特開2015-231830(P2015-231830A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231830(P2015-231830A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   B60K20/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-84194(P2015-84194)
(22)【出願日】2015年4月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-98859(P2014-98859)
(32)【優先日】2014年5月12日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】山村 敬博
(72)【発明者】
【氏名】牧村 宗年
(72)【発明者】
【氏名】渡会 将策
(72)【発明者】
【氏名】石田 篤史
【テーマコード(参考)】
3D040
【Fターム(参考)】
3D040AA01
3D040AA14
3D040AA34
3D040AC03
3D040AC24
3D040AC58
3D040AC59
3D040AC60
(57)【要約】
【課題】第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト部材の操作において、ディテントピンが解除位置に移動されても、シフト部材の第2シフト位置から第3シフト位置への移動を制限することができるシフト装置を提供する。
【解決手段】シフト装置10は制限部材30及び解除手段40を含んで構成されている。制限部材30では、シフトレバー16が第1シフト位置(20P)から第2シフト位置(20D)に移動された際に、解除位置に移動されたディテントピン60を係止してシフトレバー16の第3シフト位置(20S)への移動が制限される。解除手段40では、シフトレバー16が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピン60が解除位置へ移動されることでシフトレバー16の第3シフト位置への移動の制限部材30による制限が解除される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シフト位置から第2シフト位置を介して第3シフト位置へ移動可能とされたシフト部材と、
当該シフト部材に設けられ、解除位置に移動されることで前記第1シフト位置から第2シフト位置への前記シフト部材の移動が可能とされるディテントピンと、
前記シフト部材が前記第1シフト位置から前記第2シフト位置に移動された際に、前記解除位置に移動された前記ディテントピンを係止して前記シフト部材の前記第3シフト位置への移動を制限する制限部材と、
前記シフト部材が前記第2シフト位置に移動された際に、前記ディテントピンが前記解除位置へ移動されることで前記シフト部材の前記第3シフト位置への移動の前記制限部材による制限を解除する解除手段と、
を備えたシフト装置。
【請求項2】
前記解除手段は、
前記シフト部材が前記第1シフト位置から前記第2シフト位置に移動された際に、前記解除位置に移動された前記ディテントピンが移動させ、前記シフト部材が前記第2シフト位置に移動された際に、前記ディテントピンの前記解除位置への移動が解除されると移動が解除される可動部材と、
前記シフト部材が前記第2シフト位置に移動された際に、前記ディテントピンの前記解除位置への移動により前記可動部材を介して前記制限部材を移動させて前記シフト部材の前記第3シフト位置への移動の制限が解除される移動手段と、
を備えた請求項1に記載のシフト装置。
【請求項3】
前記可動部材は、前記シフト部材の前記第1シフト位置から前記第2シフト位置への移動に伴う前記ディテントピンの移動方向へ前記制限部材に対して移動可能とされ、前記ディテントピンの前記解除位置への移動方向へ前記制限部材に対して移動を制限されている請求項2に記載のシフト装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記制限部材を回動させる構成とされている請求項2又は請求項3に記載のシフト装置。
【請求項5】
前記移動手段は、前記制限部材をスライドさせる構成とされている請求項2又は請求項3に記載のシフト装置。
【請求項6】
前記解除手段は、前記シフト部材が前記第2シフト位置に移動された際に、前記ディテントピンの前記解除位置への移動が解除されると、前記シフト部材の前記第3シフト位置への移動の前記制限部材による制限の解除を開始する移動開始位置へ前記制限部材を移動させ、前記シフト部材が前記第2シフト位置に移動された際に、前記ディテントピンの前記解除位置への移動により前記ディテントピンが前記移動開始位置から前記制限部材を移動させて前記シフト部材の前記第3シフト位置への前記制限部材による移動の制限を解除する弾性部材を備えた請求項1に記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両における自動変速機のストレート式のセレクタ装置が開示されている。セレクタ装置では、運転者により、ブレーキペダル操作がなされた状態で、シフトレバーをパーキングレンジからドライブレンジに移動させる際に、ロック状態のディテントピンの移動がストッパにより阻止される。このため、ドライブレンジにおいてシフトレバーの移動が止められる。
【0003】
ところで、このようなセレクタ装置では、シフトレバーをパーキングレンジからドライブレンジに移動させる際に、ディテントピンをロック解除状態としても、シフトレバーをドライブレンジに止めることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−193600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト部材の操作において、ディテントピンが解除位置に移動されても、シフト部材の第2シフト位置から第3シフト位置への移動を制限することができるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明に係るシフト装置は、第1シフト位置から第2シフト位置を介して第3シフト位置へ移動可能とされたシフト部材と、シフト部材に設けられ、解除位置に移動されることで第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト部材の移動が可能とされるディテントピンと、シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置に移動された際に、解除位置に移動されたディテントピンを係止してシフト部材の第3シフト位置への移動を制限する制限部材と、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンが解除位置へ移動されることでシフト部材の第3シフト位置への移動の制限部材による制限を解除する解除手段と、を備えている。
【0007】
請求項1に係るシフト装置では、シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置を介して第3シフト位置へ移動可能とされる。シフト部材にはディテントピンが設けられ、ディテントピンは解除位置に移動されることで第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト部材の移動が可能とされる。
【0008】
ここで、シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置に移動された際に、解除位置に移動されたディテントピンを制限部材が係止してシフト部材の第3シフト位置への移動が制限される。また、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンが解除位置へ移動されることで解除手段がシフト部材の第3シフト位置への移動の制限部材による制限を解除する。このため、ディテントピンが解除位置に移動されても、第1シフト位置から移動されるシフト部材を第2シフト位置に止めることができると共に、第2シフト位置に移動されたシフト部材は解除手段により第3シフト位置へ移動させることができる。
【0009】
請求項2に記載された発明に係るシフト装置では、請求項1に係るシフト装置において、解除手段は、シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置に移動された際に、解除位置に移動されたディテントピンが移動させ、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンの解除位置への移動が解除されると移動が解除される可動部材と、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンの解除位置への移動により可動部材を介して制限部材を移動させてシフト部材の第3シフト位置への移動の制限が解除される移動手段と、を備えている。
【0010】
請求項2に係るシフト装置によれば、解除手段は可動部材と移動手段とを備える。シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置に移動された際に、解除位置に移動されたディテントピンにより可動部材が移動される。また、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンの解除位置への移動が解除されると、可動部材の移動が解除される。一方、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、移動手段がディテントピンの解除位置への移動により可動部材を介して制限部材を移動させ、シフト部材の第3シフト位置への移動の制限が解除される。このため、解除手段では、シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置へ移動され、ディテントピンが解除位置への移動から解除されて再び解除位置へ移動されないと、制限部材を移動させてシフト部材の第3シフト位置への移動の制限を解除することができない。
【0011】
請求項3に記載された発明に係るシフト装置では、請求項2に係るシフト装置において、可動部材は、シフト部材の第1シフト位置から第2シフト位置への移動に伴うディテントピンの移動方向へ制限部材に対して移動可能とされ、ディテントピンの解除位置への移動方向へ制限部材に対して移動を制限されている。
【0012】
請求項3に係るシフト装置によれば、可動部材は、シフト部材の第1シフト位置から第2シフト位置への移動に伴うディテントピンの移動方向へ、制限部材に対して移動可能とされる。このため、シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置に移動された際に、解除位置に移動されたディテントピンが可動部材を移動させて制限部材に係止されるので、シフト部材の第3シフト位置への移動が制限される。一方、可動部材は、ディテントピンの解除位置への移動方向へ、制限部材に対して、移動を制限される。このため、ディテントピンの解除位置への移動により、この移動方向への移動が制限された可動部材を介して制限部材を移動させ、シフト部材の第3シフト位置への移動の制限が解除される。
【0013】
請求項4に記載された発明に係るシフト装置では、請求項2又は請求項3に係るシフト装置において、移動手段は、制限部材を回動させる構成とされている。
【0014】
請求項4に係るシフト装置によれば、移動手段が制限部材を回動させる構成とされているので、移動手段を簡易な構成とすることができる。
【0015】
