特開2015-231721(P2015-231721A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231721(P2015-231721A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】液体噴射装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20151201BHJP
   B41J 2/155 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   B41J2/165 301
   B41J2/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2014-120020(P2014-120020)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(72)【発明者】
【氏名】縄野 真久
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智二
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EC23
2C056JB04
2C056JB08
2C057AG44
2C057AG71
2C057AG77
2C057AN05
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワイパーの相対移動や荷重を低減することなく、ワイパーによる液体の飛散を抑制して、清掃時間を短縮すると共に拭き残しを抑制することができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】弾性部411を有するワイパーと、ワイパーの弾性部が当接して、第1基準方向に相対移動することにより清掃されるワイピング面700と、ワイピング面に設けられたノズル開口21から液滴を噴射するための液体噴射ヘッド200と、を備え、ワイピング面は、当該ワイピング面上で第1基準方向に交差する方向に延びる縁部を有する第1縁部280を有し、弾性部とワイピング面との間の当接は、ワイパーの弾性部とワイピング面の第1縁部との間の相対移動により、弾性部がワイピング面に当接した状態から、弾性部がワイピング面に当接しない状態になり、1縁部の相対移動方向の下流側には、ノズル開口が存在し、第1縁部と第1基準方向とがなす角度は、90度ではない。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部を有するワイパーと、
前記ワイパーの前記弾性部が当接して、第1基準方向に相対移動することにより清掃されるワイピング面と、
前記ワイピング面に設けられたノズル開口から液滴を噴射するための液体噴射ヘッドと、を備え、
前記ワイピング面は、当該ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる縁部を有する第1縁部を有し、
前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記ワイパーの前記弾性部と前記ワイピング面の前記第1縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接した状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態になり、
前記第1縁部の相対移動方向の下流側には、ノズル開口が存在し、
前記第1縁部と前記第1基準方向とがなす角度は、90度ではないことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記弾性部は、前記第1基準方向に対して交差する方向に延在し、且つ前記第1縁部に対して交差する方向に延在していることを特徴とする請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記弾性部の前記第1縁部に対する交差角度は、前記弾性部の前記第1基準方向に対する交差角度よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記ワイピング面は、当該ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる第2縁部であって、前記第1縁部よりも前記第1基準方向への相対移動の下流側に配置された第2縁部を有し、
前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記弾性部の前記ワイピング面の前記第2縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接する状態になり、
前記第2縁部と前記第1基準方向とがなす角度は、前記第1縁部と前記第1基準方向とがなす角度よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記第1縁部と前記第2縁部との間の領域では、前記弾性部を前記第1基準方向への相対移動のみで移動することを特徴とする請求項4記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記ワイピング面は、前記ワイピング面上で前記第1基準方向に直交する第2基準方向の異なる位置のそれぞれにおいて、前記ワイパーと前記ワイピング面との間で前記第1基準方向に相対移動が行われ、
前記第2基準方向の位置が互いに異なる複数の相対移動のうち、第1の相対移動にて清掃される第1ワイピング面と、前記第2の相対移動にて清掃される第2ワイピング面とを有し、
前記第1ワイピング面及び前記第2ワイピング面は、それぞれ前記第1縁部を有し、
前記ワイパーと前記ワイピング面との間で相対移動が行われることによる前記第1基準方向におけるワイピング領域の位置は、第1の相対移動と前記第2の相対移動との間で異なることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
前記弾性部は、前記第1基準方向に対して交差する方向であって、前記第1ワイピング面の前記第1縁部に対して交差する方向である第3基準方向に延在する第1弾性部と、前記第1基準方向に対して交差する方向であって、前記第2ワイピング面の前記第1縁部に対して交差する方向である第4基準方向に延在する第2弾性部と、を有し、
前記第3基準方向と前記第4基準方向とは交差し、
前記第1弾性部は、前記第1の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2の方向における位置が重なり、前記第2の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2基準方向における位置が重ならず、
前記第2弾性部は、前記第1の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2の方向における位置が重ならず、前記第2の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2基準方向における位置が重なる
ことを特徴とする請求項6記載の液体噴射装置。
【請求項8】
前記第1ワイピング面の少なくとも一部は、前記第2ワイピング面の全領域よりも前記第1基準方向において相対移動の上流側にあり、
前記第1の相対移動を行ってから前記第2の相対移動を行うことを特徴とする請求項6又は7記載の液体噴射装置。
【請求項9】
前記第1ワイピング面と前記第2ワイピング面とのうち、相対移動の下流側にある下流側ワイピング領域は、前記ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる第4縁部を有し、
前記第1のワイピング面と前記第2のワイピング面とのうち、相対移動の上流側にある上流側ワイピング領域は、前記ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる第5縁部を有し、
前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記弾性部と当該ワイピング面の前記第4縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接した状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態になり、
前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記弾性部と当該ワイピング面の前記第5縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接した状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態になり、
前記第5縁部と前記第1基準方向とがなす角度が90度ではないことを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項10】
前記第4縁部が前記第1基準方向に直交する第2基準方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項9記載の液体噴射装置。
【請求項11】
前記ワイピング面を固定するホルダーを具備し、
前記第4縁部よりも相対移動方向の下流側における前記ホルダーと前記ワイピング面との間隔は、前記第5縁部よりも相対移動方向の下流側における前記ホルダーと前記ワイピング面との間隔よりも大きいことを特徴とする請求項9又は10記載の液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドと、ワイパーとを具備する液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを噴射するインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット式プリンターやプロッタ等のインクジェット式記録装置に代表される液体噴射装置は、カートリッジやタンク等に貯留されたインクなどの液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを具備する。
【0003】
このような液体噴射装置に搭載される液体噴射ヘッドは、ノズル開口からインク等の液体を被噴射媒体上に噴射しているため、液体を噴射する液体噴射面のノズル開口近傍に液体が付着することにより、また、付着した液体が固化することにより、例えば、液体の噴射方向が安定しないという問題や、液体が噴射されないなどの噴射不良が発生するという問題がある。
【0004】
このため、ゴム板等のワイパーで液体噴射面を清掃することにより、液体噴射面に付着した液体や毛羽、埃、紙粉等を清掃する液体噴射装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、液体噴射装置に用いられる液体噴射ヘッドは、単体でノズル開口の高密度化や長尺化などを行うのは、液体噴射ヘッドの歩留まりが低下すると共に、製造コストが高価になってしまうため困難である。このため、共通する部材に複数の液体噴射ヘッドを固定してユニット化した液体噴射ヘッドユニットが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−167928号公報
【特許文献2】特開2009−262544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ワイパーは液体噴射面に荷重をかけて当接させているため、ワイパーを液体噴射面に対して相対移動させて、ワイパーが液体噴射面から離れる際に、弾性変形したワイパーが元に戻ることによってワイパーに付着した液体が飛散し、飛散した液体が液体噴射ヘッドの外周や装置内に付着し、付着した液体が予期せぬタイミングで被噴射媒体に落下して被噴射媒体を汚してしまう虞があるという問題がある。
【0008】
このようなワイパーによるインクの飛散は、ワイパーの相対移動速度を遅くすることや、ワイパーの液体噴射面への荷重を小さくすることで低減することができるが、ワイパーの相対移動速度を遅くすると清掃に時間がかかってしまうという問題が生じ、また、ワイパーの液体噴射面への荷重を小さくすると液体噴射面の液体の拭き残しが生じる虞がある。
【0009】
また、特許文献1のように、ワイパーを液体噴射面の縁部に対して斜めに配置することで、液体噴射面からワイパーが徐々に離れるようにできるものの、ワイパーを斜めに配置する角度を急にすると、ワイパーの相対移動距離が長くなり、清掃に時間がかかってしまうと共に装置が大型化してしまうため、ワイパーを配置する角度には制限が生じる。
【0010】
なお、このような問題はインクジェット式記録装置だけではなく、インク以外の液体噴射装置においても同様に存在する。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑み、ワイパーの相対移動や荷重を低減することなく、ワイパーによる液体の飛散を抑制して、清掃時間を短縮すると共に拭き残しを抑制することができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[態様1]本発明の態様は、弾性部を有するワイパーと、前記ワイパーの前記弾性部が当接して、第1基準方向に相対移動することにより清掃されるワイピング面と、前記ワイピング面に設けられたノズル開口から液滴を噴射するための液体噴射ヘッドと、を備え、前記ワイピング面は、当該ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる縁部を有する第1縁部を有し、前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記ワイパーの前記弾性部と前記ワイピング面の前記第1縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接した状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態になり、前記第1縁部の相対移動方向の下流側には、ノズル開口が存在し、前記第1縁部と前記第1基準方向とがなす角度は、90度ではないことを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、弾性部が第1縁部から徐々に離反することができ、弾性部の弾性変形が元に戻る際に液体が飛散するのを抑制することができる。このため、相対移動速度を速めて清掃時間を短縮することができると共に、弾性部のワイピング面に対する荷重を強めて、液体の拭き残しを抑制することができる。また、弾性部を相対移動方向に対して大きな角度で傾斜する必要がなく、弾性部及び液体噴射装置の小型化及び相対移動距離の短縮を行って、清掃時間を短くすることができる。
【0013】
[態様2]ここで、態様1の液体噴射装置において、前記弾性部は、前記第1基準方向に対して交差する方向に延在し、且つ前記第1縁部に対して交差する方向に延在していることが好ましい。これによれば、さらに弾性部が第1縁部から離れるスピードを遅くすることができ、液体の飛散をさらに抑制することができる。
【0014】
[態様3]また、第2の態様の液体噴射装置において、前記弾性部の前記第1縁部に対する交差角度は、前記弾性部の前記第1基準方向に対する交差角度よりも大きいことが好ましい。これによれば、さらに弾性部が第1縁部から離れるスピードを遅くすることができ、液体の飛散をさらに抑制することができる。
【0015】
[態様4]また、第1〜第3の何れかの態様の液体噴射装置において、前記ワイピング面は、当該ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる第2縁部であって、前記第1縁部よりも前記第1基準方向への相対移動の下流側に配置された第2縁部を有し、前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記弾性部の前記ワイピング面の前記第2縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接する状態になり、前記第2縁部と前記第1基準方向とがなす角度は、前記第1縁部と前記第1基準方向とがなす角度よりも大きいことが好ましい。これによれば、第1縁部と第2縁部との間隔を広げることができ、第1縁部と第2縁部との間にヘッド内ローラー等を配置することが可能となる。
【0016】
[態様5]また、第4の態様の液体噴射装置において、前記第1縁部と前記第2縁部との間の領域では、前記弾性部を前記第1基準方向への相対移動のみで移動することが好ましい。これによれば、弾性部を第1基準方向への相対移動のみで移動することで、他の方向に移動する工程を削除して、清掃時間を短縮することができる。
【0017】
[態様6]また、第1〜5の何れかの態様の液体噴射装置において、前記ワイピング面は、前記ワイピング面上で前記第1基準方向に直交する第2基準方向の異なる位置のそれぞれにおいて、前記ワイパーと前記ワイピング面との間で前記第1基準方向に相対移動が行われ、前記第2基準方向の位置が互いに異なる複数の相対移動のうち、第1の相対移動にて清掃される第1ワイピング面と、前記第2の相対移動にて清掃される第2ワイピング面とを有し、前記第1ワイピング面及び前記第2ワイピング面は、それぞれ前記第1縁部を有し、前記ワイパーと前記ワイピング面との間で相対移動が行われることによる前記第1基準方向におけるワイピング領域の位置は、第1の相対移動と前記第2の相対移動との間で異なることが好ましい。これによれば、ワイパーを第2基準方向に小型化することができる。また、ワイピング領域をそれぞれ異ならせることで、ワイピング領域を最適化して、清掃速度を短縮することができる。
【0018】
[態様7]また、第6の態様の液体噴射装置において、前記弾性部は、前記第1基準方向に対して交差する方向であって、前記第1ワイピング面の前記第1縁部に対して交差する方向である第3基準方向に延在する第1弾性部と、前記第1基準方向に対して交差する方向であって、前記第2ワイピング面の前記第1縁部に対して交差する方向である第4基準方向に延在する第2弾性部と、を有し、前記第3基準方向と前記第4基準方向とは交差し、前記第1弾性部は、前記第1の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2の方向における位置が重なり、前記第2の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2基準方向における位置が重ならず、前記第2弾性部は、前記第1の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2の方向における位置が重ならず、前記第2の相対移動において、前記第1ワイピング面に設けられた前記ノズル開口と前記第2基準方向における位置が重なることが好ましい。これによれば、第1弾性部及び第2弾性部のそれぞれが第1ワイピング面及び第2ワイピング面を清掃できる。また、第1弾性部が第1ワイピング面を清掃する際に、第2ワイピング面のノズル開口に接触しないことで、第2ワイピング面のノズル開口近傍に液体が付着するのを抑制することができる。同様に、第2弾性部が第2ワイピング面を清掃する際に、第1ワイピング面のノズル開口に接触しないことで、第1ワイピング面のノズル開口近傍に液体が付着するのを抑制することができる。
【0019】
[態様8]また、第6又は7の態様の液体噴射装置において、前記第1ワイピング面の少なくとも一部は、前記第2ワイピング面の全領域よりも前記第1基準方向において相対移動の上流側にあり、前記第1の相対移動を行ってから前記第2の相対移動を行うことが好ましい。これによれば、第1の相対移動を行ってから第2の相対移動を行うことで、相対移動の合計距離を短くすることができ、清掃時間を短縮することができる。
【0020】
