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特開2015-231528X線コンピュータ断層撮像装置及び医用画像処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231528(P2015-231528A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】X線コンピュータ断層撮像装置及び医用画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   A61B6/03 350Z
   A61B6/03 350U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-117772(P2015-117772)
(22)【出願日】2015年6月10日
(31)【優先権主張番号】14/300,668
(32)【優先日】2014年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】中西 知
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー・ザミャチン
(72)【発明者】
【氏名】ベーシャン チアン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA21
4C093CA13
4C093FC11
4C093FD03
4C093FD05
4C093FF13
4C093FF21
4C093FF33
(57)【要約】
【課題】X線コンピュータ断層撮影におけるアーチファクトを大幅に低減する。
【解決手段】本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置は、画像生成手段と、計算手段と、選択手段と、を具備する。画像生成手段は、コーンビームアーチファクトを含む第一の画像と、複数の異なるスケーリングファクタのそれぞれに対応する複数の第二の画像と、を用いて、コーンビームアーチファクトを抽出した第三の画像を前記スケーリングファクタ毎に生成する。計算手段は、前記複数の第三の画像のそれぞれに対するコーンビームアーチファクトメトリックを計算する。選択手段は、複数のコーンビームアーチファクトメトリックに基づいて、前記複数のスケーリングファクタから補正に用いるスケーリングファクタを選択する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーンビームアーチファクトを含む第一の画像と、複数の異なるスケーリングファクタのそれぞれに対応する複数の第二の画像と、を用いて、コーンビームアーチファクトを抽出した第三の画像を前記スケーリングファクタ毎に生成する画像生成手段と、
前記複数の第三の画像のそれぞれに対するコーンビームアーチファクトメトリックを計算する計算手段と、
前記複数のコーンビームアーチファクトメトリックに基づいて、前記複数のスケーリングファクタから補正に用いるスケーリングファクタを選択する選択手段と、
を具備するX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項2】
前記第二の画像は、ライン画像である請求項1記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項3】
前記計算手段は、前記コーンビームアーチファクトメトリックとして、全変分、標準偏差、自乗差の和のいずれかを計算する請求項1又は2記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項4】
前記計算手段は、前記コーンビームアーチファクトメトリックとして、少なくともZ方向に沿った全変分を計算する請求項3記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項5】
前記第一の画像及び前記第二の画像は、縮小された画像或いはダウンサンプルされた画像である請求項1記載のコーンビームアーチファクトを大幅に低減させる請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項6】
前記画像生成手段は、所定の適応型メジアンフィルタを使って、前記複数の第二の画像をフィルタリングし、当該フィルタリングされた複数の第二の画像を用いて、前記複数の第三の画像を生成する請求項1乃至5のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記複数のコーンビームアーチファクトメトリックのうちの最小値を選択し、前記複数のスケーリングファクタのうち前記最小値に対応するスケーリングファクタを前記補正に用いるスケーリングファクタとして選択する請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項8】
前記第二の画像と、前記補正に用いるスケーリングファクタとを用いて、前記第一の画像を補正する補正手段をさらに具備する請求項1乃至7のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項9】
コーンビームアーチファクトを含む第一の画像と、複数の異なるスケーリングファクタのそれぞれに対応する複数の第二の画像と、を用いて、コーンビームアーチファクトを抽出した第三の画像を前記スケーリングファクタ毎に生成する画像生成手段と、
前記複数の第三の画像のそれぞれに対するコーンビームアーチファクトメトリックを計算する計算手段と、
前記複数のコーンビームアーチファクトメトリックに基づいて、前記複数のスケーリングファクタから補正に用いるスケーリングファクタを選択する選択手段と、
前記第二の画像と、前記補正に用いるスケーリングファクタとを用いて、前記第一の画像を補正する補正手段と、
