特開2015-231289(P2015-231289A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231289(P2015-231289A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】充電システム、及び充電式車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20060101AFI20151124BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20151124BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   H02J7/02 F
   H02J7/00 P
   B60L11/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-116644(P2014-116644)
(22)【出願日】2014年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 啓介
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BC22
5H125BE02
5H125CC06
5H125DD02
5H125EE51
5H125FF12
5H125FF16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】充電すべき充電式車両が複数ある場合にも充電器を複数設ける必要がない充電システムを提供する。
【解決手段】充電システムは、電源の交流電力を直流電力に変換する整流器を備えた充電装置と、複数台の充電式車両30とを含む。充電式車両30は、中継コネクタ32、33と、整流器及び他の充電式車両30の中継コネクタ32、33に接続可能な充電コネクタ31と、バッテリ35と、充電コネクタ31を中継コネクタ32、33又はバッテリ35に選択的に接続するスイッチ341、342と、スイッチ341、342を制御する制御部343とを備えている。制御部343は、充電を行う充電式車両30として指定されたときに、充電コネクタ31をバッテリ35に接続するようスイッチ341、342を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源の交流電力を直流電力に変換する整流器を備えた充電装置と、複数台の充電式車両とを含む充電システムであって、
前記充電式車両は、
中継コネクタと、
前記整流器又は他の前記充電式車両の前記中継コネクタに接続可能な充電コネクタと、
バッテリと、
前記充電コネクタを前記中継コネクタ又は前記バッテリに選択的に接続するスイッチと、
前記スイッチを制御するスイッチ制御手段と、
を備え、
前記複数の充電式車両の各々の前記充電コネクタが、前記整流器又は他の前記充電式車両の前記中継コネクタに接続されることで、前記複数の充電式車両が電気的に並列に前記充電装置に接続され、
前記充電システムは、接続されている複数の前記充電式車両のうちの充電を行う充電式車両を指定する充電制御手段を備え、
前記スイッチ制御手段は、前記充電制御手段にて充電を行う充電式車両として指定されたときに、前記充電コネクタを介して、前記バッテリに接続するよう前記スイッチを制御することを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記充電制御手段は、前記充電式車両に備えられることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記充電式車両は、接続の変更があった場合に、上流に下流の接続状況を示す接続更新信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電システム。
【請求項4】
中継コネクタと、
前記充電装置及び他の前記充電式車両の前記中継コネクタに接続可能な充電コネクタと、
バッテリと、
前記充電コネクタを前記中継コネクタ又は前記バッテリに選択的に接続するスイッチと、
を備え、前記充電装置から直接、又は、他の前記充電式車両のスイッチを介して、前記バッテリに充電を行うことを特徴とする充電式車両。
【請求項5】
前記スイッチは、充電を行う充電式車両として指定されたときに、前記充電コネクタを前記バッテリに接続し、下流の前記充電式車両に充電を行うことが指定されたときに、前記充電コネクタを前記中継コネクタに接続することを特徴とする請求項4に記載の充電式車両。
【請求項6】
前記充電式車両は、前記充電装置に直接接続されたときに、前記中継コネクタの下流に接続されている複数の前記充電式車両のうちの充電を行う充電式車両を指定するスイッチ制御信号を生成し、前記中継コネクタから下流に向けて前記スイッチ制御信号を送信することを特徴とする請求項4又は5に記載の充電式車両。
