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特開2015-231207撮像装置、撮影制御システム、撮影制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231207(P2015-231207A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】撮像装置、撮影制御システム、撮影制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20151124BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20151124BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20151124BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20151124BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   H04N5/232 B
   H04N5/225 C
   H04N7/18 U
   G03B17/00 P
   G03B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-117863(P2014-117863)
(22)【出願日】2014年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】新井 秀聡
【テーマコード(参考)】
2H020
2H100
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
2H020ME03
2H100FF01
5C054CA04
5C054CC02
5C054GB02
5C054GD07
5C122DA11
5C122EA63
5C122EA67
5C122FA01
5C122FA11
5C122FA18
5C122FB03
5C122FK29
5C122GA33
5C122GC02
5C122GF03
(57)【要約】
【課題】撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影が指示されたタイミングの撮影画像を得ること。
【解決手段】撮像装置1は、撮影可否判定部52と、通信制御部54と、を備える。撮影可否判定部52は、自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、当該自機が撮影可能な状態であるか否かを判定する。通信制御部54は、撮影可否判定部52により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで他の撮像装置に対して撮影を指示するように通信部20を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、当該自機が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで他の撮像装置に対して撮影を指示する指示手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記判定手段により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある1または複数の他の撮像装置を選択する選択手段を備え、
前記指示手段は、前記選択手段により選択された前記1または複数の他の撮像装置に対して撮影を指示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記判定手段により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置を特定する第1の特定手段を備え、
前記指示手段は、前記第1の特定手段により特定された他の撮像装置に対して撮影を指示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の特定手段は、撮影が指示される前の段階から、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置を逐次特定して更新し、
前記指示手段は、前記撮影を指示した際に、直近に特定および更新された他の撮像装置に対して撮影を指示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の特定手段は、自機と他の撮像装置の撮影位置または撮影方向を逐次取得し、撮影指示に応じたタイミングで自機の撮影位置または撮影方向と同じ撮影位置または撮影方向にある他の撮像装置を、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置と特定する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の特定手段は、自機の撮影位置、撮影方向、撮影距離により特定される被写体位置を撮影可能な撮影位置と撮影方向である他の撮像装置を、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置と特定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記指示手段による他の撮像装置に対する撮影指示に応じて当該他の撮像装置で撮影された撮影画像を自機で取得する第1の取得手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記判定手段は、前に行われた撮影の記録処理を実行中の場合、自機の内部若しくは外部メモリの記録残量がない場合、撮影中である場合、又はストロボ発光が必要な状態でストロボ充電中である場合に、自機が撮影可能な状態にないと判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
他の撮像装置に撮影を指示した後の所定時間以内に自機が撮影可能な状態に復帰した場合は、直ちに自機でも撮影を行うように撮像手段を制御する撮像制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記指示手段により、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある複数の他の撮像装置に対して撮影が指示された後に、自機と同じ被写体を撮影した他の撮像装置を特定する第2の特定手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第2の特定手段により特定した他の撮像装置から撮影画像を自機で取得する第2の取得手段を備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