請求項5に記載された発明に係るシフト装置では、請求項2又は請求項3に係るシフト装置において、移動手段は、制限部材をスライドさせる構成とされている。
【0016】
請求項5に係るシフト装置によれば、移動手段が制限部材をスライドさせる構成とされているので、移動手段を簡易な構成とすることができる。
【0017】
請求項6に記載された発明に係るシフト装置では、請求項1に係るシフト装置において、解除手段は、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンの解除位置への移動が解除されると、シフト部材の第3シフト位置への移動の制限部材による制限の解除を開始する移動開始位置へ制限部材を移動させ、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンの解除位置への移動によりディテントピンが移動開始位置から制限部材を移動させてシフト部材の第3シフト位置への制限部材による移動の制限を解除する弾性部材を備えている。
【0018】
請求項6に係るシフト装置によれば、解除手段は弾性部材を備える。弾性部材は、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンの解除位置への移動が解除されると、移動開始位置へ制限部材を移動させる。そして、弾性部材は、シフト部材が第2シフト位置に移動された際に、ディテントピンの解除位置への移動によりディテントピンが移動開始位置から制限部材を移動させてシフト部材の第3シフト位置への制限部材による移動の制限を解除する。このため、解除手段では、シフト部材が第1シフト位置から第2シフト位置へ移動され、ディテントピンが解除位置への移動から解除されて再び解除位置へ移動されないと、制限部材を移動させてシフト部材の第3シフト位置への移動の制限を解除することができない。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るシフト装置は、第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト部材の操作において、ディテントピンが解除位置に移動されても、シフト部材の第2シフト位置から第3シフト位置への移動を制限することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施の形態に係るシフト装置を車両前方側の斜め方向から車両後方側へ向かって見た斜視図である。
図2図1に示されるシフト装置の要部分解斜視図である。
図3図1及び図2に示されるシフト装置の第1動作を説明する車両側面方向から見た要部側面図である。
図4】第2動作を説明するシフト装置の図3に対応する要部側面図である。
図5】第3動作を説明するシフト装置の図3に対応する要部側面図である。
図6】(A)は図1及び図2に示されるシフト装置の組付方法を説明する第1組付工程における要部側面図、(B)第2組付工程における要部側面図である。
図7】第1実施の形態の変形例に係るシフト装置の図3に対応する要部側面図である。
図8】本発明の第2実施の形態に係るシフト装置の図1に対応する斜視図である。
図9図8に示されるシフト装置の要部分解斜視図である。
図10図8及び図9に示されるシフト装置の第1動作を説明する車両側面方向から見た要部側面図である。
図11】第2動作を説明するシフト装置の図10に対応する要部側面図である。
図12】第3動作を説明するシフト装置の図10に対応する要部側面図である。
図13】第2実施の形態の変形例に係るシフト装置の図10に対応する要部側面図である。
図14】本発明の第3実施の形態に係るシフト装置の図1に対応する斜視図である。
図15図14に示されるシフト装置の分解斜視図である。
図16】(A)は図14及び図15に示されるシフト装置の制限部材の斜視図、(B)は(A)に示される制限部材を車両幅方向反対側から見た斜視図である。
図17図14及び図15に示されるシフト装置の第1動作を説明する車両側面方向から見た要部側面図である。
図18】第2動作を説明するシフト装置の図17に対応する要部側面図である。
図19】第3動作を説明するシフト装置の図17に対応する要部側面図である。
図20】第4動作を説明するシフト装置の図17に対応する要部側面図である。
図21】本発明の第4実施の形態に係るシフト装置を図1等とは車両幅方向反対側の車両側面方向から見た側面図である。
図22】(A)は図21に示されるシフト装置の制限部材を車両後方側の斜め方向から車両前方側へ向かって見た斜視図、(B)は(A)に示されるシフト装置を車両幅方向反対側から見た斜視図である。
図23図21に示されるシフト装置の第1動作を説明する要部側面図である。
図24】第2動作を説明するシフト装置の図23に対応する要部側面図である。
図25】第3動作を説明するシフト装置の図23に対応する要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施の形態]
以下、図1図7を用いて、自動車等の車両に適用される本発明の第1実施の形態に係るシフト装置10を説明する。なお、図中、適宜示される矢印FRは車両前方向を示し、矢印Wは車両幅方向を示している。また、矢印UPは車両上方向を示している。なお、本発明の適用方向が限定されるものではない。
【0022】
(シフト装置の全体構成)
図1及び図2に示されるように、第1実施の形態に係るシフト装置10は、図示を省略した車両の床部に設けられたフロア式、かつシフト操作方向を車両前後方向とするストレート式の自動変速機用シフト装置である。シフト装置10では、第1シフト位置としてのパーキング位置20P、リバース位置20R、ニュートラル位置20N、第2シフト位置としてのドライブ位置20D、第3シフト位置としてのセカンド位置20S、ロウ位置20Lの各シフト位置が設けられている。各シフト位置は、車両前方側から車両後方側へ向かって、ストレートに連続して配置されている。なお、シフト装置10では、ドライブ位置20Dとセカンド位置20Sとの間に、サード位置又はマニュアル位置が配置されてもよい。この場合、サード位置又はマニュアル位置は第3シフト位置となる。
【0023】
シフト装置10はハウジング12を備えている。ハウジング12には、車両幅方向に対向しかつ離間して配置され、車両前後方向及び車両上下方向に平面をなす側面プレート12A及び側面プレート12Bが設けられている。側面プレート12Aと側面プレート12Bとの間には車両前方視において上方を開口とした凹状の空間部12Cが設けられている。
【0024】
空間部12Cでは、シフト部材としてのシフトレバー16が、パーキング位置20Pからドライブ位置20Pを介してセカンド位置20Sに車両前後方向へ移動可能(揺動可能)とされている。図1にシフトレバー16の一部が想像線(二点鎖線)により示されているが、ここではシフトレバー16が例えば長尺丸棒状により形成されている。シフトレバー16の下端部は、レバー支持部材14の上端部に設けられた開口14A内に挿入されてこの開口14Aに取付けられている。レバー支持部材14の下端部はハウジング12の下側中間部に車両幅方向を軸方向とする回転軸14Bに取付けられている。回転軸14Bを回転中心として、レバー支持部材14が回転可能とされている。シフトレバー16の上端部には図示を省略したシフトノブが設けられ、図1に示されるように、シフトノブにはシフト位置の固定操作(ロック操作)及び解除操作(ロック解除操作)を行う操作ボタン18が設けられている。操作ボタン18の固定操作(非操作)により、図1及び図3に示されるディテントピン60が規制位置に配置される。また、操作ボタン18の解除操作(押圧操作)により、ディテントピン60が規制位置から解除位置へ移動する。
【0025】
図1及び図2に示されるように、ハウジング12の側面プレート12Aの中央部位にディテントプレート部20が設けられている。ディテントプレート部20は側面プレート12Aを板厚方向に貫通して形成されている。図2に示されるように、ディテントプレート部20の貫通された内壁上部に配置位置22P、22R、22N、22D、22S、22Lが設けられている。
【0026】
配置位置22Pは、最も車両前方側に形成され、車両上方側へ凹設されて車両側面視においてU溝形状により構成されている。配置位置22Pはパーキング位置20Pにディテントピン60を固定可能にする箇所である。配置位置22Rは、配置位置22Pに対して車両後方側に隣合って形成され、車両上方側へ凹設されて車両側面視においてL溝形状により構成されている。配置位置22Rはリバース位置20Rにディテントピン60を固定可能にする箇所である。配置位置22Nは、配置位置22Rに対して車両後方側に隣合って形成され、車両上方側へ配置位置22Rよりも深く凹設されて車両側面視においてL溝形状により構成されている。配置位置22Nはニュートラル位置20Nにディテントピン60を固定可能にする箇所である。配置位置22Dは、配置位置22Nに対して車両後方側に隣合って形成され、車両上方側へ配置位置22Nよりも深く凹設されて車両側面視においてU溝形状により構成されている。配置位置22Dはドライブ位置20Dにディテントピン60を固定可能にする箇所である。配置位置22Sは配置位置22Dに対して車両後方側に隣合って形成され、配置位置22Lは配置位置22Sに対して車両後方側に隣合って形成されている。配置位置22S、配置位置22Lは、車両上方側へ配置位置22Dよりも浅く凹設されて構成されており、車両側面視において配置位置22S、配置位置22Lの双方は連結した形状とされている。配置位置22Sはセカンド位置20Sに、配置位置22Lはロウ位置20Lに各々ディテントピン60を固定可能にする箇所である。
【0027】
なお、本実施の形態では、ディテントプレート部20は一方の側面プレート12Aにのみ設けられているが、他方の側面プレート12Bに又は双方にディテントプレート部が設けられてもよい。
【0028】
(制限部材及び解除機構の構成)
図1及び図2に示されるように、シフト装置10は制限部材30及び解除手段(解除機構)40を含んで構成されている。制限部材30及び解除手段40は、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへのシフトレバー16の操作において、ディテントピン60が解除位置に移動されても、シフトレバー16のドライブ位置20Dからセカンド位置20Sへの移動を制限する回転式のメカニカルユニットを構築する。つまり、本実施の形態では、制限部材30及び解除手段40は、シフトレバー16のドライブ位置20Dの飛越えを制限する構成とされている。
【0029】
制限部材30は、ドライブ位置20Dの配置位置22Dの下部に設けられ(図3参照)、配置位置22DのU溝の車両後方側の内壁面と車両上下方向において一致する壁(面)30Sを車両前方側の一端部に備えた回転アーム38により形成されている。詳しく説明すると、回転アーム38は車両側面視において車両上方側に突出する円弧形状により形成されている。回転アーム38の車両前方側の一端部にガイド部38Cが設けられ、ガイド部38Cは車両平面視において車両前方側に開口を有し二股に分岐されたU字状とされ、この分岐された2つの車両前方側端の壁が壁30Sとされている。換言すれば、壁30Sは回転アーム38の一部を利用して、又は回転アーム38と一体に形成されている。制限部材30は、操作ボタン18の解除操作によりパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動可能な状態となる解除位置におけるディテントピン60をドライブ位置20Dに係止し、セカンド位置20Sへの移動を制限する構成とされている。
【0030】
なお、制限部材30は、リバース位置20R又はニュートラル位置20Nからドライブ位置20Dへのディテントピン60の移動も同様に係止する構成とされている。そして、制限部材30は、セカンド位置20Sよりも車両後方側のロウ位置20Lへの移動も制限する構成とされている。