【請求項7】
前記中継コネクタを介して下流の前記充電式車両の接続状況を示す接続更新信号を受信したときに、前記充電式車両に自車両の情報を含む接続更新信号を送信することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の充電式車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電池を搭載した充電式車両(電気自動車、プラグインハイブリッド車を含む。以下同じ。)、及びそれを含む充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、充電式車両を充電するための充電システムとして、特に、複数の充電式車両を同時に充電するのに適した充電システムが提案されている。特許文献1には、交流電源からの交流電力を直流電力に変換する1台の整流器と、この整流器で変換された直流電力を二次電池に充電する複数の充電器と、複数の充電器を制御する制御装置とを備え、制御装置が、運転を指定された複数の充電器を時分割的に指定することで、複数の充電式車両を同時に充電する充電システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、複数の充電式車両を1つの電源装置で充電できる充電システムが提案されている。この充電システムでは、電源装置に最大電力容量を超えないように、特定の充電器の充電レベルが制御される。また、この充電システムでは、複数の充電式車両がある場合には、先に接続されて充電している充電式車両の充電が優先され、後に接続された充電式車両は、充電レベルが電源装置の最大電力容量を超えないように制御されるため、優先度の高い充電式車両については、短時間で充電できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−336673号公報
【特許文献2】特開2004−229355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1及び2の充電システムでは、充電すべき充電式車両の数量に対応する数量の充電器を必要とする。このため、充電器の屋外への設置面積の確保や設備負担が大きくなるという問題がある。特に、一戸建ての使用者にとっての金銭的負担が大きくなる。また、充電式車両の保有状況が比較的短い周期で変わることも推測され、使用者の使用環境に柔軟に対応することが困難である。
【0006】
また、特許文献1で紹介されている昇圧チョッパ構成では、スイッチングによりノイズが発生したり、スイッチングロスで発熱したりする。また、各充電器に対してDC/DC変換器が必要となり、設備が大型化し、コストが高くなる。さらに、特許文献2の充電システムでは、先に充電している充電式車両が必ずしも優先すべきでないにもかかわらず、優先順位を上げるために接続のし直しが強いられる。あるいは、使用者の意思に反して優先順位が下げられて、長距離運転をしたい充電式車両の充電率(SOC:State Of Charge)が不十分となる状態も生じ得る。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、充電すべき充電式車両が複数ある場合にも充電器を複数設ける必要がない充電システム及び充電式車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の充電システムは、電源の交流電力を直流電力に変換する整流器を備えた充電装置と、複数台の充電式車両とを含む充電システムである。前記充電式車両は、中継コネクタと、前記整流器又は他の前記充電式車両の前記中継コネクタに接続可能な充電コネクタと、バッテリと、前記充電コネクタを前記中継コネクタ又は前記バッテリに選択的に接続するスイッチと、前記スイッチを制御するスイッチ制御手段とを備えている。前記複数の充電式車両の各々の前記充電コネクタが、前記整流器又は他の前記充電式車両の前記中継コネクタに接続されることで、前記複数の充電式車両が電気的に並列に前記充電装置に接続される。前記充電システムは、接続されている複数の前記充電式車両のうちの充電を行う充電式車両を指定する充電制御手段を備え、前記スイッチ制御手段は、前記充電制御手段にて充電を行う充電式車両として指定されたときに、前記充電コネクタを介して、前記バッテリに接続するよう前記スイッチを制御する。この構成により、複数の充電式車両が1台の充電装置に電気的に並列に接続されるので、充電すべき充電式車両が複数ある場合にも充電装置を複数設ける必要がなくなる。
【0009】
上記の充電システムにおいて、前記充電制御手段は、前記充電式車両に備えられていてよい。この構成により、充電式車両において複数の充電式車両の充電を制御できる。
【0010】
上記の充電システムにおいて、前記充電式車両は、接続の変更があった場合に、上流に下流の接続状況を示す接続更新信号を送信してよい。この構成により、複数の充電式車両の接続状況が変更されたときに、新たな接続状況を上流で認識できる。
