【解決手段】横方向に隙間105cをあけて配置された一対の棚梁105aおよび105bからなる棚105が上下に間隔をあけて複数段設けられた荷物収納庫103との間で荷を移載する移載装置20であって、本体部25から出退自在な、荷を移載するためのアーム40と、本体部25から突出して対象の棚105と対象の棚105の下の棚との間に挿入されることにより、荷物収納庫に支持され、かつ、アーム40を支持するアーム支持部30と、アーム40に設けられ、対象の棚105の隙間において昇降することにより対象の棚105から荷を持ち上げるまたは対象の棚105に荷を載置するリフタ50とを備える。
前記アーム支持部は、主面において前記アームを支持する第一板状部材と、前記第一板状部材に接続されることにより前記第一板状部材を補強する1以上の第二板状部材とを有し、断面形状がI字状、H字状、T字状、およびブラケット状のいずれかの形状の部材である
請求項5〜7のいずれか1項に記載の移載装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の自動倉庫では、ラック棚を構成する複数の棚梁のそれぞれにレールが設けられるが、多数の棚梁を持つ自動倉庫では、レールの設置コストが高くなるといった課題がある。このように、自動倉庫においては、スライドフォーク(アーム)の支持方法に検討の余地がある。
【0005】
本発明は、ラック(荷物収納庫)への部材の追加を抑制し、かつ、アームを支持することができる移載装置および自動倉庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る移載装置は、横方向に隙間をあけて配置された一対の棚梁からなる棚が上下に間隔をあけて複数段設けられた荷物収納庫との間で荷を移載する移載装置であって、本体部と、前記本体部から出退自在な、荷を移載するためのアームと、前記本体部から突出して対象の棚と前記対象の棚の下の棚との間に挿入されることにより、前記荷物収納庫に支持され、かつ、前記アームを支持するアーム支持部と、前記アームに設けられ、前記対象の棚の荷を取り出す、または前記対象の棚に荷を載置する取出部とを備える。
【0007】
このように、移載装置側からアームを支持するアーム支持部が棚の間に挿入されることで、荷物収納庫への部材の追加を抑制し、かつ、アームを支持することができる。
【0008】
また、前記取出部は、前記対象の棚の前記隙間において昇降することにより前記対象の棚の荷を持ち上げるまたは前記対象の棚に荷を載置するリフタであってもよい。
【0009】
また、前記アーム支持部は、前記下の棚に支持されてもよい。
【0010】
また、前記アーム支持部には、前記下の棚を走行するための車輪が設けられてもよい。
【0011】
また、さらに、前記アーム支持部の端部には、前記荷物収納庫の奥側の面に吸着する吸着部が設けられてもよい。
【0012】
また、前記荷物収納庫の奥側の面には、凹部または貫通孔が設けられ、前記対象の棚と前記対象の棚の下の棚との間に挿入された前記アーム支持部の端部は、前記凹部または前記貫通孔に挿入されてもよい。
【0013】
また、前記荷物収納庫の奥側の面には、凸部が設けられ、前記対象の棚と前記対象の棚の下の棚との間に挿入された前記アーム支持部の端部は、前記凸部に置かれて支持されてもよい。
【0014】
また、前記アーム支持部は、主面において前記アームを支持する第一板状部材と、前記第一板状部材に接続されることにより前記第一板状部材を補強する1以上の第二板状部材とを有し、断面形状がI字状、H字状、T字状、およびブラケット状のいずれかの形状の部材であってもよい。
【0015】
これにより、アーム支持部のたわみが抑制される。
【0016】
また、前記アームには、前記アーム支持部を走行するための車輪が設けられてもよい。
【0017】
また、前記アーム支持部には、溝が設けられ、前記アームは、前記溝にスライド挿入されることにより、前記アーム支持部によって支持されてもよい。
【0018】