[態様9]また、第8〜10の何れかの態様の液体噴射装置において、前記第1ワイピング面と前記第2ワイピング面とのうち、相対移動の下流側にある下流側ワイピング領域は、前記ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる第4縁部を有し、前記第1ワイピング面と前記第2ワイピング面とのうち、相対移動の上流側にある上流側ワイピング領域は、前記ワイピング面上で前記第1基準方向に交差する方向に延びる第5縁部を有し、前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記弾性部と当該ワイピング面の前記第4縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接した状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態になり、前記弾性部と前記ワイピング面との間の当接は、前記弾性部と当該ワイピング面の前記第5縁部との間の相対移動により、前記弾性部が前記ワイピング面に当接した状態から、前記弾性部が前記ワイピング面に当接しない状態になり、前記第5縁部と前記第1基準方向とがなす角度が90度ではないことが好ましい。これによれば、弾性部が第5縁部から離れるスピードを遅くすることができ、液体の飛散を抑制することができる。
【0021】
[態様10]また、第9の態様の液体噴射装置において、前記第4縁部が前記第1基準方向に直交する第2基準方向に沿って設けられていることが好ましい。これによれば、第4縁部と第5縁部との間隔を広げることができ、第4縁部と第5縁部との間にヘッド内ローラー等を配置することが可能となる。
【0022】
[態様11]また、第9又は10の態様の液体噴射装置において、前記ワイピング面を固定するホルダーを具備し、前記第4縁部よりも相対移動方向の下流側における前記ホルダーと前記ワイピング面との間隔は、前記第5縁部よりも相対移動方向の下流側における前記ホルダーと前記ワイピング面との間隔よりも大きいことが好ましい。これによれば、第4縁部によって液体が飛散したとしても、飛散した液体がホルダーに付着するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態1に係る記録装置の平面図である。
図2】実施形態1に係る記録装置の側面図及びその拡大図である。
図3】実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
図4】実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。
図5】実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。
図6】実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。
図7】実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。
図8】実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。
図9】実施形態1に係るヘッドユニットの平面図である。
図10】実施形態1に係るヘッドユニットの一部を切り欠いた図である。
図11】実施形態1に係るヘッドユニットの断面図である。
図12】実施形態1に係るヘッドユニットの断面図である。
図13】実施形態1に係る中継基板と配線基板との接続状態を示す平面図である。
図14】実施形態1に係るキャリッジの斜視図である。
図15】実施形態1に係るキャリッジとヘッドユニットとの要部断面図である。
図16】実施形態1に係るヘッドユニットのキャリッジへの搭載方法を示す断面図である。
図17】実施形態1に係るヘッドユニット及びローラーユニットの斜視図である。
図18】実施形態1に係るヘッドユニット及びローラーユニットの平面図である。
図19】実施形態1に係るヘッドユニット及びローラーユニットの断面図である。
図20】実施形態1に係るヘッドユニット及びローラーユニットの断面図である。
図21】実施形態1に係るメンテナンス手段の平面図及び側面図である。
図22】ヘッドユニット及びメンテナンス手段の動作を示す平面図である。
図23】ヘッドユニット及びメンテナンス手段の動作を示す平面図である。
図24】実施形態1に係るメンテナンス手段の動作を示す平面図である。
図25】実施形態1に係るメンテナンス手段の動作を示す平面図である。
図26】比較のためのメンテナンス手段の動作を示す平面図である。
図27】実施形態1に係るメンテナンス手段の動作を示す平面図である。
図28】実施形態2に係るヘッドユニット及びローラーユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を模式的に示した平面図であり、図2は、インクジェット式記録装置の側面図及びその拡大図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置1は、被噴射媒体である記録シートSを搬送するだけで印刷を行う、所謂ライン式のインクジェット式記録装置1である。
【0026】
ここで、本実施形態では、記録シートSの搬送方向を第1の方向Xと称し、記録シートSのインクが着弾する着弾面S1の面内方向において、第1の方向Xに直交する方向を基準方向又は第2の方向Yと称する。また、第1の方向X及び第2の方向Yの双方に直交する方向、すなわち、記録シートSの着弾面S1に直交する方向を第3の方向Zと称する。本実施形態では、各方向(X、Y、Z)が互いに直交するものを例示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0027】
インクジェット式記録装置1は、インクジェット式記録ヘッドユニット2(以下、単にヘッドユニット2とも言う)と、ヘッドユニット2が搭載されたキャリッジ3と、インクを貯留したインクタンク等の液体貯留手段4と、第1搬送手段5と、第2搬送手段6と、装置本体7と、メンテナンス手段400と、を具備する。
【0028】
ヘッドユニット2は第2の方向Yに沿って延在している。本実施形態では、詳しくは後述するが、ヘッドユニット2には、複数のインクジェット式記録ヘッド200(図7参照)が第2の方向Yに沿って並設されたヘッド列202を、第1の方向Xに複数列、本実施形態では、2列設けるようにした。もちろん、インクジェット式記録ヘッド200のヘッド列202の数は、特にこれに限定されず、3列以上であってもよい。このようなインクジェット式記録ヘッド200は、インクを噴射する液体噴射面20aがZ1側となるように配置されている。
【0029】
液体貯留手段4は、ヘッドユニット2にインクを供給するためのものであり、本実施形態では、装置本体7に固定されている。装置本体7に固定された液体貯留手段4からのインクはチューブ等の供給管8を介してヘッドユニット2に供給される。なお、ヘッドユニット2が液体貯留手段4を具備する態様、例えば、ヘッドユニット2の第3の方向Zの上方、すなわち、記録シートSとは反対側に、液体貯留手段4を搭載するようにしてもよい。
【0030】
第1搬送手段5は、ヘッドユニット2の第1の方向Xの一方側、本実施形態では、X1側に設けられている。なお、本実施形態では、第1の方向Xにおいて、ヘッドユニット2に対して一方側をX1側と称し、他方側をX2側と称する。
【0031】
第1搬送手段5は、第1搬送ローラー501と、第1搬送ローラー501に従動する第1従動ローラー502と、を具備する。第1搬送ローラー501は、記録シートSの着弾面S1とは反対側の裏面S2側に設けられており、第1駆動モーター503の駆動力によって駆動される。また、第1従動ローラー502は、記録シートSの着弾面S1側に設けられており、第1搬送ローラー501との間で記録シートSを挟持する。このような第1従動ローラー502は、図示しないばね等の付勢部材によって記録シートSを第1搬送ローラー501側に向かって押圧している。
【0032】
第2搬送手段6は、搬送ベルト601、第2駆動モーター602、第2搬送ローラー603、第2従動ローラー604、テンションローラー605及びローラーユニット610を具備する。
【0033】
第2搬送手段6の第2搬送ローラー603は、第2駆動モーター602の駆動力によって駆動される。搬送ベルト601は、無端ベルトからなり、第2搬送ローラー603と第2従動ローラー604との外周に掛けられている。このような搬送ベルト601は、記録シートSの裏面S2側に設けられている。テンションローラー605は、第2搬送ローラー603と第2従動ローラー604との間に設けられて、搬送ベルト601の内周面に当接し、ばね等の付勢部材606の付勢力によって搬送ベルト601に張力を付与している。これにより、搬送ベルト601は、第2搬送ローラー603と第2従動ローラー604との間でヘッドユニット2に相対向する面が平坦に配置される。
【0034】
第2搬送手段6のローラーユニット610は、記録シートSの着弾面S1側に設けられたものであり、記録シートSの着弾面S1側に複数のヘッド内ローラー及びヘッド外ローラーを有する。このローラーユニット610は、ヘッド内ローラー及びヘッド外ローラーと搬送ベルト601との間で記録シートSを挟持する。なお、ローラーユニット610については詳しくは後述する。
【0035】
このようなインクジェット式記録装置1では、第1搬送手段5及び第2搬送手段6によって記録シートSを、ヘッドユニット2に対して第1の方向XにX1からX2側に向かって搬送しながら、ヘッドユニット2の各インクジェット式記録ヘッドからインクを噴射させて、噴射したインクを記録シートSの着弾面S1に着弾させる、所謂、印刷を行う。
【0036】
また、インクジェット式記録装置1のキャリッジ3は、複数のヘッドユニット2を搭載し、キャリッジ軸9に軸方向移動可能に設けられている。キャリッジ軸9は、軸方向が第2の方向Yと一致するように配置されており、図示しない駆動モーターの駆動力が歯車やベルトを介してキャリッジ3に伝達されることで、キャリッジ3は、キャリッジ軸9の軸方向に移動される。また、キャリッジ3又はキャリッジ軸9は、図示しない昇降手段によって装置本体7に対して着弾面S1に直交する方向、すなわち、第3の方向Zに移動可能に設けられている。本実施形態では、印刷時の記録シートSの着弾面S1に直交する方向にヘッドユニット2が移動することを昇降と称する。すなわち、第3の方向Zにおいて、印刷時の記録シートSからヘッドユニット2が離れる方向に移動することを上昇すると言い、印刷時の記録シートSに向けてヘッドユニット2が近づく方向に移動することを下降すると言う。つまり、第3の方向Zにおいて、記録シートS側であるZ1側から記録シートSとは離れたZ2側に移動することを上昇すると言い、記録シートSとは離れたZ2側から記録シートS側であるZ1側に移動することを下降すると言う。
【0037】
このようなキャリッジ3は、ヘッドユニット2が搬送ベルト601に相対向してインクを噴射して記録シートSに着弾させる着弾位置から、図示しない昇降手段によって第3の方向ZのZ2側に上昇した後、キャリッジ軸9の軸方向である第2の方向Yに移動することで、記録シートSや搬送ベルト601に相対向しないメンテナンス位置に移動する。そして、メンテナンス位置には、ヘッドユニット2をメンテナンスするメンテナンス手段400が設けられている。なお、本実施形態では、第2の方向Yにおいて、装置本体7の内部の搬送ベルト601等の第2搬送手段6が設けられた側をY1側と称し、メンテナンス手段400が設けられたメンテナンス位置側をY2側と称する。
【0038】
また、キャリッジ3又はキャリッジ軸9は、メンテナンス位置において、第1の方向Xに移動可能に設けられている。これにより、ヘッドユニット2よりも第1の方向Xにおいて幅狭の1つのワイパーブレード411によってヘッドユニット2のワイピング面を清掃することができる。
【0039】
インクジェット式記録装置1のメンテナンス手段400は、本実施形態では、液体噴射面20aをワイピングするワイパーブレード411を有するワイピング手段410と、液体噴射面20aを覆うキャップを有するキャッピング手段420と、を具備する。なお、メンテナンス手段400については詳しくは後述する。
【0040】
ここで、まず、インクジェット式記録装置1に搭載されるヘッドユニット2に保持されたインクジェット式記録ヘッド200について説明する。なお、図3は、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図4は、インクジェット式記録ヘッドの平面図であり、図5は、図4のA−A′線断面図である。また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドについて、インクジェット式記録装置1に搭載された際の各方向(X、Y、Z)に基づいて説明する。
【0041】
図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド200(以下、単に記録ヘッド200とも言う)は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、保護基板30、コンプライアンス基板45及びケース部材40等の複数の部材で構成されている。
【0042】
流路形成基板10には、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が並設されている。本実施形態では、記録ヘッド200は、この圧力発生室12の並設方向が第2の方向Yとなるようにヘッドユニット2に保持されてインクジェット式記録装置1に搭載される。以降、圧力発生室12の並設方向を第2の方向Yとも称する。また、流路形成基板10には、第2の方向Yに圧力発生室12が並設された列が複数列、本実施形態では2列、第2の方向Yと直交する第1の方向Xに並設されている。
【0043】
流路形成基板10の第3の方向ZのZ1側には、連通板15とノズルプレート20とが順次積層されている。すなわち、流路形成基板10の第3の方向ZのZ1側の面に設けられた連通板15と、連通板15の流路形成基板10とは反対面側、すなわち連通板15のZ1側の面に設けられたノズル開口21を有するノズルプレート20と、を具備する。
【0044】
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このように連通板15を設けることによって、ノズルプレート20は圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16の開口を覆うだけで良いので、ノズルプレート20の面積を比較的小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口されて、インク滴が吐出される面を液体噴射面20aと称する。
【0045】
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18と、が設けられている。第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向)に貫通して設けられている。また、第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側に開口して設けられている。
【0046】
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第1の方向Xの一端部に連通する供給連通路19が、圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
【0047】
ノズルプレート20には、各圧力発生室12とノズル連通路16を介して連通するノズル開口21が形成されている。すなわち、ノズル開口21は、同じ種類の液体(インク)を噴射するものが第2の方向Yに並設されてノズル列を構成し、この第2の方向Yに並設されたノズル開口21によって構成されたノズル列が第1の方向Xに2列形成されている。
【0048】
一方、流路形成基板10の連通板15とは反対面側であるZ2側には、振動板50が形成されている。本実施形態では、振動板50として、流路形成基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜51と、弾性膜51上に設けられた酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52と、を設けるようにした。また、振動板50の絶縁体膜52上には、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とが積層形成されて圧電アクチュエーター130を構成している。この圧電アクチュエーター130が本実施形態の流路である圧力発生室12内のインクに圧力変化を生じさせる圧力発生手段として機能する。
【0049】
また、流路形成基板10の圧力発生手段である圧電アクチュエーター130側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター130を保護するための空間である保持部31を有する。保持部31は、第2の方向Yに並設された圧電アクチュエーター130で構成される列毎に独立して設けられており、2つの保持部31の間(第1の方向X)には、厚さ方向に貫通した貫通孔32が設けられている。圧電アクチュエーター130の各電極60、80に接続された引き出し配線は、貫通孔32内に露出するまで引き出され、貫通孔32内で配線基板121と電気的に接続される。
【0050】
また、保護基板30の流路形成基板10とは反対側には、ケース部材40が設けられている。ケース部材40は、平面視において、連通板15と略同じ形状を有し、保護基板30に固定されると共に連通板15の流路形成基板10側の面に固定されている。また、ケース部材40には、第2マニホールド部18に連通する第3マニホールド部42が形成されており、第1マニホールド部17、第2マニホールド部18及び第3マニホールド部42によって本実施形態のマニホールド100が構成されている。このようなマニホールド100は、2列の圧力発生室12の両外側にそれぞれ独立して設けられている。すなわち、圧力発生室12の第2の方向Yに並設された列毎にマニホールド100が形成されている。この2つのマニホールド100に本実施形態では異なるインクが供給されて、2つのノズル列からは異なるインクが噴射される。
【0051】
さらに、ケース部材40には、マニホールド100に連通する導入口44が設けられている。導入口44は、本実施形態では、マニホールド100毎に設けられている。また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口43が設けられている。接続口43は、2つの導入口44の第1の方向Xの間に設けられている。
【0052】
このような記録ヘッド200は、ヘッドユニット2に保持されている。ここで、ヘッドユニット2について、図6図13を参照して説明する。なお、図6は、本実施形態のヘッドユニットの分解斜視図であり、図7は、ヘッドユニットの分解斜視図であり、図8は、ヘッドユニットの一部を分解した斜視図である。また、図9は、ヘッドユニットの液体噴射面側からの平面図であり、図10は、図9のB−B′線でカバーを切り欠いた図であり、図11は、図9のC−C′線断面図であり、図12は、図9のD−D′線断面図である。さらに、図13は、中継基板と配線基板との接続状態を示す平面図である。ちなみに、本実施形態のヘッドユニットについて、インクジェット式記録装置1に搭載された際の各方向(X、Y、Z)に基づいて説明する。
【0053】
図示するように、ヘッドユニット2は、複数の記録ヘッド200と、第3の方向Zの一方面側であるZ1側に複数の記録ヘッド200を保持するホルダー210と、ホルダー210の第3の方向ZのZ2側の面に固定された中継基板220と、ホルダー210のZ2側の面に固定された矯正板230と、ホルダー210のZ2側の面に固定された流路部材240と、ホルダー210のZ2側の面に固定されたカバー250と、複数の記録ヘッド200を固定する固定板260と、を具備する。ホルダー210とカバー250とは、内部に記録ヘッド200、中継基板220、矯正板230及び流路部材240を収容する。