【0031】
図1及び図2に示されるように、解除手段40は可動部材42及び移動手段(移動機構)48を備えている。可動部材42は、本実施の形態において樹脂製の直方体ブロックにより形成され、回転アーム38のガイド部38Cの二股に分岐された中間部に位置して設けられている。可動部材42には車両前方側から車両後方側へ貫通する被ガイド孔42Bが設けられている。被ガイド孔42Bには、ガイド部38Cに一体に形成され、かつガイド部38Cの中間部において車両前後方向を軸方向とするガイド棒38Eが挿入されている。また、ガイド部38Cの二股に分岐された対向する側面部には、各々、車両前後方向を長手方向とし、可動部材42のガイド範囲を規制する規制用長孔38Dが設けられている。規制用長孔38D内には可動部材42の車両幅方向の両側面に各々設けられた規制用突起42Aが位置し、規制用長孔38Dの範囲において、可動部材42がガイド部38Cにガイドされて車両前後方向となる矢印A方向へスライドする構成とされている。
【0032】
可動部材42とガイド部38Cとの間においてガイド棒38Eには弾性部材44が設けられている。弾性部材44として、例えばコイルばねが使用されている。弾性部材44により車両前方側への付勢力が可動部材42に作用する。可動部材42が車両前方側へ付勢された際に、可動部材42は、制限部材30の壁30Sよりも車両前方側へ突出され、規制用長孔38Dに規制されてドライブ位置20Dの配置位置22Dを塞ぐ位置に移動する構成とされている(図3参照)。一方、解除位置におけるディテントピン60(図3参照)がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動する際に、可動部材42の車両前方側の壁(面)42Sはディテントピン60に押圧される。そして、可動部材42の壁42Sは、弾性部材44の付勢力に抗して、制限部材30の壁30Sと一致するまで車両後方側へ移動する。ディテントピン60による押圧が解除されると、可動部材42は弾性部材44により移動された位置から配置位置22Dを塞ぐ元の位置へ移動する。すなわち、可動部材42は、シフトレバー16のパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへの移動に伴うディテントピン60の移動方向(車両後方向)へ制限部材30に対して移動可能とされている。また、可動部材42は、ディテントピン60の解除位置への移動方向(車両下方向)へ制限部材30に対して移動を制限されている。
【0033】
移動手段48は、回転アーム38の車両後方側の他端部に設けられた回転軸穴38Aと、回転軸穴38Aに嵌合う回転軸46と、弾性部材54とを備えている。回転軸46は、側面プレート12Aのディテントプレート部20よりも車両後方側に一体に形成され、車両幅方向を軸方向として突出して形成されている。従って、回転アーム38は回転軸46を中心として略車両上下方向となる矢印B方向へ回動する構成とされている。
【0034】
また、図2及び図3に示されるように、回転アーム38と側面プレート12Aとの間において回転軸46には弾性部材54が設けられている。弾性部材54として、例えばねじりコイルばね(トーションばね)が使用されている。弾性部材54の一端54Aが回転アーム38に取付けられ、他端54Bが側面プレート12Aに一体に形成されたフック状の係合部58に取付けられている。弾性部材54により、ガイド部38Cの上面をディテントプレート部20の配置位置22S及び配置位置22Lの部位に当接させる付勢力が回転アーム38に作用する。ドライブ位置20Dにおいてディテントピン60が配置位置22Dから解除位置に車両下方向へ移動する際に、ディテントピン60が、可動部材42の上面を押圧し、この可動部材42を介して回転アーム38を押下げる(矢印B方向へ回動させる)。この押下げられた位置は、ディテントピン60のセカンド位置20Sへの移動の制限部材30による制限を解除する位置となる。回転アーム38が押下げられると、回転アーム38のガイド部38Cとセカンド位置20Sの配置位置22Sとの間にディテントピン60が移動可能なスペースが形成される。そして、ディテントピン60は、ドライブ位置20Dからセカンド位置20S及びロウ位置20Lの各シフト位置へ移動可能となる。
【0035】
従って、解除手段40は、ドライブ位置20Dの配置位置22Dから解除位置へのディテントピン60の移動により、制限部材30によるディテントピン60のセカンド位置20Sへの移動の制限を機械的に解除する構成とされている。
【0036】
回転アーム38の車両前後方向中間部の上部には、車両幅方向外側の一部を切欠いた凹設部38Bが設けられている。一方、側面プレート12Aの凹設部38Bに対応する箇所には、車両側面視において車両下方側へ突出されて凹設部38Bに重複される凸設部12Dが側面プレート12Aと一体に形成されている。組付方法は後に説明するが、側面プレート12Aと凸設部12Dとの間に凹設部38Bを嵌込み、側面プレート12Aに回転アーム38が組付けられることにより、ハウジング12に制限部材30及び解除手段40が取付けられる。なお、回転アーム38の移動に伴う凸設部12Dに対する凹設部38Bのスライドは可能とされている。
【0037】
図1図3に示されるように、回転アーム38のガイド部38Cの下部には、壁30Sよりも車両前方側へ突出され、可動部材42の下面に当接してこの可動部材42を支持するプレート状の支持部50が一体に形成されている。支持部50は、可動部材42を支持して、ディテントピン60の押圧により可動部材42に加わる荷重を分散する構成とされている。
【0038】
また、図2及び図3に示されるように、回転アーム38の上部、詳しく説明すると、凹設部38Bとガイド部38Cとの間の上部には緩衝材56が設けられている。緩衝材56は、弾性部材54により制限を解除する位置から戻る際の回転アーム38とディテントプレート部20との当接に伴う音の発生を抑制させる構成とされている。緩衝材56は、例えば回転アーム38の材質よりも軟らかい材質、具体的には繊維材、ゴム材、樹脂材等により形成され、回転アーム38にインサート成形されるか、別部品として回転アーム38に接着材や粘着テープを用いて取付けられている。なお、緩衝材56は、ディテントプレート部20側に設けてもよく、又回転アーム38及びディテントプレート部20の双方に設けてもよい。
【0039】
(シフト装置の動作)
次に、図1図5を用いて、本実施の形態に係るシフト装置10の動作を説明する。シフト装置10において、まず図示を省略したシフトノブの操作ボタン18により運転者がディテントピン60の解除操作を行う。この解除操作により、パーキング位置20Pの配置位置22Pにおいてディテントピン60の固定が解除され、図3に示されるようにディテントピン60は解除位置に矢印C方向へ移動する。
【0040】
解除操作が維持されたまま、運転者は、ドライブモードを選択し車両を前進走行するために、図4に示されるように、ドライブ位置20Dに矢印D方向(車両後方側)へシフトレバー16を移動させる。シフトレバー16の移動により、ディテントピン60は、制限部材30の可動部材42の壁42Sに当接し、この壁42Sを押圧し、弾性部材44(図2参照)の付勢力に抗して可動部材42を矢印A方向へ押込み、移動させる。可動部材42が移動すると、ディテントピン60は、制限部材30の壁30Sに当接して、この壁30Sによりドライブ位置20Dに係止される。つまり、ディテントピン60のセカンド位置20S、ロウ位置20Lの各シフト位置への移動が制限される。このディテントピン60の移動は、リバース位置20R、ニュートラル位置20Nの各々からシフトレバー16を移動させても、同様に制限される。
【0041】
運転者は操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。この固定操作により、図4において二点鎖線により示されるディテントピン60はドライブ位置20Dの配置位置22Dに矢印E方向へ移動して固定される。ここで、ディテントピン60が解除位置から配置位置22Dへ矢印E方向に移動すると、壁42Sの押圧が無くなるので、図5に示されるように、可動部材42が弾性部材44の付勢力により移動された位置から元の位置に戻される(移動が解除される)。
【0042】
運転者は、ドライブモードからセカンドモードを選択し車両の前進走行ギア比を変えるために、再びシフトノブの操作ボタン18により解除操作を行う。この解除操作により、図5に示されるように、ディテントピン60が配置位置22Dから解除位置に矢印F方向へ移動する。ディテントピン60の移動により、ディテントピン60は、可動部材42の上面を押圧し、この可動部材42を介して回転アーム38を車両下方向へ押下げる。つまり、回転アーム38が回転軸46を中心として矢印B方向へ回動され、制限部材30及びその壁30Sが車両下方側へ移動する。制限部材30の移動により、セカンド位置20Sの配置位置22S及びロウ位置20Lの配置位置22Lと回転アーム38の上面との間にディテントピン60を矢印G方向へ移動可能なスペースが形成される。つまり、セカンド位置20S以降のシフト位置への移動の制限が解除される。運転者は、セカンド位置20Sの配置位置22Sにおいて、操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。これにより、シフトレバー16はセカンド位置20Sに配置される。なお、ドライブモードを選択した後、セカンドモードやロウモードを選択せずに、ニュートラルモード、リバースモード又はパーキングモードを選択することができる。
【0043】
(制限部材及び解除機構の組付方法)
図6(A)及び図6(B)を用いて、本実施の形態に係るシフト装置10の制限部材30及び解除手段40の組付方法を簡単に説明する。まず、制限部材30が準備される。図1図3に示されるように、制限部材30は、回転アーム38のガイド部38Cに弾性部材44を介して可動部材42が組付けられた状態にある。
【0044】
次に、側面プレート12Aに設けられた解除手段40の回転軸46に弾性部材54が取付けられる。引き続き、図6(A)に示されるように、側面プレート12Aに設けられた凸設部12Dよりも、若干、回転アーム38を車両下方側に位置させて、回転軸46に弾性部材54を介して回転アーム38の回転軸穴38A(図2参照)が嵌込まれる。そして、凸設部12Dよりも車両幅方向内側に回転アーム38の凹設部38Bを嵌込むことにより、側面プレート12Aに制限部材30及び解除手段40が組付けられる。この組付けには、ねじ、ビス等の締結部材が必要とされない。
【0045】
(第1実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係るシフト装置10では、図1及び図2に示されるように、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dを介してセカンド位置20Sへ移動可能とされる。シフトレバー16には、図3に示されるように、ディテントピン60が設けられる。ディテントピン60は、解除位置へ移動されることで、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへの移動が可能とされる。
【0046】
ここで、シフト装置10は制限部材30及び解除手段40を備える。図4に示されるように、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dに移動された際に、制限部材30が解除位置に移動されたディテントピン60を係止してシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動が制限される。また、図5に示されるように、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、解除手段40が解除位置へのディテントピン60の移動によりシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限部材30による制限を解除する。このため、ディテントピン60が解除位置に移動されても、パーキング位置20Pから移動されるシフトレバー16をドライブ位置20Dに止めることができると共に、ドライブ位置20Dに移動されたシフトレバー16は解除手段40によりセカンド位置20Sへ移動させることができる。