本発明の一態様に係る自動倉庫は、横方向に隙間をあけて配置された一対の棚梁からなる棚が上下に間隔をあけて複数段設けられた荷物収納庫と、前記荷物収納庫との間で荷を移載する移載装置とを備え、前記移載装置は、本体部と、前記本体部から出退自在な、荷を移載するためのアームと、前記本体部から突出して対象の棚と前記対象の棚の下の棚との間に挿入されることにより、前記荷物収納庫に支持され、かつ、前記アームを支持するアーム支持部と、前記アームに設けられ、前記対象の棚の荷を持ち上げるまたは前記対象の棚に荷を載置する取出部とを有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様に係る移載装置および自動倉庫によれば、荷物収納庫への部材の追加を抑制し、かつ、アームを支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る移載装置を搭載したスタッカークレーンが設置された自動倉庫を示す斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、実施の形態1に係る移載装置のアームおよびリフトの斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、実施の形態1に係る移載装置のアームおよびリフトの斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第1の斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第2の斜視図である。
【
図4C】
図4Cは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第3の斜視図である。
【
図4D】
図4Dは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第4の斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第1の側面図である。
【
図5B】
図5Bは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第2の側面図である。
【
図5C】
図5Cは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第3の側面図である。
【
図5D】
図5Dは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を取り出す動作を説明するための第4の側面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を入出庫する動作のフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫に荷物を置く動作を説明するための第1の斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫に荷物を置く動作を説明するための第2の斜視図である。
【
図7C】
図7Cは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫に荷物を置く動作を説明するための第3の斜視図である。
【
図7D】
図7Dは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫に荷物を置く動作を説明するための第4の斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を置く動作を説明するための第1の側面図である。
【
図8B】
図8Bは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫から荷物を置く動作を説明するための第2の側面図である。
【
図8C】
図8Cは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫に荷物を置く動作を説明するための第3の側面図である。
【
図8D】
図8Dは、実施の形態1に係る移載装置が荷物収納庫に荷物を置く動作を説明するための第4の側面図である。
【
図9】
図9は、アーム支持部の変形例を説明するための第1の図である。
【
図10】
図10は、アーム支持部の変形例を説明するための第2の図である。
【
図11】
図11は、アーム支持部の変形例を説明するための第3の図である。
【
図12】
図12は、アーム支持部の変形例を説明するための第4の図である。
【
図13A】
図13Aは、アーム支持部の形状のその他の例を説明するための第1の図である。
【
図13B】
図13Bは、アーム支持部の形状のその他の例を説明するための第2の図である。
【
図13C】
図13Cは、アーム支持部の形状のその他の例を説明するための第3の図である。
【
図14】
図14は、アームがスライド挿入されるアーム支持部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0022】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る移載装置を搭載したスタッカークレーンが設置された自動倉庫を示す斜視図である。