【0054】
本実施形態では、1つのヘッドユニット2には、4個の記録ヘッド200が第2の方向Yに沿って並設されている。具体的には、記録ヘッド200は、圧力発生室12の並設方向がヘッドユニット2の第2の方向Yとなるように保持される。そして、記録ヘッド200は、基準方向である第2の方向Yに隙間203を空けて並設された2つの記録ヘッド200で構成されるヘッド列202が、第1の方向Xに2列並設されている。本実施形態では、X1側に設けられたヘッド列202を第1ヘッド列202Aと称し、X2側に設けられたヘッド列202を第2ヘッド列202Bと称する。また、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200を記録ヘッド200A1と称し、Y2側の記録ヘッド200を記録ヘッド200A2と称する。また、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200を記録ヘッド200B1と称し、Y2側の記録ヘッド200を記録ヘッド200B2と称する。
【0055】
この第1ヘッド列202Aと第2ヘッド列202Bとは第2の方向Yに互いにずれて配置されている。この第1ヘッド列202Aと第2ヘッド列202Bとの第2の方向Yへのずれ量は、ヘッド列202を構成する記録ヘッド200のピッチの半分である。本実施形態では、第1ヘッド列202Aを第2ヘッド列202Bに対してY2側にずらして配置した。すなわち、第1ヘッド列202Aにおいて第2の方向Yで互いに隣り合う記録ヘッド200の隙間203Aは、第2ヘッド列202Bを構成する記録ヘッド200、本実施形態では、記録ヘッド200B2に第1の方向Xで相対向して設けられている。また、第2ヘッド列202Bにおいて第2の方向Yで互いに隣り合う記録ヘッド200の隙間203Bは、第1ヘッド列202Aを構成する記録ヘッド200、本実施形態では、記録ヘッド200A1に第1の方向Xで相対向して設けられている。このように第1ヘッド列202A及び第2ヘッド列202Bを配置することで、4つの記録ヘッド200によって、ノズル開口21を同一ピッチで第2の方向Yに亘って連続して並設することができる。
【0056】
ホルダー210は、図11及び図12に示すように、記録シートSに相対向する面、すなわち、第3の方向ZのZ1側の面に複数の記録ヘッド200が保持されている。具体的には、ホルダー210のZ1側の面には、当該Z1側に開口する凹形状を有するヘッド保持部211が設けられており、ヘッド保持部211内に固定板260により固定された複数の記録ヘッド200が保持されている。そして、このヘッド保持部211の開口は、固定板260によって封止されている。すなわち、ヘッド保持部211及び固定板260により形成された内部に記録ヘッド200が収容されている。
【0057】
ヘッド保持部211は、第1ヘッド列202A及び第2ヘッド列202Bを構成するように配置された各記録ヘッド200が収容可能な形状となっている。本実施形態では、第1ヘッド列202A及び第2ヘッド列202Bを構成する記録ヘッド200の位置に対向するように、各記録ヘッド200よりも若干大きな長方形状の開口を有する4つの凹部を連通させることでヘッド保持部211が形成されている。換言すると、略長方形状の外形を有するホルダー210のZ1側の表面に、後述する第1収容部215及び第2収容部216以外の領域に凹部を設けることでヘッド保持部211が形成されている。
【0058】
また、ホルダー210には、第3の方向ZのZ2側の面に、中継基板220、矯正板230、流路部材240及びカバー250が固定される。
【0059】
また、ホルダー210のZ2側には、第2の方向Yの両端部から突出するフランジ部219が設けられている。このフランジ部219によってヘッドユニット2は、キャリッジ3に固定される。
【0060】
このようなホルダー210には、ヘッド保持部211とZ2側の面とを第3の方向Zで貫通する配線挿通孔212が設けられている。ヘッド保持部211内に保持された記録ヘッド200の配線基板121は、配線挿通孔212を介してホルダー210のZ2側に引き出されて、配線基板121の引き出された端部が中継基板220と接続される。
【0061】
中継基板220は、ホルダー210のZ2側の面に起立した状態で固定された板状の基板からなる。すなわち、中継基板220は、ホルダー210のZ2側の面に、第2の方向Y及び第3の方向Zを含む方向が面方向となるように配置されており、第3の方向ZのZ1側の端部がホルダー210のZ2側の面に固定されている。この中継基板220の固定位置は、ホルダー210の第1の方向Xの略中央であって、2列のヘッド列202の間に対応する位置に設けられている。すなわち、各ヘッド列202は、中継基板220の両面にそれぞれ設けられている。
【0062】
このような中継基板220の両面には、図示しないコンデンサー、トランジスター及び集積回路等の電子部品が実装されている。また、中継基板220には、各記録ヘッド200から引き出された可撓性を有する配線基板121がそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態では、中継基板220の第1の方向XのX1側に設けられた第1ヘッド列202Aを構成する記録ヘッド200の配線基板121は、中継基板220のX1側の第1面222に接続されている。同様に、中継基板220の第1の方向XのX2側に設けられた第2ヘッド列202Bを構成する記録ヘッド200の配線基板121は、中継基板220のX2側の第2面223に接続されている。つまり、各記録ヘッド200の配線基板121は、中継基板220を第1の方向Xに跨ぐことなく、中継基板220の両面にそれぞれ接続されている。
【0063】
また、本実施形態では、図13に示すように、第1ヘッド列202Aの記録ヘッド200から引き出された配線基板121が接続される領域L1と、第2ヘッド列202Bの記録ヘッド200から引き出された配線基板121が接続される領域L2とは、第1の方向Xにおいて少なくとも一部が重なるように配置されている。このように中継基板220と配線基板121との接続を中継基板220の両面222、223で行うため、第1の方向Xで記録ヘッド200の一部が重なり、それぞれの配線基板121の中継基板220に接続される領域L1、L2の一部が互いに第1の方向Xで重なる場合であっても、記録ヘッド200の配線基板121と中継基板220との接続を容易に行うことができる。これに対して、例えば、中継基板220の一方面のみに全ての記録ヘッド200の配線基板121を接続する場合、配線基板121同士が干渉してしまう。このため、配線基板121の接続部分が互いに干渉しないようにするには、配線基板121が中継基板220に接続される部分を第3の方向Zに異なる位置に変更する必要があり、中継基板220が第3の方向Zに大型化してしまう。本実施形態では、中継基板220の両面に接続配線120を接続するため、中継基板220を第3の方向Zに小型化することができる。なお、第1ヘッド列202Aの記録ヘッド200から引き出された配線基板121が接続される領域L1と、第2ヘッド列202Bの記録ヘッド200から引き出された配線基板121が接続される領域L2とが第1の方向Xにおいて少なくとも一部が重なる配置となるのは、第2の方向Yの幅が幅広の配線基板121を用いるからである。すなわち、第2の方向Yの幅が幅狭の配線基板121を用いた場合には、配線基板121の中継基板220への接続部分同士が第1の方向Xで重なる位置となることはない。ただし、記録ヘッド200は、近年、多くのノズル開口21を設けた多ノズル化やノズル開口21を高密度に配置した高密度化が求められているため、ノズル開口21の高密度化に伴い小型化が図られていると共に、多ノズル化に伴い配線数が増加している。したがって、配線基板121の第2の方向Yの幅を狭くするのは困難であり、実質的に配線基板121の第2の方向Yの幅は、記録ヘッド200の第2の方向Yの幅と略同じになる。また、配線基板121の第1面222と第2面223とに接続される配線基板121が互いに一部が重なるように配置することができるため、第2の方向Yで隣り合う記録ヘッド200を第1の方向Xにオーバーラップさせる量を自由に設計することが可能となる。したがって、第2の方向Yで隣り合う記録ヘッド200の第1の方向Xで同じ位置となるノズル開口21の数を増やすことができ、記録ヘッド200の第2の方向Yのつなぎ目における印刷品質の劣化を低減することができる。
【0064】
なお、中継基板220の配線基板121が接続される領域L1、L2は、第3の方向Zにおいて、ホルダー210の流路部材240の流路300が接続される面よりも液体噴射面20aとは反対側に設けられている。これにより、配線基板121と中継基板220とをヒートツール等によって接続する際に、ホルダー210の流路300が接続される部分が干渉することなく、配線基板121と中継基板220とを容易に且つ確実に接続することが可能となる。
【0065】
また、中継基板220には、図10に示すように、第3の方向Zにおいて、ホルダー210とは反対側、すなわちZ2側の端部にコネクター221が設けられている。中継基板220のコネクター221は、本実施形態では、2つの流路部材240の間で中継基板220をZ2側に延設し、延設した端部のX1側の面及びX2側の面のそれぞれに設けられている。このようなコネクター221には、図示しない外部配線を介して制御部が接続される。これにより、制御部からの信号等がコネクター221を介して中継基板220に供給され、中継基板220から配線基板121を介して記録ヘッド200に供給される。なお、カバー250には、コネクター221に対応する領域にコネクター221を外部に露出するためのコネクター露出孔251が設けられており、コネクター露出孔251によって露出されたコネクター221に外部配線が接続される。
【0066】
矯正板230は、図11図13に示すように、ホルダー210のZ2側の面に固定された板状部材からなり、中継基板220の面方向、すなわち、第3の方向Z及び第2の方向Yを含む方向が面方向となるように配置されている。本実施形態では、矯正板230は、ホルダー210のZ2側の面に、中継基板220を挟んで2枚固定されている。
【0067】
このような矯正板230は、中継基板220よりも小さな面積を有し、中継基板220の両面側において中継基板220に対して間隔を開けて配置されている。また、矯正板230は、中継基板220と配線基板121とを接続する接続部分と第1の方向Xで対向する位置に、配線基板121を挿通可能な開口部231を有する。この開口部231は、矯正板230のホルダー210に固定されたZ1側の端部からZ2側の途中まで凹状に切り欠いて形成されている。なお、本実施形態では、矯正板230は、ホルダー210の第2の方向Yよりも短い長さを有し、2枚の矯正板230は、それぞれホルダー210の第2の方向YのY1側及びY2側の端部側に配置されている。具体的には、中継基板220よりもX1側に設けられた矯正板230は、ホルダー210に対してY1側の端部側に設けられており、Y2側の記録ヘッド200A2の配線基板121に達しない長さで形成されている。つまり、X1側の矯正板230には、記録ヘッド200A1の配線基板121を挿通する開口部231が1つだけ設けられており、Y2側の記録ヘッド200A2の配線基板121は、矯正板230の外側であるY2側で中継基板220に接続されている。また、X2側に設けられた矯正板230は、ホルダー210に対してY2側の端部側に設けられており、Y1側の記録ヘッド200B1の配線基板121に達しない長さで形成されている。つまり、X2側の矯正板230には、記録ヘッド200B2の配線基板121を挿通する開口部231が1つだけ設けられており、Y1側の記録ヘッド200A1の配線基板121は、矯正板230の外側であるY1側で中継基板220に接続されている。このようなX1側及びX2側に設けられた矯正板230は、ホルダー210の第2の方向Yの中央部において、一部が第1の方向Xで互いに相対向して設けられている。すなわち、2枚の矯正板230は、第1の方向Xでオーバーラップしてホルダー210の第2の方向Yの略全体に亘って設けられている。
【0068】
なお、矯正板230は、ホルダー210よりも高い剛性を有する材料、例えば、金属板等からなり、ホルダー210に接合することで、ホルダー210の第3の方向Zへの反りを矯正する。つまり、ホルダー210の製造時や加熱時に反りが生じたとしても、ホルダー210の反りを矯正した状態でホルダー210に矯正板230を接合することで、ホルダー210の反りを矯正した状態で維持することができる。これにより、ホルダー210の記録ヘッド200が接合されるZ1側の面の平面度を向上して、記録シートSへのインクの着弾位置ずれを抑制することができる。なお、矯正板230は、上述のように1枚ではホルダー210の第2の方向Yの全体に亘る長さで形成されていないが、2枚の矯正板230を第2の方向Yに互いにずらして配置することで、2枚の矯正板230をオーバーラップさせてホルダー210の第2の方向Yの略全体に亘って形成することができ、ホルダー210の反りを効果的に矯正することができる。ちなみに、1枚の矯正板230の長さをホルダー210の第2の方向Yの略全体に亘って形成することも考えられるが、矯正板230に配線基板121を挿通する開口部231が2つ必要になると共に、開口部231を形成するための余分な領域が必要になり、ホルダー210が第2の方向Yに大型化してしまう。本実施形態では、2枚の矯正板230のそれぞれに開口部231を1つずつ設けることで、矯正板230に余分な領域が不要となり、ホルダー210を第2の方向Yに小型化することができる。
【0069】
流路部材240は、図10図11及び図12に示すように、液体貯留手段4から導入されたインクを記録ヘッド200に供給するものであり、内部には流路300が設けられている。
【0070】
本実施形態の流路部材240は、図6及び図10に示すように、第1の方向Xで近接する2つのインクジェット式記録ヘッドに対して1つずつ設けられている。すなわち、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1と第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1とに共通する流路部材240と、第1ヘッド列202AのY2側の記録ヘッド200A2と第2ヘッド列202BのY2側の記録ヘッド200B2とに共通する流路部材240との2つが設けられている。
【0071】
この流路部材240は、図10及び図11に示すように、中継基板220を第1の方向Xに跨いで中継基板220の両面側に配置されている。本実施形態では、流路部材240は、中継基板220と2つの矯正板230とを第1の方向Xに跨ぐように連続して設けられている。具体的には、流路部材240は、ホルダー210の第1の方向Xの幅と略同じ幅を有し、第1の方向Xの中央部にはZ1側の面に開口する基板用凹部241が形成されている。基板用凹部241は、中継基板220及び2枚の矯正板230を挿入可能な幅で、第3の方向Zにおいてホルダー210のZ2側の面から中継基板220のZ2側の端部(コネクター221の設けられた部分を除く)までの高さよりも深く形成されている。これにより、流路部材240の基板用凹部241内に中継基板220及び2枚の矯正板230を挿入することで、中継基板220及び2枚の矯正板230がホルダー210に固定された領域の両側でホルダー210のZ2側の面に固定することができる。
【0072】
このような流路部材240の内部には、流路300が設けられている。流路300は、供給管8が接続される導入路301と、導入路301から2つに分岐して中継基板220のX1側に設けられた第1流路310と、中継基板220のX2側に設けられた第2流路320とを具備する。
【0073】
導入路301は、流路部材240の第3の方向ZのZ2側の面に突出して設けられた接続部242の先端に開口して設けられている。接続部242に供給管8が接続されることで、供給管8と導入路301とは連通する。なお、カバー250には、接続部242が挿通される接続部挿通孔252が設けられており、接続部242の接続部挿通孔252を挿通した端部に供給管8が接続される。
【0074】
第1流路310及び第2流路320は、記録ヘッド200の各々に設けられた2つの導入口44にそれぞれ連通して設けられている。具体的には、第1流路310は、導入路301に連通する第1連通路311と、第1連通路311に連通する第1液体溜まり部312と、第1液体溜まり部312に連通する2つの第1供給路313と、を具備する。
【0075】
また、第1連通路311の一部及び第1液体溜まり部312は、流路部材240の側面、すなわち、中継基板220とは反対側の面であって、X1側の面に開口して設けられた凹形状を有する。そして、第1連通路311の一部及び第1液体溜まり部312の開口部分は、フィルム243によって封止されている。
【0076】
また、第1液体溜まり部312にはゴミや気泡等の異物を除去するためのフィルター244が設けられており、第1連通路311から第1液体溜まり部312に流入したインクは、フィルター244を通過して第1液体溜まり部312から2つの第1供給路313に供給される。
【0077】
ここで、2つの流路部材240のうち第2の方向YのY1側の流路部材240について、第1液体溜まり部312は、第2の方向Yに並設された第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1と、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1との2つに跨がるように、第2の方向Yに延在している。そして、第1供給路313は、第2の方向Yに2つ並設されており、2つの第1供給路313は、流路部材240のZ1側の面に開口している。この2つの第1供給路313は、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1と、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1とにインクを供給する。
【0078】
なお、前述のように、各記録ヘッド200は第1の方向Xに離間した導入口44を2つ有するが、一方の第1供給路313は、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1のX1側の導入口44と連通し、他方の第1供給路313は、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1のX1側の導入口44と連通する。また、各第1供給路313と導入口44とは、ホルダー210に設けられた第1接続流路213及び第2接続流路214からなる接続流路を介して接続される。
【0079】
第2流路320は、導入路301に連通する第2連通路321と、第2連通路321に連通する第2液体溜まり部322と、第2液体溜まり部322に連通する2つの第2供給路323と、を具備する。
【0080】
また、第2連通路321の一部及び第2液体溜まり部322は、流路部材240の側面、すなわち、中継基板220とは反対側の面であって、X2側の面に開口して設けられた凹形状を有する。そして、第2連通路321の一部及び第2液体溜まり部322の開口部分は、フィルム243によって封止されている。
【0081】
また、第2液体溜まり部322にはゴミや気泡等の異物を除去するためのフィルター244が設けられており、第2連通路321から第2液体溜まり部322に流入したインクは、フィルター244を通過して第2液体溜まり部322から2つの第2供給路323に供給される。
【0082】