【0011】
本発明の充電式車両は、中継コネクタと、前記充電装置及び他の前記充電式車両の前記中継コネクタに接続可能な充電コネクタと、バッテリと、前記充電コネクタを前記中継コネクタ又は前記バッテリに選択的に接続するスイッチとを備えていてよく、前記充電装置から直接、又は、他の前記充電式車両のスイッチを介して、前記バッテリに充電を行ってよい。この構成により、1台の充電装置に対して複数台の充電式車両を電気的に並列に接続して充電を行うことができる。
【0012】
上記の充電式車両において、前記スイッチは、充電を行う充電式車両として指定されたときに、前記充電コネクタを前記バッテリに接続し、下流の前記充電式車両に充電を行うことが指定されたときに、前記充電コネクタを前記中継コネクタに接続してよい。この構成により、1台の充電装置に対して電気的に並列に接続された複数台の充電式車両のいずれかを指定して充電を行い、指定された充電式車両と充電装置との間にある充電式車両は中継の役割を果たすことになる。
【0013】
上記の充電式車両は、前記充電装置に直接接続されたときに、前記中継コネクタの下流に接続されている複数の前記充電式車両のうちの充電を行う充電式車両を指定するスイッチ制御信号を生成し、前記中継コネクタから下流に向けて前記スイッチ制御信号を送信してよい。この構成により、1台の充電装置に対して電気的に並列に接続された複数台の充電式車両のいずれかを指定して充電を行うことができる。
【0014】
上記の充電式車両において、前記中継コネクタを介して下流の前記充電式車両の接続状況を示す接続更新信号を受信したときに、前記充電式車両に自車両の情報を含む接続更新信号を送信してよい。この構成により、自車両より下流の他の充電式車両の接続状況を認識できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の充電式車両が1台の充電装置に電気的に並列に接続されるので、充電すべき充電式車両が複数ある場合にも充電装置を複数設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態における充電システムの全体構成を示す図
図2】本発明の実施の形態における充電式車両の充電を行うための構成を示す図
図3】本発明の実施の形態における各充電式車両の接続更新のための動作フロー図
図4】本発明の実施の形態における接続情報の生成、記憶、及び接続更新信号の送信を説明する図
図5】本発明の実施の形態における充電装置の動作フロー図
図6】本発明の実施の形態における接続更新処理終了後の各車両の動作のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態の充電システム及びそれに用いる充電式車両について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態の充電システムの全体構成を示す図であり、図2は、充電式車両における充電を行うための構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の充電システム100は、電源10、1台の充電装置20、及び複数台の充電式車両30を含んでいる。図1及び図2において、電力を伝導するための線(電線)は実線で示し、制御信号の伝達をするための線(制御線)は破線で示している。
【0019】
電源10は、交流電源を供給する。充電装置20は、電源10からの交流電力を直流電力に変換する整流器21と、複数台の充電式車両30の充電を制御する制御装置22を備えている。充電式車両30は、充電コネクタ31と、少なくとも1つ以上(図2の例では、一例として2つ)の中継コネクタ32、33と、電池監視システム(BMS:Battery Management System)34と、バッテリ35と、SOC測定部36とを備えている。
【0020】
充電コネクタ31は、充電装置20の整流器21と接続され得る。また、充電コネクタ31は、他の充電式車両30の中継コネクタ32又は33とも接続され得る。BMS34は、充電コネクタ31に接続された電線L1、L2を中継コネクタ32及び33又はバッテリ35に選択的に接続する。このために、BMS34は、2本の電線L1、L2に対応した2つのスイッチ341、342と、スイッチを制御する制御部343を備えている。
【0021】
充電コネクタ31は、2本の電線L1、L2のコンタクト311、312と1本の制御線L3のコンタクト313を備えている。2本の電線L1、L2のコンタクト311、312は、それぞれスイッチ341、342の入力端子3411、3421に電線L1、L2によって接続される。制御線L3のコンタクト313は、制御線L3によってBMS34の制御部343に接続される。
【0022】
