特開2015-231674(P2015-231674A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231674(P2015-231674A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20151201BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   B41J29/00 D
   B41J2/01 301
   B41J29/00 S
   B41J2/01 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-118424(P2014-118424)
(22)【出願日】2014年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
(74)【代理人】
【識別番号】100116665
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和昭
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達也
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056FA10
2C056HA52
2C061AQ05
2C061BB02
2C061BB35
2C061CG03
2C061CG06
2C061CG07
(57)【要約】
【課題】小型化された記録装置内を引き回されるケーブルのノイズを安定して低減することができる記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置は被記録媒体に対する記録動作を制御する制御部と、制御部の制御に基づいて所定の移動方向に移動可能なキャリッジと、制御部とキャリッジとに接続され、所定の移動方向におけるキャリッジの移動領域の少なくとも一部の上方を横切る第1のケーブルと、第1のケーブルにおける所定の移動方向と交差する方向に延びる部分において少なくとも一部をシールドする金属部材とを備えている。さらに、記録装置は第1のケーブルを案内する、金属で形成された案内部材と、制御部を成す基板とを備えている。金属部材は当該金属部材と案内部材との間に第1のケーブルを挟んだ状態で案内部材に取り付けられ、金属部材は基板に設けられたグラウンドと電気的に接続されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に対する記録動作を制御する制御部と、
前記制御部の制御に基づいて所定の移動方向に移動可能なキャリッジと、
前記制御部と前記キャリッジとに接続され、前記所定の移動方向における前記キャリッジの移動領域の少なくとも一部の上方を横切る第1のケーブルと、
前記第1のケーブルにおける前記所定の移動方向と交差する方向に延びる部分において少なくとも一部をシールドする金属部材と、
を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記第1のケーブルを案内する、金属で形成された案内部材と、
前記制御部を成す基板と、
を備え、
前記金属部材は当該金属部材と前記案内部材との間に前記第1のケーブルを挟んだ状態で前記案内部材に取り付けられ、前記金属部材は前記基板に設けられたグラウンドと電気的に接続されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、
筐体と、
媒体を給送する給送部と、
を備え、
前記金属部材は、前記所定の移動方向と交差する装置高さ方向において前記筐体と前記案内部材との間の隙間に設けられるとともに、前記第1のケーブルにおいて前記所定の移動方向と交差する方向における前記キャリッジの移動領域から外れた部分で給送部寄りの位置に設けられている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記録装置において、前記金属部材は、前記所定の移動方向において前記給送部と前記筐体との間に設けられる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の記録装置において、前記案内部材において前記所定の移動方向と交差する方向における前記キャリッジの移動領域から外れた部分は、前記キャリッジの移動領域の上方に設けられた部分よりも装置高さ方向において下方に位置する段差部として形成され、
前記段差部に前記金属部材が取り付けられている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置において、前記キャリッジを前記所定の移動方向に駆動させる駆動源を備え、
前記案内部材の前記段差部は前記装置高さ方向において前記駆動源の上方に位置している、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項2ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録装置において、装置本体を形成する金属フレームを備え、
前記案内部材は前記金属フレームと接続されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載の記録装置において、前記金属フレームは互いに組み付けられて装置本体を形成する第1のフレーム及び第2のフレームを備え、
前記案内部材は、前記第1のフレームに接触し、
前記第2のフレームは、前記基板に直接又は間接に接触し、
前記金属部材は、前記案内部材、前記第1のフレーム及び前記第2のフレームを介して前記基板に設けられたグラウンドと電気的に接続されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の記録装置において、前記案内部材は前記所定の移動方向における前記キャリッジの移動領域の端部に設けられている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の記録装置において、前記制御部に指令を与える操作部を備え、
前記金属部材は、装置高さ方向において前記操作部の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項11】
請求項10に記載の記録装置において、前記操作部から延びて前記制御部に接続される第2のケーブルを備え、
前記金属部材は前記第2のケーブルをシールドする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項12】
被記録媒体に対する記録動作を制御する制御部と、
前記制御部に指令を与える操作部と、
前記制御部に接続された第1のケーブルと、
前記第1のケーブルの少なくとも一部をシールドする金属部材と、
を備え、
前記金属部材は、装置高さ方向において前記操作部の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップする、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターの一例としてのインクジェットプリンターでは、制御基板から制御対象、例えば媒体搬送機構や記録部等へ制御信号を伝達するための複数のケーブルや電源ケーブル等が前記プリンターの装置内部で引き回されている。