ここで、同じくY1側の流路部材240について、第2液体溜まり部322は第2の方向Yに並設された第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1と、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1との2つに跨がるように、第2の方向Yに延在している。そして、第2供給路323は、第2の方向Yに2つ並設されており、2つの第2供給路323は、流路部材240のZ1側の面に開口している。この2つの第2供給路323は、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1と、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1とにインクを供給する。
【0083】
なお、前述のように、各記録ヘッド200は第1の方向Xに離間した導入口44を2つ有するが、一方の第2供給路323は、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1のX2側の導入口44と連通し、他方の第2供給路323は、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1のX2側の導入口44と連通する。また、各第2供給路323と導入口44とは、ホルダー210に設けられた第1接続流路213及び第2接続流路214を介して接続される。
【0084】
2つの流路部材240のうち第2の方向YのY2側の流路部材240についても同様の構成を備え、第1ヘッド列202AのY2側の記録ヘッド200A2のX1側の導入口44と連通する第1供給路313、第2ヘッド列202BのY2側の記録ヘッド200B2のX1側の導入口44と連通する第1供給路313、第1ヘッド列202AのY2側の記録ヘッド200A2のX2側の導入口44と連通する第2供給路323、第2ヘッド列202BのY2側の記録ヘッド200B2のX2側の導入口44と連通する第2供給路323を有する。
【0085】
ホルダー210には、1つの記録ヘッド200に対して第1接続流路213と、第2接続流路214とが設けられている。本実施形態では、ホルダー210に4つの記録ヘッド200が固定されているため、第1接続流路213と第2接続流路214とは合計8個設けられている。具体的には、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1のX1側の導入口44に連通する第2接続流路214Aは、中継基板220のX1側に、第3の方向Zに沿った直線状に延設されて、第1供給路313と連通する。また、記録ヘッド200A1のX2側の導入口44に連通する第1接続流路213Aは、第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されており、中継基板220のZ1側で中継基板220を第1の方向Xに跨がって、すなわち、中継基板220のX1側からX2側に跨がって連続して設けられることで、中継基板220のX2側の第2供給路323と連通する。つまり、第1接続流路213Aは、中継基板220に対して第2供給路323に接続されるX2側から記録ヘッド200A1が設けられた中継基板220のX1側に向かって傾斜して設けられている。これにより、中継基板220のX2側に設けられた第2供給路323と、X1側に設けられた記録ヘッド200A1のX2側の導入口44とを第1接続流路213Aを介して容易に接続することができる。すなわち、本実施形態では、配線挿通孔212と第1接続流路213及び第2接続流路214とが、第2の方向Yである基準方向から見た際に、互いの軌跡が交わらないように配置されている。このため、配線基板121や接続流路の引き回しを容易に行うことができる。なお、本実施形態の第1接続流路213Aは、第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されたものであるが、第1接続流路213Aは特にこれに限定されず、例えば、第3の方向Zに沿って設けられた垂直流路と第1の方向Xに沿って設けられた水平流路とで構成するようにしてもよい。つまり、第1接続流路213Aは、流路300に接続される部分が、第1の方向Xにおいて、記録ヘッド200A1よりも第2ヘッド列202Bの記録ヘッド200B1、200B2側に設けられていればよい。ただし、本実施形態のように傾斜した第2接続流路214Aを設けることで、ホルダー210を成形によって1部品で形成することができ、水平流路等を設ける場合に比べて部品点数を減少させてコストを低減することができる。また、第1接続流路213Aは、それが第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されたものであっても、第3の方向Zに沿って設けられた垂直流路と第1の方向Xに沿って設けられた水平流路とで構成されたものであっても、第1接続流路213Aが設けられたホルダー210のZ2側からZ1側へかけて、Z方向に対して傾斜した流路であればよい。
【0086】
同様に、第2ヘッド列202BのY1側の記録ヘッド200B1のX2側の導入口44に連通する第2接続流路214Bは、中継基板220のX2側に、第3の方向Zに沿った直線状に延設されて、第2供給路323と連通する。また、記録ヘッド200B1のX1側の導入口44に連通する第1接続流路213Bは、第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されており、中継基板220のZ1側で第1の方向Xに跨がって、すなわち、中継基板220のX2側からX1側に跨がって連続して設けられることで、中継基板220のX1側の第1供給路313と連通する。つまり、第1接続流路213Bは、中継基板220に対して第1供給路313に接続されるX1側から記録ヘッド200B1が設けられた中継基板220のX2側に向かって傾斜して設けられている。これにより、中継基板220のX1側に設けられた第1供給路313と、X2側に設けられた記録ヘッド200B1のX1側の導入口44とを第1接続流路213Bを介して容易に接続することができる。なお、本実施形態の第1接続流路213Bは、第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されたものであるが、第1接続流路213Aと同様に、例えば、第3の方向Zに沿って設けられた垂直流路と第1の方向Xに沿って設けられた水平流路とで構成するようにしてもよい。また、第1接続流路213Bも、それが第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されたものであっても、第3の方向Zに沿って設けられた垂直流路と第1の方向Xに沿って設けられた水平流路とで構成されたものであっても、第1接続流路213Bが設けられたホルダー210のZ2側からZ1側へかけて、Z方向に対して傾斜した流路であればよい。
【0087】
また、第1ヘッド列202AのY2側の記録ヘッド200A2と、第2ヘッド列202BのY2側の記録ヘッド200B2とに対応して設けられた流路部材240についても、上述した流路部材240と同様の構成であるため、重複する説明は省略する。
【0088】
以上説明したように、1つの記録ヘッド200に接続される第1接続流路213と第2接続流路214とは、搬送方向である第1の方向Xにおいて記録ヘッド200に接続される部分の幅が、流路部材240の流路300に接続される部分の幅よりも狭くなっている。つまり、第1の方向Xに並設された2列のノズル列の間隔を狭くすることができ、2列のノズル列から噴射されたインクの着弾位置ずれが生じ難い。
【0089】
また、本実施形態では、第1ヘッド列202Aを構成する記録ヘッド200A1及び記録ヘッド200A2に接続される2つの第1接続流路213は、基準方向である第2の方向Yから見た場合に、互いの軌跡が交わるように配置されている。したがって、2つの第1接続流路213を収容する第1の方向Xのスペースを減少させて小型化することができる。第2ヘッド列202Bの2つの第1接続流路213についても同様である。
【0090】
このようなホルダー210には、図9図11及び図12に示すように、各ヘッド列202において、第2の方向Yに並設された記録ヘッド200の間の隙間203に凹形状に切り欠いた第1収容部215が設けられている。すなわち、第1ヘッド列202Aの隙間203Aと、第2ヘッド列202Bの隙間203Bとには、第1収容部215が設けられている。
【0091】
第1収容部215は、ホルダー210のZ1側の面に開口すると共に、第1の方向Xの一側面に開口して設けられている。すなわち、X1側に設けられた第1ヘッド列202Aの隙間203Aに設けられた第1収容部215は、ホルダー210のX1側の側面に開口する。また、X2側に設けられた第2ヘッド列202Bの隙間203Bに設けられた第1収容部215は、ホルダー210のX2側の側面に開口する。なお、本実施形態では、ヘッド列202は2つの記録ヘッド200で構成されて、1つの隙間203が設けられているため、ヘッド列202毎に1つの第1収容部215が設けられている。もちろん、ヘッド列202が3個以上の記録ヘッド200で構成されている場合には、隙間203は、2つ以上形成されるため、ヘッド列202毎に2つ以上の第1収容部215を設けるようにしてもよい。このような第1収容部215は、第1接続流路213に干渉しない深さで形成されている。すなわち、第1接続流路213を第3の方向Zに対して傾斜して設けることで、第1接続流路213のZ1側に第1収容部215を形成することが可能である。これに対して、第1接続流路213をホルダー210のZ1側を通るように設けると、第1収容部215を設けることができなくなってしまう。もちろん、第1収容部215が第1接続流路213に干渉する場合には、第1収容部215の一部に第1接続流路213が内部に形成された部分が突出して設けられていてもよい。
【0092】
また、ホルダー210には、第1ヘッド列202Aと第2ヘッド列202Bとを互いに第2の方向Yにずらして配置することで、第1ヘッド列202Aの端部と、第2ヘッド列202Bの端部との間に第2の方向Yに間隔204が設けられている。すなわち、第1ヘッド列202AのY1側と、第2ヘッド列202BのY2側とにそれぞれ間隔204が設けられている。本実施形態では、第1ヘッド列202AのY1側に設けられた間隔204を間隔204Aとも称し、第2ヘッド列202BのY2側に設けられた間隔204を間隔204Bとも称する。
【0093】
そして、各間隔204には、凹形状に切り欠いた第2収容部216が設けられている。第2収容部216は、ホルダー210のZ1側の面に開口すると共に、第1の方向Xの一側面及び第2の方向Yの一側面に開口して設けられている。すなわち、X1側の間隔204Aに設けられた第2収容部216は、ホルダー210のX1側の側面とY2側の側面とに開口して設けられている。また、X2側の間隔204Bに設けられた第2収容部216は、ホルダー210のX2側の側面とY1側の側面とに開口して設けられている。すなわち、間隔204Aに設けられた第2収容部216は、第2ヘッド列202Bの記録ヘッド200B2に第1の方向Xで相対向し、間隔204Bに設けられた第2収容部216は、第1ヘッド列202Aの記録ヘッド200A1に第1の方向Xで相対向する。
【0094】
なお、ホルダー210の固定板260が固定されるZ1側の面に対して、第3の方向Zにおけるフランジ部219までの間隔は、第2収容部216の底面までの間隔よりも大きい。
【0095】
固定板260は、図7図8図9及び図12等に示すように、記録ヘッド200が固定される部材である。本実施形態では、固定板260は、金属製の平板状の部材を折り曲げることで形成されており、液体噴射面20aに平行な液体噴射面形成部263と、液体噴射面形成部263に対して固定板260を第3の方向ZのZ2側に屈曲して設けられた折り曲げ部271と、を具備する。
【0096】
ここで、液体噴射面形成部263が液体噴射面20aに平行に設けられているとは、液体噴射面形成部263の面方向が、液体噴射面20aの面方向と一致することを言う。つまり、液体噴射面形成部263が第1の方向X及び第2の方向Yを含む面方向に配置されている。
【0097】
固定板260の液体噴射面形成部263には、記録ヘッド200の液体噴射面20aを露出する露出開口部261が形成されている。露出開口部261は、各記録ヘッド200の液体噴射面20aを独立して露出するように4つ形成されている。
【0098】
このような固定板260は、記録ヘッド200のコンプライアンス基板45の連通板15とは反対側である第3の方向ZのZ1側に接合されている。なお、固定板260は、コンプライアンス部49を封止しており、コンプライアンス部49にインクが付着することを抑制している。
【0099】
そして、固定板260の液体噴射面形成部263のうちホルダー210に対向する部分がホルダー210に接着剤やネジなどによって固定されている。すなわち、複数の記録ヘッド200が固定板260に固定された状態でホルダー210のヘッド保持部211に収容されている。このように、複数の記録ヘッド200の液体噴射面20a側を共通の固定板260に固定することで、複数の記録ヘッド200のノズル開口21の相対的な位置決めを容易に行うことができると共に、複数の記録ヘッド200の液体噴射面20aの第3の方向Zの高さを揃えて着弾位置ずれが生じるのを抑制することができる。
【0100】
このような固定板260は、複数の記録ヘッド200の外形を繋ぐ連続した外形形状を有する。具体的には、固定板260の液体噴射面形成部263の外形は、液体噴射面20aから見た場合に、第1の方向Xの一方側であるX1側において、第2の方向Yに沿った第1幹部265Aと、第2の方向Yに沿って設けられて第1幹部265Aよりも第1の方向Xの一方側であるX1側に配置された第1枠部266Aと、第1幹部265Aと第1枠部266Aとをつなげる第1段差部267Aと、を具備する。また、固定板260の液体噴射面形成部263の外形は、液体噴射面20aから見た場合に、第1の方向Xの他方側であるX2側において、第2の方向Yに沿った第2幹部265Bと、第2の方向Yに沿って設けられて第2幹部265Bよりも第1の方向Xの他方側であるX2側に配置された第2枠部266Bと、第2幹部265Bと第2枠部266Bとをつなげる第2段差部267Bと、を具備する。
【0101】
言い換えると、固定板260は、液体噴射面20a側から見た場合に、X1側に設けられた第1ヘッド列202Aを構成する記録ヘッド200A1、200A2の露出開口部261が設けられた矩形状を基本とする第1領域と、X2側に設けられた第2ヘッド列202Bを構成する記録ヘッド200B1、200B2の露出開口部261が設けられた矩形状を基本とする第2領域とが第1の方向Xに並んで、且つ両者が連続して設けられている。そして、第1領域と第2領域とは、互いに第2の方向Yにずれて配置されている。本実施形態では、第1領域を第2領域に対してY2側にずらすことで、固定板260の第1領域のY1側と、第2領域のY2側とのそれぞれに凹部268が形成されている。つまり、固定板260は、液体噴射面20a側から見た際に、矩形状を基本として一対の対角を凹形状に切り欠いた外形形状を有する。この2つの凹部268は、それぞれ内面が第1幹部265A及び第1段差部267Aと、第2幹部265B及び第2段差部267Bとで形成されている。そして、このような2つの凹部268は、第2収容部216に対応して設けられている。つまり、固定板260は、ホルダー210の第2収容部216に対応して開口する2つの凹部268が設けられている。すなわち、凹部268は、第2収容部216のZ1側の開口と同じ開口面積で形成されている。
【0102】
なお、本実施形態では、固定板260には、第1収容部215に対応して、第1収容部215を第3の方向Zに開口する切り欠き部269が設けられている。切り欠き部269は、第1収容部215のZ1側の開口と同じ開口面積で形成されている。これにより、第1収容部215は、第3の方向Zに開口して設けられており、第1収容部215内に詳しくは後述するヘッド内ローラー630が収容される。
【0103】
そして、第1の方向Xにおいて、第1幹部265Aと第2枠部266Bとの少なくとも一部が互いに重なる位置に設けられ、第1の方向Xにおいて、第2幹部265Bと第1枠部266Aとの少なくとも一部が互いに重なる位置に設けられている。
【0104】
また、露出開口部261は、第2の方向Yにおいて、第1枠部266Aが設けられた位置に含まれる位置であって、第1の方向Xにおいて、第1段差部267Aが設けられた位置に含まれる位置と、第2の方向Yにおいて、第2枠部266Bが設けられた位置に含まれる位置であって、第1の方向Xにおいて、第2段差部267Bが設けられた位置に含まれる位置と、に少なくとも一部が設けられている。
【0105】
つまり、第1ヘッド列202AのY1側の記録ヘッド200A1の液体噴射面20aを露出する露出開口部261は、第2の方向Yにおいて、第1枠部266Aが設けられた位置に含まれる位置であって、第1の方向Xにおいて、第1段差部267Aが設けられた位置に含まれる位置に設けられている。同様に、第2ヘッド列202BのY2側の記録ヘッド200B2の液体噴射面20aを露出する露出開口部261は、第2の方向Yにおいて、第2枠部266Bが設けられた位置に含まれる位置であって、第1の方向Xにおいて、第2段差部267Bが設けられた位置に含まれる位置に設けられている。
【0106】
言い換えると、第1領域には、2つの露出開口部261が第2の方向Yに並設され、第2領域には、2つの露出開口部261が第2の方向Yに並設されており、これら第1領域及び第2領域が第2の方向Yにずれて配置されることで、第1領域の2つの露出開口部261の間の領域、すなわち、隙間203Aが、第1の方向Xにおいて、第2領域の露出開口部261に相対向して設けられている。同様に、第2領域の2つの露出開口部261の間の領域、すなわち、隙間203Bが、第1の方向Xにおいて、第1領域の露出開口部261に相対向して設けられている。
【0107】
また、固定板260は、その外形に、第2の方向Yにおいて第1幹部265Aに対して第1枠部266Aとは反対側に設けられて、第1の方向Xにおいて第1幹部265Aから第1枠部266Aへ向けて突出した第1凸部270Aと、第2の方向Yにおいて第2幹部265Bに対して第2枠部266Bとは反対側に設けられて、第1の方向Xにおいて第2幹部265Bから第2枠部266Bへ向けて突出した第2凸部270Bと、を具備する。
【0108】
本実施形態の第1凸部270A及び第2凸部270Bは、それぞれ、第2の方向Yにおいて、ノズル列の外側に配置されている。すなわち、第1凸部270A及び第2凸部270Bは、記録シートSが搬送された際に、記録シートSに相対向しない位置に設けられている。
【0109】
そして、このような第1凸部270A及び第2凸部270Bの先端、すなわち、第1凸部270Aの第1幹部265Aとは反対側の先端と、第2凸部270Bの第2幹部265Bとは反対側の先端とには、当該先端を第3の方向ZのZ2側に折り曲げられることで形成された折り曲げ部271が設けられている。
【0110】
このような折り曲げ部271は、本実施形態では、鈍角となるように、すなわち、90℃よりも大きな角度で折り曲げられている。これにより、詳しくは後述するが、ヘッドユニット2をキャリッジ3のヘッドユニット保持孔3aに挿入するだけで、導通部3bと折り曲げ部271とを容易に接触させて導通を取ることができる。
【0111】
なお、本実施形態では、第1凸部270A、第2凸部270Bを記録シートSに相対向しない位置に設けることで、折り曲げ部271も同様に記録シートSに第3の方向Zで相対向しない位置に設けられている。これにより、記録シートSが搬送された際に記録シートSが折り曲げ部271や第1凸部270A及び第2凸部270B等に接触することによる、折り曲げ部271や第1凸部270A及び第2凸部270Bの曲がり等の破損や、固定板260の剥離等を抑制することができる。もちろん、折り曲げ部271及び第1凸部270A及び第2凸部270Bを記録シートSに第3の方向Zで相対向する位置に設けるようにしてもよい。
【0112】
