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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231705(P2015-231705A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】印刷装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20151201BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20151201BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 E
   G06F3/12 D
   G06F3/12 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-119571(P2014-119571)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鴛海 真
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061CG15
2C061HJ06
2C061HK11
2C061HK23
2C061HN15
2C061HQ06
2C061HQ20
(57)【要約】
【課題】印刷データを取得する通信手段によって印刷順序を制御する。
【解決手段】印刷装置10は、複数の端末20から印刷データを受信する印刷データ受信部101と、印刷データ受信部101が受信した印刷データを格納する印刷データ格納部103と、端末20と印刷データ受信部101の間の通信手段を判定する通信手段判定部102とを備えている。印刷順序調整部104は、通信手段判定部102が印刷データ受信部101が印刷データを受信したときの通信手段ごとに関連付けられた印刷順序の優先度に応じて、受信した印刷ジョブと印刷データ格納部103に格納されている他の印刷ジョブとの間の印刷順序を調整する。この印刷順序の調整の結果、割り込まれた側の印刷ジョブを他の印刷装置に転送するかどうかを判断する制御も行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した印刷データを格納する印刷データ格納部と、
近距離無線通信で受信する印刷データの印刷の順序を、前記印刷データ格納部に格納されている印刷データの印刷の順序より高く調整する印刷順序調整部と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記印刷順序調整部は、第1の印刷データの印刷が完了した後、第2の印刷データを印刷する予定である場合であって、前記第1の印刷データの印刷中に、前記近距離無線通信で印刷データを受信した場合には、前記第2の印刷データの印刷より先に前記近距離無線通信で受信した印刷データを印刷する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷順序調整部は、第1の印刷データの印刷中に、前記近距離無線通信で印刷データを受信した場合に、前記第1の印刷データの印刷を中断し前記近距離無線通信で受信した印刷データを印刷する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷順序調整部は、同一ユーザの認証印刷の2つの印刷データが連続して印刷される予定の場合に、前記近距離無線通信で受信した印刷データを、前記2つの印刷データの印刷が完了した後に印刷させる請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷順序調整部の調整により印刷ジョブの割り込みがあった場合、割り込まれた側の印刷ジョブのデータサイズが、他の印刷装置の印刷機能及び前記他の印刷装置に蓄積された印刷ジョブのデータサイズより小さい場合に、前記割り込まれた側の印刷ジョブを前記他の印刷装置に転送する印刷ジョブ転送部を備える請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
受信した印刷データを印刷データ格納部に格納するステップと、