【0003】
例えば、信号を伝達するケーブル(以下「信号ケーブル」)と電源ケーブルとを近づけると前記電源ケーブルから漏れる電磁波の影響で前記信号にノイズが混入し、安定したデータ転送が阻害されることがある。その結果、プリンターにおいて誤動作や作動不良を引き起こす虞がある。
【0004】
前記ノイズへの対策方法の一つとして、信号ケーブルの周囲をフェライトコアで覆うことが行われている。しかしながら、この方法では、装置内部で引き回される信号ケーブルの経路においてフェライトコアを取り付けるためのスペースが必要となり、装置が大型化する虞がある。
【0005】
また、別の対策方法として、複数の金属を導電性のある樹脂素材で形成された部品を介して導通をとり、前記ノイズを前記樹脂素材の持つインピーダンスにより除去することができるものがある(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−299073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このプリンターでは、排出された記録紙に接触する金属製の除電ブラシと、当該除電ブラシに接触する、導電性樹脂で形成された除電キャップと、当該除電キャップが締結部材により固定されている金属側板と、を備えている。この除電ブラシは、前記記録紙に帯電した電荷をプリンターの筐体のグラウンドに逃すことにより取り除く役割を担っている。そして、前記除電キャップを導通経路上に挟むと当該除電キャップのインピーダンスによりノイズを減少させることができると記載されている。また、筐体内部における輻射ノイズの放射が課題となることが記載されている。
【0008】
しかしながら、導電性樹脂により樹脂部材を形成すると、その部材の成形条件によっては必ずしも導電物質が均一にならない。そして、樹脂部材における接触箇所により導電経路上のインピーダンスが変化してしまう。そして、前記樹脂部材におけるノイズの除去が安定しなくなる虞がある。また、導電性樹脂は樹脂素材に導電性を持たせる添加剤を添加することからコストが上昇する。
【0009】
また、ノイズの対策方法には使用する機器からノイズを出さないような対策を機器に施す(EMI)場合と、使用する機器が外部からノイズを受けても正常に動作するように耐ノイズ性を高める対策をする(EMC)場合の二種類ある。これらのノイズ対策を施した場合であっても、ノイズはケーブルの長さや場所により大きく変動する。特に、ケーブルの長さは基板の位置によって決まることとなる。そして、製品を小型化する場合には、基板が装置の背面側に位置し、ケーブルが装置の正面側に位置する場合が少なくない。したがって、ケーブル長が長くなり、外部からノイズの影響を受け易くなる。特に、ケーブルが記録ヘッドに接続されるFFC(フレキシブルフラットケーブル)である場合、記録ヘッドの誤動作、誤印字などの不具合が生じる虞がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、小型化された記録装置内を引き回されるケーブルのノイズを安定して低減することができる記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の記録装置は、被記録媒体に対する記録動作を制御する制御部と、前記制御部の制御に基づいて所定の移動方向に移動可能なキャリッジと、前記制御部と前記キャリッジとに接続され、前記所定の移動方向における前記キャリッジの移動領域の少なくとも一部の上方を横切る第1のケーブルと、前記第1のケーブルにおける前記所定の移動方向と交差する方向に延びる部分において少なくとも一部をシールドする金属部材とを備えることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、制御部に接続された第1のケーブルは、キャリッジの移動領域の少なくとも一部の上方を横切るので、所定の移動方向におけるキャリッジの移動領域の外側に第1のケーブルを通す空間を設ける必要がなくなり、所定の移動方向、つまり記録装置の幅方向における装置のサイズを小型化することができる。さらに、第1のケーブルには、当該ケーブルの所定の移動方向と交差する方向に延びる部分において少なくとも一部をシールドする金属部材を備えているので、金属部材が第1のケーブルに作用する外部からのノイズを遮り、当該第1のケーブルに作用するノイズを低減することができ、装置の誤動作を防ぐことができる。また、ノイズの除去を金属部材で行うことから樹脂材料を使用するよりもコストダウンを図ることができる。
【0013】
本発明の第2の態様の記録装置は、第1の態様において、前記第1のケーブルを案内する、金属で形成された案内部材と、前記制御部を成す基板とを備え、前記金属部材は当該金属部材と前記案内部材との間に前記第1のケーブルを挟んだ状態で前記案内部材に取り付けられ、前記金属部材は前記基板に設けられたグラウンドと電気的に接続されていることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、金属部材は当該金属部材と案内部材との間に第1のケーブルを挟んだ状態で案内部材に取り付けられ、当該金属部材は基板に設けられたグラウンドと電気的に接続されるので、外部からのノイズの影響を抑制できる。
【0015】
本発明の第3の態様の記録装置は、第2の態様において、筐体と、媒体を給送する給送部とを備え、前記金属部材は、前記所定の移動方向と交差する装置高さ方向において前記筐体と前記案内部材との間の隙間に設けられるとともに、前記第1のケーブルにおいて前記所定の移動方向と交差する方向における前記キャリッジの移動領域から外れた部分で給送部寄りの位置に設けられていることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、金属部材は第1のケーブルにおいて前記所定の移動方向と交差する方向におけるキャリッジの移動領域から外れた部分で給送部寄りの位置に設けられているので、金属部材がキャリッジの移動領域の上方に配置された状態に比べて、装置高さ方向における寸法を抑制することができる。つまり、装置高さ方向における装置の大型化を抑制することができる。
【0017】
本発明の第4の態様の記録装置は、第3の態様において、前記金属部材は前記所定の移動方向において前記給送部と前記筐体との間に設けられることを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の態様の記録装置は、第3の態様又は第4の態様において、前記案内部材において前記所定の移動方向と交差する方向における前記キャリッジの移動領域から外れた部分は、前記キャリッジの移動領域の上方に設けられた部分よりも装置高さ方向において下方に位置する段差部として形成され、前記段差部に前記金属部材が取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、金属部材は装置高さ方向においてキャリッジの移動領域の上方に設けられた部分よりも下方に位置する段差部に取り付けられているので、金属部材を案内部材におけるキャリッジの移動領域の上方に設けられた部分に取り付けた場合よりも下方側に位置させることができ、装置高さ方向における装置の大型化を抑制することができる。