また、図9に示すように、固定板260の液体噴射面形成部263と、露出開口部261によって露出されたノズルプレート20のノズル開口21が開口する液体噴射面20aとが、本実施形態のワイパーであるワイピング手段410によって清掃されるワイピング面700となっている。なお、詳しくは後述するが、ワイピング手段410は弾性部であるワイパーブレード411を具備し、ワイパーブレード411は、ワイピング面700に対して第1基準方向である第2の方向Yにおいて、Y2側からY1側に向かう−Y方向に相対移動することでワイピング面700を清掃して清掃する。本実施形態では、ワイピング面700有するヘッドユニット2が第2の方向YにおいてY1側からY2側に移動することで、ワイパーブレード411がワイピング面700対して第2の方向Yにおいて−Y方向に相対移動している。以降、相対移動方向は、ワイパーブレード411がワイピング面700に対して相対移動する方向を言い、−Y方向と称する。
【0113】
このようなワイピング面700は、本実施形態では、第1ワイピング面701と、第2ワイピング面702と、を具備する。第1ワイピング面701と、第2ワイピング面702とは、第1基準方向に直交する方向、本実施形態では、−Y方向に直交する第1の方向Xに異なる位置に設けられている。
【0114】
具体的には、第1ワイピング面701は、ワイピング手段410のワイパーブレード411が第1基準方向である−Y方向に相対移動することによって清掃される面であり、液体噴射面20a側から見た場合に、X1側に設けられた第1ヘッド列202Aを構成する記録ヘッド200A1、200A2の露出開口部261が設けられた矩形状を基本とする第1領域を含む領域と、この第1領域内の2つの露出開口部261によって露出された記録ヘッド200A1、200A2の液体噴射面20aと、を含む領域のことである。
【0115】
第2ワイピング面702は、ワイパーブレード411が第1基準方向である−Y方向に相対移動することによって清掃される面であり、液体噴射面20a側から見た場合に、X2側に設けられた第2ヘッド列202Bを構成する記録ヘッド200B1、200B2の露出開口部261が設けられた矩形状を基本とする第2領域と、この第2領域内の2つの露出開口部261によって露出された記録ヘッド200B1、200B2の液体噴射面20aと、を含む領域のことである。
【0116】
そして、ワイパーブレード411は、第1ワイピング面701を第1基準方向である−Y方向に相対移動することで清掃する第1の相対移動と、第2ワイピング面702を−Y方向に相対移動することで清掃する第2の相対移動とを行うことで、1つのワイパーブレード411によって、1つのヘッドユニット2に設けられた2つのワイピング面700である第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702を清掃する。
【0117】
このような第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702を有するワイピング面700、すなわち、固定板260の液体噴射面形成部263には、第1基準方向である−Y方向に交差する方向に延びる第1縁部280が設けられている。
【0118】
第1縁部280は、ワイパーブレード411がワイピング面700に対して−Y方向に相対移動した際に、ワイピング面700を清掃したワイパーブレード411がワイピング面700から離れる縁部、すなわち、相対移動する−Y方向の下流側に設けられている。ここで、第1縁部280が延設された方向とは、ワイピング面700上、すなわち、ワイピング面700の面内方向である第1の方向X及び第2の方向Yを含む面内方向において、第1基準方向である−Y方向に交差する方向である。そして、第1縁部280と−Y方向とがなす角度が90度ではない方向のことである。なお、第1縁部280は、−Y方向と交差し、且つ−Y方向とがなす角度が90度ではない方向であるため、−Y方向に対して、0度<(第1縁部280と−Y方向とがなす角度)<90度、90度<(第1縁部280と−Y方向とがなす角度)<180度の範囲のことである。
【0119】
本実施形態では、第1ワイピング面701である固定板260の第1領域には、上述のように、切り欠き部269が設けられており、固定板260の切り欠き部269を形成する縁部のうち、Y2側、すなわち記録ヘッド200A2側の縁部が第1縁部280となっている。この第1ワイピング面701に設けられた第1縁部280は、第1の方向X及び第2の方向Yに交差するXaYa方向に延設されている。なお、XaYa方向とは、第1の方向XのベクトルXaと、第2の方向YのベクトルYaとを合成した方向のことである。
【0120】
また、第1ワイピング面701に設けられた切り欠き部269の相対移動方向である−Y方向の下流側、すなわち、Y1側であって記録ヘッド200A1側の縁部は第2縁部281となっている。このような第2縁部281と第1基準方向である−Y方向とのなす角度は、第1縁部280と−Y方向とがなす角度よりも大きい角度となるように設けられている。本実施形態では、第2縁部281の延設方向が、−Y方向に直交する第1の方向Xとなるように配置した。これにより、第1縁部280と第2縁部281との間に比較的大きな切り欠き部269及び第1収容部215を形成することができ、切り欠き部269及び第1収容部215内にヘッド内ローラー630を収容することができる。特に、第1縁部280と第2縁部281とは、ヘッドユニット2の外側に向かって、すなわち、X1側に向かって互いに第2の方向Yの間隔が広がるように形成されているため、第1縁部280と第2縁部281との間にヘッド内ローラー630を収容し易い。これに対して、例えば第2縁部281と−Y方向とがなす角度を、第1縁部280と−Y方向とがなす角度と同じ角度又は小さい角度とすると、第1縁部280と第2縁部281との間にスペースを確保できず、ヘッド内ローラー630を収容し難くなってしまう。また、第2縁部281を第1縁部280とは逆方向に傾けて配置した場合には、第1縁部280と第2縁部281との第2の方向Yの間隔は広がるため、ヘッド内ローラー630は収容し易くなるものの、2つの記録ヘッド200A1、200A2の間隔が広がってしまい、第2の方向Yで連続するノズル開口21の列を形成することが難しくなる虞がある。
【0121】
同様に、第2ワイピング面702である固定板260の第2領域には、上述のように切り欠き部269が設けられており、固定板260の切り欠き部269を形成する縁部のうち、Y2側、すなわち、記録ヘッド200B2側の縁部が第1縁部280となっている。この第2ワイピング面702に設けられた第1縁部280は、第1の方向X及び第2の方向Yに交差するXbYa方向に延設されている。なお、XbYa方向とは、第1の方向XにおいてベクトルXaとは反対向きのベクトルXbと、第2の方向YのベクトルYbとを合成した方向のことである。
【0122】
また、第2ワイピング面702に設けられた切り欠き部269の相対移動方向である−Y方向の下流側、すなわち、Y1側であって記録ヘッド200A1側の縁部は第2縁部281となっている。このような第2縁部281と第1基準方向である−Y方向とのなす角度は、第1縁部280と−Y方向とがなす角度よりも大きい角度となるように設けられている。本実施形態では、第2縁部281の延設方向が、−Y方向に直交する第1の方向Xとなるように配置した。これにより、第1縁部280と第2縁部281との間に比較的大きな切り欠き部269及び第1収容部215を形成することができ、切り欠き部269及び第1収容部215内にヘッド内ローラー630を収容することができる。
【0123】
このような第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702は、本実施形態では、相対移動方向である−Y方向において、下流側が第2ワイピング面702となるように配置されている。したがって、本実施形態では、第1ワイピング面701が上流側ワイピング領域、第2ワイピング面702が下流側ワイピング領域となっている。
【0124】
そして、下流ワイピング領域である第2ワイピング面702は、相対移動方向である−Y方向に交差する方向に延設された第4縁部282を有する。すなわち、第4縁部282は、第2ワイピング面702の−Y方向の下流側、つまり、記録ヘッド200B1のY1側の縁部となっている。
【0125】
また、上流ワイピング領域である第1ワイピング面701は、相対移動方向である−Y方向に交差する方向に延設された第5縁部283を有する。すなわち、第4縁部282は、第1ワイピング面701の−Y方向の下流側、つまり、記録ヘッド200B1のY1側の縁部となっている。この第5縁部283は、凹部268によって形成されている。
【0126】
そして、第4縁部282と相対移動方向である−Y方向とがなす角度は、第5縁部283と−Y方向とがなす角度よりも大きくなっている。すなわち、第5縁部283は、第1ワイピング面701の第1縁部280と同じXaYa方向に延設されている。これに対して、第4縁部282は、第2縁部281と同様に、第1の方向Xに沿って延設されている。
【0127】
このように、ワイピング面700の第1縁部280及び第5縁部283を−Y方向に対して交差する方向で、且つ90度以外の角度で形成することで、詳しくは後述するが、ワイパーブレード411がワイピング面700を清掃し、ワイピング面700からワイパーブレード411が離れる際に、第1縁部280及び第5縁部283によってワイパーブレード411がワイピング面700から徐々に離すことができる。したがって、ワイパーブレード411が第1縁部280及び第5縁部283から離れて元に戻った際の勢いで、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散するのを抑制することができる。
【0128】
すなわち、本実施形態では、ワイピング面700を構成する固定板260の液体噴射面形成部263において、相対移動方向である−Y方向に交差する縁部であって−Y方向の下流側に設けられた第1縁部280、第4縁部282及び第5縁部283のうち、少なくとも−Y方向の下流側にノズル開口21が存在する縁部、つまり、第1縁部280及び第5縁部283を、−Y方向とこれに直交する第1の方向Xとに対して傾斜して設けることで、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散するのを抑制することができる。したがって、ワイピング面700の特に下流にノズル開口21が存在する縁部において、インクの飛散を抑制することで、ヘッドユニット2の第1の方向Xでノズル開口21に重なる位置にインクが付着するのを抑制して、予期せぬタイミングで付着したインクが被噴射媒体である記録シートSに落下するのを抑制することができる。
【0129】
なお、第2縁部281は、ワイピング面700の下流側に設けられた縁部ではなく、上流側に設けられた縁部であり、本実施形態では、−Y方向に直交する第1の方向Xに沿って延設したが、もちろん、第2縁部281を−Y方向とこれに直交する第1の方向Xとに対して傾斜して設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、相対移動方向である−Y方向にノズル開口21が存在しない縁部、つまり、第4縁部282を−Y方向に直交する第1の方向Xに沿って延設したが、もちろん、第4縁部282を−Y方向とこれに直交する第1の方向Xとに対して傾斜して設けるようにしてもよい。ただし、第4縁部282を第1縁部280と同様に傾斜して設けた場合、ヘッドユニット2の第2の方向Yの幅が大型化してしまう。また、第4縁部282の−Y方向の下流側にはノズル開口21が存在しないことから、ワイパーブレード411によって第2ワイピング面702を清掃した際に、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散しても、記録シートSを汚すことはない。また、本実施形態では、固定板260のワイピング面700に対して、第3の方向Zにおけるフランジ部219までの間隔は、第2収容部216の底面までの間隔よりも大きい。すなわち、第4縁部282よりも−Y方向の下流側におけるホルダー210、つまり第2収容部216の底面とワイピング面700との第3の方向Zの間隔は、第5縁部283よりも−Y方向の下流側におけるホルダー210、つまりフランジ部219とワイピング面700との間隔よりも大きいため、第4縁部282から離反したワイパーブレード411によって飛散したインクがフランジ部219に特に付着し難い。本実施形態では、第4縁部282を、第5縁部283と−Y方向とがなす角度よりも大きな角度で設けることで、ヘッドユニット2の第2の方向Yの小型化を図ることができる。
【0130】
なお、本実施形態のワイピング面700は、液体噴射面形成部263と液体噴射面20aとを含むものとしたが、特にこれに限定されず、ワイピング面700は、少なくともノズル開口21が開口する面を含むものであればよい。すなわち、本実施形態では、液体噴射面20aのみをワイピング面700としてもよい。また、固定板260をノズルプレート20の一部で形成した場合、すなわち、ノズルプレート20と固定板260とを一体的に設けた場合には、ノズルプレート20の液体噴射面20aをワイピング面700とすればよい。
【0131】
また、このようなヘッドユニット2は、図2に示すように、キャリッジ3に当該キャリッジ3よりも液体噴射面20a側が記録シートS側に突出するように搭載される。ここで、キャリッジ3について図14図16を参照してさらに説明する。なお、図14は、本実施形態のキャリッジ3を示す斜視図であり、図15は、キャリッジ3とヘッドユニット2との要部断面図であり、図16は、ヘッドユニット2のキャリッジ3への搭載方法を示す断面図である。
【0132】
図示するように、キャリッジ3は、ヘッドユニット2が挿入されるヘッドユニット保持孔3aが第3の方向Zに貫通して設けられた金属材料からなる。ヘッドユニット保持孔3a内には、第2の方向Yに突出して設けられてヘッドユニット2のフランジ部219が固定される固定部3cが設けられている。ヘッドユニット保持孔3a内に挿入されたヘッドユニット2は、フランジ部219が固定部3cにネジ等によって固定されて保持される。
【0133】
このようなキャリッジ3のZ1側の面には、さらにZ1側に突出すると共に、先端がヘッドユニット保持孔3aの内側に屈曲して設けられた導通部3bを有する。
【0134】
導通部3bは、キャリッジ3の第2の方向Yの両端部に1つずつ合計2つ設けられている。具体的には、導通部3bは、キャリッジ3のY2側の端部のX1側とY1側の端部のX2側とにそれぞれ設けられている。この導通部3bの先端部が固定板260の折り曲げ部271に接触することで、折り曲げ部271このような導通部3bは、先端が折り曲げ部271に接触して、折り曲げ部271と導通するものである。すなわち、図16に示すように、ヘッドユニット2をキャリッジ3のヘッドユニット保持孔3aに、Z2側の開口から挿入する。これにより、ヘッドユニット2は、折り曲げ部271とキャリッジ3の導通部3bとが折り曲げ部271の弾性力によって接触する。すなわち、折り曲げ部271は、液体噴射面20aの面内方向である第1の方向Xに対して、鈍角となる角度で折り曲げられているため、ヘッドユニット2をヘッドユニット保持孔3a内に挿入すると、折り曲げ部271は、導通部3bの先端に摺接しながら第1の方向Xに押圧されて弾性変形する。このように弾性変形された折り曲げ部271は、導通部3bに向かって復元しようとするため、折り曲げ部271の弾性力によって折り曲げ部271と導通部3bとが接触した状態が維持される。すなわち、固定板260は、折り曲げ部271と接触する導通部3bによってキャリッジ3に導通する。そして、キャリッジ3は、特に図示していないが、接地されている。これにより、固定板260は折り曲げ部271を介して接地することができる。
【0135】
このように、記録シートSに最も近くに配置される導体である固定板260を接地することで、帯電した記録シートSからヘッドユニット2への影響、特に帯電による破壊を抑制することができる。
【0136】
また、固定板260は、液体噴射面形成部263ではなく、折り曲げ部271によって接地が行われるため、インクミスト等が付着することによる接地不良を抑制することができる。つまり、折り曲げ部271と導通部3bとの接触は、液体噴射面20aよりも第3の方向ZのZ2側で、且つ液体噴射方向である第3の方向Zとは交差する方向、本実施形態では、第1の方向Xと第3の方向Zとの成分を含む方向で行われるため、折り曲げ部271と導通部3bとの接触する部分にインクミストが付着し難い。したがって、インクミストの付着による接地不良を抑制することができる。
【0137】
また、複数のインクジェット式記録ヘッド200のノズルプレート20を固定板260に電気的に接続すれば、複数のノズルプレート20を1つの固定板260によって接地することができ、ノズルプレート20を接地するための部材を別途設ける必要がなくなる。したがって、部品点数を減らして、コストを低減することができる。ちなみに、ノズルプレート20としてシリコン基板等を用いた場合には、接地が不要となるため、ノズルプレート20と固定板260とは電気的に接続する必要はない。つまり、ノズルプレート20として、ステンレス鋼(SUS)等の導電性を有する材料を用いた場合には、複数のノズルプレート20と固定板260とを電気的に接続すれば、ノズルプレート20を接地するための部材を別途設ける必要がなく、コストを低減することができる。また、ノズルプレート20と固定板260とが共通する部材、すなわち、一体的に設けられている場合には、固定板260としての機能を有するノズルプレートに第1凸部270A及び第2凸部270Bや折り曲げ部271等を設けるようにすれば、さらに部品点数を減らしてコストを低減することができる。また、本実施形態では、固定板260に折り曲げ部271を設けるだけなので、固定板260の加工が容易で、コストを低減することができる。
【0138】
さらに、本実施形態では、固定板260を折り曲げて折り曲げ部271を形成して、折り曲げ部271の弾性力によってキャリッジ3と導通するようにした。このため、折り曲げ部271を折り曲げるという簡便な方法で、折り曲げ部271とキャリッジ3との導通を確保することができ、バネ等の付勢手段が別途不要となり、コストを低減することができると共に、構造を簡略化して小型化を図ることができる。
【0139】
また、折り曲げ部271の弾性力によってキャリッジ3と接触しているだけなので、ヘッドユニット2の交換時などに、折り曲げ部271とキャリッジ3との接触を容易に解除することができる。したがって、ヘッドユニット2の交換やクリーニングなどのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0140】
また、折り曲げ部271は、第1凸部270A及び第2凸部270Bの先端を折り曲げて形成するようにしたため、折り曲げ部271を折り曲げた際の応力が露出開口部261の周囲に及ぶのを抑制することができる。ちなみに、各露出開口部261の周囲には、各記録ヘッド200が固定されるため、露出開口部261の周囲の平面度が低下すると記録ヘッド200に傾きが生じ、インクの着弾位置精度が低下する。本実施形態では、第1凸部270A及び第2凸部270Bを設けることで、折り曲げ部271を折り曲げた際の応力が露出開口部261の周囲に及ぼすのを抑制して、露出開口部261の周囲の平面度が低下するのを抑制して、インクの着弾位置精度が低下するのを抑制することができる。
【0141】
さらに、第1凸部270A及び第2凸部270Bは、第1枠部266A及び第2枠部266Bから第1の方向Xに突出することなく、第1幹部265Aから第1枠部266Aへ向けて突出する第1凸部270Aと、第2幹部265Bから第2枠部266Bへ向けて突出する第2凸部270Bとを設けるようにしたため、ヘッドユニット2の第1の方向Xの小型化を図ることができる。また、固定板260に凹部268を設け、この凹部268内に第1凸部270A及び折り曲げ部271や第2凸部270B及び折り曲げ部271を設けるようにしたため、固定板260の取り数を増やすことができ、コストを低減することができる。また、本実施形態では、第1凸部270A及び第2凸部270Bを固定板260の第2の方向Yの端部から第2の方向Yに突出しないようにしたため、ヘッドユニット2の第2の方向Yの小型化を図ることができる。