を具備する医用画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明の実施形態は、X線コンピュータ断層撮像装置及び医用画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コーンビームアーチファクトは、コンピュータ断層撮影では周知の問題である。最先端のX線コンピュータ断層撮像装置におけるX線源コーン角度は非常に広く、ラドン領域においてデータが消失してしまうため、CFK画像にコーンビームアーチファクトが生じる傾向がある。
【0003】
先行技術の一手法では、円軌道コーンビームにおけるアーチファクトは、円軌道と線軌道との組み合わせなど理論上完全な軌道に基づいて正確な再構成を適用することにより、大幅に除去される。追加の線スキャンが正確な再構成のための円軌道を有する理論上完全な軌道を達成するとはいえ、追加のスキャンは収集するには使用不可であったり実用的ではないことがよくある。更に、円形データおよび線形データは同時には得られないので、二回のスキャンの間に動きや造影(agent enhancement)に何らかの変化があると、二つのデータセット間の不一致が生じ、画像の精度に影響を及ぼしてしまう。最後に、追加のスキャンは、望ましくないことに、更に多い線量の放射線に患者を曝すこととなる。
【0004】
以上の理由から、円形データのみから画像ボリュームを正確に再構成することが特に関心を集めている。先行技術の別の手法では、線形データを推定するためにスキャノグラムが利用される。この手法だと患者の放射線量は増大しないとはいえ、推定された線形データが多くのアーチファクトを減らすのに概して役立っても、コーンビームアーチファクトは依然として見受けられる。同時に、動きや造影に何らかの変化があっても、結果として生じる画像にある程度の誤りが生じてしまう。
【0005】
従来より、改善された画像が円形データ及び推定された線形データから再構成されるように、所定の軸に沿って伸ばされた拡大画像に基づいて線形データを推定する、別の方法も開示している。その拡大画像は、所望する撮像視野(FOV)よりも更に広い撮像視野を有し、Z方向に伸ばされて拡張された拡大画像を生成する。改善された画像を再構成する際に、スケーリングファクタが任意で使用されるが、スケーリングファクタの値は、再構成に先立って決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記で説明された技法では、例えば、円軌道コーンビームコンピュータ断層撮影においてアーチファクトを大幅に低減させるためのシステム及び方法において、更なる改善が依然として求められている。
【0007】
目的は、X線コンピュータ断層撮影(CT)におけるアーチファクトを大幅に低減することができるX線コンピュータ断層撮像装置及び医用画像処理装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置は、画像生成手段と、計算手段と、選択手段と、を具備する。画像生成手段は、コーンビームアーチファクトを含む第一の画像と、複数の異なるスケーリングファクタのそれぞれに対応する複数の第二の画像と、を用いて、コーンビームアーチファクトを抽出した第三の画像を前記スケーリングファクタ毎に生成する。計算手段は、前記複数の第三の画像のそれぞれに対するコーンビームアーチファクトメトリックを計算する。選択手段は、複数のコーンビームアーチファクトメトリックに基づいて、前記複数のスケーリングファクタから補正に用いるスケーリングファクタを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】円軌道上で収集されたデータから再構成された画像において、コーンビームアーチファクトを大幅に低減させるためのX線コンピュータ断層撮像装置の一実施形態を描いた図。
図2】本願発明に係る一実施形態によってコーンビーム(CB)アーチファクトを大幅に低減させるための根拠の一側面を描いた図。
図3】一実施形態に係る適応型スケーリングファクタを使って、コーンビーム(CB)アーチファクトを大幅に低減させる例示的な処理に含まれる全般的なステップを描いたフローチャート。
図4】本願発明に係る一実施形態において適応型スケーリングファクタを使って、コーンビームアーチファクトを大幅に低減させるための特定の概念的な解決策を描いている図解を収集したもの。
図5】本願発明に係る一実施形態において適応型スケーリングファクタを使って、コーンビームアーチファクト低減処理に含まれるステップを描いているフローチャート。
図6】本願発明に係る一実施形態におけるコーンビームアーチファクト低減処理において、適応型スケーリングファクタを最適化するのに含まれるステップを描いているフローチャート。
図7A】スケーリングファクタαに基づいてコーンビームアーチファクトの例示的な低減の一例を描いている。
図7B】補正された画像LC(α)の例示的な一連の一例を描いている。
図7C】コーンビームアーチファクト画像CB(α)の例示的な一連の一例を描いている。
図8】本願発明に係る別の実施形態でコーンビームアーチファクト低減処理における適応型スケーリングファクタを最適化するのに含まれるステップを描いているフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置(X線コンピュータ断層撮像装置)について説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0011】
