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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231820(P2015-231820A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】ミラー制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/07 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   B60R1/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-120018(P2014-120018)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】目崎 高志
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF02
3D053FF13
3D053GG05
3D053GG06
3D053HH18
3D053MM04
3D053MM08
3D053MM35
(57)【要約】
【課題】 走行路を区画する区画線との距離に応じて、後続車両が確認しやすくなるようにサイドミラーの角度を調整する。
【解決手段】車線22を区画する区画線23との距離に応じて左サイドミラー4、右サイドミラー6の角度を制御し、区画線23までの距離が短くなった側のサイドミラーを車両1の内側に向けて傾け、後続車両を確認しやすくする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行路を区画する区画線を検出する区画線情報検出手段と、
前記区画線情報検出手段で検出された前記区画線から前記車両までの距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離に応じて前記車両のサイドミラーの角度を制御するミラー角度制御手段とを備えた
ことを特徴とするミラー制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミラー制御装置において、
前記ミラー角度制御手段は、
前記距離検出手段により検出された距離が短くなるに応じて、距離が短くなった側のサイドミラーを前記車両の内側に向けて傾ける
ことを特徴とするミラー制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のミラー制御装置において、
前記ミラー角度制御手段は、
距離が長くなった側のサイドミラーを前記車両の外側に向けて傾ける
ことを特徴とするミラー制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のミラー制御装置において、
前記距離検出手段は、
前記車両の両側の前記区画線までの距離をそれぞれ検出し、
前記ミラー角度制御手段は、
前記それぞれの距離の合計が所定距離以下の場合には、前記サイドミラーの角度を現在の角度に維持する
ことを特徴とするミラー制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサイドミラーを所望の角度に制御するミラー制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、側部後方を視認するためのサイドミラーが備えられている。車両の走行状況や区画線で区画された走行路(走行車線)の走行位置等に応じて、サイドミラーの角度を制御する技術が従来から知られている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
即ち、特許文献1に記載された技術は、自車両が走行している走行車線を把握し、走行車線の位置に応じてサイドミラーの角度を変更するようになっている。例えば、左側の車線を走行している時には、左側のサイドミラーを倒して走行抵抗を低減するようになっている。また、特許文献2に記載された技術は、大型車両において、旋回中の旋回内側に死角が生じないように、走行に応じてサイドミラーを調整する技術である。
【0004】
サイドミラーの角度を制御することで、走行状況や走行環境に応じてサイドミラーの角度を的確に設定することができる。
【0005】
ところで、左折時や右折時、進路変更時等には、後続車両を確認することが重要である。例えば、左折時には、後続する二輪車両が側部後方から接近している場合、後続車両を確認して、巻き込みを回避する必要がある。また、右折時や進路変更時等には、後続車両の挙動を確認し、追突される虞等を確認する必要がある。
【0006】
後続車両を確認する場合、通常は、ルームミラーによって後続車両を確認することになるが、サイドミラー、ルームミラーの両方を確認する必要があった。また、車両によってはルームミラーで後続車両を確認することができないことがあった。このため、サイドミラーにより後続車両の確認ができれば、後続車両の認識を容易に行うことができる。
【0007】