複数の撮像装置を備える撮影制御システムであって、
前記複数の撮像装置のいずれかの操作による撮影指示に応じたタイミングで、この撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで前記撮影指示の操作が行われた撮像装置とは別の撮像装置に対して撮影を指示する指示手段と、
を備えることを特徴とする撮影制御システム。
【請求項13】
複数の撮像装置による撮影を制御する撮影制御方法あって、
前記複数の撮像装置のいずれかの操作による撮影指示に応じたタイミングで、この撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで前記撮影指示の操作が行われた撮像装置とは別の撮像装置に対して撮影を指示する指示ステップと、
を含むことを特徴とする撮影制御方法。
【請求項14】
撮像装置を制御するコンピュータに、
自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、当該自機が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで他の撮像装置に対して撮影を指示する指示機能と、
を実現することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮影制御システム、撮影制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮影中に(動画撮影中に)、自機の電池やメモリの残量が少なくなって撮影可能な(撮影を継続可能な)状態でなくなった場合に、自機に代わって他機で撮影を行わせる技術が知られている(特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−97132号公報
【特許文献2】特開2008−205690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1及び2に記載の技術では、撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合には、撮影を指示したタイミングで撮影者が所望していた被写体の撮影画像を取得することが難しい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影が指示されたタイミングで撮影者が所望していた被写体の撮影画像を得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の撮像装置は、
自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、当該自機が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで他の撮像装置に対して撮影を指示する指示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影が指示されたタイミングで撮影者が所望していた被写体の撮影画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る撮影制御システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
図2】撮影制御システムを構成する撮像装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3図2の撮像装置の機能的構成のうち、撮影制御処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図4図2の撮像装置の機能的構成のうち、撮影処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5図3の機能的構成を有する図2の撮像装置が実行する撮影制御処理の流れを説明するフローチャートである。
図6図4の機能的構成を有する図2の撮像装置が実行する撮影処理の流れを説明するフローチャートである。
図7】第2の実施形態において図3の機能的構成を有する図2の撮像装置が実行する撮影制御処理の流れを説明するフローチャートである。
図8】第3の実施形態において図3の機能的構成を有する図2の撮像装置が実行する撮影制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る撮影制御システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
【0010】
撮影制御システムSは、図1に示すように、複数の撮像装置1A乃至1Hにより構成される。複数の撮像装置1A乃至1Eは、無線通信可能に構成され、被写体撮影方向に対して、異なる撮影範囲となるように配置される。
このような撮影制御システムSでは、例えば、撮像装置1Aで撮影を行う場合に、撮像装置1Aにおいて撮影できない状態のときには、撮像装置1Aの代わりに他の撮像装置1’B乃至1Eで撮影を行って、撮像画像を取得する。
【0011】
なお、撮像装置1において撮影できない状態とは、例えば、機器の故障や電池・メモリの残量がない状態や撮影準備中のような撮影が実行できない状態や撮影を実行しても撮像画像を取得できない状態である。
また、撮像装置1Aの代わりに撮影を行う撮像装置1B乃至1Eは、撮像装置1Aの撮影範囲と重複しており、特に、撮像装置1Aからのアングルで取得したい被写体を含んだ撮像画像を取得できる場所に配置された撮像装置1である。
【0012】
例えば、撮影制御システムSにおいて、撮像装置1Aで撮影を行う場合、撮像装置1Aの撮影範囲には、被写体OB1乃至OB3が含まれることとなる。即ち、撮像装置1Aで撮影をする場合には、撮像装置1Aの方向の被写体OB1乃至OB3を含んだ撮像画像を取得したい要求がある。したがって、撮像装置1Aで撮影した代わりになる撮像装置1は、撮像装置1B乃至1Hのうち、撮像装置1Aの撮影方向と、撮像装置1Aの撮影範囲が近似する撮像装置1B及び1Cでの撮影を行って撮像画像を取得する。
【0013】