ここで図面を参照すると、同じ参照番号は複数の図を通して対応する構造を示している。また詳細に図1を参照すると、図1はガントリ100および他のデバイスまたはユニットとを含む、本願発明の実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置を示す。ガントリ100は、側面図で描かれており、X線管101と、環状フレーム102と、多列または2次元配列型X線検出器103とを更に含む。X線管101およびX線検出器103は環状フレーム102上に、被検体Sを横切って正反対に取り付けられ、環状フレーム102は回転軸RAの回りに回転可能に支持される。回転ユニット107は、0.4秒/回転もの高速でフレーム102を回転させ、その間に被検体Sは、図示される頁の奥または手前の方向に軸RAに沿って移動する。
【0012】
X線コンピュータ断層撮像装置は、高電圧発生器109を更に含み、高電圧発生器109は、X線管101がX線を生成するようにスリップリング108を介してX線管101に印加されることになる管電圧を生成する。X線は被検体Sに向かって照射され、被検体Sの断面領域が円で表される。X線検出器103は、被検体Sを通り抜けて伝搬した照射X線を検出するために、X線管101から被検体Sを挟んで反対側に位置する。
【0013】
引続き図1を参照すると、X線コンピュータ断層撮像装置は、X線検出器103からの検出された信号を処理するための他のデバイスを更に含む。データ収集回路またはデータ収集システム(DAS)104は、各チャンネルに対してX線検出器103から出力された信号を電圧信号に変換し、その電圧信号を増幅させ、更にその電圧信号をデジタル信号に変換させる。X線検出器103およびDAS104は、所定の1回転当たり全投影数(TPPR:total number of projections per rotation)を処理するように構成され、TPPRは最大で900TPPR、900TPPR〜1800TPPR、および900TPPR〜3600TPPRとすることができる。
【0014】
上記で述べられたデータは、非接触データ送信装置105を通して、ガントリ100外部のコンソール内に収容された前処理デバイス106に送信される。前処理デバイス106は、生データに感度補正などの特定の補正を実行する。格納デバイス112はその後、再構成処理の直前の段階で、投影データとも呼ばれる結果として生じるデータを格納する。格納デバイス112は、データ/制御バスを介して、再構成デバイス114、入力デバイス115、表示デバイス116、マルチスケール処理デバイス117およびスキャン計画支援装置200と共に、システムコントローラ110に接続される。スキャン計画支援装置200は、撮像技師がスキャン計画を作成することを支援する機能を含む。
【0015】
再構成デバイス114の一実施形態は、種々のソフトウェア構成要素およびハードウェアの構成要素とを更に含み、投影データに所定の解析的再構成処理を実行する。本願発明の一側面によれば、X線コンピュータ断層撮像装置の再構成デバイス114は、所定のフィルタ補正逆投影(FBP:filtered backprojection)技法を用いることにより、画像ボリュームを有利に再構成する。
【0016】
本願発明の別の側面によれば、X線コンピュータ断層撮像装置の再構成デバイス114は、逐次再構成技法を用いて全変分(TV:total variation)を有利に最小化する。一般に、本願発明の一実施形態における再構成デバイス114は、全変分逐次再構成(TVIR:total variation iterative reconstruction)アルゴリズムを実行し、そのアルゴリズムは、投影データに順序部分集合(オーダーサブセット)同時代数再構成(OS−SART:ordered subset simultaneous algebraic reconstruction technique)ステップのような同時代数再構成と、TV最小化ステップなどの正規化とを実行する。この二つのステップは、一実施形態においてイテレーション回数が規定されているメインループで連続して実施される。
【0017】
TV最小化ステップ前に、投影データは、順序部分集合同時代数再構成技法(OS−SART)を経る。投影データは、それぞれが特定の数のビューを有する所定数の部分集合Nにグループ分けされる。順序部分集合同時代数再構成技法(OS−SART)中に、一実施形態では各部分集合が連続で処理されてもよい。別の実施形態では、複数の中央処理ユニット(CPU:central processing unit)または一つのグラフィックス処理ユニット(GPU:graphics processing unit)などの特定のマイクロプロセッサを利用することによって、複数の部分集合を並行して処理してもよい。全変分(TV)最小化ステップにおいて、再構成デバイス114の一実施形態は、現在の画像ボリュームの目的関数が以前の画像ボリュームの目的関数よりも確実に小さくなるよう、正のステップサイズを探索するためにライン探索方式を利用する。
【0018】
順序部分集合同時代数再構成法(OS−SART)中に、再構成デバイス114は二つの主な演算も実行する。すなわち、各部分集合Nに対して、再構成デバイス114は、計算された投影データを生成するために画像ボリュームを再投影して、測定された投影データと計算された投影データとの間の正規化された差分を逆投影して、更新された画像ボリュームを再構成する。更に詳細に述べると、再構成デバイス114の一実施形態は、システムマトリックスの係数がキャッシュされないレイトレーシング技法を用いることによって、画像ボリュームを再投影する。更に、再構成デバイス114の一実施形態では、部分集合内の全ての光線を同時に再投影させ、この再投影は任意で同時に実施される。逆投影において、再構成デバイス114の一実施形態は、ピクセル駆動技法を用いて、部分集合内の正規化された差分投影データの全てを逆投影し、所望の更新された画像ボリュームを形成する。再構成デバイス114は、部分集合内の全ての光線の和、すなわち差分投影データを逆投影して画像ボリュームを形成するので、この演算も任意で同時に実施される。これらの演算は、単一のOS−SARTステップを完了するために、全ての部分集合Nに適用される。