近距離無線通信で受信する印刷データの印刷の順序を、前記印刷データ格納部に格納されている印刷データの印刷の順序より高く調整するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の印刷データが並行して入力された場合に、印刷データのデータサイズに基づいて、印刷する優先順序を決定する印刷装置が知られている。例えば、特許文献1には、印刷データが入力される複数のポートを有し、複数の印刷データを並行して受信可能な受信手段と、印刷データを印刷処理に移行させる前に一旦蓄積するスプール装置と、上記複数のポートの優先順位を決定するとともに、複数のポート手段それぞれに印刷データが受信された場合に、優先順位の高いポート手段の印刷データから優先的に印刷処理へ移行させる印刷制御手段とを備え、印刷制御手段は、各ポートに入力された印刷データのデータサイズを判定し、データサイズに基づいて各ポートの優先順位を決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−334731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷ジョブの優先順位は、データサイズだけでなく、印刷の待ち時間や印刷ジョブの緊急度を考慮する必要がある。しかし、印刷ジョブの優先順位の設定は、通常、印刷要求を出す端末上等で、ユーザがその都度行わなければならず面倒である。本発明は、印刷データを取得した際の通信手段によって印刷順序を制御する印刷装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、受信した印刷データを格納する印刷データ格納部と、近距離無線通信で受信する印刷データの印刷の順序を、前記印刷データ格納部に格納されている印刷データの印刷の順序より高く調整する印刷順序調整部と、を備える印刷装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記印刷順序調整部は、第1の印刷データの印刷が完了した後、第2の印刷データを印刷する予定である場合であって、前記第1の印刷データの印刷中に、前記近距離無線通信で印刷データを受信した場合には、前記第2の印刷データの印刷より先に前記近距離無線通信で受信した印刷データを印刷する請求項1に記載の印刷装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記印刷順序調整部は、第1の印刷データの印刷中に、前記近距離無線通信で印刷データを受信した場合に、前記第1の印刷データの印刷を中断し前記近距離無線通信で受信した印刷データを印刷する請求項1に記載の印刷装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記印刷順序調整部は、同一ユーザの認証印刷の2つの印刷データが連続して印刷される予定の場合に、前記近距離無線通信で受信した印刷データを、前記2つの印刷データの印刷が完了した後に印刷させる請求項1に記載の印刷装置である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記印刷順序調整部の調整により印刷ジョブの割り込みがあった場合、割り込まれた側の印刷ジョブのデータサイズが、他の印刷装置の印刷機能及び前記他の印刷装置に蓄積された印刷ジョブのデータサイズより小さい場合に、前記割り込まれた側の印刷ジョブを前記他の印刷装置に転送する印刷ジョブ転送部を備える請求項1に記載の印刷装置である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、受信した印刷データを印刷データ格納部に格納するステップと、近距離無線通信で受信する印刷データの印刷の順序を、前記印刷データ格納部に格納されている印刷データの印刷の順序より高く調整するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の記載の発明によれば、印刷データを取得した際の通信手段によって印刷順序を制御する印刷装置を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、優先度の高い通信手段で受信した印刷ジョブを実行中の印刷ジョブの次に印刷させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、実行中の印刷ジョブがあってもそれを中断させ、優先度の高い通信手段で受信した印刷ジョブの印刷待ち時間を最小にすることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、実行中の印刷ジョブが認証印刷であった場合に、先行する他の印刷ジョブを考慮して、優先度の高い通信手段で受信した印刷ジョブを割り込ませる印刷順序の位置を決定することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、優先度の高い通信手段の印刷ジョブが割り込んだ場合、割り込まれた側の印刷ジョブを他の印刷装置に転送し、割り込まれた側の印刷ジョブの遅延を少なくすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、印刷データを取得する手段によって印刷順序を制御するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係るシステム構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る印刷装置10の機能構成の一例を示す図である。