【0020】
本発明の第6の態様の記録装置は、第5の態様において、前記キャリッジを前記所定の移動方向に駆動させる駆動源を備え、前記案内部材の前記段差部は前記装置高さ方向において前記駆動源の上方に位置していることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、案内部材は、キャリッジを駆動する駆動源の上方に位置している。つまり、第1のケーブルと駆動源との間に案内部材が位置していることとなる。これにより駆動源から漏れ出る電磁波を案内部材が遮り、第1のケーブルで伝達される電気信号へのノイズの影響を抑制することができる。
【0022】
本発明の第7の態様の記録装置は、第2から第6の態様のいずれか一の態様において、装置本体を形成する金属フレームを備え、前記案内部材は前記金属フレームと接続されていることを特徴とする。
【0023】
本発明の第8の態様の記録装置は、第7の態様において、前記金属フレームは互いに組み付けられて装置本体を形成する第1のフレーム及び第2のフレームを備え、前記案内部材、前記第1のフレーム、前記第2のフレーム、のこれらは導体であり、前記案内部材は、前記第1のフレームに接触し、前記第2のフレームは、前記基板に直接又は間接に接触し、前記金属部材は、前記案内部材、前記第1のフレーム及び前記第2のフレームを介して前記基板に設けられたグラウンドと電気的に接続されていることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、金属部材は案内部材、第1のフレーム及び第2のフレームを介して基板に設けられたグラウンドと電気的に接続されているので、金属部材が電気的にアースされ、第1のケーブルへのノイズの影響を安定して低減することができる。また、装置本体を構成するフレームを介して金属部材のアースの経路を構成することにより、別途金属部材のためのアース経路を構成する必要がないので、装置の構成を簡素化することができるとともに装置の大型化を抑制することができる。
【0025】
本発明の第9の態様の記録装置は、第2から第8のいずれか一の態様において、前記案内部材は前記所定の移動方向における前記キャリッジの移動領域の端部に設けられていることを特徴とする。
【0026】
本発明の第10の態様の記録装置は、第1から第9のいずれか一の態様において、前記制御部に指令を与える操作部を備え、前記金属部材は、装置高さ方向において前記操作部の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップすることを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、装置高さ方向において金属部材は操作部の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップするので、装置高さ方向において第1のケーブル、金属部材及び操作部を積み重ねて配置するよりも装置のサイズを小さくすることができる。したがって、記録装置の小型化を図ることができる。
【0028】
本発明の第11の態様の記録装置は、第10の態様において、前記操作部から延びて前記制御部に接続される第2のケーブルを備え、前記金属部材は前記第2のケーブルをシールドすることを特徴とする。
【0029】
本態様によれば、金属部材は第1のケーブルだけでなく、第2のケーブルもシールドしていることから、第1のケーブル及び第2のケーブルをそれぞれ別個の部材でシールドする必要がない。これにより、一部材で2つのケーブルをシールドするので、省スペース化を図ることができるとともにコストダウンを図ることができる。
【0030】
本発明の第12の態様の記録装置は、被記録媒体に対する記録動作を制御する制御部と、前記制御部に指令を与える操作部と、前記制御部に接続された第1のケーブルと、前記第1のケーブルの少なくとも一部をシールドする金属部材とを備え、前記金属部材は、装置高さ方向において前記操作部の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップすることを特徴とする。
【0031】
本態様によれば、装置高さ方向において金属部材は操作部の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップするので、装置高さ方向において第1のケーブル、金属部材及び操作部を積み重ねて配置するよりも装置のサイズを小さくすることができる。したがって、記録装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明に係る記録装置(以下、プリンターという)においてカバーが閉じた状態の外観斜視図。
図2】プリンターにおいてカバーが開いた状態の外観斜視図。
図3】プリンターにおける被記録媒体の搬送経路を示す側断面図。
図4】プリンターの内部構造を示す斜視図。
図5】キャリッジの移動領域L1を示す平面図。
図6】プリンターにおけるキャリッジの移動領域L1においてホームポジションと反対側の端部を示す斜視図。
図7】プリンターを構成するフレームの構造を示す斜視図。
図8】背面側主フレームとサイドフレームとの接続状態を示す斜視図。
図9】サイドフレームと制御基板との接続状態を示す斜視図。
図10】プリンターにおけるキャリッジの移動領域L1においてホームポジション側の端部を示す斜視図。
図11】プリンターの内部構造を背面側から見た斜視図。
図12】(A)はキャリッジの移動領域L1においてホームポジションと反対側の端部における案内部材とケーブルの配置状態を示す斜視図であり、(B)は案内部材に取り付けられた金属部材を示す斜視図。
図13】プリンターの背面側におけるケーブルの引き回し状態を示す背面図。
図14】プリンターにおける装置本体の下面を示す平面図。
図15】キャリッジの移動領域L1においてホームポジションと反対側の端部における案内部材及びケーブルの配置状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
【0034】
図1は本発明の一実施例に係る記録装置(以下、プリンターという)においてカバーが閉じた状態の外観斜視図であり、図2はプリンターにおいてカバーが開いた状態の外観斜視図であり、図3はプリンターにおける被記録媒体の搬送経路を示す側断面図であり、図4はプリンターの内部構造を示す斜視図であり、図5はキャリッジの移動領域L1を示す平面図である。
【0035】
図6はプリンターにおけるキャリッジの移動領域L1においてホームポジションと反対側の端部を示す斜視図であり、図7はプリンターを構成するフレームの構造を示す斜視図であり、図8はリアガイドフレームとサイドフレームとの接続状態を示す斜視図であり、図9はサイドフレームと制御基板との接続状態を示す斜視図であり、図10はプリンターにおけるキャリッジの移動領域L1においてホームポジション側の端部を示す斜視図である。
【0036】