したがって、本実施形態の撮影制御システムSでは、撮影を行いたい自機である撮像装置1Aが撮影できない状態である場合に、撮像装置1Aで撮影されたような撮像画像を他機である他の撮像装置1B及び1Cから取得することができる。即ち、本実施形態の撮影制御システムSでは、撮像装置1A乃至1Hにおいて、一つの撮像装置が撮影不可能な場合は、他の撮像装置に撮影処理を依頼し、必ず、どちらかの撮像装置で撮影が可能となる。よって、互いに代替撮影を行って、撮像画像を取得することができる。
【0014】
図2は、撮影制御システムSを構成する撮像装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
撮像装置1は、例えばデジタルカメラとして構成される。
【0015】
撮像装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、撮像部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0016】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0017】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0018】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、撮像部16、入力部17、出力部18、記憶部19、通信部20及びドライブ21が接続されている。
【0019】
撮像部16は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0020】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0021】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、ディジタル信号が生成され、撮像部16の出力信号として出力される。
このような撮像部16の出力信号を、以下、「撮像画像のデータ」と呼ぶ。撮像画像のデータは、CPU11や図示しない画像処理部等に適宜供給される。
【0022】
入力部17は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部19は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部20は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0023】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0024】
なお、以下において、他機である他の撮像装置1’は、他の撮像装置1’とし、他の撮像装置1’のハードウェア構成は、CPU11’乃至リムーバブルメディア31’とする。
【0025】
図3は、図2の撮像装置1の機能的構成のうち、撮影制御処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
撮影制御処理とは、自機において撮影ができない場合において、他の撮像装置1’で代替撮影を行って、他機から撮影画像を取得する一連の処理をいう。
【0026】
撮影制御処理を実行する場合には、図3に示すように、CPU11において、操作検出部51と、撮影可否判定部52と、撮影管理処理部53と、通信制御部54と、表示制御部55と、が機能する。
また、記憶部19の一領域には、画像記憶部71と、撮影管理情報記憶部72と、が設定される。
【0027】
画像記憶部71には、撮影画像のデータが記憶される。
撮影管理情報記憶部72には、代替可能な撮像装置の情報等の撮影の管理に係る情報(以下、「撮影管理情報」という。)が記憶される。
【0028】
操作検出部51は、入力部17に対する入力操作を検出する。操作検出部51は、具体的には、入力部17に対する撮影指示の操作を検出する。
【0029】
撮影可否判定部52は、自機において撮影可能な状態か否かを判定する。自機における撮影可能な状態か否かの判定は、例えば、AF、連写、プレミアムブラケット、アートブラケット等において内部の処理メモリがフルで適切な撮影処理が行えない状態、前に行われた撮影の記録処理を実行中、自機の内部若しくは外部メモリの記録残量がない状態、長時間露光撮影時、ストロボ発光が必要な状態でストロボ充電中、機器の故障等の要因の有無を確認することにより行う。
【0030】
撮影管理処理部53は、撮影や撮影の結果取得した撮影画像の管理に至るまでの処理を実行する。
具体的には、撮影管理処理部53は、撮影を行うように撮像部16を制御し、取得した撮影画像を画像記憶部71に記録させて、撮影記録を実行する。
撮影管理処理部53は、代替撮影可能な他機があるか否かを判定する。代替撮影可能な他機があるか否かの判定は、他機(他の撮像装置)に対して、代替撮影か可能か否かの問い合わせ後に、その問い合わせ結果である代替撮影か可能である旨の応答(以下、「代替撮影可能応答」という。)を取得したか否かで行う。即ち、代替撮影可能応答を取得した場合には、代替撮影可能な他機があると判定する。
ここで、他機による代替撮影の可能か否かは、例えば、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にあるか否かを判断することによって行われ、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にあるか否かは、具体的には、撮影位置や撮影方向の共通性(例えば、自機と、撮影位置、撮影方向、撮影距離により特定される被写体位置を撮影可能な撮影位置と撮影方向が共通する他機)や、撮影フレーム内に認識している被写体情報などに基づいて判定する。
【0031】
また、撮影管理処理部53は、代替撮影可能な状態にある他機を選択する。本実施形態においては、撮影管理処理部53は、代替撮影可能な状態にある他機を1つ選択する。撮影管理処理部53は、例えば、ユーザからの入力部17に対する選択操作で決定された他機や自機による撮影画像に近い撮影画像を取得できそうな他機を選択する。
【0032】
通信制御部54は、通信部20における通信を制御する。
具体的には、通信制御部54は、他機(他の撮像装置)に対して、代替撮影か可能か否かの問い合わせを、他機に送信するように通信部20を制御する。
また、通信制御部54は、代替撮影可能応答を受信するように通信部20を制御する。
【0033】
また、通信制御部54は、指定した撮像装置で撮影記録を実行して代替撮影を行うように指示する情報(以下、「代替撮影の指示情報」という。)を送信するように通信部20を制御する。
【0034】