図3】印刷ジョブ管理テーブル201の一例を示す図である。
図4】プリンタ管理テーブル202の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る印刷ジョブの全体処理フローを示す図である。
図6】本実施形態に係る印刷ジョブの実行順処理フローを示す図である。
図7】印刷ジョブ管理テーブル201の状態の変化の一例を示す図である。
図8】印刷ジョブ管理テーブル201の状態の変化の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る印刷ジョブ転送時の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(機能構成)
図1は、本実施形態に係るシステム構成の一例を示す図である。図示するように、印刷装置10(以下、単にプリンタと呼ぶことがある)は、複数の端末20と、有線ネットワーク及び無線ネットワークを介して接続されている。有線ネットワークは、主にイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))であるがこれに限定されない。無線ネットワークは、無線LANルータ等のアクセスポイント30を経由する無線ネットワーク1と、イーサネット(登録商標)やアクセスポイント30を経由せずに、端末どうしが直接接続して更新するアドホック型の無線ネットワーク2がある。無線ネットワーク2には、例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity;登録商標)ダイレクト(以後、「無線ダイレクト」と呼ぶことにする)やBluetooth(登録商標)等の通信方式があるが、これらに限定されるものではない。印刷装置10は、上記の有線ネットワーク及び無線ネットワーク1,2を介して、端末20から印刷データを受信し、印刷を行う。ここで、印刷装置10は、いずれのネットワークの通信手段からも並行して印刷データを受信可能であり、後述するように、受信した複数の印刷データを印刷ジョブとして内部に格納し、印刷順序を調整する機能を有している。
【0020】
有線ネットワークと無線ネットワーク1は、事業所等の内部でインフラとして構築されたネットワークであり、両者を合わせてインフラネットワーク又はプライベートネットワークと呼ぶことにする。一般にインフラネットワークには、その事業所等に勤務するユーザの登録された端末だけが接続可能である。一方、無線ネットワーク2は、近距離無線通信として利用され、インフラネットワークには接続できないユーザが一時的に印刷装置10を使用したい場合に使用するネットワークである。無線ネットワーク2は、例えば、その事業所を訪問した顧客や他の事業所の従業員等のゲストユーザが、打ち合わせや会議の前等に文書を印刷したい場合に利用することが考えられる。事業所には、一般企業の他、ホテル、空港、市役所、病院等が考えられる。
【0021】
図2は、本実施形態に係る印刷装置10の機能構成の一例を示す図である。本実施形態の印刷装置10は、端末20との通信手段100、印刷データ受信部101、通信手段判定部102、印刷データ格納部103、印刷順序調整部104、印刷処理部105、印刷ジョブ転送部106を備えている。特に、印刷処理部105を除いた部分を印刷制御部11と呼ぶことがある。
【0022】
印刷データ受信部101は、複数の端末20から、印刷データ(印刷ジョブ)を複数の通信手段100を介して受信する。通信手段100は、上記のネットワークごとに通信インターフェース(通信IF)を備え、例えば、上記の有線ネットワークは通信IF部A,無線ネットワーク1を通信IF部B,無線ネットワーク2を通信IF部Cが制御するものとする。
【0023】
通信手段判定部102は、印刷データ受信部101が端末20から印刷データを受信する際に、通信IF部A,B,Cのどの通信手段を使用したかを判定する。各通信手段には、予め印刷順序の優先度が関連付けられている。例えば、無線ネットワーク2を優先度1、無線ネットワーク1を優先度2、有線ネットワークを優先度3等とする。有線ネットワークと無線ネットワーク1は、特に区別せずにインフラネットワークとし、同じ優先度に関連付けてもよい。
【0024】
印刷データ格納部103は、受信した印刷データを印刷ジョブとして、内部又は外付けの記憶装置に格納する印刷ジョブの格納手段(スプーラとも呼ぶ)である。印刷データ格納部103に格納された印刷ジョブは、印刷ジョブごとに受信したときの通信手段に応じて印刷順序(優先順位)が決められるが、印刷データを受信したときの通信手段の優先順位が同じ場合は、印刷データを受信した順にその印刷ジョブが実行される。
【0025】