【0024】
図1に示される自動倉庫10は、スタッカークレーン101(移載装置20)と、荷物収納庫103とを備える。自動倉庫10は、スタッカークレーン101により、荷物102が荷物収納庫103に自動的に出し入れされる倉庫である。
【0025】
荷物収納庫103(ラック)は、荷物102を保管するための保管庫であり、床面上に設置されている。荷物収納庫103には、荷物102を収納するための複数の収納部104が設けられている。これら複数の収納部104は、縦方向(鉛直方向)および横方向(水平方向)に並んでマトリクス状に配置されている。
【0026】
複数の収納部104の各々には、荷物102が載置される棚105が設けられている。棚105は、横方向に隙間105cをあけて配置された一対の棚梁105aおよび105bからなる。つまり、荷物収納庫103においては、棚が上下に間隔をあけて複数段設けられる。
【0027】
スタッカークレーン101は、下部レール(図示せず)、上部レール107、下部台車108、上部台車109、一対のマスト110および昇降台111を備える。
【0028】
下部レールは、荷物収納庫103に沿って床面に敷設されたレールである。上部レール107は、荷物収納庫103に沿って天井面に敷設されたレールである。下部レールおよび上部レール107は、互いに略平行になるように敷設されている。
【0029】
下部台車108は、下部レールに沿って走行する台車である。上部台車109は、上部レール107に沿って走行する台車である。一対のマスト110は、下部台車108と上部台車109とを相互に連結するための金属製の支柱である。昇降台111は、荷物102を荷物収納庫103に沿って昇降させるためのものであり、一対のマスト110の間に設置されている。昇降台111は、昇降用モータ(図示せず)によって一対のマスト110の間を昇降する。
【0030】
荷物収納庫103の所定の収納部104に対して荷物102を搬入または搬出する際には、スタッカークレーン101が下部レールと上部レール107との間を荷物収納庫103に沿って走行する。そして、昇降台111が一対のマスト110の間を荷物収納庫103に沿って昇降する。これにより、昇降台111が上記所定の収納部104と隣り合う位置に配置される。
【0031】
スタッカークレーン101は、さらに、荷物102を荷物収納庫103の収納部104と昇降台111との間で移載するための移載装置20を備えている。そして、移載装置20は、本体部25と、アーム支持部30と、アーム40と、リフタ50とを備える。以下、このような移載装置20の各構成要素について模式図を用いて説明する。
【0032】
まず、移載装置20の特徴的な構成であるアーム支持部30について説明する。
図2は、アーム支持部30の斜視図である。
【0033】
アーム支持部30は、本体部25(
図2において図示省略)から突出して棚105と棚105との間に挿入されることにより、荷物収納庫103に支持され、かつ、アーム40を支持する。
【0034】
アーム支持部30は、上面(主面)においてアーム40を支持する第一板状部材31と、第一板状部材31を補強する2つの第二板状部材32および33とを有し、断面形状がコの字状(ブラケット状)の部材である。アーム支持部30は、1つの板状部材が折り曲げられて形成されてもよいし、第一板状部材31に第二板状部材32および33が取り付けられることによって形成されてもよい。なお、第一板状部材と第二板状部材との取り付け態様としては、接着、溶接、および、ネジなどの固定部材による取り付けなどが例示される。
【0035】
アーム支持部30には、棚105上を走行するための車輪34が設けられる。アーム支持部30は、車輪34によって棚105上を走行することによって荷物収納庫103の垂直方向(上下方向)において隣り合う棚105の間に挿入される。アーム支持部30は、アーム40を支持する部材であり、例えば、アルミなどの金属などで形成されるが、アーム40を支持できる材料であればどのような材料で形成されてもよい。なお、アーム支持部30は、多段伸縮式であってもよい。
【0036】
次に、アーム40およびリフタ50について説明する。
図3Aおよび
図3Bは、アーム40およびリフタ50の斜視図である。
【0037】
アーム40は、本体部25(
図3Aおよび