しかし、サイドミラーは、主に、側部後方の視認を行うためのミラーであるため、後続車両の確認に適した視界に設定すると、本来の側部後方の視認性を阻害してしまう虞があるのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−44397号公報
【特許文献2】特開2001−310679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、走行路を区画する区画線との距離に応じて、後続車両が確認しやすくなるようにサイドミラーの角度を調整することができるミラー制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
例えば、区画線に接近した際に、即ち、左折時や右折時、進路変更時等の際に、後続車両が確認しやすくなるようにサイドミラーの角度を調整することができるミラー制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のミラー制御装置は、車両の走行路を区画する区画線を検出する区画線情報検出手段と、前記区画線情報検出手段で検出された前記区画線から前記車両までの距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段により検出された距離に応じて前記車両のサイドミラーの角度を制御するミラー角度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項1に係る本発明では、走行路を区画する区画線との距離に応じてサイドミラーの角度を制御するので、区画線との距離に応じて、後続車両が確認しやすくなるようにサイドミラーの角度を調整することが可能になる。サイドミラーの角度の調整は、段階的に角度を変更したり、連続的に角度を変更したりすることができる。
【0013】
そして、請求項2に係る本発明のミラー制御装置は、請求項1に記載のミラー制御装置において、前記ミラー角度制御手段は、前記距離検出手段により検出された距離が短くなるに応じて、距離が短くなった側のサイドミラーを前記車両の内側に向けて傾けることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る本発明では、区画線までの距離が短くなった側のサイドミラーを車両の内側に向けて傾けるので、例えば、左折する際に左側の距離が短くなった場合でも、サイドミラーで、側部からの二輪車を含めた後続車両が確認でき、二輪車等の巻き込みを防止することができる。また、例えば、右折や進路変更を実施する際に右側の距離が短くなった場合でも、サイドミラーで、後続車両の状況が確認でき、後続車両の挙動を確認して追突される虞などを把握することができる。
【0015】
また、請求項3に係る本発明のミラー制御装置は、請求項2に記載のミラー制御装置において、前記ミラー角度制御手段は、距離が長くなった側のサイドミラーを前記車両の外側に向けて傾けることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る本発明では、区画線までの距離が長くなった側のサイドミラーを車両の外側に向けて傾けるので、距離が長くなった側の後続車両の状況を的確に把握することができ、例えば、左折、右折、車線変更を中止した場合でも、後続車両の現在の状況を確認して中止後の走行を行うことができる。
【0017】
また、請求項4に係る本発明のミラー制御装置は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のミラー制御装置において、前記距離検出手段は、前記車両の両側の前記区画線までの距離をそれぞれ検出し、前記ミラー角度制御手段は、前記それぞれの距離の合計が所定距離以下の場合には、前記サイドミラーの角度を現在の角度に維持することを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る本発明では、区画線までのそれぞれの距離の合計により走行路の幅(車線幅)を把握し、車線幅が狭い時にはサイドミラーを傾ける制御を実行しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のミラー制御装置は、走行路を区画する区画線との距離に応じて、後続車両が確認しやすくなるようにサイドミラーの角度を調整することが可能になる。
【0020】
例えば、区画線に接近した際に、即ち、左折時や右折時、進路変更時等の際に、後続車両が確認しやすくなるようにサイドミラーの角度を調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例に係るミラー制御装置を備えた車両の概念図である。
図2】本発明の一実施例に係るミラー制御装置の制御ブロック図である。
図3】車線幅検出の概念図である。
図4】左折時の走行状況を説明する概略平面図である。
図5】左折時のサイドミラーの動作概念図である。
図6】右折時の走行状況を説明する概略平面図である。
図7】右折時のサイドミラーの動作概念図である。
図8】サイドミラーの動作フローチャートである。