【0019】
上記の構成要素に加えて、本願発明の一実施形態は、コーンビームアーチファクト低減を実行するための種々の他のソフトウェアモジュールおよびハードウェア構成要素とを更に含む。本実施形態の一側面によれば、X線コンピュータ断層撮像装置のコーンビーム(CB)アーチファクト低減デバイス117は、特定の状況下でコーンビームアーチファクトを大幅に低減するためのコーンビームアーチファクト低減機能を有利に実行する。一般に、CBアーチファクトは、画像品質を劣化させるシェーディングコーンビームと高コントラストコーンビームとを含む二つの成分を有する。一模範例な処理では画像品質を改善するために、シェーディングはリビニング(rebinning)をフィルタリングすることによって補正され、一方高コントラストはライン画像(X線管及びX線検出器を回転させずに、寝台の長手方向に沿って移動させながら撮影することで得られた画像)によって補正される。
【0020】
本願発明の別の実施形態では、X線コンピュータ断層撮像装置のコーンビーム(CB)アーチファクト低減デバイス117は、正確な再構成の構成要素およびSARTなどの逐次再構成の要素を有利に組み合わせて、コーンビームアーチファクトを大幅に低減させる。後により詳細に説明されるように、再構成デバイス114は、円形線源軌道にわたってコーンビーム線源を用いて収集されてきた測定された投影データから円形画像を再構成する。その後、CBアーチファクト低減デバイス117は、円形画像からの線形データを順投影し、その後、再構成デバイス114は、この順投影された線形データに基づいてライン画像を再構成する。上記のステップに基づいて、CBアーチファクト低減デバイス117は、円形画像およびライン画像を合成する。合成された画像は、従来通り再構成された画像に存在するCBアーチファクトに比べて、大幅に低減されたCBアーチファクトを含む。最後に、CBアーチファクト低減デバイス117は、補正された画像を出力する。
【0021】
本願発明に係る一実施形態では、コーンビームアーチファクト低減デバイス117は、他のソフトウェアモジュール、および/または格納デバイス112、再構成デバイス114、表示デバイス116および入力デバイス115などのシステム構成要素にデータ/制御バスを介して、動作可能に接続される。この点に関して、本願発明に係る他の実施形態では、コーンビームアーチファクト低減機能および/またはそれに関連するタスクを必ずしもコーンビームアーチファクト低減デバイス117が単独で実行するとは限らない。更に、本願発明に係る別の実施形態において、コーンビームアーチファクト低減デバイス117は、任意で再構成デバイス114などの他のデバイスの一部となる。コーンビームアーチファクト低減デバイス117と再構成デバイス114とはどちらも、種々の方法で実現され、ソフトウェア構成要素およびハードウェア構成要素の特定の組み合わせに限定されない。
【0022】
図2は、本願発明に係る一実施形態によってコーンビーム(CB)アーチファクトが大幅に低減される根拠の一側面を示す図である。この図は、1組の細い物体Oが、所定の円軌道の上方にある線源に対して相対的な位置にある例示的な状況を示す。線源位置S1にあるコーンビームは、物体Oに向かって所定のコーンビーム角で放射する。例示的な状況は、診断の目的のために、画像がより高い解像度を有するズームされたまたは所望の撮像視野(FOV)において度々再構成されることも示す。順投影のために、x線ビームを減衰させる物体全体に関する情報が必要なので、図2に示されるように、二つのボリューム画像CFK_AおよびCFK_Bが生成される。陰影領域は不十分に収集された測定されたデータに対応する。画像CFK_Aは最終結果で用いられることになる所望のFOVを有し、一方の画像CFK_Bは、欠損している線形データを生成するための最大FOVを有する。線形データを生成するための線形データ方向LTRに沿って、必要範囲2Hが示される。
【0023】
ここで図3を参照すると、フローチャートは、本願発明の一実施形態に係るコーンビーム(CB)アーチファクトを大幅に低減する例示的な処理に関与する全体的なステップを示す。実際に、このフローチャートは、本願発明の一実施形態に係るコーンビーム(CB)アーチファクトを大幅に低減する例示的な処理の概念的な図であり、本願発明の一実施形態は、以下の説明で提供される例示的なステップまたは動作に必ずしも拘泥されない。
【0024】
ステップS100において、所定の円軌道にわたって移動するコーンビーム線源を用いて測定されたデータが収集される。一般的に、収集された測定されたデータは、画像が従来通り再構成された場合、コーンビームアーチファクトの影響を受けやすい。それは、測定されたデータはコーンビーム円軌道スキャンジオメトリが原因で不十分であるからである。ステップS110において、円形画像が、所定の円形線源軌道上のコーンビーム線源を用いて収集されてきた測定されたデータから再構成される。再構成された円形画像は、後に検索されることになる所定の格納装置内に任意で記憶される。
【0025】
ステップS120およびS130において、線形データが生成され、その生成された線形データからライン画像が再構成される。ステップS120において、ステップS110で再構成されてきた円形画像から線形データが順投影または再投影される。ステップS120における線形データ生成の詳細は、別の例示的なフローチャートに関して後に説明される。ステップS130において、ライン画像は、ステップS120で生成されてきた順投影された線形データに基づいて再構成される。
【0026】