中継コネクタ32は、2本の電線L1、L2のコンタクト321、322と1本の制御線L3のコンタクト323を備えている。中継コネクタ32は充電コネクタと接続可能であり、充電式車両30のボディ内に収容可能な形状でハーネスを備えている。2本の電線L1、L2のコンタクト321、322は、それぞれスイッチ341、342の中継用出力端子3412、3422に電線L1、L2によって接続される。制御線L3のコンタクト323は、制御線L3によってBMS34の制御部343に接続される。
【0023】
中継コネクタ33も、中継コネクタ32と同様に、2本の電線L1、L2のコンタクト331、332と1本の制御線L3のコンタクト333を備えている。2本の電線L1、L2のコンタクト331、332は、それぞれスイッチ341、342の中継用出力端子3412、3422に電線L1、L2によって接続される。制御線L3のコンタクト333は、制御線L3によってBMS34の制御部343に接続される。
【0024】
バッテリ35の入力端子及び出力端子は、それぞれスイッチ341、342の充電用出力端子3413、3423に電線L1、L2によって接続される。スイッチ341、342は、入力端子3411、3421を中継用出力端子3412、3422に接続する状態、充電用出力端子3413、3423に接続する状態、及び中継用出力端子3412、3422及び充電用出力端子3413、3423のいずれにも接続しない状態(ニュートラル状態)のいずれかの状態をとる。
【0025】
スイッチ341及び342の入力端子3411、3421が中継用出力端子3412、3422に接続されると、充電コネクタ31にて受けた電力が中継コネクタ32及び33に出力される。スイッチ341及び342の入力端子3411、3421が充電用出力端子3413、3423に接続されると、充電コネクタ31にて受けた電力がバッテリ35に出力されて、バッテリ35が充電される。
【0026】
SOC測定部36は、バッテリ35の充電率を測定して、測定値を制御部343に出力する。SOC測定部36による充電率の測定と測定値の制御部343にはCAN(Controller Area Network)を用いることができる。制御部343は、充電装置20の制御装置22からの信号を直接又は他の充電式車両30を介して受信し、また、制御装置22に直接又は他の充電式車両30を介して信号を送信する。なお、図1及び図2では図示が省略されているが、電線L1、L2の他に、制御部343やSOC測定部36に給電するための電線が制御線L3に併設されており、各充電式車両30は、バッテリ35への給電を受けないときも充電装置20から制御部343やSOC測定部36を駆動するための電力を受けることができる。この構成に代えて、制御部343やSOC測定部36の駆動電力は、バッテリ35が提供してもよい。図2にはSOC測定部36が電池監視システム34とは別に構成される例を示しているが、SOC測定部36は電池監視システム34の中に備えられていてもよい。
【0027】
このような充電システム100において、複数台の充電式車両30の充電を行う場合には、図1に示すように、1つの充電装置20に対して複数の充電式車両30を電気的に並列に接続する。即ち、1台目の充電式車両30は、その充電コネクタ31が充電装置20に直接接続され、2台目の充電式車両30の充電コネクタ31は、充電装置20に直接接続されている1台目の充電式車両30の中継コネクタ32又は33に接続される。
【0028】
3台目以降の充電式車両30の充電コネクタ31も同様に、すでに直接又は他の充電式車両30を介して充電装置20に接続されている他の充電式車両30の中継コネクタ32又は33に接続される。このようにして、複数台の充電式車両30が数珠つなぎに接続されていく。本実施の形態では、各充電式車両30が2つの中継コネクタ32、33を備えているので、複数台の充電式車両30は、充電装置20を頂点として、ツリー状に接続される。以下では、充電装置20へのツリー状の接続において、充電装置20により近い充電式車両30を上流といい、より遠い充電式車両30を下流という。
【0029】
充電装置20の制御装置22は、ツリー状に接続された複数台の充電式車両30のうちのいずれの充電式車両30に対して充電を行うかを決定して、充電を行う充電式車両30を指定する制御信号を複数台の充電式車両30に送信する。複数台の充電式車両30の各々が、BMS34の制御部343にて充電装置20からの制御信号に従ってスイッチ341、342を制御することで、指定された充電式車両30と充電装置20の整流器21とが電線L1、L2で接続され、指定された充電式車両30の充電が行われる。
【0030】
具体的には、指定された充電式車両30と充電装置20との間に接続されている充電車両30は、BMS34の制御部343が、スイッチ341、342の入力端子3411、3421を中継用出力端子3412、3422に接続されることで、充電コネクタ31に供給された電力を中継コネクタ32及び33に接続された下流の他の充電式車両30に送電するという中継する役目を果たす。指定された充電式車両30は、BMS34の制御部343が、スイッチ341、342の入力端子3411、3421を充電用出力端子3413、3423に接続することで、充電コネクタ31に供給された電力をバッテリ35に充電する。その他の充電式車両30は、BMS34の制御部343が、スイッチ341、342をニュートラル状態とする。