図11はプリンターの内部構造を背面側から見た斜視図であり、図12(A)はキャリッジの移動領域L1においてホームポジションと反対側の端部における案内部材とケーブルの配置状態を示す斜視図であり、図12(B)は案内部材に取り付けられた金属部材を示す斜視図であり、図13はプリンターの背面側におけるケーブルの引き回し状態を示す背面図であり、図14はプリンターにおける装置本体の下面を示す平面図であり、図15はキャリッジの移動領域L1においてホームポジションと反対側の端部における案内部材及びケーブルの配置状態を示す断面図である。
【0037】
各図において示すX−Y−Z座標系はX方向が記録ヘッドの走査方向および装置幅方向、Y方向が記録装置の奥行き方向及び用紙搬送方向、Z方向が装置高さ方向を示している。尚、各図において−X軸方向をキャリッジのホームポジション側とし、−Y方向を装置前面側とし、+Y方向側を装置背面側とする。
【0038】
■■■プリンターの概要■■■■■■■
図1及び図2を参照して、記録装置の一例としてのインクジェットプリンター10(以下「プリンター10」という)の構成要素について説明する。プリンター10は、装置本体12(図4参照)と、装置本体12の周囲を覆って、プリンター10の外観を構成する「筐体」としてのハウジング14と、装置本体12に対して開閉可能なカバー部16と、カバー部16が開いた姿勢にある際に装置本体12の上部に露出する操作部18とを備えている。
【0039】
カバー部16は、前面カバー部20と上面カバー部22とを備えている。前面カバー部20は上面カバー部22に対して回動可能に取り付けられ、上面カバー部22は装置本体12に対して回動可能に取り付けられている。
【0040】
カバー部16が装置本体12に対して閉じた姿勢(図1参照)において、前面カバー部20は、ハウジング14の前面の一部を構成する。また、上面カバー部22は、閉じた姿勢においてハウジング14の上面14aの一部を構成する。
【0041】
一方、カバー部16が装置本体12に対して装置前方側(図2における−Y軸方向)から装置後方側(図2における+Y軸方向)へ向けて図2における反時計周り方向へ回動すると、図2に示す開いた姿勢となる。この姿勢において、前面カバー部20は上面カバー部22に対して回動し、前面カバー部20の内面20aと上面カバー部22の内面22aとはカバー部16の内面として一つの面を構成する。本実施例では、カバー部16が図2に示す装置本体12に対して開いた姿勢にある際、カバー部16の内面は、「媒体」としての用紙Pの載置面16aとして機能する。
【0042】
次いで、図2に示すようにカバー部16が閉じた姿勢(図1参照)から開いた姿勢に変化すると、装置本体12の上部には操作部18と、用紙供給口24とが露出し、装置本体12の前面には排出口26が露出する。操作部18は、プリンター10を操作するための電源ボタンや印刷設定ボタン、表示パネル等を備えて構成されている。
【0043】
また、用紙供給口24は、カバー部16の載置面16aに用紙Pが載置された際、載置面16aから装置本体12内部に用紙Pを供給する。また、排出口26は、載置面16aから用紙供給口24を介して装置本体12内に供給された用紙Pが、後述する記録部44により記録が実行された状態で装置前面側(図2における−Y軸方向側)に排出されることを許容する。
【0044】
次いで、図3を参照しながら用紙搬送経路上の構成要素についてさらに詳説する。図3において紙面右側(装置背面側)が給送経路上流であり、紙面左側(装置前面側)が給送経路下流となっている。また、図3における破線は、用紙Pの搬送経路PRを示している。
【0045】
給送経路上流側には、ハウジング14に対して開かれた状態のカバー部16の載置面16aから用紙を給送経路下流側に給送する「給送部」としての用紙供給部28が設けられている。用紙供給部28は、用紙供給口24と、該用紙供給口に設けられた一対の用紙ガイド30と、用紙供給口24から投入された用紙の少なくとも一部を支持する用紙支持部32と、該用紙支持部32と対向する位置に設けられた給送ローラー34とを備えている。尚、カバー部16と用紙支持部32とは、用紙Pを傾斜姿勢で支持する。
【0046】
用紙支持部32は、図3において紙面左側つまり搬送経路下流側に向かって下がり傾斜状に形成されている。また、給送ローラー34は、用紙支持部32に載置された用紙Pに対して接離方向に揺動可能に構成されている。給送ローラー34は、用紙支持部32に接近する方向に変位した際、用紙支持部32に載置された最上位の用紙Pと接し、該最上位の用紙Pを給送経路下流側に給送する。
【0047】
用紙供給部28の下流側には搬送部36が設けられている。搬送部36は、搬送駆動ローラー38と、搬送従動ローラー40とを備えている。搬送駆動ローラー38はローラー駆動モーター42(図9参照)により回転させられる。搬送部36は、用紙供給部28から給送された用紙Pを搬送駆動ローラー38と搬送従動ローラー40との間でニップして搬送方向下流側に搬送する。搬送部36の下流側には記録部44が設けられている。
【0048】
記録部44は、キャリッジ46と、該キャリッジの底部に設けられた記録ヘッド48と、該記録ヘッドに対向し、媒体を支持する支持部としてのプラテン50とを備えている。記録ヘッド48は、プラテン50に支持された媒体と対向する。尚、キャリッジ46には着脱可能にインクカートリッジ51が取り付けられている(図2及び図4参照)。インクカートリッジ51は記録ヘッド48にインクを供給する。
【0049】
また、図示しないがキャリッジ46の背面には、キャリッジ46の移動領域L1におけるキャリッジ46の位置を検出する検出手段としてのリニアスケール及びエンコーダーセンサーが設けられている。リニアスケールには装置幅方向に延びるとともに装置幅方向に沿って一定の間隔で複数のスリットが設けられている。エンコーダーセンサーは、キャリッジ46の移動に伴い、リニアスケールの前記スリットを読み取り、その情報を制御基板52、53に送信する。制御基板52、53は、その情報に基づいて、移動領域L1におけるキャリッジ46の位置を検出する。
【0050】
キャリッジ46は、装置本体12内部に設けられた「制御部」としての制御基板52、53(図14及び図15参照)により制御される「駆動源」としてのキャリッジ駆動モーター54(図6参照)によって「所定の移動方向」としての主走査方向(図3の紙面表裏方向すなわちX軸方向)に往復動する様に駆動される。また、プラテン50は、用紙Pを下方から支持することにより、媒体の記録面と記録ヘッド48のヘッド面との間の距離(ギャップ)を規定する。
【0051】
記録部44の搬送方向下流側には、排出部56が設けられている。排出部56は、排出駆動ローラー58と排出従動ローラー60とを備えている。記録部44で記録が実行された用紙Pは、排出駆動ローラー58と排出従動ローラー60とにニップされて装置前面に形成された排出口26から装置前方に向けて排出される。尚、排出駆動ローラー58はローラー駆動モーター42(図9参照)により回転させられる。
【0052】
また、制御基板52及び制御基板53(図14及び図15参照)は、操作部18からの入力指令に応じて、搬送部36、記録部44及び排出部56における用紙の給送、搬送、排出、記録動作等のプリンター10における用紙Pの記録実行に必要な動作を制御している。また、制御基板52、53は、キャリッジ駆動モーター54(図6参照)及びローラー駆動モーター42(図9参照)についてもその回転を制御している。尚、制御基板52及び制御基板53の構成については後述する。
