【解決手段】側面s1に突出部tが形成された被梱包物Pを梱包する梱包材1Aである。梱包材は、被梱包物Pの底部bを収容する収容凹部21が形成された底部梱包部材2と底部梱包部材2に装着されて、被梱包物Pの側面に対向した位置で被梱包物Pを保持する第1の保持部材3,第2の保持部材4A,4B,4Cを備える。第1の保持部材3には、底部梱包部材2の収容凹部21に被梱包物Pを収容した状態で第1の保持部材3を底部梱包部材2に装着したときに、突出部tの上方の一部を覆うようにして被梱包物Pの上方向の移動を制限する制限部32が形成されている。
前記被梱包物は、前記突出部が形成された側面と、該突出部が形成された側面と共に前記被梱包物の角部を挟むように形成された側面と、からなる2つの側面を少なくとも有しており、
前記保持部材は、前記被梱包物の角部から該角部を挟んだ前記2つの側面のそれぞれの側面に沿って延在するように、形成されていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の如き被梱包物の場合、被梱包物の形状が略直方体状であり、その上面が平面状であるため、結束バンドにより底部梱包部材と共に被梱包物を結束しやすいが、例えば、トランスミッション、エンジンなど複雑な形状の被梱包物を梱包しようとした場合には、結束バンドで被梱包物を安定して梱包することは難しい。
【0006】
このような場合、例えば、被梱包物の上部の形状に応じた上部梱包部材を被梱包物に配置し、上部梱包部材と底部梱包部材とで上下方向に被梱包物を挟むようにして、結束バンドで被梱包物を梱包することも考えられる。しかしながら、このような上部梱包部材を設けた場合には、梱包体の上方向の大きさが大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、結束バンド等を用いなくても、よりコンパクトな梱包状態で被梱包物の上下方向の移動を制限することができる梱包材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決すべく、本発明に係る梱包材は、側面に突出部が形成された被梱包物を梱包する梱包材であって、前記梱包材は、前記被梱包物の底部を収容する収容凹部が形成された底部梱包部材と、前記底部梱包部材に装着されて、前記被梱包物の側面に対向した位置で前記被梱包物を保持する保持部材と、を備えており、前記保持部材には、前記底部梱包部材の収容凹部に前記被梱包物を収容した状態で前記保持部材を前記底部梱包部材に装着したときに、前記突出部の上方の少なくとも一部を覆うようにして前記被梱包物の上方向の移動を制限する制限部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、底部梱包部材の収容凹部に被梱包物の底部を収容した状態で、底部梱包部材に保持部材を装着したときに、保持部材に形成された制限部が、被梱包物の突出部の上方の少なくとも一部を覆う。これにより、たとえ梱包された被梱包物に上下方向に衝撃荷重が作用したとしても、底部梱包部材に対する被梱包物の上方向の移動が制限部により制限される。このような結果、結束バンドを用いなくても、底部梱包部材に対する被梱包物の上下方向の移動を制限することができる。
【0010】
より好ましい態様としては、前記被梱包物は、前記突出部が形成された側面と、該突出部が形成された側面と共に前記被梱包物の角部を挟むように形成された側面と、からなる2つの側面を少なくとも有しており、前記保持部材は、前記被梱包物の角部から該角部を挟んだ前記2つ側面のそれぞれの側面に沿って延在するように、形成されている。この態様によれば、底部梱包部材の収容凹部に被梱包物の底部を収容した状態で、底部梱包部材に保持部材を装着したときに、被梱包物の角部からこの角部を挟んだ2つの側面に沿って保持部材が延在することになる。
【0011】
このような結果、1つの部材で被梱包物の角部を挟んだ2つの側面のそれぞれに対向する位置で被梱包物を保持することができるとともに、保持部材を底部梱包部材により広い範囲で連結することもできる。これにより、梱包材で被梱包物を梱包した状態で衝撃等により、制限部に被梱包物から上向きの荷重が作用したとしても、底部梱包部材から保持部材が脱離することを抑制することができ、安定した梱包状態を維持することができる。
【0012】
