【解決手段】この画像形成装置100は、用紙搬送路18を構成する第1搬送面30aおよび両面搬送路22を構成する第2搬送面30bを有する搬送ガイド部材30と、両面搬送路22を通過する用紙Pを搬送する搬送ローラー24と、を備える。第1搬送面30aには、搬送ローラー24が装着される空間を有する装着部R1と、装着部R1の幅方向の外側に配置される複数の第1ガイドリブ33と、装着部R1の幅方向の端部に配置される第2ガイドリブ34と、が形成されている。第2ガイドリブ34は、第1ガイドリブ33に比べて、用紙搬送方向の長さが短く、用紙搬送方向に対する傾斜角度αが大きく、装着部R1の奥側に向けて傾斜している。
前記第2ガイドリブは、前記装着部の前記記録媒体の幅方向の少なくとも一方側に、前記幅方向に沿って複数個設けられているとともに、前記装着部の前記記録媒体の幅方向の中央側に配置されるにしたがって、前記記録媒体搬送方向に対する前記傾斜角度が大きくなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記第2ガイドリブは、前記装着部の前記記録媒体の幅方向の中央側に配置されるにしたがって、前記記録媒体搬送方向の長さが短くなることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1〜
図11を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100について説明する。
【0014】
画像形成装置100(ここではカラープリンター)は、本実施形態では、異なる4色(イエロー、シアン、マゼンタおよびブラック)に対応する4つの感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dを並列配置して画像形成を行う、4連タンデム型のカラープリンターである。
【0015】
画像形成装置100の装置本体内には、4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、
図1では左側から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(イエロー、シアン、マゼンタおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの画像を順次形成する。
【0016】
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a〜1dがそれぞれ配設されており、さらに
図1において反時計回りに回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において用紙P上に一度に転写され、さらに、定着装置13において記録媒体の一例としての用紙P上に定着された後、装置本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを
図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0017】
トナー像が転写される用紙Pは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。中間転写ベルト8および二次転写ローラー9は、ベルト駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dと同一線速で回転駆動される。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー17が配置されている。
【0018】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a〜1dに対して画像データに基づく露光を行う露光ユニット5と、感光体ドラム1a〜1d上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像ユニット3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a〜1d上でトナー像の転写後に残留した現像剤(トナー)を回収、除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dとが設けられている。
【0019】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット5によって画像データに基づいて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像ユニット3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラーを備え、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。
【0020】
なお、後述のトナー像の形成によって各現像ユニット3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像ユニット3a〜3dにトナーが補給される。このトナーは、現像ユニット3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット5の露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0021】