また、通信制御部54は、他の撮像装置で撮影が完了した旨の通知(以下、「撮影完了通知」という。)を受信するように通信部20を制御する。
また、通信制御部54は、他の撮像装置から撮影画像を受信するように通信部20を制御する。
【0035】
表示制御部55は、出力部18による表示出力を制御する。
具体的には、表示制御部55は、代替撮影可能な他機があると撮影管理処理部53に判定された場合には、代替撮影可能な他機がある旨のメッセージ(以下、「代替撮影メッセージ」という。)を表示出力するように出力部18を制御する。これに対して、表示制御部55は、代替撮影可能な他機がないと撮影管理処理部53に判定された場合には、代替撮影可能な他機がない旨のメッセージ(以下、「撮影不可メッセージ」という。)を表示出力するように出力部18を制御する。
【0036】
図4は、図2の他の撮像装置1’の機能的構成のうち、撮影処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
撮影処理とは、他機である他の撮像装置1’において、自機である撮像装置1の代替撮影が可能である場合に、撮像装置1からの指示に基づいて撮影記録を実行して取得した撮影画像を撮像装置1に送信する一連の処理をいう。
【0037】
撮影制御処理を実行する場合には、図4に示すように、CPU11’において、通信制御部91と、代替撮影判定部92と、撮影制御部93と、が機能する。
また、記憶部19’の一領域には、画像記憶部101が設定される。
画像記憶部101には、撮影画像が記憶される。
【0038】
通信制御部91は、通信部20における通信を制御する。
通信制御部91は、代替撮影可能か否かの問い合わせ、指示情報等を受信するように通信部20’を制御する。
また、通信制御部91は、代替撮影可能応答、撮影完了通知、撮影画像等を送信するように通信部20’を制御する。
【0039】
代替撮影判定部92は、自機である撮像装置1の代替撮影が可能か否かの判定を行う。撮像装置1の代替撮影が可能か否かの判定は、例えば、撮像装置1と同じ被写体を撮影可能な状態にあるか否かを判定することによって行われ、撮像装置1と同じ被写体を撮影可能な状態にあるか否かは、具体的には、撮影位置や撮影方向の共通性(例えば、自機と、撮影位置、撮影方向、撮影距離により特定される被写体位置を撮影可能な撮影位置と撮影方向が共通する他機)や、撮影フレーム内に認識している被写体情報などに基づいて判定する。
【0040】
撮影制御部93は、撮影を行うように撮像部16’を制御し、取得した撮影画像を画像記憶部101に記憶させて、撮影記録を実行する。
【0041】
図5は、図3の機能的構成を有する図2の撮像装置1が実行する撮影制御処理の流れを説明するフローチャートである。
撮影制御処理は、ユーザによる入力部17への撮影制御処理開始の操作により開始される。
【0042】
ステップS11において、操作検出部51は、撮影指示があったか否かを判定する。
撮影指示があった場合には、ステップS11においてYESと判定されて、処理はステップS12に進む。
撮影指示がない場合には、ステップS11においてNOと判定されて、処理はステップS11に戻る。
【0043】
ステップS12において、撮影可否判定部52は、自機は撮影可能状態であるか否かを判定する。
自機は撮影可能状態の場合には、ステップS12においてYESと判定されて、処理はステップS13に進む。
自機は撮影可能状態でない場合には、ステップS12においてNOと判定されて、処理はステップS14に進む。
【0044】
ステップS13において、撮影管理処理部53は、自機で撮影記録を実行する。その結果、画像記憶部71に撮影画像が記録される。その後、処理はステップ22に進む。ステップ22以降の処理は後述する。
【0045】
ステップS14において、通信制御部54は、無線通信可能な複数の他機に対して、自機と同じ被写体を代替撮影可能な状態にあるか否かを問い合わせるように通信部20を制御する。その結果、撮像装置1から他の撮像装置1’に対して、問い合わせが送信される。その後、他の撮像装置1’から問い合わせ結果が送信される。
【0046】
ステップS15において、撮影管理処理部53は、代替撮影可能な他機があるか否かを判定する。撮影管理処理部53は、代替撮影可能応答を所定時間以内に他の撮像装置から受信していた場合には、代替撮影可能な他機があると判定する。
代替撮影可能な他機がない場合(所定時間以内にいずれの撮像装置からも応答が無い場合)には、ステップS15においてNOと判定されて、処理はステップS16に進む。
代替撮影可能な他機ある場合には、ステップS15においてYESと判定されて、処理はステップS17に進む。
なお、撮像装置からの応答を待つ所定時間は、被写体が所望の状態になったタイミングで撮影者が撮影を指示した後に、その時の被写体の状態が大きく変化する可能性が少なくなるように設定された時間であり、例えば通常の被写体であれば2秒程度とする。また、撮影者が自由に設定できるようにしてもよい。また、指定される被写体の種類に応じて、動きの速い被写体では短く(例えば0.5秒)、動きの遅い被写体では長く(例えば5秒)なるように自動設定してもよい。
【0047】
ステップS16において、表示制御部55は、撮影不可メッセージを表示出力するように出力部18を制御する。その結果、出力部18に、例えば、「撮影可能な他機はありませんでした。」等の撮影不可メッセージが表示される。その後、処理はステップ22に進む。
【0048】
ステップS17において、表示制御部55は、代替撮影メッセージを表示出力するように出力部18を制御する。その結果、出力部18に、例えば、「代替撮影可能な他機がありました。」等の代替撮影メッセージが表示される。
【0049】
ステップS18において、撮影管理処理部53は、代替撮影可能な状態にある他機を1つ選択する。この際、撮影管理処理部53は、例えば、ユーザからの入力部17に対する選択操作で決定された他機や自機による撮影画像により近い撮影画像を取得できそうな他機を選択する。また、より早く応答のあった撮像装置が、自機による撮影画像にある程度近い撮影画像を取得できそうであれば、それ以上に近い撮影画像を取得できそうな別の撮像装置があったとしても、より早く応答のあった撮像装置を選択するようにしてもよい。
【0050】
ステップS19において、通信制御部54は、代替撮影の指示情報を他機に送信する。
【0051】
ステップS20において、通信制御部54は、撮影完了通知があったか否かを判定する。
撮影完了通知がない場合には、ステップS20においてNOと判定されて、処理は撮影完了通知があるまで、待機状態となる。