より好ましい態様としては、前記保持部材は、分割可能なように相互に嵌合した一対の分割保持部材からなり、前記保持部材は、該一対の分割保持部材に分割した状態で前記底部梱包部材の収容凹部内に収容可能な位置で、分割されている。
【0013】
この態様によれば、保持部材を構成する一対の分割保持部材は、分割可能なように相互に嵌合するので、被梱包物を梱包する際には嵌合して、被梱包物の側面に対向した位置で、被梱包物を保持することができる。一方、被梱包物を梱包材から開梱する際には、底部梱包部材に装着された保持部材を取り外し、さらに相互に嵌合した分割保持部材を分離(分割)する。分割された一対の分割保持部材は、底部梱包部材の収容凹部内に収容することができるため、開梱後の梱包材を嵩張らずに保管・搬送することができる。
【0014】
さらに、好ましい態様としては、前記各分割保持部材は、前記底部梱包部材に装着可能であり、前記分割保持部材のうち少なくとも一方の分割保持部材に前記制限部が形成されており、前記一方の分割保持部材は、他方の分割保持部材を上方から押えるように、前記他方の分割保持部材に嵌合している。
【0015】
この態様によれば、一方の分割保持部材の制限部に、被梱包物の突出部から上方に過度の荷重が作用した場合、仮に一方の分割保持部材が底部梱包部材から脱離しても、他方の分割保持部材は前記底部梱包部材に保持され(装着された状態のままとなり)、他方の分割保持部材により、被梱包物の側面に対向した位置で、被梱包物を保持する機能を確保することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、結束バンドを用いなくても、被梱包物の上下方向の移動を制限することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面に基づき、本発明に係る4つの実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る梱包材により被梱包物を梱包する前の状態を説明するための模式的斜視図である。
図2は、
図1に示す梱包材により被梱包物が梱包された状態(梱包体)を説明するための模式的斜視図である。
【0019】
図3は、
図2に示す梱包体の上面図である。
図4は、
図3のA−A線矢視断面図である。
図5(a)は、
図1に示す第1の保持部材を底部梱包部材に装着する状態を説明した模式的斜視図、(b)は、第1の保持部材を底面側から見た模式的斜視図である。
【0020】
本実施形態では、
図1に示す被梱包物Pを梱包材1Aで梱包する。被梱包物Pは、底部bの近傍の1つの側面s1に突出部tが形成された被梱包物であり、その上面は凸状に湾曲した曲面を有している。
【0021】
本実施形態およびそれ以降の実施形態では、
図1に示す被梱包物Pを梱包するが、梱包対象となる被梱包物の形状は一例であり、被梱包物の側面に突出部が形成され、この突出部を利用して、被梱包物の上下方向の移動を制限することができるものであれば、被梱包物Pの形状および大きさは特に限定されるものではない。
【0022】
このような被梱包物Pは、梱包材1Aで梱包され、
図2に示す梱包体10Aとされる。さらに、梱包体10Aは、スチール製の外装ケース9内に収容される。外装ケース9は、箱型であり、床枠91と、床枠91に起伏自在に取付けられた4本の縦支柱92と、縦支
柱92の上端側を固定する天枠93と、を備えた、一般的な折り畳み式のケース(コンテナ)である。
【0023】
本実施形態では、梱包材1Aは、複数の部材により構成されており、その材質としては、熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などを挙げることができる。
【0024】
図1に示すように、梱包材1Aは、底部梱包部材2と、後述する複数の保持部材3,4A,4B,4Cとで構成されている。底部梱包部材2の上面の中央には、被梱包物Pの底部bを収容する収容凹部21が形成され、底部梱包部材2の底面の中央には、床枠91の枠内に入り込むように突出した底面突出部22が形成されている。さらに、底部梱包部材2の開口23の周りには、後述する保持部材3,4A,4B,4C(の嵌合凸部)に嵌合する複数の嵌合凹部24,24,…が形成されている。
【0025】