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dにより除去される。
【0022】
中間転写ベルト8は、従動ローラー10及び駆動ローラー11に掛け渡されており、上記ベルト駆動モーターによる駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置13へと搬送される。
【0023】
定着装置13に搬送された用紙Pは、加熱ローラー14aと加圧ローラー14bとで構成される定着ローラー対14の定着ニップ部を通過する際に加熱および加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、搬送ローラー対15を経て用紙搬送路18(第1搬送路)の分岐部に配置された分岐部材21によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路22(第2搬送路)に送られて両面コピーされた後に)、排出ローラー対19を介して排出トレイ20に排出される。
【0024】
用紙搬送路18は、具体的には、搬送ローラー対15の下流側において左右二股に分岐し、一方の経路(
図1では左方向に分岐する経路)は排出トレイ20に連通するように構成されている。そして、他方の経路(
図1では右方向に分岐する経路)は両面搬送路22に連通するように構成されている。用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置13を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラー対19から装置外部にまで突出させる。
【0025】
その後、排出ローラー対19を逆回転させるとともに分岐部材21を略水平に揺動させることにより、用紙Pは分岐部材21の上面に沿って両面搬送路22へ案内され、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着装置13に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ20に排出される。
【0026】
図2に示すように、定着装置13の上側(用紙搬送方向下流側)には、用紙Pをガイドする樹脂製の搬送ガイド部材30が配置されている。搬送ガイド部材30は、用紙搬送路18の一部と両面搬送路22の一部とを構成する。カバー部材23を開放することにより、両面搬送路22が露出する。さらに、搬送ガイド部材30を、上部の支軸を中心として上方に回動させることによって、用紙搬送路18が露出する。
【0027】
搬送ガイド部材30は、用紙搬送路18の一部を構成する第1搬送面30aと、両面搬送路22の一部を構成する第2搬送面30bと、を有する。第1搬送面30aには
図3に示すように、後述する搬送ローラー24が装着される空間を有する2つの装着部R1と、用紙Pの幅方向(用紙搬送方向と直交する方向、
図2の紙面に対して垂直方向)に互いに所定の間隔を隔てて配置され用紙Pをガイドする複数の板状のガイドリブ31と、が形成されている。第2搬送面30bには、用紙Pの幅方向に延びるとともに複数のガイドリブ31と一体で形成されるガイド曲面部32(
図4も参照)と、ガイド曲面部32から少しだけ突出し、用紙搬送方向に延びて用紙Pをガイドする複数のガイドリブと、が形成されているとともに、2つの搬送ローラー24が露出している。搬送ローラー24は、第1搬送面30aの装着部R1から挿入され第2搬送面30bに形成された開口部から回転可能に露出し、両面搬送路22の用紙Pを搬送する。
【0028】
ガイドリブ31の各々は、用紙Pをガイドするガイド部31a(用紙搬送路18に面する端部)を有する。また、ガイドリブ31は、装着部R1に対して用紙幅方向の外側に配置される複数の第1ガイドリブ33と、装着部R1の用紙幅方向の端部で装着部R1の上側(用紙搬送方向下流側)の部分から装着部R1の奥側に向けて延びるように配置される複数の第2ガイドリブ34と、を含んでいる。
【0029】
第2ガイドリブ34は、各装着部R1の幅方向の両側に、幅方向に沿って複数個(ここでは3個)ずつ設けられている。そして、第2ガイドリブ34は、第1ガイドリブ33に比べて、用紙搬送方向の長さが短く、用紙搬送方向に対するガイド部31aの傾斜角度αが大きく、装着部R1の奥側に向けて傾斜するように形成されている。第2ガイドリブ34は、装着部R1の幅方向の中央側に配置されるにしたがって、
図5および
図6に示すように後述する軸部43の軸方向から見て、用紙搬送方向(第1ガイドリブ33のガイド部31aの延びる方向)に対するガイド部31aの傾斜角度αが順に大きくなるように形成されている。
【0030】
また、第2ガイドリブ34は
図5および
図7に示すように、装着部R1の幅方向の中央側に配置されるにしたがって、用紙搬送方向の長さ(ガイド部31aの長さ)が順に短くなるように形成されている。なお、第2ガイドリブ34のうちの装着部R1の幅方向の両端に配置される第2ガイドリブ34(第1ガイドリブ33に隣接する第2ガイドリブ34)は、第1ガイドリブ33に比べて、ガイド部31aの長さが小さいか、または等しく形成されている。
【0031】
また、第2ガイドリブ34は
図7に示すように、第1ガイドリブ33に比べて、隣り合うリブの間隔が狭くなるように形成されている。
【0032】
また