撮影完了通知あった場合には、ステップS20においてYESと判定されて、処理はステップS21に進む。
【0052】
ステップS21において、通信制御部54は、他機から撮影画像を受信するように通信部20を制御する。
【0053】
ステップS22において、撮影管理処理部53は、撮影を終了するか否かを判定する。
撮影を終了しない場合には、ステップS22においてNOと判定されて、処理はステップS11に戻る。
撮影を終了する場合には、ステップS22においてYESと判定されて、撮影制御処理は終了する。
【0054】
図6は、図4の機能的構成を有する図2の撮像装置1が実行する撮影処理の流れを説明するフローチャートである。
撮影処理は、ユーザによる入力部17’への撮影処理開始の操作により開始される。
【0055】
ステップS41において、通信制御部91は、代替撮影可能か否かの問い合わせがあった否かを判定する。
代替撮影可能か否かの問い合わせがない場合には、撮影処理を終了する。
代替撮影可能か否かの問い合わせがあった場合には、ステップS41においてYESと判定されて、処理はステップS42に進む。
【0056】
ステップS42において、代替撮影判定部92は、代替撮影可能か否かを判定する。詳細には、代替撮影判定部92は、撮影位置や撮影方向の共通性や、撮影フレーム内に認識している被写体情報などに基づいて代替撮影可能か否かを判定する。
代替撮影可能でない場合には、撮影処理は終了する。
代替撮影可能な場合には、ステップS42においてYESと判定されて、処理はステップS43に進む。
【0057】
ステップS43において、通信制御部91は、代替撮影可能応答を送信するように通信部20’を制御する。
【0058】
ステップS44において、通信制御部91は、指示情報を受信したか否かを判定する。
指示情報を受信していない場合には、撮影処理は終了する。
指示情報を受信している場合には、ステップS44においてYESと判定されて、処理はステップS45に進む。
【0059】
ステップS45において、撮影制御部93は、撮影を行うように撮像部16’を制御し、取得した撮影画像を画像記憶部101に記録させて、撮影記録を実行する。
【0060】
ステップS46において、通信制御部91は、撮影完了通知を送信するように通信部20’を制御する。
【0061】
ステップS47において、通信制御部91は、撮影画像を送信するように通信部20’を制御する。
【0062】
したがって、撮影制御システムSでは、撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影が指示されたタイミングで撮影者が所望していた被写体の撮影画像を得ることができる。
また、自機の操作感において、自機がどのような状況でも、必ず他機で撮影し撮影画像を残すことが可能となりストレスの無い撮影が可能となる。
【0063】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、自機が撮影可能状態でないことが判定された後に、他機において代替撮影が可能か否かの問い合わせ等を行うように構成した。本実施形態においては、予め代替撮影が可能な他機を、管理情報を用いて管理し、当該管理情報に基づいて、代替撮影の指示等を行うように構成する。
【0064】
ここで、撮影制御処理及び撮影処理を実行するための機能的構成について説明するが、第1の実施形態と異なる点にのみ説明を行う。
撮影制御処理を実行するための機能的構成については、特に、撮影管理情報記憶部72と、通信制御部54と、撮影管理処理部53の機能的構成が異なる。
【0065】
撮影管理情報記憶部72には、代替撮影可能な状態にある他機の情報を含む管理情報が記憶される。
【0066】
通信制御部54は、他機(他の撮像装置)に対して、代替撮影か可能か否かの問い合わせを、他機に送信するように通信部20を制御する。
【0067】
撮影管理処理部53は、代替撮影か可能か否かの問い合わせ後に、代替撮影可能応答(以下、「問い合わせに対する応答」ともいう。)に従って、代替撮影可能な状態にある他機の情報を撮影管理情報記憶部72に記憶させて管理情報を更新する。
また、撮影管理処理部53は、撮影管理情報記憶部72に記憶される管理情報を参照して、代替撮影が可能な他機があるか否かを調べる。
【0068】
図7は、第2の実施形態において図3の機能的構成を有する図2の撮像装置1が実行する撮影制御処理の流れを説明するフローチャートである。
本実施形態においては、第1の実施形態とは、図5のステップS11,ステップS12,ステップS14,ステップS15乃至ステップS22の行程と、本実施形態の図7のステップS63,ステップS64,ステップS65,ステップS67乃至ステップS74の行程が共通する。即ち、ステップS61及びステップS62の行程で得た管理情報を調べる行程(ステップS66)を経てから、ステップS67以降の行程を行う点で異なる。したがって、共通する行程については説明を省略し、異なる行程についてのみ説明を行うものとする。
なお、他機における撮影処理は、図6の撮影処理と同様であるため説明を省略する。
【0069】
ステップS62において、撮影管理処理部53は、問い合わせに対する応答に従って、代替撮影可能な状態にある他機の情報を撮影管理情報記憶部72に記憶させて管理情報を更新する。
ステップS66において、撮影管理処理部53は、最新の管理情報を、撮影管理情報記憶部72を参照して調べる。
【0070】
したがって、撮像制御システムにおいては、撮影指示の前に予め取得した代替撮影可能な他機の管理情報に基づいて、代替撮影が可能になるために、他機における代替撮影の可能性の有無を確認する時間が不要になるために、撮影指示に対応したタイミングで代替撮影を行うことができる。
【0071】
<第3の実施形態>
本実施形態においては、他機における代替撮影の可能の確認を行わずに、一律に他機における撮影を指示し、取得した撮影画像を解析して、自機の撮影画像に代替した撮影画像を取得するように構成する。
【0072】
ここで、撮影制御処理及び撮影処理を実行するための機能的構成について説明するが、第1の実施形態と異なる点にのみ説明を行う。
撮影制御処理を実行するための機能的構成については、特に、撮影管理処理部53の機能的構成が異なる。
撮影管理処理部53は、他機から受信した撮影画像を解析して、被写体を検出する。
撮影管理処理部53は、検出の結果、自機で撮影した場合の被写体と同じ被写体が検出されたときには、当該撮影画像を画像記憶部71に記録する。即ち、撮影管理処理部53は、受信した撮影画像を画像解析して、被写体を検出する。そして、検出した被写体が自機で撮影された場合の被写体かを検出する。例えば、自機におけるライブビュー画像や予め登録しておいた被写体とのマッチングを行って、自機で撮影された被写体を検出する。そして、撮影管理処理部53は、自機で撮影された被写体を含む撮影画像を画像記憶部71に記録する。
