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特開2015-231911テーピング電子部品連用リール及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-231911(P2015-231911A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】テーピング電子部品連用リール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/14 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   B65H75/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-72787(P2015-72787)
(22)【出願日】2015年3月31日
(31)【優先権主張番号】特願2014-101427(P2014-101427)
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134566
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 和俊
(72)【発明者】
【氏名】清水 保弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈二
【テーマコード(参考)】
3F058
【Fターム(参考)】
3F058AA08
3F058AB01
3F058AC00
3F058BB11
3F058CA09
3F058DA05
3F058DB03
3F058DB05
3F058DC01
3F058DC08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回転駆動時にテーピング電子部品連用リールが破損することを抑制する。
【解決手段】テーピング電子部品連用リールは、第1及び第2のリール半体31,32を備える。第1のリール半体31は、第1の突出部31aと、第1のフランジ部31bとを有する。第1の突出部31aは、第2のリール半体32側に突出している。第1のフランジ部31bは、第1の突出部31aの端部から半径方向の外側に向かって延びている。第2のリール半体32は、第2の突出部32aと、第2のフランジ部32bとを有する。第2の突出部32aは、第1のリール半体31側に突出している。第2のフランジ部32bは、第2の突出部32aの端部から半径方向の外側に向かって延びている。第1及び第2のフランジ部31a、32aのそれぞれは、外側端部に、半径方向とは異なる方向に伸びる部分を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に沿って相互に間隔を置いて設けられた複数の収容部を有するテープと、前記収容部に収容された電子部品とを有するテーピング電子部品連が巻き取られるテーピング電子部品連用リールであって、
それぞれ板材により構成されており、互いに付き合わされた第1及び第2のリール半体を備え、
前記第1のリール半体は、
前記第2のリール半体側に突出している円柱状の第1の突出部と、
前記第1の突出部の端部から半径方向の外側に向かって延びる円盤状の第1のフランジ部と、
を有し、
前記第2のリール半体は、
前記第1のリール半体側に突出している円柱状の第2の突出部と、
前記第2の突出部の端部から面内方向の外側に向かって延びる円盤状の第2のフランジ部と、
を有し、
前記第1の突出部と前記第2の突出部とがそれぞれの天面が接合されて巻芯部が構成されており、
前記第1及び第2の突出部のそれぞれと前記第1または第2のフランジ部との接続部の曲率半径が、前記第1及び第2の突出部の側面と天面との接続部の曲率半径よりも大きく、
前記第1及び第2のフランジ部の外周縁は前記第1及び第2のフランジ部の面内方向と異なる面外方向に延びる、テーピング電子部品連用リール。
【請求項2】
前記第1及び第2のフランジ部の前記外縁部は、面内方向に対して傾斜した面外方向であって、前記軸芯方向の外方に延びる、請求項1に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項3】
前記第1及び第2のフランジ部は、それぞれ、貫通孔が形成された貫通孔部を有し、
前記貫通孔部は、前記貫通孔側に向かって、前記巻芯部の軸心方向における外側に向かって延びている、請求項1又は2に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項4】
前記第1の突出部と前記第2の突出部の天面の厚みは、前記第1のフランジ部と第2のフランジ部の厚みより厚い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項5】
前記第1及び第2のフランジ部ののそれぞれの厚みが、0.40mm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項6】
前記第1の突出部と前記第2の突出部の天面の厚みが、0.40mmより厚く、前記天面は前記第1の突出部と前記第2の突出部と一体に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項7】
前記第1の突出部の外周面と前記第1のフランジ部とのなす角の大きさが95°未満であり、