【0142】
なお、切り欠き部269及び凹部268によって開口するホルダー210の第1収容部215及び第2収容部216には、本実施形態では、ローラーユニット610のヘッド内ローラー630の少なくとも一部が収容される。
【0143】
ここで、このようなインクジェット式記録装置1のローラーユニット610について図1及び図2と、図17図21とを参照して説明する。なお、図17は、インクジェット式記録ヘッドユニット及びローラーユニットの斜視図であり、図18は、インクジェット式記録ヘッド及びローラーユニットの液体噴射面側からの平面図である。また、図19は、図18のE−E′線断面図であり、図20は、図18のF−F′線断面図である。
【0144】
ローラーユニット610は、装置本体7に固定されるフレーム611と、フレーム611に設けられたヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630と、を具備する。
【0145】
フレーム611は、キャリッジ3と記録シートSのS1との間に配置されるものであって、ヘッドユニット2の液体噴射面20a側を挿入可能な開口部612を有する。すなわち、フレーム611は、第3の方向Zから見た場合に、ヘッドユニット2を囲む環状構造を有する。このようなフレーム611は、本実施形態では、ヘッドユニット2よりも第1の方向XのX1側に設けられた第1フレーム部613と、X2側に設けられた第2フレーム部614と、を具備し、第1フレーム部613と第2フレーム部614とが第2の方向Yの両端部で連続して設けられている。これにより、第1フレーム部613と第2フレーム部614との間に開口部612が形成されている。なお、フレーム611は、環状構造に限定されず、例えば、第1フレーム部613と第2フレーム部614とが個別に設けられていてもよい。ただし、本実施形態のように、環状構造を有するフレーム611とすることで、フレーム611の剛性を向上することができる。
【0146】
第1フレーム部613及び第2フレーム部614には、ヘッド外ローラー620とヘッド内ローラー630とが設けられている。ヘッド外ローラー620は、図19に示すように、フレーム611に両端が固定された第2付勢手段であるバネ619によって軸支されている。具体的には、ヘッド外ローラー620は、バネ619が挿通するバネ挿通孔621が設けられたベース部622と、ベース部622の外周に周方向に亘って設けられたローラー部623と、を具備する。ローラー部623の外周には凹凸が周方向に亘って繰り返して設けられている。すなわち、本実施形態のヘッド外ローラー620は、所謂スターホイールである。もちろん、ヘッド外ローラー620は、スターホイールに限定されず、ゴムローラー等であってもよい。このようなヘッド外ローラー620は、フレーム611のZ1側の面に開口する凹形状を有するヘッド外ローラー保持部616内に、ローラー部623の少なくとも一部が、フレーム611のZ1側の面よりも記録シートS側に突出した状態で収容されている。
【0147】
このヘッド外ローラー620は、記録シートSの搬送方向である第1の方向Xにおいて、ヘッドユニット2の外側に配置されている。すなわち、ヘッド外ローラー620は、第3の方向Zから平面視した際に、ヘッドユニット2の少なくとも液体噴射面20aに重ならない位置に配置されている。
【0148】
本実施形態では、ヘッド外ローラー620は第2の方向YのY1側からY2側に向けて、第1収容部215及び第2収容部216の間と、2つの第1収容部215の間と、第2収容部216及び第1収容部215の間と、にそれぞれ1つずつ設けるようにした。すなわち、第1フレーム部613と第2フレーム部614との各々に3つのヘッド外ローラー620を設けるようにした。
【0149】
ヘッド内ローラー630は、図20に示すように、フレーム611に回転可能に軸支されたアーム640に保持されている。アーム640は、第3の方向Zに延在する第1アーム部641と、第1アーム部641のZ1側の端部に連続して設けられて、第1の方向Xに延在する第2アーム部642と、を具備する。第2アーム部642の第1アーム部641に連続する端部とは反対側の端部は、フレーム611の開口部612内に突出して設けられている。そして、この開口部612内に突出した第2アーム部642の端部にヘッド内ローラー630が回転軸633によって回転可能に軸支されている。ここで、ヘッド内ローラー630は、ヘッド外ローラー620と同様に、ベース部631と、ローラー部632とを具備し、ローラー部632の外周には凹凸が周方向に繰り返し形成されている。すなわち、本実施形態のヘッド内ローラー630は、所謂、スターホイールである。もちろん、ヘッド内ローラー630は、スターホイールに限定されず、ゴムローラー等であってもよい。
【0150】
このようなヘッド内ローラー630を軸支するアーム640は、第1アーム部641のZ1側の端部がフレーム611に回転可能に軸支されている。また、第1アーム部641のZ2側の端部とフレーム611との間には、当該第1アーム部641のZ2側の端部を第1の方向Xに付勢する第1付勢手段であるアーム付勢バネ643が設けられている。アーム640は、回転可能に設けられているため、アーム640は、アーム付勢バネ643によって第1の方向Xに付勢されることで、第2アーム部642の端部に設けられたヘッド内ローラー630を記録シートS側に向かって、第3の方向Zに付勢する。つまり、アーム付勢バネ643がアーム640を付勢する方向は、着弾面S1と直交する方向である第3の方向Zとは異なる方向である。もちろん、アーム付勢バネ643の付勢方向は第3の方向Zとは異なる方向であれば特にこれに限定されず、第2の方向Yであってもよく、また、第1の方向Xと第2の方向Yとを含む面内方向の何れかであってもよい。また、アーム付勢バネ643は、第3の方向Zの成分と第1の方向X及び第2の方向Yの成分とを含む斜め方向に付勢するようにしてもよい。このようにヘッド内ローラー630は、アーム640を介して付勢されるので、ヘッド内ローラー630をヘッド外ローラー620と同じ構造によって付勢する場合と比べて、第1収容部215及び第2収容部216内でのローラーユニット610の第3の方向Zの大きさを小さくすることができる。したがって、ヘッドユニット2を第3の方向Zに小型化することができると共に、ヘッドユニット2を記録シートSの着弾面S1に近づけて配置することが可能となる。また、ヘッド外ローラー620は、ヘッド内ローラー630のようにアーム640を介さずに、直接第3の方向Zに付勢されるので、部品点数を減少させてコストを低減することができる。また、ヘッド外ローラー620にはアーム640を設けないことで、第1フレーム部613及び第2フレーム部614にアーム640を設けるスペースが不要となって、第1フレーム部613及び第2フレーム部614の第1の方向Xの幅を小さくして、ヘッドユニット2を第1の方向Xで挟んで配置される2つのヘッド外ローラー620の間隔を狭くすることができ、2つのヘッド外ローラー620の間で記録シートSを安定して保持することができる。
【0151】
このようなヘッド内ローラー630は、第1フレーム部613及び第2フレーム部614にヘッドユニット2の隙間203と間隔204との各々に対して1つずつ設けられている。すなわち、第1フレーム部613には、2つのヘッド内ローラー630が設けられ、第2フレーム部614には、2つのヘッド内ローラー630が設けられている。そして、ヘッド内ローラー630は、アーム640によって開口部612内に突出して設けられている。したがって、ヘッド内ローラー630は、当該ヘッド内ローラー630の少なくとも一部がヘッドユニット2の隙間203及び間隔204に第3の方向Zで相対向して設けられている。なお、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部と、ヘッドユニット2とが第3の方向Zで相対向して設けられているとは、第3の方向Zにおいてヘッド内ローラー630をヘッドユニット2に射影した際に、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部がヘッドユニット2に重なることを言う。また、ヘッド内ローラー630がヘッドユニット2に重なるとは、ヘッドユニット2の液体噴射面20a側の面に重なることを言う。すなわち第2の方向Yから見た場合に、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部が固定板260の第1段差部267Aや第2段差部267Bに重なる位置に配置されている。つまり、ヘッドユニット2のZ2側において、ヘッドユニット2がヘッド外ローラー620に第3の方向Zで相対向するように延設されていても、ヘッド外ローラー620がヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向するとは言わない。なお、本実施形態では、ヘッド内ローラー630は、回転軸633がヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向するように設けた。また、ヘッド内ローラー630と、ヘッド外ローラー620とは、回転軸633の軸方向、すなわち、第2の方向Yにおいて、互いに少なくとも一部が相対向して設けられている。これにより、第1フレーム部613及び第2フレーム部614の第1の方向Xの幅を狭くして、インクジェット式記録装置1の小型化を図ることができる。もちろん、ヘッド内ローラー630は特にこれに限定されず、回転軸633がヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向しない位置にヘッド内ローラー630を配置するようにしてもよい。また、ヘッド内ローラー630とヘッド外ローラー620とは、第2の方向Yで互いに相対向しない位置となるように設けてもよい。
【0152】
このように、ヘッド内ローラー630を、少なくとも一部が第3の方向Zでヘッドユニット2に相対向するように設けることで、ヘッドユニット2の搬送方向である第1の方向Xの両側に設けられた2つのヘッド内ローラー630の間隔を狭くすることができる。したがって、第1の方向Xにおいてヘッドユニット2の両側でヘッド内ローラー630によって記録シートSを押さえる距離を短くすることができる。すなわち、ヘッド内ローラー630を設けずにヘッド外ローラー620のみを設けた場合、ヘッド外ローラー620はヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向しない領域に設けられているため、第1の方向Xで記録シートSを押さえるヘッド外ローラー620の距離は、ヘッドユニット2の第1の方向Xの幅よりも広くなる。これに対して、本実施形態では、ヘッドユニット2の第1の方向Xの両側において、ヘッド外ローラー620よりもヘッドユニット2側に配置したヘッド内ローラー630によって記録シートSを押さえるため、ヘッド内ローラー630の間隔がヘッドユニット2の第1の方向Xよりも狭くなる。したがって、ヘッドユニット2の第1の方向Xの両側のヘッド内ローラー630の間隔を短くして、このヘッド内ローラー630の間で保持した記録シートSの浮き上がり等を抑制することができる。そして、第1の方向Xにおいて、記録シートSの着弾面S1には、2つのヘッド内ローラー630の間でインクが着弾するため、ヘッド内ローラー630の間で記録シートSの浮き上がりを抑制することで、記録シートSへのインクの着弾位置ずれが生じるのを抑制することができる。なお、本実施形態では、ヘッド内ローラー630の回転軸633が、ヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向するように設けることで、記録シートSをヘッドユニット2の第1の方向Xの両側で押さえるヘッド内ローラー630の距離をさらに短くすることができ、さらに記録シートSの姿勢を安定させることができる。もちろん、ヘッド内ローラー630は、回転軸633がヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向する領域の外側となるように配置されていても、ヘッド外ローラー620に比べてヘッド内ローラー630の第1の方向Xの間の距離を短くすることができる。
【0153】
また、本実施形態では、第2の方向Yにおいて、互いに隣り合うヘッド内ローラー630の間にヘッド外ローラー620を設けることで、ヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630によって記録シートSを第2の方向Yに狭い間隔で押さえることができる。したがって、ヘッド内ローラー630のみを設ける場合に比べて、第2の方向Yで互いに隣り合うヘッド内ローラー630の間において記録シートSの浮き上がりを抑制して、記録シートSへのインクの着弾位置ずれが生じるのを抑制することができる。
【0154】
また、本実施形態では、ホルダー210の隙間203には第1収容部215が設けられ、間隔204には第2収容部216が設けられている。このため、本実施形態のヘッド内ローラー630は、少なくとも一部が第1収容部215及び第2収容部216内に収容されている。すなわち、第2の方向Yから見た場合に、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部が第1収容部215内に重なる位置や第2収容部216内に重なる位置に配置されていることを言う。このように、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部を第1収容部215及び第2収容部216内に収容することで、ヘッドユニット2の液体噴射面20aを記録シートSの着弾面S1に近づけて配置することができる。したがって、ヘッドユニット2から噴射されたインクの着弾位置ずれを抑制して高速印刷が可能となる。ちなみに、ヘッド内ローラー630を第1収容部215及び第2収容部216内に収容せずに、外側に配置する場合、ヘッド内ローラー630がヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向するには、ヘッドユニット2を記録シートSから第3の方向Zに離して配置する必要がある。このため、ヘッドユニット2の液体噴射面20aと記録シートSの着弾面S1とが離れてしまい、インクの着弾位置ずれが発生すると共に、高速印刷を行うことができなくなってしまう。
【0155】
なお、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部を収容する第1収容部215は、上述のように、第1接続流路213を第3の方向Zに対して傾斜して設けることで形成することができる。したがって、ヘッド内ローラー630は、第3の方向Zにおいて、第1接続流路213の流路300と接続される側の部分と、ヘッドユニット2の液体噴射面20aとの間に設けられている。このように、ホルダー210に第1接続流路213及び第2接続流路214を形成するので、ホルダー210の外にチューブ等によって第1接続流路213及び第2接続流路214を形成する場合に比べて、第1接続流路213及び第2接続流路214をヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630から保護することができる。
【0156】
また、本実施形態では、ヘッド内ローラー630は、フレーム611に保持されており、フレーム611は、インクジェット式記録装置1の装置本体7に固定されている。このため、ヘッドユニット2を搭載したキャリッジ3を第3の方向Zに上昇させることで、ヘッド内ローラー630は、第1収容部215及び第2収容部216の外側に相対的に移動する。したがって、メンテナンス手段400がヘッドユニット2のメンテナンスを行う際に、ヘッド内ローラー630が干渉することがなく、メンテナンスを容易に且つ短時間で行うことができる。
【0157】
なお、本実施形態では、第2収容部216内に折り曲げ部271が収容されるようにした。これに対して、折り曲げ部271を第1収容部215内に収容するように、固定板260の切り欠き部269に第1凸部268A、第2凸部268B及び折り曲げ部271を設けることも考えられる。しかしながら、本実施形態では、ヘッドユニット2には、ヘッド列202が2列設けられており、ヘッドユニット2には、隙間203と間隔204とが設けられている。第2の方向Yにおいて、間隔204の幅は、隙間203の幅よりも大きな幅で形成されている。これは、上述のように、間隔204は、ヘッド列202の端部に設けられているため、間隔204を第2の方向Yで挟んだ反対側に記録ヘッド200が存在しないからである。そして、第1収容部215及び第2収容部216には、ヘッド内ローラー630が収容されるため、第1収容部215に折り曲げ部271を設けると、ヘッド内ローラー630と折り曲げ部271とが干渉してしまう虞があるからである。本実施形態では、第2の方向Yの幅が広い間隔204、すなわち、第2収容部216内に収容される折り曲げ部271とすることで、ヘッド内ローラー630と折り曲げ部271とが干渉することなく、ヘッドユニット2を第2の方向Yで小型化することができる。
【0158】
ここで、本実施形態のメンテナンス手段400について図21図26を参照して説明する。なお、図21は、メンテナンス手段の平面図及び側面図である。また、図22及び図23は、メンテナンス手段の動作を示すヘッドユニット及びワイパーブレードの液体噴射面側からの平面図であり、図24及び図27は、メンテナンス手段の動作を示すヘッドユニット及びワイパーブレードの平面図であり、図25及び図26は、メンテナンス手段の動作を示すヘッドユニット及びワイパーブレードの液体噴射面側からの要部平面図である。
【0159】
図21に示すように、メンテナンス手段400は、ワイピング手段410とキャッピング手段420とを具備する。
【0160】
ワイピング手段410は、本実施形態のワイパーのことであり、弾性部であるワイパーブレード411と、ワイパーブレード411を保持するブレード保持部412とを具備する。
【0161】
ブレード保持部412は、装置本体7に第1の方向Xに移動可能に保持されている。
【0162】
ワイパーブレード411は、薄い板状の直方体を一方向に屈曲させた形状を有し、ゴム等の弾性材料で形成されている。ここで、ワイパーブレード411が屈曲されているとは、中央側が両端側に比べて第2の方向Yに向かって後退した凸形状のことである。
【0163】
具体的には、さらに図22に示すように、ワイパーブレード411は、第1基準方向である−Y方向に交差する方向であって、第1ワイピング面701の第1縁部280に対して交差する第3基準方向XcYbに延在する第1弾性部411aと、−Y方向に交差する方向であって、第2ワイピング面702の第1縁部280に対して交差する第4基準方向XdYbに延在する第2弾性部411bと、を具備する。この第1弾性部411aの延在する第3基準方向XcYbと、第2弾性部411bの延在する第4基準方向XdYbとは互いに交差する方向であり、第1弾性部411aと第2弾性部411bとの端部同士が連結されて一体的に形成されている。すなわち、第1弾性部411aの延在する第3基準方向XcYbとは、第1の方向XのベクトルXcと、第2の方向YのベクトルYbとを合成した方向のことである。これに対して、第2弾性部411bの延在する第4基準方向XdYbとは、第1の方向XのベクトルXcとは反対方向のベクトルXdと、第2の方向YのベクトルYbとを合成した方向のことである。そして、第1弾性部411a及び第2弾性部411bの方向を規定するベクトルYbは、第1縁部280の第2の方向YのベクトルYaとは反対方向のベクトルである。これにより、第1弾性部411aの第1ワイピング面701に設けられた第1縁部280に対する交差角度、すなわち、XaYa方向と第3基準方向XcYbとがなす角度は、第1弾性部411aの相対移動方向である−Y方向に対する交差角度、すなわち、−Y方向と第3基準方向XcYbとがなす角度よりも大きい。同様に、第2弾性部411bの第2ワイピング面702に設けられた第1縁部280に対する交差角度、すなわち、XbYa方向と第4基準方向XdYbとがなす角度は、第2弾性部411bの相対移動方向である−Y方向に対する交差角度、すなわち、−Y方向と第4基準方向XdYbとがなす角度よりも大きい。
