(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231487(P2015-231487A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】密閉機構、該密閉機構を備えた収容品
(51)【国際特許分類】
A63B 39/00 20060101AFI20151201BHJP
A63B 43/00 20060101ALI20151201BHJP
A63B 43/06 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
A63B39/00 Z
A63B43/00 F
A63B43/00 H
A63B43/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-119822(P2014-119822)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】301033639
【氏名又は名称】ビーエルデーオリエンタル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】越智 泰
(57)【要約】
【課題】空気を充填した袋体内にLED等の装飾体を収納することが可能な密閉機構の提供。
【解決手段】本発明は、密閉される収容物を分割した一対の分割本体とリング袋110と、リング部材120を備える密閉機構100である。リング袋110は、上記一対の分割本体の開放端部に設けられるリング形状の袋であり、リング部材120は、上記リング袋110内に挿入されるテープ状の剛性部材である。そして、上記一対の分割本体に設けられるリング袋110同士が嵌合連結することで、リング袋110内のリング部材120同士が伸び縮みし分割本体同士を密閉する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉される収容物を分割した一対の分割本体と、
前記分割本体に備える空気送入口と、
前記一対の分割本体の開放端部に設けられるリング形状のリング袋と、
前記リング袋内に挿入される薄厚テープ状の剛性リング部材とを備え、
前記一対の分割本体に設けられるリング袋同士が嵌合連結することで、前記空気送入口から送入される気体の内部圧力により、該リング袋内のリング部材同士の重なり部がずれて、分割本体同士を密閉する密閉機構。
【請求項2】
前記一対の分割本体が、ボール形状の分割ボール本体である、請求項1に記載の密閉機構。
【請求項3】
リング袋を分割ボール本体の内側開放端部に設けた内側分割ボール本体と、リング袋を分割ボール本体の外側開放端部に設けた外側分割ボール本体とを備え、
一方の分割ボール本体の内壁とリング袋間に設けた隙間に、他方の分割ボール本体のリング袋を挿入することで、該分割ボール本体同士が密閉する請求項2に記載の密閉機構。
【請求項4】
リング袋を分割ボール本体の内側開放端部に設けた、一対の内側分割ボール本体と、
筒状体の上下に前記リング袋を設けた筒状嵌合部材とを備え、
前記筒状嵌合部材を収容した状態で各分割ボール本体の開放端同士を合わせ、前記分割ボール本体の内壁とリング袋間に設けた隙間に、前記筒状環状部材のング袋を挿入することで、該分割ボール本体同士が密閉する請求項2に記載の密閉機構。
【請求項5】
リング袋を分割ボール本体の外側開放端部に設けた、一対の外側分割ボール本体と、
筒状体の上下に前記リング袋を設けた筒状嵌合部材とを備え、
各分割ボール本体の開放端同士を合わせ、外側に備えた前記筒状嵌合部材により、前記分割ボール本体の内壁とリング袋間に設けた隙間に、前記筒状嵌合部材のリング袋を挿入することで、該分割ボール本体同士が密閉する請求項2に記載の密閉機構。
【請求項6】
請求項1から5いずれか一項に記載したエア密閉機構を備えたボール型収容品。
【請求項7】
前記収容品内に収容される装飾体を固定する固定具を前記収容品内に備える、請求項6に記載のボール型収容品。
【請求項8】
前記エア収容品内に駆動手段を備える、請求項6または7に記載のボール型収容品。
【請求項9】
請求項1から5いずれか一項に記載したエア密閉機構を備えた遊具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉機構に関する。特に、内部に空気を充填して遊ぶことのできる密閉機構及び該密閉機構を備えた収容品に関する。
【背景技術】
【0002】
空気を充填した弾性遊具内にLEDのような光源を挿入して光るボールは知られている。例えば、下記特許文献1には、上記ボールの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006―346100号公報