図9】サイドミラーの動作フローチャートである。
図10】サイドミラーの動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から図3に基づいて本発明の一実施例に係るミラー制御装置を備えた車両の全体の構成を説明する。
【0023】
図1には本発明の一実施例に係るミラー制御装置を備えた車両の全体の構成を説明するための概略外観、図2には本発明の一実施例に係るミラー制御装置の制御を説明するためのブロック構成、図3には区画線の位置及び車線幅を判定する状況の概念を示してある。
【0024】
図1に基づいてミラー制御装置を備えた車両の全体構成を説明する。
【0025】
車両1のフロントウインドウの側部には、左サイドミラー装置2、及び、右サイドミラー装置3が備えられている。
【0026】
左サイドミラー装置2のミラーケーシングには左サイドミラー4が傾動自在に設けられ、左サイドミラー4は左サイドミラーモーター5の駆動により所望の傾斜角度に傾動制御される(ミラー角度制御手段)。また、右サイドミラー装置3のミラーケーシングには右サイドミラー6が傾動自在に設けられ、右サイドミラー6は右サイドミラーモーター7の駆動により所望の傾斜角度に傾動制御される(ミラー角度制御手段)。
【0027】
左サイドミラーモーター5、及び、右サイドミラーモーター7の駆動量は、左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の傾動量(操作量)として把握される。また、左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の現在の傾動位置が図示しない位置センサーにより検出される。
【0028】
車両1のルームミラー11の前方側には、前方の路面を撮影するカメラ12が設けられている。カメラ12の撮影情報により、車線を区画する区画線が認識される(区画線情報検出手段)。尚、カメラ12は前方の路面を撮影するものに限定されず、例えば車幅方向両端にそれぞれ設けられ車両側方の路面を撮影するものであってもよい。車両1には、車速センサー13、変速装置のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサー14、ステアリングホイール15の操舵角を検出する操舵角センサー16が備えられている。
【0029】
また、車両1には、左サイドミラー装置2、及び、右サイドミラー装置3の制御を行う制御手段17が備えられている。制御手段17には、カメラ12の撮影情報、車速センサー13の情報、シフトポジションセンサー14の情報、操舵角センサー16の情報が入力される。
【0030】
制御手段17では、カメラ12の撮影情報に基づいて区画線で区画された走行路(車線)が認識される。即ち、区画線から車両1までの距離が検出される(距離検出手段)。そして、制御手段17からの指令により、左サイドミラーモーター5、及び、右サイドミラーモーター7の駆動が制御される(ミラー角度制御手段)。
【0031】
図2図3に基づいて制御手段17の具体的な構成、及び、車線幅の検出について説明する。
【0032】
図2には本発明の一実施例に係る制御手段17の具体的なブロック構成、図3には区画線から車両1までの距離の関係、及び、車線幅の関係を説明する概念を示してある。
【0033】
図2に示すように、制御手段17には、車線判定手段21が設けられ、カメラ12の撮影情報が車線判定手段21に入力される。車線判定手段21では、図3に示すように、車両1が走行する走行路としての車線22を区画する左右の区画線23(路側帯を区画する区画線、センターライン等)までの距離LL、LRが判定される。そして、区画線23までの距離LL、LRと車両1の幅が合計されて車線22の幅(車線幅)LVが判定される。
【0034】
図2に示すように、制御手段17には、車速センサー13の情報、シフトポジションセンサー14の情報、操舵角センサー16の情報が入力される。車速センサー13、シフトポジションセンサー14の情報に基づいて高速走行時であることが判断された場合、左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の傾動の制御は実施されない。また、操舵角センサー16の情報に基づいて、例えば、左折、右折が終了している状態が判断された場合、左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の傾動の制御は実施されない。
【0035】
図2に示すように、制御手段17には、左サイドミラーモーター5、及び、右サイドミラーモーター7の駆動量に基づいて、左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の操作量が入力される。また、図示しない位置センサーにより検出される左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の現在の傾動位置が入力される。
【0036】