【0047】
本実施の形態に係るシフト装置10によれば、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへのシフトレバー16の操作において、ディテントピン60が解除位置に移動されても、シフトレバー16のドライブ位置20Dからセカンド位置20Sへの移動を制限することができる。つまり、本実施の形態に係るシフト装置10によれば、ドライブ位置20Dの飛越えを制限することができる。
【0048】
更に、本実施の形態に係るシフト装置10では、制限部材30及び解除手段40は、ディテントピン60の移動に伴い機械的に動作する構成とされる。つまり、ブレーキペダル操作に連動させる電気的や機械的な構成が必要とされない。
【0049】
また、本実施の形態に係るシフト装置10では、図1及び図2に示されるように、解除手段40は可動部材42と移動手段48とを備える。可動部材42は、図3及び図4に示されるように、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dに移動された際に、解除位置に移動されたディテントピン60により移動される。また、図5に示されるように、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、ディテントピン60の解除位置への移動が解除されると、可動部材42の移動が解除される。一方、移動手段48は、図5に示されるように、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、ディテントピン60の解除位置への移動により可動部材42を介して制限部材30を移動させ、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限を解除する。このため、解除手段40では、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動され、ディテントピン60が解除位置から解除されて再び解除位置へ移動されないと、制限部材30を移動させてシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限を解除することができない。
【0050】
更に、本実施の形態に係るシフト装置10では、図2及び図4に示されるように、可動部材42は、シフトレバー16のパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへの移動に伴うディテントピン60の移動方向(車両後方向又は矢印A方向)へ、制限部材30に対して移動可能とされる。このため、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dに移動された際に、解除位置に移動されたディテントピン60が可動部材42を移動させて制限部材30に係止されるので、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動が制限される。一方、可動部材42は、図5に示されるように、ディテントピン60の解除位置への移動方向(車両下方向)へ、制限部材30に対して、移動を制限される。このため、ディテントピン60の解除位置への移動により、この移動方向への移動が制限された可動部材42を介して制限部材30を移動させ、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限が解除される。
【0051】
また、本実施の形態に係るシフト装置10では、図2及び図5に示されるように、移動手段48が制限部材30を回動させる構成とされている。詳しく説明すると、移動手段48は、側面プレート12Aに一体に設けられた回転軸46と、制限部材30の回転アーム38の他端部に設けられた回転軸穴38Aと、回転軸46に設けられた弾性部材54とを備えている。このため、移動手段が3つの主なる構成要素により形成されているので、部品点数が少なく、移動手段48を簡易な構成とすることができる。
【0052】
更に、本実施の形態に係るシフト装置10では、図1及び図2に示されるように、飛越えを制限する回転式のメカニカルユニットが、制限部材30と、可動部材42と、移動手段48と、2つの弾性部材44及び弾性部材54との合計5個の構成要素により構成されている。このため、部品点数が少ないので、回転式のメカニカルユニットを簡易な構成とすることができる。
【0053】
また、本実施の形態に係るシフト装置10では、図2に示されるように、解除手段40の可動部材42がスライドさせて移動する構成とされている。詳しく説明すると、可動部材42は、可動部材42に設けられた被ガイド孔42Bと、ガイド部38Cに一体に設けられたガイド棒38Eと、ガイド棒38Eに設けられた弾性部材44との3つの主な構成要素により構成されている。このため、解除手段40を簡易な構成とすることができる。
【0054】
更に、本実施の形態に係るシフト装置10では、図2図5に示されるように、制限部材30に可動部材42を支持する支持部50が設けられる。支持部50は、ドライブ位置20Dにおいて配置位置22Dから解除位置へのディテントピン60の移動による荷重を可動部材42を介して受止められる。このため、可動部材42に加わる荷重が支持部50に分散されるので、制限部材30の耐久性を向上させることができる。なお、支持部50は、ディテントピン60の解除位置への移動方向へ、制限部材30に対して、移動を制限させる作用も備えている。
【0055】
また、本実施の形態に係るシフト装置10では、図2図5に示されるように、制限部材30に緩衝材56が設けられている。セカンド位置20S又はロウ位置20Lに固定されたディテントピン60がドライブ位置20D等へ移動すると、制限部材30が弾性部材54の付勢力により移動を制限する位置へ戻る。この際、制限部材30がディテントプレート部20の内壁に当接されるが、緩衝材56はこの当接の際に生じる音を抑制することができる。
【0056】
(変形例)
図7を用いて、第1実施の形態の変形例に係るシフト装置10を説明する。変形例に係るシフト装置10は、図7に示されるように、解除手段40の上記可動部材42に代えて、可動部材70を備えている。可動部材70は、車両前方側面をディテントピン60が当接する壁70Sとし、支持部50に設けられた回転軸72を中心として矢印H方向へ回動(移動)する構成とされている。図示を省略した弾性部材により、矢印H方向へ移動された可動部材70がドライブ位置20Dへ戻る構成とされている。回転移動とスライド移動とで相違するが、可動部材70は前述の可動部材42と同様の作用を備えている。
【0057】
変形例に係るシフト装置10では、第1実施の形態に係るシフト装置10により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
[第2実施の形態]
次に、図8図13を用いて、本発明の第2実施の形態に係るシフト装置80を説明する。なお、第2実施の形態並びにそれ以降の実施の形態において、既に説明した構成要素と同一構成要素には同一符号を付し、同一構成要素の説明は重複するので省略する。
【0059】
(シフト装置の全体構成)
図8に示される本実施の形態に係るシフト装置80は、前述の図1及び図2に示される第1実施の形態に係るシフト装置10の構成に対して、制限部材30及び解除手段40を除いて略同一の構成とされている。本実施の形態に係るシフト装置80は、制限部材30及び解除手段40に代えて、制限部材90及び解除手段100を備えている。制限部材90及び解除手段100は、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへのシフトレバー16の操作において、ディテントピン60が解除位置に移動されても、シフトレバー16のドライブ位置20Dからセカンド位置20Sへの移動を制限するスライド式のメカニカルユニットを構築する。すなわち、本実施の形態では、制限部材90及び解除手段100は、シフトレバー16のドライブ位置20Dの飛越えを制限する構成とされている。
【0060】
(制限部材及び解除機構の構成)
図8図10に示されるように、シフト装置80の制限部材90は、前述の制限部材30と同様に、配置位置22Dの車両後方側の内壁面と車両上下方向において一致する壁90Sを車両前方側の一端部に備えたスライダ92により形成されている。詳しく説明すると、スライダ92は樹脂製の直方体ブロックにより形成されている。スライダ92の車両前方側の一端部にガイド部92Cが設けられ、ガイド部92Cは車両平面視において車両前方側に開口を有し二股に分岐されたU字状とされ、この分岐された2つの車両前方側端の壁が壁90Sとされている。換言すれば、壁90Sはスライダ92の一部を利用して、又はスライダ92と一体に形成されている。制限部材90は、操作ボタン18の解除操作によりパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動可能な状態となる解除位置におけるディテントピン60をドライブ位置20Dに係止し、セカンド位置20Sへの移動を制限する構成とされている。
【0061】
図8及び図9に示されるように、解除手段100は可動部材102と移動手段(移動機構)110とを備えている。可動部材102は、本実施の形態において樹脂製の直方体ブロックにより形成され、スライダ92の車両前方側端部のガイド部92Cの二股に分岐された中間部に位置して設けられている。可動部材102には車両前方側から車両後方側へ貫通する被ガイド孔102Bが設けられている。被ガイド孔102Bには、ガイド部92Cに一体に形成され、かつガイド部92Cの中間部において車両前後方向を軸方向とするガイド棒92Eが挿入されている。また、ガイド部92Cの二股に分岐された対向する側面部には、各々、車両前後方向を長手方向とし、可動部材102のガイド範囲を規制する規制用長孔92Dが設けられている。規制用長孔92D内には可動部材102の車両幅方向の両側面に各々設けられた規制用突起102Aが位置し、規制用長孔92Dの範囲において、可動部材102がガイド部92Cにガイドされて車両前後方向となる矢印A方向へスライドする構成とされている。
【0062】
可動部材102とガイド部92Cとの間においてガイド棒92Eには弾性部材104が設けられている。弾性部材104として、例えばコイルばねが使用されている。弾性部材104により車両前方側への付勢力が可動部材102に作用する。可動部材102が車両前方側へ付勢された際に、可動部材102は、制限部材90の壁90Sよりも車両前方側へ突出され、規制用長孔92Dに規制されてドライブ位置20Dの配置位置22Dを塞ぐ位置に移動する構成とされている(図10参照)。一方、解除位置におけるディテントピン60(図10参照)がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動する際に、可動部材102の車両前方側の壁(面)102Sはディテントピン60に押圧される。そして、可動部材102の壁102Sは、弾性部材104の付勢力に抗して、制限部材90の壁90Sと一致するまで車両後方側へ移動する。ディテントピン60による押圧が解除されると、可動部材102は弾性部材104により移動された位置から配置位置22Dを塞ぐ元の位置へ移動する。すなわち、可動部材102は、シフトレバー16のパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへの移動に伴うディテントピン60の移動方向(車両後方向)へ制限部材90に対して移動可能とされている。また、可動部材102は、ディテントピン60の解除位置への移動方向(車両下方向)へ制限部材90に対して移動を制限されている。