【特許文献2】特開2008−148938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDのような発光体をボールに取り付けるには特許文献1に開示のように、ボール表面に固定する方法が多い。また、発光体を内部に収容する場合は、特許文献2に開示のように、ゴルフボールのような硬めのボールを使用するのが通常の方法であり、エアで膨らませるようなボールに使用するという発想は無かった。
もちろん、LEDではなく、蛍光塗料を塗布した発光体であれば、エアで膨らませるボールに挿入することはある。この場合は、ボールに取り付けた袋部に、蛍光塗料を塗布した棒等の発光体(発光棒)を挿入することになる。ボールの使用により上記発光棒が抜けて落下すると、ユーザが再度挿入すればよいだけである、発光棒は比較的低価格なので、スペアをたくさん準備することができるからである。
【0005】
これに対してLEDは上記発光棒と比較しても高価であるので、通常はスペアを用意しない。従って、上記のように棒を挿入するタイプのボールでは、LEDがボールから落下して故障すると再度LEDを購入する必要がある。従って、LEDのような発光体は、ボール内部に収容する必要がある。しかしながら、LEDを収容するための出入り口を形成すると、空気の漏れが生じやすくなる。従って、上記LEDを何度も入れ替えることのできるエア装飾品(ボール)はなかった。
【0006】
一方エアで膨らませるボールは透明や薄い色で作成されることも多く、光源が中にあると装飾効果も高いのでユーザの需要が高い。及びLEDのような光源により装飾されたエアボールの需要は更に高い。本発明の目的は、ユーザが何度でもLEDの入れ替えがカンタに出来るエア装飾品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、密閉される収容物を分割した一対の分割本体とリング袋と、リング部材を備える密閉機構である。リング袋は、上記一対の分割本体の開放端部に設けられるリング形状の袋であり、分割本体は空気送入口を備える。リング部材は、上記リング袋内に挿入される薄厚のテープ状の剛性部材である。そして、上記一対の分割本体に設けられるリング袋同士が嵌合連結することで、リング袋内のリング部材同士の重なり部がずれて(伸び縮みし)、分割本体同士を密閉する。上記一対の分割本体をボール形状の分割ボール本体とすることができる。この機構によれば、上記剛性リング部材が袋内で伸び縮みして、嵌合することで、空気送入口から送入される気体の内部圧力により、リング袋内のリング部材同士が伸び縮みし、分割本体同士を密閉することが出来る。従って、LEDのような装飾品を何度も交換可能な収容品を構成することができる。
【0008】
更に、リング袋を分割ボール本体の内側開放端部に設けた内側分割ボール本体と、リング袋を分割ボール本体の外側開放端部に設けた外側分割ボール本体とを備える密閉機構を構成することが出来る。一方の分割ボール本体の内壁とリング袋間に設けた隙間に、他方の分割ボール本体のリング袋を挿入することで、上記分割ボール本体同士が密閉する密閉機構である。
【0009】
リング袋を分割ボール本体の内側開放端部に設けた、一対の内側分割ボール本体と、筒状体の上下に前記リング袋を設けた筒状嵌合部材とを備える密閉機構を構成できる。上記筒状嵌合部材を収容した状態で各分割ボール本体の開放端同士を合わせ、上記分割ボール本体の内壁とリング袋間に設けた隙間に、上記筒状環状部材のング袋を挿入することで、分割ボール本体同士が密閉する密閉機構である。
【0010】
リング袋を分割ボール本体の外側開放端部に設けた、一対の外側分割ボール本体と、筒状体の上下に前記リング袋を設けた筒状嵌合部材とを備える密閉機構を構成できる。各分割ボール本体の開放端同士を合わせ、外側に備えた前記筒状嵌合部材により、前記分割ボール本体の内壁とリング袋間に設けた隙間に、前記筒状嵌合部材のリング袋を挿入することで、分割ボール本体同士が密閉する密閉機構である。