図3Bで図示省略)から出退自在な、荷を移載するためのアームである。アーム40は、上下方向において隣り合う棚105の間に挿入され、アーム支持部30によって支持される板状の部材である。アーム40には、アーム支持部30の第一板状部材31の主面を走行するための車輪41が設けられる。アーム40は、例えば、アルミなどの金属などで形成されるが、特に限定されるものではない。なお、アーム40は、スライドフォークなど、多段伸縮式のアームであってもよい。
【0038】
リフタ50は、一対の棚梁105aおよび105bの隙間105c(棚105の隙間105c)において昇降する(
図3B参照)ことにより棚105の荷を持ち上げるまたは棚105に荷を載置するリフタである。リフタ50は、例えば、油圧式のリフタであるが、その他の駆動機構を用いたリフタであってもよい。
【0039】
次に、移載装置20の動作について説明する。まず、移載装置20が荷物収納庫103から荷物102を取り出す(出庫する)場合の動作について説明する。
図4A〜
図4Dは、移載装置20が荷物収納庫103から荷物102を取り出す動作を説明するための斜視図である。
図5A〜
図5Dは、移載装置20が荷物収納庫103から荷物102を取り出す動作を説明するための側面図である。
図6は、移載装置20が荷物収納庫103から荷物102を入出庫する動作のフローチャートである。なお、
図5B〜
図5Dにおいて、アーム支持部30およびアーム40は、部分的に断面表示され、断面はハッチングされている。
【0040】
以下の説明では、
図4Aおよび
図5Aに示されるように対象の棚105に置かれた荷物102を取り出す例について説明される。
図4Aおよび
図5Aでは、対象の棚の直下の棚106(棚梁106aおよび106b)についても図示されている。
【0041】
まず、移載装置20は、
図4Bおよび
図5Bに示されるように、本体部25からアーム支持部30を突出させ、対象の棚105と下の棚106との間にアーム支持部30を挿入する(
図6のS11)。アーム支持部30は、下の棚106に載置された荷物を避けるように挿入され、下の棚の荷物は、挿入されたアーム支持部30に上方から覆われる。
【0042】
次に、移載装置20は、
図4Cおよび
図5Cに示されるように、アーム40にアーム支持部30の上面を走行させ、対象の棚105とアーム支持部30との間にアーム40を挿入する(
図6のS12)。このとき、リフタ50は、対象の棚105の隙間105cから対象の棚105に置かれた荷物102を押し上げることができる位置に配置される。
【0043】
そして、移載装置20は、
図4Dおよび
図5Dに示されるように、対象の棚105の隙間105cにおいてリフタ50を上昇させる(
図6のS13)。この結果、荷物102は、リフタ50上に載せられ、移載装置20は、リフタ50を上昇させたまま(荷物102が搭載されたまま)アーム40を引き抜くことで、対象の棚105に置かれた荷物102を取り出すことができる。
【0044】
続いて、移載装置20が荷物収納庫103に荷物102を置く(入庫する)場合の動作について上記
図6に加えて、
図7A〜
図7D、および、
図8A〜
図8Dを用いて説明する。
図7A〜
図7Dは、移載装置20が荷物収納庫103に荷物102を置く動作を説明するための斜視図である。
図8A〜
図8Dは、移載装置20が荷物収納庫103に荷物102を置く動作を説明するための側面図である。なお、
図7B〜
図7Dにおいて、アーム支持部30およびアーム40は、部分的に断面表示され、断面はハッチングされている。
【0045】
以下の説明では、
図7Aおよび
図8Aに示されるように対象の棚105に荷物102を置く例について説明される。
【0046】
まず、移載装置20は、
図7Bおよび
図8Bに示されるように、アーム支持部30に、下の棚106を走行させ、対象の棚105と下の棚106との間にアーム支持部30を挿入する(
図6のS11)。
【0047】
次に、移載装置20は、
図7Cおよび
図8Cに示されるように、アーム40にアーム支持部30の上面を走行させ、対象の棚105とアーム支持部30との間にアーム40を挿入する(
図6のS12)。このとき、リフタ50上には荷物102が置かれ、リフタ50は、上昇した状態で対象の棚105の隙間105cに配置される。
【0048】
そして、移載装置20は、
図7Dおよび
図8Dに示されるように、対象の棚105の隙間105cにおいてリフタ50を下降させる(
図6のS13)。これにより、移載装置20は、対象の棚105に荷物102を置くことができる。
【0049】
以上説明した自動倉庫10においては、移載装置20がアーム支持部30を備えている点が特徴である。このような自動倉庫10(移載装置20)によれば、荷物収納庫103への部材の追加を抑制し、かつ、アーム40を支持することができる。