【0164】
このような第1弾性部411aは、詳しくは後述する第1ワイピング面701を清掃する第1の相対移動時に、第1の方向Xの幅が、第1ワイピング面701に設けられたノズル開口21を覆う幅で且つ、第2ワイピング面702のノズル開口21に達しない長さ及び−Y方向に対する角度(第3基準方向XcYb)で形成されている。
【0165】
また、第2弾性部411bは、詳しくは後述する第2ワイピング面702を清掃する第2の相対移動時に、第1の方向Xの幅が、第2ワイピング面702に設けられたノズル開口21を覆う幅で、且つ第1ワイピング面701のノズル開口21に達しない長さ及び−Y方向に対する角度(第4基準方向XdYb)で形成されている。なお、本実施形態では、ワイピング面700は、固定板260の液体噴射面形成部263を含むため、第1弾性部411a及び第2弾性部411bの第1の方向Xの幅は、固定板260の液体噴射面形成部263を含む第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702を基準として形成されている。すなわち、第1弾性部411aの第1の方向Xの幅は、第1の相対移動時に、第1ワイピング面701、つまり固定板260の第1領域を覆う幅で、且つ第2ワイピング面702のノズルプレート20の液体噴射面20aに達しない長さ及び角度で形成されている。同様に第2弾性部411bの第1の方向Xの幅は、第2の相対移動時に、第2ワイピング面702、つまり固定板260の第2領域を覆う幅で、且つ第1ワイピング面701のノズルプレート20の液体噴射面20aに達しない長さ及び角度で形成されている。そして、第1弾性部411aと第2弾性部411bとの境界は、本実施形態では、第1の相対移動時及び第2の相対移動時に、第1の方向Xにおいて、両側に設けられた2つの切り欠き部269の間の位置となる配置となっている。つまり、第1の相対移動時には、第1弾性部411aのみが第1ワイピング面701の第1縁部280を通過し、第2の相対移動時には、第2弾性部411bのみが第2ワイピング面702の第1縁部280を通過するようになっている。
【0166】
このようなワイピング手段410は、第3の方向Zに昇降可能に設けられている。そして、ヘッドユニット2を搭載したキャリッジ3又はキャリッジ軸9を第1の方向Xに移動して位置決めすると共に、キャリッジ3をキャリッジ軸9の軸方向である第2の方向Yに移動して、ワイパーブレード411は、ヘッドユニット2に第2の方向Yに相対移動する。このとき、ワイピング手段410をヘッドユニット2に対して第3の方向Zに位置決めすることで、ノズルプレート20の液体噴射面20aや固定板260の液体噴射面形成部263を第2の方向Yに相対移動しながら清掃することができる。
【0167】
また、キャリッジ3及びキャリッジ軸9は、第1の方向Xに移動可能に設けられているため、キャリッジ3及びキャリッジ軸9を第1の方向Xに移動させることで、1つのワイパーブレード411によって第1の方向Xに異なる位置に設けられた第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702を清掃することができる。
【0168】
なお、本実施形態では、ヘッドユニット2とワイパーブレード411との第3の方向Zの相対移動は、ワイパーブレード411の移動によって行われるようにしたが、これらは相対的に移動されればよいため、ワイパーブレード411に対してヘッドユニット2を第3の方向Zに移動させるようにしてもよい。同様に、キャリッジ3のワイパーブレード411に対する第1の方向X及び第2の方向の何れか一方又は両方の移動を、ヘッドユニット2に対してワイパーブレード411を移動させるようにしてもよい。
【0169】
ここで、本実施形態のワイパーブレード411によるワイピング面700の清掃方法について詳細に説明する。
【0170】
図23に示すように、本実施形態では、ワイピング面700上で第2基準方向である第1の方向Xの異なる位置のそれぞれにおいて、ワイパーブレード411とワイピング面700との−Y方向の相対移動が行われる。具体的には、ワイパーブレード411は、−Y方向に相対移動して、第1弾性部411aによって第1ワイピング面701を清掃する第1の相対移動と、−Y方向に相対移動して、第2弾性部411bによって第2ワイピング面702を清掃する第2の相対移動とを行う。この第1ワイピング面701と、第2ワイピング面702とは、上述のように−Y方向において異なる位置に設けられているため、ワイパーブレード411が清掃するワイピング領域の位置は、第1の相対移動と第2の相対移動とで異なる位置となっている。
【0171】
本実施形態では、最初に第1ワイピング面701を清掃する第1の相対移動を行ってから、次に第2ワイピング面702を清掃する第2の相対移動を行う。
【0172】
ここで、第1ワイピング面701は、第2の方向Yにおいて、第2ワイピング面702よりもワイパーブレード411側、すなわち、Y2側に設けられている。したがって、先に第1ワイピング面701を清掃する第1の相対移動を行ってから、次に第2ワイピング面702を清掃する第2の相対移動を行うことによって、ワイパーブレード411のワイピング面700に対する相対移動距離を短くすることができる。すなわち、ワイピング面700を清掃する相対移動距離の合計は、第1ワイピング面701を清掃する第1の相対移動における移動距離La1と、第1の相対移動後に第2の相対移動のために移動する距離La2と、第2ワイピング面702を清掃する第2の相対移動における移動距離La3とを合わせた距離になる。これに対して、図23に示すように、先に第2ワイピング面702を清掃する第2の相対移動を行ってから、次に第1ワイピング面701を清掃する第1の相対移動を行う場合、ワイピング面700を清掃する相対移動距離の合計は、第2の相対移動の移動距離La3′と、第2の相対移動後に第1の相対移動のために移動する距離La2′と、第1の相対移動の移動距離La1とを合わせた距離となる。そして、図示するように、La3′はLa3よりも長い距離であり、La2′はLa2よりも長い距離である。したがって、第1の相対移動を先に行ってから第2の相対移動を行う方が、相対移動を行う総距離を短くして、ワイピング面700の清掃時間を短縮することができる。
【0173】
ここで、第1の相対移動による第1ワイピング面701の清掃について詳細に説明する。図24(a)、図24(b)及び図25(a)に示すように、ワイピング手段410を第3の方向ZのZ2側に移動して、ワイパーブレード411を第1ワイピング面701のY2側の端部に当接させる。すなわち、ワイパーブレード411を第1ワイピング面701に荷重をかけて当接させることでワイパーブレード411を弾性変形させる。このとき、ワイパーブレード411を相対移動方向−Yにおいて固定板260の上流側の端部よりも外側の位置でZ2側に移動して第1ワイピング面701に当接しないようにしてもよいが、ワイパーブレード411を−Y方向に相対移動した際に、固定板260の縁部にワイパーブレード411が当接して削られてしまい、寿命が短くなる虞がある。したがって、ワイパーブレード411を直接第1ワイピング面701に当接して弾性変形させた方がワイパーブレード411を長期間使用することができる。
【0174】
次に、図24(c)に示すように、ワイパーブレード411を第1ワイピング面701に対して−Y方向に相対移動して、第1弾性部411aによって第1ワイピング面701を清掃する。また、ワイパーブレード411を第1ワイピング面701の第1縁部280に達するまで−Y方向に相対移動させる。このとき、図25(b)に示すように、ワイパーブレード411の第1弾性部411aが第1縁部280から徐々に離反して、切り欠き部269に対向する位置まで移動する。すなわち、本実施形態の第1縁部280は、−Y方向及び第1の方向Xに対して傾斜して設けられており、且つ第1弾性部411aと第1縁部280とがなす角度が、第1弾性部411aと−Y方向とがなす角度よりも大きいため、第1弾性部411aは、第1縁部280から徐々に離反する。したがって、弾性変形したワイパーブレード411の第1弾性部411aが、第1縁部280から離れて元に戻ることによって、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散するのを抑制することができる。
【0175】
これに対して、図26に示すように、第1縁部280を設けずに、第1縁部280に相当する縁部を−Y方向に対して90度、すなわち、第1の方向Xに沿って設けた場合、ワイパーブレード411の相対移動の速度は同じであるため、弾性変形したワイパーブレード411の第1弾性部411aが、単位時間当たりに縁部から離れるスピードは、本実施形態に比べて速くなる。したがって、ワイパーブレード411が縁部から離れて元に戻る勢いによってワイパーブレード411に付着したインクが飛散し、飛散したインクが第1収容部215内等に付着してしまう。第1収容部215は、第1の方向Xにおいて、記録ヘッド200B2に重なる位置に設けられていることから、記録シートSの記録ヘッド200B2によって印刷する領域に予期せぬタイミングで落下し、記録シートSを汚してしまう虞がある。
【0176】
本実施形態では、ワイパーブレード411の−Y方向への相対移動速度を遅くすることなく、ワイパーブレード411が単位時間当たりに第1縁部280から離れるスピードを遅くすることができる。したがって、ワイパーブレード411が第1縁部280から離れる際にインクが飛散するのを抑制して、インクの付着、インクの予期せぬ落下による記録シートSの汚れを抑制することができる。また、ワイパーブレード411の相対移動速度や、ワイピング面700への荷重を弱めることなく、ワイパーブレード411に付着したインクの飛散を抑制することができる。したがって、ワイパーブレード411の相対移動速度を速めて、清掃時間を短縮することができると共に、ワイパーブレード411のワイピング面700への荷重を高めて、拭き残しを抑制することができる。
【0177】
また、第1弾性部411aが第1ワイピング面701を清掃する際に、第2弾性部411bが第2ワイピング面702のノズル開口21に接触しないため、第2ワイピング面702のノズル開口21近傍にインクの拭き残しが発生するのを抑制することができる。特に詳しくは後述する第2ワイピング面702を第2弾性部411bによって清掃する際に、第1弾性部411aが第1ワイピング面701のノズル開口21近傍を清掃すると、第1の相対移動によって清掃した第1ワイピング面701のノズル開口21近傍が汚れてしまう虞がある。
【0178】
そして、図24(d)に示すように、ワイパーブレード411をさらに−Y方向に相対移動することで、ワイパーブレード411を第2縁部281から第1ワイピング面701上に当接させる。つまり、第1縁部280と第2縁部281との間の領域では、ワイパーブレード411を第3の方向Zに相対移動することなく、−Y方向への相対移動のみで移動させる。これにより、ワイパーブレード411を第3の方向Zに移動する工程を削除して、清掃時間を短縮することができる。ただし、ワイパーブレード411が第2縁部281によって削られてしまう虞がある。したがって、第1縁部280を超えたワイパーブレード411を第3の方向ZのZ1側に相対移動した後、第1ワイピング面701の記録ヘッド200A1が露出された露出開口部261と、第2縁部281との間に当接させるように第3の方向ZのZ2側に相対移動させるようにしてもよい。
【0179】
次に、図24(e)に示すように、ワイパーブレード411をさらに−Y方向に相対移動することで、第1ワイピング面701の切り欠き部269よりも−Y方向の下流側を清掃する。また、ワイパーブレード411を第1ワイピング面701の第5縁部283に達するまで−Y方向に相対移動させる。このとき、第1縁部280と同様に、ワイパーブレード411の第1弾性部411aが第5縁部283から徐々に離反して、凹部268に対向する位置まで移動する。すなわち、第5縁部283が−Y方向及び第1の方向Xに対して傾斜して設けられており、且つ第1弾性部411aと第5縁部283とがなす角度が、第1弾性部411aと−Y方向とがなす角度よりも大きいため、第1弾性部411aは、第5縁部283から徐々に離反する。したがって、第1縁部280と同様に、弾性変形したワイパーブレード411の第1弾性部411aが、第5縁部283から離れて元に戻ることによって、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散するのを抑制して、飛散したインクが第2収容部216内等に付着するのを抑制することができる。すなわち、第2収容部216は、第1の方向Xにおいて、記録ヘッド200B1に重なる位置に設けられていることから、記録シートSの記録ヘッド200B1によって印刷する領域に付着したインクが予期せぬタイミングで落下し、記録シートSを汚してしまうのを抑制することができる。
【0180】
次に、第2の相対移動を行って、第2ワイピング面702の清掃を行う。基本的には第1の相対移動と同じであるが、具体的には、まず、図27(a)に示すように、ヘッドユニット2をワイパーブレード411に対して第1の方向Xに相対移動させて、ワイパーブレード411の第2弾性部411bが第2ワイピング面702と第1の方向Xに同じ位置となるように配置する。
【0181】
次に、図27(b)に示すように、ワイピング手段410を第3の方向ZのZ2側に移動して、ワイパーブレード411を第2ワイピング面702のY2側の端部に当接させる。すなわち、ワイパーブレード411を第2ワイピング面702に荷重をかけて当接させることでワイパーブレード411を弾性変形させる。このとき、ワイパーブレード411を凹部268内に挿入する位置でZ2側に移動して第2ワイピング面702に当接しないようにしてもよいが、ワイパーブレード411を−Y方向に相対移動した際に、固定板260の縁部にワイパーブレード411が当接して削られてしまい、寿命が短くなる虞がある。したがって、ワイパーブレード411を直接第2ワイピング面702に当接して弾性変形させた方が、ワイパーブレード411を長期間使用することができる。
【0182】
次に、図27(c)に示すように、ワイパーブレード411を第2ワイピング面702に対して−Y方向に相対移動して、第2弾性部411bによって第2ワイピング面702を清掃する。また、ワイパーブレード411を第2ワイピング面702の第1縁部280に達するまで−Y方向に相対移動させる。このとき、上述した第1の相対移動と同様に、ワイパーブレード411の第2弾性部411bが第1縁部280から徐々に離反して、切り欠き部269に対向する位置まで移動する。すなわち、第1縁部280が−Y方向及び第1の方向Xに対して傾斜して設けられており、且つ第2弾性部411bと第1縁部280とがなす角度が、第2弾性部411bと−Y方向とがなす角度よりも大きいため、第2弾性部411bは、第1縁部280から徐々に離反する。したがって、弾性変形したワイパーブレード411の第2弾性部411bが、第1縁部280から離れて元に戻ることによって、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散するのを抑制することができる。
【0183】
本実施形態では、ワイパーブレード411の第1縁部280から離れた際にインクが飛散するのを抑制して、インクの付着、インクの予期せぬ落下による記録シートSの汚れを抑制することができる。また、ワイパーブレード411の相対移動速度や、ワイピング面700への荷重を弱めることなく、ワイパーブレード411に付着したインクの飛散を抑制することができる。したがって、ワイパーブレード411の相対移動速度を速めて、清掃時間を短縮することができると共に、ワイパーブレード411のワイピング面700への荷重を高めて、拭き残しを抑制することができる。
【0184】
また、第2ワイピング面702を第2弾性部411bによって清掃する際に、第1弾性部411aが第1ワイピング面701のノズル開口21近傍を清掃すると、第1の相対移動によって清掃した第1ワイピング面701のノズル開口21近傍が汚れてしまう虞があるが、本実施形態では、第2の相対移動時に、第1弾性部411aが第1ワイピング面701のノズル開口21近傍に接触しないため、第1の相対移動によって清掃した領域が汚れるのを抑制することができる。
【0185】
そして、図27(d)に示すように、ワイパーブレード411をさらに−Y方向に相対移動することで、ワイパーブレード411を第2縁部281から第2ワイピング面702上に当接させる。つまり、第1縁部280と第2縁部281との間の領域では、ワイパーブレード411を第3の方向Zに相対移動することなく、−Y方向への相対移動のみで移動させる。これにより、ワイパーブレード411を第3の方向Zに移動する行程を削除して、清掃時間を短縮することができる。ただし、ワイパーブレード411が第2縁部281によって削られてしまう虞がある。したがって、第1縁部280を超えたワイパーブレード411を第3の方向ZのZ1側に相対移動した後、第1ワイピング面701の記録ヘッド200A1が露出された露出開口部261と、第2縁部281との間に当接させるように第3の方向ZのZ2側に相対移動させるようにしてもよい。
【0186】
次に、図27(e)に示すように、ワイパーブレード411をさらに−Y方向に相対移動することで、第1ワイピング面701の切り欠き部269よりも−Y方向の下流側を清掃する。また、ワイパーブレード411を第1ワイピング面701の第4縁部282に達するまで−Y方向に相対移動させる。第4縁部282は、上述のように、第1の方向Xに沿って設けられているため、ワイパーブレード411が第4縁部282から離れる際に、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散する虞がある。しかしながら、第2ワイピング面702のY1側の端部よりも−Y方向の下流側には、ノズル開口21が設けられておらず、またフランジ部219は、ワイピング面700から第3の方向Zに離れた方向に配置されているため、飛散したインクがヘッドユニット2に付着するのを抑制することができる。
【0187】
このように、本実施形態では、ワイピング面700よりも第1の方向Xの幅が狭いワイパーブレード411によって第1基準方向である−Y方向に相対移動を繰り返すことによって、−Y方向に異なる位置に設けられた第1ワイピング面701と第2ワイピング面702とを効率よく清掃することが可能となる。つまり、第1ワイピング面701を清掃する第1の相対移動と、第2ワイピング面702を清掃する第2の相対移動とを最低限の相対移動のみで必要な領域のみを最適に清掃することができる。
【0188】
なお、ワイパーブレード411が第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702の全てを覆う第1の方向Xの幅で形成されていれば、第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702を同時に清掃することができ、清掃時間を短縮することができるが、第1ワイピング面701と第2ワイピング面702とは、−Y方向に異なる位置に設けられているため、固定板260の相対移動方向である−Y方向の上流側の縁部によってワイパーブレード411が削られてしまう虞がある。本実施形態では、−Y方向で異なる位置に設けられた第1ワイピング面701と第2ワイピング面702とを異なる−Y方向の相対移動によって清掃することで、ワイパーブレード411の寿命を延命することができる。
【0189】