図2に示すように、用紙搬送路18には、定着ローラー対14の上側(用紙搬送方向下流側)の近傍に、用紙Pの有無を検知する検知機構40が設けられている。検知機構40は
図3に示すように、用紙通過領域の中央部から一方側(
図3の左側)のみに設けられている。検知機構40は、用紙Pの幅方向に延びるとともに用紙Pに当接されることにより回動するアクチュエーター部41と、アクチュエーター部41の回動を検知するPIセンサー等からなるセンサー部42等と、によって構成されている。アクチュエーター部41の後述する回動部45の回動により駆動(揺動など)するリンク部材(図示せず)等が設けられ、センサー部材42は、リンク部材の駆動を検知することにより、アクチュエーター部41の回動を検知するように構成されている。なお、センサー部42は、アクチュエーター部41の後述する回動部45の回動を直接検知するように構成されていてもよい。
【0033】
アクチュエーター部41は、用紙Pが当接される位置で、かつ、用紙Pの搬送を阻害しない位置に配置される必要がある。このため、複数のガイドリブ31のうちの左側(用紙通過領域の中央部から一方側)に配置される第1ガイドリブ33には、アクチュエーター部41の後述する軸部43が貫通する切り欠き部33aが形成されている。この切り欠き部33aは、第1ガイドリブ33の前側部分(用紙搬送路18を構成する部分)に形成されている。そして、アクチュエーター部41の大部分が搬送ガイド部材30内に配置されている。
【0034】
アクチュエーター部41は、搬送ガイド部材30に回動可能に軸支され用紙Pの幅方向に延びる軸部43と、軸部43に設けられ用紙Pに当接されることにより軸部43と一体で回動する検知部44と、軸部43に設けられ軸部43と一体で回動する回動部45と、を有する。
【0035】
軸部43は、用紙通過領域の中央部(搬送ガイド部材30の中央部)から一方側(
図3の左側)に延びて用紙通過領域の外側まで形成されている。検知部44は、軸部43の他方端(
図3の右端部)に固定されているとともに用紙通過領域の中央部に配置され、用紙搬送路18内に突出するように形成されている。回動部45は、用紙通過領域の外側に配置されているとともに、軸部43の一方端(
図3の左端部)に固定されている。
【0036】
また、軸部43には
図8および
図9に示すように、軸部43の軸方向から見て切り欠き部33aの開口を塞ぐ(開口に重なる)第3ガイドリブ46が設けられている。第3ガイドリブ46は、軸部43のうちの用紙通過領域の外寄りの位置に設けられている。具体的には、第3ガイドリブ46は、用紙通過領域の端部よりも内側の位置に配置されている。すなわち、第3ガイドリブ46は、用紙Pのカールした先端エッジ部が引っ掛かりやすい位置に配置されている。また、第3ガイドリブ46は、軸部43に固定されており、軸部43と一体で回動する。
【0037】
図8および
図9において、用紙Pは下側から上側に搬送される。用紙Pが検知部44の下面に当接する前の状態(
図8および
図9の状態)において、軸部43の軸方向から見て、第3ガイドリブ46は、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも下側(用紙搬送方向上流側)の部分の開口33bを塞いでいる。また、用紙Pが検知部44に当接してアクチュエーター部41を
図9の時計回り方向に回動させた状態(
図10および
図11の状態)において、軸部43の軸方向から見て、第3ガイドリブ46は、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも用紙搬送方向下流側(上側)の部分の開口33cを塞いでいる。また、用紙Pが検知部44に当接してアクチュエーター部41を回動させた状態(
図10および
図11の状態)において、軸部43の軸方向から見て、第1ガイドリブ33の上側(用紙搬送方向下流側)の部分と第3ガイドリブ46とのなす角θは、鈍角である。これにより、第3ガイドリブ46から第1ガイドリブ33へ滑らかに繋がるので、第3ガイドリブ46と第1ガイドリブ33との交点部分に用紙Pが引っ掛かるのを抑制することが可能である。
【0038】
なお、
図9に示すように、用紙Pが検知部44に当接する前の状態においても、軸部43の軸方向から見て、第3ガイドリブ46は、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも上側(用紙搬送方向下流側)の部分の開口33cを塞いでいてもよい。この場合、用紙Pが検知部44に当接する前の状態においても、軸部43の軸方向から見て、第1ガイドリブ33の上側の部分と第3ガイドリブ46とのなす角θは、鈍角であることが好ましい。
【0039】
第3ガイドリブ46の用紙当接部は
図8に示すように、検知部44の用紙当接部(最下部)よりも下側(用紙搬送方向上流側)に配置されている。これにより、第3ガイドリブ46は、検知部44よりも前に用紙Pに当接される。
【0040】
この画像形成装置100では、用紙Pが用紙搬送路18を搬送されると、用紙Pの先端は、検知部44に当接する前に、第3ガイドリブ46に当接する。このとき、第3ガイドリブ46は、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも下側(用紙搬送方向上流側)の部分の開口33bを塞いでいるので、切り欠き部33a内に用紙Pが入り込むことはない。
【0041】
その後、用紙Pの先端がアクチュエーター部41の検知部44に当接すると、アクチュエーター部41が