【0053】
■■■装置本体の構成について■■■■
図4ないし図9を参照して装置本体12の構成について説明する。尚、後述する、「第1のケーブル」としてのケーブル74及び「第2のケーブル」としてのケーブル75の装置本体12内における引き回しについては装置本体12の構成の説明後に詳細に説明する。
【0054】
装置本体12は「第1のフレーム」としての背面側主フレーム62と、「第3のフレーム」としての前面側主フレーム64とを備えている。背面側主フレーム62は装置幅方向(図4におけるX軸方向)に延設されている。また、前面側主フレーム64は背面側主フレーム62に対して装置前方側に間隔をおいて配置されている。前面側主フレーム64も装置幅方向に延設されている。
【0055】
また、背面側主フレーム62及び前面側主フレーム64は金属材料で形成されている。本実施例では、一例としてアルミ合金で形成されている。また、背面側主フレーム62と前面側主フレーム64との間には、図7に示すようにプラテン50が設けられている。
【0056】
また、背面側主フレーム62には、図7に示すように装置幅方向に延びるガイドフレーム66が設けられている。また、前面側主フレーム64にも、図11に示すように装置幅方向に延びるガイドフレーム68が設けられている。ガイドフレーム66、68は、キャリッジ46を支持している。ガイドフレーム66、68の上面は、摺動面として構成されている。
【0057】
また、背面側主フレーム62において、後述するキャリッジ46のホームポジション側(図5における−X軸方向側)と反対側(図5における+X軸方向側)の端部にはキャリッジ駆動モーター54(図6参照)が設けられている。キャリッジ駆動モーター54には駆動プーリー(不図示)が取り付けられている。
【0058】
また、背面側主フレーム62においてキャリッジ46のホームポジション側(図5における−X軸方向側)の端部には従動プーリー(不図示)が駆動プーリー(不図示)の回転に応じて従動回転可能に設けられている。そして、駆動プーリーと従動プーリーとにはタイミングベルト70が掛けまわされている。また、タイミングベルト70の一部は、キャリッジ46の背面側においてキャリッジ46に把持されている。
【0059】
そして、制御基板52、53の制御に基づいてキャリッジ駆動モーター54を駆動させると、駆動プーリー(不図示)が回転駆動させられ、タイミングベルト70を駆動させる。これにより、キャリッジ46は、背面側主フレーム62及び前面側主フレーム64のガイドフレーム66、68に支持された状態で、当該ガイドフレーム66、68上を装置幅方向つまり図4及び図5におけるX軸方向に摺動する。
【0060】
尚、キャリッジ46は図5に示すキャリッジ46の移動領域L1の範囲内において装置幅方向に移動可能である。また、移動領域L1において−X軸方向側の端部(図5における紙面右側の端部)はキャリッジ46のホームポジションに設定されている。
【0061】
次いで、図4ないし図6を参照するに、キャリッジ46の移動領域L1(図4及び図5参照)において用紙Pの搬送経路の領域L2(図4及び図5参照)から外れた位置、つまり移動領域L1におけるホームポジション側と反対側の端部には案内部材72が設けられている。案内部材72は装置奥行き方向に延び、装置本体12の前面側(−Y軸方向側)で装置高さ方向における下方側(−Z軸方向)に曲げられて前面側主フレーム64に取り付けられている。
【0062】
また、案内部材72は、図8に示すようにその一部が折り曲げられ、背面側主フレーム62と接触するように背面側主フレーム62に取り付けられている。また、案内部材72は、背面側主フレーム62に取り付けられたキャリッジ駆動モーター54の装置高さ方向上方側(+Z軸方向側)を通って装置本体12の背面側(+Y軸方向側)に延びている。尚、本実施例において、案内部材72は、静電気等の影響を低減するために金属材料で形成されている。尚、本実施例では、案内部材72は軽量化のため、アルミ合金で形成されている。
【0063】
案内部材72は、背面側主フレーム62と前面側主フレーム64とを接続しているので、案内部材72を介して背面側主フレーム62と前面側主フレーム64が互いに支えあうこととなり、剛性が増加する。したがって、案内部材72は背面側主フレーム62と前面側主フレーム64を補強することができる。
【0064】
また、案内部材72において上面は、後述するケーブル74を配置して案内する案内面72aとして構成されている。また、案内部材72の一部、すなわちホームポジション側の端部には、装置奥行き方向に沿って延びる折り曲げ部76が設けられている。折り曲げ部76は案内面72aから上方に突出し、ケーブル74のガイドとして機能する。また、案内部材72は板状部材として形成されているので、ホームポジション側の端部に設けられた折り曲げ部76は案内部材72を補強する補強部としても機能する。
【0065】
また、案内部材72は、図6に示すように装置奥行き方向におけるキャリッジ46の移動領域L1から外れた位置にまで、装置後方側に向かって延びている。そして、装置奥行き方向において案内部材72におけるキャリッジ46の移動領域L1から外れた部分は、キャリッジ46を駆動するキャリッジ駆動モーター54の上方(+Z軸方向側)に位置している。つまり、後述するケーブル74とキャリッジ駆動モーター54との間に案内部材72が位置していることとなる。これによりキャリッジ駆動モーター54から漏れ出る電磁波を案内部材72が遮り、ケーブル74で伝達される電気信号へのノイズの影響を抑制することができる。
【0066】
また、案内部材72において図6及び図12(B)に示すように装置奥行き方向におけるキャリッジ46の移動領域L1から外れた位置は、キャリッジ46の移動領域L1の上方に位置する部分つまり案内面72aよりも装置高さ方向において下方に位置している。つまり、案内部材72においてキャリッジ46の移動領域L1から外れた部分はキャリッジ46の移動領域L1の上方に位置する案内面72aに対して装置高さ方向において下方に位置する段差部72bとして形成されている。
【0067】
また、図6に示すように案内部材72における段差部72bには金属部材78が締結部材80により取り付けられている。本実施例において締結部材80はネジとして構成されている。金属部材78は、案内部材72上に配置されたケーブル74をシールドするように案内部材72に取り付けられる(図12(B)参照)。
【0068】
すなわち、金属部材78は装置高さ方向においてキャリッジ46の移動領域の上方に設けられた案内面72aよりも下方に位置する段差部72bに取り付けられているので、金属部材78を案内部材72の案内面72aに取り付けた場合よりも金属部材78の装置高さ方向における位置を下方側に位置させることができ、装置高さ方向におけるプリンター10の大型化を抑制することができる。
【0069】