【0031】
充電装置20の制御装置22は、指定された充電式車両30の充電が完了すると、他の充電式車両30を指定して充電を行う。このようにして、複数台の充電式車両30において充電を行う充電式車両30を次々に切り替えていって、複数台の充電式車両30の充電を行う。いずれかの充電式車両30において充電が行われている場合に、新たな充電式車両30を最下流の充電式車両30に追加して接続することも可能である。
【0032】
以下、上記の構成の充電システム100において、上記の充電動作を行うための、充電装置20及び各充電式車両30における具体的な動作のフローを説明する。図3は、各充電式車両30の接続更新のための動作フロー図である。
【0033】
図3に示すように、各充電式車両30は、充電コネクタ31に接続があったか(ステップS31)、中継コネクタ32、33に接続されている他の充電式車両30の接続が解除されたか(ステップS32)、中継コネクタ32、33を介して下流の充電式車両30から接続更新信号を受信したか(ステップS33)、充電装置20の制御装置22からスイッチ制御信号を受信したか(ステップS34)を順次判断する。これらの判断の順序は、図3の例に限らず、任意であってよい。
【0034】
制御部343は、充電コネクタ31に接続があった場合は(ステップS31にてYES)、接続情報を生成して記憶し、充電コネクタ31を介して上流の充電式車両30に接続更新信号を送信する(ステップS35)。制御部343は、中継コネクタ32、33に接続されている充電式車両30の接続が解除された場合にも接続情報を生成して記憶し、上流の充電式車両30に接続更新信号を送信する(ステップS35)。制御部343は、中継コネクタ32、33を介して下流の充電式車両30から接続更新信号を受信した場合にも、接続情報を生成して記憶し、上流の充電式車両30に接続更新信号を送信する(ステップS35)。充電装置20の制御装置22からスイッチ制御信号を受信した場合には、スイッチ制御を行う(ステップS36)。
【0035】
図4は、接続情報の生成、記憶、及び接続更新信号の送信を説明する図である。図中、充電式車両30には、A〜Fの車両IDが付与されており、点線で囲われた英数字は接続情報を示し、実線で囲われた英数字は接続更新信号を示す。図4に示すように、各車両は上流の車両に対して接続更新信号を送信する。接続更新信号は、下流に接続されているすべての車両及び自車両の車両IDを含んでいる。さらに、図4では図示を省略しているが、接続更新信号は、下流に接続されているすべての車両及び自車両の必要充電量の情報を含んでいる。ここで、必要充電量は、バッテリ35の充電目標値(例えば、80%など)と、SOC測定部36にて測定されたSOCとの差分として求められる。
【0036】
ある充電式車両30(以下単に「車両」という。)がすでに構成されているツリーの最下流に新たに接続されたとき、車両は次のように動作する。例えば、車両Eが車両Cに接続されたとき、車両Eは、車両Cの充電コネクタ31が接続されたことを検知して(ステップS31にてYES)、接続情報を生成して記憶し、接続更新信号を接続先である上流の車両Cに送信する(ステップS35)。このとき、車両Eは、中継コネクタ32、33のいずれにも他の車両が接続されていないので、中継コネクタ32、33の接続情報として、「0」、「0」を生成して記憶し、接続更新信号として自車両の車両IDを示す「E」と自車両の必要充電量を送信する。他の車両についても、すでに構成されているツリーに新たに接続されたときには、上記と同様の動作を行う。
【0037】
一方、車両Eが接続された車両Cは、車両Eから接続更新信号を受信して(ステップS33にてYES)、接続情報を生成して記憶し、接続更新信号を上流の車両Aに送信する(ステップS35)。このとき、車両Cは、中継コネクタ32については、受信した接続更新信号に従って、接続情報を「0」から「E」に更新し、中継コネクタ33については、接続情報を「F」のままとする。そして、車両Cは、接続更新信号として、すべての中継コネクタの接続情報を含み、かつ自車両の車両IDを含む「CEF」、及び下流側に接続されたすべての車両及び自車両の必要充電量を含む信号を送信する。
【0038】
このように、各車両は、下流の車両から接続更新信号を受信したときは、それに基づいて記憶している接続情報を更新するとともに、下流に接続されているすべての車両の車両IDと自車両の車両ID及び必要充電量を含む接続更新信号を上流に送信する。
【0039】