制御手段17には、基準位置記憶手段25が設けられ、左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の基準位置が基準位置記憶手段25に記憶されている。左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の基準位置とは、運転者によって最後に設定された位置のことを表す。基準位置記憶手段25に記憶された基準位置に基づいて、左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の基準位置と、現在の傾動位置との関係が把握される。
【0037】
制御手段17では、車線判定手段21で判定された、区画線23(図3参照)までの距離LL、LR(図3参照)の情報に基づいて、左サイドミラーモーター5、及び、右サイドミラーモーター7に駆動指令が出力され、後続車両が確認しやすくなるように左サイドミラー4、及び、右サイドミラー6の角度が調整される。
【0038】
具体的には、区画線23(図3参照)までの距離LL、LR(図3参照)が短くなるに応じて、距離が短くなった側の左サイドミラー4、もしくは、右サイドミラー6を車両1の内側に向けて傾けるように調整される。
【0039】
例えば、左折時に車両1が左側に寄った場合、左側の区画線23(図3参照)までの距離LLが短くなり、左サイドミラー4が車両1の内側に向けて傾けられ、左サイドミラー4で後続車両が確認しやすくなるように、左サイドミラー4の角度が調整される。
【0040】
また、右折時に車両1が右側に寄った場合、左側の区画線23(図3参照)までの距離LRが短くなり、右サイドミラー6が車両1の内側に向けて傾けられ、右サイドミラー6で後続車両の状況が確認しやすくなるように、右サイドミラー6の角度が調整される。
【0041】
区画線23までの距離が短くなった側のサイドミラーを車両1の内側に向けて傾けるので、例えば、左折する際に左側の区画線23までの距離が短くなった場合でも、左サイドミラー4で、側部からの二輪車を含めた後続車両が確認でき、二輪車等の巻き込みを防止することができる。
【0042】
また、右折や進路変更を実施する際に右側の区画線23(センターライン等)までの距離が短くなった場合でも、右サイドミラー6で、後続車両の状況が確認でき、後続車両の挙動を確認して追突される虞などを把握することができる。
【0043】
図2に示すように、角度が調整されていることを表示する調整中の表示灯24が備えられ、サイドミラーが傾動制御されている際に、表示灯24に点灯指令が出力される。左サイドミラー4、右サイドミラー6の角度の調整は、段階的に角度を変更したり、連続的に角度を変更したりすることができる。
【0044】
尚、上述した実施例では、左サイドミラーモーター5、もしくは、右サイドミラーモーター7の駆動により、左サイドミラー4、もしくは、右サイドミラー6を傾動させて角度を調整した例を挙げて説明したが、左サイドミラー装置2、右サイドミラー装置3のミラーケーシングを傾動させて左サイドミラー4、もしくは、右サイドミラー6の角度を調整することも可能である。
【0045】
図4図5に基づいて左折時の状況を説明する。尚、左側の車線への車線変更の場合も同様の制御が実施される。
【0046】
図4には左折時の車両の走行状況を説明する概略平面視、図5(a)には車両が左側に寄る前のサイドミラーの状況、図5(b)には車両が左側に寄った際のサイドミラーの状況を示してある。
【0047】
図4に示すように、車線22を走行し、左折時に左側に寄る前の車両1Aは、左サイドミラー装置2の左サイドミラー4の角度の視認範囲αが、車両1Aのボデーから左外側に設定されている。この状態では、図5(a)に示すように、左サイドミラー4には、例えば、歩道の歩行者31が主に映っている。この時、右サイドミラー6には後続車32の一部が映っている。
【0048】
図4に示すように、車線22を走行し、左折時に左側に寄った際の車両1Bは、左側の区画線23までの距離LLが短くなり、左サイドミラー装置2の左サイドミラー4の角度の視認範囲αが、車両1のボデーの側(内側)に向けて傾けられる。この状態で、図5(b)に示すように、左サイドミラー4には、例えば、車両1のボデーが多く映る状態になる一方で、側部後方に存在する二輪車33が映る状態になる。
【0049】
このため、側部からの二輪車33を含めた後続車両を左サイドミラー4で確認することができ、左サイドミラー4を確認することにより、二輪車33等の巻き込みを防止することができる。
【0050】
この時、図4に示すように、右側の区画線23(センターライン)までの距離LRが長くなり、右サイドミラー装置3の右サイドミラー6の角度の視認範囲βが、車両1の外側に向けて傾けられる。これにより、図5(b)に示すように、右サイドミラー6に後続車32の全体が映る状態になる。
【0051】
右サイドミラー装置3の右サイドミラー6の角度を車両1の外側に向けて傾けているので、右サイドミラー6で後続車32の状況を的確に把握することができ、例えば、左折を中止した場合でも、後続車32の現在の状況を確認して中止後の走行(直進走行)を行うことができる。
【0052】
図6図7に基づいて右折時の状況を説明する。尚、右側の車線への車線変更の場合も同様の制御が実施される。