ステップS135において、スケーリングファクタαが最適化される。スケーリングファクタは、ステップS130で再構成されてきたライン画像を重み付けするのに適用される。すなわち、スケーリングファクタαの値は、実質的な方法で最終画像におけるコーンビームアーチファクトを最終的に低減させるために、最適化されるのである。スケーリングファクタαの最適化の詳細は、別の例示的なフローチャート及び概要図に関して更に説明される。ステップS135において、最適化されたスケーリングファクタαは、スケーリングされたライン画像を生成するために、ステップS130で再構成されてきたライン画像に適用される。
【0027】
上記のステップS110、S120、S130およびS135に基づいて、ステップS140において、円形画像およびスケーリングされたライン画像とがここで合成される。合成された画像は、従来通り再構成された画像に存在するCBアーチファクトに比べて、大幅に低減されたCBアーチファクトを含む。最後に、補正された画像がステップS150において表示または解析のために出力される。CBアーチファクトを大幅に低減させる別の実施形態では、上記のステップのうちの幾つかが線形データの精度を改善させ、それにより出力される画像におけるアーチファクト低減を改善させるために、SARTなどの既知の逐次的技法を用いて、逐次的に繰り返される。
【0028】
図4は、本願発明に係る一実施形態において、コーンビームアーチファクトを大幅に低減するための特定の概念的解決策を示す図の集合である。図2に関しては既に説明したように、例示的な状況は、診断の目的のために、より高い解像度を有するズームされた視野または所望の視野(FOV)を必要とする。順投影のために、X線ビームを減衰させる物体全体に関する情報が必要なので、図4Aおよび図4Bに示されるような第1の画像CFK_Aおよび第2の画像CFK_Bが、図4Cに示されるように円軌道上のコーンビーム線源CBSを用いて収集された、対応する円形データから円形フェルドカンプ(CFK)技法を使って再構成される。図4Cはまた、画像ボリュームCFK_Aのための円形データが、画像CFK_Bのための円形データのズームされた部分であることも示す。すなわち、画像CFK_Aは、画像CFK_Bの最大FOVまたは大きなFOV内において所望のFOVを有し、最大FOVはZ軸方向(寝台長手方向、或いは回転軸に沿った方向)に沿って拡張されるのである。
【0029】
一実施形態によれば、図4Dに示されるような線形データは、本願発明の一実施形態に係るフィルタ補正された逆投影ボリューム画像CFK_Bの順投影から生成される。この点に関して、再投影は、本出願における上述の線形データ生成において、順投影と同義に用いられる。上述のように、第2の画像CFK_Bは最大FOVを有する。広いコーン角を有するx線は、再構成された画像を越えてZ方向における空間を通過することができるので、画像CFK_Bは、走査されるシステムのコーン角よって決まるあるZ範囲を越えて任意で拡張される。他の実施形態では、画像CFK_B内のコーンビームアーチファクトを低減させるために、線形軌道LTに沿った順投影の前に、所定の適応ローパス3Dフィルタが画像CFK_Bに任意で適用される。代替的に、別の実施形態において、線形軌道LTに沿った順投影の前に、所定の因数分解手法が画像CFK_Bに適用される。
【0030】
本願発明の一実施形態に係るコーンビームアーチファクト低減処理の一実施形態では、線形データが第2の画像CFK_Bの再投影によって線形軌道から得られた後に、図4Dに示されるような線形データから、図4Eに示されるような所望のFOVを有するライン画像が再構成される。同時に、再構成されたライン画像は、図4Eで記号によっても示されるように、所定のスケーリングファクタαによって重み付けられる。スケーリングファクタαの値は、再構成されたライン画像への適用前に、全変分(TV)、標準偏差(SD)や自乗差の和(SSD)などのコーンビームアーチファクトメトリック(CBAM)を含む所定の技法に基づいて最適化される。所定のコーンビームアーチファクトメトリックは、画像から分離されてきたコーンビームアーチファクトの強度を示す為、スケーリングファクタの最適値は、スケーリングファクタの最適値によってスケーリングされてきた補正画像を付け足すことにより、最適なスケーリングファクタの値が合成された画像においてコーンビームアーチファクトメトリックを最小化するように選択される。つまり、最適値は、均一の値あるいは固定の値を適用するよりも、所定のルールに基づいて最適に決定される。
【0031】
最後に、図4Eに示されるような所望のFOVを有するライン画像が、プラス記号によって示されるように図4Aに示されるような画像ボリュームCFK_Aと合成され、図4Fに示されるような補正されたLC画像を生成する。この合成された画像LCは、大幅に低減されたコーンビームアーチファクトを有する。一実施形態では、画像ボリュームCFK_Bが、最大FOVを有する線形データから再構成された画像を加えることによって、任意で更新される。更に、線形データはアーチファクトを有するボリューム画像から順投影されるので、その線形データは近似されたデータである。このため、別の実施形態では、近似手法を用いて、線形データを改善させ、コーンビームアーチファクト低減を改善させる。
【0032】
図5は、本願発明に係る一実施形態において、適応型スケーリングファクタを使ってコーンビームアーチファクト低減処理に含まれるステップを示すフローチャートである。適応型スケーリングファクタを使うことによってコーンビームアーチファクトを大幅に低減させる例示的な処理において、測定されたデータは、所定の円軌道に沿って移動し特定のコーンビーム角を有する線源を使って、所定の円軌道データ収集技法によって収集されてきたと仮定される。一般に、実施形態におけるコーンビームアーチファクト低減処理において、所望の狭い撮像視野と、対応する円形コーンビームデータからの最大撮像視野とをそれぞれ有する二つの参照画像CFK_AおよびCFK_Bとを生成する。実施形態におけるコーンビームアーチファクト低減処理では、所定の線源軌道に沿って最大撮像視野を有する参照画像CFK_Bを順投影することにより、合成データを生成し、その合成データから補正画像を再構成する。