下流の車両の接続が解除されたとき、即ち中継コネクタ32又は33の接続が解除されたときは、次のように動作する。例えば、車両Dが車両Bから切断されると、車両Bは、中継コネクタの接続が解除されたと判断して(ステップS32にてYES)、中継コネクタ32についての接続情報を「0」に更新し、自車両の車両ID「B」及び必要充電量のみを含む接続更新信号を上流の車両Aに送信する(ステップS35)。
【0040】
このようにして各車両が動作することで、充電装置20は、接続されているすべての車両の車両ID及び必要充電量を取得してこれを記憶する。そして、この車両ID及びそれらの必要充電量の情報は、車両の接続状態が更新されると更新される。また、各車両においては、中継コネクタ32の下流に接続されているすべての車両の車両ID、及び中継コネクタ33の下流に接続されているすべての車両の車両IDがそれぞれ記憶され、接続状態が更新されると適宜更新されることになる。
【0041】
各車両の制御部343は、上記の充電コネクタへの接続(ステップS31)、中継コネクタの接続解除(ステップS32)、接続更新信号の受信(ステップS33)に加えて、上流の車両から充電コネクタ31を介してスイッチ制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS34)。スイッチ制御信号は、充電装置20にて生成されて、下流に向けて伝達される。
【0042】
図5は、充電装置の動作フロー図である。制御装置22は、まず、充電装置20に接続されている車両から接続更新信号を受信したか否かを監視する(ステップS51)。接続更新信号を受信すると(ステップS51にてYES)、制御装置22は、その接続更新信号に基づいて、直接または間接に接続されているすべての車両の車両IDを確認し(ステップS52)、それらの必要充電量を確認する(ステップS53)。
【0043】
制御装置22は、すべての車両の充電が完了したか否かを判断する(ステップS54)。この判断は、ステップS53におけるすべての車両の必要充電量のうち、最大の必要充電量が0以下であるか否かによって行う。すなわち、制御装置22は、最大の必要充電量が0以下である場合は、すべての車両について充電が完了したと判断し(ステップS54にてYES)、最大の必要電力が0より大きい場合には、少なくとも1台の車両には充電が必要であると判断する(ステップS54にてNO)。
【0044】
制御装置22は、充電が完了していない車両がある場合には(ステップS54にてNO)、全車両の必要充電量に基づいて、充電優先順位を計算する(ステップS55)。ここでは、必要充電量が多い順に優先順位を高くする。なお、優先順位は他の要因も考慮して決定されてよい。制御装置22は、優先順位が決定されると、充電完了信号を受信していない車両のうちで優先順位が最も高い車両を指定するスイッチ制御信号を、接続されている車両に送信する(ステップS56)。
【0045】
この後、制御装置22は、指定された車両で充電が完了して充電完了信号が送られてくるか(ステップS57)、接続更新信号が送られてくるか(ステップS58)を監視する。充電完了信号を受信したときは(ステップS57にてYES)、ステップS54に戻って、再度、すべての車両において充電が完了したか否かを判断する。なお、このステップS54〜ステップS57のループを繰り返して充電すべき車両がなくなった場合は(ステップS54にてNO)、処理を終了してステップS51に戻り、接続更新信号を待つ。
【0046】
一方、制御装置22は、いずれかの車両の充電が行われているときに、接続更新信号を受信した場合は(ステップS58にてYES)、ステップS52に戻って、接続されているすべての車両とそれらの必要充電量を確認して、再度、充電の優先順位を計算しなおして、スイッチ制御信号を送信する(ステップS52〜S56)。
【0047】
図6は、接続更新の処理(図3)が終了した後の各車両の動作のフロー図である。車両30の制御部343は、スイッチ制御信号を受信したか否かを監視する(ステップS61)。スイッチ制御信号を受信すると(ステップS61にてYES)、自車両が充電を行う車両として指定されているか否かを確認する(ステップS62)。自車両が指定されている場合は(ステップS62にてYES)、制御部343は、スイッチ341、342を制御して、入力端子3411、3421をそれぞれ充電用出力端子3413、3423に接続することで、充電コネクタ31をバッテリ35に接続する(ステップS63)。これによって、充電装置20から供給される電力がバッテリ35に充電される。
【0048】
バッテリ35の充電が開始されると、制御部343は、充電目標値(ステップS64)及び現在のSOC(ステップS65)を確認して、それらの差分をとることで必要充電量を算出する(ステップS66)。制御部343は、さらに必要充電量が0以下となっているか、即ち現在のSOCが充電目標値に達しているかを判断する(ステップS67)。必要充電量が0以下となっていない場合には(ステップS67にてNO)、ステップS65に戻って現在のSOCを確認し(ステップS65)、さらに必要充電量を計算し(ステップS66)、SOCが充電目標値に達したか否かを判断する(ステップS67)。このようにして、次第に増えていくSOCが必要充電量に達すると(ステップS67にてYES)、自車両の車両IDとともに、充電完了信号を上流に向けて送信する。