図9の時計回り方向に回動する。このとき、第3ガイドリブ46は、用紙Pを切り欠き部33aから遠ざけながら上側(用紙搬送方向下流側)に誘導する。そして、回動部45が回動することによりセンサー部42がアクチュエーター部41の回動を検知し、検知機構40によって用紙Pが有ると判断される。なお、用紙Pがアクチュエーター部41を回動させた状態(
図10および
図11の状態)において、軸部43の軸方向から見て、第3ガイドリブ46は、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも上側の部分の開口33cを塞いでいるので、切り欠き部33a内に用紙Pが入り込むことはない。
【0042】
用紙Pの先端は、切り欠き部33aを通過すると、ガイドリブ31のガイド部31aに沿って上方に搬送される。このとき、用紙Pに幅方向の撓みが生じて、用紙Pの先端が装着部R1に進入する場合がある。これを抑制するために、装着部R1に第2ガイドリブ34が設けられている。しかし、第2ガイドリブ34のガイド部31aの傾斜を用紙搬送方向(第1ガイドリブ33のガイド部31aの延びる方向)と平行にすると、第2ガイドリブ34のガイド部31aの下側のコーナー部31b(
図6参照)に用紙Pの先端が引っ掛かる場合がある。そこで、上述のように、第2ガイドリブ34を、第1ガイドリブ33に比べて、用紙搬送方向に対するガイド部31aの傾斜角度αが大きくなるように形成している。これにより、第2ガイドリブ34のガイド部31aのコーナー部31bが搬送ガイド部材30の奥側(用紙搬送路18から離れる方向)に配置されるので、第2ガイドリブ34に対する用紙Pの先端の引っ掛かりが抑制される。そして、用紙Pの先端が搬送ガイド部材30を通過する。
【0043】
その後、用紙Pの後端がアクチュエーター部41の検知部44を通過すると、検知部44等の自重により回転軸に対して下向きのモーメントが作用し、アクチュエーター部41が逆方向(
図11の反時計回り方向)に回動し元の状態(
図8および
図9の状態、待機状態)に戻る。このとき、回動部45も逆方向(
図11の反時計回り方向)に回動することによりセンサー部42がアクチュエーター部41の逆方向の回動を検知し、検知機構40によって用紙Pが無いと判断される。従って、定着ローラー対14の下流側に位置する用紙搬送路18に用紙Pが残っているときは、センサー部42により所定時間以上用紙Pが有ると判断され、用紙Pのジャムとして検知される。
【0044】
本実施形態では、上記のように、搬送ガイド部材30の第1搬送面30aには、搬送ローラー24が装着される空間を有する装着部R1と、装着部R1に対して用紙Pの幅方向の外側に配置される複数の第1ガイドリブ33と、装着部R1の用紙Pの幅方向の端部で上側(用紙搬送方向下流側)の部分から装着部R1の奥側に向けて延びるように配置される複数の第2ガイドリブ34と、が形成され、第2ガイドリブ34は、第1ガイドリブ33に比べて、用紙搬送方向の長さが短く、用紙搬送方向に対する傾斜角度αが大きく、装着部R1の奥側に向けて傾斜している。これにより、第2ガイドリブ34のガイド部31aのコーナー部31bが搬送ガイド部材30の奥側(用紙搬送路18から離れる方向)に配置されるので、第1搬送面30aに沿って搬送された用紙Pの先端に撓みが生じている場合であっても、用紙Pの先端が装着部R1の第2ガイドリブ34などに引っ掛かるのを抑制することができる。このため、用紙Pのジャムが発生するのを抑制することができる。
【0045】
また、上記のように、第2ガイドリブ34は、装着部R1の用紙Pの幅方向の中央側に配置されるにしたがって、用紙搬送方向に対する傾斜角度αが大きくなる。第2ガイドリブ34は装着部R1の中央側に配置されるにしたがって用紙Pの先端が引っ掛かりやすくなるので、上記のように、装着部R1の中央側に配置されるにしたがって傾斜角度αを大きくすることは、有効である。
【0046】
また、上記のように、第2ガイドリブ34は、装着部R1の用紙Pの幅方向の中央側に配置されるにしたがって、用紙搬送方向の長さが短くなる。これにより、第2ガイドリブ34が搬送ローラー24の挿入の妨げになるのを容易に抑制することができる。また、装着部R1の用紙Pの幅方向の中央側に配置されるにしたがって用紙搬送方向の長さが短くなる場合に、中央寄りの第2ガイドリブ34に用紙Pの先端がより引っ掛かりやすくなるので、上記のように装着部R1の用紙Pの幅方向の中央側に配置されるにしたがって用紙搬送方向に対する傾斜角度αを大きくすることは、特に有効である。
【0047】
また、上記のように、第2ガイドリブ34は、第1ガイドリブ33に比べて、隣り合うリブの間隔が狭い。このように、第2ガイドリブ34をより密に配置することによって、用紙Pの先端が第2ガイドリブ34に引っ掛かるのをより抑制することができる。
【0048】
また、上記のように、第1ガイドリブ33には、アクチュエーター部41の軸部43が貫通する切り欠き部33aが形成されている。これにより、アクチュエーター部41の軸部43を搬送ガイド部材30内に配置することができる。すなわち、アクチュエーター部41を、用紙Pが当接される位置で、かつ、用紙Pの搬送を阻害しない位置に容易に配置することができる。
【0049】