【0063】
図8及び図9に示されるように、移動手段110は、スライダ92の車両前後方向中間部の車両幅方向両側部に各々車両下方側に開口を有する凹状のスライド溝92Aと、スライド溝92Aに嵌合ってスライダ92を車両上下方向の矢印I方向へスライドさせて移動させる支持部材112と、弾性部材114とを備えている。支持部材112は、車両正面視において車両上方側に開口を有し二股に分岐され、かつ車両下方側を延在させたy字状に形成されている。支持部材112の二股に分岐された部位はスライドガイド部112Bとして構成され、スライドガイド部112Bはスライダ92のスライド溝92Aに嵌合う構成とされている。スライドガイド部112Bの二股に分岐された中間部には車両上下方向を軸方向とするガイド棒112Cが設けられ、ガイド棒112Cはスライダ92に設けられた図示省略の被ガイド孔に挿入されている。スライダ92と支持部材112との間においてガイド棒112Cには弾性部材114が設けられている。弾性部材114として、例えばコイルばねが使用されている。弾性部材114により、ガイド部92Cの上面をディテントプレート部20の配置位置22S及び配置位置22Lの部位に当接させる付勢力がスライダ92に作用する。ドライブ位置20Dにおいてディテントピン60が配置位置22Dから解除位置に車両下方向へ移動する際に、ディテントピン60が、可動部材102を押圧し、この可動部材102を介してスライダ92を車両下方側へ押下げる(矢印I方向へスライドさせる)。この押下げられた位置は、ディテントピン60のセカンド位置20Sへの移動の制限を解除する位置となる。スライダ92が押下げられると、スライダ92のガイド部92Cとセカンド位置20Sの配置位置22Sとの間にディテントピン60が移動可能なスペースが形成される。そして、ディテントピン60は、ドライブ位置20Dからセカンド位置20S及びロウ位置20Lの各シフト位置へ移動可能となる。
【0064】
また、スライドガイド部112Bの二股に分岐された対向する側面部には、各々、車両上下方向を長手方向とし、スライダ92のスライド範囲を規制する規制用長孔112Dが設けられている。規制用長孔112D内にはスライダ92のスライド溝92Aの車両下方側に設けられた規制用突起92Bが位置し、規制用長孔112Dの範囲において、スライダ92がスライドガイド部112Bにガイドされて車両上下方向となる矢印I方向へスライドする構成とされている。
【0065】
図9に示されるように、支持部材112の車両下方側へ延在された部位に締結孔112Aが設けられており、図8及び図10に示されるように、支持部材112は締結孔112Aを通して締結材106により側面プレート12Aに取付けられている。締結材106には、ねじ、ボルトナット等が使用されている。
【0066】
従って、解除手段100は、ドライブ位置20Dの配置位置22Dから解除位置へのディテントピン60の移動により、制限部材90によるディテントピン60のセカンド位置20Sへの移動の制限を機械的に解除する構成とされている。
【0067】
図8図10に示されるように、スライダ92のガイド部92Cの下部には、制限部材90の壁90Sよりも車両前方側へ突出され、可動部材102の下面に当接してこの可動部材102を支持するプレート状の支持部116が一体に設けられている。支持部116は、可動部材102を支持して、ディテントピン60の押圧により可動部材102に加わる荷重を分散する構成とされている。
【0068】
また、前述の図2図3等に示される回転アーム38と同様に、スライダ92には図示を省略した緩衝材が設けられている。緩衝材としては、緩衝材56と同一の材料が使用されている。
【0069】
(シフト装置の動作)
次に、図8図12を用いて、本実施の形態に係るシフト装置80の動作を説明する。シフト装置80において、まず図示を省略したシフトノブの操作ボタン18により運転者が解除操作を行う。この解除操作により、パーキング位置20Pの配置位置22Pにおいてディテントピン60の固定が解除され、図10に示されるようにディテントピン60は解除位置に矢印C方向へ移動する。
【0070】
解除操作が維持されたまま、運転者は、ドライブモードを選択し車両を前進走行するために、図11に示されるように、ドライブ位置20Dに矢印D方向へシフトレバー16を移動させる。シフトレバー16の移動により、ディテントピン60は、解除手段100の可動部材102を押圧し、弾性部材104(図9参照)の付勢力に抗して可動部材102を矢印A方向へ押込み、移動させる。可動部材102が移動すると、ディテントピン60は、制限部材90の壁90Sに当接して、この壁90Sによりドライブ位置20Dに係止される。つまり、ディテントピン60のセカンド位置20S、ロウ位置20Lの各シフト位置への移動が制限される。このディテントピン60の移動は、リバース位置20R、ニュートラル位置20Nの各々からシフトレバー16を移動させても、同様に制限される。
【0071】
運転者は操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。この固定操作により、図11に示されるように、ディテントピン60はドライブ位置20Dの配置位置22Dに矢印E方向へ移動して固定される。ここで、ディテントピン60が解除位置から配置位置22Dへ矢印E方向に移動すると、壁90Sの押圧が無くなるので、図12に示されるように、可動部材102が弾性部材104の付勢力により移動された位置から元の位置に戻される(移動が解除される)。
【0072】
運転者は、ドライブモードからセカンドモードを選択し車両の前進走行ギア比を変えるために、再びシフトノブの操作ボタン18により解除操作を行う。この解除操作により、図12に示されるように、配置位置22Dにおけるディテントピン60が解除位置に矢印F方向へ移動する。ディテントピン60の移動により、ディテントピン60は可動部材102の上面を押圧し、この可動部材102を介して解除手段100のスライダ92を車両下方向へ押下げる。つまり、スライダ92が支持部材112のスライドガイド部112Bに沿って矢印I方向(図9参照)へスライドする。スライダ92が押下げられることにより、セカンド位置20Sの配置位置22S及びロウ位置20Lの配置位置22Lとスライダ92の上面との間にディテントピン60を矢印G方向へ移動可能なスペースが形成される。つまり、セカンド位置20S以降のシフト位置への移動の制限が解除される。運転者は、セカンド位置20Sの配置位置22Sにおいて、操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。これにより、シフトレバー16はセカンド位置20Sに固定される。なお、ドライブモードを選択した後、セカンドモードやロウモードを選択せずに、ニュートラルモード、リバースモード又はパーキングモードを選択することができる。
【0073】
(第2実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係るシフト装置80では、図8及び図9に示されるように、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dを介してセカンド位置20Sへ移動可能とされる。シフトレバー16には、図10に示されるように、ディテントピン60が設けられる。ディテントピン60は、解除位置へ移動されることで、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへの移動が可能とされる。
【0074】
ここで、シフト装置80は制限部材90及び解除手段100を備える。図11に示されるように、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dに移動された際に、制限部材90が解除位置に移動されたディテントピン60を係止してシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動が制限される。また、図12に示されるように、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、解除手段100が解除位置へのディテントピン60の移動によりシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限部材90による制限を解除する。このため、ディテントピン60が解除位置に移動されても、パーキング位置20Pから移動されるシフトレバー16をドライブ位置20Dに止めることができると共に、ドライブ位置20Dに移動されたシフトレバー16は解除手段100によりセカンド位置20Sへ移動させることができる。
【0075】
本実施の形態に係るシフト装置80によれば、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへのシフトレバー16の操作において、ディテントピン60が解除位置に移動されても、シフトレバー16のドライブ位置20Dからセカンド位置20Sへの移動を制限することができる。つまり、本実施の形態に係るシフト装置80によれば、第1実施の形態に係るシフト装置10と同様に、ドライブ位置20Dの飛越えを制限することができる。
【0076】
また、本実施の形態に係るシフト装置80では、図8及び図9に示されるように、解除手段100は可動部材102と移動手段110とを備える。可動部材102は、図10及び図12に示されるように、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dに移動された際に、解除位置に移動されたディテントピン60により移動される。また、図12に示されるように、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、ディテントピン60の解除位置への移動が解除されると、可動部材102の移動が解除される。一方、移動手段110は、図12に示されるように、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、ディテントピン60の解除位置への移動により可動部材102を介して制限部材90を移動させ、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限を解除する。このため、解除手段100では、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動され、ディテントピン60が解除位置から解除されて再び解除位置へ移動されないと、制限部材90を移動させてシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限を解除することができない。
【0077】
更に、本実施の形態に係るシフト装置80では、図9及び図11に示されるように、可動部材102は、シフトレバー16のパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへの移動に伴うディテントピン60の移動方向(車両後方向又は矢印A方向)へ、制限部材90に対して移動可能とされる。このため、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dに移動された際に、解除位置に移動されたディテントピン60が可動部材102を移動させて制限部材90に係止されるので、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動が制限される。一方、可動部材102は、図12に示されるように、ディテントピン60の解除位置への移動方向(車両下方向)へ、制限部材90に対して、移動を制限される。このため、ディテントピン60の解除位置への移動により、この移動方向への移動が制限された可動部材102を介して制限部材90を移動させ、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限が解除される。