金属部材78は全体として板状の部材として構成され、金属素材により形成されている。本実施例では、一例としてアルミ合金で形成されている。金属部材78は、装置奥行き方向に延びるとともに、装置奥行き方向における両端部は装置高さ方向における上方に曲げられている。つまり、金属部材78の装置奥行き方向の両端部は上方に逃げているので、ケーブル74を傷つける虞を抑制することができる。
【0070】
また、金属部材78の装置奥行き方向の中央部において装置幅方向のホームポジション側も装置高さ方向において上方に曲げられている。この曲げ部分は操作部18から金属部材78の下方を通る、後述するケーブル75を傷つける虞を抑制することができる。
【0071】
また、図12(B)に示すように金属部材78の装置幅方向のホームポジション側において前記中央部の両側にはフック79が形成され、金属部材78を案内部材72に取り付ける際、案内部材72と嵌合するように構成されている。また、金属部材78の装置幅方向のホームポジション側と反対側の部位は装置高さ方向における下方に折り曲げられ、締結部材80により案内部材72に取り付けられるように構成されている。
【0072】
尚、本実施例において案内部材72及び金属部材78は共に金属素材で形成されており、締結部材80により金属部材78を案内部材72を取り付けること、あるいは金属部材78に形成されたフック79により案内部材72と嵌合することにより案内部材72と金属部材78とを接触させて導通を図ることができる。
【0073】
次いで、図6ないし図9を参照して「第2のフレーム」としてのサイドフレーム82について説明する。サイドフレーム82は、装置本体12において装置幅方向におけるホームポジション側と反対側の端部(図6及び図7における+X軸方向側)に配置されている。
サイドフレーム82は装置奥行き方向において装置前面側から装置背面側まで延びており、締結部材84により背面側主フレーム62に取り付けられている(図8参照)。尚、本実施例において締結部材84はネジとして構成されている。
【0074】
また、サイドフレーム82には、複数の歯車から構成されるローラー駆動機構86が設けられている。ローラー駆動機構86は、装置幅方向のホームポジションと反対側の端部(図6における+X軸方向側の端部)において装置底面側(図6における−Z軸方向側)に位置している。
【0075】
また、図9に示すように装置本体12の背面側(図9における+Y軸方向側)において装置幅方向のホームポジションと反対側の端部(+X軸方向側の端部)にローラー駆動モーター42が設けられている。
【0076】
ローラー駆動機構86は、装置本体12の背面側(図9における+Y軸方向側)に設けられたローラー駆動モーター42の駆動力を当該ローラー駆動モーター42の駆動軸に取り付けられた歯車88aから複数の歯車を介して搬送駆動ローラー38を駆動させる歯車88bに伝達して搬送駆動ローラー38を駆動させる。さらに歯車88bから複数の歯車を介して装置本体12の前面側(図5における−Y軸方向側)に位置する歯車88cへローラー駆動モーター42の駆動力を伝達して排出駆動ローラー58を駆動させる。
【0077】
つまり、ローラー駆動機構86は用紙Pを搬送する搬送手段である搬送駆動ローラー38及び排出駆動ローラー58に対してローラー駆動モーター42の動力を伝達する動力伝達機構として構成されている。
【0078】
また、サイドフレーム82において装置奥行き方向の装置背面側には、接続部材90が設けられている。接続部材90は、金属素材で形成されている。接続部材90は、サイドフレーム82と制御基板53とを電気的に接続するように構成されている。具体的には、
接続部材90の一方の端部はサイドフレーム82に締結部材92により取り付けられ、他方の端部は制御基板53に締結部材94により取り付けられている。尚、本実施例において締結部材92、94はネジとして構成されている。
【0079】
ここで、制御基板52及び制御基板53について説明する。制御基板52及び制御基板53は複数の電子部品を備え、プリンター10における制御部として構成されている。制御基板52は図15に示すように装置本体12の底面に配置されている。一方、制御基板53は、図9図11及び図14に示すように装置本体12の背面側の端部に設けられている。制御基板52と制御基板53とは電気的に接続されている。また、図示しないが、制御基板52及び制御基板53の少なくとも一方にはグラウンドが設けられている。当該グラウンドを介して制御基板52及び制御基板53をアースすることができる。
【0080】
ここで、再度図6図8及び図9を参照するに、金属部材78は案内部材72と接触し、案内部材72は背面側主フレーム62と接触し、背面側主フレーム62はサイドフレーム82と接触している。そして、サイドフレーム82は接続部材90を介して制御基板53と接触している。したがって、金属部材78は、案内部材72、背面側主フレーム62、サイドフレーム82、接続部材90を介して制御基板53に電気的に接続されている。これにより、金属部材78は制御基板52又は制御基板53のグラウンド(不図示)によりアース(接地)される。
【0081】
つまり、金属部材78は案内部材72、背面側主フレーム62及びサイドフレーム82を介して制御基板52、53に設けられたグラウンドと電気的に接続されているので、金属部材78が電気的にアースされ、ケーブル74へのノイズの影響を安定して低減することができる。また、装置本体12を構成する背面側主フレーム62を介して金属部材78のアースの経路を構成することにより、別途金属部材78のためのアース経路を構成する必要がないので、プリンター10の構成を簡素化することができるとともにプリンター10の大型化を抑制することができる。
【0082】
■■■ケーブルの引き回しについて■■■■
<<<キャリッジから制御基板へのケーブルの引き回しについて>>>
次いで、図10ないし図15を参照してケーブル74及びケーブル75の装置本体12内における引き回しについて説明する。ケーブル74はキャリッジ46と制御基板52との間で制御信号及びデータの送受信を行うFFC(フレキシブルフラットケーブル)として構成されている。すなわち、ケーブル74の一端はキャリッジ46に接続され、他端は制御基板52に接続されている。
【0083】
尚、本実施例においてケーブル75の他端は3つに分けられ、それぞれ制御基板52に接続されている。ケーブル75における3つの他端のうち第一の他端は、キャリッジ46と制御基板52との間でリニアエンコーダー(不図示)の制御信号の送受信を行い、第2の他端はキャリッジ46と制御基板52との間でキャリッジ46に着脱可能に取り付けられるインクカートリッジ51の認識信号の送受信を行い、第3の他端はキャリッジ46と制御基板52との間で記録ヘッド48の制御信号の送受信を行う。
【0084】
また、ケーブル75は操作部18と制御基板52との間で制御信号及びデータの送受信を行うFFC(フレキシブルフラットケーブル)として構成されている。すなわち、ケーブル75の一端は操作部18に接続され、他端は制御基板52に接続されている。
【0085】
まず、キャリッジ46が移動領域L1内においてホームポジション側の端部(図10における−X軸方向側の端部)に位置する際のケーブル74の引き回しについて説明する。図10を参照するにキャリッジ46の背面側(図10における+Y軸方向側)にはケーブル74の一端が接続されている。背面側から延びるケーブル74はキャリッジ46のホームポジション側の端部(図10における−X軸方向側の端部)に沿って装置奥行き方向の背面側(+Y軸方向側)から前面側(−Y軸方向側)へ延びている。