前記第2の突出部の外周面と前記第2のフランジ部とのなす角の大きさが95°未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項8】
前記第1の突出部の外周面と前記第1のフランジ部とのなす角の大きさが90°より大きく、
前記第2の突出部の外周面と前記第2のフランジ部とのなす角の大きさが90°より大きい、請求項1〜7のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項9】
前記第1の突出部の外周面と前記第1のフランジ部との接続部に、曲率半径が0.6mm未満の湾曲部が設けられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項10】
前記第1及び第2のフランジ部は、それぞれ、主面に、厚み方向に沿って突出又は凹んでいる凹凸部を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リール。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リールの製造方法であって、
平板状の母材を成形型を用いて成形することにより前記第1及び第2のリール半体を成形し、
前記成形型の成形面の表面粗さを、JIS B0601−2001で規定される算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以上とする、テーピング電子部品連用リールの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のテーピング電子部品連用リールの製造方法であって、
成形面に、前記突出部を成形するための突出部と、前記突出部の周囲に位置しており、前記フランジ部を成形するための平面部とを有する成形型の前記成形面の上に平板状の母材を配置する工程と、
前記母材を加熱しながら変形させ、前記成形面に沿わせることにより、前記リール半体を作製する工程と、
前記成形面から突出可能に設けられた押し出しピンを前記成形面から押し出すことによって前記リール半体を前記成形型から取り外す工程と、
を備える、テーピング電子部品連用リールの製造方法。
【請求項13】
前記母材を前記成形面に減圧吸着させる、請求項12に記載のテーピング電子部品連用リールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーピング電子部品連用リール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電子部品が収容されたテーピング電子部品連の保持具として、テーピング電子部品連用リールが知られている。例えば特許文献1には、テーピング電子部品連用リールとしても使用できるキャリアテープ用リールの一例が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のように、リールは、一般的には、リールの外側に配されており、リールのフランジ部と接触して配されたローラーにより回転駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−157179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、リールの軽量化が求められている。リールを軽量化しつつ低コスト化を図るためには、フランジ部を初め、リールを薄型化する必要がある。フランジ部を薄型化すると、ローラーによりリールが回転駆動される際に、フランジ部がローラーの取り付け隙間に食い込みやすくなる。フランジ部がローラの取り付け隙間に食い込むと、フランジ部が破損する。
【0006】
本発明の主な目的は、回転駆動時にテーピング電子部品連用リールが破損することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールは、長さ方向に沿って相互に間隔を置いて設けられた複数の収容部を有するテープと、収容部に収容された電子部品とを有するテーピング電子部品連が巻き取られるテーピング電子部品連用リールであって、それぞれ板材により構成されており、互いに付き合わされた第1及び第2のリール半体を備え、第1のリール半体は、第2のリール半体側に突出している円柱状の第1の突出部と、第1の突出部の端部から半径方向の外側に向かって延びる円盤状の第1のフランジ部とを有し、第2のリール半体は、第1のリール半体側に突出している円柱状の第2の突出部と、第2の突出部の端部から面内方向の外側に向かって延びる円盤状の第2のフランジ部とを有し、第1の突出部と第2の突出部とがそれぞれの天面で接合されて巻芯部が構成されており、第1及び第2の突出部のそれぞれと第1または第2のフランジ部との接続部の曲率半径が、第1及び第2の突出部の側面と天面との接続部の曲率半径よりも大きく、第1及び第2のフランジ部の外周縁は第1及び第2のフランジ部の面内方向と異なる面外方向に延びている。
【0008】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1及び第2のフランジ部の外縁部は、面内方向に対して傾斜した面外方向であって、軸芯方向の外方に延びていることが好ましい。