印刷順序調整部104は、通信手段判定部102が判定した通信手段に応じて、印刷ジョブの印刷順序を調整する。特に、印刷データを受信した際の通信手段が高優先度に設定されている場合(例えば、無線ネットワーク2を高優先度に設定した場合)は、印刷順序ができるだけ早くなるように調整する。すなわち、近距離無線通信で受信した印刷データ(第1の印刷データ)の印刷の順序を印刷データ格納部103に格納されている印刷データ(第2の印刷データ)の印刷の順序より高くする。印刷の順序が高い程、先に出力される。ここで、印刷順序の決定には以下の方法がある。
・現在印刷中の印刷ジョブが通常の印刷の場合(認証印刷でない場合)は、現在印刷中の印刷ジョブを完了させた後、受信した印刷ジョブをその後ろに割り込ませる。又は現在印刷中の印刷ジョブをいったん中断して、受信した印刷ジョブを中断した印刷ジョブの途中に割り込ませる。
・現在印刷中の印刷ジョブ及びそれに連続する印刷ジョブが認証印刷の場合は、他の印刷ジョブと混在させることが好ましくないので、それらの認証印刷ジョブの次に割り込ませる。例えば、同一ユーザの認証印刷の2つの印刷データが連続して印刷される予定の場合に、近距離無線通信で受信した印刷データを、先の2つの印刷データの認証印刷が完了した後に印刷させる。
【0026】
ここで、認証印刷とは、印刷物の取り違え、置き忘れ、盗み見、盗難を防ぐために、印刷装置側で、ユーザを認証してから印刷を開始する方法をいう。認証印刷には、必ずしもユーザ自身をICカード等で個別に識別しなくともよく、端末側からの印刷指示時に印刷文書に暗証番号やパスワード等をかけ、印刷時には印刷装置側でその印刷文書を選択し、暗証番号等を入力することで印刷を開始する方法(セキュリティプリントとも呼ぶ)を含むものとする。現在実行中の印刷ジョブが認証印刷であった場合の詳細については後述の図でさらに説明する。
【0027】
印刷順序調整部104には、印刷ジョブを管理する印刷ジョブ管理テーブル201を有している。図3は、この印刷ジョブ管理テーブル201の一例を示す図である。図示するように、印刷ジョブ管理テーブル201は、印刷の順序を示す番号と、印刷ジョブのジョブID(ジョブ識別子)、ユーザ名(ユーザ識別子)、ジョブタイプ、印刷データを受信したときの通信手段、データサイズを含んでいる。ここで、ジョブタイプとは、前述した認証印刷であるか又は通常印刷であるかを示す情報である。また、通信手段は、印刷ジョブの印刷データを受信したときの通信手段を示す情報である。通信手段を示す情報は、例えば有線(有線ネットワーク)、無線1(アクセスポイント経由の無線ネットワーク1)、無線2(アドホック型の無線ネットワーク2)などとする。
【0028】
ユーザ名は、ICカード等でそのユーザ個人を特定できる場合は、そのユーザIDとし、ユーザ個人を特定できない場合は、暗証番号等が同じ印刷ジョブを同じユーザとみなすようにしてもよい。データサイズは、端末側から送られた印刷ジョブのサイズであり、PDL(ページ記述言語)等のラスタイメージ化前のデータサイズであってもよいし、端末側でラスタイメージ化された後のデータサイズであってよい。また、特に図示していないが、印刷するページ数や印刷設定、例えば、モノクロ印刷かカラー印刷(グレースケールや色数を含む)の指定、両面印刷やN−UP(一枚の用紙にNページを印刷する機能)の指定、用紙サイズの指定等の情報を含んでいてもよい。なお、印刷ジョブ管理テーブル201は、印刷データ格納部103に格納してもよい。
【0029】
図2の説明に戻る。印刷処理部105は、印刷データ格納部103を順次読出し、印刷順序調整部104が調整した印刷順序に従って印刷ジョブを実行する。すなわち、印刷処理部105は、印刷ジョブ管理テーブル201に格納された印刷順序に従って印刷ジョブの印刷処理を実行する。
【0030】
印刷ジョブ転送部106は、印刷順序調整部104の印刷順序の決定によって、印刷ジョブの割り込みがあった場合は、割り込まれた側の印刷ジョブを他の印刷装置に転送可能かどうかを判定し、転送可能な場合は、その印刷ジョブを他の印刷装置に転送する。転送可能かどうかは、割り込まれた側の印刷ジョブの印刷設定、データサイズ、及び他の印刷装置の情報(印刷機能及び蓄積されている印刷ジョブのデータサイズ)に基づいて、判定する。このため、印刷ジョブ転送部106は、他の印刷装置の印刷機能や状態を管理するためのプリンタ管理テーブル202を他の印刷装置と共有している。プリンタ管理テーブル202自体は、ネットワークの印刷装置全体を管理するサーバ上にあってもよい。
【0031】
図4は、このプリンタ管理テーブル202の一例を示す図である。図示するように、プリンタ管理テーブル202は、各印刷装置のIPアドレス、プリンタ名(プリンタ識別子)、ジョブ蓄積状況、及び印刷機能の情報を含んでいる。印刷機能には、カラー出力、両面印刷、N−UP印刷の可否やその詳細等、その印刷装置が備える印刷機能の情報が含まれる。なお、プリンタ管理テーブル202は、印刷順序調整部104が管理し、転送先の印刷装置が見つかった場合にのみ印刷ジョブ転送部106に制御を渡すようにしてもよい。
【0032】