【0086】
キャリッジ46の前面側(−Y軸方向側)へ引き回されたケーブル74は図11に示すように前面側主フレーム64の背面に沿って装置幅方向においてホームポジション側(図11における−X軸方向側)から当該ホームポジションと反対の側の端部(図11における+X軸方向側の端部)に向けて延びている。
【0087】
ここで、図11に示すように前面側主フレーム64の背面には、複数のフック96が設けられている。本実施例において、フック96は、前面側主フレーム64の背面において装置幅方向の中央部及びホームポジションと反対側の端部(図11における+X軸方向側の端部)にそれぞれ設けられている。フック96は、ケーブル74を前面側主フレーム64の背面に掛止する。
【0088】
次いで、図5に示すようにキャリッジ46の装置幅方向における移動、例えば、キャリッジ46のホームポジション方向側端部(図5における−X軸方向側)から反対側端部(図5における+X軸方向側)への移動の際、ケーブル74はキャリッジ46の装置幅方向における移動に応じて、前面側主フレーム64の背面の装置幅方向中央部に配置されたフック96を支点としてキャリッジ46の移動領域L1内において湾曲しながらキャリッジ46の移動に追従する。
【0089】
つまり、図5に示すように前面側主フレーム64の背面に掛止されているケーブル74において背面の装置幅方向中央部に配置されたフック96からホームポジション側の端部までの間の部分は背面から装置奥行き方向の装置背面側に離間可能であるのでキャリッジ46の移動に伴って、キャリッジ46の移動領域L1内において湾曲することができ、キャリッジ46の移動に追従することができる。
【0090】
次に図11及び図12(A)に示すように前面側主フレーム64のホームポジションと反対側の端部(図11及び図12(A)における+X軸方向側端部)において、ケーブル74は前面側主フレーム64の背面側から前面側に折り返される。前面側主フレーム64の前面側に折り返されたケーブル74は、装置高さ方向における上方に曲げられ、案内部材72に沿って案内面72aまで延びる。
【0091】
更に、ケーブル74は案内部材72の案内面72aで向きを装置奥行き方向の背面側へ変えて案内面72aに沿って装置背面側へ引き回されている。尚、ケーブル74は、案内部材72の案内面72aに図示しない粘着部材等で貼り付けられている。また、折り曲げ部76は、案内面72a上のケーブル74を装置奥行き方向に沿って案内している。
【0092】
次に、案内部材72の案内面72aに沿って延びるケーブル74は、装置奥行き方向においてキャリッジ46の移動領域L1から外れた位置で案内部材72に取り付けられた金属部材78の下方を通る。すなわち、ケーブル74は、案内部材72と金属部材78とに装置高さ方向において挟まれた状態となる。これにより、ケーブル74の上面側が金属部材78によりシールドされ、ケーブル下面側が案内部材72によりシールドされる。
【0093】
また、金属部材78は当該金属部材78と案内部材72との間にケーブル74を挟んだ状態で案内部材72に取り付けられるので、ケーブル74のばたつきや振動を抑制でき、これによりケーブル74のばたつきや振動に伴うノイズの影響を抑制できる。また、金属部材78は制御基板52、53に設けられたグラウンドと電気的に接続されるので、外部からのノイズの影響を抑制できる。
【0094】
次いで、図13及び図14を参照して、プリンター10の装置幅方向におけるホームポジションと反対側の端部(図13における+X軸方向側の端部)で背面側(図11(A)におけるY軸方向側)に引き回されたケーブル74は、ここで向きを変え、装置幅方向のホームポジション側(図13における−X軸方向側)へ延びる。そして、ケーブル74はプリンター10の装置幅方向における中央部で再度向きをプリンター10の装置高さ方向の下方側つまり−Z軸方向側へ変えてプリンター10の下面側へと向かう。そして、図14に示すようにケーブル74の他端はプリンター10の下面に設けられた制御基板52に接続されている。
【0095】
また、図11図12(A)、図13及び図14に示すように、操作部18は装置奥行き方向において背面側主フレーム62の装置背面側(図11及び図12(A)における+Y軸方向側)に配置されている。そして、操作部18の装置幅方向におけるホームポジションと反対側の端部(図11における+X軸方向側の端部)に一端が接続されたケーブル75は、操作部18からホームポジションと反対側へ延びて案内部材72の上面へと向かう。そして、ケーブル75は装置高さ方向における案内部材72と金属部材78との間に引き入れられる。
【0096】
ケーブル75の案内部材72から制御基板52への引き回しについてはケーブル74と同様であるので説明を省略する。尚、ケーブル75の他端は制御基板52に接続されている。
【0097】
つまり、本実施例では制御基板52に接続されたケーブル74は、キャリッジ46の移動領域L1の少なくとも一部の上方を横切るので、所定の移動方向である装置幅方向におけるキャリッジ46の移動領域L1の外側にケーブル74を通す空間を設ける必要がなくなるので、所定の移動方向、つまり記録装置の幅方向における装置のサイズを小型化することができる。さらに、ケーブル74には、当該ケーブル74の所定の移動方向と交差する方向である装置奥行き方向に延びる部分において少なくとも一部をシールドする金属部材78を備えているので、金属部材78がケーブル74に作用する外部からのノイズを遮り、ケーブル74に作用するノイズを安定して低減することができ、装置の誤動作を防ぐことができる。また、ノイズの除去を金属部材78で行うことから樹脂材料を使用するよりもコストダウンを図ることができる。
【0098】
本実施例において金属部材78はケーブル74だけでなく、ケーブル75もシールドしていることから、ケーブル74及びケーブル75をそれぞれ別個の部材でシールドする必要がなくなる。これにより、一つの部材で2つのケーブル74、75をシールドするので、省スペース化を図ることができるとともにコストダウンを図ることができる。
【0099】
■■■案内部材及び金属部材の装置本体におけるレイアウトについて■■■■
図15を参照して、操作部18と、案内部材72及び金属部材78との位置関係について説明する。操作部18は、装置本体12においてカバー部16を装置本体12に対して開いた状態(図2参照)とした際、装置本体12の上面において露呈するように配置されている。したがって、操作部18は装置本体12において装置高さ方向上方側に位置している。本実施例では、装置高さ方向において案内部材72、金属部材78及び案内部材72及び金属部材78に挟まれたケーブル74、75は、操作部18の配置領域の少なくとも一部がオーバーラップするように配置されている。
【0100】
つまり、装置高さ方向において金属部材78は操作部18の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップするので、装置高さ方向において金属部材78にシールドされるケーブル74、75と、金属部材78と、操作部18とを積み重ねて配置するよりも装置高さ方向における装置のサイズを小さくすることができる。したがって、プリンター10の小型化を図ることができる。