【0009】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1及び第2のフランジ部は、それぞれ、貫通孔が形成された貫通孔部を有し、貫通孔部は、貫通孔側に向かって、巻芯部の軸心方向における外側に向かって延びていることが好ましい。
【0010】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1の突出部と第2の突出部の天面の厚みが、第1のフランジ部と第2のフランジ部の厚みより厚いことが好ましい。
【0011】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1及び第2のフランジ部のそれぞれの厚みが、0.40mm以下であることが好ましい。
【0012】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1の突出部と第2の突出部の天面の厚みが、0.40mmより厚く、天面は第1の突出部と第2の突出部と一体に形成されている。
【0013】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1の突出部の外周面と第1のフランジ部とのなす角の大きさが95°未満であり、第2の突出部の外周面と第2のフランジ部とのなす角の大きさが95°未満であるることが好ましい。
【0014】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1の突出部の外周面と第1のフランジ部とのなす角の大きさが90°より大きく、第2の突出部の外周面と第2のフランジ部とのなす角の大きさが90°より大きいことが好ましい。
【0015】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1の突出部の外周面と第1のフランジ部との接続部に、曲率半径が0.6mm未満の湾曲部が設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明に係るテーピング電子部品連用リールでは、第1及び第2のフランジ部は、それぞれ、主面に、厚み方向に沿って突出又は凹んでいる凹凸部を有することが好ましい。
【0017】
本発明に係る第1のテーピング電子部品連用リールの製造方法は、本発明に係るテーピング電子部品連用リールの製造方法に関する。本発明に係る第1のテーピング電子部品連用リールの製造方法では、平板状の母材を成形型を用いて成形することにより第1及び第2のリール半体を成形する。成形型の成形面の表面粗さを、JIS B0601−2001で規定される算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以上とする。
【0018】
本発明に係る第2のテーピング電子部品連用リールの製造方法は、本発明に係るテーピング電子部品連用リールの製造方法に関する。本発明に係る第2のテーピング電子部品連用リールの製造方法では、成形面に、突出部を成形するための突出部と、突出部の周囲に位置しており、フランジ部を成形するための平面部とを有する成形型の成形面の上に平板状の母材を配置する。母材を加熱しながら変形させ、成形面に沿わせることにより、リール半体を作製する。成形面から突出可能に設けられた押し出しピンを成形面から押し出すことによってリール半体を成形型から取り外す。
【0019】
本発明に係る第2のテーピング電子部品連用リールの製造方法では、母材を成形面に減圧吸着させることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、回転駆動時にテーピング電子部品連用リールが破損することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの模式的正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの模式的側面図である。
図3】本発明の一実施形態におけるテーピング電子部品連の長さ方向に沿った模式的断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一部分を拡大した模式的正面図である。
図5図4のV部分の模式的断面図である。
図6図2のVI部分の模式的断面図である。
図7】本発明の一実施形態におけるリール半体の製造方法を説明するための模式的断面図である。
図8】本発明の一実施形態におけるリール半体の製造方法を説明するための模式的断面図である。
図9】本発明の一実施形態におけるリール半体の製造方法を説明するための模式的断面図である。
図10】参考例に係るテーピング電子部品連用リールの模式的側面図である。
図11図1の線XI−XIにおける模式的断面図である。
図12】変形例におけるテーピング電子部品連用リールのフランジ部の先端を拡大した模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0023】
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものである。図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0024】
図1は、本実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの模式的正面図である。図2は、本実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの模式的側面図である。図3は、本実施形態におけるテーピング電子部品連の長さ方向に沿った模式的断面図である。図4は、本実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一部分を拡大した模式的正面図である。