【0050】
例えば、特許文献1に記載の自動倉庫では、スライドフォーク(アーム)を支持するレールが複数の棚梁のそれぞれに設けられる。つまり、レールは棚梁の数だけ複数設けられる必要があり、コストが高い。
【0051】
これに対し、実施の形態1に係る自動倉庫10および移載装置20では、1つの自動倉庫に対して1つのアーム支持部30が設けられる構成であるため、コストの削減が実現できる。
【0052】
また、特許文献1に記載の自動倉庫では、スライドフォーク(アーム)をレールに挿入するためには、スライドフォークの位置の制御に高い精度が必要である。したがって、レールへのスライドフォークの挿入、すなわち、荷物102の入出庫に時間がかかることが想定される。
【0053】
これに対し、実施の形態1に係る自動倉庫10および移載装置20では、アーム支持部30およびアーム40を挿入に高い精度が必要ないため、荷物102の入出庫を迅速に行うことができる。
【0054】
(変形例)
実施の形態1に係る自動倉庫10および移載装置20では、アーム支持部30は、対象の棚105の下の棚106に支持され、下の棚106を利用してアーム40を支持した。しかしながら、アーム支持部は、荷物収納庫103の他の部分を利用してアーム40を支持してもよい。
【0055】
例えば、荷物収納庫103の奥側(移載装置20から見た場合の奥側)に壁がある場合、アーム支持部は、奥側の壁を利用してアーム40を支持してもよい。
【0056】
以下、このようなアーム支持部の変形例について説明する。
図9〜
図12は、アーム支持部の変形例を説明するための図である。
【0057】
図9に示されるアーム支持部30aは、長尺板状であり、端部に吸着部35が設けられている。吸着部35は、荷物収納庫103の奥側の壁120(奥側の面)に吸着し、これにより、アーム支持部30aは、荷物収納庫103に支持される。吸着部35は、吸盤およびポンプなどにより実現されるが、静電吸着などのどのような吸着手段が用いられてもよい。
【0058】
アーム支持部30aは、荷物収納庫103への挿入に高い精度が必要ないため、荷物102の入出庫を迅速に行うことができる移載装置および自動倉庫を実現できる。
【0059】
また、
図10に示される例では、荷物収納庫103の奥側の壁125に貫通孔126が設けられており、対象の棚105と下の棚106との間に挿入されたアーム支持部30bの端部は、貫通孔126に挿入される。
【0060】
この場合、アーム支持部30bは、長尺板状の部材であり、荷物収納庫103に支持されるための特別な構造を有しない。したがって、アーム支持部30bは、簡素化された移載装置および自動倉庫を実現できる。
【0061】
なお、壁125には、奥側に向かって凹んだ凹部(穴)が設けられ、対象の棚105と下の棚106との間に挿入されたアーム支持部30bの端部は、凹部に挿入されてもよい。
【0062】
また、壁に設けられるアーム支持部30bを支持するための機構は、凹部および貫通孔に限定されるものではない。例えば、
図11に示されるように、荷物収納庫103の奥側の壁130には、壁130から手前側に突出した凸部131が設けられてもよい。この場合、対象の棚105と下の棚106との間に挿入されたアーム支持部30bの端部は、凸部131の上面に置かれて支持される。
【0063】
なお、
図11に示される構成では、アーム支持部30bの凸部131への載置にある程度の精度が必要である。そこで、
図12に示されるアーム支持部30cのように、アーム支持部30cの端部には、上下方向に昇降する昇降部43(リフタ)が設けられてもよい。
【0064】
例えば、
図12に示されるように、アーム支持部30cの挿入後の高さが凸部131よりも高いときには、移載装置20は、昇降部43を降ろして凸部131に当接させる。これによってアーム支持部30cが凸部131によって支持される。
【0065】
ところで、アーム支持部の形状は、アーム支持部30、30a、30bおよび30cのような形状に限定されるものではない。
図13A〜
図13Cは、アーム支持部の形状のその他の例を説明するための図である。
【0066】
図13Aに示される、上述したアーム支持部30bは、シンプルな板状の部材である点が利点ではあるが、たわみ等を抑制したい場合には、以下のような形状が考えられる。
【0067】
例えば、
図13Bに示されるアーム支持部30dは、主面においてアーム40を支持する長尺板状の第一板状部材31dと、第一板状部材31dを補強する第二板状部材32dおよび33dのそれぞれとを有する。第二板状部材32dおよび33dは、第一板状部材31dの短手方向の端部に第一板状部材31dに対して垂直にそれぞれ接続され、アーム支持部30dの断面形状は、H字状(横に倒されたI字状)である。