上記密閉機構を備えたボール型収容品を形成することが可能であり、上記ボール型収容品に上記収容品内に収容される装飾体を固定する固定具を備えてもよい。上記エア収容品内に駆動手段を備えるボール型収容品を形成してもよい。上記密閉機構を備えた遊具を設けることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、密閉される収容物を分割した一対の分割本体とリング袋と、リング部材を備える密閉機構である。リング袋は、上記一対の分割本体の開放端部に設けられるリング形状の袋であり、リング部材は、上記リング袋内に挿入されるテープ状の部材である。そして、上記一対の分割本体に設けられるリング袋同士が嵌合連結することで、リング袋内のリング部材同士が嵌合し分割本体同士が密閉する。上記一対の分割本体をボール形状の分割ボール本体とすることができる。この機構によれば、予め形成した空気送入口から空気を送ることができる。従って、LEDのような装飾品を何度も交換可能な収容品を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るボール型収容品の分割本体の全体構成を示す正面断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るリング部材の全体構成を示す正面図、斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るボール型収容品の分割本体の全体構成を示す正面断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るボール型収容品の筒状嵌合部材の全体構成を示す斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るボール型収容品の分割本体の全体構成を示す正面断面図である。
【
図15】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る密閉機構を備えた遊具の全体構成を示す正面図である。
【
図19】本発明の実施形態に係る密閉機構を備えた遊具の全体構成を示す正面図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る密閉機構を備えた遊具の全体構成を示す正面図である。
【
図21】本発明の実施形態に係る密閉機構を備えた遊具の全体構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下本発明の密閉機構100及び該密閉機構100を備えたボール型収容品160について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る密閉機構の分割ボール本体の全体構成を示す正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るリング部材の全体構成を示す正面図である。
図4、
図5、
図6は、本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0014】
本実施例の密閉機構100は、球状のボールを分割した分割ボール本体と、リング袋110と、上記リング袋110に収容するリング部材120を備える。まず、ボールを2つに分割した形状の分割ボール本体を形成する。シートを溶着することにより分割ボール本体を形成することが出来る。射出成形により、分割した形状の分割ボール本体を形成してもよい。次に、シートを筒状に形成したリング袋110を上記分割ボール本体の内側下端部(内側開放端部)に取り付ける。シートを折り曲げることにより、リング袋110を内側下端部に形成した分割ボール本体を形成してもよい。若しくは、射出成型により、筒状のリング袋110を内側下端部に形成した分割ボール本体を形成してもよい。更に、上記リング袋110を分割ボール本体の外側下端部(外側開放端部)に取り付ける。これにより、
図2に示すように、一方の分割ボール本体にはリング袋が内側開放端に設けられ、他方の分割ボール本体には、リング袋110が外側開放端に設けられる。なお、後述のように、上記リング袋110同士を嵌合することにより、上記分割ボール本体同士が連結するので、一方のリング袋110と分割ボール本体間に他方のリング袋110が挿入可能なように、上記リング袋110が取り付けられる。
【0015】
そして、
図3に示すテープ状の薄厚のリング部材120が上記リング袋110に挿入される。そして、上記リング部材120がリング袋110内でリング形状に屈曲する。ボール本体の外径が変わると(縮小、拡大)リング部材120のリング径も変わる(縮小、拡大)。上記リング部材120は屈曲可能な強度のある剛性素材が用いられる。高分子樹脂のようなある程度の硬度が必要である。
図2に示す矢印のように、リング部材が伸び縮みすることで嵌合することで、分割ボール本体が密閉することになる。
【0016】