【0025】
図1及び図2に示されるテーピング電子部品連用リール1は、図3に示すテーピング電子部品連2が巻き取られるリールである。
【0026】
図3に示されるようにテーピング電子部品連2は、長尺状のテープ10を有する。テープ10は、複数の収容部11を有する。収容部11は、テープ10のボトムテープ10aに設けられた凹部により構成されている。凹部10a1は、トップテープ10bにより覆われている。複数の収容部11は、テープ10の長さ方向に沿って相互に間隔を置いて複数設けられている。複数の収容部11のそれぞれには、電子部品12が収容されている。電子部品12の種類は、特に限定されない、電子部品12は、例えば、積層セラミックコンデンサ等のコンデンサ、抵抗素子、インダクタ、サーミスタ、圧電素子等であってもよい。
【0027】
テーピング電子部品連用リール1の重量は、25グラム重未満であることが好ましく、10グラム重以上であることが好ましい。
【0028】
図2及び図4に示されるように、テーピング電子部品連用リール1は、巻芯部20と、第1のガイド部21と、第2のガイド部22とを有する。巻芯部20は、円筒状又は円柱状である。巻芯部20には、テーピング電子部品連2が巻き取られる。
【0029】
第1のガイド部21は、巻芯部20の軸心方向の一方側に設けられている。第1のガイド部21は、テーピング電子部品連用リール1に巻き取られたテーピング電子部品連2の軸心方向の一方側の側面の位置を規制する。
【0030】
第2のガイド部22は、巻芯部20の軸心方向の他方側に設けられている。第2のガイド部22は、テーピング電子部品連用リール1に巻き取られたテーピング電子部品連2の軸心方向の他方側の側面の位置を規制する。
【0031】
具体的には、テーピング電子部品連用リール1は、第1のリール半体31と、第2のリール半体32とを有する。第1のリール半体31と第2のリール半体32とは、それぞれ樹脂製である。第1のリール半体31と第2のリール半体32とは、それぞれポリスチレン、ポリエステル、アクリロニトリル,ブタジエン,スチレン共重合体(ABS樹脂)等により構成することができる。第1のリール半体31と第2のリール半体32とは、それぞれ、板材により構成されている。第1及び第2のリール半体31,32の全表面積の内の70%の部分の厚みが0.45mm以下であることが好ましい。第1のリール半体31と第2のリール半体32とのそれぞれの厚みは、0.45mm以下であることが好ましい。第1のリール半体31と第2のリール半体32とのそれぞれの厚みは、0.1mm以上であることが好ましい。第1のリール半体31と第2のリール半体32とは、巻芯部20の軸心方向において互いに付き合わされている。
【0032】
第1のリール半体31は、円柱状の第1の突出部31aと、円盤状の第1のフランジ部31bとを有する。第1の突出部31aと第1のフランジ部31bとは、一体に形成されている。第1の突出部31aは、円筒状である。第1の突出部31aは、第2のリール半体32側に向かって突出している。第1のフランジ部31bは、第1の突出部31aの第2のリール半体32とは反対側の端部から、半径方向の外側に向かって延びている。第1のフランジ部31bは、第1のガイド部21を構成している。
【0033】
第2のリール半体32は、円柱状の第2の突出部32aと、円盤状の第2のフランジ部32bとを有する。第2の突出部32aと第2のフランジ部32bとは、一体に形成されている。第2の突出部32aは、円筒状である。第2の突出部32aは、第1のリール半体31側に向かって突出している。第2の突出部32aの先端部と第1の突出部31aの先端部とは、互いに付き合わされて接合されている。これら第1及び第2の突出部31a、32aにより、円筒状の巻芯部20が構成されている。巻芯部20の直径は、50mm〜150mmであることが好ましい。巻芯部20の軸心方向に沿った長さは、4mm〜60mmであることが好ましい。
【0034】
第2のフランジ部32bは、第2の突出部32aの第1のリール半体31とは反対側の端部から、半径方向の外側に向かって延びている。第2のフランジ部32bは、第2のガイド部22を構成している。第2のフランジ部32bと第1のフランジ部31bとは、互いに略平行に設けられている。第1及び第2のフランジ部31b、32bのそれぞれの直径は、100mm〜400mmであることが好ましい。
【0035】
なお、図11に示すように、第1のフランジ部31bは、貫通孔34が形成された貫通孔部35を有する。同様に、第2のフランジ部32bも、貫通孔34が形成された貫通孔部35を有する。第1及び第2のフランジ部31b、32bのそれぞれにおいて、貫通孔部35は、貫通孔34側に向かって、巻芯部20の軸心方向における外側に向かって延びている。このため、テーピング電子部品連2が巻回されていく際に貫通孔部35に引っかかりにくくなる。よって、テーピング電子部品連2が好適に巻回されていく。
【0036】
第1の突出部31aの外周面と第1のフランジ部31bとのなす角の大きさθ1(図4を参照)と、第2の突出部32aの外周面と第2のフランジ部32bとのなす角の大きさθ2とは、それぞれ、95°未満であることが好ましい。θ1とθ2とは、それぞれ、90°より大きいことが好ましい。