【0101】
<<<実施例の変更例>>>
(1)本実施例においてサイドフレーム82と制御基板53とを接続部材90を介して、つまり間接的に接触させる構成としたが、この構成に代えて、サイドフレーム82と制御基板53とを直接接触させる構成としてもよい。
(2)本実施例では、案内部材72の段差部72bに金属部材78を取り付ける構成としたが、案内面72aに金属部材78を取り付けてケーブル74をシールドする構成としてもよく、あるいは前面側主フレーム64の背面に取り付けて前記背面に引き回されているケーブル74をシールドする構成としてもよい。
(3)本実施例では、案内部材72及び金属部材78を別体で構成し、案内部材72に金属部材78を取り付ける構成としたが、この構成に代えて、案内部材72に曲げ加工を施し、ケーブル74、75をシールドする構成としてもよい。
【0102】
上記説明をまとめると、本実施例におけるプリンター10は、用紙Pに対する記録動作を制御する制御基板52、53と、当該制御基板52、53の制御に基づいて所定の移動方向である装置幅方向に移動可能なキャリッジ46と、制御基板52、53とキャリッジ46とに接続され、装置幅方向におけるキャリッジ46の移動領域の少なくとも一部の上方を横切るケーブル74と、当該ケーブル74における所定の移動方向と交差する方向である装置奥行き方向に延びる部分においてケーブル74の少なくとも一部をシールドする金属部材78とを備えている。
【0103】
またプリンター10は、ケーブル74を案内する、金属で形成された案内部材72と、前記制御部を成す制御基板52、53とを備え、金属部材78は当該金属部材78と案内部材72との間にケーブル74を挟んだ状態で案内部材72に取り付けられ、金属部材78は制御基板53、53に設けられたグラウンドと電気的に接続されている。
【0104】
また、プリンター10はハウジング14と、用紙を給送する用紙供給部28とを備えている。金属部材78は、所定の移動方向と交差する装置高さ方向においてハウジング14と案内部材72との間の隙間に設けられるとともに、ケーブル74において所定の移動方向と交差する方向である装置奥行き方向におけるキャリッジ46の移動領域から外れた部分で用紙供給部28寄りの位置に設けられている。したがって、金属部材78がキャリッジ46の移動領域の上方に配置された状態に比べて、装置高さ方向における寸法を抑制することができる。つまり、装置高さ方向におけるプリンター10の大型化を抑制することができる。
【0105】
また、プリンター10において金属部材78は所定の移動方向である装置幅方向において用紙供給部28とハウジング14との間に設けられている。
【0106】
また、プリンター10において案内部材72において所定の移動方向と交差する方向である装置奥行き方向におけるキャリッジ46の移動領域L1から外れた部分は、キャリッジ46の移動領域の上方に設けられた部分である案内面72aよりも装置高さ方向において下方に位置する段差部72bとして形成されている。段差部72bには金属部材78が取り付けられている。
【0107】
また、プリンター10はキャリッジ46を所定の移動方向である装置幅方向に駆動させるキャリッジ駆動モーター54を備えている。案内部材72の段差部72bは装置高さ方向においてキャリッジ駆動モーター54の上方に位置している。
【0108】
また、プリンター10において、装置本体12を形成する金属フレーム62、82を備え、案内部材72は金属フレーム62、82と接続されている。
【0109】
また、プリンター10において、金属フレーム62、82は互いに組み付けられて装置本体12を形成する背面側主フレーム62及びサイドフレーム82を備えている。案内部材72は、背面側主フレーム62に接触し、サイドフレーム82は、制御基板53に直接又は間接に接触している。金属部材78は、案内部材72、背面側主フレーム62及びサイドフレーム82を介して制御基板53に設けられたグラウンドと電気的に接続されている。
【0110】
また、プリンター10において案内部材72は所定の移動方向である装置幅方向におけるキャリッジ46の移動領域L1の端部に設けられている。また、プリンター10は制御部である制御基板52、53に指令を与える操作部18を備えている。金属部材78は、装置高さ方向において操作部18の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップしている。
【0111】
プリンター10は、操作部18から延びて制御部である制御基板52に接続されるケーブル75を備えている。金属部材78はケーブル75もシールドしている。
【0112】
プリンター10は、被記録媒体に対する記録動作を制御する制御基板52、53と、当該制御基板52、53に指令を与える操作部18と、制御基板52に接続されたケーブル74と、ケーブル74の少なくとも一部をシールドする金属部材78とを備えている。金属部材78は、装置高さ方向において操作部18の配置領域の少なくとも一部とオーバーラップしている。
【0113】
また、本実施形態では本発明に係る金属部材78を記録装置の一例としてのインクジェットプリンターに適用したが、その他液体噴射装置一般に適用することも可能である。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンター、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含むものである。
【0114】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0115】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
10 プリンター、12 装置本体、14 ハウジング、14a 上面、16 カバー部、
16a 載置面、18 操作部、20 前面カバー部、20a 内面、
22 上面カバー部、22a 内面、24 用紙供給口、26 排出口、
28 用紙供給部、30 用紙ガイド、32 用紙支持部、34 給送ローラー、
36 搬送部、38 搬送駆動ローラー、40 搬送従動ローラー、
42 ローラー駆動モーター、44 記録部、46 キャリッジ、48 記録ヘッド、
50 プラテン、51 インクカートリッジ、52、53 制御基板、
54 キャリッジ駆動モーター、56 排出部、58 排出駆動ローラー、
60 排出従動ローラー、62 背面側主フレーム、64 前面側主フレーム、
66、68 ガイドフレーム、70 タイミングベルト、72 案内部材、
72a 案内面、72b 段差部、74、75 ケーブル、76 折り曲げ部、
78 金属部材、79、96 フック、80、84、92、94 締結部材、
82 サイドフレーム、86 ローラー駆動機構、88a、88b、88c 歯車、
90 接続部材、L1 移動領域、L2 用紙Pの搬送領域、P 用紙、
PR 搬送経路
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