上記のように、上記各分割ボールのリング袋110にリング部材120を挿入した状態で、上記分割ボール本体同士を嵌合する。すなわち、上記分割ボール本体の開放端同士を合わせた状態で、上記リング袋を内側に設けた分割ボール本体(以下内側分割ボール本体130)内に、上記リング袋を外側に設けた分割ボール本体(以下外側分割ボール本体140)のリング袋110を挿入する。そして、内側分割ボール本体130の開放端壁とリング袋110間に設けた隙間に、外側分割ボール本体140のリング袋を挿入する。もちろん、外側分割ボール本体140の開放端部とリング袋110間に設けた隙間に、内側分割ボール本体130のリング袋が挿入される。空気送入口132から送入される空気を例とする気体の内部圧力によりリング袋110内に挿入したリング部材120同士の重なり部がずれて、上記分割ボール本体同士が嵌合する。上記嵌合機構が本発明のボール密閉機構100に相当する。
【0017】
上記のように、分割ボール本体同士が嵌合することで、本発明のボール密閉機構100を備えたボール型収容品160が形成される。上記分割ボール本体のいずれかの位置には空気送入口132が設けられる。上記空気送入口132から、空気が送入されることで、収容品に空気が充填する。もちろん空気以外の気体が充填されてもよい。
図4や
図5に示すように本発明のボール密閉機構100を備えたボール型収容品160はLED155のような装飾品を収納することが可能である。例えば、予め上記分割ボール本体の内壁に孔を備えた複数の固定部材150を接着する。そして、上記固定部材150の孔を使用してLED155の様な装飾部材を取り付けることが出来る。上記装飾部材を取り付けたのちに、上記エア密閉機構100により収納品を密閉し、エアを充填することで、本発明のボール型収容品160が完成する。
【0018】
若しくは、上記収容品160内にモータ157を例とする駆動手段を収納することで、該収容品自身を回転することが可能となる。モータの回転運動により収容品内の重心位置を変える。これにより、ボールが前進後退することになる。収容品160内の重心を回転する機構は公知の技術を使用する。
図6では、おもり159を取り付けた棒部材が回転することで重心位置が変化する。上記駆動手段や、収容品160を回転する手段を取り付けたのちに、上記ボール密閉機構100により分割ボール本体同士を密閉し、エアを充填することで、本発明のボール型収容品160が完成する。本発明のボール密閉機構100はエアを充填可能であればボール以外の形状の収納品に適用可能である。例えば、遊具にも適用できるし、椅子、ベッド、机のような家具に適用できる。
【0019】
(実施の形態2)
実施の形態1では分割ボール本体の内側及び外側に、上記リング袋110を取り付けた。本実施例では、分割ボール本体の内側同士にリング袋110を取り付けた状態で上記分割ボール本体同士を密閉する。リング袋110を内側同士に取り付ける以外の構成は実施の形態1と同じであるので、図示説明は省略される。
図7は、本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。
図8は、本発明の実施形態に係る密閉機構の分割ボール本体の全体構成を示す斜視図である。
図9は、本発明の実施形態に係るボール型収容品160で使用する筒状嵌合部材170の全体構成を示す斜視図である。
図10、
図11、
図12は、本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0020】
ボールを2つに分割した形状の分割ボール本体を形成する。シートを溶着することにより分割ボール本体を形成することが出来る。射出成形により、分割した形状の分割ボール本体を形成してもよい。次に、シートを筒状に形成したリング袋110を上記分割ボール本体の内側下端部(内側開放端部)に取り付ける。シートを折り曲げることにより、リング袋110を内側下端部に形成した分割ボール本体を形成してもよい。若しくは、射出成型により、筒状のリング袋110を内側下端部に形成した分割ボール本体を形成してもよい。これにより、
図8に示すように、内側開放端にリング袋110を設けた一対の分割ボール本体が形成される。なお、後述のように、上記リング袋110が嵌合することにより、上記分割ボール本体同士が連結するので、リング袋110と分割ボール本体間にリング袋110が挿入可能なように、上記リング袋が取り付けられる。
【0021】
次に、筒状体108の上下開放端部に各リング袋110を設けることで、
図9に示すような筒状嵌合部材170を形成する。筒状嵌合部材170の切れ込み172からリング部材120が挿入される。上記筒状嵌合部材170のリング袋110と、上記分割ボール本体のリング袋を嵌合することにより、上記分割ボール本体同士が連結するので、リング袋110と筒状体108間に、分割ボール本体のリング袋110が挿入可能なように、上記リング袋110が取り付けられる。
【0022】
そして、テープ状の薄厚のリング部材120が上記リング袋110に挿入される。そして、上記リング部材120がリング袋110内でリング形状に屈曲する。ボール本体の外径が変わると(縮小、拡大)リング部材120のリング径も変わる(縮小、拡大)。上記リング部材120は屈曲可能な強度のある素材が用いられる。高分子樹脂のようなある程度の硬度が必要である。