これに対して、検出の結果、自機で撮影した場合の被写体と同じ被写体が検出されないときには、表示制御部55により、撮影不可メッセージを表示出力するように出力部18が制御される。
【0073】
図8は、第3の実施形態において図3の機能的構成を有する図2の撮像装置1が実行する撮影制御処理の流れを説明するフローチャートである。
本実施形態においては、第1の実施形態とは、図5のステップS11乃至ステップS13及びステップS22の行程と、本実施形態の図8のステップS91乃至ステップS93及びステップS102の行程が共通する。即ち、ステップS94乃至ステップS101の行程を行う点で異なる。したがって、共通する行程については説明を省略し、異なる行程についてのみ説明を行うものとする。
なお、他機における撮影処理は、ステップS44乃至ステップS47の行程が共通する。
【0074】
図8は、第3の実施形態において図3の機能的構成を有する図2の撮像装置1が実行する撮影制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【0075】
ステップS96において、通信制御部54は、他の撮像装置1’から撮影完了通知があるか否かを判定する。
撮影完了通知があった場合には、ステップS96においてYESとなり、処理はステップS98に進む。ステップS98以降の処理は後述する。
撮影完了通知がない場合には、ステップS96においてNOとなり、処理はステップS97に進む。
【0076】
ステップS97において、表示制御部55は、撮影不可メッセージを表示出力するように出力部18を制御する。その後、処理はステップS102に進む。
【0077】
ステップS98において、通信制御部54は、他機から撮影画像を受信するように通信部20を制御する。
【0078】
ステップS99において、撮影管理処理部53は、受信した撮影画像内から自機と同じ被写体を検出する。即ち、撮影管理処理部53は、受信した撮影画像を画像解析して、被写体を検出する。そして、検出した被写体が自機で撮影された場合の被写体かを検出する。例えば、自機におけるライブビュー画像や予め登録しておいた被写体とのマッチングを行って、自機で撮影された被写体を検出する。
【0079】
ステップS100において、撮影管理処理部53は、自機と同じ被写体が検出されたか否かを判定する。
自機と同じ被写体が検出されない場合には、ステップS100においてNOとなり、処理はステップS97に戻る。
自機と同じ被写体が検出された場合には、ステップS100においてYESとなり、処理はステップS101に進む。
【0080】
ステップS101において、撮影管理処理部53は、自機と同じ被写体が検出された当該撮影画像を画像記憶部71に記録させる。なお、自機と同じ被写体が検出された撮影画像が複数ある場合には、選択的に画像記憶部71に記録させるように構成することができる。
【0081】
したがって、撮影制御システムSでは、撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影が指示されたタイミングの撮影画像を得ることができる。
【0082】
以上のように構成される撮像装置1は、撮影可否判定部52と、通信制御部54と、を備える。
撮影可否判定部52は、自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、当該自機が撮影可能な状態であるか否かを判定する。
通信制御部54は、撮影可否判定部52により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで他の撮像装置に対して撮影を指示するように通信部20を制御する。
これにより、撮像装置1では、自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、他の撮像装置に対して撮影を指示することができる。よって、撮像装置1では、撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影指示に応じたタイミングの撮影画像を得ることができる。
【0083】
また、撮像装置1は、撮影管理処理部53を備える。
撮影管理処理部53は、撮影可否判定部52により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある1または複数の他の撮像装置を選択する。
通信制御部54は、撮影管理処理部53により選択された1または複数の他の撮像装置に対して撮影を指示するように通信部20を制御する。
これにより、撮像装置1では、撮影指示に応じたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影指示に応じたタイミングで撮影者の意図に近い撮影画像を得られるようにするために、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある1または複数の他の撮像装置を選択することができ、より多くの撮影画像を得ることができる。
【0084】
また、撮影管理処理部53は、撮影可否判定部52により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置を特定する。
通信制御部54は、撮影管理処理部53により特定された他の撮像装置に対して撮影を指示するように通信部20を制御する。
これにより、撮像装置1では、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある他の撮像装置に対して効率良く(なるべく無駄が少なくなるように)撮影を指示できるようにするために、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置を特定し、特定された他の撮像装置に対して撮影を指示するため、自機での撮影に近似した撮影画像を取得することができる。
【0085】
また、撮影管理処理部53は、撮影が指示される前の段階から、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置を逐次特定して更新する。
通信制御部54は、撮影を指示した際に、直近に特定および更新された他の撮像装置に対して撮影を指示するように通信部20を制御する。
これにより、撮像装置1では、事前に撮影可能な他の撮像装置を管理しているため、撮影時に他の撮像装置の特定を行う必要がなく、即時性が高い上に、より自機での撮影に近似した撮影画像を取得することができる。