【0033】
一実施形態において、第一の画像CFK_Aおよび第二の画像CFK_Bは、最終的には組み合わされて合成された画像を提供するのに対し、第一の画像CFK_Aはコーンビームアーチファクトを含む一方、第二の画像CFK_Bは本願発明の一実施形態に係るスケーリングファクタによってスケーリングされた補正を含む。なお、第一の画像CFK_Aおよび第二の画像CFK_Bの少なくとも一方は、縮小された(scaled down)画像、ダウンサンプル(down sample:間引き・低解像度処理)された画像等であってもよい。
【0034】
補正は、本願発明の一実施形態に係る条件を満たした(implemented)方法及びシステムの特定の側面の組み合わせによって実現される。補正の一側面は、線形軌道の様な所定の線源軌道が参考画像CFK_Bの円形線源軌道を補うので、実現される。更に、実施形態におけるコーンビームアーチファクト低減処理は、補正された画像がステップS360の後に、本実施形態に係る大幅に低減されたコーンビームアーチファクトを有するように、ライン画像についてステップS230からS290などの特定のステップを逐次的に繰り返す。代替的な実施形態において、コーンビームアーチファクト低減処理は、イテレーションの代わりに所定の方法でライン画像の操作を実行する。
【0035】
補正の別の側面は、本願発明の一実施形態及び処理に係るLスケール()などの所定の最適化関数に従う、スケーリングファクタαの値を適応して最適化することで実現される。最適化された値のついた(valued)スケーリングファクタαは、様々な方法で決定され、Lスケール()などの特定の関数に拘泥されない。更に、最適化された値のついた(valued)スケーリングファクタαは、逐次(iteration)の各段階に対して、および/または第一の画像CFK_Aおよび第二の画像CFK_Bのそれぞれに対して、任意で決定される。図6及び7について、本願発明の一実施形態に係るスケーリングファクタαの値の最適化に対するいくつか例示的な処理及びシステムが説明される。
【0036】
更に図5を参照すると、スケーリングファクタαの最適に適応された値を伴うコーンビームアーチファクトを大幅に低減させる例示的な処理が、本願発明の一実施形態に係るステップを参照することによって更に詳しく述べられる。一般に、参照画像は、Cseg+z/cos(ガンマ)によって与えられる所定のフィルタリング方向に沿ってフィルタリングすることで、フィルタされた補正逆投影アルゴリズムに基づいて得られ、ここでのガンマはコーン角であり、zはCsegからの垂直方向距離であり、検出器列数−1を2で除することによって定義される。ステップS210において、測定されたデータは、所定のHconvステップを通り、そのステップは、二つの参照画像を再構成するためにたたみ込まれたデータ(convolved data)を出力する。一実施形態では、Hconvステップは、ランプ関数(Ramp Kernel)足すヒルベルト関数(Hilbert Kernel)の混成を利用する。別の実施形態では、円軌道フェルドカンプ(CFK)技法を用いて、二つの参照画像を生成する。更に、頭部撮像のための脳の陰影などにおける画像品質をある程度改善させる為に、リビニングステップがHconvステップに任意で追加される。代替的な実施形態では、たたみ込まれたデータのリビニングおよび逆リビニングをそれぞれHconvステップの前後に任意で実行して、画像品質をある程度改善する。
【0037】
その後、二つの参照画像が生成される。一例示的な処理のステップS300において、円形フェルドカンプ(CFK)法を用いて、円形コーンビームデータから第1の参照画像CFK_Aが再構成され、第1の参照ボリューム画像CFK_Aは第1の撮像視野(FFOV)を有する。FFOVは、一般的に所望の逆投影視野である。同様に、一例示的な処理のステップS220において、円形コーンビームデータから第2の参照画像CFK_Bが再構成され、第2の参照ボリューム画像CFK_Bは、FFOVより広く、X線コンピュータ断層撮像装置のガントリにまで任意で及ぶ、第2の撮像視野(SFOV)を有する。第1および第2の参照画像CFK_AとCFK_Bは、ここでそれぞれのステップS300およびS220において、後に検索するために任意で格納される。更に、ステップS220は、イテレーションに含まれるステップの後続の段階のためにイテレーションカウンタIterも初期化する。
【0038】
図5を更に参照して、コーンビームアーチファクトを大幅に低減させる処理の逐次ステップが更に詳しく述べられる。ステップS230において、イテレーションカウンタIterが1増分され、所定のイテレーションの合計数についてイテレーションの現段階の経過を追跡する。ステップS240において、OSRフィルタなどの所定のフィルタが、第2の参照ボリューム画像CFK_Bに任意で適用され、LLFDK補正されたCFK画像である、画像CFK_Cを生成する。その後、画像CFK_Cは、ステップS250における順投影に先立って、拡張されたスライスCFK_Dまでボリューム拡張される。ステップS260において、スライスCFK_Dが線形データに順投影され、これと同じ線形データがステップS310およびステップS270において、それぞれ再構成されてライン画像Aおよびライン画像Bとなる。
【0039】
その後、ライン画像Bは、ステップS270においてイテレーションの段階ごとにライン撮像スケーリングファクタαによってスケーリングされ、スケーリングファクタの最適値によってスケーリングされてきた補正画像を付け足すことにより、最適なスケーリングファクタ値が合成された画像における所定のコーンビームアーチファクトメトリックを最小化するように、ライン撮像スケーリングファクタαの最適値は、所定の技法に従って決定される。最後に、ステップS280において最適にスケーリングされたライン画像Bが、第2の参照画像CFK_Bと合成され、ステップ290において最適に補正されたα*LC画像Bを生成し、その後、ステップS230において最適に補正されたα*LC画像Bを用いて次のイテレーションを開始し、ここでイテレーションカウンタIterが増分される。