印刷ジョブ転送部106は、転送先の印刷装置に既に蓄積されている印刷ジョブの数及びそのデータ量の情報を、プリンタ管理テーブル202のジョブ蓄積状況をチェックし、転送された印刷ジョブができるだけ速やかに実行できるように最適な転送先の印刷装置を決定する。また、印刷ジョブ転送部106は、転送される印刷ジョブが転送先の印刷装置でも正しく印刷できるように、転送される印刷ジョブの印刷設定と転送先の印刷装置の機能をチェックする。転送される印刷ジョブの印刷設定をサポートしている印刷装置が見つからない場合、あるいは見つかったとしても、自らの印刷装置で印刷したほうがトータルの印刷時間が短いと判断される場合は、転送は行わない。また、システムの設定等により転送自体をサポートしていない場合も、転送は行わない。
【0033】
上記で説明した印刷装置10の機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(処理部及びデータベース)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたプログラム、又はCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の記憶媒体から提供されたプログラムを読み出し、そのプログラムを実行することによって実現される。すなわち、各処理部は、コンピュータがプログラムを実行することによって、記憶装置に格納されたデータベース(DB:Data Base)やメモリ等の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置等)を制御することによって機能する。なお、このプログラムは、上記の記憶媒体から提供されてもよいし、外部からネットワークを介してダウンロードすることで提供されてもよい。
【0034】
(処理フロー)
図5は、本実施形態に係る印刷ジョブの全体処理フローを示す図である。まず、ステップS100において、印刷データ受信部101が印刷データを受信し、印刷ジョブを受付ける。次に、ステップS110において、通信手段判定部102は、印刷データ受信部101が印刷ジョブを受付けたときの通信手段を判定する。そして、ステップS120において、そのときの通信手段が優先度の高い通信手段(例えば、無線ダイレクト)であるかどうかを判定する。優先度の高い通信手段でない場合は、ステップS150に移り、印刷順序調整部104が、印刷データ格納部103に格納された蓄積ジョブの最後尾に、受け付けた印刷ジョブを割り当てる。
【0035】
ステップS120で優先度の高い通信手段であると判定された場合は、ステップS130に移り、印刷順序調整部104が、印刷ジョブの実行順を調整する処理を行う。ステップS130の処理の詳細については、次の図6で説明する。ステップS130の実行順序の判定が終わると、ステップS140において、印刷ジョブを他のプリンタに転送する処理を行う。ステップS140の処理の詳細については、後述の図8で説明する。
【0036】
図6は、本実施形態に係る印刷ジョブの実行順序判定の処理フローを示す図である。この処理フローには、3つのケース(動作モード)がある。ケースAでは、受け付けた印刷ジョブをジョブタイプのチェックをせずに、単純に現在実行中の印刷ジョブの次に割り当てる。ケースAは、認証印刷をサポートしていない環境で有効である。
【0037】
ケースBでは、まず、ステップS131において、実行中の印刷ジョブのジョブタイプをチェックする。そして、そのジョブタイプが認証印刷であれば(ステップS132:Y)、ステップS133に移り、後続の印刷ジョブのユーザ名(ユーザ識別子)とジョブタイプをチェックする。このチェックの結果、後続の印刷ジョブも実行中の印刷ジョブと同じユーザからの印刷要求であり、かつ認証印刷であった場合は(ステップS134:Y)、ステップS133に戻り、後続の印刷ジョブのユーザ名とジョブタイプをチェックする。そして、後続の印刷ジョブが同一ユーザでないか又は認証印刷でない場合は(ステップS134:N)、ステップS135に移り、最後にチェックした印刷ジョブの前に今回受け付けた印刷ジョブを割り当てる。すなわち、印刷ジョブを割り込ませる位置を決定する際に、先行する印刷ジョブに、同一ユーザの認証印刷が連続している場合には、それらの印刷ジョブの途中に別の印刷ジョブを割り込ませないようにする。なお、ステップS132のチェックにおいて、認証印刷でないと判定された場合は、ステップS136に移り、実行中の印刷ジョブの次に、今回受け付けた印刷ジョブを割り当てる。
【0038】
ケースCでは、ステップS131からステップS135までの処理は、ケースBの場合とまったく同じである。ただし、ステップS136aでは、ケースBの場合と異なり、実行中の印刷ジョブを中断し、今回受け付けた印刷ジョブを割り込ませる。なお、実行中の印刷ジョブが認証印刷である場合は、印刷ジョブを中断して、そこに別の印刷ジョブを割り込ませることはない。認証印刷をサポートしている環境では、ケースB又はケースCを選択可能である。
【0039】