【0053】
図6には右折時の車両の走行状況を説明する概略平面視、図7(a)には車両が右側(中央)に寄る前のサイドミラーの状況、図7(b)には車両が中央に寄った際のサイドミラーの状況を示してある。
【0054】
図6に示すように、車線22を走行し、右折時に中央に寄る前の車両1Aは、右サイドミラー装置3の右サイドミラー6の角度の視認範囲βが、車両1のボデーから右外側に設定されている。この状態では、図7(a)に示すように、右サイドミラー6には、例えば、対向車線が主に映っている。この時、左サイドミラー4には二輪車33等(一部)が映っている。
【0055】
図6に示すように、車線22を走行し、右折時に中央に寄った際の車両1Bは、右側の区画線23(センターライン)までの距離LRが短くなり、右サイドミラー装置3の右サイドミラー6の角度の視認範囲βが、ボデーの側(内側)に向けて傾けられる。この状態では、図7(b)に示すように、右サイドミラー6には、例えば、車両1のボデーが多く映る状態になる一方で、後続する後続車32が映る状態になる。
【0056】
このため、右サイドミラー6で後続車32の状況を的確に把握することができ、例えば、右折を中止した場合でも、後続車32の現在の状況を確認して中止後の走行(直進走行)を行うことができる。
【0057】
この時、図6に示すように、左側の区画線23までの距離LLが長くなり、左サイドミラー装置2の左サイドミラー4の角度の視認範囲αが、車両1の外側に向けて傾けられる。これにより、図7(b)に示すように、左サイドミラー4に、後続する二輪車33の全体や歩道側の歩行者31の一部が映る状態になる。
【0058】
左サイドミラー装置2の左サイドミラー4の角度を車両1の外側に向けて傾けているので、左サイドミラー4で、例えば、二輪車33や歩行者31の状況を的確に把握することができ、右折を中止した場合でも、後続する二輪車33や歩行者31の現在の状況を確認して中止後の走行(直進走行)を行うことができる。
【0059】
上述したミラー制御装置の動作の具体的な処理の流れを図8から図10に基づいて説明する。
【0060】
図8にはミラー制御装置の全体の処理のフローチャート、図9には左折処理のフローチャート、図10には右折処理のフローチャートを示してある。
【0061】
図8に基づいて全体の処理を説明する。
【0062】
図8に示すように、ステップS1でシフトポジションが読み込まれ、ステップS2で走行モードか否かが判断される。例えば、シフトポジションセンサー14(図1参照)の情報に基づき、シフトポジションがD位置(変速段固定位置)に操作されているかが判断される。
【0063】
ステップS2で走行モードではない、即ち、停車中等であると判断された場合、ステップS3でサイドミラーの位置が基準位置に維持されて処理が終了する。
【0064】
ステップS2で走行モードであると判断された場合、操舵角センサー16(図1参照)の情報に基づき、ステップS4で操舵角θが読み込まれる。例えば、操舵角センサー16(図1参照)は、ステアリングシャフトの回転方向、回転角により、操舵方向と操舵角度が検出される。
【0065】
ステップS5で操舵角θの絶対値が所定操舵角θb以下か否かが判断され、ステップS5で操舵角θの絶対値が所定操舵角θbを超えると判断された場合、既に、左折、右折が行われているとされ、ステップS3に移行して処理が終了する。
【0066】
ステップS5で操舵角θの絶対値が所定操舵角θb以下である判断された場合、左折、もしくは、右折の操作が開始されたと判断され、車速センサー13(図1参照)の情報に基づき、ステップS6で車速hが読み込まれる。
【0067】
ステップS7で車速hが基準車速hb以下か否かが判断され、ステップS7で車速hが基準車速hb以下であると判断された場合、ステップS8で車線幅LVが読み込まれる。ステップS7で車速hが基準車速hbを超えると判断された場合、高速走行での車線変更等であるとされ、ステップS3に移行して処理が終了する。
【0068】
ステップS9で車線幅LVが基準車線幅LVb以上か否かが判断され、車線幅LVが基準車線幅LVbに満たない、即ち、狭い車線を走行していると判断された場合、ステップS3に移行して処理が終了する。
【0069】
つまり、車両1の両側の区画線23までの距離をそれぞれ検出して車線幅LVを把握し、それぞれの距離の合計が所定距離以下で車線幅LVが狭い場合には、サイドミラーの角度を現在の角度、または、基準位置に維持し、サイドミラーを傾ける制御を実行しないようにしている。このため、車線幅が狭くサイドミラーを傾ける必要がない車線を走行する際には、無駄な傾動制御を省くことができる。
【0070】
ステップS9で車線幅LVが基準車線幅LVb以上であると判断された場合、ステップS10で左折動作の操舵であるか否かが判断される。ステップS10で左折動作の操舵であると判断された場合、ステップS11で左折時の処理が実行され、ステップS10で左折動作の操舵ではない、即ち、右折動作の操舵であると判断された場合、ステップS12で右折時の処理が実行される。
【0071】