【0078】
また、本実施の形態に係るシフト装置80では、図9及び図12に示されるように、移動手段110がスライダ92をスライドさせる構成とされている。詳しく説明すると、移動手段110は、スライダ92に設けられたスライド溝92Aと、スライド溝92Aに嵌合ってスライダ92をスライドさせて移動させる支持部材112と、弾性部材114とを備えている。このため、移動手段110が3つの主なる構成要素により形成されているので、部品点数が少なく、移動手段110を簡易な構成とすることができる。
【0079】
更に、本実施の形態に係るシフト装置80では、図8及び図9に示されるように、飛越えを制限するスライド式のメカニカルユニットは、制限部材90と、可動部材102と、移動手段110と、2つの弾性部材104及び弾性部材114との合計5点により構成されている。このため、部品点数が少ないので、スライド式のメカニカルユニットを簡易な構成とすることができる。
【0080】
また、本実施の形態に係るシフト装置80では、図9に示されるように、解除手段100の可動部材102がスライドさせて移動する構成とされている。詳しく説明すると、可動部材102は、可動部材102に設けられた被ガイド孔102Bと、ガイド部92Cに一体に設けられたガイド棒92Eと、弾性部材104との3つの主な構成要素により構成されている。このため、解除手段100を簡易な構成とすることができる。
【0081】
更に、本実施の形態に係るシフト装置80では、図9に示されるように、制限部材90に可動部材102を支持する支持部116が設けられている。支持部116は、ドライブ位置20Dにおいて配置位置22Dから解除位置へのディテントピン60の移動による荷重を可動部材102を介して受止められる。このため、可動部材102に加わる荷重が支持部116に分散されるので、制限部材90の耐久性を向上させることができる。なお、支持部116は、ディテントピン60の解除位置への移動方向へ、制限部材90に対して、移動を制限させる作用も備えている。
【0082】
また、第1実施の形態に係るシフト装置10と同様に、本実施の形態に係るシフト装置80では、図示を省略したが、制限部材90の上面に緩衝材が設けられている。この緩衝材は、前述の緩衝材56と同一の材料により形成されている。このため、制限部材90がディテントプレート部20の内壁に当接される際に生じる音を抑制することができる。なお、緩衝材はディテントプレート部20側に設けられてもよい。
【0083】
(変形例)
図13を用いて、第2実施の形態の変形例に係るシフト装置80を説明する。変形例に係るシフト装置80は、前述の図7に示されるシフト装置10と同様に、図13に示されるように、解除手段100の上記可動部材102に代えて、可動部材120を備えている。可動部材120は、車両前方側面をディテントピン60が当接する壁70Sとし、支持部116に設けられた回転軸122を中心として矢印H方向へ回動(移動)する構成とされている。図示を省略した弾性部材により、可動部材120はドライブ位置20Dへ戻る構成とされている。回転移動とスライド移動とで相違するが、可動部材120は前述の可動部材102と同様の作用を備えている。
【0084】
変形例に係るシフト装置80では、第2実施の形態に係るシフト装置80により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0085】
[第3実施の形態]
次に、図14図20を用いて、本発明の第3実施の形態に係るシフト装置130を説明する。
【0086】
(シフト装置の全体構成)
図14に示される本実施の形態に係るシフト装置130は、前述の図1及び図2に示される第1実施の形態に係るシフト装置10の構成に対して、制限部材30及び解除手段40を除いて略同一の構成とされている。本実施の形態に係るシフト装置130は、制限部材30及び解除手段40に代えて、制限部材140及び解除手段150を備えている。制限部材140及び解除手段150は、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへのシフトレバー16の操作において、ディテントピン60が解除位置に移動されても、シフトレバー16のドライブ位置20Dからセカンド位置20Sへの移動を制限する回転式のメカニカルユニットを構築する。すなわち、本実施の形態では、制限部材140及び解除手段150は、シフトレバー16のドライブ位置20Dの飛越えを制限する構成とされている。
【0087】
(制限部材及び解除機構の構成)
図14図15図16(A)、図16(B)及び図17に示されるように、制限部材140は、配置位置22Dの車両前方側、車両後方側のそれぞれの内壁面と車両上下方向において一致する壁140Sを備えた回転アーム142により形成されている。詳しく説明すると、回転アーム142は、車両上下方向を長手方向とし、かつ車両幅方向を厚さ方向とする樹脂製の略直方体の板材により形成されている。回転アーム142の長辺に沿った車両前方側の側面が壁140Sとされている。回転アーム142は、車両前後方向となる矢印J方向へ移動可能とされ、壁140Sは、制限部材140が車両後方側へ移動された際に配置位置22Dの車両後方側の内壁面(係止位置)と一致される。また、壁140Sは、制限部材140の車両後方側への移動が解除された際に配置位置22Dの車両前方側の内壁面(移動開始位置)と一致される。壁140Sは回転アーム142の一部を利用して、又は回転アーム142と一体に形成されている。壁140Sは、操作ボタン18(図1参照)の解除操作によりパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動可能な状態となる解除位置におけるディテントピン60をドライブ位置20Dに係止し、セカンド位置20Sへの移動を制限する構成とされている。
【0088】
また、図16(B)及び図17に示されるように、制限部材140の回転アーム142には押込部144が設けられている。詳しく説明すると、押込部144は、壁140Sよりもセカンド位置20S側において、壁140Sの車幅方向内側の約半分に相当する背面部位に設けられている。押込部144の上端部144Aは、車両前方側に位置し、壁140Sの車両上下方向中間部に連通されている。押込部144は、車両側面視において、上端部144Aから車両後方側かつ車両下方側へ斜め方向へ延設されている。つまり、押込部144は傾斜面とされている。この傾斜面は平面であるか曲面であるかを問わない。押込部144は、ドライブ位置20Dにおいて、配置位置22Dから解除位置へ移動されるディテントピン60によって制限部材140を車両前側へ移動開始位置から解除位置まで移動させる構成とされている。
【0089】
図15図16(A)、図16(B)及び図17に示されるように、解除手段150は移動手段(移動機構)160と弾性部材170とを備えている。移動手段160は、回転アーム142の車両上下方向中間部に車両幅方向へ貫通して設けられた回転軸穴142Aと、回転軸穴142Aに嵌合う回転軸162とを備えている。回転軸162は、側面プレート12Aのディテントプレート部20よりも車両下方側かつ車両後方寄りに一体に形成され、車両幅方向を軸方向として側面プレート12Aから突出して形成されている。従って、回転アーム142の車両上方側の一端部は回転軸162を中心として矢印J方向へ回動する構成とされている。
【0090】
更に、図14図15及び図17に示されるように、移動手段160は、制限部材140を係止位置に規制する規制部12Sと、制限部材140を移動開始位置に保持する保持部164と、制限部材140の係止位置への移動並びに解除位置への移動を解除する解除部142Bとを備えている。ここで、制限部材140の移動開始位置とは、配置位置22Dの車両前方側の内壁面と制限部材140の壁140Sとが一致されて配置位置22Dが塞がれる位置である。この移動開始位置は、解除位置にあるディテントピン60の車両後方側への移動により制限部材140が係止位置へ移動を開始する位置であり、又ディテントピン60の配置位置22Dから解除位置への車両下方側への移動により制限部材140が解除位置へ移動を開始する位置でもある。係止位置とは、制限部材140が車両後方側へ移動され、配置位置22Dの車両後方側の内壁面と制限部材140の壁140Sとが一致されて配置位置22Dが開口され、ディテントピン60が解除位置から配置位置22Dへ移動可能でドライブ位置20Dに固定可能な位置である。また、制限部材140の解除位置とは、ディテントピン60の配置位置22Dから解除位置への移動により制限部材140が車両下方側へ移動され、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの制限部材140による移動の制限を解除する位置である。
【0091】
規制部12Sは、側面プレート12Aのディテントプレート部20よりも車両後方側に側面プレート12Aと一体に形成され、側面プレート12Aから車幅方向外側へ突出して形成されている。規制部12Sは、制限部材140が係止位置へ移動された際に、回転アーム142の車両後方側の側面を受止めて移動の規制が可能な壁を備えている。本実施の形態では、規制部12Sは、車両上下方向かつ車両幅方向に沿って延在する壁としての縦壁部(符号省略)と、この縦壁部の車両下方端から車両後方側へ延在されかつ縦壁部と一体に形成された横壁部(符号省略)とを含んで構成されている。
【0092】
保持部164は、移動手段160の回転軸162よりも車両後方側かつ車両下方側であって、規制部12Sよりも車両下方側において、側面プレート12Aに一体に形成され、側面プレート12Aから車幅方向外側へ突出して形成されている。特に形状が限定されるものではないが、本実施の形態において、保持部164は、車両幅方向を軸方向とする円柱状に形成されている。そして、解除部142Bは、回転アーム142の車両下方側の他端部に回転アーム142と一体に形成され、回転アーム142から車両幅方向内側へ側面プレート12Aに向かって突出して形成されている。保持部164と同様に特に形状は限定されないが、本実施の形態において、解除部142Bは、車両幅方向を軸方向とする円柱状に形成されている。また、解除部142Bの径寸法は保持部164の径寸法と略同等に設定されている。解除部142Bは、回転軸162と保持部164との間に位置する構成とされている。このため、回転アーム142の他端部は、中間部(回転軸穴142A部分)から若干車両後方側へ折曲がる形状に形成されており、回転アーム142は車両側面視において略L字状に形成されている。
【0093】
弾性部材170は、図15及び図17に示されるように、移動手段160の保持部164と解除部142Bとに架渡されている。本実施の形態では、弾性部材170としてねじりコイルばね(キックばね)が使用されている。弾性部材170は、コイル部172と、コイル部172から一旦クロスさせて延在された両端部174とを備えている。コイル部172内に回転軸162が挿通され、両端部174に解除部142B及び保持部164が挟込まれて、移動手段160に弾性部材170が組付けられている。図17に示されるように、シフトレバー16(図1参照)がドライブ位置20Dに移動されていない状態では、移動手段160の回転軸162の中心と保持部164の中心とを結ぶ直線上に解除部142Bが位置し、弾性部材170は制限部材140を移動開始位置に保持する。一方、図18に示されるように、例えばシフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動されると、解除位置に移動されたディテントピン60が壁140Sを車両後方側となる矢印K方向へ弾性部材170の付勢力に抗して押圧し、制限部材140が移動開始位置から係止位置へ移動されて、係止位置において壁140Sにディテントピン60が係止される。これにより、回転軸162と保持部164とを結ぶ直線上から車両下方側の矢印L方向へ解除部142Bが移動し、弾性部材170の両端部174は保持部164及び解除部142Bにより押拡げられる。弾性部材170には制限部材140を移動開始位置へ戻す付勢力が発生する。