図7図8は、印刷ジョブ管理テーブル201の状態の変化の一例を示す図である。図7(a)は、印刷ジョブを受け付ける前の印刷ジョブ管理テーブル201の状態を示し、図7(b)は、受け付けた印刷ジョブを上記の印刷ジョブ管理テーブル201に割り込ませ後の状態を示す。この例では、新たに受け付けたユーザWの印刷ジョブ(無線ダイレクトの通常印刷とする)を、ユーザAの印刷ジョブの直後に割り込ませた場合を示している。
【0040】
図8(a)は、図7(a)で示す印刷ジョブ管理テーブル201の状態から、ユーザAの印刷が終了した時点の状態へ変化したことを示す。また、図8(b)は、図8(a)の印刷ジョブ管理テーブル201の状態から、新たに受け付けたユーザWの印刷ジョブ(同じく、無線ダイレクトの通常印刷とする)を割り込ませた後の状態へ変化したことを示している。この例では、実行中の印刷ジョブ及び後続の2つの印刷ジョブがすべてユーザBの認証印刷であったため、ユーザWの印刷ジョブを、2番目でなく4番目に割り込ませたことを示している。
【0041】
図9は、本実施形態に係る印刷ジョブ転送時の処理フローを示す図である。この処理フローは、図5で説明したステップS140の印刷ジョブ転送の詳細フローである。
【0042】
印刷ジョブ転送部106は、まず、ステップS141において、転送をサポートするか否かを判断する。転送をサポートするとは、システムのネットワークに複数の印刷装置が接続されている環境で、システム管理者が転送を許可するように設定しているか、あるいは、接続された印刷装置の全部又は一部の設定が転送を受付けることを許可しているかどうかによって判断する。転送をサポートしない場合は、本処理フローではなにもしない。
【0043】
転送をサポートする場合は、ステップS142において、割り込まれた側の印刷ジョブの印刷設定(モノクロ/カラー印刷、片面/両面印刷、用紙サイズ等の設定)をチェックする。次に、ステップS143において、プリンタ管理テーブル202から、割り込まれた側の印刷ジョブの印刷設定を満たす他の印刷装置を絞り込む。例えば、割り込まれた側の印刷ジョブの設定がカラー印刷であれば、モノクロのみの印刷装置は転送先の印刷装置としては除外される。そして、ステップS144において、絞り込んだ印刷装置の印刷ジョブ蓄積状況を確認する。
【0044】
印刷ジョブ蓄積状況の確認の結果、先行する印刷ジョブ数がゼロの印刷装置(すなわち、空き状態の印刷装置)があれば、ステップS148において、割り込まれた側の印刷ジョブをその印刷装置に転送する。印刷ジョブ数がゼロの印刷装置がなければ(空き状態の印刷装置がなければ)、ステップS146において、その印刷装置の先行印刷ジョブのデータサイズと現在の印刷装置の先行印刷ジョブのデータサイズとを比較し、現在の印刷装置の割り込まれた側の印刷ジョブのデータサイズより小さいデータサイズの印刷ジョブしか蓄積していない印刷装置があれば(ステップS147:Y)、その印刷装置に、割り込まれた側の印刷ジョブを転送する(ステップS148)。また、この比較の結果、割り込まれた側の印刷ジョブのデータサイズより小さい印刷ジョブを蓄積している印刷装置がなければ(ステップS147:N)、転送によって逆に印刷時間が長くなると判断し、転送を行わず処理を終了する。
【0045】
(本実施形態の変形例)
上記の本実施形態では、通信手段判定部102が判定する通信手段として、有線ネットワーク、無線通信手段(アクセスポイント経由及びアドホック型)を説明したが、上記通信手段の範囲を拡張し、USB(Universal Serial Bus)インターフェースを備えたUSBメモリ、SDメモリカードやminiSDカード、デジタルカメラ等の機器から、端末を経由せずにダイレクトに印刷する場合の接続手段を含めてもよい。この場合は、印刷データ受信部101に、ネットワークを経由しない接続手段から印刷データが入力されるようにすればよい。その際には、ユーザが印刷装置10の操作パネル等から印刷する文書や画像等を選択することによって印刷ジョブが受付けられる。
【0046】
また、本実施形態では、印刷装置10は、ネットワークにダイレクトに接続され、印刷順序を制御する印刷制御部11は、印刷装置10の内部に有しているとしたが、この構成に限定されない。例えば、印刷制御部11を、ネットワーク上で複数の通信手段を備えたパソコン等のコンピュータ(プリンタサーバ)とし、印刷処理部105を、このコンピュータにローカルに接続されたプリンタとして構成してもよい。
【0047】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0048】
10 印刷装置
11 印刷制御部
100 通信インターフェース部(通信手段)
101 印刷データ受信部
102 通信手段判定部
103 印刷データ格納部
104 印刷順序調整部
105 印刷処理部
106 印刷ジョブ転送部
201 印刷ジョブ管理テーブル
202 プリンタ管理テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9