つまり、ステップS11では、図4図5に基づいた左折時の状況のサイドミラーの傾動制御が実行され、ステップS12では、図6図7に基づいた右折時の状況のサイドミラーの傾動制御が実行される。
【0072】
尚、左折動作、右折動作の操舵が実行されて左側、もしくは、右側に寄った後、左折、右折の前に一旦停止し、この時にステアリングホイール15(図1参照)を中立位置に戻して待機している場であっても、左折動作の操舵、右折動作の操舵である判断が継続される。
【0073】
図9に基づいて左折処理を説明する。
【0074】
図9に示すように、ステップS21で左側の区画線23(図3参照)までの距離LLが読み込まれ、ステップS22で左サイドミラー4、右サイドミラー6の現在の角度が読み込まれる。ステップS23で左側の区画線23(図3参照)までの距離LLが基準距離LLb以下になったか否かが判断され、左折直前の状態か否かが判断される。
【0075】
ステップS23で左側の区画線23(図3参照)までの距離LLが基準距離LLbを越えていると判断された場合、左折直前に至っていないと判断されてリターンとなる。
【0076】
ステップS23で左側の区画線23(図3参照)までの距離LLが基準距離LLb以下になったと判断された場合、ステップS24で左サイドミラー4、右サイドミラー6の左折用の角度が計算される。ステップS24で計算された角度に左サイドミラー4、右サイドミラー6が傾けられるように、左サイドミラーモーター5(図1参照)、右サイドミラーモーター7(図1参照)がステップS25で駆動されてリターンとなる。
【0077】
即ち、左サイドミラー4の角度の視認範囲α(図4参照)が、車両1(図4参照)のボデーの側(内側)に向けて傾けられ、右サイドミラー6の角度の視認範囲β(図4参照)が、車両1(図4参照)の外側に向けて傾けられる。このため、左サイドミラー4で側部からの後続車を確認することができる。また、右サイドミラー6で後続車の状況を的確に把握し、左折を中止した場合でも後続車を確認しながら直進走行を行うことができる。
【0078】
図10に基づいて右折処理を説明する。
【0079】
図10に示すように、ステップS31で右側の区画線23(図3参照)までの距離LRが読み込まれ、ステップS32で左サイドミラー4、右サイドミラー6の現在の角度が読み込まれる。ステップS33で右側の区画線23(図3参照)までの距離LRが基準距離LRb以下になったか否かが判断され、右折直前の状態か否かが判断される。
【0080】
ステップS33で右側の区画線23(図3参照)までの距離LRが基準距離LRbを越えていると判断された場合、右折直前に至っていないと判断されてリターンとなる。
【0081】
ステップS33で右側の区画線23(図3参照)までの距離LRが基準距離LRb以下になったと判断された場合、ステップS34で左サイドミラー4、右サイドミラー6の右折用の角度が計算される。ステップS34で計算された角度に左サイドミラー4、右サイドミラー6が傾けられるように、左サイドミラーモーター5(図1参照)、右サイドミラーモーター7(図1参照)がステップS35で駆動されてリターンとなる。
【0082】
即ち、右サイドミラー6の角度の視認範囲β(図6参照)が、車両1(図6参照)のボデーの側(内側)に向けて傾けられ、左サイドミラー4の角度の視認範囲α(図6参照)が、車両1(図6参照)の外側に向けて傾けられる。このため、右サイドミラー6で後続車の状況を的確に把握することができる。また、左サイドミラー4で、例えば、二輪車33や歩行者31の状況を的確に把握し、右折を中止した場合でも後続車を確認しながら直進走行を行うことができる。
【0083】
上述したミラー制御装置は、走行路(走行車線)を区画する区画線との距離に応じて左右のサイドミラーの角度を制御するので、区画線までの距離が短くなった側のサイドミラーを車両の内側に向けて傾けるので、左折時には、サイドミラーで、側部からの二輪車を含めた後続車両を確認することができ、二輪車等の巻き込みを防止することができる。また、右折時や進路変更時には、サイドミラーで、後続車両の状況を確認することができ、後続車両の挙動を確認して追突される虞などを把握することができる。
【0084】
尚、本発明の一実施例では、距離検出手段としてカメラを用いたが、これに限定されず、例えばGPSによる位置情報を用いて区画線と車両との距離を検出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、ミラー制御装置の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 車両
2 左サイドミラー装置
3 右サイドミラー装置
4 左サイドミラー
5 左サイドミラーモーター
6 右サイドミラー
7 右サイドミラーモーター
11 ルームミラー
12 カメラ
13 車速センサー
14 シフトポジションセンサー
15 ステアリングホイール
16 操舵角センサー
17 制御手段
21 車線判断手段
22 車線
23 区画線
25 基準位置記憶手段
31 歩行者
32 後続車
33 二輪車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10