【0049】
充電完了信号が車両を中継されて充電装置20に送信されると、上述のように、充電装置20では、ステップS56の判断がYESとなり、充電装置20は、新たなスイッチ制御信号を車両に向けて送信する。
【0050】
各車両では、ステップS61に戻って、充電装置20からの新たなスイッチ制御信号の受信を待つ。スイッチ制御信号を受信したが、自車両が指定されていなかった場合は(ステップS62にてNO)、自車両の下流の車両が指定されているか否かを判断する(ステップS69)。上述のように、各車両には、自車両の下流に直接または間接に接続されているすべての車両の情報が記憶されているので、制御部343は、この記憶されている情報を参照して、指定された車両が自車両の下流の車両であるか否かを判断する。
【0051】
自車両の下流の車両が指定されている場合は(ステップS69にてYES)、制御部343は、スイッチ341、342を制御して、入力端子3411、3421をそれぞれ中継用出力端子3412、3422に接続することで、充電コネクタ31を中継コネクタ32、33に接続する(ステップS70)。これによって、充電装置20から供給される電力が下流の車両に中継される。このようなスイッチ341、342の制御が終わると、制御部343の処理は、ステップS61に戻って、次のスイッチ制御信号を待つ。
【0052】
スイッチ制御信号を受信したが、自車両が指定されておらず(ステップS62にてNO)、かつ、自車両の下流の車両が指定されていなかった場合は(ステップS69にてNO)、制御部343は、スイッチ341、342を制御して、それらをニュートラル状態、即ち入力端子3411、3421をそれぞれ中継用出力端子3412、3422にも充電用出力端子3413、3423にも接続しない状態にする(ステップS71)。このようなスイッチ341、342の制御が終わると、制御部343の処理は、ステップS61に戻って、次のスイッチ制御信号を待つ。
【0053】
以上のように、上記の実施の形態の充電システムによれば、充電装置20に対して複数台の充電式車両30を電気的に並列に接続して、各充電式車両30において、スイッチを切り替えることで、下流の充電式車両30への中継の役割を果たすことができるので、1台の充電装置20によって、複数台の充電式車両30を順に充電できる。また、その際に、必要充電量に基づく優先順位に従って、複数台の充電式車両30を順に充電するので、スイッチングを頻繁に行う必要もない。さらに、新たな充電式車両30が接続され、又は接続されていた充電式車両30の接続が解除されるなど、接続の状況が変化したときには、接続更新信号によって接続状況が更新されるので、常に優先すべき充電式車両30を優先して充電を行うことができる。
【0054】
また、上記の実施の形態の充電システムによれば、新たに充電をすべき充電式車両30が発生した場合には、すでに接続されている充電式車両30の空いている中継コネクタ32又は33に接続するだけでよく、従って、充電装置20が1台しかないにもかかわらず、ユーザが頻繁に接続をし直す必要はない。さらに、上記の実施の形態の充電システムによれば、1台の充電装置20が接続された充電式車両30を順に充電していくので、最大電力容量を超えて電力を供給することがない。
【0055】
また、上記の実施の形態の充電システムによれば、1台の充電装置20に対して使用する充電式車両30の台数が増加したとしても、充電式車両30が上記の構成を備えていればよく、それ以外に台数の増加に応じて増設すべき設備は不要である。よって、充電式車両30の台数の増加に応じて設備のためのスペースを確保する必要もなく、効率よく安全に充電を行うことができる。さらに、上記の実施の形態の充電システムによれば、複数台の充電式車両30が電気的に並列に接続されるので、複数台の車両の各々を充電装置に接続する場合と比較して、高圧配線が無駄に車両外に引き回されることもなく安全である。
【0056】
なお、上記の実施の形態では、充電装置20が制御装置22を備えていたが、この制御装置22の機能が充電式車両30に備えられていてもよく、具体的には、充電式車両30の制御部343が上記で説明した制御装置22の機能を備えていてよい。この場合には、充電装置20に直接接続された1台目の充電式車両30は、そのことを認識すると、その充電式車両30において制御装置22の機能が有効となり、上記で説明した動作を行う。
【0057】