本実施形態では、複数の保持部材は、被梱包物Pの側面と対向する位置で被梱包物を保持するものであり、第1の保持部材3と、同じ形状をした3つの第2の保持部材4A,4B,4Cで構成される。第1の保持部材3は、底部梱包部材2に装着されて、被梱包物Pの側面のうち突出部tが形成された側面s1に対向する位置で、他の保持部材(第2の保持部材)と協働して被梱包物Pを保持しつつ、被梱包物Pの上下方向の移動を制限する部材である。
【0026】
第1の保持部材3の下部には、底部梱包部材2の嵌合凹部24,24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部31,31が形成されている。底部梱包部材2の嵌合凹部24,24に嵌合凸部31,31を嵌合させることにより、第1の保持部材3を底部梱包部材2に装着することができる(例えば
図5(a),(b)参照)。
【0027】
ここで、
図2〜4に示すように、第1の保持部材3には、底部梱包部材2の収容凹部21に被梱包物Pを収容した状態で第1の保持部材3を上方から底部梱包部材2に装着したときに、被梱包物Pの突出部tの上方の一部を覆うようにして被梱包物Pの上方向の移動を制限する制限部32が形成されている。
【0028】
より具体的には、制限部32は、底部梱包部材2に装着した状態で、突出部tの上面の一部にオーバーハングするように被梱包物Pの側面s1に向かって突出して形成されている。このようにして、制限部32により被梱包物Pの突出部tの上面を下方に押さえ付けないように、制限部32と突出部tとの間には間隙dが形成される。すなわち、本実施形態の場合には、第1の保持部材3で突出部tを押さえ付けていないので、押さえ付け時に生じる上方向の反力は、第1の保持部材3の嵌合凸部31と底部梱包部材2の嵌合凹部24との間に作用しない。これにより、衝撃時に突出部tにより制限部32を押し上げるような力が作用しても、これに上述した反力が加味されることはないので、嵌合凸部31と嵌合凹部24との嵌合状態をより強固なものとすることができる。
【0029】
さらに、本実施形態では、3つの第2の保持部材4A,4B,4Cが、被梱包物Pの残りの3つの各側面s2,s3,s4に対向した位置に配置されるように、底部梱包部材2に装着される。各第2の保持部材4A,4B,4Cの下部には、第1の保持部材3と同様に、底部梱包部材2の嵌合凹部24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部41が形成されている。底部梱包部材2の嵌合凹部24に各第2の保持部材4A,4B,4Cの嵌合凸部41を嵌合させることにより、各第2の保持部材4A,4B,4Cを底部梱包部材2に装着することができる。
【0030】
ここで、
図3に示すように、被梱包物Pを挟んで対向する位置に一対の第2保持部材4A,4Cが、底部梱包部材2に装着される。さらにこれらの一対の第2の保持部材4A,4Cが並んだ方向と交差する方向に並んで、かつ、被梱包物Pを挟んで対向する位置に第1の保持部材3と第2の保持部材4Bが、底部梱包部材2に装着される。
【0031】
このように、被梱包物Pを挟んで、第1の保持部材3および3つの第2の保持部材4A,4B,4Cを配置状態とすることにより、被梱包物Pが上下方向に傾くことを抑えることができる。本実施形態では、第2の保持部材は、全て同じ形状であったが、各側面s2〜s4の形状に応じた形であって、底部梱包部材2に装着することにより被梱包物Pを保持することができるのであれば、これらの形状および個数は特に限定されるものではなく、例えば、第1の保持部材のみであってもよい。
【0032】
本実施形態によれば、
図4に示すように、底部梱包部材2の収容凹部21に被梱包物Pの底部bを収容した状態で底部梱包部材2に第1の保持部材3を装着したときに、保持部材3に形成された制限部32が、被梱包物Pの突出部tの上方の一部を覆う。これにより、たとえ梱包された被梱包物Pに上下方向に衝撃荷重が作用したとしても、底部梱包部材2に対する被梱包物Pの上方向の移動が制限部32により制限される。このような結果、結束バンドにより結束し難い形状の被梱包物Pであっても、結束バンドを用いることなく底部梱包部材2に対する被梱包物Pの上下方向の移動を制限し、底部梱包部材2に対する浮き上がり等を抑えることができる。
【0033】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る梱包材により被梱包物を梱包する前の状態を説明するための模式的斜視図である。
図7(a)は、