【0086】
また、撮影管理処理部53は、自機と他の撮像装置の撮影位置または撮影方向を逐次取得し、撮影指示に応じたタイミングで自機の撮影位置または撮影方向と同じ撮影位置または撮影方向にある他の撮像装置を、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置と特定する。
これにより、撮像装置1では、より自機での撮影に近似した撮影画像を取得することができる。
【0087】
撮影管理処理部53は、自機の撮影位置、撮影方向、撮影距離により特定される被写体位置を撮影可能な撮影位置と撮影方向である他の撮像装置を、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置と特定する。
これにより、撮像装置1では、より自機での撮影に近似した撮影画像を取得することができる。
【0088】
また、撮影管理処理部53は、自機の撮影位置、撮影方向、撮影距離により特定される被写体位置を撮影可能な撮影位置と撮影方向である他の撮像装置を、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置と特定する。
これにより、撮像装置1では、より自機での撮影に近似した撮影画像を取得することができる。
【0089】
また、通信制御部54は、他の撮像装置に対する撮影指示に応じて当該他の撮像装置で撮影された撮影画像を自機で受信するように通信部20を制御する。
これにより、撮像装置1では、撮影を指示した自機が他の撮像装置で撮影された撮影画像を取得することができる。
【0090】
撮影可否判定部52は、AF、連写、プレミアムブラケット、アートブラケット等において内部の処理メモリがフルで適切な撮影処理が行えない状態、前に行われた撮影の記録処理を実行中、自機の内部若しくは外部メモリの記録残量がない状態、長時間露光撮影時、ストロボ発光が必要な状態でストロボ充電中、機器の故障等の場合に、自機が撮影可能な状態にないと判定する。
これにより、撮像装置1では、自機が撮影可能な状態にないと判定することができ、代替的に他の撮像装置での撮影を行うことができる。
【0091】
また、撮影管理処理部53は、通信制御部54により、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある複数の他の撮像装置に対して撮影を指示するように通信部20が制御された後に、自機と同じ被写体を撮影した他の撮像装置を特定する。
また、通信制御部54は、撮影管理処理部53により特定した他の撮像装置から撮影画像を自機で受信するように通信部20を制御する。
これにより、撮像装置1では、撮影指示に応じたタイミングになるべく近いタイミングで他の撮像装置により撮影された撮影画像を得られるようにするために、撮影指示のタイミングを逃すことなく、他の撮像装置への撮影の指示を行い、自機の撮影に近似した撮影画像のみを取得することができる。
【0092】
通信制御部94は、撮影管理処理部53により特定した他の撮像装置から撮影画像を自機で取得するように通信部20を制御する。
これにより、撮像装置1では、自機の撮影に近似した撮影画像のみを取得することができる。
【0093】
撮影制御システムSは、複数の撮像装置1,1,・・・を備える。
また、撮影制御システムSの撮像装置1は、撮影可否判定部52と、通信制御部54と、を備える。
撮影可否判定部52は、複数の撮像装置のいずれかの操作による撮影指示に応じたタイミングで、この撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態であるか否かを判定する。
通信制御部54は、撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで前記撮影指示の操作が行われた撮像装置とは別の撮像装置に対して撮影を指示する。
これにより、撮影制御システムSでは、自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、他の撮像装置に対して撮影を指示することができる。よって、撮影制御システムSでは、撮影が指示されたタイミングで撮影できる状態になかった場合でも、撮影指示に応じたタイミングの撮影画像を得ることができる。
【0094】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0095】
上述の実施形態では、他機に撮影を指示した後の所定時間以内に自機が撮影可能な状態に復帰した場合は、直ちに自機でも撮影を行うように撮像部16を制御するように構成することができる。
これにより、撮影制御システムSでは、自機の復帰を待って撮影を行うことができる。
【0096】
また、上述の実施形態では、単にシャッタボタン等の入力部17への撮影指示を契機に代替撮影を行うように構成したが、例えば、代替撮影用のボタンを別途設けて、代替撮影を行うように構成してもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、図1に示すように各撮像装置1がそれぞれ異なる撮影位置及び撮影方向となるように設置したがこれに限られず、自機と同一の撮影範囲を撮影可能な撮影位置及び撮影方向となるように各撮像装置1を設置するように構成してもよい。
また、各撮像装置1が自機となる撮像装置1からの撮影指示等に基づいて、撮影範囲を自機の撮影範囲に近似するように、撮影方向及び撮影位置を変更するように構成してもよい。
【0098】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される撮像装置1は、デジタルカメラを例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、撮影制御機能及び撮影機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0099】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3及び4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が撮像装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3及び4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0100】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