【0037】
図5に示されるように、第2の突出部32aの外周面と第2のフランジ部32bとの接続部には、湾曲部32cが設けられている。第1及び第2の突出部31a、32aのそれぞれと第1または第2のフランジ部31b、32bとの接続部(湾曲部32c)の曲率半径が、第1及び第2の突出部31a、32aの側面31d、32dと天面31e、32eとの接続部の曲率半径よりも大きいことが好ましい。このため、第1の突出部31aと第2の突出部32aとの接合部に隙間が生じ難い。従って、テーピング電子部品連用リール1に巻き取られるテーピング電子部品連2の姿勢が安定しやすい。
【0038】
この湾曲部32cの曲率半径は、0.6mm未満であることが好ましい。湾曲部32cの曲率半径は、0.1mm以上であることが好ましい。同様に、第1の突出部31aの外周面と第1のフランジ部31bとの接続部にも、湾曲部が設けられている。この湾曲部の曲率半径は、0.6mm未満であることが好ましく、0.1mm以上であることが好ましい。
【0039】
図1に示されるように、第1のフランジ部31bは、主面に、第1のフランジ部31bの厚み方向に沿って突出又は凹んでいる凹凸部31b1を有する。同様に、第2のフランジ部32bは、主面に、第2のフランジ部32bの厚み方向に沿って突出又は凹んでいる凹凸部を有する。このように、第1及び第2のフランジ部31b、32bのそれぞれの主面に凹凸部を設けることにより、第1及び第2のフランジ部31b、32bの剛性を向上することができる。
【0040】
テーピング電子部品連用リール1は、ローラー41,42によって駆動される。具体的には、ローラー41,42は、周面が、第1及び第2のフランジ部31b、32bの周面と接触するように設けられている。ローラー41,42が回転すると、ローラー41,42の周面と第1及び第2のフランジ部31b、32bとの間に生じる摩擦力により、テーピング電子部品連用リール1が回転する。これにより、テーピング電子部品連2の巻き取り又は送り出しが行われる。なお、ローラー41,42の外周面は、ゴム製であることが好ましい。
【0041】
ところで、テーピング電子部品連用リール1を軽量化する観点からは、第1及び第2のフランジ部31b、32bのそれぞれを薄くすることが好ましい。例えば、第1及び第2のフランジ部31b、32bのそれぞれの厚みを0.40mm以下とすることが好ましい。しかしながら、第1及び第2のフランジ部のそれぞれを薄くすると、第1及び第2のフランジ部がローラーの取り付け隙間に食い込みやすい。第1及び第2のフランジ部がローラーの取り付け隙間に食い込むと、第1及び第2のフランジ部の回転方向等に沿って応力が付加する。その結果、テーピング電子部品連用リールが破損する虞がある。
【0042】
図4に示すように、第1及び第2の突出部31a、32aの天面31e、32eの厚みが、第1及び第2のフランジ部31b、32bの厚みよりも厚いことが好ましい。この場合、高い強度が求められる天面31e、32eの強度を高めることができる。
【0043】
天面31e、32eの厚みが、0.40mmより厚いことが好ましい。
【0044】
図6に示されるように、テーピング電子部品連用リール1では、第1及び第2のフランジ部31b、32bのそれぞれは、半径方向の外側端部に、半径方向に対する傾斜部33を有する。換言すれば、第1及び第2のフランジ部31b、32bの外周縁が第1及び第2のフランジ部31b、32bの面内方向と異なる面外方向に延びている。傾斜部33により第1及び第2のフランジ部31b、32bがローラー41,42(図1を参照)の取り付け隙間に食い込むことが抑制されている。従って、テーピング電子部品連用リール1の回転駆動時に第1及び第2のフランジ部31b、32bが破損しにくい。
【0045】
例えば、傾斜部33は、半径方向に対して傾斜しており、巻芯部20の軸心方向の一方側に向かって延びる略平面状の第1の部分33aと、第1の部分33aの先端から半径方向に向かって延びる略平面状の第2の部分33bと、第2の部分33bの先端から巻芯部20の軸心方向の他方側に向かって延びる略平面状の第3の部分33cを有していることが好ましい。すなわち、フランジ部31b、32bの外縁部を構成している第3の部分33cが、フランジ部31b、32bの面内方向に対して傾斜した面外方向であって、軸心方向の外側に延びていることが好ましい。この構成によれば、段第1及び第2のフランジ部31b、32bがローラー41,42取り付け部に食い込むことをより効果的に抑制することができる。
【0046】
また、テーピング電子部品連用リール1の回転駆動は、ローラー41、42により行われる場合だけでなく、ローラー41、42は単にテーピング電子部品連用リール1に付勢するだけで、長尺状のテープ10がテーピング電子部品連用リール1から引き出されることでテーピング電子部品連用リール1が回転する場合もある。
【0047】
テーピング電子部品連用リール1の製造方法は、特に限定されない。テーピング電子部品連用リール1は、例えば以下の要領で製造することができる。テーピング電子部品連用リール1の製造方法の一例について、図7図9を参照しながら説明する。
【0048】
まず、図7に示されるリール半体の母材50を用意する。母材50は、例えば樹脂シート等により構成することができる。
【0049】