また、第1縁部280や第5縁部283を−Y方向に対して90度に設けた場合、本実施形態と同じインクの飛散を抑制するという効果を得るためには、第1弾性部411a及び第2弾性部411bの−Y方向に対する角度を大きくしなければならず、第2の方向Yにおけるワイパーブレード411の大型化及びインクジェット式記録装置1の大型化を招く。また、ワイパーブレード411の−Y方向への相対移動距離が長くなり、清掃時間が長くなってしまう。本実施形態では、ワイパーブレード411を−Y方向に対して交差する方向で、且つ第1縁部280に対して交差する方向に設けると共に、第1縁部280等を−Y方向に交差する方向で90度にならない角度で設けることで、ワイパーブレード411の第1弾性部411a及び第2弾性部411bの−Yに対する角度を大きくすることなく、インクの飛散を抑制することができる。したがって、ワイパーブレード411の小型化及びインクジェット式記録装置1の小型化を図ることができると共に、ワイパーブレード411の−Y方向への相対移動距離を短くして清掃時間を短縮することができる。
【0190】
なお、ワイパーブレード411によってワイピング面700を清掃する際に、ワイパーブレード411は、第1凸部270A及び第2凸部270Bに接触しないようにするのが好ましい。
【0191】
また、本実施形態では、ワイパーブレード411によって第1ワイピング面701及び第2ワイピング面702のそれぞれを清掃する最中に、ワイパーブレード411とヘッドユニット2とを第3の方向Zに相対的に移動させることなく、−Y方向への相対移動のみで、切り欠き部269を跨いで一度に清掃することができる。これは、メンテナンス位置において、ヘッド内ローラー630が第1収容部215及び第2収容部216に収容されていないことから実現可能である。つまり、ヘッド内ローラー630を保持したフレーム611は装置本体7に固定され、キャリッジ3がフレーム611に対して昇降可能に設けられているため、ヘッドユニット2をメンテナンス位置に移動するだけで、すなわち、ヘッドユニット2をフレーム611に対して上昇させるだけで、第1収容部215及び第2収容部216内に収容されたヘッド内ローラー630を第1収容部215及び第2収容部216の外側に相対移動させることができる。
【0192】
したがって、ワイパーブレード411によってワイピング面700を清掃する際に、ワイパーブレード411がヘッド内ローラー630に干渉するのを抑制することができる。これに対して、例えば、キャリッジ3やヘッドユニット2自体にヘッド内ローラー630を軸支させた場合、ヘッドユニット2をメンテナンス位置に移動しても、ヘッド内ローラー630も同時に移動するため、ヘッド内ローラー630がワイパーブレード411に干渉してしまう。このため、ワイパーブレード411を各記録ヘッド200及びその周囲の固定板260を清掃する度に昇降させるなどの複雑な移動が必要になる。また、ワイパーブレード411によって清掃した際のインクの飛沫等がヘッド内ローラー630に付着し、ヘッド内ローラー630で記録シートSを押さえた際に付着したインクが記録シートSに付着して記録シートSが汚れてしまうという虞がある。本実施形態では、ワイパーブレード411にヘッド内ローラー630が干渉しないため、ワイパーブレード411を第2の方向Yに相対的に移動させるだけで、複数の記録ヘッド200の液体噴射面20aを一度に清掃することができる。これにより、複雑な移動が不要となってメンテナンスを短時間で行うことができる。また、ワイパーブレード411に付着したインクが飛散するのを抑制することができるものの、たとえワイパーブレード411に付着したインクが飛散したとしても、飛散したインクがヘッド内ローラー630に付着し難く、記録シートSがヘッド内ローラー630に付着したインクによって汚れるのを抑制することができる。
【0193】
また、本実施形態では、ヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630を保持するフレーム611が装置本体7に固定され、ヘッドユニット2が第3の方向Zに昇降可能なため、記録シートSと記録ヘッド200の液体噴射面20aとの間隔をヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630に関係なく調整することができる。例えば、記録シートSの種類やインクの種類等に応じて、液体噴射面20aと記録シートSとの間隔を調整しても、記録シートSを押さえるヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630の第3の方向Zの位置は変わらないため、記録シートSを確実に保持して、インクや記録シートSに最適な条件で印刷を実行することが可能となる。
【0194】
一方、キャッピング手段420は、記録ヘッド200毎に設けられたゴム等で形成されたキャップ421と、複数のキャップ421を保持するキャップ保持部422とを具備する。
【0195】
キャップ421は、各記録ヘッド200の液体噴射面20aに当接して、複数のノズル開口の全てを覆う大きさで設けられている。
【0196】
また、キャップ保持部422は、第3の方向ZのZ2側の面に複数のキャップ421を保持するものであり、キャップ保持部422の内部には図示しない吸引路が設けられている。この吸引路は、一端がキャップ421の内部に連通し、他端が吸引ポンプ等の吸引装置に連通して設けられている。このようなキャッピング手段420は、キャップ421によって記録ヘッド200の液体噴射面20aを覆った状態で、吸引装置に吸引動作を行わせることで、キャップ421の内部を負圧にして、ノズル開口21から流路内のインクを気泡等の異物と共に吸引して吸引動作を行わせる。また、非印刷時に液体噴射面20aをキャップ421によって覆うことで、ノズル開口21近傍のインクの乾燥を塞ぐようにしてもよい。このようなキャッピング手段420によってヘッドユニット2の記録ヘッド200をキャッピングする際にも、ヘッド内ローラー630がヘッドユニット2又はキャリッジ3に軸支されていると、ヘッド内ローラー630がキャップ保持部422等に干渉してしまう。このため、キャップ421の第3の方向Zの高さを高くすることや、キャップ保持部422のヘッド内ローラー630が干渉する位置に凹部を形成するなどの対策が必要になる。本実施形態では、メンテナンス位置では、ヘッドユニット2の第1収容部215及び第2収容部216内にヘッド内ローラー630が収容されていないため、キャッピング手段420にヘッド内ローラー630を干渉しないようにする対策が不要となり、構成を簡略化することができる。
【0197】
(実施形態2)
図28は、本発明の実施形態2に係るヘッドユニット及びローラーユニットの液体噴射面側からの平面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0198】
図示するように、本実施形態では、キャリッジ3には、2つのヘッドユニット2が第1の方向Xに保持されている。なお、ヘッドユニット2の各固定板260には、上述した実施形態1と同様に、第1凸部270A、第2凸部270Bと折り曲げ部271とがそれぞれ設けられている。また、ヘッドユニット2の各固定板260には、第1縁部280、第2縁部281、第4縁部282及び第5縁部283が設けられている。さらに、キャリッジ3には、ヘッドユニット2毎にヘッドユニット保持孔3aが設けられており、各ヘッドユニット2に対応して導通部3bが設けられている。
【0199】
このような2つのヘッドユニット2に対して、1つのワイパーブレード411を設けるようにしてもよく、1つのヘッドユニット2に対して1つのワイパーブレード411を設けるようにしてもよい。
【0200】
また、本実施形態のローラーユニット610は、フレーム611と、ヘッド外ローラー620と、ヘッド内ローラー630と、を具備する。
【0201】
フレーム611は、ヘッドユニット2毎に開口部612が設けられている。すなわち、本実施形態では、2つのヘッドユニット2に対して、2つの開口部612が第1の方向Xに並設されている。
【0202】
このようなフレーム611は、第1の方向Xにおいて、X1側に設けられたヘッドユニット2よりもX1側に配置された第1フレーム部613と、X2側に設けられたヘッドユニット2よりもX2側に配置された第2フレーム部614と、2つのヘッドユニット2の間に設けられた梁部615と、を具備する。
【0203】
第1フレーム部613及び第2フレーム部614には、上述した実施形態1と同様に、ヘッド外ローラー620とヘッド内ローラー630とが設けられている。
【0204】
また、梁部615には、ヘッド外ローラー620と、X1側の開口部612に突出するヘッド内ローラー630と、X2側の開口部612に突出するヘッド内ローラー630と、が設けられている。
【0205】
具体的には、梁部615には、第2の方向YのY1側からY2側に向けて、ヘッドユニット2の第1収容部215と第2収容部216との間と、2つの第1収容部215の間と、第2収容部216及び第1収容部215の間との各々にヘッド外ローラー620が設けられている。すなわち、梁部には3つのヘッド外ローラー620が設けられている。
【0206】
また、梁部615には、X1側のヘッドユニット2のX2側に設けられた第1収容部215及び第2収容部216内に少なくとも一部が収容されるヘッド内ローラー630と、X2側のヘッドユニット2のX1側に設けられた第1収容部215及び第2収容部216内に少なくとも一部が収容されるヘッド内ローラー630と、が設けられている。すなわち、梁部615には、4つのヘッド内ローラー630が設けられている。
【0207】
このようにヘッドユニット2が複数設けられた構成であっても、上述した実施形態1と同様に、ヘッドユニット2の第1の方向Xの両側に当該ヘッドユニット2に第3の方向Zで相対向するヘッド内ローラー630を設けることで、ヘッドユニット2の第1の方向Xの両側に設けられたヘッド内ローラー630の距離を短くして、このヘッド内ローラー630の間で保持した記録シートSの浮き上がり等を抑制して、記録シートSへのインクの着弾位置ずれが生じるのを抑制することができる。
【0208】
また、本実施形態では、第2の方向Yにおいて、互いに隣り合うヘッド内ローラー630の間にヘッド外ローラー620を設けることで、ヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630によって記録シートSを第2の方向Yに狭い間隔で押さえることができる。したがって第2の方向Yで互いに隣り合うヘッド内ローラー630の間において記録シートSの浮き上がりを抑制して、記録シートSへのインクの着弾位置ずれが生じるのを抑制することができる。
【0209】
また、本実施形態では、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部を第1収容部215及び第2収容部216内に収容することで、ヘッドユニット2の液体噴射面を記録シートSの着弾面S1に近づけて配置することができる。したがって、ヘッドユニット2から噴射されたインクの着弾位置ずれを抑制して高速印刷が可能となる。
【0210】
さらに、上述した実施形態1と同様に、ヘッドユニット2を、ヘッド内ローラー630を保持したフレーム611に対して、第3の方向Zに昇降可能に設けることで、ヘッドユニット2のメンテナンス時にヘッド内ローラー630が干渉するのを抑制して、複雑な移動を行わせる構造を不要として、メンテナンス時間を短縮することができる。
【0211】
また、複数のヘッドユニット2をキャリッジ3に搭載することで、ヘッドユニット2から異なるインクを吐出させることができる。
【0212】
本実施形態においても、ヘッド内ローラー630と、ヘッド外ローラー620とは、回転軸の軸方向、すなわち、第2の方向Yにおいて、互いに少なくとも一部が相対向して設けられている。特に梁部615に設けられたヘッド内ローラー630とヘッド外ローラー620とを第2の方向Yで互いに少なくとも一部を相対向させることで、梁部615の第1の方向Xの幅を狭くして、2つのヘッドユニット2の第1の方向Xの間隔を狭くすることができる。
【0213】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述した物に限定されるものではない。
【0214】
例えば、上述した各実施形態では、ワイパーブレード411として、第1弾性部411aと第2弾性部411bとを具備するものを例示したが、特にこれに限定されず、ワイパーブレード411が、−Y方向に直交する第1の方向Xに沿って設けられた板状の部材で形成されていてもよい。この場合であっても、第1縁部280及び第5縁部283を設けることで、ワイパーブレード411は−Y方向への相対移動によって第1縁部280及び第5縁部283から徐々に離れることができるため、付着したインクの飛散を抑制することができる。なお、ワイパーブレード411の第1弾性部411a及び第2弾性部411bは、それぞれ第3基準方向XcYb及び第4基準方向XdYbに沿って直線状に設けられたものに限定されず、例えば、第1弾性部411aと第2弾性部411bとが曲線状に湾曲して設けられていてもよい。すなわち、ワイパーブレード411のY2側の中央部が凹となる湾曲した形状であってもよい。また、ワイパーブレード411の第1弾性部411a及び第2弾性部411bのそれぞれのY2側の面が凹形状となる湾曲した形状であってもよい。
【0215】
さらに、上述した各実施形態では、1つのヘッドユニット2に、複数の記録ヘッド200が第2の方向Yに並設されたヘッド列202を、第1の方向Xに複数配置し、第1の方向Xに並設されたヘッド列202を互いに第2の方向Yにずれた位置、すなわち、記録ヘッド200を所謂、千鳥状に配置するようにしたが、特にこれに限定されず、ヘッドユニット2には、複数の記録ヘッド200が、第1の方向X及び第2の方向Yの何れか一方又は両方に直線状に並設されたものであってもよい。もちろん、ヘッドユニット2には、単体の記録ヘッド200が搭載されていてもよい。
【0216】
また、上述した各実施形態では、ワイピング面700が、第4縁部282と第5縁部283とを有するものを例示したが、特にこれに限定されず、ワイピング面700は、第1縁部280のみ、又は第1縁部280及び第2縁部281のみ、を有するものであってもよい。
【0217】
例えば、上述した各実施形態では、キャリッジ3にヘッドユニット2を1つ又は2つ設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、キャリッジ3にヘッドユニット2を3つ以上設けるようにしてもよい。
【0218】
また、上述した各実施形態では、1つのヘッドユニット2から1種類のインクが噴射される構成を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、ノズル列毎に異なるインクが噴射されるようにしてもよい。
【0219】
さらに、上述した各実施形態では、ヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630は、搬送ベルト601に従動する従動ローラーとして説明したが、特にこれに限定されず、ヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630の少なくとも一方に駆動モーターを接続するようにしてもよい。
【0220】
また、上述した各実施形態では、ヘッドユニット2の記録ヘッド200の並設方向を、インクジェット式記録装置1に搭載された際の第2の方向Yとしたが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド200の並設方向、すなわち、ノズル開口21の並設方向をインクジェット式記録装置1の第2の方向Yに対して傾いた方向としてもよい。すなわち、ヘッド列202を構成する記録ヘッド200が、キャリッジ軸の軸方向に対して傾いた方向に並設されていてもよい。同様に、ヘッド列202の並設方向を第1の方向Xとしたが、これに限定されず、例えば、ヘッド列202の並設方向が第1の方向Xに対して傾いた方向となってもよい。
【0221】
また、上述した各実施形態では、ヘッド外ローラー620を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、ヘッド外ローラー620を設けずに、ヘッド内ローラー630のみを設けるようにしてもよい。また、上述した各実施形態では、インクジェット式記録装置1に第1搬送手段5と第2搬送手段6とを設けたが、特にこれに限定されず、ヘッド内ローラー630のみを設けるようにしてもよい。もちろん、ヘッド内ローラー630を設けずに、ヘッド外ローラー620のみを設けるようにしてもよい。さらに、ヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630の何れか一方又は両方をヘッドユニット2又はキャリッジ3に搭載するようにしてもよい。
【0222】
また、上述した各実施形態では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター130を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
【0223】
なお、上記実施の形態においては、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドユニットや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0224】
S 記録シート(被噴射媒体)、 S1 着弾面、 S2 裏面、 X 第1の方向(搬送方向、第2基準方向)、 Y 第2の方向(第1基準方向)、 Z 第3の方向(着弾面に直交する方向)、 1 記録装置、 2 液体噴射ヘッドユニット(インクジェット式記録ヘッドユニット)、 3 キャリッジ、 4 液体貯留手段、 5 第1搬送手段、 6 第2搬送手段、 7 装置本体、 8 供給管、 9 キャリッジ軸、 10 流路形成基板、 20 ノズルプレート、 20a 液体噴射面、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 40 ケース部材、 45 コンプライアンス基板、 50 振動板、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 120 接続配線、 121 配線基板、 130 圧電アクチュエーター、 200、200A1、200A2、200B1、200B2 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 202 ヘッド列、 202A 第1ヘッド列、 202B 第2ヘッド列、 203、203A、203B 隙間、 204、204A、204B 間隔、 210 ホルダー、 211 ヘッド保持部、 212 配線挿通孔、 213、213A、213B 第1接続流路、 214、214A、214B 第2接続流路、 215 第1収容部、 216 第2収容部、 219 フランジ部、 220 中継基板、 230 矯正板、 240 流路部材、 250 カバー、 260 固定板、 261 露出開口部、 263 液体噴射面形成部、 265A 第1幹部、 265B 第2幹部、 266A 第1枠部、 266B 第2枠部、 267A 第1段差部、 267B 第2段差部、 268 凹部、 269 切り欠き部、 270A 第1凸部、 270B 第2凸部、 271 折り曲げ部、 280 第1縁部、 281 第2縁部、 282 第4縁部、 283 第5縁部、 300 流路、 310 第1流路、 320 第2流路、 400 メンテナンス手段、 410 ワイピング手段、 411 ワイパーブレード(弾性部)、 411a 第1弾性部、 411b 第2弾性部、 420 キャッピング手段、 610 ローラーユニット、 611 フレーム、 620 ヘッド外ローラー、 630 ヘッド内ローラー、 700 ワイピング面、 701 第1ワイピング面、 702 第2ワイピング面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28