0101】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図2の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0102】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0103】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0104】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、当該自機が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで他の撮像装置に対して撮影を指示する指示手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
[付記2]
前記判定手段により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある1または複数の他の撮像装置を選択する選択手段を備え、
前記指示手段は、前記選択手段により選択された前記1または複数の他の撮像装置に対して撮影を指示する、
ことを特徴とする付記1に記載の撮像装置。
[付記3]
前記判定手段により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置を特定する第1の特定手段を備え、
前記指示手段は、前記第1の特定手段により特定された他の撮像装置に対して撮影を指示する、
ことを特徴とする付記2に記載の撮像装置。
[付記4]
前記第1の特定手段は、撮影が指示される前の段階から、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置を逐次特定して更新し、
前記指示手段は、前記撮影を指示した際に、直近に特定および更新された他の撮像装置に対して撮影を指示する、
ことを特徴とする付記3に記載の撮像装置。
[付記5]
前記第1の特定手段は、自機と他の撮像装置の撮影位置または撮影方向を逐次取得し、撮影指示に応じたタイミングで自機の撮影位置または撮影方向と同じ撮影位置または撮影方向にある他の撮像装置を、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置と特定する、
ことを特徴とする付記3又は4に記載の撮像装置。
[付記6]
前記第1の特定手段は、自機の撮影位置、撮影方向、撮影距離により特定される被写体位置を撮影可能な撮影位置と撮影方向である他の撮像装置を、自機と同じ被写体を撮影可能な状態にある他の撮像装置と特定する、
ことを特徴とする付記5に記載の撮像装置。
[付記7]
前記指示手段による他の撮像装置に対する撮影指示に応じて当該他の撮像装置で撮影された撮影画像を自機で取得する第1の取得手段を備える、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載の撮像装置。
[付記8]
前記判定手段は、前に行われた撮影の記録処理を実行中の場合、自機の内部若しくは外部メモリの記録残量がない場合、撮影中である場合、又はストロボ発光が必要な状態でストロボ充電中である場合に、自機が撮影可能な状態にないと判定する、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載の撮像装置。
[付記9]
他の撮像装置に撮影を指示した後の所定時間以内に自機が撮影可能な状態に復帰した場合は、直ちに自機でも撮影を行うように撮像手段を制御する撮像制御手段を備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の撮像装置。
[付記10]
前記指示手段により、自機と同じ被写体を撮影できる可能性がある複数の他の撮像装置に対して撮影が指示された後に、自機と同じ被写体を撮影した他の撮像装置を特定する第2の特定手段を備える、
ことを特徴とする付記1に記載の撮像装置。
[付記11]
前記第2の特定手段により特定した他の撮像装置から撮影画像を自機で取得する第2の取得手段を備える、
ことを特徴とする付記10に記載の撮像装置。
[付記12]
複数の撮像装置を備える撮影制御システムであって、
前記複数の撮像装置のいずれかの操作による撮影指示に応じたタイミングで、この撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで前記撮影指示の操作が行われた撮像装置とは別の撮像装置に対して撮影を指示する指示手段と、
を備えることを特徴とする撮影制御システム。
[付記13]
複数の撮像装置による撮影を制御する撮影制御方法あって、
前記複数の撮像装置のいずれかの操作による撮影指示に応じたタイミングで、この撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記撮影指示の操作が行われた撮像装置が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで前記撮影指示の操作が行われた撮像装置とは別の撮像装置に対して撮影を指示する指示ステップと、
を含むことを特徴とする撮影制御方法。
[付記14]
撮像装置を制御するコンピュータに、
自機の操作による撮影指示に応じたタイミングで、当該自機が撮影可能な状態であるか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により、自機が撮影可能な状態にないと判定された場合は、この撮影指示に応じたタイミングで他の撮像装置に対して撮影を指示する指示機能と、
を実現することを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0105】
1・・・撮像装置,11・・・CPU,12・・・ROM,13・・・RAM,14・・・バス,15・・・入出力インターフェース,16・・・撮像部,17・・・入力部,18・・・出力部,19・・・記憶部,20・・・通信部20・・・ドライブ,31・・・リムーバブルメディア,51・・・操作検出部,52・・・撮影可否判定部,53・・・撮影管理処理部,54・・・通信制御部,55・・・表示制御部,71・・・画像記憶部,72・・・撮影管理情報記憶部,91・・・通信制御部,92・・・代替撮影判定部,93・・・撮影制御部,101・・・画像記憶部,S・・・撮影処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8