【0094】
(シフト装置の動作)
次に、図17図20を用いて、本実施の形態に係るシフト装置130の動作を説明する。シフト装置130において、まず図示を省略したシフトノブの操作ボタン18(図1参照)により運転者が解除操作を行う。この解除操作により、パーキング位置20Pの配置位置22Pにおいてディテントピン60の固定が解除され、図17に示されるようにディテントピン60は解除位置へ移動する(図3及び図10参照)。
【0095】
解除操作が維持されたまま、運転者は、ドライブモードを選択し車両を前進走行するために、図17に示されるように、ドライブ位置20Dに矢印D方向へシフトレバー16を移動させる。シフトレバー16の移動により、解除位置にあるディテントピン60は、移動開始位置にある制限部材140の壁140Sに当接して、図18に示されるように、更に解除手段150の弾性部材170の付勢力に抗して制限部材140を矢印K方向へ押込み、車両後方側へ移動させる。制限部材140は解除手段150の移動手段160により回転軸162を中心として矢印K方向へ移動し、規制部12Sにより移動が規制される係止位置まで制限部材140が移動すると、制限部材140の移動が停止される。これにより、ディテントピン60はドライブ位置20Dに係止される。つまり、ディテントピン60のセカンド位置20S、ロウ位置20Lの各シフト位置への移動が制限される。このディテントピン60の移動は、リバース位置20R、ニュートラル位置20Nの各々からシフトレバー16を移動させても、同様に制限される。
【0096】
運転者は操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。この固定操作により、図19に示されるように、ディテントピン60はドライブ位置20Dの配置位置22Dに矢印E方向へ移動して固定される。ここで、ディテントピン60が解除位置から配置位置22Dへ矢印E方向に移動し、丁度、ディテントピン60が制限部材140の押込部144の上端部144Aを越えた際に壁140Sのディテントピン60による押圧が無くなる。これにより、制限部材140が弾性部材170の付勢力により係止位置から矢印M方向へ元の移動開始位置に戻される(係止位置への移動が解除される)。
【0097】
運転者は、ドライブモードからセカンドモードを選択し車両の前進走行ギア比を変えるために、再びシフトノブの操作ボタン18により解除操作を行う。この解除操作により、図20に示されるように、配置位置22Dにおけるディテントピン60が解除位置に矢印F方向へ移動する。このディテントピン60の移動により、ディテントピン60は制限部材140の押込部144を車両下方向へ押込み、制限部材140及び壁140Sが車両下方側へ移動する。ディテントピン60が解除位置まで移動すると、制限部材140がその解除位置まで移動し、セカンド位置20Sの配置位置22S及びロウ位置20Lの配置位置22Lと押込部144との間にディテントピン60を矢印O方向へ移動可能なスペースが形成される。つまり、セカンド位置20S以降のシフト位置への移動の制限部材140による制限が解除される。運転者は、セカンド位置20Sの配置位置22Sにおいて、操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。これにより、シフトレバー16はセカンド位置20Sに固定される。なお、ドライブモードを選択した後、セカンドモードやロウモードを選択せずに、シフトレバー16を矢印P方向へ移動させて、ニュートラルモード、リバースモード又はパーキングモードを選択することができる。
【0098】
(第3実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係るシフト装置130では、図14図15及び図17に示されるように、シフトレバー16(図1参照)がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dを介してセカンド位置20Sへ移動可能とされる。シフトレバー16にはディテントピン60が設けられる。ディテントピン60は、解除位置へ移動されることで、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへの移動が可能とされる。
【0099】
ここで、シフト装置130は制限部材140と解除手段150とを備える。制限部材140は、シフトレバー16(図1参照)がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動された際に、解除位置に移動されたディテントピン60が制限部材140を係止位置に移動させることで解除位置に移動されたディテントピン60を係止してシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動を制限する。一方、解除手段150は、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、ディテントピン60が配置位置22Dから解除位置へ移動されて制限部材140を解除位置へ移動すると、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限部材140による制限を解除する。このため、ディテントピン60が解除位置に移動されてもパーキング位置20Pから移動されるシフトレバー16を制限部材140によりドライブ位置20Dに止めることができると共に、ドライブ位置20Dに移動されたシフトレバー16は解除手段150によりセカンド位置20Sへ移動させることができる。
【0100】
本実施の形態に係るシフト装置130によれば、パーキング位置20Pからドライブ位置20Dへのシフトレバー16の操作において、ディテントピン60が解除位置に移動されても、シフトレバー16のドライブ位置20Dからセカンド位置20Sへの移動を制限することができる。つまり、本実施の形態に係るシフト装置130によれば、ドライブ位置20Dの飛越えを制限することができる。
【0101】
また、本実施の形態に係るシフト装置130では、解除手段150は少なくとも弾性部材170を備える。弾性部材170の弾性力に抗して、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dに移動された際に、解除位置に移動されたディテントピン60が移動開始位置から係止される係止位置まで制限部材140を移動させる。また、弾性部材170は、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、ディテントピン60の解除位置への移動が解除されると、制限部材140の係止位置への移動を解除する。そして、弾性部材170は、シフトレバー16がドライブ位置20Dに移動された際に、ディテントピン60の解除位置への移動によりディテントピン60が移動開始位置から解除位置まで制限部材140を移動させてシフトレバー16のセカンド位置20Sへの制限部材140による移動の制限を解除する。このため、解除手段150では、シフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動され、ディテントピン60が解除位置への移動から解除されて再び解除位置へ移動されないと、制限部材140を移動させてシフトレバー16のセカンド位置20Sへの移動の制限を解除することができない。
【0102】
更に、本実施の形態に係るシフト装置130では、制限部材140及び解除手段150は、ディテントピン60の移動に伴い機械的に動作する構成とされる。つまり、ブレーキペダル操作に連動させる電気的や機械的な構成が必要とされない。
【0103】
また、本実施の形態に係るシフト装置130では、図2に示される第1実施の形態に係るシフト装置10の解除手段40の可動部材42及びそれに関係する部品が必要とされない。同様に、本実施の形態に係るシフト装置130では、図7に示される変形例に係るシフト装置10の可動部材70等、図9に示される第2実施の形態に係るシフト装置80の可動部材102等、図13に示される変形例に係るシフト装置80の可動部材120等が必要とされない。詳しく説明すると、シフト装置130の解除手段150は、弾性部材170を主要な構成として備え、制限部材140(回転アーム142)そのものを係止位置又は解除位置へ移動しかつそれらの移動を解除する構成とされている。このため、可動部材42等に相当する部品を省略することができるので、部品点数が少なく、解除手段150を簡易な構成とすることができる。
【0104】
加えて、図15図16(A)及び図16(B)に示されるように、解除手段150では、移動手段160は、制限部材140に設けられた回転軸穴142A及び解除部142B、側面プレート12Aに一体に形成された回転軸162、規制部12S及び保持部164を主要な構成とされている。また、解除手段150の主要な構成部品としての弾性部材170は単純なねじりコイルばねとされている。このため、部品点数も少なく、部品の大半が樹脂の射出成形により製作可能であるため、解除手段150を簡易な構成とすることができる。
【0105】
また、本実施の形態に係るシフト装置130では、図14及び図15に示されるように、飛越えを制限する回転式のメカニカルユニットが、制限部材140と、解除手段150との合計2個の構成要素により構成されている。このため、部品点数が少ないので、回転式のメカニカルユニットを簡易な構成とすることができる。
【0106】
[第4実施の形態]
次に、図21図25を用いて、本発明の第4実施の形態に係るシフト装置180を説明する。
【0107】
(シフト装置の全体構成)
図21に示される本実施の形態に係るシフト装置180は、前述の図14及び図15に示される第3実施の形態に係るシフト装置130における制限部材140及び解除手段150の構成を若干変えたものである。制限部材140及び解除手段150以外の構成は、シフト装置180とシフト装置130とで略同一の構成とされている。ここで、第4実施の形態の説明では、構成を明確にするために、第1実施の形態〜第3実施の形態の説明に使用された各図に対して、車両幅方向反対側から見た各図を用いて説明する。
【0108】
(制限部材及び解除機構の構成)
図21図22(A)、図22(B)及び図23に示されるように、シフト装置180の制限部材140は、配置位置22Dの車両後方側の内壁面と車両上下方向において一致する壁140Sを備えた回転アーム142により形成されている。詳しく説明すると、回転アーム142は、車両前後方向を長手方向とし、かつ車両幅方向を厚さ方向とする樹脂製の板材により形成されている。回転アーム142の車両前方側一端の側面が、車両上下方向を長手方向としかつ車両幅方向を短手方向とする壁140Sとされている。壁140Sは、制限部材140が図21に示される移動開始位置から図23に示される車両後方側となる矢印Q方向へ移動された際に配置位置22Dの車両後方側の内壁面(係止位置)と一致される。また、壁140Sは、制限部材140が図21に示される移動開始位置から車両下方向となる矢印S方向へ移動された際に配置位置22Dの車両後方側の内壁面よりも車両前方側となる制限部材140の解除位置へ移動される(図25参照)。