また、アクチュエーター部41の軸部43には、軸部43の軸方向から見て第1ガイドリブ33の切り欠き部33aの開口を塞ぐ第3ガイドリブ46が設けられている。これにより、用紙Pが搬送ガイド部材30に沿って搬送される際に、切り欠き部33a内(切り欠き部33aの内周面とアクチュエーター部41の軸部43の外周面との間)に用紙Pが入り込むのを抑制することができるので、用紙Pのジャムが発生するのをより抑制することができる。
【0050】
具体的には、上記のように、用紙Pが検知部44に当接する前の状態において、軸部43の軸方向から見て、第3ガイドリブ46は、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも下側(用紙搬送方向上流側)の部分の開口33bを塞いでいる。これにより、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも下側の部分の開口33bに用紙Pが入り込むのを抑制することができる。
【0051】
また、用紙Pが検知部44に当接してアクチュエーター部41を回動させた状態において、軸部43の軸方向から見て、第3ガイドリブ46は、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも上側の部分の開口33cを塞いでいる。これにより、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも上側の部分の開口33cに用紙Pが入り込むのを抑制することができる。
【0052】
また、上記のように、用紙Pが検知部44に当接してアクチュエーター部41を回動させた状態において、軸部43の軸方向から見て、第1ガイドリブ33の軸部43よりも上側の部分と第3ガイドリブ46とのなす角θは、鈍角である。これにより、第1ガイドリブ33の軸部43よりも上側の部分と第3ガイドリブ46との交点部分に用紙Pの先端が入り込んで抜け出しにくくなるのを抑制することができるので、用紙Pのジャムが発生するのをより抑制することができる。
【0053】
また、上記のように、第3ガイドリブ46は、軸部43と一体で回動するように形成されている。これにより、第3ガイドリブ46の回動により用紙Pを上側(用紙搬送方向下流側)に誘導することができるので、用紙Pのジャムが発生するのをより抑制することができる。
【0054】
また、上記のように、第3ガイドリブ46は、検知部44よりも前(または検知部44と同時)に、用紙Pに当接される。これにより、用紙Pが第3ガイドリブ46に当接する前にアクチュエーター部41が回動するのを抑制することができる。このため、切り欠き部33aのうちの軸部43よりも下側の部分の開口33bが開かれ、その部分に用紙Pが入り込むのを抑制することができる。これにより、用紙Pのジャムが発生するのをより抑制することができる。
【0055】
また、上記のように、第3ガイドリブ46は、軸部43のうちの用紙通過領域の外寄りの位置(大サイズの用紙の幅方向端部が通過する位置の内側近傍)に設けられている。用紙Pはサイズが大きくなると端部がカールしやすくなるので、用紙通過領域の外寄りの位置で切り欠き部33a内に用紙Pのカールした先端エッジ部が入り込みやすい。このため、軸部43のうちの用紙通過領域の外寄りの位置に第3ガイドリブ46を設けることは、特に効果的である。
【0056】
また、上記のように、搬送ガイド部材30は、定着装置13に対して用紙搬送方向下流側に配置されている。定着装置13を通過した用紙Pは、定着時の熱および圧力によりカールしやすいので、定着装置13の用紙搬送方向下流で用紙Pのジャムが発生しやすい。このため、搬送ガイド部材30を定着装置13に対して用紙搬送方向下流側に配置し、定着装置13を通過した用紙Pのジャムの発生を抑制することは、特に効果的である。
【0057】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0058】
例えば、カラープリンターに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。言うまでもなく、モノクロプリンター、カラー複写機、モノクロ複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の、複数の搬送路を構成するとともに記録媒体をガイドする搬送ガイド部材を備えた種々の画像形成装置に本発明を適用できる。
【0059】
また、上記実施形態では、定着装置の用紙搬送方向下流側に配置された搬送ガイド部材に本発明を適用した例を示したが、定着装置の用紙搬送方向下流側以外の部分に配置される搬送ガイド部材にも本発明を適用可能である。
【0060】
また、上記実施形態では、第3ガイドリブを軸部のうちの用紙通過領域の外寄りの位置のみに設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば
図12に示した本発明の変形例のように、第3ガイドリブ46を、軸部43のうちの用紙通過領域の外寄りの位置と内寄りの位置との両方に設けてもよい。このように構成すれば、大サイズの用紙Pだけでなく、小サイズの用紙Pについても、ジャムの発生を抑制することができる。
【0061】
また、上記実施形態では、第3ガイドリブが軸部と一体で回動する例について示したが、本発明はこれに限らず、第3ガイドリブは軸部と一体で回動しなくてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、用紙搬送路(第1搬送路)に検知機構を設けた例について示したが、検知機構を設けなくてもよい。