【0040】
同様に、イテレーションの段階ごとに対するステップS310において、ライン画像Aもライン撮像スケーリングファクタαによってスケーリングされ、ライン撮像スケーリングファクタαの最適値は、所定の技法に従って、スケーリングファクタの最適値によってスケーリングされてきた補正画像を付け足すことにより、最適なスケーリングファクタの値が合成された画像における所定のコーンビームアーチファクトメトリックを最小化するように、決定される。最後に、ステップS320において、最適にスケーリングされたライン画像Aが、第1の参照画像CFK_Aと合成され、ステップS330において最適に補正されたα*LC画像Aを生成する。
【0041】
最適に補正されたα*LC画像Aに関して、ステップS340において、イテレーションカウンタIterの値が所定の最大イテレーション回数Niterより大きいか否かが判断される。ステップS340において、Iterカウンタ値が最大イテレーション値Niterよりも大きくないと判断された場合に、所定のイテレーション回数はまだ完了していないので、コーンビームアーチファクトを大幅に低減させる処理は、更なるイテレーションのためのステップS260に進む。一方で、ステップS340において、Iterカウンタ値が最大イテレーション値Niterよりも大きいと判断された場合には、所定のイテレーション回数は完了しており、コーンビームアーチファクトを大幅に低減させる処理は、任意で、ステップS350において、LLFDK補正を適用した後、ステップS360において補正された最終画像を生成する(なお、LLFDK補正については、例えば米国特許出願番号12/169963等参照)。スケーリングファクタαの適応的に最適化された値を用いてコーンビームアーチファクトを大幅に低減させる処理は、上述のステップまたは動作に拘泥されず、本願発明の一実施形態に係るその他の実行ステップを含む。
【0042】
ここで、図6を参照すると、フローチャートは、本願発明に係る一実施形態におけるコーンビームアーチファクト低減処理において適応型スケーリングファクタを最適化するのに含まれるステップが示されている。補正された画像LC(α)は、CFK_+αによって決定され、ここでCFKは参照画像であり、Lは、円形フェルドカンプ(CFK)技法などの所定の再構成アルゴリズムによる円形コーンビームデータから再構成された参考画像CFKから発生されたライン画像である。この事について、スケーリングファクタαに基づいたコーンビームアーチファクトの一例示的な低減が、図7Aに描かれている。
【0043】
コーンアーチファクト低減の処理の一実施形態が図6において描かれているように、スケーリングファクタの最適値は、ステップS400において補正された画像LC(α)の所定数を最初に構成することで、最適に決定される。スケーリングファクタαは、αs≦α≦αEと定義され、ここでα値は、開始スケーリング値αsと終了スケーリング値αEの間でαdのステップ値と共に予め定められている。この事について、補正された画像LC(α)の例示的な一連の一例が、図7B中に描かれている。
【0044】
ラインスケーリングファクタαの最適値を求めるために、コーンビームアーチファクトは分離され、そのコーンビームアーチファクトの強度は、所定のコーンビームアーチファクトメトリックを使って分析される。ステップS410において、コーンビームアーチファクトは、補正された画像LC(α)のシリーズのそれぞれから分離されて、対応するコーンビーム画像CB(α)うちの一つに振り分けられる。つまり、コーンビームアーチファクトの強度は、後続のステップにおいてラインスケーリングファクタαを最適化する後続の分析のために、コーンビーム画像CB(α)に抽出されるということである。任意で、適応メジアンZフィルタ(AZF)などの所定の特別なフィルタが、コーンビームアーチファクトの抽出に先立ってコーンビームアーチファクトを増強させるために、補正された画像に適応される。この事について、コーンビームアーチファクト画像CB(α)の例示的な一連の一例が、図7C中に描かれている。
【0045】
ステップS420において、分離されたコーンビームアーチファクトの強度が、コーンビーム画像CB(α)のそれぞれにおいて全変分(TV)などの所定のコーンビームアーチファクトメトリックを使って、比較される。つまり、TV(CB(α))は、コーンビーム画像CB(α)のそれぞれに対して評価されることである。一実施形態において、TVは、Z方向(TVZ)のみに沿って評価される。更に詳しくは、TVZは方程式(1)において以下の様に定義される。
【数1】
【0046】
ここで
【数2】
【0047】
である。
【0048】
別の実施形態において、TVは、x、y、及びz方向(TVXYZ)に沿って、評価される。更に詳しくは、TVXYZは方程式(2)において以下の様に定義される。
【数3】
【0049】
ここで
【数4】
【0050】
である。
【0051】
上記の方程式(1)および(2)は、単に実例であり、コーンビームアーチファクトメトリックは、これらの方程式に拘泥されない。実際に、コーンビームアーチファクトメトリック(CBAM)は、本願発明の一実施形態を実行するために、全変分(TV)に加えて標準偏差(SD)や自乗差の和(SSD)などのその他メトリックを含む。
【0052】