【0109】
また、図21図22(A)及び図22(B)に示されるように、制限部材140の回転アーム142には押込部144が設けられている。詳しく説明すると、押込部144は、壁140Sよりもセカンド位置20S側において、回転アーム142の車両上方側の上面に設けられている。押込部144の上端部144Aは、車両前方側に位置し、壁140Sの上端部に連通されている。押込部144は、上端部144Aから車両後方側かつ車両下方側へ斜め方向へ延設されている。つまり、押込部144は、傾斜面とされている。
【0110】
図21図22(A)及び図22(B)に示されるように、解除手段150の移動手段160は、回転アーム142の車両後方側の他端部に車両幅方向へ貫通して設けられた回転軸穴142Aと、回転軸穴142Aに嵌合う回転軸162とを備えている。回転軸162は、側面プレート12Aのディテントプレート部20よりも車両後方側に一体に形成され、車両幅方向を軸方向として側面プレート12Aから空間部12C側へ突出して形成されている。本実施の形態に係る回転軸162は、第3実施の形態に係るシフト装置130の回転軸162に対して、車両後方側かつ車両上方側に形成されている。回転アーム142の車両前方側一端、すなわち壁140Sは、回転軸162を中心として回動する構成とされている。
【0111】
更に、移動手段160は、制限部材140を移動開始位置に保持する保持部164と、制限部材140の係止位置への移動並びに解除位置への移動を解除する解除部142Bとを備えている。ここで、制限部材140の移動開始位置とは、図21に示されるように、壁140Sが、配置位置22Dの車両前方側の内壁面と車両後方側の内壁面との中間であって、制限部材140の係止位置と解除位置との中間に配置される位置である。この移動開始位置は、解除位置にあるディテントピン60の車両後方側への移動により制限部材140が係止位置へ移動を開始する位置であり、又ディテントピン60の配置位置22Dから解除位置への車両下方側への移動により制限部材140が解除位置へ移動を開始する位置でもある。係止位置とは、図23に示されるように、制限部材140が車両後方側へ移動され、配置位置22Dの車両後方側の内壁面と制限部材140の壁140Sとが一致されて配置位置22Dが開口され、ディテントピン60が解除位置から配置位置22Dへ移動可能でドライブ位置20Dに固定可能な位置である。また、制限部材140の解除位置とは、図25に示されるように、ディテントピン60の配置位置22Dから解除位置への移動により制限部材140が車両下方側へ移動され、シフトレバー16のセカンド位置20Sへの制限部材140による移動の制限を解除する位置である。なお、本実施の形態の移動手段160は、第3実施の形態の移動手段160の規制部12Sを特に設けていないが、同様の規制部12Sを適宜側面プレート12Aに設けてもよい。
【0112】
図21に示されるように、保持部164は、側面プレート12Aのディテントプレート部20と移動手段160の回転軸162との中間部に側面プレート12Aと一体に形成され、側面プレート12Aから車幅方向内側へ突出して形成されている。第3実施の形態の保持部164と同様に、本実施の形態の保持部164は、車両幅方向を軸方向とする円柱状に形成されている。そして、解除部142Bは、回転アーム142の壁140Sと回転軸穴142Aとの中間部に回転アーム142と一体に形成され、回転アーム142から車両幅方向外側へ側面プレート12Aに向かって突出して形成されている。保持部164と同様に特に形状は限定されないが、本実施の形態において、解除部142Bは、車両幅方向を軸方向とする円柱状に形成されている。また、解除部142Bの径寸法は保持部164の径寸法と略同等に設定されている。解除部142Bは、回転軸162と保持部164との間に位置する構成とされている。
【0113】
第3実施の形態の弾性部材170と同様に、弾性部材170は、解除手段150の主要な構成とされ、図21及び図22(B)に示されるように、移動手段160の保持部164と解除部142Bとに架渡されている。また、弾性部材170は同様にねじりコイルばねが使用され、弾性部材170の組付方法は第3実施の形態の組付方法と同一である。図21に示されるように、シフトレバー16(図1参照)がドライブ位置20Dに移動されていない状態では、移動手段160の回転軸162の中心と保持部164の中心とを結ぶ直線上に解除部142Bが位置し、弾性部材170は制限部材140を移動開始位置に保持する。一方、図23に示されるように、例えばシフトレバー16がパーキング位置20Pからドライブ位置20Dへ移動されると、係止位置に移動されたディテントピン60が壁140Sを車両後方側となる矢印Q方向へ弾性部材170の付勢力に抗して押上げる。これにより、回転軸162と保持部164とを結ぶ直線上から車両上方側へ解除部142Bが移動し、弾性部材170の両端部174は保持部164及び解除部142Bにより押拡げられる。また、図25に示されるように、例えばドライブ位置20Dへ移動された際に、ディテントピン60が配置位置22Dから解除位置へ移動すると、ディテントピン60が押込部144を押下げて制限部材140が移動開始位置から車両下方側となる矢印T方向の制限部材140の解除位置まで移動する。これにより、回転軸162と保持部164とを結ぶ直線上から車両下方側へ解除部142Bが移動し、弾性部材170の両端部174は保持部164及び解除部142Bにより押拡げられる。弾性部材170が押拡げられると、弾性部材170には制限部材140を移動開始位置に戻す付勢力が発生する。
【0114】
(シフト装置の動作)
次に、図21図25を用いて、本実施の形態に係るシフト装置180の動作を説明する。シフト装置180において、まず図示を省略したシフトノブの操作ボタン18(図1参照)により運転者が解除操作を行う。この解除操作により、パーキング位置20Pの配置位置22Pにおいてディテントピン60の固定が解除され、図21に示されるようにディテントピン60は解除位置へ移動する。
【0115】
解除操作が維持されたまま、運転者は、ドライブモードを選択し車両を前進走行するために、図21に示されるように、ドライブ位置20Dに矢印D方向へシフトレバー16を移動させる。シフトレバー16の移動により、解除位置にあるディテントピン60は、移動開始位置にある制限部材140の壁140Sに当接して、図23に示されるように、更に解除手段150の弾性部材170の付勢力に抗して制限部材140を矢印Q方向へ押上げて制限部材140の壁140Sを車両後方側へ移動させる。制限部材140は解除手段150の移動手段160により回転軸162を中心として移動し、壁140Sが係止位置まで移動すると、制限部材140の移動が停止する。これにより、ディテントピン60はドライブ位置20Dに係止される。つまり、ディテントピン60のセカンド位置20S、ロウ位置20Lの各シフト位置への移動が制限される。このディテントピン60の移動は、リバース位置20R、ニュートラル位置20Nの各々からシフトレバー16を移動させても、同様に制限される。
【0116】
運転者は操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。この固定操作により、図24に示されるように、ディテントピン60はドライブ位置20Dの配置位置22Dに矢印R方向へ移動して固定される。ここで、ディテントピン60が解除位置から配置位置22Dへ矢印R方向に移動し、丁度、ディテントピン60が制限部材140の壁140Sの上端部144A(図22(A)及び図22(B)参照)を越えた際に壁140Sのディテントピン60による押上げが無くなる。これにより、制限部材140が弾性部材170の付勢力により係止位置から矢印S方向へ元の移動開始位置に戻される(係止位置への移動が解除される)。
【0117】
運転者は、ドライブモードからセカンドモードを選択し車両の前進走行ギア比を変えるために、再びシフトノブの操作ボタン18により解除操作を行う。この解除操作により、図25に示されるように、配置位置22Dにおけるディテントピン60が解除位置に矢印T方向へ移動する。このディテントピン60の移動により、ディテントピン60は、制限部材140の押込部144に当接し、更に制限部材140及び壁140Sを車両下方側へ押下げる。ディテントピン60が解除位置まで移動すると、制限部材140がその解除位置まで移動し、セカンド位置20Sの配置位置22S及びロウ位置20Lの配置位置22Lと押込部144との間にディテントピン60を矢印U方向へ移動可能なスペースが形成される。つまり、セカンド位置20S以降のシフト位置への移動の制限が解除される。運転者は、ドライブ位置20Dからセカンド位置20Sへシフトレバー16を移動させ、操作ボタン18の解除操作を止めて固定操作を行う。これにより、シフトレバー16はセカンド位置20Sに固定される。なお、ドライブモードを選択した後、セカンドモードやロウモードを選択せずに、シフトレバー16を矢印V方向へ移動させて、ニュートラルモード、リバースモード又はパーキングモードを選択することができる。
【0118】
(第4実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係るシフト装置180では、第3実施の形態に係るシフト装置130により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0119】
また、本実施の形態に係るシフト装置180では、図21に示されるように、制限部材140及び解除手段150が、側面プレート12Aと側面プレート12Bとの間の空間部12Cに収納される。このため、側面プレート12Aの車両幅方向外側に制限部材140及び解除手段150を設けた第3実施の形態に係るシフト装置130に対して、空間部12Cの空きスペースを有効利用して、シフト装置180の小型化を実現することができる。なお、シフト装置180では、第1実施の形態に係るシフト装置10、第2実施の形態に係るシフト装置80に対しても、同様の作用効果を得ることができる。
【0120】
[上記実施の形態の補足説明]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において例えば以下の通り変形可能である。例えば、上記実施の形態では、ストレート式のシフト装置において、ドライブ位置の飛越えを制限する例が説明されている。本発明は、ストレート式及びゲート式を問わず、リバース位置、ニュートラル位置、マニュアル位置、セカンド位置の各シフト位置の飛越えを制限するシフト装置としてもよい。例えば、リバース位置の飛越えを制限する場合には、このシフト位置にディテントピンを係止する制限部材と、この制限を解除する解除機構とをシフト装置は備える。
【0121】
また、本発明は、パーキング位置からロウ位置へのシフトレバー操作に限らず、ロウ位置からパーキング位置へのシフトレバー操作において特定のシフト位置の飛越えを制限してもよい。
【符号の説明】
【0122】
10、80、130、180 シフト装置
12 ハウジング
16 シフトレバー(シフト部材)
18 操作ボタン
20 ディテントプレート部
20P パーキング位置(第1シフト位置)
20R リバース位置
20N ニュートラル位置
20D ドライブ位置(第2シフト位置)
20S セカンド位置(第3シフト位置)
20L ロウ位置
22P〜22L 配置位置 30、90、140 制限部材
38S、90S、140S 壁
38、142 回転アーム
40、100、150 解除手段(解除機構)
42、70、102、120 可動部材
44、54、104、114、170 弾性部材
48、110、160 移動手段
50、116 支持部
60 ディテントピン
92 スライダ
112 支持部材
図1
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