図6に示す梱包材により被梱包物が梱包された状態(梱包体)を説明するための模式的斜視図、(b)は、(a)に示す梱包体の上面図である。
図8は、本発明の第2実施形態に係る梱包材のうち、第1の保持部材を底部梱包部材に装着する前の状態を説明した模式的斜視図である。
【0034】
第2の実施形態の梱包材が、第1の実施形態のものと相違する点は、第1の保持部材の形状と第2の保持部材の個数である。したがって、第1実施形態と同じ部材は、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0035】
第1実施形態では、第1の保持部材3とこれに隣接する第2の保持部材4Aとは、別体となっていたが、本実施形態では、
図6,
図7に示すように、これらが一体となった第1の保持部材5が設けられており、第1の保持部材5を含む梱包材1Bを用いて被梱包物Pを梱包し、梱包体10Bにする。なお、底部梱包部材2および第2の保持部材4B,4Cは同じ形状である。
【0036】
図6,7(b)に示すように、本実施形態では、第1の保持部材5は、被梱包物Pの角部cから角部cを挟んだ2つの側面のそれぞれの側面に沿って延在するように、L字状に形成されている。本実施形態では、被梱包物Pの2つの側面は、突出部tが形成された側面s1と、突出部tが形成された側面s1と共に被梱包物Pの角部cを挟むように形成された側面s2と、からなる。
【0037】
図8に示すように、一方側の側面s1に対向する部分54には、第1実施形態の第1の保持部材3と同様に、突出部の上方の一部を覆うようにして被梱包物Pの上方向の移動を制限する制限部52が形成されている。
【0038】
さらに、一方側の側面s1に対向する部分54には、底部梱包部材2の嵌合凹部24,24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部51A,51Aが形成され、他方側の側面s2に対向する部分55には、底部梱包部材2の嵌合凹部24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部51Bが形成されている。
【0039】
このようにして、底部梱包部材2の収容凹部21に被梱包物Pの底部bを収容した状態で、底部梱包部材2に第1の保持部材5を装着したときに、被梱包物Pの角部cからこの角部cを挟んだ2つの側面s1,s2のそれぞれの側面s1(s2)に沿って第1の保持部材5が延在することになる。
【0040】
この結果、1つの部材で被梱包物Pの角部cを挟んだ2つの側面s1,s2のそれぞれに対向する位置で被梱包物Pを保持することができるとともに、嵌合凸部51A,51Bにより、第1の保持部材5を底部梱包部材2に対してより広い範囲で嵌合することができる。
【0041】
さらに、制限部52に被梱包物Pから上向きの荷重が作用して、一方側の側面s1に対向する部分54が底部梱包部材2から浮き上がるようなモーメントが作用したとしても、他方側の側面s2に対向する部分55の嵌合凸部51Bと、底部梱包部材2の嵌合凹部24とが嵌合しているので、第1の保持部材5が底部梱包部材2から外れることを抑制することができる。このようにして、底部梱包部材2から保持部材が脱離することを抑制することができ、安定した梱包状態を維持することができる。
【0042】
〔第3実施形態〕
図9(a)は、本発明の第3実施形態に係る梱包材のうち、第1の保持部材を底部梱包部材に装着する前の状態を説明した模式的斜視図であり、(b)は、第3の実施形態に係る梱包材の収容状態を示した模式的斜視図である。
【0043】
第3の実施形態の梱包材が、第2の実施形態のものと相違する点は、第1の保持部材を分割可能な構造とした点である。したがって、第2実施形態と同じ部材は、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0044】
図9(a)に示すように、第1の保持部材6は、分割可能なように相互に嵌合した一対の分割保持部材60A,60Bからなる。第1の保持部材6は、分割した状態で各分割保持部材60A,60Bが底部梱包部材2の収容凹部21の開口23から飛び出すことなく、収納凹部21内に収容可能な位置で、分割されている。
【0045】
具体的には、本実施形態では、第1の保持部材6は、底部梱包部材2の収容凹部21に被梱包物の底部を収容した状態で、底部梱包部材2に第1の保持部材6を装着したときに、被梱包物の角部に対向する位置の近傍で、分割可能となっている。