この場合に、制御装置22の機能を有する充電式車両30は、いずれかの車両において充電が完了していないと判断した場合(図5のステップS54にてNO)、即ち、最大の必要充電量が0より大きい場合には、充電装置20に対して給電要求をする。充電装置20は、この給電要求に応じて1台目の充電式車両30に対して給電を行う。また、制御装置22の機能を有する充電式車両30は、すべての車両の充電が完了したと判断した場合(ステップS54にてYES)、即ち、最大の必要充電量が0以下である場合には、充電装置20に対して充電停止要求を行う。充電装置20は、この充電停止要求に応じて1台目の充電式車両30に対する給電を停止する。
【0058】
さらに、充電装置20に直接または間接に接続されたすべての充電式車両30の各々において、すべての充電式車両30の車両ID、必要充電量、及びその他の優先順位を決定するのに必要な情報を把握して、各充電式車両30において優先順位を求めて、自車両で求めた優先順位と、自車両の下流に接続されている充電式車両30の情報(接続情報)に基づいて、スイッチ341、342の制御を行ってもよい。この場合には、充電装置20に備えられた制御装置22又は1台目の充電式車両30が上記の制御装置22の機能を発揮する場合には、1台目の充電式車両30が、すべての充電式車両の車両ID、必要充電量、及びその他の優先順位を決定するのに必要な情報を下流の充電式車両30に通知する。また、この場合には、各充電式車両30において、優先順位を決定するアルゴリズムを同じとして、すべての充電式車両30において求めた優先順位が一致させる必要がある。
【0059】
なお、上記の実施の形態では、複数台の充電式車両30のいずれの充電を優先するかを、必要充電量の大小に基づいて決定したが、これに限らず、例えば、充電量の絶対値が小さい順に優先順位を決定してもよく、バッテリ35の容量とバッテリ35の充電量の差分が大きい順に優先順位を決定してもよい。また、充電目標値は全車両で一律であってもよいし、各車両において異なる値が設定されていてもよい。各車両において異なる値を設定する場合には、カーナビゲーションシステム等のインターフェースを用いてユーザが任意に充電目標値を設定できるように構成してもよい。なお、充電目標値が全車両で一律である場合には、上記の実施の形態の必要充電量(=充電目標値−SOC)の大小は、SOCの大小と一致するので、接続更新信号に必要受電量の代わりにSOCを含めるようにしてよい。
【0060】
また、上記の実施の形態では、スイッチ341、342の中継用出力端子3412、3422が中継コネクタ32、33のいずれにも接続されていたが、これに代えて、スイッチ341、342がそれぞれ、中継コネクタ32用の出力端子と、中継コネクタ33用の出力端子とを備えていて、これらの出力端子に選択的に入力端子3411、3421を接続してもよい。
【0061】
この場合には、制御部343は、スイッチ制御信号を受信して(図6のステップS61にてYES)、自車両が指定されていない場合は(ステップS62にてNO)、ステップS69にて、自車両の中継コネクタ32の下流の車両が指定されているか、自車両の中継コネクタ33の下流の車両が指定されているかを判断し、いずれかが指定されている場合には、ステップS70では、制御部343は、スイッチ341、342を該当する中継コネクタ32、33に接続する。
【0062】
この構成によって、電力を中継しない中継コネクタに電力が印加されることが防止され、安全性を向上できる。なお、上記の構成に代えて、図2の構成に加えて、電力を中継しない中継コネクタとスイッチとの間の接続を遮断する遮断スイッチを設けてもよい。この場合には、制御部343が遮断スイッチのON/OFFを制御する。
【0063】
また、上記の実施の形態において、ある充電式車両30を充電している際に新たな充電式車両30が接続された場合に、充電装置20は、いったん充電を中断してもよい。
【0064】
また、上記の実施の形態では、接続更新信号やスイッチ制御信号を制御線L3によって伝送したが、接続制御信号やスイッチ制御信号は、無線で送受信してもよい。また、充電システム100は、上記で説明した制御装置22や制御部343の機能を持たずに、手動で各充電式車両30のスイッチ341、342を切り替えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、複数の充電式車両が1台の充電装置に電気的に並列に接続されるので、充電すべき充電式車両が複数ある場合にも充電装置を複数設ける必要がなくなるという効果を有し、充電池を搭載した充電式車両を含む充電システム等として有用である。
【符号の説明】
【0066】
100 充電システム
10 電源
20 充電装置
21 整流器
22 制御装置
30 充電式車両
31 充電コネクタ
311、312、313 コンタクト
32、33 中継コネクタ
321、322、323、331、332、333 コンタクト
34 BMS
341、342 スイッチ
3411、3421 入力端子
3412、3422 中継用出力端子
3413、3423 充電用出力端子
343 制御部
35 バッテリ
36 SOC測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6