【0023】
上記のように、上記各分割ボールのリング袋110にリング部材120を挿入した状態で、上記分割ボール本体同士を嵌合する。すなわち、上記筒状嵌合部材170を収容した状態で、上記分割ボール本体の開放端同士を合わる。そして、リング袋110を内側に設けた分割ボール本体(内側分割ボール本体130)と、上記筒状嵌合部材170を嵌合する。内側分割ボール本体130のリング袋110が筒状嵌合部材の筒状体とリング袋間の隙間に挿入され、上記筒状嵌合部材のリング袋が、内側分割ボール本体の開放端壁とリング袋間に設けた隙間に挿入される。空気送入口132から送入される空気を例とする気体の内部圧力によりリング袋に挿入されたリング部材120同士の重なり部がずれて、上記分割ボール本体同士が嵌合する。上記嵌合機構が本発明のボール密閉機構100に相当する。もちろん、上記筒状嵌合部材170の上下に設けたリング袋110が内側分割ボール本体130のリング袋と嵌合する。
【0024】
上記のように、分割ボール本体同士が嵌合することで、本発明のボール密閉機構100を備えたボール型収容品160が形成される。上記分割ボール本体のいずれかの位置には空気送入口132が設けられる。上記空気送入口132から、空気が送入されることで、収容品に空気が充填する。もちろん空気以外の気体が充填されてもよい。
図10や
図11に示すように本発明のボール密閉機構100を備えたボール型収容品160はLED155のような装飾品を収納することが可能である。例えば、予め上記分割ボール本体の内壁に孔を備えた複数の固定部材150を接着する。そして、上記固定部材150の孔を使用してLED155の様な装飾部材を取り付けることが出来る。上記装飾部材を取り付けたのちに、上記エア密閉機構100により収納品を密閉し、エアを充填することで、本発明のボール型収容品160が完成する。
【0025】
若しくは、上記収容品160内にモータ157を例とする駆動手段を収納することで、該収容品自身を回転することが可能となる。モータの回転運動により収容品内の重心位置を変える。これにより、ボールが前進後退することになる。収容品160内の重心を回転する機構は公知の技術を使用する。
図12では、おもり159を取り付けた棒部材が回転することで重心位置が変化する。上記駆動手段や、収容品160を回転する手段を取り付けたのちに、上記ボール密閉機構100により分割ボール本体同士を密閉し、エアを充填することで、本発明のボール型収容品160が完成する。本発明のボール密閉機構100はエアを充填可能であればボール以外の形状の収納品に適用可能である。例えば、遊具にも適用できるし、椅子、ベッド、机のような家具に適用できる。
【0026】
(実施の形態3)
実施の形態2では分割ボール本体の内側に、上記リング袋を取り付けた。本実施例では、分割ボール本体の外側同士にリング袋を取り付けた状態で上記分割ボール本体同士を密閉する。リング袋を内側同士に取り付ける以外の構成は実施の形態2と同じであるので、図示説明は省略される。
図13は、本発明の実施形態に係るボール型収容品160の全体構成を示す正面断面図である。
図14は、本発明の実施形態に係る密閉機構の分割ボール本体の全体構成を示す正面図である。
図15、
図16、
図17は、本発明の実施形態に係るボール型収容品の全体構成を示す正面断面図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0027】
ボールを2つに分割した形状の分割ボール本体を形成する。シートを溶着することにより分割ボール本体を形成することが出来る。射出成形により、分割した形状の分割ボール本体を形成してもよい。次に、シートを筒状に形成したリング袋110を上記分割ボール本体の外側下端部(外側開放端部)に取り付ける。射出成型により、筒状のリング袋110を外側下端部に形成した分割ボール本体を形成してもよい。これにより、
図14に示すように外側開放端にリング袋110を設けた一対の分割ボール本体が形成される。なお、後述のように、上記リング袋110が嵌合することにより、上記分割ボール本体同士が連結するので、リング袋110と分割ボール本体間にリング袋110が挿入可能なように、上記リング袋110が取り付けられる。
【0028】
次に、筒状体の上下開放端部に各リング袋110を設けることで、筒状嵌合部材170を形成する。上記筒状嵌合部材170のリング袋110と、上記分割ボール本体のリング袋110を嵌合することにより、上記分割ボール本体同士が連結するので、リング袋110と筒状体108間に、分割ボール本体のリング袋110が挿入可能なように、上記リング袋110が取り付けられる。