次に、母材50を成形型60を用いて成形することにより、リール半体31,32を成形する。具体的には、成形型60は、母材50を成形するための成形面61を有する。成形面61は、突出部31a、32aを成形するための突出部61aと、フランジ部31b、32bを成形するための冷え面部61bとを有する。この成形面61の上に母材50を配する。次に、母材50を加熱しながら変形させ、軟化した母材50を成形面61に沿わせる。具体的には、例えば、母材50を成形面61に対して押しつけることによって変形させてもよいし、母材50を成形面61に対して減圧吸着させることによって変形させてもよい。また、成形面61の表面に溶かした母材50を流し込むことによってフランジ部31b、32bを成形しても良い。
【0050】
その後、成形した第1のリール半体31と第2のリール半体32とを接合することによりテーピング電子部品連用リール1を完成させることができる。
【0051】
なお、第1及び第2のリール半体31,32を射出成形により成形してもよい。
【0052】
ところで、成形型に母材を沿わせた後に、母材の成形型からの取り出しやすさを勘案すれば、例えば図10に示されるように、θ1、θ2を大きくすることが好ましい。しかしながら、θ1、θ2を大きくすると、リール半体131,132の剛性が低下する。このため、例えばリール半体131とリール半体132との間の距離が大きくなるようにリール半体131,132が変形する虞がある。リール半体131,132が変形すると、テーピング電子部品連の巻き崩れが生じる場合がある。
【0053】
テーピング電子部品連用リール1では、θ1とθ2とがそれぞれ95°未満である。このため、リール本体31,32が変形しにくい。このため、テーピング電子部品連2の巻き崩れが生じにくい。但し、θ1,θ2が90°未満であると、リール本体31,32とテーピング電子部品連2との間に強い摩擦が生じるため、リール本体31,32がかえって損傷してしまう場合がある。従って、θ1、θ2は、それぞれ90°より大きいことが好ましい。
【0054】
θ1,θ2を95°未満とした場合、成形型60からリール半体31,32が取り外しにくくなる虞がある。成形型60からリール半体31,32を取り外しやすくする観点からは、成形型60の成形面61の表面粗さを、JIS B0601−2001で規定される算術平均粗さ(Ra)で、0.5μm以上とすることが好ましく、1.0μm以上とすることがより好ましい。但し、成形面61の表面粗さを、JIS B0601−2001で規定される算術平均粗さ(Ra)で、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。
【0055】
また、テーピング電子部品連2の巻き崩れを抑制する観点からは、湾曲部32cの曲率半径が0.6mm未満であることが好ましい。
【0056】
また、図9に示されるように、成形面61から突出可能に設けられたピン62を成形面61から押し出すことによってリール半体31,32を成形型60から取り出すことが好ましい。ピン60は、複数設けられていることが好ましく、3本以上求められてることが好ましい。
【0057】
第1の突出部31aの外周面と第1のフランジ部31bとのなす角の大きさθ1(図4を参照)と、第2の突出部32aの外周面と第2のフランジ部32bとのなす角の大きさθ2とは、それぞれ、95°未満であることが好ましい。θ1とθ2とは、それぞれ、90°より大きいことが好ましい。
【0058】
なお、本実施形態では、厚みはマイクロメーターを用いて測定することができる。
【0059】
曲率半径は、曲率半径を測定しようとする箇所が露出するように部材を研磨し、露出した断面を撮像することにより測定することができる。
【0060】
(変形例)
図12は、変形例におけるテーピング電子部品連用リールのフランジ部の先端を拡大した模式的断面図である。
【0061】
上記実施形態では、傾斜部33が、半径方向に対して傾斜しており、巻芯部20の軸心方向の一方側に向かって延びる略平面状の第1の部分33aと、第1の部分33aの先端から半径方向に向かって延びる略平面状の第2の部分33bと、第2の部分33bの先端から巻芯部20の軸心方向の他方側に向かって延びる略平面状の第3の部分33cを有している例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図12に示すように、テーピング電子部品連用リールのフランジ部の先端は、円弧状であってもよい。すなわち、フランジ部の外周縁を構成している傾斜部33は、フランジ部の先端部の円弧状の部分により構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 テーピング電子部品連用リール
2 テーピング電子部品連
10 テープ
10a ボトムテープ
10a1 凹部
10b トップテープ
11 収容部
12 電子部品
20 巻芯部
21 第1のガイド部
22 第2のガイド部
31 第1のリール半体
31a 第1の突出部
31b1 凹凸部
31b 第1のフランジ部
31d 側面
31e 天面
32 第2のリール半体
32a 第2の突出部
32b 第2のフランジ部
32c 湾曲部
32d 側面
32e 天面
33 傾斜部
33a 第1の部分
33b 第2の部分
33c 第3の部分
41,42 ローラー
50 母材
60 成形型
61 成形面
61a 突出部
61b 冷え面部
62 ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12