【0046】
第1の保持部材の分割位置に相当する、一方の分割保持部材60Aの端部には、嵌合凸部65が形成されており、一方の分割保持部材60Aの端部に隣接する他方の分割保持部材60Bの端部には、嵌合凸部65に嵌合する嵌合凹部66が形成されている。
【0047】
一方の分割保持部材60Aには、第2実施形態と同様に、突出部の上方の一部を覆うようにして被梱包物の上方向の移動を制限する制限部62が形成され、その下部には、底部梱包部材2の嵌合凹部24,24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部61A,61Aが形成されている。他方の分割保持部材60Bには、底部梱包部材2の嵌合凹部24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部61Bが形成されている。このようにして、分割保持部材60A,60Bの双方が、底部梱包部材2に装着可能となる。
【0048】
本実施形態によれば、被梱包物を梱包する際には、嵌合凸部65と嵌合凹部66とを嵌合させることにより、分割保持部材60A,60Bを相互に嵌合して、被梱包物の側面に対向した位置で、被梱包物を保持することができる。
【0049】
一方、被梱包物を梱包材から開梱する際には、底部梱包部材2に装着された保持部材を取り外し、さらに相互に嵌合した分割保持部材60A,60Bを分離(分割)する。本実施形態では、分割された一対の分割保持部材60A,60Bを、第2の保持部材4B,4Cと共に、収容凹部21の開口23から飛び出すことなく、底部梱包部材2の収容凹部21内に収容することができる。
【0050】
〔第4実施形態〕
図10は、本発明の第4実施形態に係る梱包材のうち、第1の保持部材を底部梱包部材に装着する前の状態を説明した模式的斜視図である。
【0051】
第4の実施形態の梱包材が、第3の実施形態のものと相違する点は、第1の保持部材を分割する構造である。したがって、第3実施形態と同じ部材は、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0052】
図10に示すように、第3の実施形態と同様に、第1の保持部材7は、分割可能なように相互に嵌合した一対の分割保持部材70A,70Bからなる。第1の保持部材7は、分割した状態で各分割保持部材70A,70Bが底部梱包部材2の収容凹部21内に収容可能な位置で、分割されている。
【0053】
一方の分割保持部材70Aは、他方の分割保持部材70Bを上方から押えるように、他方の分割保持部材に嵌合している。具体的には、第1の保持部材の分割位置に相当する、一方の分割保持部材70Aの端部の下面には、嵌合凹部77が形成されており、一方の分割保持部材70Aの端部に隣接する他方の分割保持部材70Bの端部の上面には、嵌合凹部77に嵌合する嵌合凸部78が形成されている。
【0054】
一方の分割保持部材70Aには、第3実施形態と同様に、突出部の上方の一部を覆うようにして被梱包物の上方向の移動を制限する制限部72が形成され、その下部には、底部梱包部材2の嵌合凹部24,24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部71A,71Aが形成されている。他方の分割保持部材70Bには、底部梱包部材2の嵌合凹部24に着脱自在に嵌合する嵌合凸部71Bが形成されている。このようにして、分割保持部材70A,70Bの双方が、底部梱包部材2に装着可能となる。
【0055】
本実施形態によれば、被梱包物を梱包する際には、嵌合凹部77と嵌合凸部78とを嵌合させることにより、分割保持部材70A,70Bを相互に嵌合して、被梱包物の側面に対向した位置で、被梱包物を保持することができる。
【0056】
ここで、一方の分割保持部材70Aの制限部72に、被梱包物の突出部から上方に過度の荷重が作用した場合、仮に一方の分割保持部材70Aが底部梱包部材2から脱離しても、一方の分割保持部材70Aは他方の分割保持部材70Bを上方から押えるように嵌合しているので他方の分割保持部材70Bは底部梱包部材2に装着された状態のままとなる。このような結果、他方の分割保持部材70Bと、第2の保持部材4B,4Cにより、被梱包物の側面に対向した位置で、被梱包物を保持する機能を確保することができる。