【0029】
そして、テープ状の薄厚リング部材120が上記リング袋110に挿入される。そして、上記リング部材120がリング袋110内でリング形状に屈曲する。ボール本体の外径が変わると(縮小、拡大)リング部材のリング径も変わる(縮小、拡大)。上記リング部材120は屈曲可能な強度のある素材が用いられる。高分子樹脂のようなある程度の硬度が必要である。
【0030】
上記のように、上記各分割ボールのリング袋にリング部材120を挿入した状態で、上記分割ボール本体同士を嵌合する。すなわち、上記分割ボール本体の開放端同士を合わせ、上記筒状嵌合部材170内に収容する。そして、リング袋110を外側に設けた分割ボール本体(外側分割ボール本体140)と、上記筒状嵌合部材170を嵌合する。外側分割ボール本体140のリング袋110が筒状嵌合部材170の筒状体108とリング袋110間の隙間に挿入され、上記筒状嵌合部材170のリング袋110が、外側分割ボール本体140の開放端壁とリング袋110間に設けた隙間に挿入される。空気送入口から送入される空気を例とする気体の内部圧力によりリング袋110に挿入されたリング部材120同士の重なり部がずれて、上記分割ボール本体同士が嵌合する。上記嵌合機構が本発明のボール密閉機構100に相当する。もちろん、上記筒状嵌合部材170の上下に設けたリング袋110が内側分割ボール本体のリング袋と嵌合する。
【0031】
上記のように、分割ボール本体同士が嵌合することで、本発明のボール密閉機構100を備えたボール型収容品160が形成される。上記分割ボール本体のいずれかの位置には空気送入口が設けられる。上記空気送入口から、空気が送入されることで、収容品に空気が充填する。もちろん空気以外の気体が充填されてもよい。
図15や
図16に示すように本発明のボール密閉機構100を備えたボール型収容品160はLED155のような装飾品を収納することが可能である。例えば、予め上記分割ボール本体の内壁に孔を備えた複数の固定部材150を接着する。そして、上記固定部材150の孔を使用してLED155の様な装飾部材を取り付けることが出来る。上記装飾部材を取り付けたのちに、上記エア密閉機構100により収納品を密閉し、エアを充填することで、本発明のボール型収容品160が完成する。
【0032】
若しくは、上記収容品160内にモータ157を例とする駆動手段を収納することで、該収容品自身を回転することが可能となる。モータ157の回転運動により収容品内の重心位置を変える。これにより、ボールが前進後退することになる。収容品160内の重心を回転する機構は公知の技術を使用する。
図17では、おもり159を取り付けた棒部材が回転することで重心位置が変化する。上記駆動手段や、収容品160を回転する手段を取り付けたのちに、上記ボール密閉機構100により分割ボール本体同士を密閉し、エアを充填することで、本発明のボール型収容品160が完成する。本発明の密閉機構100はエアを充填可能であればボール以外の形状の収納品に適用可能である。例えば、遊具にも適用できるし、椅子、ベッド、机のような家具に適用できる。
【0033】
(実施の形態4)
本発明の密閉機構をボール以外の商品に設けた一例を示している。例えば
図18に示すように、人形180に上記密閉機構を設けることが出来る。その他、
図19に示すような犬型遊具190や、
図20に示すドーナツ型遊具200、
図21に示すように楕円形状の遊具210に上記密閉機構100を設けることが出来る。もちろん、上記ボール以外の遊具内にも、LEDや、モータを収容することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、密閉される収容物を分割した一対の分割本体とリング袋と、リング部材を備える密閉機構である。リング袋は、上記一対の分割本体の開放端部に設けられるリング形状の袋であり、リング部材は、上記リング袋内に挿入されるテープ状の部材である。そして、上記一対の分割本体に設けられるリング袋同士が嵌合連結することで、リング袋内のリング部材同士の重なり部がずれて、分割本体同士が密閉する。上記一対の分割本体をボール形状の分割ボール本体とすることができる。この機構によれば、予め形成した空気送入口から空気を送ることができる。従って、LEDのような装飾品を何度も交換可能な収容品を構成することができる。従って、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0035】
100 密閉機構
110 リング袋
120 リング部材
130 内側分割ボール本体
140 外側分割ボール本体
160 ボール型収容品
170 筒状嵌合部材
150 固定部材
155 LED(装飾部材)