらに、図3の例のように、音響抵抗材18の配置箇所はマイク先端部に限らない。外側音響管16および内側音響管17のそれぞれの内部に音響抵抗材を配置してもよい。また、音響抵抗材には、フェルト材やスポンジ状のウレタン、グラスウールやアルミ繊維などが利用可能である。このようにすることで、音波の経路上に簡便な方法で音響抵抗材を配置することができる。そのため、指向性の調整を容易に行うことができ、設置した場所に対応したマイクロホンの特性の調整を実現できる。
【0027】
さらに、外側音響管16および内側音響管17のそれぞれの開口部は、ホーン形状をしていても良い。このような形状の音響管を備えることで、振動板の駆動力を向上させることができ、機械インピーダンスの高いマイクロホンユニットを用いた構成にも利用できる。機械インピーダンスの高いマイクロホンユニットとは、例えば、振動板の張力が高いマイクロホンユニットや、振動板前後の音響インピーダンスが高いマイクロホンユニットなどである。
【0028】
尚、前記実施の形態においては、ユニットの前面側に設けた2重のパイプのうち、小径のパイプ3aの内側に後部音響端子32が形成され、その外側、且つ大径のパイプ2bの内側に前部音響端子31が形成されるものとした。しかしながら、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットにあっては、その形態に限定されるものではない。
例えば、前部音響端子31と後部音響端子32とを逆にすることも可能である。具体的には、図4に示す構成とすればよい。図4に示す構成は、図1に示した構成とは固定極6と振動板10の形態が大きく異なる。即ち、図4に示す固定極6及び振動板10には、中央に開口部6b、10aが設けられない。さらには、固定極6及び振動板10が、前蓋部3に設けられた音孔3bよりも内側に配置されるように、小さい径に形成される。尚、リング状のスペーサ5の径も固定極6及び振動板10の径に合わせられることで、固定極6と振動板10との間に所定の隙間が形成される。
【0029】
この構成により、ユニット中央のパイプ部3aを通った音波は振動板10の前面側に音圧を与えることになり、パイプ部3aの外側のパイプ部2bの内側を通った音波は、音孔3bから固定極6の後側に回り込み、振動板10の後面側に音圧を与えることになる。
即ち、小径のパイプ3aの内側が前部音響端子31となり、その外側の大径のパイプ2bの内側が後部音響端子32となる。
このような構成によっても、図1に示した構成と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 コンデンサマイクロホンユニット
2 ハウジング
2b パイプ部(第2のパイプ)
3 前蓋部
3a パイプ部(第1のパイプ)
3b 音孔
4 後蓋部
5 スペーサ
6 固定極
6a 音孔
6b 開口部
7 保持板
10 振動板
10a 開口部
11 絶縁パイプ
31 前部音響端子
32 後部音響端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6