ステップS430において、ラインスケーリングファクタαの最適値は、所定のコーンビームアーチファクトメトリックを最小化するために選択される。つまり、TV(CB(α))がコーンビーム画像CB(α)のそれぞれに対して評価された後、ラインスケーリングファクタαの値は、TV(CB(α))を最小化するために選択されるということである。上述の例が図7Bおよび7Cに描かれている通り、TVz(CB(α))は、αsが所定の開始値でαdが所定の段階値または増分値として、α=αs+2αdの時に最小化される。上述の処理は実行において概念的に簡略化されているが、実行する際には、所定数の補正された最終画像が評価されなければならないので、あるレベルの演算量(computational intensity)を必要とする。元の画像がダウンサンプルされた減少したサンプル数は、実行される(文の解釈がとれない)。最終画像を評価するためにダウンサンプルされるとしても、演算効率とスケーリング値の最適化における精度との間で、相殺されてもよい。具体的には、入力ボリュームが512×512で、元の画像が任意でダウンサンプルされ128×128グリッドになる。そして、ライン画像及び/又は128×128グリッド上のコーンビーム基準を演算する必要がある。
【0053】
図8は、本願発明に係る別の実施形態におけるコーンビームアーチファクト低減処理において、適応型スケーリングファクタを最適化するのに含まれるステップを描いているフローチャートである。図8に描かれているような適応型スケーリングファクタの最適化の一実施形態は、最終画像の評価を消去することで、図6に描かれているような処理とは異なる方法で実行される。一般的に、コーンビームアーチファクトを含む第一の画像およびスケーリングファクタによってスケーリングされた補正を含む第二の画像に基づく合成された画像が提供された後、コーンビームアーチファクトメトリックは、画像から分離されてきたコーンビームアーチファクトの強度を示すために決定される。スケーリングファクタの最適値が選択され、その選択された最適値は、合成された画像におけるコーンビームアーチファクトを最小化する。最後に、第一の画像は、スケーリングファクタの選択された最適値によってスケーリングされた第二の画像を付け足すことで、補正される。
【0054】
更なる詳細で、図8におけるフローチャートのステップは、いくつかの例示的な実行について説明される。コーンビームアーチファクトを大幅に低減させるための処理の一実施形態は、図5について述べられるように、逐次ステップを含むと想定される。その上、円形FBPボリュームC(ix,iy,iz)とイテレーションnで再構成されたボリュームL(n)(ix,iy,iz)のおよその線形スキャンは、ステップS500に先立って、入力または利用可能となる。最後に、イテレーションnで合成され補正されたボリュームLC(n)(ix,iy,iz)は、例示的な処理の完了で出力または利用可能となる。合成され補正されたボリュームLC(n)(ix,iy,iz)は、以下の方程式(3)で定義される。
【数5】
【0055】
ここで、αは、適応型ラインスケールファクタまたはパラメータであり、その値は合成され補正されたボリュームLC(n)(ix,iy,iz)においてコーンビームアーチファクトを究極的に低減させるために最適化される。適応型ラインスケールファクタαは、以下の方程式(4)で定義される。
【数6】
【0056】
最も少ない量のコーンビームアーチファクトを伴う合成され補正されたボリュームLC(n)(ix,iy,iz))を決定するために、コーンビームアーチファクトメトリック(CBAM)がステップS500において、画像から分離されてきたコーンビームアーチファクトの強度を示すために決定される。実施形態におけるコーンビームアーチファクトは、上の方程式(1)又は(2)において定義されたような全変分(TV)である。TVに加えて、コーンビームアーチファクト基準は、以下の方程式(5)のように定義される。
【数7】
【0057】
ここで、A=CB(α)でありFはコーンビームアーチファクトを増強させるための適応型メジアンZフィルタなどの所定の特別なフィルタである。
【0058】
ステップS510において、適応型ラインスケールファクタの最適値が、本願発明の一実施形態に係る処理またはシステムの一実施形態における以下の技法によって、決定される。つまり、上述の実行において、方程式(4)は、本願発明の一実施形態に係る合成された画像におけるコーンビームアーチファクトメトリックを最小化するように、適応型ラインスケールファクタαのために解が求められる。
【数8】
【0059】
が示すことにより、解は
【数9】
【0060】
と求められる。解を求めるための一つの直接的な方法は、値のグリッドと前コンピュータ数U=U(α)とを選択し、そしてUの最小値を求めることである。解を求めるための別の方法としては、セカント法を利用することであり、ここで初期値α0及びα1が選択され、そして次の値が方程式(6)において示されるように、以下の繰り返し関係によって求められる。
【数10】
【0061】
ここで、適応型ラインスケールファクタαに対する最適値は、|αn+1−α|<ε、ε=10−2などの所定の最終条件について値の変化が停止した時に選択される。別の実施形態において、黄金分割法などの周知の別の方法が利用される。
【0062】
ステップS520において、上で決定された適応型ラインスケールファクタαに対する最適値が、スケーリングファクタの選択された最適値によりスケーリングされた第二の画像を付け足すことで、第一の画像を補正するために利用される。
【0063】
本願発明の数多くの特徴および利点が、上述の説明において、本願発明の構造および機能の詳細とともに、詳述されてきたにも関わらず、その開示は例示にすぎないこと、ならびに細部、特に部品の形状、サイズおよび配置に関して、またソフトウェア、ハードウェア、またはその両方の組み合わせの実行と同様に変更がされてもよいが、それら変更は、添付の特許請求の範囲が表現される用語の広い意味が及ぶ限り、本願発明の根本から乖離することはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8