【0068】
また、例えば、
図13Cに示されるアーム支持部30eは、主面においてアーム40を支持する長尺板状の第一板状部材31eと、第一板状部材31eを補強する長尺板状の第二板状部材32eとを有する。第二板状部材32eの短手方向の端部は、第一板状部材31eのアーム40を支持する主面とは反対側の主面に接続される。第二板状部材32eは、第一板状部材31eの長手方向に延びる中心線にそって第一板状部材31eに対して垂直に接続される。アーム支持部30eの断面形状は、T字状である。
【0069】
アーム支持部30および30eにおいて、第一板状部材への第二板状部材の取り付け態様としては、接着、溶接、および、ネジなどの固定部材による取り付けなどが例示される。
【0070】
アーム支持部30dおよび30eのように、板状部材を組み合わせて強度を向上させる方法は、重量が増えにくい(アーム支持部を軽量化できる)ため、たわみの抑制効果は高い。
【0071】
なお、アーム支持部30dおよび30eに上述の吸着部35または昇降部43などが組み合わされてもよい。
【0072】
(その他の実施の形態)
以上、自動倉庫10および移載装置20について、実施の形態1に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態1に限定されるものではない。
【0073】
上記実施の形態1では、アーム40は、アーム支持部上を走行することによりアーム支持部と対象の棚105との間に挿入された。しかしながら、アーム40は、その他の方法でアーム支持部と対象の棚105との間に挿入されてもよい。例えば、アーム40は、アーム支持部にスライド挿入されてもよい。
図14は、アーム40がスライド挿入されるアーム支持部の斜視図である。なお、
図14において、アーム支持部30およびアーム40は、部分的に断面表示され、断面はハッチングされている。
【0074】
図14に示されるアーム支持部30fは、本体部31fと、本体部31fに設けられた車輪34と、本体部31fの上面に設けられ、溝33fを有するガイド部32fとを備える。本体部31fは、上述のアーム支持部30と同様の構成である。アーム40は、溝33f(ガイド部32f)にスライド挿入される。
【0075】
このようなアーム支持部30fによっても、荷物収納庫103への部材の追加を抑制し、かつ、アーム40を支持することができる。
【0076】
また、上記実施の形態1では、アーム40には、取出部の一例としてリフタ50が設けられたが、荷物102の取り出しが可能であれば、アーム40には、リフタ50とは別の機構が設けられてもよい。例えば、アーム40の先端(Y軸+側の端)には、回転機構(X軸またはY軸を軸として回転する機構)を介してフックが設けられてもよい。
【0077】
上記フックは、アーム40の挿入時には、横臥姿勢であり、アーム40の上面から突出しない。つまり、挿入時は、アーム40の上面は平坦な面である。
【0078】
アーム40を挿入後、荷物102を取り出す際には、上記回転機構の回転により、上記フックがアーム40の上面から突出する。この状態(立ち上がり姿勢)でアーム40を移載装置20側に引くと、フックが荷物102の奥側の側面(後端)に引っかかるため、荷物102を移載装置20側に引き寄せることができる。つまり、荷物102の取出しが可能である。
【0079】
上記実施の形態1において、アーム支持部およびアーム40の抜き差しは、より詳細には、移載装置20が備える制御部(例えば、マイコンなど)と、駆動部(例えば、モーターなど)とによって行われる。つまり、駆動部が制御部からの指令に基づいてアーム支持部およびアーム40の抜き差しを行う。ここで、制御部は、専用のハードウェアで構成されるか、制御部に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御部は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0080】
上記実施の形態1では、本発明の一態様に係る移載装置20および自動倉庫10について説明されたが、本発明は、荷物の移載方法、移載装置20の制御方法、移載装置20の制御プログラムなどとして実現されてもよい。
【0081】
以上、一つまたは複数の態様に係る移載装置および自動倉庫について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。